知能機械情報学専攻各教官研究室紹介 知能情報システム研究室 … ·...
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知能機械情報学専攻各教官研究室紹介
〔先端研〕は先端科学技術研究センター所属教官をあらわし,情報理工学系研究科の兼担教員である。 〔情報学環〕は情報学環所属教員をあらわし,情報理工学系研究科の兼担教員である。 〔生産研〕は生産技術研究所をあらわし,情報理工学系研究科の兼担教員である。
知能情報システム研究室 実世界知能の理論とシステム 実世界と相互作用しつつ知的に振舞うためには、複雑・不確実・膨大な情
報の中から意味のある構造を認識し、学習し、駆使することが決め手とな
る。そのための理論と応用、ソフトウェアとハードウェアについて研究を
進めている。
大津 展之 教授
工学部8 号館 814 号室 e-mail: [email protected] [email protected]
知能情報研究グループ 実世界知能の理論的基礎として、確率統計的手法や多変量解析手法などを
用いた情報数理的な立場から、パターン情報処理、及び知能情報処理の原
理や仕組みを明らかにし、具体的な手法や応用について研究を行ってい
る。
・パターン認識と学習の基礎理論、柔らかな論理
・多変量解析手法、及びニューラルネットの数理
・画像処理・認識理解(顔,ジェスチャ,行動)
・マルチモーダル・インタフェース
・自律学習ロボットの基礎、進化適応システム
・ 感性情報処理の基礎と応用
國吉 康夫 教授
工学部8号館 816 号室 e-mail: [email protected] 〔情報学環〕
知能システム研究グループ 人間的知能の原理解明と実世界応用にむけて、認知脳科学、複雑適応系、
生体力学、知能情報学を踏まえ、構成論的モデル化の研究と、現実世界に
適用可能な人間型ロボットやヒ
ューマンインタフェースなどの
システム統合研究を進めている。 1. 生体規範型ハードウェア
センサ、身体機構、神経系
2. 脳型情報処理システム
ニューラルネット、知覚・運
動、情動・感情、高次認知
3. 創発、学習、認知発達システム
身体性,行動創発、自己組織化,概念形成、自己認識 4. 認識の「目の付け所」と行動の「コツ」の研究
情報理論,統計,非線形力学系,注意,選択,器用さ 5. 人間行動の観察・理解・模倣機能
模倣学習と発達、意図認
識、観察に基づく協調、
知的監視システム 6. 以心伝心ヒューマンイン
タフェース・システム 7. 即応ダイナミックヒュー
マノイド・システム
1
土肥健純教授
工学部8号館327号室 e-mail: [email protected] URL:http://www.atre.t.u-tokyo.ac.jp
研究分野 手術支援ロボットと手術用医用画像処理の研究開発を主にしている研究室
で、「コンピュータ外科-Computer Aided Surgery」を世界に先駆けて開拓した
発祥の研究室です。特に、新外科治療環境の確立を目的に-「外科医の新し
い目と手」-の創生を目指しています。国内の共同研究医療機関としては、東
大のみならず北大、東京女子医大、阪大、九大の各医学部、国立ガンセンタ
ー、国立成育医療センターなどがあります。学生は国内外の共同研究医療機関
で手術の現場にも参加します(写真1)。
また、福祉工学に関しては、高齢者や障害者の日常生活や社会参加を支援
する立場から、福祉ロボットを含む福祉機器の研究にも取り組んでいます。 研究テーマ代表例 ○外科手術支援ロボット • 微細手術用ロボット(写真2)
• 脳外科治療用穿刺支援ロボット(写真3)
• 整形外科手術支援ロボット
• 胎児外科の内視鏡・鉗子操作ロボット
• 収束超音波・レーザ応用骨切りロボット
○画像誘導手術支援 • High Performance Computing、医用画像
理の基礎研究
• 3次元画像に基づく手術シミュレーション
• ウェジプリズム型内視鏡
○立体画像合成システム • コンピュータグラフィクス、画像立体視の基
研究
• 手術用立体合成画像表示システム
• 手術ナビゲーションシステム ○応用研究 • 長視距離大型三次元ディスプレイ (写真4)
写真1:研究の手術応用
2
写真2:微細手術ロボット
処
礎
写真3:脳神経外科穿刺ロボット
写真4:長視距離大型三次元 ディスプレイ
佐藤 知正 教授
工学部 2号館 210 号室 E-mail:[email protected] URL:http://www.ics.t.u-tokyo.ac.jp/~tomo/ 森 武俊 助教授
[情報学環]
工学部 2号館 214 号室 E-mail:[email protected] URL:http://www.ics.t.u-tokyo.ac.jp/~tmori/
協調知能システム研究室 (佐藤・森研究室)
いつも人をみまもっていて必要な時にサービスするロボット,そのため
に必要な知能,分散化され全体として協調して機能する知的システムの研究
を行っています.その実現を念頭に置き,人の知能の解明を目指すとともに,
環境型/携帯型の人間活動計測,人と共棲しうるロボット機構やユービキタス
ネットワーク,パーベイシブセンシング,行動データベースなどの知能情報
処理の研究を推進しています.
●ロボティックシステムの研究: 知能ロボットシステムの具体例として,
部屋それ自体が全体としてロボットというコンセプトのロボティックルー
ムの構築研究を進めています.具体的には,1)人間行動センシングと情報提
示支援をターゲットとしたセンシングルーム(上写真・図),2)物品運搬補
助や移動補助など人への物理支援を対象とし人間型ロボットと共同して行
うロボティックルーム3(左下写真)の研究を展開しつつあります.
●行動理解や行動計測センサ・ネットワークの研究: 行動を,人の情報媒
体として追及する知能の研究(行動メディアの研究)として,3)分散協調セ
ンサネットワークを利用した人の行動計測・理解とその予測の研究,4)人に
近い認識結果を与える人の日常動作認識アルゴリズム構成の研究,5)人の運
動を計測する多様なセンサを開発する研究(下中央図)等を行っています.
寝ているだけで人の寝返りや呼吸や心拍までも計測でききるセンシングベ
ッドや,人に装着するウエアラブルセンサのためのネットワークやそのため
のデバイス開発(右下写真)の研究を進めています.
●行動データベースや行動コンテンツの研究: 6)人の日常生活の行動情報を
蓄積した日常行動データベースを構築し要約や検索に利用する研究,8)小型
携帯型システムによってふだんの活動を計測しその情報からライフログを構
築し関連情報をあとでとりだす記憶想起支援の研究も実施しています.
●行動学習に基づく行動支援の研究: 人間の日常行動をロボットが見てい
て,8)その情報から多様な日常生活に対応して人を支援してくれるロボット
動作を学習・生成する行動学習を人の模倣能力を規範として行う研究や,9)
そのような情報から個性をもつ個人やその行動に適合したロボット支援を可
能とするための研究を行っています.
3
広田 光一 助教授
〔先端研〕 先端研 新4号館 526号室e-mail: [email protected] URL: http://www.cyber. rcast.u-tokyo.ac.jp/~hirota/
廣瀬 通孝 教授
〔先端研〕 先端研 新4号館 527号室e-mail: [email protected] URL: http://www.cyber. rcast.u-tokyo.ac.jp/
生命知能システム分野 人間と計算機を分かちがたく一体化し、全体として高度な情報処理システム
を構築するための技術をサイバネティック・インタフェースと呼ぶ。本講座
では、バーチャル・リアリティ技術を端緒として、この種のインタフェース
技術について、様々な角度から研究を行う。特に、システムの開発にとどま
らず、それによって生みだされるであろう新しいコンテンツについても重視
する。具体的には、高品位な仮想環境を利用したインタラクティブ・コンテ
ンツの研究、触覚や嗅覚を含むマルチモーダル・インタフェースの研究、ウ
ェアラブル・コンピュータによる体験の記録に関する研究、ユビキタス環境
の構築技術とコンテンツ開発に関する研究などである。
研究テーマの例:
仮想考古学~VRを利用して
コパン遺跡の当時の姿を再現
マルチモーダル・インタフェースの
研究~触覚・嗅覚情報の提示
ウェアラブル・コンピュータによる
体験の記録
ユビキタス技術を用いた博物館展示
~国立科学博物館における実験
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中村 仁彦 教授
工学部 8 号館 329 号室 phone: 03-5841-6379 e-mail: [email protected] URL:http://www.ynl.t.u-tokyo.ac.jp/
山根 克 講師
工学部 8 号館 310 号室 phone: 03-5841-6378 e-mail: [email protected] URL:http://www.ynl.t.u-tokyo.ac.jp/
力学と制御と計算の観点からロボティクスを研究している.基礎技術としては,メ
カニズムデザイン,計算アルゴリズム,非線形制御,脳型情報処理を分野とし,
応用技術としては,ヒューマノイドロボット,アニメーション,医療支援技術などに
取り組んでいる.
ロボット
ヒューマノイドロボットの伸びやかな歩行制御
ヒューマノイドロボットの機動的な運動制御
ヒューマノイドとヒューマンフィギュアの振付法
脳型情報処理
運動と記号をつなぐミラーニューロンの数学モデル
コミュニケーションロボットと力学的情報処理
体性感覚情報処理
解剖学と力学モデルに基づく神経筋骨格情報計算
神経医療と運動トレーニングの支援技術
機構と計算と制御
分子イメージングと映像安定化技術
分子動力学とリンク系の並列力学計算
一球車の機構と制御
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下山 勲 教授
工学部 8 号館 433 号室 e-mail: isao@leopard.
t.u-tokyo.ac.jp 松本 潔 助教授
工学部 8 号館 535 号室 e-mail:matsu@ leopard.
t.u-tokyo.ac.jp 星野 一憲 講師
工学部 8 号館 810 号室 e-mail:hoshino@ leopard.
t.u-tokyo.ac.jp
下山・松本・星野研究室 URL: www.leopard.t.u-tokyo.ac.jp
研究分野: 工学と生物学との学際領域で新しい機械システムを研究しています.
特に,MEMS(マイクロマシン),ロボティクス,神経行動学の連携により,以下の
ような研究を行っています.
1.MEMS/ナノテクノロジー/情報デバイス
多感覚情報入出力デバイス,ウエアラブル機器用の柔らかいディスプレイ,3次
元ディスプレイ,微細構造の順序自己組立,リモートパワリング,MEMSセンサ,
MEMS 薄型カメラ
2.ロボット
複眼型視覚センサおよびその応用,空気圧アクチュエータを用いた柔らかいロ
ボットハンド,昆虫の行動解析に基づいたロボット,柔軟な触覚センサ
3.バイオ
昆虫の行動発現メカニズムのモデル化,ナノプローブを用いた細胞内情報計測
微小開口制御ディスレイ 微小カンチレバー
マイクロ三次元自己組み立て マイクロ流路
複眼型センサ 携帯入力デバイス
カーボンナノチューブの成長制御 有機 EL 一体型トランジスタ
カイコガのテレメトリ 六脚歩行ロボット
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神崎 亮平 教授
工学部 8 号館 325 号室 e-mail: [email protected] URL http://www.brain.imi.i.
u-tokyo.ac.jp
高橋 宏知 講師
工学部 8 号館 312 号室 e-mail: [email protected].
u-tokyo.ac.jpURL http://www.brain.imi.i.
u-tokyo.ac.jp
神崎・高橋研究室 研究分野:生物の神経回路は,状況・経験・環境に応じて,情報処理・運動
制御方法を時々刻々と動的に変化させる.このような生物固有の神経回路の
設計指針を解明し,それの工学・医療・農学分野への応用を目指す.特に,
生物の可塑性や環境適応性のメカニズム,知的行動の発現メカニズムを解明
するために,工学・生物科学の両分野の視点から,異種感覚統合 (センサフ
ュージョン),記憶・学習,情動のメカニズムを考察する.また,実際の生物
の情報処理に基づいた知的情報処理システムやシリコンベースの神経回路を
開発することで,構成的に生物の情報処理機構を解明していく.これらの目
標を実現するために,培養神経細胞・昆虫・アメフラシ・ラットなど様々な
生物を対象にし,遺伝子・単一ニューロン・神経回路・行動レベルとマルチ
スケールで神経回路を考察して,階層的・総合的に脳研究を進めている. 研究例: 1) 生体情報の遠隔計測 (図 1) 2) 脳神経活動計測用ツールの開発 (図 2) 3) 超高速イメージング技術による脳神経活動の時空間計測 (図 3) 4) 培養細胞の神経回路の情報処理 (図4) 5) 脳内の神経回路の構造と機能の計測・シミュレーション (図 5) 6) 脳・行動規範型ロボットによる行動発現モデル評価 (図6)
図 1:超小型テレメトリを用いた生体情
報の遠隔計測。スケール:5mm
図 4:数個の培養細胞からなる神経回路
Spike Array
図 2:神経活動計測用微小電極アレイ
図 5:神経細胞の構造の抽出
図 3:超高速イメージング技術による 脳神経活動の時空間計測
図 6:昆虫の脳・行動規範型ロボットに
よる環境適応評価
Depth Array
Surface Array
Neural Interface
Intravascular array
2 mm
100 µm
100 µm
400 µm
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稲葉 雅幸 教授
工学部8号館 707 号室 e-mail: [email protected]
稲邑 哲也 講師
工学部8号館 705 号室 e-mail: [email protected]
情報システム工学研究室
URL: http://www.jsk.t.u-tokyo.ac.jp/index-j.html 人の社会生活空間で活躍するこれからの知能ロボットに必須の機能とシステ
ムに,知能メカトロニクス,生命体システム,サイバーテクノロジーの視点
から取り組む.現在以下の研究テーマを展開中である.詳細は JSK(情報シス
テム工学研究室)のホームページを参照されたい.
1.リアルで多様な振舞いを支え,人の社会生活空間に適合した機能と特性
を実現する,感覚行動統合型ヒューマノイドロボットシステムの研究:
(1) 環境接触型全身行動制御 (2) 多目的ハンドの開発 (3) 知的遠隔操
作インタフェース (4) リモートブレインロボット 2.人間の認知メカニズムを理解し,質問や提案などを織り交ぜながら人間
と対話し行動学習する発達型知能の研究: (1) 認知的対話学習システム (2) 状況理解と発話行為戦略 (3) 環境と身
体像の記憶に基づく状況予測 (4) 模倣に基づく動作と言語の相互発達 3.超多自由度の柔軟な身体構造を持ち,反射や本能などのホメオスタシス
に基づいて行動を発達させる自律システムの構成法の研究: (1) 全身腱駆動ロボット (2) 変形変態ロボット (3) 随意反射,本能情動
に基づく自律機能 (4) 行為の因果関係に基づく注意機構の制御 4.実世界の情報を高度な知的行動にリアルタイムで反映するための情報処
理メカトロシステムと分散組込型ソフトウェアシステムの研究: (1) 三次元実時間視聴覚システム (2) 視覚に基づく行動プラニング (3) ポータブル状況通知ロボット (4) ユベキタスパーソナルIT環境
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竹内昌治 助教授
生産技術研究所 Fw205 e-mail: [email protected] URL: 研究室: http://www.hybrid.iis.u-tokyo.ac.jp/ マイクロメカトロニクス国際研究センタ: http://www.cirmm.iis.u-tokyo.ac.jp/ 生産技術研究所: http://www.iis.u-tokyo.ac.jp/
バイオハイブリッドシステムの研究
生体の機能や構造とマイクロ・ナノマシンなどのハードウェアを融合させる研究を通して、DNA から細胞、組織、行動といった、生体のあらゆるスケールにおける謎を解明し、応用することを目指しています。バイオとナノ、アイディアを形にすることに興味のある学生を募集しています。
【研究内容】
①動くタンパク質(分子モータ)を駆動源としたハイブリッドナノマシン(図 a) 我々の体を構成しているほとんどのタンパク質には運動機能があります。中でも筋肉を構成しているアクチン・ミオシンは有名ですね。ここでは、そのような運動性のタンパク質をナノサイズのアクチュエータとして機能させる研究を行っています。まさにバイオの素子で機能するハイブリッドなデバイスを提案しています。
②人工心臓などの人工臓器と制御装置を結ぶ神経インターフェース(図 b, c, d) 神経からの信号を効率よく取得し、その情報を機械へ伝えます。すると、生体が自らの意志で、機械を駆動させることができるようになるかもしれません。ここでは、そのために神経にダメージの少ないフレキシブルな微小電極をラットやヤギの脳・神経に埋め込み,電位の計測や刺激を行うシステムについて研究しています。
③創薬及び診断のための膜タンパク質チップ(図 e, f) 細胞と外界とのやりとりに不可欠なのが、細胞膜中に存在する膜タンパク質です。ある薬が効き目を持つかどうかは、この膜タンパク質の性質によって決定します。ここでは、チップ上に安定して人工細胞膜を再構成し、そこ各種の膜タンパク質を埋込む研究を行っています。基板上に効率よくナノサイズのパターンができるかというのも重要な課題です。
④人工細胞膜を利用した細胞内導入システム(図 g)。 細胞のメカニズムを明らかにするために、擬似細胞の研究を行っています。人工的に再構成した細胞膜構造に DNA を入れたり、それぞれを融合させたり。この擬似細胞膜は、細胞に対して毒性を持たないので、本当の細胞と融合することも可能でしょう。効率よく遺伝子を受精卵に入れるようなツールになるのではと期待しています。
【研究生活】
駒場に新築された世界最先端の設備を有する恵まれた研究環境で、バイオ、ナノテクノロジー、マイクロマシニングを学際的に楽しむ研究室です。また、当研究室はマイクロメカトロニクス国際研究センターと呼ばれる組織にも属しています。このセンターは、マイクロマシンの分野で国際的評価も高く、世界的なネットワーク作りに取り組んでいます。特にフランスとの関係は強く、パリにセンターのオフィスもあります。メンバーは多国籍で、バックグラウンドの異なる多くの研究者が在籍しています。スイス、フランスなどからの研究員、欧米、アジア諸国との人材交流も活発に行っており、留学や国際学会への出席のチャンスも多いです。自分の研究で世界を驚かせ、さらに飛躍したい方をお待ちしております。
µm
膜タンパク
質導入用流
路の入口
人工再構成
膜アレイ
(a) ナノサイズの動くタンパク質を利用したマイクロ構造物の搬送。 (b, c, d) 柔軟な神経電位計測用電極。 (c) ラットの脳内への埋め込み実験。 (d) 指の皮には刺さらないほどの柔軟さ。(e)膜タンパク質チップ:生体膜を再構成できます(f)異なるナノ粒子のパターンニング。(g)2 種類の人工細胞膜(緑と赤色に発色)の融合制御。
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