ライフサイエンス分野における 研究データの共有について · 2019-11-15 · ライフサイエンスに係るデータの実態(2) •データのサイズ
申請時電子データ提出における レガシーデータ変換...
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申請時電子データ提出における レガシーデータ変換に関する考察
申請時電子データ提出にかかる実務担当者のためのワークショップ② CDISC標準準拠データについて
武田薬品工業株式会社
高浪 洋平
2016年9月1日
Disclaimer
• 本発表内容は演者の個人的見解であり,所属する組織の意見や立場を代表するものではありませんことご留意ください.
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OUTLINE
• Background • 電子データ提出に関する通知類・提出物 • PMDAとFDAの通知類の比較と枠組みの違い • 理想的なデータフロー • Ph-I/CP試験のデータフロー
• レガシーデータ変換に関する考察 • レガシーデータ変換と一般的な問題 • レガシーデータ変換のパターンと考察
• 一般的なレガシー変換フロー • 併合解析(ISS/ISE)データの作成 • Ph-I/CP試験におけるレガシーデータ変換
• まとめ
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OUTLINE
• Background • 電子データ提出に関する通知類・提出物 • PMDAとFDAの通知類の比較と枠組みの違い • 理想的なデータフロー • Ph-I/CP試験のデータフロー
• レガシーデータ変換に関する考察 • レガシーデータ変換と一般的な問題 • レガシーデータ変換のパターンと考察
• 一般的なレガシー変換フロー • 併合解析(ISS/ISE)データの作成 • Ph-I/CP試験におけるレガシーデータ変換
• まとめ
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電子データ提出に関する通知類
• 承認申請時の 電子データ 提出に関する 基本的考え方について(基本的通知) – 基本的な要件が記載された通知(Q&Aも含む) – 2014年6月に発出
• 承認申請時の電子データ提出に関する実務的事項について(実務的通知) – 基本通知よりも具体的な要件が記載された通知(Q&Aも含む) – 2015年4月に発出
• 承認申請時の電子データ提出等に関する技術的ガイド(技術的ガイド) – 上記よりもさらなる詳細事項,注意事項等が記載された文書 – 2015年4月に発出(2016年6月に改定)
• その他 – 新医薬品の申請電子データ提出確認相談
• 実施要綱等の通知がリリースされた. – 申請電子データ提出に関する技術情報(FAQ,データカタログ等)
• 申請電子データ提出に際して利用可能な規格一覧 • バリデーションルール一覧 • FAQ Webページ(2016年7月に改定)
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提出物(電子データ及び関連文書)
• 試験単位の提出物 – SDTM datasets – Define.xml (SDTM) – Study Data Reviewer's Guide (SDRG) – Annotated CRF (aCRF) – ADaM datasets – Define.xml (ADaM) – Analysis Data Reviewer's Guide (ADRG) – ADaM Creation programs – TLFs Creation programs
• 併合解析(ISS/ISE) – ADaM datasets – Define.xml – ADRG – ADaM Creation programs – TLFs Creation programs
SDTM ADaM
Define.xml ADRG
ADaM Creation Programs
Define.xml aCRF SDRG
TLFs Creation Programs
臨床薬理試験に関する提出物についても通知類で定められている.
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PMDAとFDAの通知類の比較
• 申請時電子データ提出に関連する日米の主な通知類
Item PMDA FDA
Guidance/Notification • Basic Principles • Notification on Practical Operations
• Includes Specific requirements for Ph-I/CP studies and data in Japanese character
• Providing Regulatory Submission In Electronic Format - Standardized Study Data
Technical Guide • Technical Conformance Guide • Includes specific requirements for Ph-
I/CP studies , data in Japanese and Analysis Results Metadata
• Technical Conformance Guide • Includes considerations on the
Legacy Data Conversion
Validation Rules • SDTM, ADaM, Define.xml • SDTM, SEND Data Standard catalog • Data Standard Catalog • Data Standard Catalog
Study Data Standardization Plan
• NA (IND system is different from that of US)
• For INDs, it should be located in the general investigational plan
FAQ web site • Supportive information on PMDA web site • None Consultation Meeting • New consultation meeting specific to e-
Data submission • pre-NDA meeting • Type C Meeting
eCTD and Gateway System
• e-Data is separated from eCTD 3.2.2 • Gateway system
• e-Data is included in eCTD 3.2.2 • Gateway System • eCTD Test Submission
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電子データ提出に関する日米の枠組みの違い
• 日本の「申請単位」と米国の「試験単位」 – PMDA
• 2016年10月より電子データの提出・受付開始 – 提出対象となるすべての試験の電子データの提出が必要. – ※経過措置期間は部分提出も許容されているが,その場合は従前の審査プロセス.
• 2020年4月より電子データの提出を義務化 – FDA
• 2016年12月17日以降に開始※される試験(非臨床試験を含む)についてCDISC標準に準拠した電子データの収集・NDA時の提出を義務化
• ※… the study start date for clinical studies is the earliest date of informed consent among any subject that enrolled in the study.
– 異なる対応が必要 • PMDA申請時は,提出対象となる試験について,レガシーデータ変換も含めて対応が必要 • FDA申請時は,上記日付より前に開始された試験についてはレガシーデータ変換が必須で
はないが,それまでにCDISC標準に準拠したデータを収集するプロトコルやCRFを用意する必要がある.
– FDAは,レガシーデータ変換時に留意すべき点を詳細に述べている » 例:Legacy Data Conversion Plan (Technical Conformance Guide V3.0)
「申請時の提出段階」または「データの収集段階」の対応が異なっている. 8
理想的なCDISC対応データフロー(Linear flow)
• CDISC準拠データを作成するための理想的なフロー – EDC/Raw data => SDTM => ADaM => TLFs – 試験実施中にCDISC準拠のデータセット及び関連文書の作成が比較的容易で,申
請前にデータの変換が不要(※申請前にバージョンの確認及びバリデーションチェックは必要)
– トレーサビリティが担保され,審査官によるデータの理解が容易
SDTM PMDA
Define.xml ADRG
ADaM
Programs
Define.xml aCRF SDRG
EDC/RAW TLFs
Programs
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標準的な薬物動態解析を実施する試験のデータフロー
• データ作成フローの一例 – SDTM
• PCドメイン (濃度・採血時刻データから作成) • PPドメイン (PKパラメータ算出結果ファイルから作成) • その他のドメイン
– ADaM • ADPC(PCドメインとADSLから作成) • ADPP(PPドメインとADSLから作成) • その他のデータセット
– NCA • NCA用データセットとOutputファイルの作成 • データセット定義書と解析仕様書の作成
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Concentration Data (Raw) PC PP Dataset
for NCA Output
file NCA
DM, EX
ADPC ADPP
ADSL
RELREC/Documentation
解析仕様書 データ定義書
EDC/ RAW
NCAの解析結果からPPドメインを 作成するため,フローが複雑
OUTLINE
• Background • 電子データ提出に関する通知類・提出物 • PMDAとFDAの通知類の比較と枠組みの違い • 理想的なデータフロー • Ph-I/CP試験のデータフロー
• レガシーデータ変換に関する考察 • レガシーデータ変換と一般的な問題 • レガシーデータ変換のパターンと考察
• 一般的なレガシー変換フロー • 併合解析(ISS/ISE)データの作成 • Ph-I/CP試験におけるレガシーデータ変換
• まとめ
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レガシーデータ変換とは
• レガシーデータとは – 過去試験等においてCDISC標準形式でデータが収集・作成されておらず,SDTMや
ADaM等のCDISC標準に準拠していない電子データ • なぜレガシーデータ変換が必要?
– 電子データ提出対象となる試験については,そのままの形式ではPMDAに提出することはできない.
• データ作成部門の余分な工数となる. – データセットのみならず,他のCDISC標準関連の文書等の作成も必要となる.
• データ定義書(Define.xml) • データガイド(Reviewer's Guide)
レガシー 臨床試験データ (Non-CDISC)
Spec PMDA レガシー
解析データ (Non-CDISC)
Spec
レガシーデータ変換自体が大きな負担となるため,変換が不要となるよう社内手順を
整備することが望ましい
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レガシーデータ変換における一般的な問題点
• データ作成の観点から – CTのマッピング
• SDTM等のControlled Terminology (CT)への変換は容易ではなく,実施中の試験との整合性も考慮する必要がある.
– 日本語データ(英語以外のデータ) • 通知・ガイダンス類に従った対応が必要となる.
– 併合解析用データセット(ISS/ISE) • ソースデータの組み合わせは様々で,バージョン管理も必要 (e.g. CDISC, MedDRA)
– トレーサビリティ • 解析結果からデータ収集までのトレーサビリティの確保が容易ではない.
– 例えば,ADaMを用いた解析結果作成プログラムは存在しない. – バリデーション
• Pinnacle 21による完全なバリデーションは困難な場合がある.
• コスト・期間・リソース・タイミング等の観点から(※タイミングについては後述) – 申請前の多忙な時期に実施される可能性もあり,スケジュールへの影響も大きい – 過去試験担当者やCDISC専門家の工数確保が必要
• データ作成部門に大きな負担が掛かってしまう. – 複雑な状況下でのレガシーデータ変換も想定される
• 導入品の開発,共同開発,日米同時申請等における想定外の状況
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解析結果からのトレーサビリティ
• Traceability (ADaM V2.1) – The concept of traceability is a cornerstone of the Analysis Data Model.
This property enables the understanding of the data’s lineage or the relationship between an element and its predecessor(s). Traceability facilitates transparency, which is an essential component in building confidence in a result or conclusion. Ultimately, traceability in ADaM permits the understanding of the relationship among the analysis results, the analysis datasets, and the SDTM domains.
SDTM ADaM EDC/RAW TLFs
Define.xml Define.xml CRF
Full path from Analysis results to Data collection
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レガシーデータ変換のタイミング
• 早すぎても遅すぎてもダメ? – 早すぎる場合の課題
• 申請前のバリデーションで再度変換・修正が必要になることもある? – 技術的ガイド,データカタログ,FAQ,バリデーションルール等は不定期に改訂され,提出確認相談の
結果によってもデータ・関連文書の修正が必要な可能性がある. • 当該化合物が実際に承認申請までたどり着く可能性は?
– コスト・リソース・時間を掛けて準備しても徒労に終わる可能性がある? – 実施中のより重要度の高い他の試験が優先される場合等,リソースの確保が難しい?
– 遅すぎる場合の課題 • 申請前に工数が増大する
– 申請パッケージが大きい場合,申請スケジュールに影響を与える可能性がある. – 当該化合物の最終試験,通常の申請業務に加えて電子データの準備の工数が必要となる.
» 過去試験担当者やCDISC専門家の工数確保が必要 – ISS/ISE用のデータの準備も並行して必要となる.
» ソースとなる併合対象試験データがレガシーデータとなる可能性がある.
– 適切なタイミングは? • 開発状況,申請パッケージの規模,提出確認相談の実施時期,社内のコスト・リソース等々を
考慮して無理のないスケジュールで実施できるタイミング – データ作成部門のみならず,関連部門の理解・協力が必要不可欠
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レガシーデータ変換して良いことあるの?
• 規制当局側のメリット – 古い試験であっても,申請時にどの企業からも同様の構造を持つデータを収集でき,
解析の効率化や将来的な薬剤開発の促進に役立つ. • 申請者側のメリット
– 古い試験のデータ構造をCDISC形式に変換しておくことで,将来的に導入開発,併合解析,共同開発,合併時の対応等々,特に企業間でのデータのやり取りが効率化される.
• 個人的な経験・・・ – 導入開発品で,照会事項対応のため,約20年前に海外で実施された臨床試験デー
タを受け取って確認作業を実施 • ただし,導入元の経緯が複雑
– 某ヨーロッパの企業⇒某メガファーマAが買収⇒某メガファーマBに事業譲渡 » 某メガファーマBは,当該化合物の過去試験データをすべてSDTMに変換していた
(Define.xmlとaCRFも作成済)ため,データ送付の手続きを経て,受領後,結果の再現も含めて短期間で対応が完了.
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医薬品産業における長期的な視点から考えると, 前向きなCDISC対応のみならず,レガシーデータ変換にもメリットはある.
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• Background • 電子データ提出に関する通知類・提出物 • PMDAとFDAの通知類の比較と枠組みの違い • 理想的なデータフロー • Ph-I/CP試験のデータフロー
• レガシーデータ変換に関する考察 • レガシーデータ変換と一般的な問題 • レガシーデータ変換のパターンと考察
• 一般的なレガシー変換フロー • 併合解析(ISS/ISE)データの作成 • Ph-I/CP試験におけるレガシーデータ変換
• まとめ
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一般的なレガシーデータ変換フロー
• SDTM,ADaMへのレガシーデータ変換フロー – レガシーデータをSDTMに変換し,SDTMからADaMを作成する.
Conversion
EDC/RAW Legacy
Tabulation Data
Legacy Analysis
Data TLFs
Spec Spec.
Programs Programs
SDTM PMDA
Define.xml ADRG
NDA
Validation
Validation
ADaM
Programs
Define.xml aCRF SDRG
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解析結果メタデータ(ARM)に関する考察
• ARM作成を伴うレガシーデータ変換 – If TLFs in CSR/CTDの解析帳票がレガシーデータを用いて作成されている場合,
ADaMを使用した解析プログラムは存在しない. • ARMを作成するために,製薬企業はADaMを使用した解析プログラムを作成する必要がある. • 製薬企業によっては,バリデーション目的のため,過去の帳票とのQC作業を実施する場合もある.
SDTM
Legacy Tabulation
Data
Legacy Analysis
Data
TLFs (CSR)
Programs Programs
Conversion
ADaM
Programs No programs
Define.xml with ARM
Create Analysis programs
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Validate?
一般的なレガシーデータ変換フロー
• SDTM,ADaMへのレガシーデータ変換フロー – SDTM変換時のCT等の問題 – 日本語問題 – ARM作成のため,解析プログラムの再作成が必要
• 解析帳票とCDISCのTerminologyは完全には一致しない.
Data Model Materials Status* Note
SDTM Datasets △ SDTM変換時のCT等の問題
Define.xml △ SDTM変換時のCT等の問題
Annotated CRF △ SDTM変換時のCT等の問題
Study Data Reviewer's Guide △ SDTM変換時のCT等の問題
ADaM Datasets ○ SDTMから作成
Define.xml ○ SDTMから作成
ARMと解析プログラム ×(再作成) ADaMを用いた解析プログラムの作成(解析帳票からのトレーサビリティの確保)
ADaM Creation Programs ○ SDTMから作成
Analysis Data Reviewer's Guide ○ SDTMをソースデータとして作成
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*Status: ○:通常のフローと大きく変わらない,△:考慮すべき問題あり,×:負担が大きい作業
併合解析(ISS/ISE)データの作成
• 併合解析(ISS/ISE)のための電子データ作成時の問題 – 併合ADaMデータセットのソースデータは何か?
• CDISC標準では,SDTM⇒ADaMのフローが前提となるため,併合SDTMを作成することが望ましいが,実務的にはどうか(後述).
– ソースデータの構造が統一されていない可能性がある. • トレーサビリティの問題や,導出ロジックが複雑になる可能性もある.
Integrated from different data structure
Legacy Tabulation
Data
Legacy Analysis
Data SDTM ADaM
Study 1 Study 2 Study 3 Study 4
PMDA NDA
Validation
ADaM for ISS/ISE
Define.xml ADRG
TLFs
Programs
Programs
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併合解析(ISS/ISE)データの作成
• ソースデータは併合SDTM?各試験のADaM? – 各試験のSDTMから併合SDTMを作成するパターン
• SDTM⇔ADaM間のトレーサビリティは保持できるが,作業量が増大する.
– 各試験のADaMから併合ADaMを作成するパターン • ADaM間でトレーサビリティを保持できるが,SDTMから作成していない.作業量は上記より少ない.
SDTM
PMDA
Integrated from SDTM for each study
NDA SDTM
Study 1 Study 2 Study 3
ADaM (ISS/ISE)
Define.xml ADRG
Programs
TLFs Programs Validation
Legacy SDTM Legacy SDTM
ADaM
PMDA
Integrated from ADaM for each study
Study 1 Study 2 Study 3
ADaM (ISS/ISE)
Define.xml ADRG
Programs TLFs
Programs
Validation
SDTM ADaM Legacy ADaM
NDA
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併合解析(ISS/ISE)データの作成
• 併合解析(ISS/ISE)への対応 – ソースデータにレガシーデータやCDISC準拠のデータが混在している可能性がある.
• 併合ADaM作成時のソースデータに何を用いるべきかに一定の見解は存在しない. – CDISC標準は,SDTM⇒ADaMのフローを前提としている. – ADaM用Define.xmlやADRGの記載方法は悩ましい. – トレーサビリティの問題は常に存在する.
– ADaM作成プログラムのロジックは複雑になる可能性がある. – ADaMのValidationは完全には実施できない場合もある.(e.g. Pinnacle 21) – CTD M2の有害事象の解析帳票は原則日本語(※「CTD における標準的なフォーマットについて」)
– 一つのバージョンに変換する必要がある(e.g. SDTM, ADaM, CT, MedDRA) Data Model Materials Status* Note
ADaM Datasets △ ソースデータの構造が試験ごとに異なる可能性がある.
Define.xml △ ソースデータの構造が試験ごとに異なる可能性があるため,導出方法の記述が難しい.
ADaM Creation Programs △ 試験ごとに抽出・変換ロジックが異なる可能性がある.
TLFs Creation Programs ○ ISS/ISEが作成した併合ADaMで実施される場合,作業は無駄にはならない.
Analysis Data Reviewer's Guide △ ソースデータにSDTMを仮定した構成になっているため,レガシー変換が混在すると説明が容易ではない.
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*Status: ○:通常のフローと大きく変わらない,△:考慮すべき問題あり,×:負担が大きい作業
標準的な薬物動態解析を実施する試験のレガシーデータ変換
• 解析データと臨床試験データの関係が複雑(下図は一例) – PC/PPドメイン – ADPC/ADPPデータセット – NCA用データセット – 関連文書類
CDISC
PC PP
Documentation/RELREC?
ADSL
ADPP ADPC
1 2 2
1
NCA用データは変換不要 (ここでの変換フローはあくまで一例)
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レガシー 濃度データ
解析データ (PKパラメータ)
Dataset for NCA
NCA 結果ファイル
NCA
レガシー Tabulation
データ
Non-CDISC
解析仕様書 データ定義書
解析データ (濃度)
文書類が未作成の場合 変換時に作成
標準的な薬物動態解析を実施する試験のレガシーデータ変換
• 臨床薬理領域のレガシーデータ変換時の提出物 – PC/PPドメインの作成 – 薬物動態に関する解析上の取扱いの説明も必要 – 臨床薬理領域試験特有の文書類の準備
Data Model Materials Status* Note
SDTM (PC/PP含む)
Datasets △ PC/PP作成方法要検討
Define.xml △ PPの導出部分の記載方法要検討
Annotated CRF △
Study Data Reviewer's Guide △ PPの説明方法要検討
ADaM (ADPC/ADPP含む)
Datasets ○ SDTMから作成
Define.xml ○ SDTMから作成
ADaM Creation Programs ○ SDTMから作成
ARMと解析プログラム ×(再作成) ADaMを用いた解析プログラムの作成(解析帳票からのトレーサビリティの確保)
Analysis Data Reviewer's Guide ○ SDTMをソースデータとして作成
PK/NCA Dataset for NCA △ 提出内容・形式は要相談
データセット定義書 △ ADaM形式以外の場合は別途作成
解析仕様書 △ 提出内容・形式は要相談
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*Status: ○:通常のフローと大きく変わらない,△:考慮すべき問題あり,×:負担が大きい作業
OUTLINE
• Background • 電子データ提出に関する通知類・提出物 • PMDAとFDAの通知類の比較と枠組みの違い • 理想的なデータフロー • Ph-I/CP試験のデータフロー
• レガシーデータ変換に関する考察 • レガシーデータ変換と一般的な問題 • レガシーデータ変換のパターンと考察
• 一般的なレガシー変換フロー • 併合解析(ISS/ISE)データの作成 • Ph-I/CP試験におけるレガシーデータ変換
• まとめ
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まとめ
• 電子データ提出に関するPMDAとFDAの要件の違い – 日本の申請では,電子データのフル提出*を目指す場合,レガシーデータ変換が必要
となる. *電子データ提出対象試験についてすべての電子データを提出する場合
• レガシーデータ変換の考察
– 申請業務において,レガシーデータ変換は「大きな負担」 • データ作成部門に大きな負荷が掛かる.
– 通常の申請業務と並行して実施する必要がある. • 多くの課題に直面する.
– CTのマッピング,日本語データ,バージョン管理,トレーサビリティ,バリデーション • コスト・リソースの問題に加えて,申請スケジュールにも影響する可能性がある.
– 様々なパターン・状況が存在する. • 併合解析,Ph-I/CP試験,導入品開発,共同開発,日米同時申請等々
– 実施のタイミング • 実施及び実施時期の判断については,データ作成部門以外の部門の理解・協力が不可欠
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References
• PMDA次世代審査・相談体制について(申請時電子データ提出) https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/about-reviews/p-drugs/0003.html
• FDA Study Data Standards Resources http://www.fda.gov/forindustry/datastandards/studydatastandards/default.htm
• CDISC http://www.cdisc.org/
• Pinnacle 21 https://www.pinnacle21.net/
• Yohei Takanami (2014). Considerations on Legacy Data Conversion to CDISC Standards for e-Data Submission for NDA in Japan. PhUSE Single Day Event, Tokyo, Japan http://www.phuse.eu/2014JapanSDE.aspx
• 高浪洋平,坂上拓(2015)「ADaM 関連提出物の留意点(2) 」申請時電子データ提出にかかる実務担当者のためのワークショップ-CDISC準拠データを中心に http://www.jpma.or.jp/medicine/shinyaku/tiken/symposium/pdf/20150918/20150918_13.pdf
• Yohei Takanami (2015). Overview and Creation of Analysis Results Metadata with SAS. CDISC International Interchange 2015 https://www.cdisc.org/2015-International-Interchange
• 高浪洋平(2016)「もしも,日米で申請電子データ提出するとしたら」第1回ナニワデータサイエンス研究会 https://drive.google.com/file/d/0B9jQfOD_7CbOd2xGZGwyN2k5RXc/view?usp=sharing
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ご清聴ありがとうございました