縮退した物質、白色矮星、超新星爆発hayasida/Class/Class2003/...文献に記録された超新星爆発とS...
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宇宙物理学概論宇宙物理学概論2003/11/202003/11/20
大阪大学大学院理学研究科大阪大学大学院理学研究科
林田林田 清清
縮退した物質縮退した物質
32 3
2 3 20
22 3 0
32 2 2 3
2
2 2 1 / 2
( ) 1 ( )0 ( )
2 6
( )2 3
/ , 6 .0 1 0 /4 8 2
( ) ( 2 3 )( 1) 3 s
F
F
FF
F
p
p
F
f p p pp
p p
g g m cn p d p x
g p vP p d p K f x
g m c gx p m c K m c e rg cm
f x x x x
π π
π
π
= <→ = >
= =
= =
= = = ×
= − + +
∫
∫
T 0 の 極 限 で 、 を フ ェ ル ミ 運 動 量 と し て 占 有 率
密 度
圧 力
こ こ で
1
5 4
in h81 ( ) , 1 ( ) 25
x
x f x x x f x x
−
≈ ≈の と き の と き
1 / 321 / 36
Fp ngπ
=
2 / 32 25 / 3
1 / 324 / 3
1 6 ( )5
1 6 ( )4
F
F
P n p m cg m
P cn p m cg
π
π
=
=
105
106
107
108
109
1010
1011
1012
101 103 105 107 109
ρ (g/cm3)
非縮退
縮退
縮退
非縮退 非相対論的
相対論的
相対論的
非相対論的
電子に関して
チャンドラセカール質量チャンドラセカール質量(Chandrasekhar Mass)(Chandrasekhar Mass)
( ) ( )( )
2 / 32 25 / 3
1 / 324 / 3
1 / 3 32 1 / 3 2_ _
6 3_
1 6 ( )5
1 6 ( )4
3 1 / 3 /
0 .9 7 1 0 ( / )
e F e
e F e
F e c r e e c r e
c r H e e c r e
H e
P n p m cg m
P cn p m cg
p n m c n m c
m n g cm
m
π
π
π π
ρ µ µ
µ
=
=
= = =
= = ×
e非 相 対 論 的 、 超 相 対 論 的 を 分 け る 境 界 の 電 子 数 密 度 n は
よ り
対 応 す る 密 度 は
こ こ で は 水 素 原 子 の 質 量 、 は 電 子 1 個 あ た り の 平 均 分 子 量
ポリトロピック指数N=3/2(γ=5/3)に対応
ポリトロピック指数N=3 (γ=4/3)に対応
( ) ( )( ) ( )
( )( ) ( )
2 1 / 2
1 1 / 64
2
1 1 / 34
0 .6 8 / 2 /
1 .3 1 0 / 2 /
1 .4 6 / 2
2 .7 1 0 / 2 /
c r
e c r
e c r
c r
e
e c r
M M
R km
M M
R km
ρ ρ
µ ρ ρ
µ ρ ρ
ρ ρ
µ
µ ρ ρ
−
− −
−
− −
=
= ×
=
= ×
で
で
電子の縮退圧で安定に存在できる星の質量上限値~1.46太陽質量
=チャンドラセカール質量
白色矮星白色矮星 (White Dwarf)(White Dwarf)M<3MM<3M◎◎の星は巨星となった段階で表面の水素を放の星は巨星となった段階で表面の水素を放
出して失っていき、質量が減少する。出して失っていき、質量が減少する。
中心部でHe燃焼が起こり中心部でHe燃焼が起こりC+OC+Oのコアがつくられるのコアがつくられる
が、核融合反応はそれより重い元素の合成まですが、核融合反応はそれより重い元素の合成まですすまない。すまない。
中心部の密度が高くなるとともに表面からの放射に中心部の密度が高くなるとともに表面からの放射によりエネルギーを失って電子の縮退圧で支えられたよりエネルギーを失って電子の縮退圧で支えられた星=白色矮星ができる星=白色矮星ができる
問:問: なぜ原子核の縮退圧は無視しているのか?なぜ原子核の縮退圧は無視しているのか?2
1 / 3 3
2PKm
n
=
∝ ∝F F
熱 平 衡 状 態 に あ る と き 運 動 エ ネ ル ギ ー が 原 子 核 と 電 子 で 等 し い 。
m の 比 が 約 2 0 0 0 倍 な の で 運 動 量 は 陽 子 の 方 が 約 4 0 倍 大 き い
P 、 n P な の で 陽 子 の 縮 退 が 起 こ る 密 度 は 約 6 万 倍 大 き い
惑星状星雲惑星状星雲
http://imgsrc.hubblesite.org/hu/db/1995/01/images/a/formats/web_print.jpg
http://imgsrc.hubblesite.org/hu/db/1999/01/images/a/formats/web_print.jpg
惑星状星雲惑星状星雲
http://imgsrc.hubblesite.org/hu/db/2000/07/images/a/formats/web_print.jpg
http://imgsrc.hubblesite.org/hu/db/1996/07/images/a/formats/web_print.jpg
フェルミ気体の熱力学的諸量フェルミ気体の熱力学的諸量
超相対超相対論的論的
((γγ=4/3)=4/3)
非相対非相対論的論的
((γγ=5/3)=5/3)
縮退縮退(T~0(T~0の極限)の極限)非縮退非縮退
3/ 222 2, 1
23
π
= =
kT mc nmkT
P nkT E
32 , 1
13
= =
ckT mc nkT
P nkT E
3/ 222
2/32 25/3
2, 1
1 6 25 3
πµ ε
π
=
= =
F mc nmkT
P n Eg m
32
1/324/3
, 1
1 6 14 3
µ ε
π
=
= =
Fcmc nkT
P cn Eg
44 1, , 03
σγ µ = = =
E T P Ec
4ボーズ気体(光子)の場合 =
3
超新星爆発(II型、コア崩壊型)超新星爆発(II型、コア崩壊型)8M8M◎◎より重い星では中心部により重い星では中心部に1.5M1.5M◎◎程度の鉄のコアが生成程度の鉄のコアが生成される。される。鉄は最も結合エネルギーの大きい原子核なので核融合反応鉄は最も結合エネルギーの大きい原子核なので核融合反応を起こさない。を起こさない。重力収縮がすすみ温度が上昇すると光分解反応を起こす。重力収縮がすすみ温度が上昇すると光分解反応を起こす。吸熱反応なので圧力は上昇せず、収縮は急激にすすむ。吸熱反応なので圧力は上昇せず、収縮は急激にすすむ。
コアは中性子化していくが密度が原子核密度程度になるとコアは中性子化していくが密度が原子核密度程度になると収縮はとまり衝撃波が発生する。収縮はとまり衝撃波が発生する。衝撃波が外層まで伝わり星全体を吹き飛ばす。衝撃波が外層まで伝わり星全体を吹き飛ばす。この際放出されるエネルギーはこの際放出されるエネルギーは10105353ergerg程度。程度。 ただしただし99%99%がニュートリノのエネルギーに転化され、がニュートリノのエネルギーに転化され、 10105151ergerg程度が(他程度が(他の)粒子の運動エネルギー、電磁波のエネルギーになる。の)粒子の運動エネルギー、電磁波のエネルギーになる。最後には、中性子星あるいはブラックホールを残す。最後には、中性子星あるいはブラックホールを残す。
5 6 4
4
1 3 4 1 2 4 .42 2 2 8 .3
F e H e n M eVH e p n M eV
γ
γ
+ → + −
+ → + −
超新星爆発のシミュレーション超新星爆発のシミュレーション
授業で紹介したムービーはhttp://qso.lanl.gov/~clf/xy_movie.gifにあります。
by by A.BurrowsA.Burrowshttp://zenith.as.arizona.edu/~burrows/より
文献に記録された超新星爆発と文献に記録された超新星爆発とSSN1987AN1987A地球から肉眼で見えた超新星爆発は地球から肉眼で見えた超新星爆発は20002000年の間年の間にに88個しか記録されていない個しか記録されていない11例)例)10541054年年 明月記(藤原定家)に記録されている明月記(藤原定家)に記録されている客星客星 。。。。。。現在のかに星雲現在のかに星雲11例)例)16041604年にケプラーが発見した超新星年にケプラーが発見した超新星11例)例)19871987年年22月月2323日に日に大マゼラン星雲で起こった大マゼラン星雲で起こった超新星爆発超新星爆発SN1987ASN1987A
http://www.mhhe.com/physsci/astronomy/arny/instructor/graphics/ch13/1322.htmlより
SN1987ASN1987Aからのニュートリノの検出からのニュートリノの検出
19871987年年22月月2323日に大マゼラン星雲で起日に大マゼラン星雲で起こった超新星爆発こった超新星爆発SN1987ASN1987A岐阜県神岡鉱山のカミオカンデ実験施岐阜県神岡鉱山のカミオカンデ実験施設で設で1111個のニュートリノを検出。個のニュートリノを検出。=(太陽以外の天体からはじめて)=(太陽以外の天体からはじめて)ニュートリノの検出ニュートリノの検出
http://www-sk.icrr.u-tokyo.ac.jp/~nakahata/snova-kam.jpegより
http://www.pref.gifu.jp/kamioka/intervie.htmより(ただしSUPER-KAMIOKANDE)
SN1987ASN1987Aのその後のその後 EtaEta CarinaeCarinae: : いつ超新いつ超新
星爆発が起こるか?星爆発が起こるか?
IIaa型(炭素爆燃型)超新星爆発型(炭素爆燃型)超新星爆発
ひとつのモデル:(連星系を成ひとつのモデル:(連星系を成している)白色矮星の表面にしている)白色矮星の表面に降り積もるガスによって、質量降り積もるガスによって、質量がチャンドラセカール限界をがチャンドラセカール限界を超えて爆発的な炭素燃焼反超えて爆発的な炭素燃焼反応が起こり、星全体を吹き飛応が起こり、星全体を吹き飛ばすばす==IIaa型(炭素爆燃型)超新型(炭素爆燃型)超新星爆発。星爆発。
I型とI型とⅡⅡ型は型は、水素のスペクト、水素のスペクトル線ル線の有りの有り(=(=ⅡⅡ型)、型)、無し無し((==II型)で区別する。
Ia型超新星の光度曲線はばらつきが小さいピークの絶対光度は“標準光源”としてつかわれている
型)で区別する。http://www-supernova.lbl.gov/public/papers/aasposter198dir/wwwposter1d.jpgより
高密度物質と中性子星の内部高密度物質と中性子星の内部1.29MeV(1.29MeV(陽子と中性子の質量差)以上のエネルギーをもつ電陽子と中性子の質量差)以上のエネルギーをもつ電子が陽子に衝突すると子が陽子に衝突するとp+ep+e-- n+n+ννの反応が起こる。の反応が起こる。電子のエネルギーがより高ければ電子のエネルギーがより高ければN(A,Z)+eN(A,Z)+e-- N(A,ZN(A,Z--1)+1)+νν(ベータ崩壊の逆過程)が起こる。(ベータ崩壊の逆過程)が起こる。電子が縮退した状態ではこのようなエネルギーを持った電子が電子が縮退した状態ではこのようなエネルギーを持った電子が存在する。かつ、中性子、中性子過剰核が崩壊せずに安定に存在する。かつ、中性子、中性子過剰核が崩壊せずに安定に存在しえる(崩壊した結果できる電子のエネルギー状態が占拠存在しえる(崩壊した結果できる電子のエネルギー状態が占拠されているから)。されているから)。101099g/cmg/cm33からから10101010g/cmg/cm33の範囲では同時に核反応も起こり、の範囲では同時に核反応も起こり、4x104x101111g/cmg/cm33あたりであたりでZ~40,A=120Z~40,A=120程度の原子核がつくられる。程度の原子核がつくられる。4x104x101111g/cmg/cm33以上以上の密度では、原子核内部での中性子の結合の密度では、原子核内部での中性子の結合エネルギーが0になり、中性子は原子核の外を自由に飛びまわエネルギーが0になり、中性子は原子核の外を自由に飛びまわる。る。==Neutron DripNeutron Drip原子核の密度原子核の密度3x103x101414g/cmg/cm33を越えると、陽子も原子核の外に出を越えると、陽子も原子核の外に出て行き原子核が溶解する。中性子とその約て行き原子核が溶解する。中性子とその約1/1001/100の電子、陽子の電子、陽子からなる物質。からなる物質。
中性子星の中心部分~原子核の密度の8-20倍程度
高密度物質の組成高密度物質の組成
““星の進化星の進化””林忠四郎編、共立出版(1978)より引用林忠四郎編、共立出版(1978)より引用