丹羽療法レポート 乳がん - kachikachiyama.com ·...

日本SOD研究会報 No.182 号 -1- 2016 年 2 月 10 日 発行 発行元 日本SOD研究会 宮城 住 所 〒 158-0094 東京都世田谷区 玉川 1-15-2 B棟 2802 T E L. 03-5787-3498 http://www. SOD -jpn.org/ ୮Ӌ๏Ϩϙʔτ Μ աͷݕ ͱ ߅Μ ඞཁ Book հ ɹʮ Μͷˋҧʯ ɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹɹ౻ ɹஶ

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Page 1: 丹羽療法レポート 乳がん - kachikachiyama.com · がんとだし、知識が乏しいので、医者 そして医者に「放っておくと、 なのです。というのが現在のがん治療の実態と言われ、目の前が真っ暗になる、しなかったら余命半年です」などがんが広がり、転移します」「手術

日本SOD研究会報 No.182 号

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昨年(2015年)は著名人の

がん死や、乳がん発覚、手術、抗

がん剤治療の話題が盛んにワイド

ショーを賑わせ、多くの人が検査

に走った1年でした。早期発見、

早期治療、検査、といいますが、

著名人の方のほとんどが、一般人

よりもマメに検査を受けています。

私たちは、会社の定期検診、主婦

検診、市区町村の無料検診などで

すが、著名人は、高額な個別人間

ドッグを受けているはずです。そ

して著名な病院、医師の手厚い治

療を受けているはずです。それな

のに、著名人のがんが発見され、年

に何人もが亡くなってしまう現実。

 

そんななか、今回は、ズバリ、

乳がんについて丹羽先生にお話を

伺ってきました。

――先生、乳がんに早期発見、早

期治療は大切ですか?

「乳がんに限らず、がんに早期発見、

早期治療はある程度必要ではあり

ます。しかし、その治療法が今の

医学界では間違っている。さらに

乳がんや前立腺がんなどの放って

おいても死亡率が低いがんに対し

て、大騒ぎしすぎだと思う」

――つまり検査も過剰だと?

「マンモグラフィやCTを盛んに勧

めているが、これらは放射線を大

量に浴びていることになりますか

ら、できれば避けたほうがいい。

逆にがんを目覚めさせる要因にな

る。検査に頼らず、自分の体なん

だから、自分で日ごろからチェッ

クすればいいんです。検査に頼っ

て、異常がないからと不規則な生

活や、暴飲暴食をしていたら、間

違いなくツケがきます」

――予防としては、やはり食生活

ですか?

「そうです。肉乳製品はとくに気を

つけないといけない」

――以前に伺ったお話では、閉経

した女性が肉乳製品を大量に摂取

すると、乳がんを発症する可能性

が高いと。

「それはもちろんのことですが、今、

肉乳製品でいちばん怖いのは、乳

牛に乳をたくさん出させようとし

て、卵胞ホルモン(エストロゲン)

を大量に投与していることです。

欧米はもちろん、日本も例外では

ない。そんなものを飲んだり食べ

たりしているのだから、いいわけ

がない。卵胞ホルモンは乳がんの

大きな要因のひとつなんですから

(※注1参照)」

――では、そのような余計なもの

をあげないで育てられた牛なら大

丈夫と?

「そんな牛は日本にはいない!」

――エストロゲンは大豆などにも

多く含まれると言いますが。

「そもそも卵胞ホルモンはとてもい

いものなんです。自律神経を正し

て気持ちを落ち着かせたり、肌に

潤いを与えたり。だからある程度

は摂ったほうがいい。食事で摂る

量は、必要な量なんです。昔から

ある大豆で乳がんはいなかった。

ところが戦後、肉乳製品を食べ始

めてから乳がん患者が増え始めた。

2016 年 2 月 10 日 発行

発行元 日本SOD研究会 宮城 住 所 〒 158-0094   東京都世田谷区   玉川1-15-2 B棟2802 T E L. 03-5787-3498

http://www. SOD -jpn.org/

丹羽療法レポート

乳 が ん過度の検査と抗がん剤は必要かBook 紹介 「がん治療の95%は間違い」                  近藤 誠 著

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日本SOD研究会報 No.182 号

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大量にホルモンを投与された牛の

乳や乳製品を食べたから、増えて

当然です」

――では出産経験のあるなしや、

年齢などの原因は?

「少しはあるけど、原因としてはマ

イナー」

――術後の治療に抗がん剤という

話をよく聞きますが。

「固形がんに対しては全く無意味!

逆効果なだけです。医者がどんな

に今の抗がん剤は副作用も少ない

とか、新薬だとかいろいろ言って

も、どれも毒薬にはかわりはない。

ほとんどの医者はがん細胞の大き

さしか見ていないんだから。から

だ全体をみているわけじゃない。

抗がん剤はがんと一緒に健康な細

胞も殺す。人間が持っている免疫

力というせっかくの力も削がれ、

間違いなくがんよりも人間の体の

ほうが先にダメになる。そもそも

ほとんど命を取らないはずの乳が

んで亡くなる人が増えているのは、

検査しなかったとか、手遅れでは

なく、抗がん剤治療のせいで亡く

なる場合がほとんどだ」

※注1 

乳がんと卵胞ホルモンの関係

 

がん情報サービスによると、乳がんの発

生には女性ホルモンのなかの卵胞ホルモン

(エストロゲン)が深く関わっていること

が知られています。すなわち、体内のエス

トロゲン濃度が高いこと、また、経口避妊

薬の使用や、閉経後の女性ホルモン補充療

法など、体外からの女性ホルモン追加によ

り、リスクが高くなる可能性があるとされ

ています。(がん情報サービスHPより)

 

今回は、このコーナーでもたび

たび紹介してきた近藤誠先生の新

刊を紹介します。近藤先生と言え

ば、『患者よ、がんと闘うな』を始

めとした、乳がん温存療法のパイ

オニアとして、抗がん剤の毒性、

拡大手術の危険性など、がん治療

における先駆的な意見を私たちに

もわかりやすく発表してきました。

また、その功績から2012年に

は文学、芸術などの社会的功績者

に与えられる『菊池寛賞』を受賞。

先生が言う「がんは放置」「抗がん

剤は毒薬」に対し、医学界やその

関係者などから大きなバッシング

がありましたが、先生が発表する

本は軒並みベストセラーを記録。

『医者に殺されない47の心得』は実

に100万部を記録。どんなにバッ

シングされようが、世論が先生の

真実を支持した形となりました。

 

そんな近藤先生は、2014年

に30年余りもの間勤務した慶応大

学医学部放射線科講師を退職し、

同年から「近藤誠セカンドオピニ

オン外来」を開業しました。開業

してわずか1年余りで、近藤先生

のもとには5000人以上の相談

者が訪れています。その95%以上

のケースで、受けないほうがいい

治療を医者から勧められていると

いいます。この本は、そんなセカ

ンドオピニオン外来の、がんを中

心とする患者さんとのやりとりを

まとめたものです。まさに現場の

今の声が詰まった一冊といえるで

しょう。

 

先生は冒頭でこのようなことを

書かれています。

 

人は、ある日突然、がんになり

ます。例えば人間ドッグで、肺や

胃に「何か影が見えます。専門医

のいる病院に行ってください」と

言われ愕然とする。紹介された大

学病院やがんセンターでは、初対

面の医師に「肺がんですね」「おそ

らく胃癌でしょう」などとズケズ

ケ言われ、フルコースの精密検査

を予約させられ、入院と手術の日

を指定されてしまう。

 

僕の外来に来られた患者さんは

「まるでベルトコンベアーのよう

だった」「野戦病院みたいだった」

と口ぐちに語ります。

 

しかし悲しいかな、初めてのこ

とだし、知識が乏しいので、医者

の言うままにするしかない。がん

と宣告されたショックのあまり言

葉を失うことも多く「放っておい

たらどうなりますか?」「余命は?」

と聞けたらいいほうです。

 

そして医者に「放っておくと、

がんが広がり、転移します」「手術

しなかったら余命半年です」など

と言われ、目の前が真っ暗になる、

というのが現在のがん治療の実態

なのです。

 

勇気をふるって「別の病院でセ

カンドオピニオンを聞いてみたい」

と申し出る患者さんもおられます。

ところがどの病院を訪ねても、示

される方針は最初の病院と五十歩

百歩。僕はこれを「金太郎あめオ

ピニオン」と名付けました。日本

の大病院のどんな医者も、自分の

治療を受けた人しか診ていません。

がんを放置した人がどうなったか

は、追跡調査などしていません。

なのになぜ余命期間を知っている

のでしょう。

 

僕は、慶応大学病院時代から今

日に至るまで、種々のがんを放置

した人を何百人と診てきました。

また、お決まりのがん治療を受け

た人もたくさん診てきたので、治

療したらどうなるかもよくわかっ

ています。そのため、患者さんが

医者に言われた余命期間がウソだ、

とほぼ確実に言えます。

がんが発覚する検診から

手術までの過程は

まるでベルトコンベアーのよう

『がん治療の95%は間違い』

近藤

誠著

幻冬舎新書新刊

BOOK紹介

セカンドオピニオン外来を

訪れた5千人の事実

手術、抗がん剤投与という間違い

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残念ながら、医者が清廉潔白で

正直だというのは、がん治療の世

界では夢物語です。若手から有名

医まで、患者にウソをついて脅し

たうえで治療に持ち込む「恫喝医

療」の実践者とみて間違いありま

せん。また、95%以上のケースで、

受けないほうがいい治療を勧めら

れていることもわかりました。

 

本書では、上記のことが、なる

ほど、事実なんだと納得できる様々

な患者さんとのやりとり、様々な

がん症状例がレポートされていま

す。胃がん、食道がん、大腸がん、

肺がん、甲状腺がん、肝臓がん、

胆管がん、すい臓がん、前立腺がん、

膀胱がん、腎がん、乳がん、子宮

頸がん、脳腫瘍などなど。その表

題をここにいくつか紹介しましょう。

 

医者から「胃を全摘」と言われ

ても、実際は必要ないことが多い。

進行がんでも手術をしなければ、

すぐに死ぬことはない。抗がん剤

に「よい」ものはひとつもない。「何

の症状もないのに食道を全摘と言

われました」医者の言う「余命半年」

は抗がん剤を打った場合。「大腸ポ

リープはがんになる」は大間違い。

手術によって転移が広がるケース

が多い。手術後に亡くなる人の多

くは、がん死ではなく治療死。健

康診断をうけるほど寿命は縮まる。

健康診断でみつかったがんは日常

生活に支障がない限り、完全放置

がいい。抗がん剤は確実に命を縮

める。手術をすると命が縮まる。

手術をするとがん細胞は爆発的に

増える。転移がんがあっても長生

きできる秘訣とは。がんには「放っ

ておいたら転移する」という性質は

ない。マンモグラフィで発見できる

のは“がんもどき”だけ。なぜ医

者は無意味な検査を勧めるのか。

 

この表題だけではなかなか納得

できない方、また、医者の言って

いることと違いすぎる、と思われ

る方は、ぜひ本書を手に取ってみ

ていただきたいのです。

 

例えば、会社の定期検診で再検

査が出て、内視鏡検査を受けたと

ころ胃がんが発見された50代の男

性の場合です。大学病院外科医の

診断は粘膜にとどまる早期がんで

直径が5センチ以上あるから、内

視鏡手術では取り残す可能性があ

るから胃の3分の2を切除する手

術と言われたそうです。この相談

に対して近藤先生は、

 

おかしいな、がんが胃の上部に

できているから通常は全摘のはず。

それを部分切除と言って患者を安

心させて、手術をしたら、予想以

上にがんが広がっていたので全摘

しましたと言うかもしれませんね。

 

患者さんは、全摘されたら食事

もろくにできないから困ると。

 

部分切除でも後遺症は相当なも

のですよ。衰弱死もありえます。

 

そこで先生の勧める治療法は

 

治療を受けないほうがいい。が

んという診断を忘れて日常生活に

戻ったらいい。これはがんもどき

だから進行がんにはならないです。

 

患者さんは医師にがんもどきかど

うかを聞いたそうです。そうしたら、

悪性の本物のがんだといわれたと。

 

私の定義した“本物のがん”は

“転移がひそんでいる”という意味。

あなたのは99%がんもどき。

 

5センチもある大きながんが、

放っておいても大丈夫ながんもど

きとは素人には想像つきにくいこ

とですが、

 

逆に5センチになっても細胞の

粘膜内にとどまっているというこ

とは、粘膜より深部に入り込めな

い性質なのです。本物のがんは(5

センチになる前に)とっくに粘膜

からすぐに深部に入り込みます。

 

なるほどです。

 

がんと診断され、手術を勧めら

れる、今の医療体制のなかにいれ

ば、大半がこのような患者さんで

す。知人、親戚の中にも、会社の

定期検診で、という話はたくさん

聞きます。そして、ほとんどの人

がベルトコンベアーに乗せられる

がごとく、手術をして、抗がん剤

治療をして、検診前は元気そのも

のだったのに、あっという間に亡

くなってしまうのです。

 

近藤先生は、そのことを患者さ

んに納得いくまで、わかりやすく

真摯に説明してくれています。そ

して、たとえ先生も“本物のがん”

と診断された患者さんに対しても、

手術、抗がん剤治療をしないで済

む、いろいろな方法を提示してく

れています。例えば、先生が大学

病院時代に専門だった、放射線治

療がそのひとつです。しかし、こ

の治療法も、病院、医師によって

専門知識のずれや勉強不足があり、

危険を伴うと言います。

 

胃の入り口に盛り上がっている

進行性のがんで、食事の通りが悪

く、固形物は食べられないという

状態の患者さんです。手術をした

くないといい、先生が勧めたのが

放射線治療でした。

 

従来、胃がんには放射線治療は

効かないと言われてきましたが、

それは経験不足や知識不足。ただ、

すべての胃がんに効くわけではな

く、スキルス胃がんのように、が

んが胃壁のなかを横のほうに広

がっていくものにはたいてい無効

です。このようにこぶ状に盛り上

がったものには効きやすい。しか

し、問題がいくつかあります。ま

ず、放射線治療医も胃がんについ

ての知識がなく、断られる場合が

あります。さらに外科医は手術を

したがりますから、あなたのほう

から放射線治療を強く迫る必要が

◆丹羽先生診察ご希望の方は

 

御紹介、御予約いたします。

 

※自由診療となります。

 

丹羽メディカル研究所

 

0120(

731)

175

もしくは

 

日本SOD研究会 

 

03(

5787)

3498

 

まで 

お電話ください。

手術と抗がん剤は

確実に命を縮めるセット

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日本SOD研究会報 No.182 号

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あります。次に、放射線をかけす

ぎるととても危険です。胃の正常

組織は放射線感受性が高く、穴が

開いて腹膜炎になったり、大出血

して亡くなる可能性があるのです。

1回(1日)の線量は2グレイで、

週に5回、4週間続ける。総線量

は40グレイ。これなら安全です。

抗がん剤との併用は禁忌(避ける

べきこと)です。

 

患者さんのなかには、近藤先生

の指示どおりに放射線治療を受け

たのですが、医者から、この線量

では効果がないと言われ、勧め

られるままに強い線量にして亡く

なった方もいるとか。

 

最後は先生の専門だった乳がん

です。今回の丹羽先生のインタ

ビューもやはり乳がんでした。と

いうのも、盛んに言われている検

診は本当に必要なものなのか、そ

のことを知りたかったからです。

丹羽先生は、マンモグラフィやC

T検査の放射線量が危険だと言い

ました。近藤先生は、放射線量云々

の前に、そもそもマンモグラフィ

検診でしか発見されないがんは、

がんもどき、放っておいても進行、

転移しないから、手術もなにもい

らない、と言います。乳がんで死

亡する確率はゼロだと。さらに欧

米ではマンモグラフィ検診の無効

性と有害性が広く認識されるよう

になっているそうです。スイスな

どはマンモグラフィ検診の廃止勧

告をしているそうです。

 

先生によると、早期発見、早期

治療というけれど、この40年余り

の間に乳がんの発見数は10倍近く

にも伸びたけれど、死亡数はほと

んど変わらない。これは国立がん

研究センターの調べによるもので、

間違いないものです。先生いわく、

早期発見に意味があるなら、死亡

数は大幅に減っていなければいけ

ないのに、変わらない。これはほ

かの胃がん、前立腺がん、子宮頸

がんなどでも言えることだそうで

す。他方で死をもたらすがんは、発

見前に運命が決まっていると言いま

す。乳がんに関すると、死亡数が

やや増加傾向にあります。これは、

 

僕は、この乳がん死亡数の増加

は、70年代から盛んに使われ始め

た抗がん剤の影響だろうと睨んで

います。しかも術後の補助化学療

法の内容も、以前に比べてどんど

ん強力になっている。乳がん治療

を受けて亡くなったがん患者(検

診による発見)のほとんどは、死

の直前まで抗がん剤を使われてい

ますから、治療死としかいいよう

がない。ところが治療死という項

目がない統計では、乳がんによる

死亡として扱われるのです。

 

著書のなかで、先生は、患者さ

んに、こんなことをたびたびおっ

しゃっています。

 

①がんと診断されたことを忘れ

る。②検査を受けない。③医者に

近づかない。という3原則を守る

ことです。そして何か生活の質を

落とす重大な自覚症状が出たら、

改めて検査を受けて対処法を検討

するといいでしょう。

 

どこかほっとする一言です。他

にも、降圧剤を飲むと、死亡率が上

がる話、インフルエンザワクチンは

百害あって一利なし、メタボ検診で

多くの人が早死にしている、といっ

たコラムも必読です。さらに病院

関係者でなければわからない、大

学病院や大病院の医師と製薬会社

の癒着で生まれる有害な薬たちの

話など、背筋が寒くなる怖い話も

しっかりと書かれています。

 

今回のインタビューは、SOD

を愛用されて5年という横浜で歯

科医院を開業されている長野志津

男先生です。お会いすることになっ

たきっかけは、研究会に先生より

いただいたお手紙からでした。三

石巌先生(物理学者)の著書『医

学常識はウソだらけ』を紹介した

研究会の会報172号をご覧にな

り、以前から、丹羽先生や三石先

生の研究や著書に深い関心をもた

れ、尊敬しているという長野先生。

ご自身もいくつかの著書を出版し、

“日本口腔協会”の代表理事もされ

ています。その想いや、今、先生

が提唱されている健康論、口腔か

ら健康づくり

について、ぜ

ひお話を伺い

たいとお願い

しました。

――先生が昨年(2015年)出版さ

れた『朝起きすぐの歯磨きで、一生

病気知らず』(講談社)拝見しました。

「この本は2年くらい前に自分で電

子書籍として発表していたもので

す。それを講談社の方が見てくだ

さって、面白いからぜひ紙で出版

しましょうということになったわ

けです。これは2部作の1部で、

次回は幼児教育、いじめに関する

本を3月に文芸社から出版します」

――この本を拝見すると、口腔の

健康だけでなく、そのことが病気

にもつながってくるというお話で、

専門外にもどんどん切り込んでい

らっしゃいますよね。

口呼吸が細菌感染の元

アトピー、喘息、アレルギーも

    

引き起こす可能性が

マンモグラフィで発見されたがんは

再発もたいした進行もしない

がんもどきだけ

一般社団法人日本口腔協会理事長・ファミリー歯科矯正オフィス院長

長野志津男先生

口の中の健康が体の健康へ

歯科医師が実践するSODからトライアスロンまで

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「私は歯科医師ですから口腔のこと

は専門です。口腔というとみなさ

ん“歯医者さん”と思いますね。

実は僕は“歯医者さん”と言われ

るのが大嫌いなのです。なぜかと

いうと、僕は何十年も前から思っ

ていたのですが、歯科医師が歯に

特化しているようでは時代錯誤なん

です。要するに、口腔というのは栄

養の入り口であり、間違った呼吸の

入り口でもあるんです。ですから、

僕は口腔医でありたいですね」

――間違ったというと?

「呼吸の入り口というのは鼻腔なの

です。ただし人間だけが全哺乳類

のなかで唯一、鼻腔と口腔がつな

がっているのです。空気は鼻から

吸って鼻から出すのが正しい呼吸

法なのです。鼻道には鼻毛があり、

ほこりなどで汚れた空気を清浄す

るフィルターの役目をします。ま

た湿度を与える働きもあります。

鼻で呼吸すると、空気中のほこり

の70%が除去されます。鼻の粘膜

には抗菌作用のある様々な成分が

含まれているのです。空気中のウ

イルスが体内に入らないように防

御する機能があるのです」

――口呼吸になるとウイルスなどが

直接入ってくるということですね。

「そうなんです。口呼吸になると、

細菌やウイルスがそのままの状態

で肺に送り込まれるのです。これ

によって、細菌やウイルスへの感

染や炎症を引き起こし、のどのリ

ンパ組織が直接ダメージを受けま

す。このダメージが限界を超える

と、慢性的な細菌感染状態になり

ます。すると、身体全体の免疫機

能が低下し、風邪をひきやすくなっ

たり、喘息、アレルギー、アトピー

性皮膚炎などを起こす危険性も出

てきます。さらに口呼吸で口の中

が乾燥すると、唾液の分泌も減り

ます。唾液には鼻の粘膜と同様、

抗菌作用のある成分などが含まれ

ています。唾液の分泌が減ると、

細菌が口腔内に残ってしまい、歯

周病や口臭の原因になることもあ

ります。他にもいびきをかきやす

くなります。これは口呼吸のため

に口を開けていることと、舌がの

どのほうに下がるためです。舌が

のどのほうに下がると、気道を塞

いでしまい、無呼吸状態になる“睡

眠時無呼吸症候群(SAS)”に進

行する危険性もあります」

――そこで、先生の著書『朝起きす

ぐの歯磨きで、一生病気知らず』の

歯磨きが必要になってくるのですね。

「みなさん、歯磨きは、虫歯の予

防、口臭予防のためにすると思っ

ている。それも間違いではありま

せんが、口腔を清潔に保つことは、

多くの病気を未然に防ぎ、ひいて

は命を守ってくれることなんです。

現に、口の中の衛生状態を改善す

ることで、病院や高齢者施設での

肺炎リスクを低減できることが実

証されているのです」

――そこで朝起きてすぐに歯磨き

というのは?

「口腔内は、日中は、殺菌効果を持

つ唾液が分泌されて比較的きれい

な状態を保っているのですが、睡

眠中は唾液がほとんど分泌されま

せん。そうすると、朝起きてすぐ

の口腔内は細菌の宝庫になってい

るのです。朝起きてすぐにコップ

一杯の水を飲むのが健康にいいと

言われたりしていますが、そんな

ことをしたら、水といっしょに細

菌も体内に流し込んでいることに

なります。同時に、歯磨きは朝食

の後にしている人も、朝食といっ

しょに細菌を飲み込んでいること

になります」

――朝起きてすぐにうがいをする

といいと言われますが、うがいだ

けではだめなんでしょうか。

「足りないというか、うがいだけで

は細菌は取りきれないんです。そ

んなにゴシゴシ歯磨きする必要は

ありません。歯磨きというよりも

歯茎のマッサージですね。とにか

く歯、歯茎を柔らかい歯ブラシで

優しくくまなく磨いてみてくださ

い。同時に生理食塩水で鼻うがい

をすると、さらにいいです。僕は

ひどい花粉症だったのですが、こ

れを実践するようになってから薬

をまったく使わなくなりました

よ。僕の患者さんのなかには、肩

こりや頭痛がなくなった人もいま

す。インフルエンザも風邪も、朝

起きてすぐの歯磨きと鼻うがいで

予防できるはずです。もちろん

100%ではありませんが」

――口腔の健康が風邪やアトピー、

SASにまでつながってくるとい

うのは怖いですね。先生は、口腔

が全身と密接につながっていると

気づかれたきっかけは何だったの

ですか?

「子供のころから、歯科医になろう

か内科医になろうか迷っていたん

です。というのは、母が結核で入

院していて、子供心に母を助けた

いという想いがあった。僕は“口腔”

が専門なのですが、矯正を学んで

いくと、人間の成長やメカニズム

が見えてくる。口腔の成長やメカ

ニズムが見えてくると、身体のい

ろいろなことが見えてくるのです。

人間のいちばん大事な部分“食・

呼吸・睡眠”です」

――丹羽先生も、インタビューに

行って、予防するにはどうすれば

いいですかと聞くと、必ず、食、

睡眠、運動とおっしゃいます。それ

にSODを飲むことも加わりますが。

「丹羽先生のおっしゃることは、事

の成り立ちという点では同じだと

思います。例えば“睡眠”でいうと、

今、この枕がいい、マットレスは

こういうのがいいと話題になって

いますよね。でも、僕は、それは

違うと言いたいのです」

――枕でもマットレスでもなく、

呼吸だと?

「そうです。良い呼吸なくして良い

睡眠はありません。人はものすご

く疲れていると、硬い床の上でも

どこでも寝ることができます。マッ

トや枕なしに。そのようにできて

いるのです。睡眠時間と同時に、

良い呼吸による睡眠の質が大事な

のです」

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日本SOD研究会報 No.182 号

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――先生はいつごろから丹羽先生の

ことを知っていらしたのですか?

「10年は超えていますね。様々な報

道でお名前を知り、SODのこと

を知り、それと同時に先生の著書

を拝見して、非常に納得し、これ

は僕自身でSODを検証しなけれ

ばと、飲むようになりました。僕

は、とにかく、なんでも自分で検

証するのです。医者の立場と患者

さんの立場、両方に立って初めて

見えるものがあると思っています

から、今、67歳なのですが、私の

仕事というのは、患者さんに対し

て治療するものですから、私が太っ

ていたり、たばこを吸っていたり、

不健康では説得力がなくなります

よね。ですから、フルトライアス

ロンまでやっていますよ」

――世の中には健康食品がたくさ

んありますが、その中でSODを

チョイスされたのは?

「僕の尊敬する先生にもうひとり、

三石巌先生がいらして、その三石

先生がSOD作用というのが人間

の身体にとても重要な要素だと

おっしゃっていたことがきっかけ

ですね。ほとんどの病気の原因に

活性酸素が関与しているというの

は、丹羽先生の理論と全く同じ。

僕が思うに、三石先生(97年没)は

もう少し生きていらしたらノーベル

賞をおとりになっていたと思うんで

す。そういう意味でもすごい先生で、

僕は、お二人の本を自分の書物のな

かでも推薦しているんです」

――先生のようにお元気でいらっ

しゃると、SODの効能のような

ものは分かりにくいですよね。

「そうですね(笑)僕の中では効果

を体感しているのですが、例えば

鎮痛剤のように飲めば痛みがすっ

と消えるのとは違いますよね。S

ODはおそらく体感が感じられた

らおかしいんだと思います。薬で

はないのですから。人間の身体に

必要なものの中で、自ら生成でき

るものとできないものがあって、

SODは、必要なのに加齢と共に

減っていくものなんです。それが

補えているのですから、病気には

なりにくいですよね」

――先生は歯科医ですが、口腔は

人間の身体、心のすべてにつなが

るとおっしゃっている意味が少し

わかりました。しかし、今の医学

体制でこのことを伝えるのはとて

も難しいですよね。

「以前に、日本健康医療学会で講演

をしたことがあるのです。この学

会は、医師、歯科医師による会で、

外科、内科、産科、耳鼻科、歯科

などの医療者が混在して、様々な

立場、方向から健康を考えようと

いう非常にすばらしい会なんです。

しかし、そんな場でも、口腔周囲

の発育、成長、機能、運動のメカ

ニズムということに関して誰も知

らない。でも仕方のないことです。

学校で教えてくれないのですから。

学べないのです。学んだことがない

のに患者に伝えることはできません。

最先端の医療への関心は高くても、

木を見て森を見ず、という傾向に

ありますから。だからこそ言い続け

ないといけないと思っています」

――最後に、先生が次に出版を考

えていらっしゃるという幼児教育

やいじめに関するお話を少し聞か

せていただけますか?

「話すと長くなるのですが、マリア・

モンテッソーリというイタリアの

幼児教育者で、内科医、小児科医

の先生がいるのです。19世紀初頭

にモンテッソーリが作った独自の

幼児教育方法があり、後に欧米や

アメリカでブームになるほど賞賛

され、今も世界中でそのプログラ

ムが導入されています。その教育

法の基本は、幼児の五感を大切に

し、自発性を重んじることなんで

す。僕は5年ほど前から横浜のモ

ンテッソーリ教育研究所で幼児教

育を見学しましたが、ここの子供

たちにいじめや喧嘩を見かけるこ

とはほとんどありません。ところ

が、このマリア・モンテッソーリ

でさえ、口腔、鼻腔については現

代の医師と同様、学ぶ機会がなかっ

たのでしょう。言及していません。

いじめ、虐待の“心と体”の“体”

の部分が伝えられないのです。本

来なら具体的にいろいろお話した

いところですが、次回にまた機会

を頂ければと思います」

 

最後にお話してくださったこと

は『BBO 

究極のいじめ解決法』

という電子書籍で読むことができ

ます。また、3月には文芸社から

書籍としても出版されます。それ

にしても長野先生は若々しかった

です。67歳という年齢を伺うまで

は、50代半ばくらいという印象で

した。先生にお会いしてから、毎

朝欠かさず起きてすぐの歯磨きを

実践し、鼻うがいも続けています。

この冬を風邪知らずで乗り切れれ

ば、ご報告しますね。

 

口腔は健康につながる入り口。

木を見て森

を見ず、と

いうお言葉、

本当に響き

ました。

 難病で苦しむ方たちが、少しでも早く良い治療法に行き当たるように、本誌では愛飲者の声を募集しています。お手数ですが、

〒158-0094 東京都世田谷区玉川 1-15-2  B棟2802

日本SOD研究会 宮城宛

℡ 03 - 5787 - 3498 までご一報下さい。

SOD様作用食品体験者の声をお聞かせ下さい。

活性酸素除去に特化しているSOD

すべて実体験することで

        

人に勧められる

Page 7: 丹羽療法レポート 乳がん - kachikachiyama.com · がんとだし、知識が乏しいので、医者 そして医者に「放っておくと、 なのです。というのが現在のがん治療の実態と言われ、目の前が真っ暗になる、しなかったら余命半年です」などがんが広がり、転移します」「手術