研究テーマ ブドウ栽培地における微気候観測とブラ...

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 1 研究テーマ ブドウ栽培地における微気候観測とブランド化 分野 「食」の地域ブランド化分野 区分 1 実践型教育研究(知の実践) 参考テーマ ・天候とブトウの成熟関係のデータベース化 代表者名 近藤 英一 工学域(無線通信の教育利用・材料工学) 分担者名 小林 生命環境学域(環境計測) 長尾 雅則 工学域(電子工学・結晶成長) 尾藤 章雄 教育人間科学域(地理学) 【目的】 本研究は、おいしいブドウの栽培に好影響を与えていると言われる「笹子颪おろし」 を例に、微気候現象のリアルタイム観測網の有用性を検証するものである。甲府盆地西 部の気候は冬季の季節風と夏季の卓越風に支配されるが、東部では入り組んだ地形のた め風系が複雑となることが従来研究で示唆されている。笹子颪は日川に沿って笹子峠・ 初鹿野方向から日川扇状地へと下る東風で、その存在は地元ではよく知られる。適度に 乾燥した冷気で、ちょうど収穫期を迎える甲州種のブドウの着色・甘味発現に効果的と 言われ、ワイナリーの宣伝媒体では甲州ワインのブランド化にも役立てられている。聞 き取り調査では、吹く時期や強度について明確な共通認識はなく、地区によってブドウ 栽培への影響に対する意見も様々である。本プロジェクトでは笹子颪の吹く日川扇状地 の数 km の範囲に多数の気象観測機器を設置して観測し、当該地域における笹子颪の 実態解明でブドウ農家のブランド要求に役立てる。 1

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 1

研究テーマ ブドウ栽培地における微気候観測とブランド化

分野 ア 「食」の地域ブランド化分野

区分 1 実践型教育研究(知の実践)

参考テーマ ・天候とブトウの成熟関係のデータベース化

代表者名 近藤 英一 工学域(無線通信の教育利用・材料工学)

分担者名

小林 拓 生命環境学域(環境計測)

長尾 雅則 工学域(電子工学・結晶成長)

尾藤 章雄 教育人間科学域(地理学)

【目的】 本研究は、おいしいブドウの栽培に好影響を与えていると言われる「笹子颪おろし」

を例に、微気候現象のリアルタイム観測網の有用性を検証するものである。甲府盆地西

部の気候は冬季の季節風と夏季の卓越風に支配されるが、東部では入り組んだ地形のた

め風系が複雑となることが従来研究で示唆されている。笹子颪は日川に沿って笹子峠・

初鹿野方向から日川扇状地へと下る東風で、その存在は地元ではよく知られる。適度に

乾燥した冷気で、ちょうど収穫期を迎える甲州種のブドウの着色・甘味発現に効果的と

言われ、ワイナリーの宣伝媒体では甲州ワインのブランド化にも役立てられている。聞

き取り調査では、吹く時期や強度について明確な共通認識はなく、地区によってブドウ

栽培への影響に対する意見も様々である。本プロジェクトでは笹子颪の吹く日川扇状地

の数 km の範囲に多数の気象観測機器を設置して観測し、当該地域における笹子颪の

実態解明でブドウ農家のブランド要求に役立てる。

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 2

研究テーマ 地域ブランド発酵食品開発のための有用酵母および乳酸菌の分離

分野 ア 「食」の地域ブランド化分野

区分 1 実践型教育研究(知の実践)

参考テーマ ・発酵乳製品に適し、県外製品との差別化が図られる微生物の探索 ・乳製品製造技術の改良、ビジネスモデルの構築 ・県産果実を用いた付加価値の高い加工食品の開発

代表者名 柳田 藤寿 生命環境学域(醸造微生物学)

分担者名 萩原 明 医学域(生化学)

標 智仁 COC推進センター(応用微生物学)

連携の相手先

南アルプス市 株式会社南アルプスプロデュース NPO法人南アルプス山麓いやしの里づくり会 ベーカリー ルーブル

【目的】 地域の農作物を原材料としている発酵食品は、地域の風土と歴史そして生産・製造に

携わる人々など地域固有の物語性を含み、地域ブランド化戦略において重要なアイテム

の一つである。この発酵食品をより高付加価値化するには、原材料である農作物の品質

および地域独自性を高めることに加え、発酵に使用される微生物菌株も地域由来の優良

かつ特徴的な菌株を用いることも、その地域特性を想起させる風味を生み出し、商品イ

メージの形成及び向上に寄与する重要な要因となる。そこで本プロジェクトは、山梨県

内の地域ブランド化戦略を推進すべく、地域の自然環境や農産物から発酵食品生産可能

かつ個性的な風味を生む酵母および乳酸菌の分離を行う。また、新規開拓された菌株を

用いて、山梨県の地域ブランド食品の代名詞とも言えるワインを筆頭にパンや乳酸菌発

酵飲料などで高品質かつ地域独自性が際立つ地域ブランド食品開発のための試作を行

う。

図 1 サンプル採取地:南アルプス市伊奈ヶ湖 図 2 サンプル採取の様子 図 3 分離された酵母菌株

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 3

研究テーマ ワイン用ブドウの収穫適期判断指標の探索

分野 ア 「食」の地域ブランド化分野

区分 2 共同教育研究(知の移転)

参考テーマ ・天候とブドウの成熟関係のデータベース化

代表者名 奥田 徹 生命環境学域(ワイン学)

分担者名 鈴木 保任 生命環境学域(分析学)

連携の相手先 中央葡萄酒株式会社

【目的】 ワインの原料であるブドウの収穫適期を判断する指標物質を探索することを目的と

する。ワイン用ブドウの収穫適期は、糖度、酸度で大まかに時期を特定できるが、最終

的な判断は、栽培者がブドウを食べ、果皮の香りや種子のタンニンの渋味により感覚的

に決定している。従って、明確な判断基準が無く、経験が重要になる。これまでの研究

では、ワインに重要な成分(糖度、酸度、アントシアニン、タンニンなど)の収穫期に

関する変化は多く調べられているが、変化が緩慢で、収穫適期が判断しにくい。そこで、

網羅的に成分を解析し、科学的に収穫のステージを掴むことのできる指標物質を探索す

る。

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 4

研究テーマ ワイン用ブドウ栽培に関する統合型情報プラットフォームの創成

分野 イ 次世代農業創出分野

区分 1 実践型教育研究

参考テーマ ・天候とブドウの成熟関係のデータベース化

代表者名 鈴木 智博 工学域(高性能計算)

連携の相手先 中央葡萄酒株式会社

【目的】 このプロジェクトでは、山梨県産ワインのブランド化のために必要な高品質ブドウの

大量生産に資する情報基盤の作成を目的とする。まず、ワイン用ブドウの病害虫発生や

収穫適期の予想などのために、圃場の気象データ、ブドウの画像データ、ブドウ育成状

況と成分分析結果など山梨県内のワイン用ブドウ栽培に関する多くデータを収集、統

合、蓄積、可視化するプラットフォームを作成する。さらに、任意のデータの組み合わ

せや、機械学習などによるビッグデータの解析からブドウ栽培に関する新たな知見の獲

得を目指す。

図. 県内各地の気象データの可視化

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 5

研究テーマ ワイン品質向上のためのブドウ収穫時期最適化技術開発

分野 イ 次世代農業創出分野

区分 1 実践型教育研究(知の実践)

参考テーマ ・天候とブドウの成熟関係のデータベース化

代表者名 岸本 宗和 生命環境学域(ワイン醸造学)

分担者名 美濃 英俊(コンピュータ科学)

連携の相手先 ブドウ栽培農家

【目的】 山梨がワイン市場において競争力をもち、発展するためには、高度な栽培技術を持つ

農家の育成と確保、ワイン品質の向上など、解決しなければならない課題が山積する。

ワインの香気成分含有量は、ブドウの収穫時期のわずかな違いによって大きな影響を受

けることから、安定的な品質向上には最適時期にブドウを収穫することが重要である。

しかしながら、ブドウの成熟は年ごとの気象条件に影響されて一定ではないため、最適

の収穫時期を見極めることは容易ではない。申請者らは、2012 年~2014 年に韮崎市

上ノ山圃場を対象として、圃場に設置したフィールドサーバーを用いた気象観測とブド

ウの生育・成熟調査から、「有効積算温度」が最適の収穫時期を見極めるために利用で

きる可能性があることを見出した。本プロジェクトでは、標高が異なる圃場を新たに試

験対象に加えて、有効積算温度とブドウの生育・成熟変化の基礎データの蓄積を進める

とともに、気象観測から有効積算温度を可視化し、ブドウの生育・成熟変化を予測して

最適時期に収穫ができる新たな栽培支援システムの構築の基盤技術開発を目指す。

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 6

研究テーマ シースルー型太陽電池と微小放電を利用した病害虫防除法の開発

分野 イ 次世代農業創出分野

区分 2 共同教育研究(知の移転)

参考テーマ ・醸造用ブドウの果実品質に対するウイルスの影響や感染症予防対策等、正解における最新情報の収集・提供

代表者名 佐藤 哲也 工学域(エネルギー・環境)

連携の相手先 山梨県富士工業技術センター ぶどうソーラー活用研究会

【目的】 地球温暖化の影響により果樹栽培が盛んな山梨県においても年々平均気温が上昇し、

昼夜の温度差の縮小や生態の生育環境の変化により、果物の色づき不良や紫外線焼け、

病害虫の増加など高品質生産の維持が年々困難な状況に推移している。本研究は、これ

らの気候変動に伴う果樹栽培への影響を緩和すると同時に太陽光発電を活用した病害

虫防除法を新たに提案し、その有効性を検証することを目的としている。有害な紫外線

や可視光の一部を減光するシースルー型の果樹用ソーラーパネルを設計・試作し、病微

害虫や細菌の繁殖抑制機能を付加したシステムを開発する。これにより、農薬の大幅な

削減と農薬散布に伴う労力の軽減が可能になると同時に、食の安全性とブランド力の向

上につながると期待される。

環境計測装置 電動式噴霧試験

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 7

研究テーマ 有機農法による循環型農業のための山梨県産竹酢液の高度利用

分野 イ 次世代農業創出分野

区分 2 共同教育研究(知の移転)

参考テーマ ・林地残材の利活用、人工林間伐の促進

代表者名 乙黒 美彩 生命環境学域(応用微生物学)

連携の相手先 疾測量株式会社

【目的】 放置竹林は全国規模での環境問題として認識されている。山梨県においても、南部町

や身延町をはじめとする山梨県全域の早急に解決されるべき課題の一つである。本プロ

ジェクトはこのような山梨県内の放置竹林の間伐材から生産される竹酢液を有機農業

へ利用することを検討し、地産地消の農業材料の生産と地域のバイオマス資源の物質循

環システムを構築することを目標に据える。そのために以下の具体的な課題を設定し取

り組んでいく。 ● 竹酢液が水耕栽培農作物に与える生育促進・抑制効果の調査 ● 竹酢液を活用した圃場の地力増進のための有用微生物の群集解析 ● 水耕栽培および露地栽培により作出された農産物の栄養成分変化 竹酢液はこれまで農業や園芸分野では慣行的に使用されてきており、科学的な見地か

らその有効性を明らかにすることが望まれている。本プロジェクトで上記課題を解決す

ることにより、竹酢液の土壌への経験則によらない学術的な影響を解明し、有機農法へ

の竹酢液利用の普及が促進できるばかりでなく、高齢化が進む農作業従事者の負担軽減

が図られると考える。

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 8

研究テーマ 甲州市・上条集落の突き上げ屋根民家及びむら並み保存のための風景学習プログラムの開発

分野 ウ 美しい里づくり分野

区分 1 実践型教育研究(知の実践)

参考テーマ ・峡東地域における世界農業遺産認定 ・ブドウ棚景観の保全・資源化、桃畑景観の保全・資源化

代表者名 田中 勝 教育人間科学域(建築学、住居学)

【目的】 文化庁文化審議会は平成 27 年5月 15 日、養蚕とともに発展してきた特色ある民家

形式(突き上げ屋根)が周辺の畑地や自然環境と一体となって美しい風景を創り出して

いる甲州市上条集落を全国 110 番目の重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建)に

選定することを文部科学大臣に答申した。これによって上条集落は早川町赤沢宿に次い

で県内2つ目の重伝建となることが決定した。上条集落に見られる切妻民家及び集落形

態は山梨県を代表する貴重な地域資源であり、全国的に見ても豊かな地方色を有してい

る。生活の場としての民家(農家)と生産の場としてのブドウ畑・桃畑が巧みなバラン

スと秩序をもちながら美しい農村風景を創り出している甲府盆地の魅力を広く伝える

モデル的な地域となりうる可能性がある。こうした美しい風景や集落を守り伝えていく

ためには、民家や集落の物的環境整備とともに、民家やむら並みの保存に対する市民・

県民の意識啓発と地域に根ざした保存活動の展開が求められる。特に将来の甲州市及び

山梨県のまちづくりを担う子どもたちへの適切な美しい里づくり学習の推進が重要で

ある。教育や学習による人づくりは、地方創生の下支えとしても有意義である。本プロ

ジェクトでは、学校と地域が連携した風景学習の授業実践や集落・むら並み保存の事例

調査等を行い、上条集落周辺の小・中学校で導入可能な美しい里づくり学習のプログラ

ム開発につなげたい。

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 9

研究テーマ 伝統的景観活用観光における美しい里づくり実践的教育方法の検討 -特に先進地事例調査と学習効果について-

分野 ウ 美しい里づくり分野

区分 1 実践型教育研究(知の実践)

参考テーマ ・ブドウ棚景観の保全・資源化、桃畑景観の保全・資源化

代表者名 大山 勲 生命環境学域(地域計画・観光計画・景観計画)

分担者名 岡村 美好 工学域(福祉工学・技術者教育)

島崎 洋一 生命環境学域(再生可能エネルギー・環境教育)

連携の相手先 山梨県・美しい県土づくり推進室 甲州市

【目的】 1)目的: 地域と連携したフィールドサーベイと先進地事例調査によって今後の山

梨県における観光・産業・自然を調和させた教育研究手法を検討するとともに、実践的

教育の試行を加えて学生の意識向上の効果や課題を把握することを目的とする。 2)研究の位置づけ:地方圏では埋もれた地域資源を発掘し観光や市民協働まちづく

りへ展開することが地方活性化の方法として期待されている。山梨県では、県の重要な

資源である景観を観光と結びつけ、地域住民行政協働の景観・観光まちづくりに展開し

ていくことが求められている。この時、教育研究分野には「地域の活性化のために何が

できるかを考え」「地域に役立つ情報収集を行い」「成果を地域へ示す」実践的教育が求

められる。本プロジェクトの目標は、地域ニーズと学生ニーズをマッチングさせる教育

プログラムの開発方法を探ることである。今回は「地域に貢献できる」教育プラグラム

の一部であるフィールドサーベイおよび先進地事例調査を中心に、それらを今後の地域

連携型教育研究に活かすための課題を整理したい。

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 10

研究テーマ アグリツーリズムによる拠点型・ネットワーク型別にみた地域資源活用の教育効果の把握

分野 ウ 美しい里づくり分野

区分 1 実践型教育研究(知の実践)

参考テーマ ・1次産業である農・林・漁業と観光を関連付けた各種体験ツアーの実施

代表者名 渡邉 靖仁 生命環境学域(農業経済学)

分担者名 稲田 和也 生命環境学域(民法学)

【目的】 山梨県が都会の人々の移住先として有力な希望地となった。これら移住希望者の中に

は、山梨の「農」に惹かれ、移住後の生業・副業として農業を検討する者も少なくない。

また、移住までを考えていない都市住民であっても生命や環境に直結する「農」に興味

を持つ者もいる。都市住民と山梨をつなぐ、このような「農」を具現化する施策のひと

つとして、農業の実体験を伴うアグリツーリズムがある。このアグリツーリズムは、「農」

を支える農村地域づくりの「主体」「場」「条件」の 3 つの柱を構築するツールとしての

意義を有し、既に国内外で取り組みが行われている。しかし、本学では、その知見や人

材( 学生の力を含む)が十分に活用されてこなかった点を踏まえ、具体的かつ効率的

な協力・関与を探ることが必要である。そのためには、① アグリツーリズムを通じた

「主体」「場」「条件」に対する大学の効果的な協力・関与のありかたを明らかにするた

めの調査と②本学の学生をプランナーとして育成するための課題や方法論の実践的調

査が必要であるところ、本プロジェクトではこのうち①を行う。

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 11

研究テーマ 人口流入の誘因としての地域の自然資源の経済的価値評価 -都市部と山梨県の所得差を補填する要素の特定と計測-

分野 ウ 美しい里づくり分野

区分 1 実践型教育研究(知の実践)

参考テーマ

代表者名 渡邊 幹彦 生命環境学域(開発経済学、環境経済学など)

【目的】 本プロジェクトの目的は、他県から山梨県への転入者、あるいは、潜在的な転入者に

よる転入の誘因を特定し、可能な限り、それらを具体的な数値として計測することであ

る。 この目的は、さらに 3 つに細分化される。 目的 1: 転入の誘因を以下の 3 つの観点から、特定・比較する。観点は、①所得・就

業機会、②自然資源へのアクセス(景観、レクリエーション、清潔な水・空気・食

品)、③住環境(住居そのもの、安心できる教育・育児環境、介護環境、首都圏へ

のアクセス)である。 目的 2: 自然資源への依存度が高い産業(特に、ブドウ産業、及び、観光産業の一

部)に関して、その振興に関する期待度と、その振興に対する税などの費用負担の

受け入れの可能性を計測する。 目的 3: 住環境に関して、自然と関係した不安要素(猛暑、豪雪による孤立、土砂崩

れなど)への対処(防災)に関して、その改善に関する期待度と、税などの費用負

担の受け入れの可能性を計測する。 (目的 2 と 3 については、目的 1 の成果により実施可能性がないと判断される場合

には、これらを実施せず、目的 1 に関する成果のみを発表する。)

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●地域創生支援教育研究プロジェクト 整理番号 12

研究テーマ 写真織物パターンの対話的デザインシステムの開発

分野 エ 地域連携分野

区分 2 共同教育研究(知の移転)

参考テーマ

代表者名 茅 暁陽 工学域(画像処理)

連携の相手先 山梨県富士工業技術センター

【目的】 複雑な模様を織ることを得意とする郡内織物に対して、画像処理を適用することによ

り、写真織物を創出するシステムを開発する。多くの制約がある織物パターンの中で、

写真の持つなめらかな陰影をよく表現するためには、従来は専門デザイナのセンスに頼

るほかなかった。申請者らはこれまでに、二色印刷などで利用されるハーフトーニング

の技術とこの課題の親和性の高さを見出し、共同研究で技術開発を進めてきた。 本プロジェクトでは、技術をパッケージ化したソフトウェアを開発し、地元企業のデ

ザイナに試用してもらう。地元企業は新種の織物を生産でき、申請者らは新たな研究シ

ーズを発掘できる。

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