知的資本評価とグループマネジメントへの応用知的資本評価とグループマネジメントへの応用...
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知的資本評価とグループマネジメントへの応用株式会社オリエンタルランド経営戦略部経営戦略グループマネージャー
知的資本評価で効率的なグループ経営体制構築めざす オリエンタルランド(OLC)は、2010年に創立 50周年を迎えるにあたって中期経営計画を立案した。その基本方針のひとつに、「OLC グループ価値の向上」を掲げた。ねらいは、資源配分を再考し、より効率的なグループ経営体制の構築の手法を探ることにあった。そのために、2007 年に知的資本評価を導入した。 OLC は 5 年前から BSC を導入している。知的資本評価と BSC の共通点と今回の取り組みについて横山氏は「BSCは、非財務の部分の行動指標が3つあるが、それらはすべて財務の視点につながっていく。知的資本評価も、非財務の行動指標であり、最終的には財務を支える。ブランドや外部ネットワーク、顧客基盤、業務プロセスといった知的資本が、今後どのように財務的成長につながるかを今回検証した」という。
グループ会社2社のステイクホルダーにインタビュー実施 17 社ある OLC のグループ会社のなかで 2 社に関して、社内外のステイクホルダーにインタビューを実施した。インタビューには、「人的資本」、商品やサービスの質、オペレーション力といった「組織構造資本」、顧客基盤、ブランドといった「関係構造資本」の 3 つの視点を設け、そこから客観的に知的資本を評価した。 その際、社内の経営者・従業員の話を聞くだけでなく、顧客や取引先など、社外のステイクホルダーにもインタビューし、評価の客観性を高めた。
弱みを可視化し、次のアクションにつなげる 2社の知的資本評価の結果、事業ごとの「強み」と「弱み」の可視化が実現した。それとともに親会社であるOLCの課題も明らかになってきた。「知的資本評価で指摘された強みと弱みは、それまで社内で感覚的に捉えていたものだが、知的資本評価を受けることで客観的かつ的確に捉えることができた。知的資本評価で洗い出されたOLCグループの課題から、効率的なグループ経営体制の構築のヒントが浮かび上がった。このことは大きな成果だった」
横山 政司 氏