新しい合成生物学装置の開発 〜遺伝子発現のボ …1...

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1 新しい合成生物学装置の開発 遺伝子発現のボリュームコントロール産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門 最先端バイオ技術探求グループ 主任研究員 末永 光 2019年7月2日

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新しい合成生物学装置の開発〜遺伝子発現のボリュームコントロール〜

産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門

最先端バイオ技術探求グループ

主任研究員 末永 光

2019年7月2日

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機能性タンパク質

微生物による物質生産

ペプチド

酵素

抗体

応用分野

学術分野

・機能解析・構造解析

・産業用酵素・医薬品

大腸菌・酵母・カビ

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微生物による物質生産

生産量増大

遺伝子発現のボリュームコントロール遺伝子発現のボリュームコントロール

生産量現象

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従来技術

機能性タンパク質の大量生産

①宿主の最適化(大腸菌ABC・酵母ABC・カビABC)

②発現系の最適化(ベクターABC・プロモーターABC)

③発現条件の最適化(培養条件・誘導条件)

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新技術の特徴

①遺伝子発現を変化させる塩基配列

②従来の技術と併用することが可能

③様々な生物種に適用が可能

目的遺伝子

遺伝子発現をコントロールする合成生物学装置

plasmid

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新技術の特徴遺伝子発現をコントロールする合成生物学装置

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新技術の特徴

①遺伝子発現を変化させる塩基配列

繰り返し1 繰り返し3 繰り返し6

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新技術の特徴

②従来の技術と併用することが可能

最適化された条件 さらに生産向上

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新技術の特徴

③様々な生物種に適用が可能(可能性)

細菌

担子菌類

カビ

ウィルス

酵母

原生動物

魚類

扁形動物

ランソウ類

植物

偶蹄類

チンパンジー

ヒト

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想定される用途

• 組換え体を利用したタンパク質の大量生産

• 既存の遺伝子発現系のファインチューニング

• 代謝工学的手法による効率的な有用物質生産

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実用化に向けた課題

• 使用可能な宿主の拡大

• 最適な並列数の探索

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企業への期待

• 無細胞タンパク質合成系を含む、様々な宿主における異種発現の技術を持つ企業との共同研究を希望。

• 生物プロセスを活用したものづくり分野に関するあらゆる企業において、本技術の導入が有効と思われる。

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本技術に関する知的財産権

• 発明の名称 :遺伝子発現を制御するための核酸

• 出願番号 :特願2018-073806

:PCT/JP2019/014846

• 出願人 :産業技術総合研究所

• 発明者 :末永光、松沢智彦、佐原健彦

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お問い合わせ先

産業技術総合研究所 生命工学領域

イノベーションコーディネーター 新間 陽一

TEL 029-862 - 6032

FAX 029-862 - 6048

e-mail [email protected]