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原腸胚(嚢胚)形成胞胚の典型的な形は中空胞胚で、1層の細胞で囲まれた閉じた袋の形をしている(断面図右A-1)。この胞胚期

を過ぎると、胚の中ではめざましい細胞の配列替えが始まり、2層でしかも

口の開いた袋(ポケット状のくぼみ、或いは壺の形(断面図右A-3))に変わ

る。この状態になったものを嚢胚、又は、(この凹みを原腸ということから)原腸胚(gastrula)と呼ぶ。つまり、胞

胚が基本的には一重の胞状構造であったものが、原腸胚(嚢胚)期には

二重または多重の層状構造を持つことになる。この変化の過程を原腸胚形成(嚢胚形成)(gastrulation)と呼ぶ。

このような変化には細胞の集団運動が必要で有り、形態形成運動(morphogenetic movement)と呼ぶ。

陥入開始から神経板形成開始前ま

での胚を原腸胚という。

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原腸胚形成の様式

①陥入(invagination)

(A~C)胞胚の植物極側の細

胞が割腔内に折れ込んで2層を形

成する様式。割腔の大きい、多くの

動物種の胚でみられる。陥入した細

胞群が原腸(archenteron)で、陥入

部を原口(blastopore)という。

②被覆(epiboly) (D~F)動物半球の細胞群は陥入出来な 1:原口 2:外胚葉 3:内胚葉

くて植物半球の細胞群を覆い被せ

るように包んで2層を形成する様式。この際、移動する細胞群の先端は下降運動

をすることになり、胚を覆う外胚葉は植物極側では小さな開口(原口)をつくり、内

部に原腸をつくる。卵黄が多く割腔が小さい胚で見られる。

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原腸胚形成の様式

③内殖(ingression)(A~C)移入ともいう。胞胚の植物極付近の

細胞の一部が隣接する細胞から離

れて割腔の中に落ち込み、割腔を満た

した後、層状に並んで内胚葉を形成

する様式。1箇所で起きる場合を単

極内殖、数箇所で起きる場合を多極

内殖と呼ぶ。

④葉裂(delamination)

(D~F) 胞胚の細胞が全面的に

内外の方向に同時に、或いはほぼ同時に

分裂して2層の細胞層を形成する様式。 1: 外胚葉 2: 内胚葉

原腸形成の過程は複雑である。詳細にこの現象を観察すると、通常は、これらの4方法のうちのいずれかを組み合わせていることが分かる。

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棘皮動物ウニの原腸胚形成ウニ胚は胞胚になると胚表に繊毛が

生じて孵化し遊泳胞胚となる。やがて

動物極側の繊毛(頂毛)が伸び、植物

極側の細胞がやや肥厚し、動植物極

軸が明らかになる。この頃に植物極

側の小割球由来の細胞(一次間充織

細胞)が割腔内に内殖する。植物極

側の肥厚した部域(内胚葉板)の中央

が割腔内部へ陥入し始め(一次陥入)、

その先端には細胞の一群(二次間充

織細胞)が遊離突出(内殖)し、偽足を

胚の天井まで延ばし、陥入部がこれに引きずられるように天井

に達する。陥入部が原口、陥入した胚の内部の部分が原腸(内

胚葉)である。陥入開始から原腸が胚の天井に達するまでの胚

を原腸胚(嚢胚)という。一次間充織から骨片を生じ、原口が肛

門、原腸先端が接した外胚葉は開口して口になる。原腸は二箇

所でくびれて食道、胃、腸に分化する。二次間充織は二つの細

胞群に分かれて体腔嚢になる。

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原索動物ナメクジウオAmphioxusの原腸胚形成

胞胚の赤道面に当たる直ぐ下のところに、活発に細胞分裂をする部分が環状に存在する。特に背側での細胞分裂が盛んであるため、植物極側の細胞群が内部に陥入してゆく。陥入する細胞への補充と同時に、原腸の縁(原口背唇(背縁))も後方へ伸びて行く。その結果、原口の縁を回って内部に巻き込んでゆくことになる(この現象を巻き込み(involution)と呼び、後方への伸

長は被覆である)。つまり、陥入、巻き込み、被覆という3つの現象が組み合わさっている。

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無尾両生類カエル胚の原腸胚形成

胚の中央(赤道面)より植物極寄りの

部分に黒い色素が集まって、やがて

横に伸びた切れ目のように見える箇

所が陥入の始まった箇所(陥入開始

部位)である。縦断面では、やや植物

極寄りに動物半球の小さい細胞と、植

物極の大きい細胞の境界として識別で

きる部位である。陥入は割腔を押しやり

ながら胚内を動物極に向かうように進

み、横にも広がっていく。そのために胚

の外側では陥入部の切れ込み(原口)

は植物極を囲むように横に広がり、最

終的には両方に先端が連絡して輪のよ

うになる(卵黄栓(yolk plug))。陥入開始部(背側)のすぐ上の部分が原口背唇で、腹側が

原口腹唇。陥入の進行と共に動物極側の細胞は下降運動(被覆)を始め植物極側に近づ

く。最終的には原口の輪と卵黄栓は小さくなり、胚の植物極寄りの開口になり、将来肛門に

なる。原腸は、将来脊索や側板等を形成する中胚葉と消化管を形成する内胚葉とから出

来ている。胚の外側を覆う部分が外胚葉、原腸の背側の天井に当たる部分(原腸蓋)が中

胚葉、原腸の腹側の床に当たる部分が内胚葉である。

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有尾両生類イモリの原腸胚形成

フォークトVogt(1929)は、局所生体染

色によって形態形成運動の方向やその時間経過を観察する方法を使って、両生類の初期原腸胚の各部分がどの器官を形成するかを追跡し、逆に器官形成に預かった各部が初めの胚のどの位置にあったのかを表に表した。予定器官原基図(fate map of the presumptive organs)(右中)という。

胚の赤道面(周縁帯)に位置した細胞は植物極側に向けて下降運動をし、陥入して胚内に巻き込まれる。この運動は背面で著しく、腹面で緩やかであるが、背面中央部の外胚葉の下に集中するように起きる傾向が見られる。早く陥入した細胞ほど胚内の奥へはいるわけで、陥入開始部のやや上にあるオーガナイザーの部分は、背面外胚葉の直下に頭尾に沿って位置することになる。

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予定地図(予定器官原基(分布)図)原腸胚形成により しかるべき位置に配置された各胚葉の細胞が、元々胞胚のどの位置に由来したものかを逆にたどって、胞胚の上にプロットしたものを予定地図とよぶ。予定地図上の細胞は、その予定運命(予定意義)を持つという。

胚の、それぞれの部域の細胞が、正常発生においてたどるべき発生運命をそれぞれの予定運命といい、その細胞が何になりうる能力があるか(予定能)ということではない。

a) ナメクジウオ(b) カエル(c) 魚ナメクジウオでの陥入(陥没)運動は、両生類のような卵黄の蓄積がやや多い卵では、陥入よりもむしろ覆い被せ運動となるが、結果としては、外層に外胚葉が、内側には中胚葉と内胚葉が位置し、予定地図ではナメクジウオに比してゆがんだようになっている。

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予定地図( fate map )予定器官原基(分布)図(a)ナメクジウオ(b) カエル(c) 魚

魚類や鳥類の卵では卵黄が極端に多くなってくるため、覆い被せ運動やその変形として巻き込み運動が主となる。卵黄が多量であるため、外胚葉、中胚葉、内胚葉は3層の形になっている。

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硬骨魚類マスSalmo iridaeusの原腸胚形成

胚表における器官原基の配置(A)とその移動(B,C)

胚盤の周縁部を胚環という。胚盤の前半を両生類

の胞胚の前方と腹側とに当てると見なし、その後半

部を胞胚の後方と背側に当たると見ると、両生類の

原腸形成とあまり違いがない。

原口陥入は、将来の胚の正中線のところで、内胚葉

になるべき部分と卵黄塊との境に起こる。まず内胚

葉や脊索前板(5)になるはずの細胞が彎入、引き

続いて脊索中胚葉(2,6)が巻き込まれ、側板中胚

葉(1)も胚盤周縁を回ってはいる。胚盤のほぼ前半

、つまり外胚葉で胚の表皮(7,8)とな

る部分、特に卵黄嚢(9)になるべき部

分が著しく伸展して、卵黄塊の上を覆う

ように伸びる。胚盤は次第に大きくなる

が、その縁が胞胚時の赤道を越えると

両生類の卵黄栓のようになる。1:側板

中胚葉 2:体節中胚葉 3:胴部神経

管 4:脳 5:脊索前板 6:脊索 7:頭

部表皮 8: 胴部表皮 9:卵黄上皮

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爬虫類の原腸胚形成爬虫類の胞胚の胚盤は、一次胞

胚腔(胚盤下腔)の上を覆う明域

とその周縁部の暗域(卵黄塊を直

接包む)とから成り立つ。原腸胚

形成にはいると、明域の中央から

やや後方に、楕円形ないしは洋

なし型の不透明な胚楯(ハイジュン)

が出現する。

上層(原外胚葉)は柱状細胞が密に並

ンだもの、下層(内胚葉)は卵黄塊の

上に丸い細胞が散在したもの。胚楯

後方に上下2層の密接した部位原板

がある。活発な細胞分裂により、上層

から内胚葉細胞が内殖、葉裂或いは

陥入にて潜り込む部位である。上層と

下層の間が二次胞胚腔(真の胞胚腔)

である。下層の形成に続いて原板に細くて短い溝(凹み)が現れ、前向きの三日月形となり、更に後ろ

向きの馬蹄形へと変化する部位が、原腸陥入点の原口で、両生類の卵黄栓にあたる。

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鳥類の原腸胚形成鳥類の胞胚の胚盤は、3~4層の細胞からなり、下の胚盤下腔(一次胞胚腔)は狭い。胚盤の中央はやや透明で明域、周縁部は不透明で暗域と呼ばれる。原腸形成が起きると、正中線の中央よりやや後方に原口が出来る。胚盤の前方の周縁の伸長が早く、原口の左右側面にある予定中胚葉部分(3)を後方へ押し出すため、胚盤は後方へ伸びた洋梨型に変形する。原口の後方に細長く集中した中胚葉の部分の中央に縦走する溝(原溝)を原条(9)と呼ぶ。 始めに原口から巻き込んで入った脊索(2)と中胚葉の一部は原口に一時的に留まる(ヘンゼン結節(8))が、やがて前方へ移動して頭突起(10)となる。頭突起は脊索原基で、胚表に神経板を誘導する。

内胚葉は、ニワトリ、鳩では放卵時には既に存在してるため、内胚葉形成に関する研究が少ない。一次胞胚腔に面した胚盤細胞の葉裂によって生じると考えられている。

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両生類の原口 と 鳥類の原条

両生類の卵の灰色新月環の

反対側をナイフで切り開き、

無理矢理平板に押しつぶした

とすると、魚類や鳥類の卵に

見られる胚盤の形になると同

時に、両生類の灰色新月環

が鳥類の原条に相当すること

がわかる。

従って、原腸胚の形ができる

までの過程の差違は卵黄の

蓄積に対する適応であること

が分かる。

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哺乳類の原腸胚形成哺乳類は、鳥類と同様に爬虫類の子孫である。爬虫類、鳥類胚の卵黄に富む卵での原腸胚形成運動は、大量の卵黄を欠如しているにも関わらず、哺乳類胚でも保持されている。蓄積されている卵黄の代わりに、母親の栄養を吸収する胎児器官、即ち胎盤(placenta)を発達させている。胎盤は、主に胚のトロフォブラスト(trophoblast栄養芽層細胞 あるいはtrophoectoderm 栄養外胚葉)に由来し、補助的に内部細胞塊からの中胚葉細胞も加わり生じる。

(右図) 原腸胚直前の哺乳類胚盤胞内部細胞塊は葉裂(delamination)により胚盤葉下層細胞(hypoblast)を生じる。この細胞はtrophoblastに沿って並び、鳥類胚の場合と同様の原腸(A~C)、及び2層(胚盤葉上層(epiblast)と胚盤葉下層(hypoblast))の胚盤(blastodisc)(D)を形成する。種によっては、trophoblast は、内部細胞塊(inner cell mass, ICM)を包む極栄養芽層細胞(polar trophoblast)と、ICMを包まない壁栄養芽層細胞(mural trophoblast)に分離されている。

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哺乳類の原腸胚形成 (続)ICMの内側での最初の細胞の分離により、胚盤葉下層(hypoblast)或いは原始内胚葉(primitive endoderm)が形成される。この細胞群はICMから離れて胞胚腔に沿って並び卵黄嚢内胚葉(yolk sac endoderm)となる。hypoblastの上に残ったICMは、胚盤葉上層(epiblast)とよばれ、小さな裂け目が生じ繋がってepiblastを胚体胚盤葉上層(embryonic epiblast)と羊膜(amnion)を裏

打ちする羊膜外胚葉となる。胚体胚盤葉上層(実際の胚を生むための全ての細胞を含む(胚体そのものになる)の後方の縁にある局所的肥厚が

原条(primitive streak)となり、内胚葉

と中胚葉になる細胞群がここから内

部へ潜り込む。tophoblastからは、2種類の細胞群(細胞栄養芽層 (cyto-Trophoblast)とシンシチウム栄養芽層

(syncytiotrophoblast))が生じる。後者

は、子宮の内側に侵入し、胚を子宮

内に埋め込み、子宮から伸びる血管

と接触する。

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哺乳類の原腸胚形成 (続)

トロフォブラストの細胞中にて、細胞質分裂なしに核分裂を行う一群、これをシンシチウム(多核体)栄養芽層細胞 ( syncytio-trophoblast ) と呼ぶ、が子宮内

へ侵入する。その後、原腸形成期胚から中胚葉が胚体外へ広がり、胚体外中胚葉 ( extra-embryonic mesoderm ) と呼ばれる。

この細胞群は、トロフォブラストに連結し、連結柄 ( connecting stalk ) となり、母体から胚へと栄養を運ぶ臍帯 ( umbilibcalcord ) 血管となる。トロフォブラストと血管を含む胚体外中胚葉

から漿膜( chorion )が形成され、子宮壁と融合し、胎盤( placenta ) を形成する。

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各動物での原腸胚形成過程の現象を記載したものを比較した。

ここまでは、原腸胚形成に関して 動物間での「違い」 に着目してきた。

ここからは、「共通点」 に着目して原腸胚形成を見ることにする。

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原腸胚形成胞胚の後期までに体つくりのための基本パターンの形成が完了する。それに引き続いて、胚細胞の大がかりな移動運動による胚細胞の配置換えが行われる。これを原腸胚形成と呼ぶ。この際に見られる胚細胞の移動パターンは、動物によって異なるが、基本的には2つの目的のための運動であるといえる。

① 胞胚の上皮組織が胚の内部に陥入して将来の腸になる原腸を形成する運動である。

② 胞胚を形成する上皮組織の一定領域から離脱した予定中胚葉細胞が胚の内部に入り込み、予定外胚葉と予定内胚葉の間を移動して中胚葉を形成する運動である。

原腸胚形成は、原腸と三胚葉の形成 を行うだけではなく、その後の神経管の形成 とも密接に関係する。

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魚、カエル、ニワトリ、マウスの予定器官原基分布図

それぞれがよく似たパターンを示している?

『類似している!』という目で見比べる。

『皮膚ー神経ー脊索ー内胚葉の位置関係』および、『中胚葉の広がり』に注目。

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個体発生は系統発生を繰り返す(E.H. Haeckel)

後述の(参考)を参照のこと

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魚、カエル、ニワトリ、マウスの予定器官原基分布図

似ているサカナからマウスに至るまで、体の各部を構成する器官の位置関係がよく似ている ことを考えれば当然のことである。

原腸胚開始前からすでによく似た体つくりのパターンが脊椎動物に共通して存在している ということになる。

脊椎動物の原腸胚形成の際には、上皮組織の陥入運動と予定中胚葉細胞の移動運動を伴った大がかりな胚細胞の配置換えが起こる。

その中でも予定中胚葉細胞は胚全体に及ぶ広範囲な移動運動を行う。

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予定中胚葉細胞の移動パターン

ニワトリ胚では、原腸に当たる構造は後で形成されるので、原腸胚形成と呼ばれる形態形成運動は予定中胚葉の移動運動が中心となる。

予定中胚葉細胞の移動運動は原条(primitive streak ) の部分から始まり、予

定外胚葉から離脱した予定中胚葉細胞がシート状になって胚の前方と胚の両側に向かって移動してゆく。予定中胚葉の中心部に位置する予定脊索中胚葉は、まっすぐ前方(頭側)に向かって進んでゆきやがて脊索となる。そして、脊索と接した外胚葉細胞の部分に脳や脊髄となる神経管の形成を誘導する。 一方、予定脊索中胚葉の両側を進んでゆく予定中胚葉は胚全体を覆うように広がって、体節や側板中胚葉を形成する。

これら一連の過程をコントロールしている分子メカニズムについては不明点多し。

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細胞の形態形成運動 (morphogenetic movement)

陥入や被覆は基本的には細胞の運動と細胞の再配置による。細胞運動には細胞の形態変化と細胞移動が含まれる。

(A) 屈曲運動 : 上皮組織の細胞の形

態変化により屈曲する運動

(B) 伸長運動 : 上皮組織が一方向に

伸びる運動

(C) 伸展運動 : 上皮組織がシート状

に広がる運動

(D) 移動運動 : 細胞の自動運動能の

発現、細胞が移動する際の足場と

なる細胞外基質の出現、基質に対

して細胞が接着する性質の発現等

の条件がそろうと自動的に移動運

動が起こる

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細胞の移動運動・ 予定中胚葉域の細胞が移動運動

を開始する直前になると、それらの細

胞には活発な自動運動性が現れて

くる。自動運動性の発現は、細胞の

ブレッブ運動(細胞の周囲に丸い泡状

突起が形成され、それが細胞の周囲

を回転する運動で、周転運動とも呼ば

れている)や虫様運動(細胞が伸びた

り縮んだりして虫のように動く運動)の

発現として観察される。

・ それとほぼ時を同じくして、予定中

胚葉細胞が移動する際の足場となる予定外胚葉の内表面に、細胞を接着させるための細胞外基質(ECM)(フィブロネクチンやラミニン等の細胞を接着させる蛋白質を含む)が出現す

る。細胞外基質成分に対する受容体である細胞接着分子インテグリンを介して細胞外基質と接着するが、予定中胚葉細胞自身にも細胞外基質に対して接着する性質が発現してくる。

インテグリンは膜貫通蛋白質で、細胞内部の細胞骨格系や細胞内情報伝達系の分子などと結合していることから、インテグリンを介して細胞外基質と接着すると、胚細胞自身の性格(細胞形態、運動性、細胞増殖、そして細胞分化など)に大きく変化が引き起こされる。

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細胞の接着

①細胞と細胞外基質との接着

以外に

②細胞同士の接着

がある。② 細胞同士の接着に関与する分子として Caイオン依存細胞接着分子と非依存細胞接着分子がある。

依存性の代表としてカドヘリンがある。このカドヘリンには組織特異的に発現する何種類かの分子があるが、それらは同じタイプ同士で接着しあう性質がある。この性質は、自分と同じ種類の細胞同士で接着し合い、自分と違う種類の細胞とは接着しないという現象(細胞選別)を引き起こす。

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細胞同士の接着(細胞親和性 (tissure affinity) と細胞選別 (sorting-out))

細胞親和性は、Wilson (1907)が海

綿の細胞で見つけた現象。色の違う2種類の海綿を解離して混ぜ合わせると、初めは単なる色が混ざり合った細胞塊をつくるが、やがて2種類の細胞は分かれて、もとのような2種類の海綿になった。即ち、海綿の細胞は親和性を持ち凝集するが、種類が異なると細胞は互いに自他を認識して分かれてゆき、同種ならば細胞同士が集まって個体となった。海綿では、このような細胞の親和性や自他の細胞認識が個体を形成する場合に重要な働きをしていることが見いだされた。

個体の中での形態形成や器官形成でも、このような細胞の性質が働いていることを見いだしたのがHoltfreterである(右)。細胞相互間

の認識に基づいて起こる細胞の移動を選別(sorting-out)という。

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細胞同士の接着(細胞親和性 (tissure affinity) と細胞選別 (sorting-out))

胚葉別の細胞の挙動の特徴を最初に明確な形で指摘したのは Holtfreterである。両生類

の胚から各胚葉を分離して取り出し、場合によってはこれを更に組織別に分けた上で、これらを任意に組み合わせて人工的な細胞の集合体をつくり、その中での個々の胚葉細胞の挙動を調べた。胚葉別の性質の差とは、

① 外胚葉は常に最外層を占めようとし、内胚葉、中胚葉ともに包み込もうとする。

② 内胚葉は中胚葉に対しては外側へ出て包み込もうとするが、もし外胚葉が共存すると、外側から包み込む性質が張り合って外胚葉に負け、逆に最内層に潜ってそこに腔所をつくり、その内張りの形に並ぶことで折り合う。

③中胚葉はつなぎの役目を果たす。例えば、外胚葉と内胚葉の二者の集団をつくると折り合いが悪いらしく、やがてはがれてしまうが、ここに中胚葉が有れば中間に入って三者で共存できる。

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(参考)

マウス原腸期胚の中胚葉細胞について

Develop. Growth and Differ., 31,209-218,1989.

“Gastrulation,” eds. R. Keller et al., pp.43-56, 1991

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マウス 6.85 dpc 初期原条期胚 の 走査電子顕微鏡像

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マウス原腸期胚の中胚葉細胞マウス原腸期胚(卵筒期胚)を胚

培養下にて中胚葉細胞の移動を撮影して、移動速度を計測したところ、平均46μm/hであった。そこで、

ウシ角膜の内皮細胞をプラスティック皿にて培養して、培養皿の基質上に分泌された細胞外基質(ECM)を使い、

マウス初期胚6.5dpc~7.5dpcから採取した中胚葉細胞層の小片を蒔き、微速度撮影(コマ撮り)を

行ない、遊走細胞の速度を計測した。平均ca. 50μm/hであった。

ここで使用したin vitro の実験系

は、マウス胚内の条件をうまく反映していると見なした。

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ウシ角膜内皮細胞が分泌したECMに対して、培養皿のプラスティック基質や、ガラス基質では、細胞移動速度は半分以下であった。

プラスティックやガラス表面は、使用培地中に血清を含むため、血清中のフイブロネクチンがこれらの基質上をコーティングしている点に注意。

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ウシ角膜内皮細胞のECMと、プラスティック、及びガラスを基質とした場合の中胚葉細胞の分裂頻度を計測した。

ECMを基質にした場合、13%であった。これに対して、プラスティックやガラスを基質とした場合にはほとんど細胞分裂は見られなかった。

残念ながら、マウス原腸期胚内での分裂頻度に関するデータがないため、本システムを評価することは出来ない。

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中胚葉層の形成に異常があり致死となるT/T突然変異マウスの初期胚から単離した中胚葉細胞は、コントロールマウスに比して、やはり中胚葉細胞の運動能に問題があるデータとなった。

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① 本実験系に、細胞外基質に対するモノクローナル抗体を添加した時の細胞の移動速度を計測した。

フィブロネクチンに対するモノクローナル抗体添加により、細胞運動能は大きく抑制されたが、ラミニンに対する抗体添加においても運動能がやや抑制されたことから、ラミニンも関与している可能性が考えられた。

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② 細胞外基質であるフィブロネクチンが持つ、central cell-binding domain(インテグリンが選択的に接着する3つのアミノ酸 RGD(アルギニン、グリシン、アスパラギン)配列)を含む合成ペプチド,或いは、B16 メラノーマ等の細胞接着部位との報告のあるtype Ⅲ connecting segment (ⅢCS)に含まれる部位の合成ペプチドREDV 等を培地中に添加し、細胞の移動能への影響を見た。フィブロネクチンが持つRGDを含む

合成ペプチドは予想通り移動能を抑制したが、REDVの方も抑制的に作用した。

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ウシ角膜内皮細胞がつくったECMは、様々な物質の複合物である。これに対してフィブロネクチンとラミニンに対するモノクローナル抗体それぞれが細胞の移動能に対して抑制的に作用した。そこで、フィブロネクチンと中胚葉細胞が足場としている外胚葉の基底膜の成分である、ラミニンとタイプⅣコラーゲンについて、各々をコートした基質上での中胚葉性細胞の移動能を調べた。

結果は、ラミニンが最もECMの値に近く、次いで、フィブロネクチンであった。Ⅳ型コラーゲン上では細胞はプラスティック上と同様に移動能であった。

コーティング方法など、いろいろと検討項目が残っている。

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(参考)Von Baer の法則

Karl Ernst von Baer の「発生学の

4つの法則」(1828) について

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個体発生は系統発生を繰り返す(E.H. Haeckel)

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von Baer は、1800年代前半に活躍した優れた発生学者である。ニワトリ発生の詳細な研究を行った。

脊索、哺乳類卵、ヒト卵を発見した学者である。

4つの法則は、ニワトリ胚を他の脊椎動物胚と比較した結果から導き出された。

脊椎動物の胚は初期の段階ではその亜門全体に共通した特徴をします。発生が進行するにつれて、胚はそれが属する綱、目、科の一員として認められるようになり、最終的には種が明らかとなる。Von Baerは進化論者ではなかったし、実際進化論者にはならなかった。

Darwinの「種の起源」の出版は、1859年である。Darwinは、von Baerの研究が、共通の祖先が胚発生を遺伝できる形で変形する

ことにより、異なるタイプの生物へと広がりうるものであるという進化の仮説を支持するものであることを理解していた。

引用 「発生生物学:分子から形態進化まで」(上)、 トッパン、 1991年

Scott F. Gilbert , “Developmental Biology,” 2nd Ed., Sinauer Assoc., 1988.