CADでの納品データ - y-kenkyo.or.jp · cadでの出来形管理図...
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CADでの納品データ作成の解説
CAD製図基準(案)に沿った
納品データ作成方法
納品対象となった出来型管理図と竣工図
山梨県では4月以降発注の建設工事を対象に出来型管理図(全工事)と竣工図(6千万以上)が電子データでの納品対象となりました。
今回、その出来型管理図と竣工図の作成に至るまでの留意して頂きたいポイントを述べさせていただきます。
いきなりCADと言われても…
「では今日からCADで作成しましょう!」と言われてもが本音です。
以前、手書きからワープロに変わった時期を思い出して下さい。やはりこれも日々の教育・訓練が必要となります。
ではどこから覚えていけば?
まずは心構え
図面を描く上では図面用語を主に使用します。
(ここは発注者も同様)ドラフターをパソコンに置換えたと思うのが早道!
画面に映し出される図面、拡大や縮小は自由自在。線などを描く為のボタンや線などを消す為のボタン。雲定規やテンプレートはすべてCAD上にあると考えてください。
描く為のルール 電子納品される図面ファイルは、ただ適当に描けばいいわけではなく、
特定のルールに従って作成されなければなりません。そのルールを記載した教科書が「CAD製図基準(案)」です。
基本的な概念として次のような項目に注意する必要が有ります。
・線の種類: 実線、破線、一点鎖線、二点鎖線だけを使用できます。・線の太さ: 紙に出力する場合は、1:2:4の割合とします。・文字高さ: 2.5、3.5、5、7、10、14、20mmだけを使用できます。・文字種類: 機種依存文字( ①、㎡)拡張文字(﨑、珉) は使用できせん。・フォーマット:山梨県ではSXF(SFC)と定めています。・ファイル名: 担当する業種、図面の種類によって決められています。・レイヤ名: タイトルボックス、構造物形状、寸法線など細かく規定されて
います。また、このレイヤに存在する線や文字の色 も規定されています。
CAD用語(主に注意する点)
拡張子
レイヤー
座標(世界測地系と日本測地系)
ハッチング
ラスターデータ
拡張子ファイル名のうち、「.」(ピリオド)で区切られた一番右側の部分。例えば、ファイル名が「図面名.sfc」ならば「sfc」が拡張子です。
Microsoft Excelで作成したファイルには「xls」という拡張子がつきますが、これはExcel独自のファイル形式であることを示す拡張子です。
写真JPEG画像をあらわす「jpg」などは慣習として広く受け入れられた拡張子であり、ほとんどのアプリケーションソフトで同じ意味を持ちます。
拡張子の種類
SFC P21 DXF DWG JWC JWW TIFF JPG BMP PDF
山梨県が使用するCADデータの拡張子 国土交通省が使用するCADデータの拡張子 SXFが流通する前に使用されていたCAD拡張子 AutoCADオリジナルの拡張子 フリーソフトJW-CAD(DOS版)のオリジナル拡張子 フリーソフトJW-WIN(windows版)のオリジナル拡張子 写真データの拡張子、主に現況図がこの場合が多い 写真データの拡張子、デジカメで撮影したデータが主 画像データの拡張子、電子納品では使用しません。 アドビ社アクロバットの拡張子
レイヤ
アニメーションのセル画を想像すると簡単です。セル画は「背景」「付帯背景」「主人公」のように一枚いちまいに役割を持っています。
背景
付帯背景
主人公
レイヤCADにも各レイヤに役割があります。
国土交通省の平成16年6月発布のCAD製図基準(案)が定めたレイヤ
左表は
工種:道路
図面区分:平面図および
交差点位置図
に使用されるレイヤ
座標(世界測地系と日本測地系)
今まで座標一覧として紙に印刷されてきましたが、現在CADに利用出来るようにSIMAデータという座標データが配布されています。
その座標データは現在「世界測地系」で配布、納品されていますが、2000年以前は「日本測地系」の座標で管理され、場合によっては「日本測地系」で配布される事があります。
座標(世界測地系と日本測地系)
測地系が異なれば杭の位置が違う事になります。
成果としては成り立ちません。
作成前に座標を確認しましょう。
ハッチングいわゆる網掛けの事です。
以前は青・朱の鉛筆やロットリングなどを利用し、塗りつぶしや網掛けを、検査の際に判り易くするため描いていましたが、CAD上では範囲指定する事により簡単に作業がはかどります。
割ぐりの作画も
ハッチングのひとつです
ラスターデータ
拡張子のところでも述べましたTIFFデータの事です。主に現況図として配布される事が多いです。
ラスターデータの活用は重要です!計画(設計)平面図に添付されてる事が多く、間違って削除した際は、ラスターデータの座標が判っていれば簡単ですが判らない場合再配置は面倒になります。
ラスターデータ(例)
出来形管理図
いわゆる赤黒の図と言われているものです。CAD作成でのSXF(SFC)データでもかまいませんが、写真データ(JPG、TIFF、PDF)でも納品可能です。
設計値に対して出来形測量による出来形寸法
(実測値)を対象書きしたもの
CADでの出来形管理図
SXF(SFC)での作成となりますが検査の際はCAD製図基準(案)でのエラーチェックの対象となりません。しかしながら、レイヤー分けを出来形図の時点で作成すると、竣工図への活用や6千万以下の工事でも事前に訓練が行えれます。
写真データでの出来形管理図
写真データでの作成方法は、今までと同様に紙に図面を打ち出し、赤(朱)描きします。
仕上がりましたら、スキャナーで読み込み、JPG・TIFFもしくはPDFのデータに変換し納品します。
A3対応のカラースキャナーとカラープリンタがあると便利です。
工事完成図(竣工図)
改築系の工事を対象現状復旧のみは不要だが、工種が変わる場合は提出
国土交通省のCAD製図基準に準拠しているものが対象(レイヤ構成とレイヤ名が正しければOK)
設計図面とされているものが対象横断図などの参考図面は原則として不要
出来形測量の結果および設計図書に従い作成したもの出来形測量の結果が設計図書の寸法に対し、土木施工管理基準および規格値を満た
していれば出来形測量は設計数量とする。
負の規格値しかない場合は、負の規格値を反転し正の規格値とする。
CAD製図基準のレイアについて レイアの項目でもお話しましたとおり、CAD製図基準は複雑か
つ重要な部分となります。
基本となる分類は
図枠 外枠・表題欄・罫線、文字、縦断図帯枠
背景 主曲線、計曲線、現況地物、既設構造物等
基準 基準点、測量ポイント、中心線、幅杭、等
主構造物 当該図面名称で表すような構造物
副構造物 主構造物から派生する構造物
材料表 切盛土、コンクリート、鉄筋加工、数量
説明、着色 ハッチ、シンボル、塗りつぶし、記号、等
前表のように、作画するレイアによって「線色」や「線種」にも決まり事があります。
その決まり事を容易に作画できるのがOCF検定取得CADです。
右のマークが記載されたCADは
検定に合格したCADです。
使用するCAD
エラーチェック
様々なCADが市販されている中、OCF検定認定CADの多くはエラーチェック機能が搭載されております。エラーが多いと再提出が嵩み、現状指名停止になったという事例も出てきております。
容易に・安全な納品を行うアイテムとなります。
建設CALS/ECの概要 1996年4月に発表その頃はECは含まれず。
1997年6月に現行の建設CALS/ECとなる。
2001年の省庁再編により、建設CALS,空港施設CALS,港湾CALSが合体してCALS/ECと呼ばれています。
アメリカや韓国では施行
TECRIS
資格ISO
CALSCORINS
OCF
電子納品
電子入札EC
VE方式
ユニットプライス
GIS 電子台帳
総括して総括して建設建設CALS/ECCALS/EC
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
●ハードウェアの準備●ソフトウェアの準備
(初期設定含む)●受発注者間協議
事前協議について【1】 電子納品媒体の確認
CD-Rとする(国土交通省はMOも対象の為)【2】 CADデータ作成上の留意点
図面の大きさ尺度出力する線の太さ線の色印刷の手段
(紙出力の際、SXFビューワからの出力に限定される場合がございます)
座標の取り扱いの有無(必要な場合世界測地形なのか?)
作業レイヤの取り扱いなど【3】 CADデータのやり取りを電子メールにて行う際の
アドレス、最大容量の確認【4】 中間成果品の取り扱いに関する留意事項
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
●書類作成●発注者の承認手続・確認●管理情報・一覧表の作成など日々作業
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
●提出書類の確認●ファイル名の変更●竣工図の編集●SXFブラウザでの確認
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
●管理ファイル等の作成出来形や精度管理など
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
●ファイル名変更●CD-Rへの格納●チェックシステムでの確認
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
●ウイルス対策ソフトでの最新版の検疫チェック●納品媒体のウイルスチェック
工事における成果品作成から製品検査までのプロセス
事前準備(着手前)
日常の成果品作成(施行中)
提出書類のまとめ
管理情報の作成
電子納品用CD作成・チェックシステムによるチェック
ウイルスチェック
納品・検査
●発注者への納品●内容の検査
SXFの位置付けと電子納品現段階での電子納品に使用されるSXFはレベル2のVer.2状態です。
現段階においてレベル2のVer.3とレベル4が検討されています。
レベル2Ver.2の概要
建設業界の電子納品で用いる2次元データの交換を可能なレベル
SXFの位置付けと電子納品
電子納品された完成データの全ては統合データベースに完成図書として格納され、CADデータは各種電子台帳やGISアプリケーションに結合される予定です。
その後、災害の予知・復旧や開発のシュミレーションなどにデータは使用されていきます。
SXFの展望は?レベル2Ver.3概要(土工量計算用属性セット(案)の場合)
道路等の、平面図・縦断図・横断図から各種土工量を算出する際に、計画路線の変更等による各種数量の変更を容易にすることと、各図面の作成/修正作業を容易にすること
施工時における、土質区分の変更に伴う横断数量の自動変更など
何が可能か?
レベル4の概要(開発中)
GIS・統合データベース等の連携、自動数量拾いなど、CADと関連ソフト間のデータ交換基準を提供
DMデータ(拡張DM含む)もレベル4に実装される様子、無論レベル4も3次元データとなる。
レベル4の実装させるアプリケーションは主にGIS・統合DBアプリケーションとなります。
測量・設計・施工CADだけでは対応不可と現状では考えられています。
SXFの展望は?(補足事項)
レベル4の出来ること(開発中)~土木施工に関係する事項として~
擁壁の型枠と型枠の面積計算結果を表示。
擁壁の出来形寸法を設計図面に重ね合わせ、差分を確認する。
施工済み構造物を維持管理システムへ一括登録する。
土工施工後の用排水工事・舗装工事の施工順序を表示する。
他項目にわたり検討されています。
SXFの展望は?(補足事項)
CAD選択に必要なことは? SXFブラウザにて正常に表示できるもの
各種CADの中にはSXFに変換するとラスターデータ(TIFF)を表現できないCADがありますのでご注意下さい。
2次元より3次元使用されますトータルステーション(光波測距義)はデータコレクタなどで3次元での管理となっています。(逆打や精度管理が容易となります)使用しているトータルステーションが3次元なのにCADが2次元ではコンバート作業などの手間が増え、作業効率が悪くなってしまいます。
CALSシステムは誰でも容易に扱えるもの作業のバリアフリー化もCALS提言のひとつです。技術向上もその中のひとつですが、やはり誰でも容易に扱えるシステムと言う事も重要となります。作業時間にしても、同じCADでも操作性によって10の作業を5分で行えるものと2時間掛かってしまうしまうものがあります。人件費等を考えますと、早く・正確に作業が出来るものをお勧め致します。
CAD選択に必要なことは? 簡単な設計も出来るCADを
着手前の概略設計情報や施工中の設計変更時は、現状設計コンサル等にデータを渡し、打合せの上、修正を行うプロセスが見受けられます。自社でそのプロセスを消化する事により、発注者からの信頼、また自社の技術向上も図れます。
納品するSFXデータの「正」にする重要性問題なくSXFブラウザや他CADで表記出来るか?自ら十分なデータの検証を行えるか?時間的制約や、技術的制約が伴ってしまうのが現状です。
本番は始まっています国土交通省は昨年度より全業務(p21)、また山梨県は本年度より
一部の業務においてCADデータ(sfc)での納品となっております。
社内において、CAD操作の教育・訓練が必要不可欠です。事前にCADオペレータはCAD製図基準(案)の把握とCAD操作の訓練が必要です。