第8節 コンテンツ市場の動向...コンテンツ市場の動向 第8節...

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コンテンツ市場の動向 第8節 第8節 コンテンツ市場の動向 我が国のコンテンツ市場の現状 1 (1) 我が国のコンテンツ市場の規模 我が国のコンテンツ市場規模は 11 兆 2,401 億円で、ソフト別の市場構成比では、映像系ソフトが全体の約 5 割、テキスト系が 4 割強、音声系は 1 割弱 我が国の平成24年のコンテンツ市場規模 は11兆2,401億円となっている。ソフト別 の市場構成比では、映像系ソフトが全体の約 5割、テキスト系が4割強、音声系は1割弱 をそれぞれ占める *1 映像系ソフト5兆5,147億円(全体の 49.1%)の主な内訳は、地上テレビ番組が2 兆7,589億円、衛星・CATV放送が8,884 億円、ゲームソフトが 7,515 億円、映画ソフ トが6,229億円、ビデオソフトが3,540億 円、映像系ネットオリジナルが 1,391 億円と なっている。音声系ソフト 8,211 億円(全体 の7.3%)の主な内訳は、音楽ソフトが6,237 億円、ラジオ番組 1,939 億円となっている。 テキスト系ソフト4兆9,044億円(全体の 43.6%)の主な内訳は、新聞記事が1兆 7,288億円、雑誌ソフト *2 が 1 兆 1,651 億円、 書籍ソフトが 7,364 億円、コミックが 4,975 億円、テキスト系ネットオリジナル他 *3 5,122 億円、データベース情報が 2,643 億円 となっている(図表 5-8-1-1)。 平成24年のコンテンツ市場全体の市場規 模は、約 11.2 兆円であり、平成 21 年以降ほ ぼ横ばいで推移している。また、ソフト形態 別にみると、映像系ソフト市場、音声系ソフ ト市場、テキスト系ソフト市場、ともにほぼ 横ばいで推移している(図表 5-8-1-2)。 (2) マルチユース *4 の状況 コンテンツ市場のうち、1次流通市場の規模は8兆9,575億円(79.7%)、マルチユース市場の規模は2兆 2,827 億円(20.3%) 平成 24 年の 1 次流通市場の規模は、8 兆 9,575 億円となり、市場全体の 79.7%を占める。1 次流通市場の内訳 は、映像系ソフト 4 兆 739 億円のうち、主なものは地上テレビ番組が最も大きく 2 兆 2,739 億円、ゲームソフト が7,515億円、衛星・CATV放送が4,777億円などとなっている。音声系ソフト7,071億円のうち、音楽ソフ 図表 5-8-1-1 我が国のコンテンツ市場規模の内訳(平成 24 年) 映画ソフト、 6,229億円、5.5% ビデオソフト3,540億円、3.1% 地上テレビ番組2兆 7,589億円、24.5% 衛星・CATV 放送8,884億円、7.9% ゲームソフト7,515億円、6.7% ネットオリジナル、 1,391億円、1.2% 音楽ソフト6,237億円、5.5% ラジオ番組1,939億円、1.7% 新聞記事、 1兆 7,288 億円、15.4% コミック、 4,975億円、4.4% 雑誌ソフト1兆 1,651億円、10.4% 書籍ソフト、 7,364億円、6.6% データベース情報2,643億円、2.4% ネットオリジナル他5,122億円、4.6% ネットオリジナル34億円、0.0% コンテンツ 市場規模 11 兆 2,401 億円 テキスト系ソフト、 4 兆 9,044 億円、 43.6% 音声系ソフト、 8,211億円、7.3% 映像系ソフト、 5 兆 5,147 億円、 49.1% (出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」 *1 メディア別にソフトを集計するのではなく、ソフトの本来の性質に注目して1次流通とマルチユースといった流通段階別に再集計した上で 市場規模を計量・分析。 *2 フリーペーパーを含む。 *3 一般ウェブサイト、ブログ、SNS、メールマガジン等が対象。 *4 あるソフトが内容の同一性を保ちつつ、2次利用以降において複数のメディアで流通すること。 図表 5-8-1-2 我が国のコンテンツ市場規模の推移(ソフト形態別) (兆円) 映像系ソフト 音声系ソフト テキスト系ソフト 0 2 4 6 8 10 12 14 24 23 21 22 20 (年) 平成 5.5 5.5 5.3 5.3 5.5 5.5 5.5 5.5 5.5 5.5 0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 0.8 5.4 5.4 5.0 5.0 4.9 4.9 4.8 4.8 4.9 4.9 11.8 11.8 11.2 11.2 11.3 11.3 11.2 11.2 11.2 11.2 (出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」 5平成 26 年版 情報通信白書 385

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コンテンツ市場の動向 第8節

第8節 コンテンツ市場の動向

我が国のコンテンツ市場の現状1

(1) 我が国のコンテンツ市場の規模 ●�我が国のコンテンツ市場規模は11兆2,401億円で、ソフト別の市場構成比では、映像系ソフトが全体の約5割、テキスト系が4割強、音声系は1割弱我が国の平成24年のコンテンツ市場規模は11兆2,401億円となっている。ソフト別の市場構成比では、映像系ソフトが全体の約5割、テキスト系が4割強、音声系は1割弱をそれぞれ占める*1。映像系ソフト5兆5,147億円(全体の49.1%)の主な内訳は、地上テレビ番組が2兆7,589億円、衛星・CATV放送が8,884億円、ゲームソフトが7,515億円、映画ソフトが6,229億円、ビデオソフトが3,540億円、映像系ネットオリジナルが1,391億円となっている。音声系ソフト8,211億円(全体の7.3%)の主な内訳は、音楽ソフトが6,237億円、ラジオ番組1,939億円となっている。テキスト系ソフト4兆9,044億円(全体の43.6%)の主な内訳は、新聞記事が1兆7,288億円、雑誌ソフト*2が1兆1,651億円、書籍ソフトが7,364億円、コミックが4,975億円、テキスト系ネットオリジナル他*3が5,122億円、データベース情報が2,643億円となっている(図表5-8-1-1)。平成24年のコンテンツ市場全体の市場規模は、約11.2兆円であり、平成21年以降ほぼ横ばいで推移している。また、ソフト形態別にみると、映像系ソフト市場、音声系ソフト市場、テキスト系ソフト市場、ともにほぼ横ばいで推移している(図表5-8-1-2)。

(2) マルチユース*4の状況�

●�コンテンツ市場のうち、1次流通市場の規模は8兆9,575億円(79.7%)、マルチユース市場の規模は2兆2,827億円(20.3%)平成24年の1次流通市場の規模は、8兆9,575億円となり、市場全体の79.7%を占める。1次流通市場の内訳は、映像系ソフト4兆739億円のうち、主なものは地上テレビ番組が最も大きく2兆2,739億円、ゲームソフトが7,515億円、衛星・CATV放送が4,777億円などとなっている。音声系ソフト7,071億円のうち、音楽ソフ

図表5-8-1-1 我が国のコンテンツ市場規模の内訳(平成24年)映画ソフト、 6,229 億円、5.5%

ビデオソフト、3,540 億円、3.1%

地上テレビ番組、 2 兆 7,589 億円、24.5%

衛星・CATV 放送、 8,884 億円、7.9%

ゲームソフト、7,515 億円、6.7%

ネットオリジナル、 1,391 億円、1.2%

音楽ソフト、 6,237 億円、5.5%

、ラジオ番組、

1,939 億円、1.7%、

新聞記事、 1 兆 7,288 億円、15.4%

コミック、 4,975 億円、4.4%

雑誌ソフト、 1 兆 1,651 億円、10.4%

書籍ソフト、 7,364 億円、6.6%

データベース情報、 2,643 億円、2.4%

、ネットオリジナル他、

5,122 億円、4.6%、

ネットオリジナル、 34 億円、0.0%

コンテンツ市場規模

11 兆 2,401億円

テキスト系ソフト、 4 兆 9,044 億円、43.6%

音声系ソフト、8,211 億円、7.3%

映像系ソフト、5 兆 5,147 億円、49.1%

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

*1 メディア別にソフトを集計するのではなく、ソフトの本来の性質に注目して1次流通とマルチユースといった流通段階別に再集計した上で市場規模を計量・分析。

*2 フリーペーパーを含む。*3 一般ウェブサイト、ブログ、SNS、メールマガジン等が対象。*4 あるソフトが内容の同一性を保ちつつ、2次利用以降において複数のメディアで流通すること。

図表5-8-1-2 我が国のコンテンツ市場規模の推移(ソフト形態別)

(兆円)

映像系ソフト 音声系ソフト テキスト系ソフト

0

2

4

6

8

10

12

14

242321 2220 (年)平成

5.5 5.5 5.3 5.3 5.5 5.5 5.55.5 5.55.5

0.9 0.9 0.9 0.9 0.8 0.8 0.80.8 0.80.8

5.4 5.4 5.0 5.0 4.9 4.9 4.84.8 4.94.9

11.8 11.8 11.2 11.2 11.3 11.3 11.211.2 11.211.2

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

第5章

情報通信の現況

平成26年版 情報通信白書 385

第2部 情報通信の現況・政策の動向

トが5,132億円、ラジオ番組が1,905億円となっている。テキスト系ソフト4兆1,764億円のうち、新聞記事が1兆5,978億円、雑誌ソフトが1兆643億円、書籍ソフトが6,155億円などとなっている(図表5-8-1-3)。一方、平成24年のマルチユース市場の規模は2兆2,827億円(全体の20.3%)となっている。マルチユース市場の内訳をみると、映像系ソフト1兆4,407億円の主な内訳は、地上テレビ番組が4,850億円、映画ソフトが4,277億円、衛星・CATV放送が4,107億円となっている。音声系ソフト1,139億円の主な内訳は、音楽ソフト1,105億円などとなっている。テキスト系ソフト7,280億円の内訳は、コミックが2,986億円、雑誌ソフトが1,008億円などとなっている。(図表5-8-1-4)。また、マルチユース率の推移を見ると、平成20年以降わずかに増加しながら推移している(図表5-8-1-5、図表5-8-1-6)。

(3) 通信系コンテンツ市場の動向 �

●�パソコン及び携帯電話向けなどインターネット等を経由した通信系コンテンツの市場規模は、コンテンツ市場全体の18.9%となる2兆1,210億円コンテンツ市場のうち、パソコンや携帯電話向けなどインターネット等を経由した通信系コンテンツの市場規模は2兆1,210億円となった。ソフト形態別の市場構成比では、テキスト系が46.5%、映像系が37.5%、音声系が16.0%を占める。平成24年の通信系コンテンツ市場における映像系ソフト7,955億円の内訳は、ゲームソフトが3,788億円、映像系ネットオリジナルが1,391億円、ビデオソフトが1,174億円、映画ソフトが866億円、地上テレビ番組

図表5-8-1-3 1次流通市場の内訳(平成24年)

地上テレビ番組、2 兆 2,739 億円、25.4%

、、

ゲームソフト、 7,515 億円、8.4%

衛星・CATV 放送、 4,777 億円、5.3%

映像系その他、5,708 億円、6.4%

音楽ソフト、5,132 億円、5.7%

ラジオ番組、1,905 億円、2.1%

新聞記事、1 兆 5,978 億円、

17.8%

、、

雑誌ソフト、 1 兆 643 億円、

11.9%、

書籍ソフト、6,155 億円、6.9%

テキスト系その他、8,987 億円、

10.0%

、、

音声系その他、34 億円、0.0%

1次流通市場

8 兆 9,575億円

テキスト系ソフト、4兆1,764億円、46.6%

音声系ソフト、7,071 億円、7.9%

映像系ソフト、4 兆 739 億円、 45.5%

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

図表5-8-1-4 マルチユース市場の内訳(平成24年)

地上テレビ番組、 4,850 億円、21.2%

映画ソフト、4,277 億円、18.7%

衛星・CATV 放送、 4,107 億円、18.0%

映像系その他、1,174 億円、5.1%

音楽ソフト、1,105 億円、4.8%

ラジオ番組、34 億円、0.2%

コミック、 2,986 億円、

13.1%

雑誌ソフト、1,008 億円、4.4%

書籍ソフト、1,209 億円、5.3%

テキスト系その他、2,077 億円、9.1%

マルチユース市場規模

2 兆 2,827億円

テキスト系ソフト、7,280億円、31.9%

音声系ソフト、1,139 億円、5.0%

映像系ソフト、1兆 4,407 億円、63.1%

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

図表5-8-1-5 我が国のコンテンツ市場規模の推移(流通段階別)

(兆円)

一次流通市場 マルチユース市場

0

2

4

6

8

10

12

14

2423222120平成 (年)

9.69.6 9.09.0 9.19.1 8.98.9 9.09.0

2.22.2 2.12.1 2.22.2 2.22.2 2.32.3

11.811.811.211.2 11.311.3 11.211.2 11.211.2

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

図表5-8-1-6 マルチユース率の推移

18.9% 19.0% 19.8% 19.9% 20.3%

(%)

23 24222120平成 (年)5

10

15

20

25

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

情報通信の現況

第5章

平成26年版 情報通信白書386

コンテンツ市場の動向 第8節

が380億円、衛星・CATV放送が355億円となっている。音声系ソフト3,402億円の内訳は、音楽ソフトが3,334億円などとなっている。テキスト系ソフト9,853億円の内訳は、テキスト系ネットオリジナル他が5,122億円、データベース情報が1,876億円、新聞記事が1,204億円、コミックが784億円などとなっている(図表5-8-1-7)。また、通信系コンテンツの市場規模は、着実に増加してきている。ソフト形態別に見ると、映像系ソフトは平成20年と平成24年を比較して2倍の約8,000億円に達しており、通信系コンテンツ市場の進展をけん引している。また、テキスト系ソフトにおいても増加傾向がみられる(図表5-8-1-8)。●�平成24年のモバイルコンテンツ産業の市場規模は前年比23.3%増の2兆3,507億円モバイルコンテンツ市場*5とモバイルコマース市場からなる我が国のモバイルコンテンツ産業の市場規模*6は、スマートフォンやタブレット端末の普及・進展等により、平成24年で2兆3,507億円(前年比23.3%増)となっており、引き続き増加している(図表5-8-1-9)。この内訳を市場別にみると、モバイルコンテンツ市場が8,510億円(前年比15.9%増)、モバイルコマース市場が1兆4,997億円(前年比28.0%増)となっている。

(4) 放送系コンテンツの市場の動向�

●�制作している放送番組の種類は「情報番組(パブリシティ含む)」が67.9%と最も高い制作している放送番組の種類の割合は、「情報番組(パブリシティ含む)」が67.9%(前年度差2.3ポイント低下)と最も高く、次いで「CM」58.9%(前年度差0.9ポイント上昇)、「バラエティ」40.1%(前年度差0.2ポイント低下)となっている(図表5-8-1-10)。●�我が国の平成24年度の放送コンテンツの海外輸出額は、100億円超の規模平成24年度の我が国の放送コンテンツの海外輸出額は、100億円超の規模である。うち、番組放送権の輸出額は約60%でほぼ横ばいで推移している。なお、平成24年度から、商品化権、ビデオ・DVD化権、フォーマット・リメイク権、インターネット配信権なども対象にして放送コンテンツの海外輸出額を把握している。また、地上放送だけでなく衛星放送も対象に調査を実施している(図表5-8-1-11)。

図表5-8-1-8 通信系コンテンツ市場規模の推移(ソフト形態別)

0.40.4

0.30.3

0.70.7

1.51.5

0.50.5

0.30.3

0.70.7

1.51.5

0.60.6

0.30.3

0.80.8

1.71.7

0.70.7

0.40.4

0.80.8

1.81.8

0.80.8

0.30.3

1.01.0

2.12.1

(兆円)

映像系ソフト音声系ソフトテキスト系ソフト2423222120 (年)平成

0.0

0.5

1.0

1.5

2.5

2.0

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

図表5-8-1-9 モバイルコンテンツ産業の市場規模

(億円)

モバイルコンテンツ市場 モバイルコマース市場

17 (年)平成0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

4,0745,641 7,329

8,6899,681 10,085

11,71614,997

7,2249,307

11,60113,524

15,20616,550

19,061

23,507

3,150 3,666 4,272 4,835 5,525 6,465 7,345 8,510

24232221201918

(出典)総務省「スマートフォン市場の拡大を踏まえたモバイルコンテンツビジネス構造と著作権権利処理の変化及びモバイルコンテンツ市場規模の算定に関する調査研究」

*5 平成23年にモバイルコンテンツ市場の対象をオープンプラットフォーム市場(スマートフォン等)まで拡大した。*6 モバイルコンテンツ市場は、モバイルインターネット上で展開されるデジタルコンテンツ(着信メロディ、音楽配信、動画、ゲーム、占い等)

の市場を指し、モバイルコマース市場は、モバイルインターネット上で展開される物販系(通信販売等)、サービス系(チケット販売)及びトランザクション系(株式売買手数料、オークション手数料等)の市場を指す。

図表5-8-1-7 通信系コンテンツ市場の内訳(平成24年)

ゲームソフト、 3,788 億円、17.9%

ビデオソフト、 1,174 億円、5.5%映画ソフト、 866 億円、4.1%

地上テレビ番組、 380 億円、1.8%

衛星・CATV 放送、 355 億円、1.7%

ネットオリジナル、 1,391 億円、6.6%

音楽ソフト、3,334 億円、15.7%

音声系その他、69 億円、0.3%

ネットオリジナル、他 5,122 億円、24.2%

データベース情報、1,876 億円、8.8%

新聞記事、 1,204 億円、5.7%

コミック、784 億円、3.7%

テキスト系その他、866 億円、4.1%

通信系コンテンツ市場2 兆 1,210 億円テキスト系ソフト、

9,853億円、46.5%

音声系ソフト、 3,402 億円、16.0%

映像系ソフト、 7,955 億円、37.5%

(出典)総務省情報通信政策研究所「メディア・ソフトの制作及び流通の実態に関する調査」

第5章

情報通信の現況

平成26年版 情報通信白書 387

第2部 情報通信の現況・政策の動向

放送コンテンツの海外展開は、番組放送権の販売が伝統的な方法であった。しかし、これまで先端的、実験的取組とされてきたフォーマットやリメイク権による海外展開が定着しつつある。その他、キャラクター販売のための商品化権、パッケージ販売のためのビデオ・DVD化権等が放送コンテンツの海外輸出額を増加させている(図表5-8-1-12)。放送コンテンツの海外輸出額を主体別にみると、伝統的な海外展開の方法である番組放送権の輸出額では、NHK及び民放キー局が7割近くを占める(図表5-8-1-13)。また、平成24年度において海外輸出している番組の主な例は一覧のとおりである(図表5-8-1-14)。

図表5-8-1-10 制作している放送番組の種類の割合(複数回答)

23 年度(n=305) 24年度(n=377)

0 20 40 60 80(%)

その他

アニメーション

ワイドショー

テレビショッピング

ドラマ

音楽

教養

スポーツ

報道

ドキュメンタリー

バラエティ

CM

情報番組(パブリシティ含む)

70.270.2

58.058.0

40.340.3

38.038.0

36.436.4

32.532.5

29.829.8

23.923.9

15.115.1

13.413.4

10.510.5

3.03.0

4.94.9

67.967.9

58.958.9

40.140.1

36.636.6

39.039.0

34.534.5

33.733.7

24.724.7

16.716.7

12.712.7

12.712.7

3.43.4

4.84.8

(出典)総務省・経済産業省「平成25年情報通信業基本調査」http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/statistics07.html

図表5-8-1-12 我が国の放送コンテンツ関連輸出額の構成比率(平成24年度)

番組放送権59.6%

(62.2億円)商品化権16.6%

ビデオ・DVD化権

9.7%

フォーマット・リメイク権

7.0%

インターネット配信権6.7%

その他 0.4%

104.3億円

(出典)総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」

図表5-8-1-13 放送コンテンツの主体別の海外輸出額(平成24年度)

民放キー局57.6%

準キー局4.9%

ローカル局0.4%

プロダクション28.8%

衛星放送局0.5% NHK

7.8%

民放キー局55.8%

準キー局4.7%

ローカル局0.5%

プロダクション25.2%

衛星放送局0.7% NHK

13.1%

104.3億円

【放送コンテンツの海外輸出額(主体別)】

62.2億円

【番組放送権の輸出額(主体別)】

(出典)総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」

図表5-8-1-11 我が国の放送コンテンツの海外輸出額

(億円)

(年度)平成0

100

20

40

60

80

120

242322212019181716

8282 8383 88.988.9 91.891.8 92.592.57575

62.562.5 63.663.6

104.3104.3

※平成24年度の放送コンテンツの海外輸出額は、番組放送権に加え、商品化権、ビデオ・DVD化権、フォーマット・リメイク権、インターネット配信権なども対象とした輸出額。平成23年度までは番組放送権のみの輸出額。

(出典)総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」

情報通信の現況

第5章

平成26年版 情報通信白書388

コンテンツ市場の動向 第8節

●ジャンル別の海外輸出額はアニメの割合が最も高く、輸出先はアジアが最も多い最も多く輸出されている放送コンテンツのジャンルは、アニメである。アニメは、番組放送権では約4割となっているが、商品化権、ビデオ・DVD化権などを含めた放送コンテンツの海外輸出額では、6割弱を占めている(図表5-8-1-15)。次いで、ドラマ、バラエティが多くなっている。また、放送コンテンツの輸出先として、最も多い地域はアジアである。なお、ヨーロッパは番組放送権の輸出額では2割に満たないが、フォーマット・リメイク権、商品化権等を含めた放送コンテンツの海外輸出額では、2割超となり、北米と同程度まで上昇する(図表5-8-1-16)。

図表5-8-1-15 我が国の放送コンテンツのジャンル別の海外輸出額

アニメ56.6%ドラマ

16.4%

バラエティ15.9%

ドキュメンタリー2.3%

スポーツ1.6%

その他7.2%

アニメ41.7%

ドラマ23.9%

バラエティ18.0%

ドキュメンタリー3.5%

スポーツ1.9%

その他11.0%

【放送コンテンツの海外輸出額(ジャンル別)】 【番組放送権の輸出額(ジャンル別)】

104.3億円 62.2億円

(出典)総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」

図表5-8-1-16 我が国の放送コンテンツの輸出先別の海外輸出額

アジア合計52.3%

韓国(全体の17.1%)

北米22.3%

ヨーロッパ21.1%

中南米2.4%

中南米2.7%

その他2.0%

その他1.9%

アジア合計57.1%

韓国(全体の17.5%)

北米22.1%

ヨーロッパ16.2%

【放送コンテンツの海外輸出額(輸出先別)】 【番組放送権の輸出額(輸出先別)】

104.3億円 62.2億円

(出典)総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」

図表5-8-1-14 海外に輸出している番組の例(平成24年度)

タイトル 放送局

・「ワイルドライフ」(ドキュメンタリー)・大河ドラマ「平清盛」(ドラマ) NHK

・マネーの虎(バラエティ)・HUNTERxHUNTER(アニメ) 日本テレビ

・ドラえもん(アニメ)・Docor-X~外科医・大門未知子~(ドラマ) テレビ朝日

・SASUKE(バラエティ)・ATARU(ドラマ) TBS

・NARUTO(アニメ)・イナズマイレブン(アニメ) テレビ東京

・VS嵐(バラエティ)・リッチマン、プアウーマン(ドラマ) フジテレビ

・住人十色(バラエティ) 毎日放送

・大改造!!劇的ビフォーアフター(バラエティ) 朝日放送

・37歳で医者になった僕(ドラマ) 関西テレビ

・宇宙兄弟(アニメ) 読売テレビ

・おにぎりあたためますか(バラエティ) 北海道テレビ放送

・待戦隊シンケンジャー(ドラマ) 東映

・ワンピース(アニメ) 東映アニメ

・鉄腕アトム(アニメ) 手塚プロダクション

(出典)総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」

第5章

情報通信の現況

平成26年版 情報通信白書 389

第2部 情報通信の現況・政策の動向

(5) 放送コンテンツの海外展開に関する日韓比較*7�

●韓国の2012年の放送コンテンツ海外輸出額は2億3,400万ドル(186.3億円)2012年の放送コンテンツの海外輸出額は、日本の1億3,100万ドル(104.3億円)に対して、韓国は2億3,400万ドル(186.3億円)となっている(図表5-8-1-17)。放送コンテンツの海外輸出額の構成比率については、2012年において、日本は、番組放送権59.6%、商品化権16.6%、ビデオ・DVD化権9.7%、フォーマット・リメイク権7.0%、インターネット配信権6.7%などとなっており、韓国では番組放送権が95.4%となっている(図表5-8-1-18)。また、番組放送権の輸出額に占めるジャンル別の割合は、2012年において、日本は、アニメ、ドラマ、バラエティの順になっており、韓国は約9割がドラマとなっている(図表5-8-1-19)。番組放送権の輸出先については、2012年において、日本は、アジア、北米、ヨーロッパの順になっており、韓国は9割超がアジアとなっている(図表5-8-1-20)。

図表5-8-1-17 日本と韓国の放送コンテンツの海外輸出額の推移*8

2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012(年)

350

300

250

200

150

100

50

0

(百万ドル)

76 70 76122

77

134

78

151

89

171

80

185

71

185

80

222

131

234

日本の放送コンテンツの海外輸出額 韓国の放送コンテンツの海外輸出額

1USD=79.61円

1USD=79.97円

1USD=88.09円

1USD=93.52円

1USD=104.23円

1USD=117.93円

1USD=116.25円

1USD=109.64円

1USD=108.28円

(出典)日本:�総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」

韓国:�2007年以前は、未来創造科学部、放送通信委員会「2013年放送産業実態調査報告書」より作成。2008年以降は、文化体育観光部「2013コンテンツ産業統計(2012年データ)」より作成。

図表5-8-1-18 日本と韓国の放送コンテンツの海外輸出額の構成比率(2012年)

1億 3,100 万ドル(104.3 億円)

番組放送権59.6%

7,800 万ドル(62.2 億円)商品化権

16.6%

ビデオ・DVD 化権9.7%

フォーマット・リメイク権7.0%

インターネット配信権、6.7% その他、0.4%

2 億 3,400 万ドル(186.3 億円)

番組放送権 95.4%

2 億 2,300 万ドル(177.5 億円 )

ビデオ・DVD 販売、 3.4%フォーマット、0.6% その他、0.7%

日本(2012年度) 韓国(2012年)

(出典)日本:総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」韓国:韓国文化体育観光部「2013コンテンツ産業統計(2012年データ)」より作成。

図表5-8-1-19 日本と韓国のジャンル別比較(番組放送権の輸出額)日本(2012年度) 韓国(2012年)

アニメ41.7%

ドラマ23.9%

バラエティ18.0%

ドキュメンタリー3.5%

ドキュメンタリー、4.5%

バラエティ、4.3%アニメ、0.0% スポーツ、0.0%

その他、1.3%スポーツ1.9% その他

11.0%

ドラマ89.9%

(出典)日本:総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」韓国:韓国文化体育観光部「2013コンテンツ産業統計(2012年データ)」より作成。

*7 日本のデータについては各年度のデータ、韓国のデータについては各年のデータである。*8 為替レートは、財務省貿易統計、各年平均による。

情報通信の現況

第5章

平成26年版 情報通信白書390

コンテンツ市場の動向 第8節

図表5-8-1-20 日本と韓国の輸出先比較(番組放送権の輸出額)

アジア合計57.1%

韓国(全体の17.5%)

北米22.1%

北米7.0%

ヨーロッパ16.2%

中南米2.7%

ヨーロッパ1.2%

その他1.9% その他、0.2%

中南米、0.1%

アジア合計91.5%

日本(全体の62.4%)

その他アジア29.2%

日本(2012年度) 韓国(2012年)

(出典)日本:総務省情報通信政策研究所「放送コンテンツの海外展開に関する現状分析」韓国:韓国文化体育観光部「2013コンテンツ産業統計(2012年データ)」より作成。

家計におけるコンテンツ利用状況2●家計におけるコンテンツ関連支出は、書籍・他の印刷物、放送受信料の順に大きい総務省「家計調査」によると、平成25年の家計のコンテンツ関連の1世帯当たりの年間支出総額は、7万8,994円(前年比2.0%減)となっている(図表5-8-2-1)。内訳としては、書籍・他の印刷物が4万3,364円と最も大きく、放送受信料が2万3,620円で続いている。支出額の前年比を見てみると、全ての品目で減少している。

図表5-8-2-1 コンテンツ関連の1世帯当たりの年間消費支出額

平成 15年を 100とした指数

映画・演劇等入場料書籍・他の印刷物

放送受信料音楽・映像収録済メディア

テレビゲーム合計

50

60

70

80

90

100

110

120

130

140

150

160

2524 (年)232221201918171615平成

(単位:円)

平成15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25(年)

映画・演劇等入場料 5,905 6,299 6,670 5,829 6,380 6,666 6,628 6,677 5,843 6,138 6,112

放送受信料 20,300 20,492 19,442 20,241 21,445 21,907 22,353 22,723 23,537 23,651 23,620

テレビゲーム 2,645 2,753 2,550 3,496 4,167 3,270 3,580 3,259 2,637 2,922 2,432

書籍・他の印刷物 51,705 52,591 51,813 48,740 48,846 48,939 47,292 46,214 45,411 44,339 43,364

音楽・映像収録済メディア 5,738 6,780 5,612 4,874 4,456 5,001 4,839 4,225 4,158 3,517 3,466

合計 86,293 88,915 86,087 83,180 85,294 85,783 84,692 83,098 81,586 80,567 78,994

※「音楽・映像収録済メディア」について、平成16年までは「オーディオ・ビデオディスク」「オーディオ・ビデオ収録済テープ」の合計であり、平成17年以降は「音楽・映像収録済メディア」の値となっている。なお、平成16年までの「オーディオ・ビデオディスク」にはコンテンツ収録済のディスクだけでなく、未使用のディスクなども含まれている。

※「テレビゲーム」について、平成21年までは「テレビゲーム」の値であり、平成22年以降は「テレビゲーム機」「ゲームソフト等」の合計の値となっている。総務省「家計調査」(総世帯)により作成

http://www.stat.go.jp/data/kakei/index.htm

第5章

情報通信の現況

平成26年版 情報通信白書 391