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第2回JUDI関東セミナー シンポジウム「吉祥寺、残したいもの・変えたいもの」 平成25年10月 都市環境デザイン会議 関東ブロック

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第2回JUDI関東セミナー

シンポジウム「吉祥寺、残したいもの・変えたいもの」

開 催 報 告

平成25年10月

都市環境デザイン会議 関東ブロック

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シンポジウム「吉祥寺、残したいもの・変えたいもの」

(平成 25 年 8月 25 開催)

目 次 1.開催概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4

2.開催記録・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 (1)開会あいさつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 (2)まちあるき成果発表・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6 (3)基調講演・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11 (4)パネルディスカッション・・・・・・・・・・・・・・・・・12 (5)閉会あいさつ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

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1.開催概要

都市環境デザイン会議(JUDI)関東ブロックでは、平成 25 年度より新たな取組みとして「JUDI

セミナー」を開催しています。「JUDI セミナー」は、全国各地の自治体や大学等にお伺いし、毎

回テーマを決めて、都市環境デザインについて議論、意見交換などを行うものです。

「第2回 JUDI セミナー」では、吉祥寺駅周辺を対象に「吉祥寺、残したいもの・変えたいもの」

をテーマとして、全3回に渡る「まち歩き」を行うとともに(次頁参照)、これらの成果を踏まえて

シンポジウムを開催いたしました。また本セミナーの開催にあたっては、武蔵野市に全面的な協

力をいただきました。シンポジウムの開催概要は以下のとおりです。

◆開催日時・場所:

平成 25年8月 25 日(日)14:00~17:00 武蔵野市商工会議所4F 市民会議室

◆主催:都市環境デザイン会議 関東ブロック

◆共催:武蔵野市

◆開催プログラム:

14:00 開会あいさつ 武蔵野市長 邑上守正 氏

14:10 まちあるき成果発表! ※過去3回に渡り開催した吉祥寺駅周辺の「まち歩き」に参加した大学生から、吉祥寺の特徴あ

る6つのエリアのまちづくりについて発表

15:00 基調講演:国土交通省 都市局 公園緑地・景観課長 舟引敏明 氏

15:30 休 憩

15:40 パネルディスカッション

「 “変わって欲しくない” そして “変わって欲しい” まち、吉祥寺

コーディネーター:小浪 博英(JUDI 関東ブロック運営委員)

パネリスト(敬称略)

:塚本 真史(吉祥寺活性化協議会会長)

:舟引 敏明(国土交通省 都市局 公園緑地・景観課長、JUDI 会員)

:邑上 守正(武蔵野市長、JUDI 会員)

:杉山 朗子(JUDI 関東ブロック運営委員)

16:40 閉会あいさつ 武蔵野市副市長 井上良一 氏

◆参加者数:

48名(内訳:講演者等5名、武蔵野市関係者8名、学生16名、JUDI 会員19名)

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<吉祥寺まち歩き>

本シンポジウムの開催に先立ち、武蔵野市(吉祥寺まちづくり事務所、まちづくり推進課)

のご協力の下、都市環境デザイン会議メンバー、学生等が中心となって吉祥駅周辺の「まち歩

き」を開催しました。開催概要は以下のとおりです。

◆第1回まち歩き:平成 25年6月 30 日(日)10 時~12 時 (参加者:23 名)

◆第2回まち歩き:平成 25年7月 27 日(土)16 時~18 時 (参加者:23 名)

◆第3回まち歩き:平成 25年8月 25 日(日)10 時~12 時 (参加者:33 名)

◆まち歩きルートMAP

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2.開催記録

(1)開会あいさつ:邑上守正 武蔵野市長

本シンポジウムの開催にあたり、邑上守正 武蔵野市長よりご挨拶を頂きました。

邑上市長:本日は、吉祥寺駅周辺の今後のまちづくりのあり方をどう

していくか、皆さんで議論できることを大変楽しみにして

いる。吉祥寺は “住みたいまち” として内外から一定の評

価を得ているが、こうした評価に負けないようなまちづく

りを進めていきたいと考えている。今後の吉祥寺のまちづ

くりにおいて、何かヒントになることを得ることができれ

ばと大変期待している。

(2)まちあるき成果発表

東海大学、法政大学、東京芸術大学の学生から、これまでに 3 回開催したまち歩きの成果を踏

まえ、「吉祥寺、残したいもの、かえたいもの」をテーマにまちづくりに係る提案の発表が行われ

ました。発表は、吉祥寺駅周辺を下図に示す①~⑥の地区に分けて、地区ごとに発表が行われま

した。

■発表のエリア区分

①七井橋通り・パープル通り

②吉祥寺駅南口周辺

③吉祥寺駅北口周辺

(イースト地区)

④吉祥寺駅北口周辺

(セントラル地区)

⑤吉祥寺駅北口周辺

(ウエスト地区)

⑥ハモニカ横丁

邑上市長

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①七井橋通り・パープル通り ②吉祥寺駅南口周辺

③吉祥寺駅北口周辺(イースト地区) ④吉祥寺駅北口周辺(セントラル地区)

⑤吉祥寺駅北口周辺(ウエスト地区) ⑥ハモニカ横丁

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①七井橋通り・パープル通り (発表者:東海大学)

②吉祥寺駅南口周辺 (発表者:法政大学 A班)

◆会場からの質問: ⇒隣接する「井の頭公園」との関係はどう考えていくべきか? ◆学生の回答: ⇒公園に向かう通りとしての雰囲気を、通り全体として作っていくことが重要だと思う。

◆会場からの質問: ⇒「南口から井の頭通りへのアプローチ」の具体的イメージをもう少し詳しく教えて欲しい。 ◆学生の回答: ⇒まずは活気を創出することが重要。⇒井の頭通りを挟んで南側(公園側)と北側(駅側)との繋がりを作ることが有効。

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③吉祥寺駅北口周辺(イースト地区) (発表者:法政大学 B班)

④吉祥寺駅北口周辺(セントラル地区) (発表者:法政大学 C班)

◆会場からのコメント: ⇒本地区はこれまでのまちづくりで環境が向上した地区である。一部では既にマンション等の建設も進んでいるが、こうした建替えを今後どのように促進していくかが都市計画的な課題と思われる。

◆会場からの質問: ⇒本地区の商店の多くはチェーン店である。全国的に地価の高い駅前にはチェーン店が増えているが、こうした問題をどう考えるか? ◆学生の回答: ⇒全国チェーンが増えすぎてしまうと、商店街の個性が失われる危険性もある。個性的なお店に出店してもらえるような仕組みがあるといいのではないか。

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⑤吉祥寺駅北口周辺(セントラル地区) (発表者:東京芸術大学)

⑥ハモニカ横丁 (発表者:法政大学 D班)

◆会場からの質問: ⇒外国人を含めて来街者に快適に歩いてもらうために何が必要か? ◆学生の回答: ⇒駅前に掲示板などがあると良い。 ⇒小さくてもいいので、駅前に観光情報センターがあると外国人にも分かりやすい。

◆会場からの質問: ⇒ハモニカ横丁の良さを活かすにはどのような事が必要か? ◆学生の回答: ⇒内部はお店が込みっていて分かりにくいので、店舗情報をインターネットで掲載して、来街者が自由に情報が引き出せると便利だと思う。

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(3)基調講演:国土交通省 都市局 公園緑地・景観課 舟引敏明課長

「都市の価値、ランドスケープの価値、どうやって将来に引き継ぐか」をテーマに、都市環境

デザイン会議の会員でもある国土交通省都市局公園緑地・景観課の舟引敏明課長に基調講演をい

ただきました。

基調講演 要旨(国土交通省 都市局 公園緑地・景観課 舟引敏明課長)

・ランドスケープは、土地の持つ広がりがもっている価値であると考えられる。

・このような観点からランドスケープの価値を考えると、概ね以下の3つの価値があると

考えられる。

①美的価値(空間の美しさを評価する軸)

②文化価値(文化性の高さを評価する軸)

③緑地価値(生物・生態的機能を評価する軸)

・行政では各種法制度によってこうしたランドスケープの保全を図っており、制度によっ

て対象とする価値が異なる。「文化財保護法」は文化価値と、「屋外広告物法」は美的価

値と、「自然環境保護法」は緑地価値とそれぞれ深いつながりがある。一方、「景観法」

はこれら3つの価値すべてに関係してくる。

・ランドスケープの保全については様々な制度があるが、例えば緑地確保制度は、規制や

税などにより、「受益と負担の調整」を図るシステムであると位置付けることができる。

・ランドスケープに係るこれからの公共政策の方向性としては、「1.地域主体の発想(地

域の問題は地域から解決)」「2.市民・企業の取組み(参加による国土管理)」「3.効率的・

効果的な手法(高いコストパフォーマンス)」の3点が重要と考えられる。また、こう

した取組みを通じて、公共投資主導型の政策から、地域の取組みを支援する政策、市民・

企業にインセンティブを与える政策への方向転換が必要と考えられる。

・また今後の景観形成にあたっては、「①ランドスケープの価値に名前をつけ、見える化

すること」「②価値の確保費用の負担先を決めること」が重要になると考えている。

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(4)パネルディスカッション 「 “変って欲しくない” そして “変って欲しい” まち 吉祥寺」

学生による「まち歩き成果発表」、国土交通省公園緑地・景観課の舟引課長による「基調講演」

を踏まえて、「 “変って欲しくない” そして “変って欲しい” まち 吉祥寺」をテーマにパネルディ

スカッションが行われました。

①話題提供:武蔵野市吉祥寺色彩分析 -個性あふれる、それぞれの通り-(杉山朗子氏)

はじめに JUDI 関東ブロック運営委員の杉山朗子氏(株式会社日本カラーデザイン研究所 シニ

ア・マネージャー)より、吉祥寺駅周辺の色彩分析結果について話題提供が行われました。

<杉山朗子氏からの話題提供> ・吉祥寺駅周辺には様々な色彩があるが、色彩の違いは生業(なりわい)の違いでもある。 ・パープル通りは、庭木の緑等の「黄緑」、建築外壁の「薄いブラウン」が特徴的である。・吉祥寺駅南口のパークロードはフラッグの「黄色」などが特徴であり、フラッグの色を変えることでまちのイメージは変わると思われる。

・北口駅前は、大型ビルの「明るいグレー」に広告物の「赤」「青」が空間を構成している。・北口イースト地区は、色のバリエーションが豊富なエリア。派手な色も目立つが、意外に落ち着いた色が背景となっている。 ・北口ウエスト地区は、グレイッシュなアイボリー~ブラウンの濃淡と植栽の緑が組み合わさった、穏やかな空気感のある通りとなっている。

パネルディカッション登壇者(敬称略) ◆コーディネーター:小浪 博英(JUDI 関東ブロック運営委員) ◆パネリスト :塚本 真史(吉祥寺活性化協議会会長) :舟引 敏明(国土交通省 都市局 公園緑地・景観課長、JUDI 会員) :邑上 守正(武蔵野市長、JUDI 会員) :杉山 朗子(JUDI 関東ブロック運営委員)

パープル通り 吉祥寺駅南口のパークロード

北口駅前 北口イースト地区 北口ウエスト地区

※写真提供:株式会社日本カラーデザイン研究所 シニア・マネージャー 杉山朗子氏

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②討 議

小浪氏:杉山氏からの色彩分析の発表も踏まえてご議論いただきたい。

塚本氏:吉祥寺のまちも昔は、1階部分が商店、2階部分が住宅といった建物が多く、私自身も

そうした家で育った。吉祥寺にはお寺が3つあり、公園通りからサンロードにかけての

一帯の約9割以上はこれらのお寺が所有している土地である。これら土地の評価額は新

宿と同等程度と非常に高いため、おのずと地代も高い。このため近年は、こうした地代

を支払うことのできる大規模資本のチェーン店が多くなっている(ややチェーン店に偏

ってしまっている)。逆に言えば、個人での出店が難しくなっている。

邑上氏:吉祥寺駅周辺の景観は比較的まとまっているが、これは各地区が周りの状況をみながら

まちづくりを計画的に進めてきたと考えられる。各地区レベルで景観形成を図ることが

重要と考えており、市としても地区レベルの特徴を活かした景観形成を図っていきたい

と考えている。

舟引氏:全国的にまちの色彩範囲をマンセル値で制限する自治体が増えているが、吉祥寺には様々

な色彩があるので、色彩をどのように考えていくか、難しい問題である。全国的には屋

外広告物の景観阻害が問題になっているので、例えば屋外広告物の色彩について、何ら

かのルールづくりを行うことも考えられる。

小浪氏:先程行われた学生による「まち歩き成果発表」では、交通、道路に関する指摘、言及が

多くみられた。これら交通、道路について意見をお願いしたい。

塚本氏:交通は大きな問題である。かつては店舗ごとに個別にトラックで商品等を搬入していた

が、10数年前から皆で議論をして、昨年度に共同配送センターをつくった。各店舗へは

共同配送センターから台車で荷物を搬入しており、まちなかのトラックは従前の6~7

割程度まで減ったと思う。このため交通関係については、吉祥寺駅南口ロータリーをど

うするかが今後の課題と考えている。

邑上氏:吉祥寺駅周辺は電車、バス等の公共交通機関が発達しており、自家用車で来るまちでは

ないと思う。また吉祥寺駅周辺は非常にフラットな地形であるため、自転車が利用しや

すい。このため、歩行者と自転車に主眼を置いた交通対策が重要と考えている。歩いて

楽しいまちを目指していくことが大切である。

左から、邑上氏、塚本氏、杉山氏、舟引氏、小浪氏 杉山氏による話題提供

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小浪氏:井の頭公園と吉祥寺駅周辺をどのようにつなげていくかも、まちづくりの課題の一つだ

と思われるが、この点についてどの様に考えるか?

舟引氏:必ずしも無理して井の頭公園と吉祥寺駅周辺をつなぐ必要はないのではないか。吉祥寺

への来街者が、井の頭公園の存在を感じるようになれば良いと思われる。

杉山氏:吉祥寺駅南口には、歩行者の滞留スペースが少なく、人と待ち合わせがしにくい。この

ためやはり駅前広場ができると良いと思われる。またパープル通りは民地の緑が印象的

なので、こうした民間の緑の育成に対してなんらかの支援ができると良いと思う。また、

通りの名前が分かり難い点が若干気になった。

邑上氏:駅南口については、先程お話に出た「待ち合わせ」ができるようなポケットパークのよ

うな空間ができればと思っている。井の頭公園⇒吉祥寺駅南口⇒吉祥寺駅北口といった

人の流れができると良いと思う。

小浪氏:次に、ハモニカ横丁についてご意見を伺いたい。

塚本氏:ハモニカ横丁は戦後の闇市を起源としており、十数年前から徐々に

生まれ変わってきた。かつては一帯を再開発して高層ビルを建設す

るような話もあったが実現に至らなかった。ハモニカ横丁はいまや

吉祥寺の新たな名所ともなっており、行列のできるお店も多い。防

災上の問題はあるが、まちとしては今後も残していければと考えて

いる。

邑上氏:地区の方々も防災には大きな関心があり、それぞれの店舗には消火器を設置していただ

いている。

小浪氏:では会場からもご意見を頂きたい。

安倍氏(会場):吉祥寺の町は全体として回遊性は高まっていると思う。現在の都市構造を残しつ

つ再編集すること、いいものを残しながら変えていくことが求められているのではない

か。

小浪氏:吉祥寺駅周辺には、新宿歌舞伎町、銀座、青山の各要素が徒歩圏内に集積している。こ

のため回遊性を高めることでこうしたまちの多様な魅力を体験できるようにすることが

重要と思われる。しかしその一方で、先程の学生からの発表にもあったように「歩き難

い」「分かり難い」といった問題もあり、これらを解決することも重要と思われる。

塚本氏:ウエスト地区では近年、若い人による出店がみられ、これがまちの活性化につながって

いる。一方、駅に近いエリアは地代が高いために、個人での出店が難しいのが課題であ

る。

小浪氏:どの様なまちにも栄枯盛衰はつきものである。「お洒落」「多様性」「活気」などをキーワ

ードに、今後のまちづくりを進めていただければと思う。

塚本氏

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(5)閉会あいさつ:

本シンポジウムの閉会にあたり、武蔵野市の井上副市長よりご挨拶を頂きました。

井上副市長:本日は、吉祥寺駅周辺の今後のまちづくりについて大変貴重なご

意見をいただき感謝している。吉祥寺には、大型店と商店街との

共存、防災等の安全対策、セントラル地区の建替え促進などを課

題があるが、本日頂いたご意見、平成 18年度に策定した「吉祥寺

グランドデザイン」を踏まえながら、今後のまちづくりを進めて

いきたい。

井上副市長

<謝 辞>

全3回に渡る「まち歩き」と、「シンポジウム」からなる本セミナーの開催にあたっては、

武蔵野市に全面的な協力をいただきました。武蔵野市の邑上市長、井上副市長をはじめ、吉祥

寺まちづくり事務所、まちづくり推進課の職員の皆さまに厚く御礼を申し上げます。