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第2回オフセット・クレジット(J-VER)制度実務研修会 【基本編】① 『J-VER制度の概要と主な方法論について』

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第2回オフセット・クレジット(J-VER)制度実務研修会

【基本編】①

『J-VER制度の概要と主な方法論について』

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『J-VER制度の概要について』

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家庭やオフィス、移動(自動車・飛行機)での温室効果ガス排出量を把握する

省エネ活動や環境負荷の少ない交通手段の選択など、温室効果ガスの削減努力を行う

削減が困難な排出量を把握し、他の場所で実現したクレジットの購入または他の場所での排出削減活動を実施

対象となる活動の排出量と同量のクレジットで埋め合わせ(相殺)する

カーボン・オフセットとは?

【定義】市民、企業等が、

①自らの温室効果ガスの排出量を認識し、

②主体的にこれを削減する努力を行う とともに、

③削減が困難な部分の排出量を把握し、

④他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減 ・吸収量等(クレジット)の購入、他の場所で排出削減・吸収を

実現するプロジェクトや活動の実施等により、③の排出量の全部又は一部を埋め合わせること。

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カーボン・オフセットの意義・効果

■地球温暖化の防止が社会全体で取り組むべき課題であるとの認識の下、カーボン・オフセットの 取組を通じ、

「排出量の見える化 → 自分ごと化 → 削減努力 → 削減しきれない排出量の埋め合わせ」

という流れを作り出すことで、市民、企業、NPO/NGO、地方公共団体、政府等様々な主体が、それ ぞれ温室効果ガスを排出していることを認識するとともに、その削減に取り組み、ライフスタイルや 事業活動を低炭素型にシフトしていく契機となる。

■国内外の温室効果ガスの排出削減・吸収を実現するプロジェクトの資金調達に貢献する。 ■特に、オフセット・クレジット(J-VER)を活用することにより、カーボン・オフセットに取り組む企業等 から、国内で削減等プロジェクトを行う事業者に資金が還流することとなり、国内投資の促進や雇用 の確保、それらを通じた地域活性化にも貢献することが期待される。

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1.社会を構成するあらゆる主体によるCO2削減行動の推進

2.国内外の温室効果ガス削減等プロジェクトへの資金還流

■カーボン・オフセットの取組やクレジット創出プロジェクトの実施により、温室効果ガスの排出削減・ 吸収のみならず、同時に、廃棄物の減量や適正処理の推進、植林・森林保全やそれを通じた生物 多様性の保全等、環境保全上の複数の効果(コベネフィット)が実現しうる。

3.温室効果ガス削減を含めた環境保全上の複数の効果の同時実現

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「我が国におけるカーボン・オフセットのあり方について(指針)」においては、カーボン・オフセットに用いられるクレジットとして、京都メカニズムクレジットのほか、京都議定書やEU域内の排出量取引制度等の法的拘束力をもった制度に基づいて発行されるクレジット以外のクレジットであるVER( Verified Emission Reduction )等があげられている。

カーボン・オフセットの取組に対する信頼性を構築するため、カーボン・オフセットに用いられるクレジットについては、確実な排出削減・吸収がある、同一の排出削減・吸収が複数のカーボン・オフセットに用いられていない等の一定の基準を満たしていることを確保するための公的な認証制度が必要。

また、カーボン・オフセットに取り組む国内の企業等には、海外のプロジェクトによる京都メカニズムクレジットではなく国内のプロジェクトによるクレジットを活用したいというニーズが存在。

環境省は、平成20年11月に、国内におけるプロジェクトにより実現された温室効果ガス排出削減・吸 収量をクレジットとして認証する制度である「オフセット・クレジット(J-VER)制度」を創設。

環境省では、平成20年3月に「カーボン・オフセットに用いられるVER(Verified Emission Reduction)の

認証基準に関する検討会」を設置。以来、数次に渡り検討会を開催し、認証制度について検討。

VER( Verified Emission Reduction )について

カーボン・オフセットに用いられるクレジットについて

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森林管理

森林バイオマス活用

排出削減・吸収活動 プロジェクト実施事業者

<排出削減・吸収活動プロジェクトの例>

オフセット・クレジット (J-VER)運営・認証委員会(環境省)

③意見募集

プロジェクト計画

プロジェクト実施

①方法論等の設計・公表

⑥モニタリングを実施

検証機関

②計画

モニタリング報告書を提出

モニタリング報告書最終版・ 検証報告書を提出

温室効果ガス排出企業等 J-VERをカーボン・オフセット等に利用

資金 J-VERを登録簿の口座内に保有

J-VER 登録簿

口座 J-VER

口座 J-VER

⑨J-VER発行

J-VERを登録簿の口座内に取得

オフセット・クレジット(J-VER)制度における認証プロセスの効率化

~計画・認証・発行のフロー~

※ISOに準拠した制度設計

妥当性確認機関

④妥当性確認

⑤審議・ 登録

⑧審議・ 認証

パブリックコメントの実施

⑦検証

計画書最終版・ 妥当性確認報告書

を提出

プロジェクト計画開始届・誓約書の提出

プロジェクト計画書を提出

確認

クレジット発行依頼書提出

プロジェクト登録依頼書を提出

登録通知

認証通知

GHG排出削減/吸収量認証依頼書を提出

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<環境省>

技術小委員会

J-VER制度 事務局 (気候変動対策認証センター(4CJ))

プロジェクト事業者からの申請受付や新規方法論の提案受付等を行う。また、J-

VER運営委員会、 J-VER認証委員会及び技術小委員会等の運営を支援。委託事業として、(社)海外環境協力センター内に設置。

J-VER運営委員会により付託された制度文書の決定・改廃案に関する審議、及び新規方法論の決定、既存方法論の改廃に関する審議を行う。

オフセット・クレジット(J-VER)制度運営委員会(J-VER運営委員会)

①制度文書の決定及び改廃、②ポジティブリスト及び方法論の決定及び改廃、③登録簿の構築・運営・管理に関する決定、④小委員会の設置、⑤J-VER認証委員会からの意見への対応案の決定、⑥意見・苦情等に対する対応案の決定等。

※平成23年12月現在

オフセット・クレジット(J-VER)制度上の機関について

検証機関

プロジェクト事業者からのモニタリング報告書について検証を実施

妥当性確認

機関

プロジェクト事業者からの申請書について妥当性確認を実施

結果報告

オフセット・クレジット(J-VER)制度認証委員会(J-VER認証委員会)

①プロジェクト登録に関する決定、②オフセット・クレジット(J-VER)の認証、発行に関する決定、③J-VER運営委員会・技術小委員会への制度変更に関する意見の提出等。

オフセット・クレジット(J-VER)の認証・発行・管理を行う機関として環境省が設置。

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①ポジティブリスト・方法論等の設計・公表 【J-VER運営委員会】 ○ポジティブリスト

本制度では、J-VER運営委員会が対象プロジェクト種類を特定した「ポジティブリスト」を作成し、プロジェクト種類ごとに追加性(※)立証のための「適格性基準」を明示する。プロジェクト事業者は、これら所定の条件を満たすプロジェクトであることを証明することにより、追加性を立証したとみなされる

※その制度があって初めて当該プロジェクトが実現すること。 平成24年1月現在のポジティブリスト

○方法論 ポジティブリストに掲載されたプロジェクト種類について、温室効果ガスの排出削減量又は吸収量の算定を行うための方法及びその算定にあたって必要な数量をモニタリングするための方法。

なお、ポジティブリストのプロジェクト種類、適格性基準及び方法論に関する意見については、事務局(気候変動対

認証センター)において広く一般より受け付けている。

オフセット・クレジット(J-VER)制度のプロセスについて①

R001 森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト) R003 植林活動によるCO2吸収量の増大

R002 森林経営活動によるCO2吸収量の増大(持続可能な森林経営促進型プロジェクト)

<排出削減系>

<森林吸収系>

E001 化石燃料から木質バイオマスへのボイラー燃料代替

E009 情報通信技術を活用した、検針等用車両による燃料消費量削減

E017 ファン、ポンプ類の換装またはインバーター制御、台数制御機器の導入

E025 石炭から未利用のバイオマスへのセメントキルン燃料代替

E002 化石燃料から木質ペレットへのボイラー燃料代替

E010 照明設備の更新 E018 廃棄物由来のバイオガスによる熱および電力供給のための化石燃料代替

E026 屋上緑化による空調の省エネルギー

E003 木質ペレットストーブの使用 E011 ボイラー装置の更新 E019 ヒートポンプの導入 E027 魚油由来バイオマスによる化石燃料代替

E004 廃食用油由来バイオディーゼル燃料の車両における利用

E012 空調設備の圧縮機の更新 E020 古紙廃プラ固形燃料(RPF)の製造・利用

E028 カーナビゲーションシステムを利用したエコドライブ支援システムによるCO2排出削減

E005 下水汚泥由来バイオマス固形燃料による化石燃料代替

E013 フリークーリング及び外気導入による空調の省エネルギー

E021 熱分解による廃棄物由来の油化燃料・ガス化燃料の利用

I001 液晶製造工程におけるSF6 からCOF2への使用ガス代替

E006 排熱回収・利用 E014 アイロン装置の更新 E022 廃棄物処理施設における熱回収による廃棄物のエネルギー利用

L001 低タンパク配合飼料利用による豚の糞尿処理からのN2O排出抑制

E007 薪ストーブにおける薪の使用 E015 小水力発電による系統電力代替 E023 デジタルタコグラフの導入によるエコドライブ

L002 家畜排せつ物の管理方法の変更

E008 情報通信技術を活用した、輸送の効率化による燃料消費量削減

E016 コジェネレーション設備の導入 E024 太陽光発電による系統電力の代替

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②プロジェクトの計画、申請 【プロジェクト事業者】

プロジェクト事業者は、所定の様式に従って申請書を作成し、事務局(プロジェクト開始届・誓約書)および妥当性確認機関(プロジェクト計画書)に提出。

*手数料について‐事務局の申請手数料は無料。

*申請書について‐事務局のWebサイト参照。 (気候変動対策認証センター webサイト) http://www.4cj.org/

③受理、妥当性確認、登録 【事務局、妥当性確認機関、J-VER認証委員会】

事務局 : 誓約書の確認により、制度参加への確認を行う。

妥当性確認機関 : 提出された申請書について形式上の要件を満たしているか確認の上、受理。受理したプロジェクトについては、Web上より一般からのパブリックコメントを募集。その後、受理した申請書の内容について、ポジティブリストや適格性基準への整合性や排出削減量・吸収量の計算方法等のルールへの準拠性を審査し妥当性を確認し、報告書を作成。妥当性確認に関わる手数料は、各検証機関毎に異なる。

J-VER認証委員会 : 報告書に基づき、当該プロジェクトの登録の可否を審議の上、適切であると認められる場合は登録する。プロジェクト登録料は無料。

プロジェクト計画

プロジェクト実施

④モニタリング 【プロジェクト事業者】

プロジェクト事業者は、プロジェクト申請時に承認されたモニタリングプラン・モニタリングガイドラインに則ってモニタリングを実施し、モニタリング報告書を作成する。

オフセット・クレジット(J-VER)制度のプロセスについて②

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⑤モニタリング報告書の検証 【第三者検証機関】

プロジェクト事業者は検証機関にモニタリング報告書を提出し検証を受審する。検証機関は、検証報告書を作成し4CJに提出する。

検証は、原則としてISO14065に基づいて認定を受けた検証機関又はその認定申請を行っている検証機関が実施する。

なお、我が国におけるISO14065認定事業が本格化するまでの間、以下の経過措置を置くこととしている。

当面の間の検証機関の要件

我が国において国際認定機関(IAF)のメンバーによるISO14065認定事業が本格化するまでの間、京都メカニズムにおける指定運営組織(DOE)又は認定独立組織(AIE)として登録されていること(ただし、森林分野については、Indicative Letterを受領していることをもってこれを満たすものとみなす)、及びISO14065認定取得の意思を有する証拠があることをもって、本制度における検証機関としての要件を満たし、当該検証を有効とみなす。

検証に関わる手数料は、各検証機関毎に異なる。

⑥排出削減・吸収量の認証 【J-VER認証委員会】

J-VER認証委員会は、検証機関より提出された検証報告書等に基づき、当該プロジェクトから生じる排出削減・吸収量について認証を行う。

⑦オフセット・クレジット(J-VER)の発行 【J-VER認証委員会】

J-VER認証委員会は、認証された排出削減・吸収量についてJ-VERを発行する。

※プロジェクト事業者がJ-VERの発行を受けるには、J-VERを管理する登録簿の口座を開設する必要がある。

※J-VERの発行に際しては、基本的に手数料は無料。

オフセット・クレジット(J-VER)制度のプロセスについて③

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○ 2012年1月時点で、J-VER制度に登録されているプロジェクトの件数は累計184件。

○ このうち95件のプロジェクトについて、オフセット・クレジット(J-VER)の認証が行われて

いる。累計認証クレジット量は161,016t-CO2。

森林吸収系

97

排出削減系

87

<プロジェクト種類別登録プロジェクト数>

北海道

25 四国

17

九州

20

中部

18

関東

18

中国

11

東北

29

近畿

38

<地域別登録プロジェクト数>

複数地域 8

<プロジェクト登録・クレジット認証件数の推移>

オフセット・クレジット(J-VER)制度 認証・登録等の状況

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全国でのJ-VERプロジェクト

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2012年1月現在

北海道 24件 北海道 ●削減:9件 ●吸収:15件

東北 30件 青森県 ●吸収:1件 岩手県 ●吸収:5件 宮城県 ●削減:3件 ●吸収:1件 秋田県 ●削減:2件 ●吸収:11件 山形県 ●削減:3件 福島県 ●削減:1件,●吸収:3件

複数地域 11件 ●削減:6件,●吸収:5件

中部 18件 新潟県 ●削減:1件 富山県 ●削減:1件,●吸収:1件 石川県 ●削減:2件 長野県 ●削減:2件 岐阜県 ●削減:2件,●吸収:7件 静岡県 ●吸収:2件 中国 11件

鳥取県 ●吸収:6件 広島県 ●削減:2件,●吸収:2件 島根県 ●吸収:1件

近畿 38件 三重県 ●吸収:5件 滋賀県 ●削減:1件 京都府 ●削減:3件 ●吸収:1件 大阪府 ●削減:15件 ●吸収:2件 兵庫県 ●削減:2件,●吸収:3件 奈良県 ●削減:1件,●吸収:1件 和歌山県 ●削減:2件,●吸収:3件

四国 17件 徳島県 ●削減:1件,●吸収:3件 香川県 ●削減:2件 愛媛県 ●削減:3件,●吸収:2件 高知県 ●削減:3件,●吸収:3件

九州 20件 福岡県 ●削減:2件,●吸収:2件 佐賀県 ●吸収:1件 長崎県 ●削減:2件 熊本県 ●削減:1件,●吸収:3件 大分県 ●削減:1件,●吸収:1件 宮崎県 ●削減:1件,●吸収:5件 沖縄県 ●削減:1件

関東 16件 埼玉県 ●削減:3件 千葉県 ●削減:4件,●吸収:1件 東京都 ●削減:4件 神奈川県 ●削減:1件,●吸収:1件 山梨県 ●削減:1件,●吸収:1件

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北海道でのJ-VERプロジェクト

森林吸収【15件】

●北海道4町連携による間伐促進型森林づくり事業

●紋別市有林間伐促進型森づくり事業

●「三井物産の森」北海道 間伐促進吸収プロジェクト

●北海道王子製紙間伐促進プロジェクト

●北海道広尾町有林における森林吸収プロジェクト

~サンタの森づくりプロジェクト~

●上士幌町有林間伐促進プロジェクト

(次世代に引き継ぐ豊かな森林づくりプロジェクト) ●北海道津別町による町有林内における間伐推進を

図りながらの森林CO2吸収促進事業

●南組グループ森林吸収源事業(ウォータージェット

CO2削減プロジェクト) ●標津町防風林育成事業

-サケのふるさとの森林づくりプロジェクト-

●ニッタ株式会社豊頃町間伐促進プロジェクト

●士幌町有林間伐促進による森林づくりプロジェクト

●南ふらの町有林の間伐促進によるCO2吸収量促進

事業

●釧路湿原におけるサン・クロレラ社有シラカバ林の

森林吸収プロジェクト

●石狩市市有林間伐促進プロジェクト

~ニシンが群来(くき)る豊かな海を未来に繋ぐ

森づくり~

●北海道・種別山林の森づくりプロジェクト

排出削減【9件】

●五味温泉等森林バイオマスエネルギー活動事業

●滝上町ホテル渓谷木質バイオマス活用プロジェクト

●足寄町森林バイオマスエネルギー活用事業

●当別ふれあいバスによる廃食用油由来

バイオディーゼル燃料活用プロジェクト

●美幌町低炭素な町づくりプロジェクト

●十勝地域における昭和工業(株)BDF活用プロジェクト

~環境モデル都市帯広市を中心とした十勝の低炭素

社会への貢献プロジェクト~

●下川町役場周辺地域熱供給システム

バイオマスエネルギー活用プロジェクト

●北清企業バイオディーゼル燃料活用プロジェクト

●コープさっぽろCO2削減宅配プロジェクト

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信頼性の高いクレジット ISOに準拠した制度設計により認証され、二重使用を排除した登録簿システムを採用。信頼性が高いクレジットで、使用される企業のリスク低減が可能。

国内プロジェクトにより発行されるクレジット カーボン・オフセットを通して、地方公共団体や他の国内企業が実施する吸収・削減プロジェクトへ貢献できる。

環境への貢献度の更なるアピールが可能 ボランタリーな取組のため、マーケティングやCSRにおいて環境への貢献を差別化・ブランディングすることが可能。

クレジット発行元とのつながり J-VER供給元との地方・団体・企業とのつながりが深まる。

プロジェクトの種類が多数 排出削減事業のみならず、森林吸収事業も対象。また、エネルギー起源CO2のみならず、非エネルギー起源でのプロジェクトも随時追加されている。

算定・報告・公表制度の報告義務がある方 調整後温室効果ガス排出量(調整後排出量)の算定に、J-VERを使用できることが可能。

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J-VERの魅力

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1.調整後温室効果ガス排出量の報告

算定・報告・公表制度における2010年4月以降の報告から、

①に加えて②が報告可能となった。

①温室効果ガス排出量(従来の算定方法で算定された「実排出量」) ②調整後温室効果ガス排出量

2.調整後温室効果ガス排出量の算定方法

調整後温室効果 温室効果ガス ①算定割当量

ガス排出量 排出量(実排出量) ②国内認証排出削減量(償却分)

①については、償却前移転された京都メカニズムクレジット

②については、無効化されたオフセット・クレジット(J-VER)と国内クレジット (注)自ら行った温室効果ガスの排出の抑制に係る国内認証排出削減量は、調整後温室効果ガス排出量の調整に用いることは不可。

温室効果ガス算定・報告・公表制度でのJ-VER制度の位置付け

地球温暖化対策推進法に基づく排出量の算定・報告・公表制度において、2010年4月以降の報告から、調整後温室効果ガス排出量(調整後排出量)の算定に、オフセット・クレジット(J-VER)を用いることが可能となった。

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『J-VER制度の主な方法論について』

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R001 森林経営活動によるCO2吸収量の増大(間伐促進型プロジェクト)

R002 森林経営活動によるCO2吸収量の増大(持続可能な森林経営促進型プロジェクト)

R003 植林活動によるCO2吸収量の増大

<排出削減系>

<森林吸収系>

J-VER制度では、現状では採算性が悪くプロジェクトが実施されない等の理由から本制度で積極的に促進支援すべきプロジェクト種類を特定し、方法論として本制度の対象としている。

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※平成24年1月現在

オフセット・クレジット(J-VER)制度の対象プロジェクト種類

E001 化石燃料から木質バイオマスへのボイラー燃料代替

E009 情報通信技術を活用した、検針等用車両による燃料消費量削減

E017 ファン、ポンプ類の換装またはインバーター制御、台数制御機器の導入

E025 石炭から未利用のバイオマスへのセメントキルン燃料代替

E002 化石燃料から木質ペレットへのボイラー燃料代替

E010 照明設備の更新 E018 廃棄物由来のバイオガスによる熱および電力供給のための化石燃料代替

E026 屋上緑化による空調の省エネルギー

E003 木質ペレットストーブの使用 E011 ボイラー装置の更新 E019 ヒートポンプの導入 E027 魚油由来バイオマスによる化石燃料代替

E004 廃食用油由来バイオディーゼル燃料の車両における利用

E012 空調設備の圧縮機の更新 E020 古紙廃プラ固形燃料(RPF)の製造・利用

E028 カーナビゲーションシステムを利用したエコドライブ支援システムによるCO2排出削減

E005 下水汚泥由来バイオマス固形燃料による化石燃料代替

E013 フリークーリング及び外気導入による空調の省エネルギー

E021 熱分解による廃棄物由来の油化燃料・ガス化燃料の利用

I001 液晶製造工程におけるSF6 からCOF2への使用ガス代替

E006 排熱回収・利用 E014 アイロン装置の更新 E022 廃棄物処理施設における熱回収による廃棄物のエネルギー利用

L001 低タンパク配合飼料利用による豚の糞尿処理からのN2O排出抑制

E007 薪ストーブにおける薪の使用 E015 小水力発電による系統電力代替

E023 デジタルタコグラフの導入によるエコドライブ

L002 家畜排せつ物の管理方法の変更

E008 情報通信技術を活用した、輸送の効率化による燃料消費量削減

E016 コジェネレーション設備の導入 E024 太陽光発電による系統電力の代替

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排出量

プロジェクト排出量

排出削減量

ベースラインシナリオ

時間

【排出削減系】

【吸収系】

→プロジェクトが実施されなかった場合 に最も起こりうる可能性が高いシナリオ

→排出削減事業を行った後に排出される ことが想定される排出量

プロジェクト開始 <妥当性確認>

プロジェクト終了 <検証>

プロジェクト実施 <モニタリング>

排出量

プロジェクト吸収量

吸収量

ベースラインシナリオ

時間

プロジェクト開始 <妥当性確認>

プロジェクト終了 <検証>

プロジェクト実施 <モニタリング>

<妥当性確認> プロジェクト計画が制度のルールに則っているかを評価する手続 <検証> モニタリング報告書に記載された削減量・吸収量が制度のルールに則っているかを評価する手続

追加性※

追加性

※J-VER制度がなければ当該削減又は 吸収が行われなかったという蓋然性

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J-VER制度における排出量削減(吸収量の増大)の考え方

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オフセット・クレジット(J-VER)制度プロジェクトの追加性

オフセット・クレジット(J-VER)発行の対象とするプロジェクトは、本制度が存在しな

い場合に対して「追加的」な温室効果ガス排出削減(または吸収)をもたらすことが求められる。

● プロジェクトの追加性

● プロジェクトの追加性立証方法

プロジェクトの温室効果ガス排出削減の追加性を立証する方法としては、プロジェクトごとに追加性を評価する方法と、プロジェクト種類ごとの基準等を設定し追加性を評価する方法の二種類がある。

① プロジェクトごとの評価

京都メカニズムCDM等 プロジェクトごとにプロジェクト代表事業者等の事情やプロジェクト特有の状況を考慮しつつ、投資障

壁、技術的障壁、資金調達障壁等の様々なプロジェクト実施を困難とする障壁の存在を確認してプロ

ジェクトの追加性を評価する方法。

メリット:個々の状況に応じ追加性及びベース・ラインシナリオの評価が可能等

デメリット:プロジェクト代表事業者等にとって承認リスクが高い。承認等の係る実施費用が増大等

② プロジェクト種類ごとの基準による評価

オフセット・クレジット(J-VER)制度等 制度管理者であらかじめプロジェクト種類ごとの基準を設定し、その基準を満たすプロジェクトを認め

る方法。基準としては、プロジェクト種類、ベンチマーク(エネルギー効率等)、機器や対策の普及率、機

器や対策の投資回収年数等によって基準を設定する。

メリット:計画から承認までのプロセスが簡素化等

デメリット:実施されるプロジェクトが、基準を構築したプロジェクト種類に限定等 19

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方法論の対象となる排出削減・吸収活動について

● 対象プロジェクトの実施場所

方法論策定の対象とする排出削減・吸収活動は、日本国温室効果ガス排出量インベントリにおいて直接・間接的に排出削減効果が得られる排出源又は京都議定書第3条3又は4における吸収量計上対象となっている吸収源対策とする。

● 対象プロジェクトのバウンダリ

GHG排出量が実際に削減される上流(原材料調達、生産)や下流(廃棄・リサイ

クル)の事業者がプロジェクト参加者に含まれ、削減効果がモニタリングによって把握可能な場合にのみ、対象プロジェクトとして認めるものとする。

● 対象プロジェクトの排出削減方法

対象となるプロジェクトは、排出削減の場合、原則同等のサービスレベルを提供するための活動量を少なくする、または排出係数を小さくする対策・技術でなければならない(吸収源対策はその逆)。

● 対象プロジェクトのベースラインシナリオ

平成22年10月現在(方法論E019までの策定時点)では、2012年度末までと定め

られるクレジット期間内において、ベースラインが変化しないと想定できるプロジェクトのみを対象。→今後は変動を織り込むべきシナリオも検討。

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プロジェクト方法論 適格性基準

● 経済的障壁

① ランニングにおけるプロジェクトシナリオの経済効果がベースラインシナリオの経済効果を下回る。

② 初期投資の回収年数が3年を超える。

③ ほかに収益面で魅力的な事業がある。

● 経済的障壁以外の条件

経済的障壁以外の条件としては、プロジェクトタイプ、ベンチマーク、機器や対策

の普及率等が挙げられる。プロジェクトタイプ毎に、政策的重要性等を鑑みた上

で、プロジェクトタイプによって経済的障壁以外の条件が想定される場合には、必

ずしも経済的障壁を適格性条件とする必要はない。

● 他の政策との整合性の確保

本制度で特定の温室効果ガス排出削減・吸収に係る取組を推進することで、他

の政策で推進すべき対策の優先順位が変わることが想定される場合等がある場

合は、他の政策との整合性を確保するために必要な措置を適格性基準に追加し

ている。

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化石燃料から未利用の木質バイオマスへのボイラー燃料代替(E001)

【プロジェクト概要】 ボイラーで使用する化石燃料の一部または全部を未利用の木質バイオマスへ転換することで、排出量の削減を行う 【プロジェクトの適格性基準】 条件1.ボイラーにおける木質バイオマスの新規利用により、化石燃料が代替されること 条件2.使用される木質バイオマスは、日本国内で産出された未利用の木質バイオマス(林地残材(未搬出間伐材、枝葉等)、間伐 材、製材端材等)であること ※建築廃材は対象外。未利用の木質バイオマスを加工して木質ペレットを製造する場合は対象外 条件3.プロジェクトの採算性がない、又は他の選択肢と比べて採算性が低いこと

※【排出削減量算定のために必要なモニタリング項目】

①未利用材の運搬に伴う排出(運搬車両の軽油等消費量又は平均燃費・走行距離)

※同一都道府県内の運搬に伴う排出は算定対象外としてよい。

②事前処理に伴う排出(破砕機等で使用される化石燃料・電力等消費量)

③木質チップ等の運搬に伴う排出(①と同様)

④ボイラーの使用に伴う排出(補助燃料消費量)

⑤代替される化石燃料の燃焼に伴う排出(ボイラーで消費された未利用材の重量・含水率・発熱量等,バイオマスボイラーの効率,バイオ

マスボイラー導入前の化石燃料ボイラーの効率(デフォルト値の適用可)) 22

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<廃食用油からBDF製造> <廃食用油の収集運搬> <BDFを車両等で利用>

※① ※⑤

廃食用油由来のバイオディーゼル燃料の車両等における利用(E004)

【プロジェクト概要】 車両等に利用する化石燃料を、廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料に転換することで、排出量の削減を行う

【プロジェクトの適格性基準】 条件1.廃食用油が、プロジェクトが無い場合にはエネルギー利用されない、主に植物性のものであること 条件2.精製方式は、メタノールを用いたエステル交換方式又はエステル化方式であること 条件3.BDFにより代替される車両の燃料が軽油であること 条件4.BDFの品質が所要の基準を満たしていること 条件5.BDFを使用する車両等が①公道を走る車両又は、②オフロード法の適用を受ける車両又は、③ディーゼルエンジン機器であり、 特定されること。また、車両区分毎に適切な燃料種類を利用し、適切な車両管理が行われていること

※【排出削減量算定のために必要なモニタリング項目】

①廃食用油のトラック等を用いた収集運搬に伴う排出(運搬車両の化石燃料消費量又は平均燃費・走行距離、トンキロ等)

②廃食用油からBDFを製造する過程に伴う排出(製造プラント等で用いられる化石燃料や電力消費量)

③BDF製造工程で投入されるメタノールに由来する排出(メタノール使用量)

④精製されたBDFの給油場所までの運搬に伴う排出(運搬車両の化石燃料消費量又は平均燃費・走行距離、トンキロ等)

⑤代替される化石燃料の燃焼に伴う排出(BDFの使用量、BDFの発熱量(デフォルト値の適用可))

排出削減量の算定で考慮する範囲

<廃食用油の発生>

※②③ ※④

<BDFの運搬>

未利用あるいはマテリアル利用されている廃食用油

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熱源設備の更新によるヒートポンプの導入(E019)

【プロジェクト概要】 熱源設備の更新の際に、ヒートポンプを導入することで、CO2排出量を削減する

【プロジェクトの適格性基準】 条件1.熱源設備の更新の際に、ヒートポンプを導入すること 条件2.事業者は、ヒートポンプで製造した温水、蒸気または冷水を自家消費すること 条件3.ベースライン、プロジェクトともにエネルギー源は化石燃料または電力であること 条件4.熱回収を行わない型のヒートポンプであること 条件5.プロジェクトの採算性がない、又は他の選択肢と比べて採算性が低いこと

※【排出削減量算定のために必要なモニタリング項目】

①代替される熱源設備のエネルギー消費効率(COP、APF、ボイラ効率等)

②ヒートポンプのエネルギー消費効率(COP、APF、ボイラ効率等)

③ヒートポンプの年間電力使用量

④ヒートポンプの年間化石燃料消費量 24

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魚油由来バイオマスによる化石燃料代替(E027)

【プロジェクト概要】 魚油由来バイオマスを燃料として利用することによって化石燃料を代替することで、排出量の削減を行う

【プロジェクトの適格性基準】 条件1.魚油由来バイオマスは、次の要件を全て満たすこと。 ・日本国内で発生した魚油由来バイオマスであること。 ・プロジェクトがない場合に、マテリアル利用またはエネルギー利用が有効になされず、廃棄されていた魚油由来バイオマスであること。 条件2.魚油由来バイオマスの燃料利用により、化石燃料が代替されること。 条件3.プロジェクトの採算性がない、又は他の選択肢と比べて採算性が低いこと。

※【排出削減量算定のために必要なモニタリング項目】

①魚油のトラック等を用いた収集運搬に伴う排出(運搬車両の化石燃料消費量又は平均燃費・走行距離、トンキロ等)

②魚油由来バイオマスを事前処理する過程に伴う排出(製造プラント等で用いられる化石燃料や電力消費量)

③精製された魚油由来バイオマス(燃料)の運搬に伴う排出(運搬車両の化石燃料消費量又は平均燃費・走行距離、トンキロ等)

④代替される化石燃料の燃焼に伴う排出(魚油の使用量、魚油の発熱量(熱量直接計測も可)) 25

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カーナビゲーションシステムを利用したエコドライブ支援システムによるCO2排出削減(E028)

【プロジェクト概要】 エコドライブ支援システムを活用し、自動車走行時の燃費向上を推進することで、走行にかかる化石燃料消費量を削減する

【プロジェクトの適格性基準】 条件1. エコドライブ支援システムを導入している車両を対象としており、エコドライブ支援システムのサービス提供者がユーザーの利用状 況を把握できること 条件2. 対象車両は、道路運送車両法に基づく「普通自動車」及び「小型自動車」のうち、貨物運送用及びバス以外の車両とし、新規に自 動車を購入したユーザーは対象としない 条件3. プロジェクトの採算性がない、又は他の選択肢と比べて採算性が低いこと 条件4. カーナビゲーションシステムを利用すること 条件5. プロジェクト実施後に対象車両を増やす場合は、条件1~4に加え、以下の①②をもとに満たすこと。 ①利用市民等が事業に参加していることを知りえる状態とすること ②利用市民等による排出削減価値の二重利用(ダブルカウント)の防止措置を行うこと

※【排出削減量算定のために必要なモニタリング項目】

①過去1年分の燃費改善率(実測データ)

②対象車両の燃料消費量(実測データ)

③エコドライブ支援システムサービス提供のための電力消費に伴う排出(電力消費量、稼働時間、定格最大電力消費量) 26

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家畜排せつ物の管理方法の変更(L002)

【プロジェクト概要】 家畜の飼養における排せつ物の管理方法を変更することにより、排せつ物管理時に発生する温室効果ガス(CH4やN2O)の排 出量を削減する

【プロジェクトの適格性基準】 条件1.プロジェクト実施前後において、排せつ物の管理方法を変更することにより、温室効果ガスの排出量を削減できること 条件2.家畜は、牛(乳用牛、肉用牛)、豚、鶏(採卵鶏、ブロイラー)のいずれかであること 条件3.プロジェクト実施前後の排せつ物の管理方法が、日本国温室効果ガスインベントリ報告書で規定されている管理区分(貯留、天日 乾燥、火力乾燥、強制発酵、堆積発酵、焼却、浄化)のいずれかに該当すること。もしくは、実測等によって、プロジェクト実施前後 の排出原単位及び温室効果ガスの排出量を定量的に把握できること。 条件4.プロジェクト実施前後で、排せつ物の管理方法以外の項目について、温室効果ガスの排出量に影響を与えるような変更がないこと 条件5.プロジェクトの採算性がない、又は他の選択肢と比べて採算性が低いこと。例えば、投資回収年数が3年以上であること

※【排出削減量算定のために必要なモニタリング項目】

①変更前の排せつ物管理に伴うCH4、N2O排出(各管理区分において飼養した家畜頭数、飼養日数)

②変更前の排せつ物管理施設でのエネルギー消費(施設で使用される化石燃料・電力使用量等)

③排せつ物管理施設への運搬に伴う排出(燃料消費量、又は、走行距離・燃費) ※管理方法変更により追加的に運搬が必要になった場合のみ計上

④変更後の排せつ物管理に伴うCH4、N2O排出(①と同様)

⑤変更後の排せつ物管理施設でのエネルギー消費(②と同様) 27

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森林吸収プロジェクト(R001~R003)の認証基準について①

(対象となるプロジェクトの種類)

(2)植林プロジェクト

・2008年4月1日に森林法の地域森林計画の対象でなく、かつ京都議

定書上の森林の定義を満たしていなかった森林

・2008年度以降に植林を行った面積が対象

・森林法の地域森林計画の対象に編入するための措置を講じること

①間伐促進型:京都議定書の吸収量(3.8%)確保を目指し、間伐の集中的な推進が目的

・森林法の地域森林計画対象の森林

・2007年度以降に間伐を行った面積が対象

・間伐率等は市町村森林整備計画に適合していること

・対象地で主伐・土地転用を行うとクレジットは発行されない

②持続可能な森林経営促進型:継続的な森林施業による長期的なCO2吸収量の確保が目的

・森林法の地域森林計画対象の森林

・1990年度以降に間伐・主伐・植栽を行った面積が対象

・対象地で行われる主伐を含む施業が森林施業計画に適合していること

・クレジット発行対象期間内に間伐及び主伐を行うこと

・対象地で主伐を行うと伐採量に応じてCO2が排出されたとみなす

・対象地で土地転用を行うとクレジットは発行されない

(1)森林経営プロジェクト

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③ 都道府県等の「企業の森づくり」制度(+①or②)

・都道府県等によって認証された森林所有者と企業の間の森林保全協定

(森林施業計画or森林認証制度によっ

て、炭素ストックが維持されることを担保)

○森林経営プロジェクトでは、以下の3つの条件のいずれかを満たすことが必要

○ CO2吸収量の永続性を担保するため、クレジット発行対象期間終了後10年が経過するまで以下の措置を講ずる

・本制度の事務局を務める気候変動対策認証センター(4CJ)が発行されるクレジットの3%を「バッファー管理口座」を確保・管理する。

・毎年、4CJにおいて、統計等を用いて自然攪乱や土地転用等に伴うCO2吸収効果消失率を算定し、発行済みクレジットの累計値に乗

じた量のクレジットをバッファー管理口座から無効化口座に移転することにより、制度全体で発行済みクレジットの有効性を担保。

(ただし、プロジェクト対象地での自然攪乱や土地転用等によるCO2吸収効果消失量が個別に確認できた場合はこの限りではない。) ・4CJがバッファー管理口座にクレジットを保持する等の年限は、吸収量を永続的に担保する観点、制度の実効性の観点、プロジェクト事

業者の負担を軽減する観点から、クレジット発行対象期間終了(2012年)後10年とする。

・不適切な主伐や土地転用により吸収量が失われたときの対応を別途定める約款に基づき講ずる。

① 森林法の森林施業計画 ② 森林認証制度

・森林法に基づいて市町村等により認定された計画

・5年ごとに計画を更新

・伐採・造林の届出書を提出

(森林伐採後の確実な更新を担保し、炭素ストックを維持)

・第三者機関によって持続的な森林経営を認証

・毎年の審査と継続的な認証の更新

(森林伐採後の確実な更新を担保し、炭素ストックを維持)

森林吸収プロジェクト(R001~R003)の認証基準について②

(CO2吸収量の永続性の担保に資する措置)

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○京都議定書でのCO2吸収量の算定方法に準じ、「グロス-ネット方式」(※)を採用します。

(クレジットの計算例) 間伐促進型で50haの面積(スギ)を毎年10haずつ間伐した場合…約60t-CO2/年

持続可能な森林経営促進型で200haの面積(スギ)を適切に施業し、毎年2haの面積(スギ)を毎年主伐した場合

…約120t-CO2/年

※いずれも、各種パラメータを固定して計算していますので、実際のクレジット量はプロジェクトごとに異なります

○吸収量の算定に際しては、京都議定書に基づく吸収量の算定で用いている方法や係数を基本とし、

幹材積の年間成長量 については、各地域の樹種別・地位別収穫予想表を適用して材齢に応じた

材積を求めます。

プロジェクト開始時

1年目

炭素ストック量

2年目 3年目 4年目 5年目

吸収量(1年目)

吸収量(2年目)

吸収量(3年目)

吸収量(4年目)

吸収量(5年目)

プロジェクトが実施されなかった場合の吸収量との差分をCO2年間吸収量とするベースライン&クレジット方式とは異なり、施業を行った対象地でのCO2

年間吸収量を計上する方式。

※グロス- ネット方式

○持続可能な森林経営促進型プロジェクトでは主伐に応じたCO2排出量を減じます。

森林吸収クレジットの認証基準

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