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第14章 光の波動性と粒子性 - 北海道大学 · 2018. 6. 26. ·...
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第14章光の波動性と粒子性
通常「光」と呼んでいる可視光線は,電磁波の一種です。一種と言うより,周波数・波長の違いによって性格の異なる電磁波のある領域を差す概念です。
電磁波を一言で説明すると,「電気と磁気が相互に作用して発生するエネルギーの波」と言うことになります。つまり光とはエネルギーそのものです。
電磁波は周波数が低い(波長が長い)方から順に,電波,赤外線,可視光線,紫外線,X線,線に分類されます。可視光線はこの幅広い周波数帯の,ほんの僅かな帯域,およそ760nmから380nmの波長域だけを指しています。
ただし,光には波としての性質と,粒子としての性質を合わせ持っているため,昔から多くの研究者が注目し,様々な説を唱えてきました。
電磁波
光をめぐる諸説ニュートン(17世紀)は,光はまっすぐ進み,ものに当たると影を作ることから,発光体は絶えず周囲に向かって光粒子を放射すると主張した。
ホイヘンス(17世紀)は,光は交差しても素通りすることから,宇宙に一様に存在する媒質(エーテル)の中で起こる波動であると主張した。
干渉現象(ヤング:1801年,フレネル:1816年)や回折現象,偏向現象から,光の波は横波であることが判明した。
マックスウェル(1861年)は光も電磁波であることを純理論的立場から主張し,媒質中でおこる現象的波動であると提唱し,ヘルツ(1887年)がこれを実証した。
フィゾー(1849年)の回転歯車の実験より,光が有限速度であることを実証
した。物質中における光の速さは物質の屈折率に反比例することから,光も波であることが確認された。
プランクのエネルギー量子説から論を発し,アインシュタイン(1905年)が光電効果やコンプトン効果から光量子仮説を主張した。
光の性質
正反射
乱反射
反射 屈折
入射光線 反射光線
入射角 反射角
i r
入射光線 反射光線
i r
r
i
屈折光線
空気
ガラス
i = r
光が透明な媒質に直角でない角度で入射すると,境界面で屈折して進路が曲がる。また,入射光の一部は,境界面で反射する。
3本のビームが空気中から三角形のガラス片に出入るするとき,屈折をする。一番下のビームはガラスから空気への1回目の境界面に当たるとき,入射角は臨界角を超えているので内面で全反射が起こる。
ダイアモンドは屈折と内面での全反射によって輝きを生じる。ブリリアントカットでは屈折と全反射が適切に起こるように,決まった数の大小面が適当な厚みでカットされている。このような全反射の性質を利用して,長距離の光伝播を可能とした物が光ファイバーである。
全反射
光の性質
物質はそれぞれ固有の波長の光を入射すると,その一部が吸収され,より高いエネルギ状態に励起される。
吸収によって励起された物質は,保持したエネルギを光として放出する。発光は蛍光とりん光に分けられ,発光寿命は蛍光が短く,りん光は長い。
光が物質と衝突あるいは相互作用を起こすことで方向や性質が変化することを散乱という。
・レイリー散乱 光の波長よりも小さいサイズの粒子による光の散乱である。波長の短い色ほど散乱されるので,青は赤よりも多く散乱される。
・ミー散乱 光の波長よりも大きいサイズの粒子による散乱である。雲が白く見える原因となっている。
吸収と発光 散乱
分散
波長によって屈折率が異なるため,プリズムを通すことにより,様々な波長の光に分散させることができる。
光の3原色
青
赤緑
黄
シアンマゼンタ
光の3原色は赤緑青(RGB)の3つで,テ
レビの画面はこの3色で作られてるいるのがわかります。光の3原色を組み合わせると白となります。また,この補色(正反対の色)は印刷物などに使われている3原色となり,この3色を組み合わせると黒となります。
光の性質
ヤングの実験
ヤングの干渉実験は光の波動性を明らかにしたことで有名である。点光源からの光を1つ目のスリットを通して線光源に変換し,これを2つのスリットを通してスクリーンに投影すると,スクリーン上に明暗の縞模様ができるというものである。
光源の波長を,スリット間距離をd,スリットとスクリーンの距離をとすると,それぞれの光路長S1P,S2Pは三平方の定理より,
となる。がx,dに比べて充分に大き
いと光路差は,
と近似できる。E1,E2がほぼ同じだと
考えると,2つのスリットの2等分点からスクリーンへの垂線から距離xのところの光強度Iは,
となり,k = 2 / より,
となる。すなわち,干渉縞の間隔は / d で与えられることがわかる。
光源 d
x
P
S1
S2
2 21 2( )S P x d
2 22 2( )S P x d
2 1S P S P xd
1( ) cos ( )I x k xd
21( ) cosxdI x
回折格子回折格子とは,ガラスの表面に細
かな傷をつけることで狭い間隔のスリットをつけたものである。
1000本/cmm
0123
123
回折格子m
dsinm = md:回折格子の溝の間隔(1/1000 cm)m = 1, 2, 3, .....:光の波長
平面波
回折格子 回折光
d
d sinm
m
d sinmが波長の整数倍
強め合う
回折格子
平面波
回折光
d
d sinm
m
d sinmが波長の整数倍
+半波長
弱め合う
回折格子回折格子の作る干渉縞の間隔は,
dsinm = mより,波長の影響を受ける。例えば,同じ実験を赤レーザ(650nm)と緑レーザ(532nm)で行うと,波長の長
い赤レーザの方が干渉縞の間隔は広くなり,その比は波長の比となる。
白色光を回折格子を通してみると,白色光に含まれる様々な波長の光に応じて干渉縞が現れるため,写真のような虹のような干渉縞ができる。
油膜の上面と下面で反射した光の波の位相がそろっていると,強め合う干渉が起こり,観測者にはある角度と油膜の厚さに対して,決まった色の光だけが見える,2つの反射波の位相がずれていると弱め合う干渉が起こる。油膜の厚さは場所によって変わるので,様々な波長の光がカラフルな色で見える。
薄膜による干渉
760[nm]
380[nm]
450[nm]
550[nm]
650[nm]
太陽光のスペクトル
残りの光はどこへ?
拡散(乱反射)
吸収
透過
反射
だから,黒いものは暖まりやすく,白いものは暖まりにくい
なぜ色が見えるか
400 500 600 7000
20
40
60
80Chlorophyll aChlorophyll b
吸収率
[%]
葉身中のクロロフィルが青と赤の波長の光を吸収し,緑の波長の光を反射するため
400 800 1200 1600 2000 24000
20406080
100
020406080100
葉の反射率
[%]
水の吸光率
[%]
波長 [nm]
波長 [nm]
0
20
40
60
80
葉の
反射率
[%]
500 600 700 800 900波長 [nm]
植物が緑に見えるのは?