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講義資料:ロボット動力学解説短縮版大分大学工学部福祉環境工学科メカトロニクスコース
�
力学復習
� 力と運動
・ 力とニュートン力学:物体の加速度を引き起こす相互作用を力������という.力
とその力が引き起こす加速度の関係をはじめて求めたのはニュートンであり,こ
れをニュートン力学という.ただし,物体の速さが光の速さに比べて無視できな
いほどの大きさである場合には,特殊相対論が必要となり,物体が電子レベルの
大きさであるならば量子力学が必要となるが,ニュートン力学は小さな物体から
天文学的物体まで,広い範囲にわたる物体の運動まで適用できる.
・ ニュートンの第一法則:物体に作用する合力(ある物体に複数の力が作用してい
る場合,それぞれの力をベクトル的に足し合わせたものが合力である)がなけれ
ば,その物体の速度は変化しない,つまり,その物体は加速しない.物体に複数
の力が働いていても,その合力がゼロであれば,物体は加速されない.
・ 力の大きさの定義:質量 ��� の物体を加速度が ����� になるように引張る力を
大きさ �� とする.
・ ニュートンの第二法則:物体に作用する合力は,物体の質量�����と物体の加速
度の積に等しい.
amF��
=
・ 重力と重さ:重力加速度 g,重力�������������� ����� gF : mgFg = 物体の重
さ�������は,その物体が自由落下するのを防ぐために必要な力の大きさを地上
で測定したものであるので,物体に作用する重力の大きさに等しい.
・ 垂直抗力:物体がある面を押すとき,その面は(たとえ曲らないように見える面
であっても)変形し,その面に対して垂直な力でその物体を押す.
・ ニュートンの第三法則:2つの物体が相互作用するとき,それぞれの物体が他方
の物体に及ぼす力の大きさは等しく,力の向きは反対である�作用・反作用の法
則.
・ 張力��������:ひもがぴんと張られているとき,そのひもは両端で物体を引張っ
ている.その力を張力といい,ひもが物体に結びつけられた点に作用し,ひもに
沿った向きをもつ.質量のないひもの場合,ひもの両端における張力の大きさは
等しい.
・ 摩擦���������:物体を面上で滑らせると,あるいは滑らせようとすると,その運
動は物体と面の間の結合によって抵抗を受ける.この抵抗をひとつの力とみなし,
摩擦力����������� �����という.
・ 摩擦の性質:乾燥した物体を,潤滑油をぬらずに,同じ条件の表面に押し付け,
表面に沿ってこの物体を動かそうとする力 F�を加えるとき,その結果として現れ
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�
る摩擦力には,つぎの �つの性質があることが実験によりわかっている.
� 性質1)物体が動かないときは,F�の表面に平行な成分と静止摩擦力 sf
�が
釣り合う.これらの大きさは等しく sf�の向きは F
�の表面に平行な成分と反
対向きである.
� 性質2) sf�の大きさには最大値 max,sf があり,次式で与えられる.
Nf ss µ=max,
ただし, sµ は静止摩擦係数������������ �� ������ ��������であり,N は面が物体
に及ぼす垂直抗力の大きさである.F�の表面に平行な成分が max,sf よりも大きく
なると,物体は面に沿って滑り始める.
� 性質3)物体が画面に沿って滑り始めると,摩擦力の大きさは急激に減少
し,次式で与えられる kf になる.
Nf kk µ=ただし, kµ は動摩擦係数������������ �� ������� ��������である.物体が運動し
ている間は,上式で与えられる大きさをもつ摩擦力が運動を妨げる方向に働く.
また, ks µµ > とである.これをクーロン・アモントン則という.
物体の運動速度を vとしたとき,動摩擦力は次式となる.
<>−
=)0(
)0(
vN
vNf
k
kc µ
µ
また,接触面に潤滑油などがあり,物体の速度が低速の場合には,速度の大き
さと共に動摩擦の大きさが増大することが多い(ストークスの法則という).速
度と共に増加する動摩擦を粘性摩擦という.粘性摩擦が速度に比例すると仮定
max,sf
接触面がはがれて動き出す.
時間
摩擦力の大きさ
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�
すると,動摩擦力は次式のようになる.
<+−>−−
=)0(
)0(
vNDv
vNDvf
k
kc µ
µ
ただし,Dは粘性摩擦係数である.
また,一般には,つぎのような粘性摩擦力が働く.潤滑油などの媒質の密度を ρ,粘性率を µ ,抵抗係数を c,物体を半径 aの球体,その速度を vとすると,粘性
摩擦力は 22
2
16 vacva ρπµπ + となり,速度に比例する項と速度の � 乗に比例す
る項の和で表すことができる.このことから,低速では,粘性摩擦は速度に比
例し,高速では速度の �乗に比例すると近似することができる.
・ 向心力:物体が半径 Rの円または円弧にそって一定の速さ vで運動しているとき,
その物体には,円の中心向きに次式の加速度をもっていることは前述した.
R
va
2
=
この加速度による力を向心力といい,物体の質量をmとすると,次式で与えられ
る.
R
mvF
2
=
課題:平坦な道を一定の速さで高速走行中の自動車に乗り,後部座席の中央に腰
掛けているとする.運転者が突然左にハンドルをきって円弧状のコーナーを回ろ
うとするとき,後部座席の人間は座席を右に滑り,コーナリングの間ずっと自動
車のドアに押しつけられた状態になる.これを向心力を用いて説明せよ.
� 運動エネルギーと仕事
・ 運動エネルギー�������� ������:質量mの粒子が速さ v(光速より十分に小さ
い)で運動するときの運動エネルギーは次式である.
cf
v
Nkµ
Nkµ−
cf
v
Nkµ
Nkµ−
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�
2
2
1mvK =
運動エネルギーの単位は,ジュール� である.�� ����������
・ 仕事�����:仕事は,力が作用している物体へ(または物体から)移動するエネ
ルギーのことである.物体へエネルギーが移動した場合の仕事は正であり,物体
からエネルギーが移動した場合の仕事は負である.
・ 仕事の表式:直線状の運動を考える.初期時刻 0=t のときに初期位置 0x ,初期
速度 0v の物体に一定の力が働いたときの時刻 tのときの速度と加速度を各々
atv ),( とする(加速度 aは一定であることに注意).このとき,次式が成立する.
( )2
)()(
2
)()(
)(
2
)()(
2
1)()()(
)()()(
20
2
0
20
2
0
2
0000
2000
00
vtvxtxa
a
vtvxtx
a
vtva
a
vtvvxtxattvxtxatvtvtx
a
vtvtatvtvatv
maF
−=−⇒
−=−⇒
−
+−
=−⇒++=⇒+==
−=⇒+=⇒=
=
�
�
運動エネルギーの変化は次式のように書ける.
( ) ( ))0()()0()(2
1)(
2
1 20
2 xtxFxtxmamvtmv −=−=−
これから,力が物体にした仕事W は次式のように書くことができる.
))(()()( 0xtxFW −×= �������
物体が拘束されていて力の方向と移動する方向が異なるときの仕事は内積を使
って表される.
dFW��
•=ただし, d
�
は変位ベクトルである.
・ 仕事�運動エネルギーの定理:
(仕事をされた後の運動エネルギー)
=(仕事をされる前の運動エネルギー)×(正味の仕事)
・ 重力による仕事: mghW =・ バネの力がする仕事:ばねの発生する力はバネの自然長� 0=x からの変位に比
例し,方向はその逆である.これをフックの法則といい,次式のように表される.
F�
d�
θcosFddFW =•=��
θ
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!
ただし, kをバネ定数という.
kxF −=ばねの力は変位とともに変化するので,微小変位 dxにばねがした仕事 dW を考
える.
21
20 2
1
2
11
0
kxkxkxdxW
kxdxFdxdWx
x−=−=
−==
∫00 =x のとき,ばねが伸縮したことになり,そとからバネに仕事がなされたこと
を意味し, 0<W となる. 01 =x のとき,バネが自然長にもどったことになり,
バネが外に仕事をしたことを意味し, 0>W となる.
・ 変化する力がする仕事:図にように位置により力が変化する場合の仕事は積分で
表される.
たとえば前述したとおり,力による運動エネルギーの変化は次のように仕事を
意味している.
012
2
1
2
1
2
1)()(
)(
1
0
1
0
1
0
1
0
mvmvmvmvdvvdtdt
tdvmdx
dt
tdvmW
dt
tdvmmaF
v
v
x
x
v
v
x
x−=
====
==
∫ ∫∫ �次元の場合には,仕事はつぎのように線積分になる.
( ) ( ) dzFdyFdxFkdzjdyidxkFjFiFrdFWz
z z
y
y y
x
x x
r
r
r
r zyx ∫∫∫∫ ∫ ++=++•++=•= 1
0
1
0
1
0
1
0
1
0
��������
・ 仕事率�"����:力によってなされる仕事の時間あたりの割合のこと.
� 平均仕事率: t
WPavg ∆
∆=
� (瞬間)仕事率: dt
dWP =
一定の力F�が働く運動の場合の仕事率はつぎのように書ける.
x
)(xF∫=
1
0
)(x
xdxxFW
単位ワット
�# ������
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$
vFdt
rdFrF
dt
d
dt
dWP
������•=•=•==
� ポテンシャルエネルギーとエネルギー保存
・ ポテンシャルエネルギー�"�������� ������:互いに力を及ぼしあう物体で構成さ
れる系の配置や配列に関係するエネルギー(ポテンシャルエネルギーは位置のみ
の関数を意味する).系はポテンシャルエネルギーの変化 U∆ により外部(ある
物体)に仕事W をなす(系になされる仕事は W− )と考えると,次式のように
表現できる.
xFWU ∆−=−=∆極限をとると次式が成り立つ.
∫−=−⇒−= 1
001
)( x
xFdxUU
dx
xdUF
� 重力ポテンシャルエネルギー�������������� "�������� ������:
)()( 01
1
0
1
0
hhmgdhmgdhmgUh
h
h
h−==−−=∆ ∫ ∫
� 弾性ポテンシャルエネルギー�������� "�������� ������:
20
21 2
1
2
1)(
1
0
1
0
kxkxxdxkdxkxUx
x
x
x−==−−=∆ ∫ ∫
・ 保存力:ポテンシャルエネルギーによる力を保存力という.
dx
dUF −=
保存力によりなされる仕事は移動する経路によらず,始点と終点の位置にみによ
って決定される.
10 UUW −=速度に比例するような摩擦力は保存力ではない.
���������� )()(
xUdt
dxDF
dx
xdU =−=
・ 力学的エネルギーの保存:系に含まれる物体のポテンシャルエネルギーU と運動
エネルギーKの和を力学的ポテンシャルエネルギー����������� ������という.
UKEmec +=孤立した系において保存力だけがエネルギーの変化を引き起こすような場合は,
運動エネルギーとポテンシャルエネルギーは個々に変化できるが,それらの和で
ある系の力学的エネルギーは変化しない.これを力学的エネルギー保存則という.
0=∆+∆=∆ UKEmec
・ 外力が系にたいして仕事をする場合:仕事W は,系に作用する外力によって,
系に(あるいは系から)移動するエネルギーである.複数の力が系に作用してい
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%
る場合には,正味の仕事が移動するエネルギーとなる.摩擦力が含まれないとき
には,系になされる仕事と系の力学的エネルギーの変化 mecE∆ は等しい.
UKEW mec ∆+∆=∆=系の中で摩擦力が作用する場合には,系の熱エネルギー thE が変化する(熱エネ
ルギーは系の中の)原子や分子の不規則な運動に関係した量である).このとき,
系になされた仕事は次式となる.
thmec EEW ∆+∆=水平方向に一定の力 F が物体に働き,物体が水平方向に d だけ移動する間に物体
の速度が 0v から 1v に増加するとする.また、運動の間,物体は床から一定の摩擦
力 kf を受けているとする.このときの運動方程式は次式のようになる.
mafF k =−力は一定であるので,加速度も一定であることから,前述したように次式が成り
立つ.
advv 220
21 =−
これを運動方程式に代入すると,次式となる.
dfmvmvFdd
vvmfF kk +−=⇒
−=− 2
021
20
21
21
21
2
ここで,次式のようにおける(熱エネルギーが摩擦力に移動距離をかけたもので
あることは別に証明しなければならないが,手をこすると熱くなることを思い出
すことで済ませる).
thmec
kthmec
EEW
dfEmvmvEFdW
∆+∆=
=∆−=∆= 20
21 2
1
2
1,
これが摩擦がある系になされた仕事を表している.
・ エネルギー保存則:系の全エネルギー(力学的エネルギー,熱エネルギー,ある
はその他の形態の内部エネルギー)は,系に(または系から)エネルギーが移動
した量だけ変化できる.系に仕事W がなされたとき,次式が成り立つ.
���� ���������
��������
�� ��������
��������
in
th
mec
inthmec
E
E
E
E
EEEEW
∆∆∆∆
∆+∆+∆=∆=
外部とエネルギーのやりとりのない孤立系では 0=∆E である.
・ 仕事率:エネルギーが時間と共に変化するとき,つまり )(tEE = のとき,仕事
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&
率はその微分で表される.
dt
dEP =
・ 課題:ロッククライマーがロープを使って岩場を降りたとき,ロッククライマー
とロッククライマーの道具と地球から構成される系のエネルギーの移動につい
て説明せよ(岩場をおりることによりロッククライマーの重力ポテンシャルエネ
ルギーが減少するがそれはどこにいくのか).
� 粒子系:複数の粒子からなる系(粒子系)の運動を考える.
・ 質量中心:物体または物体系(複数の物体から構成される)の質量中心������� ��
����とは,あたかも,全ての質量がその点に集中し,全ての外力がその点にか
かっているような運動をする点である. n個の粒子からなる粒子系の質量中心
は次式となる.
∑∑∑∑====
====n
ii
n
iiicom
n
iiicom
n
iiicom mMzm
Mzym
Myxm
Mx
1111
,1
,1
,1
���
位置ベクトルで表記すると,つぎのようになる.
∑=
=n
iiicom rm
Mr
1
1 ��
質量が空間的に連続的に密度が一様に分布している場合は次式のようになる.
∫∫∫ === zdVV
zydVV
yxdVV
x comcomcom
1,
1,
1
注意) dVdmdVVM ρρρ == �������������� ,:
・ 粒子系に対するニュートンの第二法則:粒子系の質量中心の運動は次式で与えら
れる.
� ��������� ������ ������� com
comnet
aMF
aMF��
��=
これは,次式よりわかる.
∑ ∑
∑
∑ ∑∑
= =
=
= ==
=
=
=⇒=⇒=
n
i
n
iiii
n
iinet
n
i
n
iiicomiicom
n
iiicom
Fam
FF
amaMvmvMrmrM
1 1
1
1 11
��
����
・ 運動量とニュートンの第二法則:単一粒子の対する運動量������� ������'�
は次式で定義される.
vmp�� =
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(
粒子系の運動量は次式のようになる.
com
n
iii
n
ii vMvmpP
���=== ∑∑
== 11
これからニュートンの第二法則は運動量を使って書くと,次式のようになる.
netcom FaMdt
dP �� ==
・ 運動量保存則:系に作用する正味の外力がゼロ,つまり, 0=netF�
の場合,角運
動量は一定である.
� 回転:運動には並進運動(translation,直線運動のこと)と回転運動(rotation)があ
る.
・ 剛体�����) *�)�:各部分が互いにしっかりと結合しており,形が変形すること
なく運動する物体のこと.
・ 回転軸��������� �+��:剛体が固定軸の回りに回転しているとき,この軸のこと
をいう.
・ 回転角ラジアン���)���:半径 r,回転した円弧状の経路の弧長 s,回転角θ ��)
r
s=θ
・ 角変位:ある回転軸の回りを回転角 1θ から 2θ まで回転するとき,物体の角変位は, 12 θθθ −=∆ である.符号は反時計回りの変位を正,時計回りの回転を負と
する.
・ 角速度と角加速度:
dt
d
dt
d ωαθω == ������� ,
・ 角速度ベクトル:角速度ω自体はベクトルではない.角速度ベクトルω�は大きさは角速度と同じで方向は回転軸右手の法則方向にとる特殊なベクトルである.
ω�
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�,
・ 角速度一定の運動の場合:
2000
020
22000
2
1)(
2
1
)(22
1
ttt
ttt
αωθθωωθθ
θθαωωαωθθαωω
−=−+=−
−+=+=−+=
・ 並進運動と回転運動の関係:
22
:
ω
αω
ωθθ
rr
va
rdt
dr
dt
dva
rdt
dr
dt
dsvr
rs
r
t
==
===
===
=
����������������
�������
�����������������
・ 回転の運動エネルギーと慣性モーメント:剛体を粒子の集まりであると考えると,
剛体の運動エネルギーはそれらの粒子の運動エネルギーの和であり,次式のよう
に書ける.
22
1
2
1
2
1
2
2
1
2
1)(
2
1
2
1 ωωω IrmrmvmKn
iii
n
iii
n
iii =
=== ∑∑∑
===
ただし,すべての粒子が回転軸の回りを同じ角速度ωで回転しているとし(剛体
なのでその相対位置関係は変わらないため), ∑=
=n
iii rmI
1
2 を慣性モーメントと
いう.慣性モーメントは連続的に分布している剛体の場合には,次式のようにな
る.
∫= dmrI 2
v
θ
ta
ra
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��
・ 平行軸の定理:ある軸のまわりの慣性モーメントを求める簡易的な方法がある.
その軸に平行で距離 hだけ離れた質量中心を通るような軸の周りの慣性モーメ
ントを comI とする.もともとの軸のまわりの慣性モーメントは, 2MhII com +=
で求められる.これを平行軸の定理という.
図の□部分の質量要素の座標を ),( yx ,微小
質量を dm,回転軸からの距離を rとすると,
慣性モーメントは次式のようになる.
( ) ( )
MhI
MhbMyaMxI
dmbaydmbxdmadmyx
dmbyaxdmrI
com
comcomcom
2
2
2222
222
22
)(22)(
+=
+−−=
++−−+=
−+−==
∫ ∫ ∫∫∫ ∫
・ トルク:トルクとは、力 F�によって物体をある回転軸回りに回転また
はねじろうとする作用である. F�が回転軸からの位置ベクトルが r
�で
与えられる点に働くときのトルクは次式で与えられる.
φτ sinrFrFt ==
ただし, tF は F�の r
�に垂直な成分であり,φは r
�とF
�のなす角である.
・ 回転に関するニュートンの第二法則:
� ���������
������� ���������
� ���������
α
τατ
I
I
net
net =
これはつぎのようにしてわかる.
ααατ ImrrrmrmarFmaF
aF
tttt
tt
=====⇒= )()( 2
������� ���������
・ 仕事と回転エネルギー:回転による仕事は次式のように表せる.
∫∫ ∫ === 1
0
1
0
1
0
θ
θ
θ
θθτθ dFrdFdxW
x
x
���
回転軸
質量中心を原点
とする
h
),( yx
),( ba r
φ
F�
r�
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��
回転軸
トルクが一定の場合には,次式となる.
)( 01 θθτ −=W
さらに仕事率はつぎのようになる.
τωθθ
===dt
d
d
dW
dt
dWP
� 転がり,トルク,角運動量
・ 転がりとは:車輪が転がることは,並進(直進)と回転の合成として表される.
半径 Rの車輪が転がりながら時間 tの間に sだけ並進し,θだけ回転するとする.車輪の中心(質量中心)の並進速度を comv ,回転角速度をωとすると,次式が成立する.
RRdt
d
dt
dsv
Rs
com ωθθ
===
=
・ 転がりの運動エネルギー:右図のように静止している回転軸を地面と車
輪との接点と考えるときの,運動エネルギーは,次式のようになる.
2
2
1 ωPIK =
ただし, PI は回転軸回りの慣性モーメントであり,平行軸の定理から,
次式のように書きなおすことができる.
2MRII comP +=
ただし, comI は車輪の中心(質量中心になっている)まわりの慣性モーメントで
ある.これから,運動エネルギーは次式のように書ける.
22222
2
1
2
1
2
1
2
1comcomcom MvIMRIK +=+= ωωω
ただし, comv は質量中心の並進速度であることから,第1項が質量中心回りの回
転エネルギー,第二項が質量中心の併進エネルギーを表していることがわかる.
・ トルクのベクトルによる再定義:平面内の力 F�が原点 - に対する位置ベクトル
が r�である粒子に作用しているとき,原点 -に対して粒子に作用するトルクはベ
クトルとして,次式のように定義される.
Fr��� ×=τ
・ 角運動量:平面内の点を質量m,運動量 vm�の粒子が通過するとする.この粒子
に対する角運動量 l�
は次式で定義される.ただし, r�は粒子の位置ベクトルであ
る.
)( vrmprl�����
×=×=
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��
・ 回転に対するニュートンの第二法則の角運動量による表現:1つの粒子の場合,
トルクと角運動量には,次の関係がある.
dt
ldnet
�� =τ
これは,つぎのようにして導出できる.
( )( )
∑∑ =×=
×=
×=×=×=
×+×=
×+×=
×=
jnetj
jj
net
FrFr
Framrarm
vvarmvdt
rd
dt
vdrm
dt
ldvrml
τ��
������
�������
��
���)(
粒子系の全角運動量 L�は各粒子の和である.
∑=
=n
iilL
1
��
運動方程式は次式になる.
∑∑==
==n
iinet
n
i
i
dt
ld
dt
Ld
1,
1
�
・ 角運動量の保存:
内部から正味のトルクが働かない場合,上式から角運動量は一定になる.実は,
角運度量保存則は,自然界の基本的な保存則であり,高速の粒子や電子などのよ
うにニュートンの運動方程式が適用できないような場合にも成立する.
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��
リアプノフの安定性理論
● 非線形状態方程式
(例題)スカラー線形時不変微分方程式で平衡点の安定性を見てみよう.
(1) 安定平衡点: )0()(0)( xtxtx =⇒=�
(2) 漸近安定平衡点: )0()()()( xetxtxtx t−=⇒−=�
(3) 不安定平衡点: )0()()()( xetxtxtx t=⇒=�
● リアプノフの安定定理
=
=
))((
))((
))((
)(
)(
)(
))(()(
2
1
2
1
tf
tf
tf
tx
tx
tx
tt
nn x
x
x
xfx
�
�
�
�
�
�平衡点:その点に到達すると動かなくなる
0)( * =xf となる点 *x
安定平衡点:平衡点の近くから出発した解は,
その後もずっと平衡点の近くをうろつく.
漸近安定平衡点:平衡点の近くから出発した解
は,時間とともに平衡点に収束する.
不安定平衡点:平衡点の近くから出発した解
は,時間とともに平衡点から遠ざかっていく.
ベクトルxのスカラ値関数 )(xV のxによる微分
T
nx
V
x
V
x
VV
∂∂
∂∂
∂∂=
∂∂
�21x
リアプノフ関数とは:x∂
∂Vが連続であるベクトル xの正のスカラー値関数であり,その
時間微分が準負定� 0≤V� であるものをいう.ただし,時間微分は次式で計算できる.
))(())(())(( ������LieVLtV
dt
dVtV f
TT
xxfx
xx
x =
∂∂=
∂∂=�
t
V
0≤V�
負定:任意の 0≠x に対し
て, 0)( <xV�
準負定:任意の xに対し
て, 0)( ≤xV�
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�!
ベクトルのノルム:これを次式で定義する.これは,ベクトルの長さを意味している.
[ ] ∑=
=
==
n
ii
n
nT x
x
x
xx1
21
1 ��xxx
● 例題:非線形運動方程式の場合
� 次元方向に運動する質量 � の質点の非線形摩擦を ),( xxh � ,重力など位置のみで決まる保
存力を )(xg とすると,次式の運動方程式が得られる.
0)(),()(),( =++⇒−−= xgxxhxxgxxhx ������
これを非線形状態方程式の形で書くと,次式のようになる.
−−
=
=
=
=
)(),(
)(
121
2
2
1
2
1
xgxxh
x
x
x
x
x
x
x
�
�
�
�
xfx
x
運動エネルギーT とポテンシャルエネルギーU は次式で与えられる.
∫==x
aduugxUxxT )()(,
2
1)( 2��
ここで,保存力はポテンシャルエネルギーの変位による微分を用いて次式のように表せる.
dx
xdUxg
)()( −=−���
運動エネルギーとポテンシャルエネルギーの和をリアプノフ関数の候補V をとして,
∫+=+=x
aduugxxUxTxxV )(
2
1)()(),( 2���
リアプノフの安定定理:平衡点を 0=x とする.リアプノフ関数が存在する場合,非線
形微分方程式の平衡点は安定であり,さらに,V が負定である場合,平衡点は漸近安定
になる.特に,�条件
�� xの全域で定義できるリアプノフ関数V が存在する.
�� ∞→= xxx T2のとき, ∞→)(xV となる.
�� xの全域で 0)( <xV� であるか,
あるいは, 0)( ≤xV� かつ 0)( ≡xV� を満たすxが平衡点 0=x 以外に存在しない,
が成り立つならば,平衡点 0=x は大域的に漸近安定である.
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�$
と定義し,この微分値を計算して,準負定であることを示す.
),())()(),(()( xxhxxgxgxxhxxxgxxUTV ����������� −=+−−=+=+=したがって,次式がわかる.
�� �������������������⇒⇒> Vxxhx 0),( ��
�� ����������������������⇒⇒< Vxxhx 0),( ��
たとえば,具体的に次式のような場合を考えてみよう.
0=++ xxxx ����
この場合,リアプノフ関数は, 22
2
1
2
1xxV += � である.その微分値は次式となる.
���!����!"!"#$�!%���� 000:02 ==≠≤= VxxxxV �����
したがって,V は時間に関して非増加であるので, xx �, ともに有界(有限の値のこと)で
あることがわかる.また, 0≠x� である限り,V は減少するので, ∞→t で 0≡x� となる.
さらに, 0≡x� のとき,微分方程式の解は, 0≡x に限られるので,次式が成り立つことに
なる.
0)(lim,0)(lim ==∞→∞→
txtxtt
�
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�%
ラグランジュの運動方程式とロボットダイナミクス
● ラグランジュの運動方程式
(詳細は,���".�������*,/���/����0'/��/1"�2����'����*��/")�を参照のこと)
� 一般化座標: [ ]Tnqq �1=q ;ロボットの並進変位や回転角を一般化したもの
� 一般化速度: [ ]Tnqq ���� 1=q ;一般化座標の時間微分
� 運動エネルギー関数: ),( qq �T ;並進,回転などの運動エネルギーの総和
� ポテンシャルエネルギー: ),( tU q ;ポテンシャルエネルギーの総和
関節型ロボットではポテンシャルエネルギーは時間に陽に依存せず,一般化座標のみ
に依存するので, )(qU と書け,これを位置エネルギーと呼ぶ.
� 損失エネルギー: )(q�D ;摩擦熱などの損失エネルギーの総和
� 一般化力: [ ]Tnuu �1=u ;各一般化座標 nqq ,,1 � 方向へ働くポテンシャル力
kq
U
∂∂− 以外の力
� 一般化運動量:q
p�∂
∂= T;並進系の運動量 xmxm
xd
dp ��
�=
= 2
2
1を一般化したもの
� 機械系と電気系の例:
一般化座標 一般化速度 一般化力 運動エネルギー 位置エネルギー
機械系
�並進位置 x 速度 x� 力 f 2
2
1xm� 2
2
1Kx
機械系
�回転回転角θ 角速度θ� トルクτ 2
2
1 θ�I 2
2
1 θK
電気系
�電圧�力対応電荷 q 電流q� 電圧 v 2
2
1qL � 2
2
1q
C
電気系
�電流�力対応磁束密度φ 電圧φ� 電流 i 2
2
1 φ�C 2
2
1 φL
ラグランジュの運動方程式:
成分表現: niuq
U
q
D
q
T
q
T
dt
di
iiii
,,1, ���
==∂∂+
∂∂+
∂∂−
∂∂
ベクトル表現: uqqqq=
∂∂+
∂∂+
∂∂−
∂∂ UDTT
dt
d��
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�&
� 直線座標系の成分と一般化座標系の成分の変換:
直線座標系の成分;
=
nx
x
�
1
x 一般化座標系の成分;
=
nq
q
�
1
q
座標変換式を一般に次のように書くことにする.
)(qxx =xのqに関する偏微分を行列として,次式のように定義する.
∂∂
∂∂
∂∂
∂∂
∂∂
∂∂
∂∂
∂∂
∂∂
=∂∂
n
n
nn
n
n
q
x
q
x
q
x
q
x
q
x
q
xq
x
q
x
q
x
�
����
�
�
21
22
2
2
1
11
2
1
1
qx
これから次式が成り立つことがわかる.
TT
j
i
j
i
TT
q
x
q
x
dt
d
dt
d
∂∂=
∂∂⇒
∂∂
=∂∂
⇒
∂∂=
∂∂==
qx
qx
qqxq
qxx
x�
�
�
���
たとえば,次のような例がある.一般化座標として �次元極座標をとる場合は,つぎ
のような座標変換になる.
θϕθφθϕθφθϕθ
cos),,(
sinsin),,(
cossin),,(
33
22
11
rrxx
rrxx
rrxx
======
� 一般化力の導出:
・ ポテンシャル力の場合:
ポテンシャルエネルギーU を直交座標系で表したものと一般化座標で表したも
のを,各々, )(xU , )(qU と表すこととすると, )()( qx UU = である.
直交座標系におけるポテンシャル力は次式で与えられる.
xx
f∂
∂−= )(Up
一般化座標系におけるポテンシャル力(一般化力)は次式となる.
f∂
∂−= )(~ Up
この �つの力には,次式の関係が成り立つ.
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�(
pp
UUf
qx
xqx
qf
∂∂=
∂∂−
∂∂=
∂∂−=~
・ 粘性摩擦力の場合:
損失エネルギーDを直交座標系で表したものと一般化座標で表したものを,各々,
),(),( qqx �� DD とおく.損失エネルギー
=ΣΣ=
n
dd
d
d
D
00
00
00
,2
11
��� xx
による力(摩擦力)は次式のようになる.
xx
f ��
dd
D Σ−=∂∂−=
一般化力は次式のようになる.
qxqx
fqx
f���
�
∂∂−=
∂∂−
∂∂=
∂∂= DD
dd
~
・ 外力の場合:
直交座標系における外力を uf とおくと,一般化力は次式で与えられる.
( )�&�ufqx
f =
∂∂= uu
~
� 直交座標系の運動方程式から一般化座標系の運動方程式の導出する:
直交座標系における運動エネルギー次式で与えられる.
==
n
T
m
m
MMT
00
00
00
,2
11
��� xx
直交座標系における運動量は次式となる.
xx
p ��
MT =∂∂=
また,一般化運動量は次式のようになる.
xqx
xqx
xqx
qp �
���
�
�M
TTT
∂∂=
∂∂
∂∂=
∂∂
∂∂=
∂∂=~
上式の時間微分がラグランジュの運動方程式の左辺第 �項である.そこで,これを計
算してみよう.
xqx
xqxp
q���
�M
dt
dM
dt
dT
dt
d
∂∂+
∂∂==
∂∂ ~
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�,
直交座標系のニュートンの運動方程式は,次式のようになる.
udpM fffx ++=��
これから,上式右辺の第1項は次式のようになる.
uqq
ffffffqx
xqx +
∂∂−
∂∂−=++=++
∂∂=
∂∂
���
DUM udpudp
~~~)(
第 �項を計算するためには,次式が必要である.
∂∂=
∂∂∴
∂∂
=
∂∂
∂∂=
∂∂∂
=∂∂
∂∂
=
∂∂=
∂∂==
∑∑
∑
==
=
qx
qx
qqxq
qxx
x
dt
d
q
x
dt
d
dt
dq
q
x
qdt
dq
x
q
x
q
dt
dq
q
xx
dt
d
dt
d
i
jkn
k i
j
k
n
k
k
ik
j
i
j
i
n
k
k
k
jj
TT
�
�
�
��
11
2
1
�'(���!���)������*
これから第 �項はつぎのように変形できる.
qxqx
xqx
∂∂=
∂∂
∂∂=
∂∂ TT
Mdt
d�
��
● �リンクロボットマニピュレータの運動方程式
鉛直方向(下向きに重力)に立っている 2 リンクロボットマニピュレータの運動方程式
を導出する.鉛直軸から時計回りに計った各リンクの角度 21 , qq を一般化座標とすると,第1リンクの重心の位置と重心回りの慣性モーメントは次のようになる.
2110
2
11111111 3
1
22,cos,sin
1
lmdrrl
mIqlyqlx
l
∫ ====
11 q=θ
2θ2q
1τ
2τ
������������
����������������
������������
������
�������
������������
����������
i
i
i
i
i
i
i
D
I
l
l
m
2
θτ
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��
第 2リンクの重心の位置と重心回りの慣性モーメントは次のようになる.
22222211222112 3
1,coscos2,sinsin2 lmIqlqlyqlqlx =+=+=
ポテンシャルエネルギー,運動エネルギーはつぎのように与えられる.
[ ]
qqq ��
�
���
����
������
)(2
1
)cos(
)cos(
2
1
)cos(2
1
2
12
1)(
22
1)(
2
coscos)2(
2
1
212
12121
1221222
211
222
22
22
2211
21
21
1
22211212211
H
q
q
Jqq
qqJqq
qqqqqJqJ
qIyxm
qIyxm
T
qglmqglmmgymgymU
T=
−
−=
−++=
+++++=
++=+=
ββ
β
ただし, 21222222
212111 2,,)4( llmlmIJlmmIJ =+=++= β とする.運動エネルギーの式
の右辺第 1 項,第 3 項は重心の運動エネルギー,第 2 項,第 4 項は重心周りの回転エネルギーであることに注意する. 粘性摩擦力は各関節の相対角速度に比例するので,損失エネルギーは次のようになる.
( ) [ ] qq ���
������ d
T
q
q
DD
DDDqqqqDqDD Σ=
−
−+=−+=
2
1
2
1)(
2
1
2
1
22
22121
2122
211
外力として,モータの発生トルクが与えられている.これと一般化力との関係について考えてみよう.モータの発生トルクに対応する一般化座標は,2つの関節間の時計回りに計った相対的な角度 21 ,θθ である.これと現在とっている一般化座標 21 , qq の関係は,つぎのようになる.
12211 , qqq −== θθ このとき,次式が成り立つ.
1,0,1,12
2
2
1
1
2
1
1 =∂∂
=∂∂
−=∂∂
=∂∂
qqqq
θθθθ
したがって,前に述べたように, 21 , qq に対する一般化力 21
~,
~ff は 21 ,θθ に対する一般化力
21 ,ττ との関係は,次式のようになる.
22
22
2
112
211
22
1
111
~
~
τθτθτ
ττθτθτ
=∂∂
+∂∂
=
−=∂∂
+∂∂
=
qqf
qqf
以上の式をラグランジュの運動方程式に代入して,行列形式で表現すると,次のようになる.
−=
+−
−
−++
−
−+
−
−
2
21
222
1121
2
1
22
221
2
1
12
21
2
1
212
121
sin
sin)2(
0)sin(
)sin(0
)cos(
)cos(
τττ
ββ
ββ
qglm
qglmm
q
q
DD
DDD
q
q
q
q
Jqq
qqJ
�
�
�
�
��
��
さらに,上式を関節 21 ,θθ に対する運動方程式に変形すると,次式となる.
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��
=
+
+++−
+
+−+
+
+++
2
1
2122
21221121
2
1
2
1
22
1
22221
2
1
222
22221
)sin(
)sin(sin)2(
0
0
sin
sin)2(
cos
coscos2
ττ
θθθθθ
θθ
θθβθθθθβ
θθ
θβθβθβ
glm
glmglmm
D
D
JJ
JJJ
�
�
�
���
��
��
● ロボットダイナミクスとリアプノフ関数
関節型ロボットの場合,運動エネルギーと損失エネルギーは次式のように表される.
qqqqq ���� DDHT T
2
1,)(
2
1 ==
ただし, )(qH は一般化された慣性行列である.このとき,
qqq
��
)(HT =∂∂
が成り立つことから,ラグランジュの運動方程式は次式のようになる.
�
qqqqq =
∂∂++
∂∂−+ U
DT
HH ����� )()(
ここで,次式が成り立つ.
∂∂
∂∂
=∂∂
q
q
q��
�
��
1
1
)(
)(
2
1
q
H
q
H
T
T
T
また,これから次式が成り立つこともわかる.
qqqqq
qqq
q
q
q
q ��������
��
�
��
�� )(2
1)(
2
1)(
2
1
)(
)(
2
1
1
1
1
Hdt
dH
q
Hq
q
H
q
H
T TTn
i ii
T
T
T
TT ==
∂∂=
∂∂
∂∂
=∂∂ ∑
=
リアプノフ関数の候補を次式のようにおく.
)()(2
1qqqq UHV += ��
リアプノフ関数の時間微分は次式のようになる.
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��
)(
)(2
1)(
)(2
1)(
qqq�
qqqq
qqqqqq
+−=
∂∂++
+
∂∂−−
∂∂+−=
∂∂++=
��
��������
��������
D
UH
UD
TH
UHHV
T
T
TT
T
TT
ここで,入力トルクを次式で与えるのが,PIDコントローラである.
{ }∫ −−+−= − qqqqq� �drir TdTK τ)()( 1
ただし, di TTK ,, は対角行列であるPIDゲイン行列であり, rq は目標関節角である.
(上式での計算上の注意)
スカラーの転置は等しい.
qqq
q ���
TT
TT UUU
∂∂=
∂∂=
∂∂
�次形式はスカラー値関数: xx QT���2
正定値行列:
��(�����������+��
*�(��������,����- ��
0
00
≥>≠
xx
xxx
Q
QQT
TT
正定値行列の微分:
)()()()()()(2
)()()()()()()()()()()()(
)()()(
ttQtttQt
ttQtttQtttQtttQtdt
d
ttQt
TT
TTTT
T
xxxx
xxxxxxxx
xx
��
���
+=
++=
����