必修新演習 夏期テキスト 中3数学 正負の数・式の計算 · 2016-06-30 · はじめに 学習内容・補足事項 必修新演習 夏期テキスト 中3数学
必修新演習 夏期テキスト 中2数学 式の計算⑴...はじめに...
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はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント
1
例題 1 項をまとめる 1▷ 2x2 - 5x + x2 - 3x = 2x2 + x2 - 5x - 3x =(2+ 1)x2 +(- 5- 3)x = 3x2 - 8x x2 と x は文字の種類は同じだが,次数がちがうので同類項ではない。
例題 2 多項式の加法と減法 理解 2▷ (7x + 2y)-(3x - y) = 7x + 2y - 3x + y = 7x - 3x + 2y + y =(7- 3)x +(2+ 1)y = 4x + 3y かっこの前の符号が負のときは,かっこのはずし方に注意する。
例題 3 多項式と数の乗法 理解 3▷ - 2(x - 3xy) =(- 2)× x-(- 2)× 3xy =- 2x + 6xy
▷ (8a - 12b)×
= 8a × - 12b × = 2a - 3b
例題 4 多項式と数の除法 理解 4
▷ (9x - 12y)÷ 3
=(9x - 12y)×
= 9x × - 12y ×
= 3x - 4y 分数でわるときは逆数を使って乗法になおすので,整数でわるときと同様に逆数を使って
乗法になおした方が,考え方を統一できる。
例題 5 かっこのある式の計算 理解 5▷ 3(2a - b)- 2(a- 3b) = 6a - 3b - 2a + 6b = 6a - 2a - 3b + 6b = 4a + 3b かっこをはずすときの符号に注意する。
例題 6 分数の形の式の計算 理解 6
▷ -
= -
=
=
=
6をかけて分母をはらう生徒が多いので, 方程式との違いをしっかりと理解させたい。 途中式をしっかりと書くように指導する。
加法の交換法則
分配法則
ひく方の多項式の各項の符号を変えてかっこをはずす
分配法則
分配法則
14 分配法則1
414
わる数の逆数をかける13
分配法則13
13
分配法則
4x - 2y3
x - 3y2
2(4x - 2y)6
3(x - 3y)6
分母の最小公倍数である 6で通分
2(4x - 2y)- 3(x - 3y)6 分子のかっ
こをはずす8x - 4y - 3x + 9y6
5x + 5y6
〈導入〉 この課では,同類項の計算,式の加法と減法,分配法則を使った計算の復習内容を扱う。 分配法則においては既に中学 1年で学習し,頻繁に扱ってきた計算方法であることから,多くの生徒が取り組みやすい内容であるので指導もしやすいであろう。 一方,式の加法・減法においては,まず途中式を丁寧に書くことを再認識させ,特に式の減法ではかっこをはずすときにかっこの中のそれぞれの項の符号が変わることを強調してから指導したい。特に分数式の計算においてはあらゆる誤答も予想される。ありがちな誤答例も考えさせながら1つ1つ丁寧に進めていきたい。
〈要点〉例題 1・同類項…文字の部分が同じである項・同類項のまとめ方…加法の交換法則,分配法則を使う。・加法の交換法則… a+ b= b+ a・分配法則…mx+ nx =(m+ n)x
例題 2・かっこのはずし方 a+(b+ c)= a+ b+ c a -(b+ c)= a- b- c
例題 3・分配法則を用いる。 数×多項式 a(b+ c)= ab + ac 多項式×数 (a+ b)× c= ac + bc
例題 4・多項式÷数
(b+ c)÷ a=(b+ c)×
= +
わる数の逆数をかける。
例題 5・かっこをはずすときに分配法則を使う。
例題 6・分母にある数の最小公倍数で分母をそろえて計算する。
1a
ba
ca
【指導のねらい】★式の加法・減法の計算の仕方を身につける。★分配法則を利用した多項式の計算の仕方を身につける。
◆指導ページ P.2 ~ 7 ◆
式の計算⑴
<別解 >
▷ -
= (4x - 2y)- (x- 3y)
= x- y- x + y
= x - x - y + y
= x + y
4x - 2y3
x - 3y2
13
12 (4x - 2y)÷ 3
=(4x - 2y)× 1343
23
12
32
86
36
46
96
56
56
はじめに 学習内容・補足事項
必修新演習 夏期テキスト 中2数学 指導のポイント
2 式の計算⑵【指導のねらい】★式の乗法・除法の計算を正確に処理できるようにする。★式の値の計算の仕方を理解する。
例題 1 単項式の乗法 1▷ (- 3a)2
=(- 3a)×(- 3a) =(- 3)×(- 3)× a× a = 9a2
指数法則を説明する場合,am × an = am+ n,(am)n = amn のように文字で説明する前に,a2 × a3 =(a× a)×(a× a× a)= a5,(a2)3 =(a× a)×(a× a)×(a× a)= a6 など,具体的な数字で示した方がより理解しやすい。
例題 2 単項式の除法 2
▷ x2y ÷(- xy) = x2y ×(- ) =-
=- 2x 1つの分数にまとめる際,負の符号は分数の前に出しておくとよい。
xy の逆数を 3xy としないように注意する。その際, xy = であることを説明するとよい。
例題 3 乗法と除法の混じった計算 理解 3▷ a× b2 ÷ ab
=
=
= b
例題 4 式の値① 理解 4▷ x=- 2,y= 5のとき,- 3x + 2y の値を求めよ。 - 3x + 2y =- 3×(- 2)+ 2× 5 = 6+ 10 = 16 負の数を代入するときは,かっこをつけて代入することに注意する。
例題 5 式の値② 理解 5▷ x= 8,y=- 2のとき,xy2 と 6xy2 ÷(- 2xy)の値を求めよ。 xy2 = 8 ×(- 2)2 = 8 × 4 = 32 6xy2 ÷(- 2xy)
=-
=- 3y =- 3×(- 2)= 6
例題 6 等式の変形 理解 6▷ 3x + y = 7 を x について解け。 3x + y = 7
3x =- y+ 7
x =
それぞれの項を 3でわって,x=- + としてもよい。
係数の積に文字の積をかける
23
13 除法は乗法になおす2
33xy 1 つの分数にまとめる2× x × x × y × 3
3 × x × y数や文字を約分する
13
13
xy3
除法は乗法になおし,1つの分数にまとめるa× b2aba × b × ba × b 数や文字を約分する
6xy22xy
両辺を 3でわる
yを移項する
- y+ 73
y373
〈導入〉 この課では,式の乗法・除法と式の値を扱う。 式の乗法・除法においては,計算結果の正負の符号,指数の扱い方,文字の約分方法など,間違いがおきやすい箇所がいくつもある。計算ミスを少なくするために,①計算結果の正負の符号を判断する。②除法は乗法になおす。③ 1つの分数にまとめる。④数や文字を約分する。など,考え方や解き方の方針をできるだけ統一して問題を解くとよい。 式の値においては,式をできるだけ簡単にしてから値を代入することを強調して指導したい。その際,式に直接代入した場合と,式を簡単にしてから代入した場合の両方を解かせ,どちらが早く正確に処理できるかを実感させるのもよいだろう。
〈要点〉例題 1・単項式の乗法…係数の積に文字の積をかける。
例題 2・単項式の除法…わる数の逆数をとって,乗法になおして計算する。
例題 3・単項式の乗除
A× B÷ C=
A÷ B× C=
A÷ B÷ C=
例題 4,例題 5・式の値…式を簡単にしてから数を代入する。負の数を代入するときはかっこをつけて代入する。
例題 6・等式を x=〜の形にするとき,その等式を xについて解くという。
ABCACBABC
◆指導ページ P.8 ~ 13 ◆
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3 連立方程式⑴【指導のねらい】★連立方程式を加減法または代入法で解く手順を身につける。★かっこや分数,小数をふくむ連立方程式を正確に処理できるようにする。
例題 1 加減法 1▷ 次の連立方程式を加減法によって解け。 2x + 4y = 8 ……① 3x - 7y =- 1 ……② xを消去した ……③ ③を①に代入して, 2x + 4 = 8 これを解いて,x= 2 よって,x= 2,y= 1 答えは,(x,y)=(2,1)の書き方もある。
例題 2 代入法 2▷ 次の連立方程式を代入法によって解け。 x= y+ 1 ……① - x+ 2y = 0 ……② ①を②に代入して, -(y+ 1)+ 2y = 0 xを消去した - y - 1 + 2y = 0 y = 1 ……③ ③を①に代入して,x= 1+ 1= 2 よって,x= 2,y= 1
例題 3 かっこをふくむ連立方程式 3▷ 次の連立方程式を解け。 2x + y = 3 3x - 2(x + y)= 4 かっこをはずして整理すると, 2x + y = 3 ……① x- 2y = 4 ……② xを消去した ……③ ③を②に代入して,x- 2×(- 1)= 4 これを解いて,x= 2 よって,x= 2,y=- 1 かっこをふくむ連立方程式は,かっこをはずし,整理してから解く。
例題 4 係数に分数をふくむ連立方程式 4▷ 次の連立方程式を解け。 3x + y = 18 ……①
x+ y= 6 ……②
……③ ③を①に代入して,3x + 6 = 18 これを解いて,x= 4 よって, x = 4,y = 6 ②で右辺を 6倍するのを忘れて,3x + 4y = 6 とする生徒が多いので注意する。
例題 5 係数に小数をふくむ連立方程式 5▷ 次の連立方程式を解け。 4x - y =- 2 ……①
0.2x + 0.1y = 0.8 ……②
……③ ③を①に代入して,4- y=- 2 - y=- 6 y= 6 よって, x = 1,y = 6
①× 3 ②× 2
6x + 12y = 24- 6x - 14y =- 2
26y = 26y = 1
加減法① ②× 2
2x + y = 3- 2x - 4y = 8
5y =- 5y =- 1
12
23
②の両辺 6倍する① ②× 6
3x + y = 18- 3x + 4y = 36
- 3y =- 18y = 6
②の両辺 10 倍する① ②× 10
4x - y =- 2+ 2x + y = 86x = 6x = 1
〈導入〉 この課では,簡単な連立方程式の計算から,かっこや分数,小数をふくむやや複雑な連立方程式の計算までを扱う。 加減法・代入法のどちらも 1つの文字を消去することに変わりはないが,各問題において加減法と代入法のどちらで解く方が適切かを見抜くことは,早く正確に解くことにつながる。 したがって,明らかに代入法の方が早く解けるであろう問題を加減法で解いている場合や,その逆のときは,適切な解き方を一言助言するとよい。 また,係数に分数をふくむ連立方程式では分母をはらうことができるので,1課の分数式の通分計算との違いをここで再度説明するのもよいだろう。
〈要点〉例題 1・加減法…左辺どうし,右辺どうしを加えたりひいたりして,1つの文字を消去して解く方法。
例題 2・代入法… y=〜 ,または x=〜の式を他の式に代入して,1つの文字を消去して解く方法。
例題 3・かっこのはずし方…分配法則を使う。
例題 4・分数をふくむ連立方程式…両辺に分母の最小公倍数をかけて分母をはらう。
例題 5・小数をふくむ連立方程式…両辺を10 倍,100 倍,…して,係数を全部整数にする。
◆指導ページ P.14 ~ 19 ◆
はじめに 学習内容・補足事項
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4 連立方程式⑵【指導のねらい】★A= B= Cの形の連立方程式の解き方を理解する。★連立方程式を利用した文章題の解き方を理解する。
例題 1 A= B= Cの形の連立方程式 1▷ x+ y=- x+ 7y = 4 x+ y= 4 ………① - x+ 7y = 4 ……②
……③ ③を①に代入して, x + 1 = 4 x = 3 よって,x= 3,y= 1
A= B= Cの連立方程式は,㋐ ㋑ ㋒ のどれを利用しても
よいので,解きやすいものを選択する。
例題 2 代金の問題 理解 2▷ 1 個 30 円のみかんと 1個 80 円のりんごを合わせて 20 個買ったら,代金は 900 円であった。みかんとりんごをそれぞれ何個買ったか求めよ。 みかんを x個,りんごを y個とすると, x+ y= 20 個数の関係 30x + 80y = 900 代金の関係 これを解くと,x= 14,y = 6 これらは問題に適している。 よって,みかん… 14 個,りんご… 6個
例題 3 速さの問題 理解 3▷ A地から B地を通ってC地へ行く道のりは 12 km である。ある人が歩いてこの道をA地からC地まで行くのに,A地からB地までは時速 4 km,B地から C地までは時速 5 kmで歩いて,全体で 2時間 30 分かかった。,A地からB地までの道のりと,B地から C地までの道のりをそれぞれ求めよ。 A地からB地までの道のりを x km,B地から C地までの道のりを y kmとすると,
x+ y= 12 歩いた道のり
+ = かかった時間
これを解くと,x= 2,y= 10 これらは問題に適している。 よって,A地からB地までの道のり… 2 km,B地から C地までの道のり… 10 km
例題 4 割合の問題 理解 4▷ ある中学校の今年度の入学者数は,昨年度の入学者数と比べて 4人増加し,279 人であった。これを男女別にみると,昨年度より男子の人数は 6 %増加し,女子の人数は 4 %減少した。今年度の入学者の男子と女子の人数をそれぞれ求めよ。 昨年度の入学者の男子を x人,女子を y人とすると, もとの量(昨年度)を x,yとおく x+ y= 279 - 4 0.06x - 0.04y = 4 これを解くと,x= 150,y = 125 今年度の入学者数は, 男子が 150 ×(1+ 0.06)= 159(人) 女子が 125 ×(1- 0.04)= 120(人) これらは問題に適している。 よって,男子… 159 人,女子… 120 人
計算が大変ではあるが, を解いてもよい。
A=C B=C
① ②
x+ y= 4+ -x+ 7y = 4
8y = 8y = 1
A=B A=C
A=B B=C
A=C B=C
x4y552
男子 女子 合計昨年度の入学者(人) x y 279 - 4増えた人数(人) 0.06x - 0.04y + 4今年度の入学者(人) 1.06x 0.96y 279
x + y = 275 1.06x + 0.96y = 279
〈導入〉 この課では,A= B= Cの形の連立方程式の計算と,代金,速さ,割合などの連立方程式を利用した文章題を扱う。 文章題においては,代金の問題は比較的易しいと感じる生徒は多いが,速さ,割合においては多くの生徒が苦手とする内容である。 文章題を苦手とする生徒は,連立方程式の立式において,何と何が等しいかを見抜けないことが多い。 指導する際は,立式に重点を置き,文章を正確に読み取らせながら,数直線,図,表などに読み取った情報を書き込み,その中から等しい数量間の関係を見つけ出すことを丁寧に指導するとよい。 また,速さの問題においては,等しい数量間の関係を見つけ出すと同時に,単位がそろっているか(kmであるのかmであるのか,あるいは時間であるのか分であるのかなど)も確認する必要がある。
〈要点〉例題 1 ・A= B= Cの連立方程式の解き方
㋐ ㋑ ㋒
・㋐,㋑,㋒のどの連立方程式を解けば一番計算が楽かを考えて解く。
例題 2・文章題を解く手順 ①何を x,yとおくかを決める。 ② 数量間の等しい関係を 2つ見つけて,x,yの連立方程式をつくる。
③連立方程式を解く。 ④解が問題に適するかを確かめる。
例題 3・速さ・道のり・時間の関係… (速さ)=(道のり)÷(時間) (道のり)=(速さ)×(時間) (時間)=(道のり)÷(速さ)
例題 4・増減の問題…次の①,②についての方程式を連立させると計算が簡単になることが多い。 ①もとの量について ②増えた量について
A=B A=C
A=B B=C
A=C B=C
◆指導ページ P.20 ~ 25 ◆
時速 4 km
A B Cx km y km
時速 5 km
12 km