BUDAPEST STYLE ブダペストスタイル...070 Budapest STYLE Copyrigh 2017 ETRO Al ight eserved...

ブダペストスタイル BUDAPEST STYLE

070 Budapest STYLE Copyright © 2017 JETRO All rights reserved

ハンガリーの概要

名称：ハンガリー面積： 9 万3,000km2（北海道より少し大きい程度）人口：983万人（2016年 1 月 1 日）民族：ハンガリー（マジャル）人（85.6％）・ロマ系（3.2％）・ドイツ系

（1.9％）・ルーマニア系（0.36％）・スロバキア系（0.35％）（出所　2011年国勢調査）

宗教：カトリック（39％）、カルヴァン派（11.6％）、その他（4.1％）　　　無宗教（18.2％）、無回答、回答控えるとした人（27.2％）

（出所：2011年国勢調査）公用語：ハンガリー語（マジャール語）首都：ブダペスト通貨：フォリント（Forint、HUF）名目 GDP：1,096億7,420万ユーロ（2015年）（ユーロスタット）一人当たり GDP：11,100ユーロ（2015年）（ユーロスタット）付加価値税（VAT）：27％政治：議会民主主義　（ 1院のみ　定数199、選挙は原則 4年毎）国家元首：アーデル・ヤーノシュ大統領首相：オルバーン・ヴィクトル　議会政党：与党⇒フィデス（FIDESZ）、キリスト教民主国民党（KDNP）

野党⇒ヨッビク（Jobbik）、ハンガリー社会党（MSZP）、政治の新しい形（LMP）

国際組織加盟状況：国際連合（1955年）、NATO（1999年）、EU（2004年）経済：経済規模は、32.2兆フォリント（2015年）と、四国全体を若干上回る

程度。国内ではブダペスト市および周辺、オーストリアに近い北西部が所得が高く、北部、東部、南部は所得が低い。経済は典型的な輸出依存型で、対EU貿易が全体の 8割弱を占める。鉱工業生産、輸出においては、自動車産業の占める比率が最も高い。エネルギー資源は乏しく、ロシアへの依存が高い。（出所：ハンガリー中央統計局、欧州統計局）　

産業：・鉱工業22.9％・サービス54.2％・建設　3.7％・農業　3.0％

ブダペストの概要

人口：1,759,407人。うち男815,896人、女943,511人（2016年 1 月 1 日）、ブダペストの人口密度（ 1 km²あたり）3,350人。（全国では2,809人）、ブダペスト首都圏（通勤圏）も入れると、人口は約300万人。

面積：525km2

名目 GDP：385億2,781万ユーロ（2014年）（国全体の37.28％）一人当たり GDP： 2 万2,200ユーロ（2014年）（全国平均の209.8％）

平均所得：993ユーロ（2014年）（全国平均の131.7％）地理：国の南北にドナウ川が流れ、全般的に川の西側はなだらかな丘陵が多

く、東側は一部の地域を除き平原が広がる。西側を「ブダ」、東側を「ペスト（ペシュト）」と呼ぶ。行政区分では、23区（I－XXIII）からなる。

歴史：歴史上、統一国家としての建国（ハンガリー王国）は西暦1,000年である。1867年 -1918年は「オーストリア・ハンガリー二重帝国」を形成し、現在のスロバキア、チェコ、クロアチア、ルーマニア、ウクライナなどの一部を支配下に納めるほどの勢力を誇ったが、第 1次世界大戦敗退後のトリアノン条約締結で、領土の約 3分の 2を失った。第2次世界大戦後は、社会主義労働者党一党支配時代となり、ソビエト連邦の率いる共産圏に属した。1989年に自由選挙に基づいた民主国家へ体制転換し、今日に至る。人口は983万人。1980年前後の1,070万人をピークに減少を続けるが、現政権は多くの手厚い家族優遇政策でその転換を図っている。ハンガリーは、もともとローマ領だったのが 4世紀にフン族（北アジアの遊牧騎馬民族）が侵入した歴史を持つため、先祖にはアジアの血が混じるとされる。ブダペスト市（ハンガリー語はブダペシュト）の歴史は、ローマ帝国のパンノニア属州の北東端にあった古代都市アクインクムとして入植が進んだことに遡る。町はもともと「ブダ」、「オーブダ」、「ペスト」に分れていたが、1873年に合併し現在に至る。第一次世界大戦までは、オーストリア＝ハンガリー二重帝国におけるウィーンに次ぐ第 2の都市であった。ブダペスト市はハンガリーにおいて政治、経済、教育、文化などすべての中心であり、他の地方都市を圧倒している。

概況 OVER VIEW01

01 概況 OVER VIEW

071Budapest STYLECopyright © 2017 JETRO All rights reserved

I.

II.

III.

IV.

V.VI.VII.VIII.

IX.

X.

XI.

XII.

XIV.

XV.

XVI.

XVII.

XVIII.

XIX.XX.

XXI.XXII.

XXIII.

XIII.

2区、12区高級住宅街13区オフィス街

5区北部

5区南部 6・7・8区一部（ユダヤ人街パーティー街）

1区王宮地区

6区アンドラーシ通り周辺

環状大通り

I.

II.

III.

IV.

V.VI.VII.VIII.

IX.

X.

XI.

XII.

XIV.

XV.

XVI.

XVII.

XVIII.

XIX.XX.

XXI.XXII.

XXIII.

XIII.

2区、12区高級住宅街13区オフィス街

5区北部

5区南部 6・7・8区一部（ユダヤ人街パーティー街）

1区王宮地区

6区アンドラーシ通り周辺

環状大通り

ンなオフィスビルが建ち並ぶ。 5区中心部よりは駐車場も含めて広いスペースを確保でき、駐車場も賃貸料も安く、交通の便も良いからである。また、手頃な価格の新築集合も多い。

2 区、12区これらの区は、高級住宅街として知られる。緑豊かな緩やかな丘が連なり、ブダペスト市内を一望できる斜面に建つ住宅は、特に高級とされる。外国人駐在員家族が多く住み、日本人学校の他、米国、英国、オーストリア、ドイツ系の国際学校は、この地域に集中する。ブダペスト市の中で、モノ、サービス料金が最も高いのは、これらの区と、外国人観光客、ビジネスパーソンが多い 5区である。

6 区、 7区、 8区の一部 6 区、 7 区、 8 区の一部は、第 2 次大戦前後の荒廃した趣を残しながら、再開発が進む独特の雰囲気を持つ。 5区やアンドラーシ通りに見られる高級路線、重厚な伝統美、グローバルなコマーシャリズムとは一線を画し、サブカルチャー、アンダーグラウンド的。戦時中はユダヤ人の強制居住地区（ゲットー）で、ヨーロッパ最大のシナゴーク（ドハーニ通り）があることなどから、「ユダヤ人街」と呼ばれる。この地区の代表的な通りであるキラーィ通り、ドブ通り、ドハーニ通りなどは、個性豊かでこだわりのレストラン、ワインバー、パブ、小物店が軒を連ねる。レストランが集まる「ゴジュドゥ・ウドゥヴァール」、フードワゴンが集結する「ストリートフード・カラヴァーン」もこの地区。さらに、近年は観光客にも人気の「廃墟パブ」（今にも崩壊しそうな古い建物を改装せずにわざと活かしたパブ）もこの地区に集中する。ナイトライフの中心地でもあるため、「パーティー街」とも言われる。

13区 20世紀には国内でも重要な工業の中心地の 1つであったが、1989年の体制転換以降は工場の数は減り、商業が急速に発展した。現在ではヴァ―ツィ大通り（Vaciut）とその周辺は、モダ

ブダペスト市人口（2016年 1 月 1 日）

0 ～14歳 15～64歳 65歳以上合計人数 237,295 1,177,462 344,650 1,759,407

割合％ 13.5% 66.9% 19.6%

気候ブダペストの気候は内陸性気候であり、最も寒い月は 1月、最も暑い月は 7月。平均気温は21.1度である。 1 年あたりの平均降雨量は533ミリメートルで 5月、 6月、11月が多い。冬はどんより曇りの日が多い。雪は当たり年とそうでない年があり、近年は全般的に減少している。逆に夏は暑い日が増加している。一般の住宅ではクーラーがないところが多いが、商業施設はほぼすべて冷房設備が整っている。3月末から10月末まではサマータイムになる。

37

29 30

42

62 63

4549

40 39

53

43

0.42.3

6.1

12

16.6

19.721.5 21.2

16.9

11.8

5.4

1.8

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月11月 12月

ブタペストの気候（1970-2000年の平均値）平均降水量（mm）平均気温

1 区「王宮地区」小高い丘になっており、王宮、マーチャーシュ教会、漁夫の砦など観光名所が集まっている。同時に、大統領府もあり、現在、首相官邸機能、その他中央官庁の一部が庁舎を移転させる予定になっている。この王宮地区および、ドナウ川岸、アンドラーシ通りはユネスコの世界遺産に登録されている。

5 区北部国会議事堂、聖イシュトバーン大聖堂、ハンガリー国立銀行（中央銀行）、官公庁庁舎など行政機関、レストラン、カフェ、個人経営の小売店などが並ぶ。弁護士事務所も多い。この地区のオフィスビルの賃貸料は、市内で最高である。また、フォーシーズンズホテル、リッツ、ケンピンスキーなどの 5つ星ホテルはこの地区に集中している。

5 区南部ヴァーツィ通り（Vaciutca）、ファッションストリートというハイストリート（歩行者のみ通行可能）を抱え、グローバル展開するファストファッション店、カフェ、土産屋が多い。また、マリオットなど 5つ星ホテルがある。ドナウ川沿いの道路は、ブダ側を一望できる。

6区・アンドラーシ通り周辺6区の一部は、 5区同様、プレスティージが高い。特に、 5区デアーク広場から14区英雄広場まで延びるアンドラーシ通りは、「ハンガリーのシャンゼリゼ通り」とも言われ、高級ブランド店、レストラン、カフェが建ち並ぶ。国立歌劇場（オペラ座）もこの通りにある。夏は街路樹の緑、冬はクリスマスの照明が美しく、こうした店と相まって、優雅な雰囲気軒を醸しだしている。さらに、近くにはリスト音楽院もあり、周辺は洒落たレストランでいつも賑わっている。アンドラーシ通りを横切るナジメズー通りは劇場が多いことで有名。

エリア紹介

中心部とされるのは、環状大通り（ぺシュト側のセント・イシュトヴァーン通り、テレーズ通り、エリザベート通り、ヨージェフ通り、フェレンツ通り）、および、ブダ側のマルギット通り、クリスティナ通り、アルコターシュ通り、ヴィッラーニ通りでつながる通りの内側とされる。この中には、ぺシュト側では、 5 区、 6 区、 7 区、また 8 区、 9 区の一部、ブダ側では 1 区、また 2 区および11区、12区の一部が入る。商店、銀行、レストラン、国会議事堂や王宮などの観光名所（ユネスコ世界遺産指定地区含む）が集まっている。特に 5区は、行政、商業、観光すべての心臓部である。ハンガリー人富裕層や外国人駐在家族の多くが住むのは、高級住宅の多いブダ側 2 区、12区である。ペスト側の中心部 5区、 6 区も、商業地区でありながら築100年以上の古いアパート建物も多く、完全改築したものは単身の駐在員に人気で、価格も高い。

（出所）ハンガリー気象庁


Duna

5

5

5

8

7

6

6

7

8

9

9

3

1

2

4

44

2

Csillaghegy

RómaifürdőÚjpest-

VároskapuÚjpest-Központ

Metróvonalak / Metro lines1 2 3 4

Hév-vonalak / Suburban Railway lines

Átszállóhely / Transfer pointMetróvonalak közötti átszálláskor nem szükséges új vonaljegyet érvényesíteni.On the metro network single tickets allow transfers between the lines.

Vasútállomás / Railway station

5

Aquincum

Kaszásdűlő

Filatorigát

Szentlélek tér

Tímár utca

Szépvölgyi út

Margit híd, budai hídfő

Széll Kálmán tér

Batthyánytér

Mexikói út

1Vörösmarty tér

Kálvin tér

Kelenföldvasútállomás

Keletipályaudvar

Déli pályaudvar

Budapest metró- és hév-hálózataMetro and Suburban Railway Network in Budapest

Szentendre

Békásmegyer

Gyöngyösi utca

Szentendrei6

Ráckevei7

Csepeli8

Gödöllői9

Csömöri

Forgách utca

Árpád híd

Széchenyi fürdőHősök tere

Bajza utcaKodály körönd

Vörösmarty utcaOktogon

OperaBajcsy-Zsilinszky út

Deák Ferenctér

Ferenciek tere

Fővám tér

Bikás park

Közvágóhíd

Szabadkikötő

Szent Imre tér

Karácsony Sándor utca

Csepel

Boráros tér

Astoria

BlahaLujza tér

Pillangóutca

Örs vezértere Rákosfalva

II. János Pálpápa tér

Puskás FerencStadion

DózsaGyörgy út

Lehel tér

Nyugatipályaudvar

KossuthLajos tér

Arany Jánosutca

Cinkota alsó

Árpádföld

Szabadságtelep

Nagyicce

Sashalom

Mátyásföld, repülőtér

Mátyásföld, Imre utca

Cinkota

Mátyásföld alsó

Ilonatelep

Gödöllö

Gödöllö

Corvin-negyed

Klinikák

Nagyvárad tér

Népliget

Ecseri út

Pöttyös utca

Határ út

Rákóczi tér

Köbánya-Kispest

Szent Gellért tér

Móricz Zsigmond körtér

Újbuda-központ

Beöthy utca

Kén utca

Timót utca

Torontál utca

Soroksár felső

Soroksár, Hősök tere

Szent István utca

Millenniumtelep

Pesterzsébet felső

Közvágóhíd

Dunaharaszti, Tököl, Ráckeve

Dun

a

BUDAPESTIKÖZLEKEDESIKÖZPONT

● www.bkk.hu [email protected] +36 1 3 255 255facebook.com/bkkbudapest

（出所）BKK

カーシェアリングブダペスト市内では、「アヴァロン（AvalonCar（e）Service）」が2013年にサービスを開始し、現在 8 カ所に置き場がある。また、「グリーン・ゴー・カー・ヨーロッパ（GreenGoCarEurope）」が2016年11月に、国内初となる電気自動車専用のシェアリングサービスを開始した。EV車は価格は高いものの、税、路上駐車、充電などで様々な優遇を受けている。両社ともハンガリー資本の会社である。さらに、BKKは現在、電気自動車を利用したカーシェアリングを、BUBIのシステムを見本にして構築中である。ただし、カーシェアはまだ一般的ではない。

交通事情

ブダペスト市の公共交通機関は、市営のブダペスト交通統括会社（BKK）が統括するが、実際の運行は傘下のBKV（ブダペスト交通会社）が行っている。4本の地下鉄、多くのトラム（路面電車）、バス、トロリーバス、近郊電車などからなり、市民の足となっている。一方で、管理職以上では、通勤に乗用車を利用することも多い。これは、会社名義の車両が会計処理上、経費扱いになるなどの優遇措置があるため、会社が支給するケースも多いためである。タクシーについては市の条例で厳しく規制されており、正規事業者については安心して利用できるようになっている。シェアリング・エコノミー型では、自転車（BUBI）の拡充が続く。自動車では、AvalonCar（e）Sharing のみ程度で、それほど進んでいない。一方で、BKKは現在、電気自動車のカーシェアリング実施に向け案を取りまとめている。配車アプリではTaxify が営業している。

地下鉄4 本の路線からなり、それぞれ色で区別されている。最も新しい 4号線を除き、 3つの路線はブダペストの「ヘソ」となるデアーク広場を交差する。1号線（黄色、全長4.4キロメートル）は1896年に開業。欧州大陸では最も早く営業を開始した地下鉄とされる。市内の目抜き通り「アンドラーシ通り」の下を走る。2 号線（赤、10.3キロメートル）は市の東西を、 3 号線（青、16.5キロメートル）は南北を走る。 4号線（緑）は2014年に開通。ぺシュト側の東駅と、ブダ側の南部をつなぐ。

トラム34路線からなる。地下鉄、バスとともに、市民の重要な交通手段。中でも、市内中心部の環状大通りを走る 4－ 6号線は重要。また、ぺシュト側のドナウ川沿いを走る 2号線は、ブダ側の王宮地区を見渡せる眺望で、観光客に人気のルートである。

バス242路線からなる。トラムとともに、地下鉄路線を補う形で発展している。特に、坂道の多いブダ側住宅街では、トラムや地下鉄線路が伸ばせないために、市民の重要な足となっている。また、市内からは、近郊の市や村に接続するバス（ヴォラーンバス＝Volanbusz）も運行されている（運営するのは国営のヴォラーンブス会社）。

タクシー市内で営業するタクシー会社は現在20社弱だが、CityTaxi、Fotaxi、RadioTaxi、Tele 5 などが主要会社。ひと頃は、悪徳タクシーも一部に見られたが、現在、事業者に関するブダペスト市の条例は大変厳しくなっており、車両を黄色に塗ること、料金表示がありレシート発行が可能なメーターを設置すること、運転手の証明書の車内提示などが義務付けられている。また、料金上限として、基本料金450HUF、 1 キロ当たり280HUF、 1 分あたり待ち時間70HUFが設定されている（これより低い料金は可能）。市民は通常、流しではなく、電話で呼び出す（料金は2016年11月 1 日現在）。リストフェレンツ空港からは現在、バス、地下鉄と乗り継がなければ市の中心部には出られないため、同空港の公式営業権を持つタクシー会社 Fotaxi の利用も可能。市内中心部へは平均6,500HUF（出所：空港経営会社BudapestAirport のウェブサイト bud.hu）

配車アプリブダペスト市ではウーバー（Uber）が先駆者だったが、政府が規制を大幅に強化したため、2016年 7 月に撤退した。それを埋めるように、エストニア発のタクシファイ（Taxify）が 8月に参入した。現在、配車アプリを利用した客輸送サービスも、タクシー事業者と同様の要件が課されているため、Taxify の車両もすべて黄色である。

自転車シェアリング BUBIBKKが2014年 9 月に開始。ハンガリー石油ガス会社MOLから資金的援助を受けているため “MOLBUBI” と呼ばれる。2016年11月現在では、約1,150台、ドッキングステーション（自転車置き場）は100カ所。過去 2 年間で、市民や観光客による利用が約140万回あった。2018年秋までにさらに自転車台数、置き場を増加させ、1,286台、112カ所にする計画。（出所　BKK）利用の流れも簡単である。PCまたはスマートフォンからWebサイトにアクセスして、会員登録を行う（クレジットカードが必要）。

02 消費市場 CONSUMER MARKET


マーケティングデータ

ハンガリーの消費は、2008年の金融危機以降、縮小していたが2014年に転換。以降、拡大を続け、現在は経済成長の牽引役になっている。2015年の家計消費は約16.2兆 HUF。前年から3.4％上昇した。2016年 1 － 6 月期も5.0％増と好調だ。2016年 1 － 6 月期の 1人当たり支出額／月は約7.4万 HUFと、前年同期から3 ％増大した。この背景には、雇用の拡大（被雇用者数は前期比3.5％増、失業率は4.9％に低下）、手取り額の上昇（同7.6％）がある。所得水準の上昇は、最低賃金の上昇、個人所得税の引き下げ（一律15％へ 1ポイント削減）、家族控除の拡充などが背景として挙げられる（出所：中央統計局）。政府は2017年以降、最低賃金の40％引き下げを目標としており、消費は今後しばらく、拡大を続ける見込み。支出で最も大きな項目は食品・非アルコール飲料品で26.5％を占める。住居費・光熱費は22.7％。交通費は10.7％。これら 3 つの生活必需項目が全体に占める割合は59.9％で、前年同期の60.6％から低下している。食品の中で支出がもっとも大きいのは肉・魚（ただし、ハンガリー人はほとんど魚は消費しない）で約5,500HUF。次に卵・乳製品・牛乳（約3,200HUF）、パン・穀物（約3,000HUF）と続く。

所得の格差人材コンサルティング「トレンクヴァルデル（Trenkwalder）」が5.6万人を対象に実施した調査（2015年10月発表）では、最低所得層の平均総額給与（月）は、11.7万 HUFだったのに対して、ホワイトカラー企業幹部の基本給は240万 HUF（その他の手当てで合計340万 HUF）と、実に28倍になっている。業種別で給与が全般的に高いのは、金融、IT 部門であり、逆に低いのは観光飲食業、物流、小売り、教育、医療・社会保障サービスである。

26.5%

3.4%

3%

22.7%3.7%

4.8%

10.7%

6.8%

5.2%

0.7% 3.9%

8.6%

支出内訳　各項目比率（2016年第1四半期、1人当たり／月）

食品・非アルコール飲料アルコール飲料・たばこ衣服・靴住居費・光熱費家具・住居設備費健康医療費交通費通信費レジャー・文化教育外食・ホテルその他

（出所）中央統計局

また、外資系企業は一般的に給与水準が 5 －10％高い。また、欧州統計局（Eurostat）によれば、可処分所得上位20％は、最低20％の4.3倍の所得を得ていた（2014年）。ただし、EU平均の5.3倍よりは低い。ブダペスト市でもこうした格差は顕著である。スーパーのチラシをくまなく読み、安売り品やクーポン券を最大限活用する市民が多くいる。市民の大半は、価格に大変シビアである。一方で、高級ブランド品を身にまとい高級車を運転し、高級食材を買い込んだり外食を楽しんだりする層もいる。

クリスマス、ブラックフライデーハンガリーでモノの消費が最も大きくなるのはクリスマスシーズンである。毎年、第 4四半期（10－12月期）の小売売上高は、通年の 3割近くになる。特に衣料・靴、時計・貴金属、スポーツ用品・玩具・ゲーム、家電製品は30％を超える。

ブタペストの主な商品・サービスの物価商品価格 HUF 購入店、詳細

交通機関タクシー初乗り 450 キロ当たり280HUF

公共交通機関 350 シングルチケット（地下鉄・トラム・バスなど）

外食

ビッグマックハンバーガー 890

ビジネス街ランチ日替わりメニュー 970 13区「バベールレベールレスト

ラン」

ネット宅配　寿司セット 2990

ILoveSushi　"Daiki"（鮭握り1 貫、卵 2 貫、細巻き15個（アヴォガド、スモークサーモン、きゅうり）

食品・飲料品・アルコール・たばこ・生活必需品

じゃがいも 1 kg 198 CBA

リンゴ 1 kg 295 CBA

鶏肉 1 kg（胸、骨なし） 1,429 CBA

ビール（国産） 239 CBA、Dreher　Classic0.5L

ビール（外国） 499 CBA　Leffe　0.33L

ミネラルウォーター1.5ℓ 108 Spar　SzentKiraly（国産）

コーラ　1.25ℓ 329 CBA

小麦粉　 1 kg 165 TESCO　Germely（国産）

砂糖　 1 kg 299 TESCO　Kristalycukor（国産）

キットカット　41.5g 169 TESCO　

卵10個　サイズM 419 CBA

牛乳　 1ℓ　脂肪率2.8％ 255 CBAMesestej（国産）

固形石鹸 319 CBADove

たばこ　マルボロ 1,140から国家たばこ店

サービス映画館入場券 1,720 WestEndCinemaCity 一般、

2 D

中心街のホテル 160 ユーロ Sofitel（ 5 つ星）11月平日一泊

＊生鮮食品は季節、種類により変化するので注意されたい＊2016年12月時点、単位：ハンガリー・フォリント（フォリント）

消費市場 CONSUMER MARKET02


アンティーク街

王宮の丘

アンドラーシ通り（Andrássy út）

キラーイ通り・ドブ通り

ファッションストーリート（Fashion Street）

Margaret Bridge

Chain Bridge

Elizabeth Bridge

Liberty Brid

ge

Pefö� Bridge

Vámház körútHegyalja út

Belg

rád

rakp

art

Múz

eum

kör

út

Bajc

sy Z

silin

szky

út

Jozs

ef k

örút

Fere

nc k

örút

Szent István körút Teréz körút

Erzsébet körútAndrássy út

Andrássy út

Margaret körút

Kris

ztin

a kö

rút

Alk

otás

út

Villányi út

環状大通り（nagy körút）

デアーク広場（Deák tér）

ヴァーツィ通り（Váci utca）

ファッションよりは上質な店が軒を連ねる。出店しているのは、TommyHilfiger、Boss（HugoBoss）、Lacoste、Z a r a H om e、O y s h o、Intimissimi、Furla、Nike の他、注目されるハンガリー人デザイナーNanushka もある。

アンドラーシ通り　環状大通りと同様、1896年のブダペスト万博に合わせて建設された。街の中心デアーク広場と隣接するエルジェーベト広場から英雄広場までをつなぐ。全長約2.3キロメートル。街路樹や両側に建設された古い建物が美しく、通りの下を走る欧州大陸最古の地下鉄 1 号線とともに、2002年にユネスコ世界遺産に指定された。この通りやその周辺には、国立歌劇場（オペラ座）、リスト音楽院などがある。ルイ・ヴィトン、グッチ、ラルフローレン・ポロ、マックスマーラー、オメガ、ブライトリングなど高級店が並び、ロレックスも2016年12月に開店予定。一方で、高級ブティックばかり50店ほどテナントに抱えていた百貨店 IlBaciodiStile は2015年に創業 2 年ほどで閉店、また高級携帯電話ヴァ―チュや、高級靴アルベルト・ガルディアーニなど多くの店が撤退した。賃貸料が高い上、購入客は外国人観光客や僅かな数のハンガリー富裕層に限られるためである。以上、ハイストリートの賃貸料は平米あたり80～100ユーロ／月。（出所：JonesLangLaSalle、2016年第 2四半期レポート）

環状大通り　

19世紀末に建設された中心部を囲む大通りで、北はマルギット橋から、南はペトゥーフィ橋までを結ぶ（長さ約4.1キロメートル、幅約45メートル）。「環状大通り」は、セント・イシュトヴァーン通り、テレーズ通り、エリザベート通り、ヨーセフ通り、フェレンツ通りの五つ通りを合わせた俗名である。一般的にはペスト側の環状通りのみを指すが、マルギット橋を渡ったブダ側の環状通り（マルギット通りなど）を含めることもしばしばある。路面電車（トラム）4 － 6 号線が走り、途中にセールカールマーン広場（地下鉄、バスターミナル、トラム）、西駅、オクトゴン（アンドラーシ通りとの交差点）などがあり、人通りが大変多い。環状大通りは、社会主義時代は、市民が買い物をする場所として栄え、現在も小さな商店（衣服、かばん、靴、家庭用

〈ショッピング・ストリート（ハイストリート含む）〉ブダペスト市内の中心部（環状大通り内）は、レストラン、バー、カフェ、ファッション、銀行など商業地区であるが、その中でも特色を持った通り（またその周辺）がいくつかある。観光客や地元市民で賑わういわゆる「ハイストリート」は、 5 区のヴァーツィ通り、ファッションストリート、 6区のアンドラーシ通りである。その他、環状大通りは一般市民が利用する小規模な店舗が連なっている。

ヴァーツィ通り観光客がかならず訪れるショッピング街。ハンガリーの土産屋に加え、H&M、Zara といった、欧州の都市のハイストリートではかならず見かけるファストファッションの店が並ぶ。その他、カフェ、レストランも。こだわりの店やハンガリー人デザイナーの店は、ヴァーツィ通りから少し入った路地裏や脇の道に点在している。

ファッションストリートヴァーツィ通りの起点であるヴルシュ・マルティ広場から、町の「ヘソ」であり地下鉄が交差するデアーク広場までつながる通り。アンドラーシ通りほどの高級ブランド一点張りではないが、ヴァーツィ通りのファスト

ヴァーツィ通り

アンドラーシ通り

主なショッピングモール、ハイストリート

たいていは、12月上旬からクリスマス商戦は開始する。配偶者や子供、親など近い家族には比較的高価なもの、親戚や友人にはそれほど高価ではないものを送るのが習慣である。最近では、米国の習慣である「ブラックフライデー」（11月感謝祭の木曜の次の金曜日）が急速に広がっており、この日はネット通販、スーパーで、またコンサートチケットやパッケージ旅行を扱う会社も、数十パーセントの割引で客引きするのが恒例になりつつある。また、金曜日だけではなく、それに続く週末も「ブラック・ウィークエンド」として売り上げ増を図る業者も増加している。

観光客に関するデータ訪ハン観光客の数は、2013年は約1,483万人（延べ人数）だったが、2015年は2,019万人にまで増大している。それに伴い、観光客の支出総額も2013年までは 1兆HUFを切っていたが、その後増加傾向が続き、2015年は 1兆2,350億 HUFに増加している。観光客の92％は欧州諸国からで、EU加盟国からが82％、ハンガリーの隣国からが70％である。



アリーナ・プラザ（Arena Plaza）

市内 8区（ペスト側）主要国際国内列車駅の「東駅」から徒歩 5分。2007年開業。床面積（駐車場含む）は18万平米で、国内最大。店舗数は約180と他の大型モールよりは少ないが、各店の売り場面積は大きい。主要テナントであるテスコ（TESCO）だけで1.1万平米を占める。ドイツの主要衣類専門百貨店ピーク・アンド・クロッペンブルグ（Peek&Cloppenburg）は、国内ではアリーナのみで出店している。ウェブサイトでは、ハンガリー語の他6カ国語で表示されており、一部は日本語もあり。

アールカード（Arkad）

品、小型家電、宝石貴金属、スーパー、生地、セカンドハンドショップ）などが並ぶ。カフェ、簡易レストラン、ファストフード店、銀行支店も多い。

アンティーク通り5 区北側（リポートヴァ―ロシュ）にあるファルク・ミクシャ通り、およびその周辺は、骨董屋が軒を並べている。また、ギャラリーも多い。

〈モール〉中央統計局によると、ブダペスト市には、小規模なものを含め、41のショッピングモールがある。民間不動産仲介業者によれば、2015年末時点で、主要モールの数は20前後とされる。モール施設面積合計は、JonesLangLasalle によれば77.1万平米。また、DTZによれば100万平米超（「ショッピングモール」の定義が統一されていないため、各社や中央統計局でデータの違いが出ている。）。ハンガリーでは1989年の体制転換前には、僅かな数のデパートはあったが小規模小売店が中心で、西洋型のモールが建設され始めたのは1990年代後半に入ってからである。当時、こうしたモールのデベロッパーは、イスラエル系、カナダ系、ドイツ系など外資系、または一部にはハンガリー人実業家との合弁会社が主流であった。しかしこれらの多くが、開業の数年後の軌道に乗ったところでドイツ、オーストリアなどの投資ファンドに売却されている。モールの現在の賃貸料は平米あたり20～70ユーロ／月。（出所：JonesLangLaSalle、2016年第 2四半期レポート）市内のモールの中でもトップ 5と位置付けられているのは、ArenaPlaza、Allee、Arkad、Mammut、WestEndCityCenter。いずれも売り場面積は 5万平米超あり、1日の利用客は3.5万～ 5万人である。どのモールでも、Zara、H&M、Bershuka、Mango、Promod といったグローバルなファストファッションブランドが入っている。Arkad を除き、マルチプレックス（映画館）が施設内に併設されている。

アンティーク通り

10

10

10

11 2

2

2

2

3

4

5

5

6

6

7

7

11 4

4

4

3

3

311

M1

M1

M0

M0

M5

M3

M3

M7

M7M1

E71

E71

E71

E73

E75

E75

E75

E60

E60

E60

E60 E60E60

E60

E71

E71

Biatorbágy

Budakeszi

Budaőrs

Budapest

Törökbálint

セープハロム

ブダジュンジュ★★

★★

★★

★★

★★

ロージャドンブ・センターロージャケルト

エウロセンター

セープヴォージウィウドゥヴァール

マムート

モムパーク

アレー

カンポーナ

チェペルプラザ

ドゥナプラザ

ウェストエンドシティアールカード

アリーナプラザコルビン

ルーディハーズ

エウロパーク

ポールシュ・センター


市内10区（ペスト側）2002年開業。2013年に 2万平米分のArkad 2 を増設し、合計6.8万平米となった。約200店舗。地下鉄 2号線のペスト側終点駅に隣接している。この駅は、ブダペスト近郊の市までの電車とも接続しているため、市外在住の利用客も多い。

マムート（Mammut）

市内 2区（ブダ側）1998年開業。2001年にはMammut 2 を増設し、合計5.6万平米に。テナント数は330店舗。Mammut 1 の 1 店舗あたりの面積は小さく通路も狭いが、 2の方は比較的ゆったりとしている。地下鉄駅、バスターミナルのセール・カールマーン広場に近く、ブダ側 1区、 2区、12区といった所得の高い地域の市民の利用が多い。

ハンガリーの食品小売市場は、小売市場全体の30％強を占める。2015年の食品総売上高（飲料、アルコール飲料含む）は3.1兆 HUFと、前年から5.4％増加した。2016年も拡大傾向が続く。（出所：中央統計局）

ハンガリーの食品小売業者の形態は、主に次の 4 つに分類される。①ハイパーマーケット（大型店）、スーパーマーケット、②ディスカウントストア、③個人経営の小規模店、④市場。ハイパーマーケット、スーパーマーケットチェーンでは、体制転換後の1990年代後半から外資系の進出が続いた。その後、業界内での再編を経て、現在は、テスコ（TESCO）、オーシャン（Auchan）、スパー（Spar）に落ち着いている。一方、国内資本では、ツェーベーア―（CBA）、コープ（COOP）、レアル（Real）が主にフランチャイズ形式で全国に店舗を構えている。ディスカウントストアでは、外資系のアルディ（Aldi）、リドル（Lidl）、ペニーマーケット（PennyMarket）のみが展開。

個人経営の小規模店は、昔ながらの「地元の店」として営業してきたが、チェーン店の急速な進出に伴い閉店する事業者が相次いだ。売り場面積が50平米以下の食品店の数は、2001年には 1 万7,859店だったが、2016年年初には9,304店まで減少した。一方、2,500平米超は24店から166店に増加した。ハンガリーでの人口 1万人あたりのチェーン店の数は、17店舗で、オーストリア（ 7店舗）、ドイツ（ 5店舗）より多い。（出所：Nielsen）ハンガリー政府は、スーパー、ハイパーマーケットの外資勢力の拡大から国内資本店を守るため、2010年からいくつかの措置を講じてきた。中でも、2012年からは400平米超の店舗の新規出店、または増築は原則禁止となっており、例外適用を申請し、許可された場合のみ可能になっている。そのため、大型店舗の新規出店数は近年、著しく減少している。ただしこれには、市場

Tesco Coop CBA Spar Reál Lidl Auchan PennyMarket Aldi

750

571 509 491388 359 337

221135

0100200300400500600700800単

位：十億フォリント

2015年売上高

註：会計年度の開始月は、各社、次のようになっている：　Aldi（ 1 月 1 日～）、Auchan（2015年から 4月 1 日～）、Lidl（2015年から 3月 1 日～）、PennyMarket（ 1 月 1 日～）、Spar（ 1 月 1 日～）、Tesco（ 3 月 1 日～）　　

（出所）Origo、Blokkk.com

ハイパーマーケット、スーパー、市場（いちば）

が飽和状態に近いことも背景にある。ハンガリー人は日常の買い物やまとめ買いはスーパーやハイパーマーケットで行い、 1－ 2点不足品が生じたときに近所の小さな店に行くことが多い。一方、市場も、スーパーに押されているものの、新鮮な食材を求める一部の消費者からは根強い支持を得ている。ブダペスト市内には、最も大きく観光客にも人気の中央市場（KozpontiVasarcsarnok）など10カ所程度の屋根付き市場がある。一般的な営業時間は、スーパー、ディスカウントストアは 6時から20時。日曜は16時で閉店する場合が多い。ハイパーマーケットの閉店時間は、22時または24時間営業もある。個人経営店の閉店時間は21時、22時などが多い。市場では、14時を過ぎると営業終了時間前に引き上げる業者も多い。

健康志向の高まりハンガリーは、EUの中でも毎年、肥満大国の 3本の指に入る不名誉な状態である。しかし、近年、健康食品への関心が高まっており、特に首都ブダペスト市内の食品店のほとんどでは、オーガニック、ローファット、グルテンフリー、ラクトース（乳糖）フリー、砂糖不使用などの食品を扱うコーナーが設けられている。それと並行し、オーガニック食品に特化した店、パレオ、ベジタリアン、ビーガン専門食品店なども出現している。市場調査会社ニールセン（Nielsen）の2016年の調査によると、ハンガリー市民の68%は、こうした健康食品の購入のために通常食品よりも余分に出費する用意があると回答している。また、71%は、肥満、糖尿病、高コレステロール、高血圧を防ぐため食生活を意識しているとしており、世界平均70%、欧州平均60%を上回った。

ウェストエンド・シティセンター（WestEnd City Center）市内 6区（ペスト側）1999年開業。テナント数は約350店舗。開業当時は、中欧地域で最大の複合商業施設だった。モールの他に、オフィス、ホテル（ 4つ星ヒルトンインターナショナル）が併設されている。主要国際国内列車駅の「西駅」から地下道でアクセス可能。

〈リテールパーク〉その他、ブダペスト市民が利用する商業施設には、「リテールパーク」がある。これは、ハイパーマーケットを中心に、隣接する土地にスポーツ用品店、DIY、家具屋、家電量販店などが併設されているもの。これら

の特徴は、すべてが大型店であること。また、マイカーで買い物に来ることを前提としているため、大きな駐車場が整備されている。　例として、オーシャン、イケア（家具）、デカスロン（スポーツ）、メディアマルクト（家電）。また、テスコ、キカ（家具）、インタースポーツ、プラクティケル（DIY）がある。ただし、これらはブダペスト市隣接の町にあり、市内でのリテールパークはリストフェレンツ空港近くや 3区内など非常に限られている。



CBA1992年にハンガリー人事業家10人がブダペスト市に17件開店したのが始まり。最初はブダペスト市のみだったが、フランチャイズ方式で急成長し、現在は国内500店舗以上になっている。また国外でもルーマニア、ポーランド、ブルガリア、スロバキアなど近隣諸国に進出している。CBAは、所得が比較的高い地域には、CBAPrima というブランド名で展開しており、品揃え、値段も若干の高級路線になっている。オンラインショッピングあり。

Tesco

1998年にブダペスト市近郊のブダウルシュ市にハイパーマーケット第 1号店を開店。売り場面積の規模に応じて、大型のハイパーマーケット（105店舗）、スーパー（42店舗）、エクスプレス（42店舗）、エクストラ（ 7店舗）がある。食品の他、衣料品、電化製品など扱い、消費者ローン、保険商品も提携して扱う。ネットショッピングも2014年から開始。ただし2015年から、不採算店舗の閉鎖、眼鏡販売、MVNO仮想携帯電話網事業などの縮小もしくは廃止、従業員一部解雇など経営リストラを行っている。2015年（2015年 3 月 1 日～16年 2 月28日）の売上高は7,500億 HUFで国内最大。税引き後では132億HUFの利益となり、 3年ぶりに黒字転換した。

Auchan

1998年に進出。2012年に仏同業Cora の国内 7店舗を買収し、現在、27店舗を有している。Tesco と同様に、衣料品、電化製品など幅広く扱い、消費者ローン、保険商品、オンラインショッピングもあるが、店舗の種類はハイパーマーケットのみ。店舗併設の安価な給油所の設置に力を入れており、現在17カ所ある。2015年（2015年 4 月 1 日～16年 3 月31日）の売上高は3,370億 HUF。税引き後では22億 HUFの黒字だった。

市場での様子

Spar1992年に進出。その後、2000年前後にイスラエル系SuperKozert、ハンガリー系Eliker、オーストリア系Billa、独系などKaizer の店舗を次々に買収し、現在は約400店舗からなる。Sparは、形態により InterSpar（大型店　31店舗）、Spar（通常スーパー、300店舗以上）、CitySpar（主にブダペスト市中心部　14店舗）、Spar フランチャイズ（40店舗）、SparexpressOMV（給油所OMVに併設された小型店　50店舗弱）に分れている。オンラインショッピングは行っていない。2015年（2015年 1 月 1日～12月31日）の売上高は4,910億 HUF。税引き後利益は72億HUF。

ハンガリーでは個人商店保護の目的で、小売業での400平方メートルを超える新規店舗建設、増築は原則禁止。食品を含む日用品の販売事業に従事する小売業で一定の条件を満たす企業は、 2 年間の業績が赤字になった場合日用品販売事業を廃止しなければならないなどの小売り規制が導入されている。2015年 3 月に導入された一般小売店の日曜営業禁止は国民から反対が多く2016年 4 月に廃止された。また、たばこの小売販売に関しては2013年 7 月から営業権（コンセッション）を持つ事業者以外は販売が行えなくなっており、販売店は外からたばこが見えないようにし、18歳未満の入店を禁じる表示をする必要がある。

コラム：小売業に対する規制


全体像・売上高ハンガリーの国内ネット市場の規模は、2015年は2,700億 HUF、前年比16％増だった（取引回数では2,600万回）。小売売上高合計（オンライン、オフライン両方）の 7 兆550億フォリントのうち、オンラインの割合は3.6％で、2014年から0.4ポイント上昇した。2016年 1 － 6 月期も前年同期比18％増の1,310億 HUFと、 2 ケタ台の好調な伸びが続いている。ネット通販を行う事業者（ハンガリー語、フォリント決済対応）は、2015年時点で4,200－4,500ほどあるとされる。（出所：GKIDigital）

購買傾向売上高の最も大きいのは家電系製品だが、美容、健康、玩具、文化系（書籍、入場券など）も伸びている。年間売上高の 4割前後はクリスマスのある 9－12月期に集中している。2015年上半期　ハンガリー（ドメインが .hu）とそれ以外の国外のウェブサイトでのショッピングの割合は、88％対12％。外国サイトでの購入が多いのは、衣料品その他アクセサリー、ホームセンター関係、電話 IT 周辺機器。具体的な事業者では、eBay、Alibaba、booking.com、Amazonなどである。家電、玩具、スポーツ用品、食品は、言語の問題、配送費の点からハンガリー国内でのネットショッピングが圧倒的に多い。（出所：GfK　2015年）

購買者像GfKによると、ハンガリー人の75％は 1 週間に最低 1 度はインターネットを利用している。毎日利用している人は50％に上る。オンラインショッピング利用者の数は、2015年末に230万人を超えた。男女比率は47－53％。利用者のうち25％はブダペスト市在住である。年齢層では、50歳超が最も多く33％。次いで33－39歳が24％、40－49歳が23％だった。最終学歴では、高等教育（大学など）修了者が最も多く、オンラインショッピング利用者の50％を占めた。

支払い方法、受け取り方法支払い方法では、受け取り時に現金払い、または銀行カード払いが依然として多い。オンラインで支払いを完了するのは、売上高全体では11％でしかなかった（2015年）。ただし、売上高ではなく全購入者で見た場合、 3 分の 1の人がスマホで決済している（すべて2015年）。受け取り方法では、宅配便が最も多く、売上高に占める割合は42％。実際に店に赴き受け取る方法も多く、32％。一方で、受け取りポイントの利用者数も増加しており、17％となった。

ネット通販　売上高　上位10サイト売上高の 3割強はトップ10企業に集中している。2015年のこれらの会社の売上高は合計920億HUF。取引回数は470万回だった。（出所：GKI　Digital）

E コマース　M コマース

2015年オンライン売上高（上位10サイト）順位名称 URL 開始年資本取り扱い商品

1 extremedigital edigital.hu 2004 ハンガリー家電、パソコン、家具、照明、スポーツ、玩具、文具、書籍等

2 eMAG emag.hu 2013 ルーマニア家電、パソコン、スマホ、家具、照明、スポーツ、玩具、文具、ペット関連等

3 MALL mall.hu 2005 チェコ家電、パソコン、スマホ、家具、照明、スポーツ、玩具等4 MediaMarkt mediamarkt.hu 2013 ドイツ家電

5 TESCO tesco.hu 2013 英国食品（生鮮野菜、肉含む）、飲料品、アルコール、生活必需品（石鹸、トイレットペーパーなど）、ペット関連商品

6 LibriBookline bookline.hu 1999 ハンガリー書籍7 iPon ipon.hu 2006 ハンガリー家電、パソコン、通信機器、書籍、車タイヤ、玩具など8 AQUA aqua.hu 1999 ハンガリー家電、パソコン、文具、通信、玩具、大工用品など

9 BonuszBrigad bonusbrigad.hu 2010 ハンガリー旅行、レストラン、健康美容などの分野のクーポン券、お徳用商品・プラン販売

10 Tchibo tchibo.hu 2012 ドイツ生活雑貨（出所）GKI　Digital

無人受け取りポイント

03 衣 FASHION


進出アパレル概要

2015年の繊維・衣服・靴・革製品の小売売上高は6,672億 HUFで、前年から15.3％増加した。全体の伸び率が3.7％だったことを考慮すると、著しい増加となった。また、数量ベースでも11.9％（暦調整後）と、全体の5.8％を上回った。賃金の上昇、雇用者数の増大を背景に、2016年もこの流れは続いており、1 － 6 月期は13.1％増となった（数量ベース。小売全体の伸び率は5.2％）。最低賃金は2017年に15％増、2018年は 8 ％増となることが既に決まっており、それに伴い労働者全体の賃金の上昇が期待されるため、消費拡大傾向はしばらく続くとみられる。

Nanuschka街の中心にあるファッションストリートに旗艦店を構え、ユニークな店舗はモスクワからブラジルまでファッションに敏感な人たちの注目を集めている。積極的な海外展開を進めており、日本のセレクトショップでも取り扱われている。

NUBU高級店が並ぶアンドラーシ通りに 2店舗、ブダ側に1店舗を持ち、デザインスタジオ 1店舗を合わせて国内に 4店舗を展開するブランド。国内マーケットを重視し、モノクローム、スタイリッシュをコンセプトにファッションに敏感な30－40代女性に支持されている。若者向けブランド、ヌード・デ・ヌブで新たな市場開拓を狙う。

USE unused3 人のハンガリー人デザイナーによって設立されたブランド。海外のファッションショーに積極的に参加し、急速に知名度を上げており、海外での取扱店も多い。自転車シーンで使いやすいようにデザインされたラインナップはハンガリーの自転車愛好家の支持が高い。

Aeronブダペスト中心にショールームを持つエアロンは主にオンラインで販売している。吟味された最高の素材に伝統的な仕立て技術を応用した芸術性の高い製品を産みだしている。

ファストファッション　H&M　2005年にハンガリーに進出したH&Mは国内に41店舗、ブダペスト市内に19店舗を展開しており、ハンガリーのファストファッション界をリードする存在となっている。16年 5 月にブタペストのショッピング街、ヴァーツィ通りに 3 階建て、5,615平米の旗艦店をオープンし、その存在感を示している。

　ZARA　2004年10月にブダペスト市内ショッピングセンターÁrkád に 1 号店をオープン。ブダペスト市内に 5 店舗を展開。ヴァーツィ通りに旗艦店がある。他のインディテックスグループのBershka、MassimoDutti、Oysho、Pull&Bear、Stradivarius、ZaraHomeもブダペスト市内に展開している。

セカンドハンドショップHáda 20年前にハンガリー人のハーダ・ジョージ氏がトラックで始めた古着販売がはじまり。今では国内に80店舗展開し、ハンガリーで最大の古着チェーンに成長。主に英国で購入した古着を販売する。状態があまり良くないものはキロ当たりの重さで販売する。

Cream 2001年にブダペスト市内に 1号店をオープン。国内に13店舗、ブダペスト市内に10店舗を展開している英国資本のセカンドハンドショップ。 2週間ごとに世界中から買い集められた古着が追加され、 5週間ですべての在庫が入れ替わっている。

主なハンガリートップブランド

ファッション志向ハンガリー人の多くは、価格に非常に敏感なため、H&M、ZARA、Bershuka、Mango などグローバルに展開するファストファッションブランドがハンガリーのアパレル産業を牽引している。また、より安価なものを求める人はHáda、Creamといったセカンドハンドショップを利用している。西欧から輸入される古着は程度の良いブランド物も多く、掘り出し物を探す人が多く集まる。ブダペスト市内には高額なビンテージものばかりを集めたショップも存在する。国内で独立して店を構えたり、国外にも進出したりしているハンガリー人デザイナーのブランドにはNanushka（ナヌシュカ）、NUBU（ヌブ）、SzegediKata（セゲディ・カタ）、ANDA（アンダ）、ANHTUAN（デザイナーはハンガリー育ちのベトナム人）などがあり、近年増加を遂げている。これらのブランドはおもにハイエンドマーケット向けである。また、その他の国内デザイナーの多くは、セレクトショップに卸している。

衣 FASHION03


ファッショントレンド

ファッションショー、デザインフェアブダペスト市内で開催されている最大級のファッションショーは、「ブダペスト・ファッションウィーク（BudapestFashionWeek）」。　主要国際都市で開催されている「ファッションウィーク」のブダペスト版。2003年に開始した当初は、 1晩のみだったが、現在は 3日間、毎年、春と秋に開催されている。ハンガリー人と外国人の若手デザイナーの作品紹介が目的。その他、女性ファッション雑誌の「マリクレール」、「エル」もファッションショーを開催しており、いずれも外国、国内のデザイナーの紹介を目的としている。より庶民的で身近なものとしては、月 1 回以上開催されているデザイン市「ヴァンプ（WAMP）」がある。夏季（ 4 月～ 9 月）はブダペスト市中心エルジェーベト広場で屋外開催され、入場無料。冬季は屋内だが入場料は500HUFと安価。若手のデザイナーらが自身の作品を展示、手頃な価格で販売する。既成ブランド以外に個性的な洋服やアクセサリーを求める市民には人気である。WANPは近年、地方都市のショプロン市（西部）やオーストリア・ウィーンでも同様のフェアを開催している。

女性ファッション雑誌ハンガリーの女性向け雑誌は、主にグローバル雑誌（コスモポリタン、マリクレールなど）のハンガリー版と、国産の雑誌に分かれる。ファッション誌は、グローバル雑誌系が中心で、記事は翻訳とハンガリー版独自の混合になっている。各雑誌の発行部数は、3万～ 8万部。インターネットの普及で、ほとんどの雑誌で「紙」は減少傾向にある。そのため、現在は、各雑誌とも、ウェブサイトの他、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSも重要なツールとして、積極的な発信を行う。また、化粧ポーチ、手帳、美容クリームなどの付録をつけることも盛ん。さらに、通常のA 4より若干大きめのサイズと、「トラベラーズサイズ」と言われる縮小版（横約17センチｘ縦22センチ）の両方を発行し、読者の利便性を高めている。後者は、価格も 2－ 3割低く、軽量である。

国産の雑誌としては、「ヌークラプヤ」（週刊）がある。典型的なファッション誌ではなく、総合生活雑誌である。1949年創刊以来、現在も根強い人気を誇る。発行部数は約26万部（2016年上半期、出所：MATESZ）で、現在も女性向け雑誌（ゴシップ誌は除く）ではトップである。価格は249HUFと安価で、100頁超。テーマは、ファッション、料理、文化芸術、セレブインタビュー、生活スタイル、役立ち情報、ヘルスなど多岐にわたる。また、姉妹雑誌として、「ヌークラプヤ・コニュハ」（料理レシピ）、「ヌークラプヤ・エゲッシェーグ」（ヘルス）、「ヌークラプヤ・プスィヘー」（メンタルヘルス・マネジメント）などがある。

ハンガリーの主要女性雑誌雑誌名 *

（出版会社名）発行部数

2011年上期発行部数2016上期

FB ページいいね

Instagramフォロワー

年齢層最終学歴 ** 読者

CosmopolitanHearst Central Kft.

53,435 44,320 167,088 26,200 18－39 中等～高等都会に住み、人生をエンジョイする活発な女性

Elle MagyarországHearst Central Kft.

36,002 29,246 33,511 14,200 25－49 高等高学歴、都会的、キャリア志向が高く、ファッション、自身のスタイルに敏感。文化芸術を大事にし人生を謳歌する女性

ÉvaMarquard Média

Magyarország Kft.29,333 25,000 73,800 5,990 30－49 中等～高等

家庭的で、都会に住む堅実な消費者。物質的には平均より上の生活

GlamourRingier Axel Springer Magyarország Kft.

72,322 83,510 150,127 44,400 18－39 中等～高等都会に住む、ファッションやトレンドを追うのを大切にする女性

INSTYLEMarquard Média


都会に住む、能力があり、所得は平均より上

JOYMarquard Média


モダン、ポジティブ、エネルギッシュ、自己啓蒙が好きで自分の道を探す人、買い物では目的をはっきりわかっている人

Marie ClaireCentral Médiacsoport Zrt.

33,405 29,140 36,094 19,300 25－49 中等～高等オープンな思考回路で女性的、所得は平均より上。

Nők LapjaCentral Médiacsoport Zrt.

284,467 262,553 84,753 7,002 25－49 初等～高等中等教育修了者以上、家族を最も大切としている女性。

（出所）各社発表等MATESZ　2016年11月13日現在　＊週刊誌、生活スタイル紙　＊＊中等＝高校、専門高等学校、職業訓練高等学校、高等＝単科大学、大学（通常 5年）、博士課程

（写真上下）NubuSS17ⒸMercedsBenzFashionWeek

03 衣 FASHION


街角インタビュー

123456789101112

名前年齢職業収入月々の衣料品購入代好きなメーカー買い物する場所参考にしている媒体オンラインショッピングの頻度本日の靴本日の服注目していること

1 カーロイ・ジョルジ2 33歳3 ヨガインストラクター4 一般5 1 万 HUF以下6 H&M、Orsay、Decathlon、Tchibo、Deichmann、

C&A、Triumph、Marks&Spencer7 ヴァーツィ通り、ファッションストリート、

ウェストエンド・シティセンター、アウトレットモール8 カタログ、ウィンドショッピング9 数カ月に一度10 Deichmann11 Orsay、Tchibo、H&M12 知っているブランドならば、並ぶ必要がないためオンライ

ンで買いたい。

1 ヘルダ・エニクー2 35歳3 歯科衛生士4 一般5 3 万 HUF以下6 Marks&Spencer、Zara、CCC、Tamaris、Humanic、

Samsonite、MayoChic、H&M7 ショッピングモール、ブランドショップ8 カタログ、ウィンドショッピング9 なし10 Humanic;11 Orsay、Calzedonia、Kolokolobag12 余裕ができたらMichalNegrin、Channel、Ecco、Gucci

などを買いたい

1 ヤカブ・イングリッド2 35歳3 管理職4 中流5 1 万－2万 HUF6 H&M、F&F、Reserved、Orsay7 ショッピングモール、ファッションストリート、たまにオンライン8 shopsoffer9 年に 2、 3回10 Humanic11 F&F、Parfois、服は15年前に自作12 最近はお店が混雑していることが多いので、混雑を避けるように

している。

1 ヴァルガ・ゾフィ2 25歳3 事務職4 一般5 1 万 HUF6 Angex、Hada7 ショッピングモール8 雑誌、店員のおすすめ9 年に 3－4回10 CCC11 SZÖSZYFASHION、CCC、Terranova12 とくになし

1 エンゲル・デービッド2 25歳3 IT 系会社員4 中流5 1 万 5 千 HUF6 H&M、C&A、HellyHansen、Reserved、Springfield、

Pull&Bear7 ショッピングモール、ブランドショップ8 ショップで確認9 なし10 HellyHansen11 C&A、H&M12 とくになし

1 クチェラ・アレクサンドラ2 23歳3 アシスタント4 一般5 1 万 HUF6 C&A、H&M7 shoppingmalls8 雑誌、オンライン、たまにファッションショーを参考にする9 半年に一度10 Deichmann11 Pull&Bear、H&M12 とくになし

1 コルメンディ・アンドレア2 36歳3 会社員4 中流5 4 万 HUF6 Art’zmodell、Zara、Desigual7 ショッピングモール、ブランドショップ、オンライン8 ファッション雑誌全般9 数カ月に一度10 Zara11 Orsay、LouisVuitton12 とくになし

1 カプラー・ティナ2 38歳3 教職4 中流5 3 万フォリント6 COS、Benetton、FrenchConnection、Zara、

Mango、HM、NUBU、Nanuska、USE、GapandBagattshoes

7 モムパーク、アンドラーシ通り、モノアート、オンライン8 SNS、ウィンドーショッピング9 1カ月に一度10 Bagattboots,11 NUBU、COS、Indiska12 Indiska、anthropologie が進出してほしい

収入のカテゴリ一般：20万 HUF以下／月中流：20万～60万 HUF／月富裕：60万以上／月


化粧品

市場2015年の化粧品関連の売り上げは3,430億フォリントで、14年から 9 ％増加した。コスメティックマーケットは年々拡大している。プロ向けコスメティック雑誌ビューティーフォーラムによると、エステサロンは低価格と高価格帯が伸びており、中間価格帯は低迷気味だという。しかし、ハンガリーでの低価格帯とは 8千から 1万 5千フォリントを指し、一般的なホテル代 8千フォリントを上回る基準だ。最も伸びている高価格帯は 5万フォリントを超えるものであり、高級志向が顕著となっている。これはサービスの多角化が背景にある。サロンの選択傾向として、電話、Eメールでの勧誘のほか、SNSでの広告が大きく影響している。男性向けの市場は始まったばかりでまだ小さい。

消費傾向化粧品の選択傾向として、消費者向けは一般的によく知られているブランドを購入する傾向があり、広告宣伝に力を入れることができる外資系の商品が普及している。エステティックサロンでは独自色を出すためにハンガリーで消費者向けに販売されている製品は使用せず、海外の高級品の輸入などを積極的に行っている。プロが使用している製品を買い求める消費者も多いが、サロン側は物品販売には積極的ではない。

©BeautyForum

©BeautyForum

©BeautyForum

©BeautyForum

©BeautyForum

©BeautyForum

トレンド現在のトレンドはアンチエイジング、ボディーシェーピングでありほとんどのサロンが行っている。また、市内には日焼けサロンも多い。薬品を使ったボディーケアだけではなく、機械によるケアの人気も高い。Bioは食品同様、化粧品でもブームである。しかし、Bio と表示するための明確な基準が統一されていないため、その成分は一定ではない。

ウェルネス市場良質な温泉の出るハンガリーではスパリゾートの人気も高い。ドイツ、イタリア、オーストリアから、ブダペストやハンガリー西部にホテルにウェルネスに訪れる人も多い。そういったホテルではマッサージやアンチエイジングなどのサービスが提供されている。

人気の化粧品Ilcsi1958年創業。原料はハンガリー国内の自社農園でオーガニック栽培を行う。農園はハンガリーの認証Biohungaria、ヨーロッパの認証BDIHをクリアしている。世界各国に輸出されており、その愛用者の中には、ハリウッド女優や著名なセレブも多い。Ilcsi はハンガリー独特の産品リストであるハンガリクムにも登録されている。BIOLA Organic cosmetics2006年にオーガニックボディケア化粧品を初めて販売、プロ向けのボディケア用品以外にもシャンプーやシャワージェルなど一般向け商品も開発した。その肌にやさしい品質は評価が高く、米国で開かれたオーガニック化粧品コンテストで受賞経験もある。

03 衣 FASHION


Biohar などチェーンの理容院も増えているが、圧倒的に個人経営の店が多い。個人店では差別化を図るためネイルサロンなどを併設するところも出てきている。LászlóHAJAS、TamásZSIDRÓ、ImreSZABÓ、AndrásGELLEI など女優や俳優も訪れるトップスタイリストが経営する店が有名である。理容院は通常予約制だが、チェーンの店は予約なしで入れることがウリになっている。一時期全くなくなった男性専用のバーバーが2014年に復活、ひげの手入れにこだわる男性の支持を得ており、その数も増えつつある。

理容院・美容院

有名店

ハンガリー国内で数々の賞を受賞したAndrásGELLEIが 3 人の息子たちと経営する男性専用のバーバー。市内に4店舗を構えており、いずれも昔ながらの内装にこだわった店舗になっている。ヘアカットやシェービングの教室も開いている。

HAJAS saloon BARBER SHOP BUDAPESTハンガリーのトップスタイリストハヤッシュ・ラースローが経営するサロン。ハンガリー語で理容師を意味する「ハヤッシュ」の名を持つ彼は若いころから理容師として頭角を現しており、ロンドン、パリなど国際的なコンテストでの評価も高い。国内の女優、俳優、政治家にも彼のファンは多い。国内に 3店舗のサロンを展開している。

Copyright © 2017 JETRO All rights reserved084 Budapest STYLE

伝統的なハンガリー料理は、煮込み料理やフライが多く、一食の量も多い。料理やデザートの味付けはしっかりしており、おのずと塩分、糖分含有量が高い。こうしたことから、ハンガリーでは、肥満が誘因する病気が深刻だ。成人の65％、約500万人が過体重、肥満とされる。男女比では男67％、女62％である（出所：国立食品栄養科学研究所（OETI））。この水準は欧州連合（EU）でもワースト 1、 2位である。

健康志向の高まりしかし、体制転換以降、生活水準も上昇し、国外からの健康に関する情報も多く流入するようになってから、健康に気を遣う人たちが増加している。例えば、家庭料理では伝統的に豚の背脂を使うが、オリーブ油、植物油に置き換えるといったことである。GfKの調査（2016年10月発表）によると、「体重を考え、食べるものに気を付けている」とした人は1999年に52％だったが、2016年は76％まで上昇。逆に「気を付けていない」と回答した人は、47％から24％に減少した。一方、精製された白いパンを 1日、もしくは 1週間に複数回食べるとした人は、2007年には76％だったが、2016年は61％に減少。逆に、茶色のパンを複数回食べるとした人は、15％から29％に増加した。魚についても、ハンガリー人はクリスマスの時くらいしか食べないという人も多いが、 1週間に 1度は食べる、と回答した人は17％から22％に増加した。また、近年は、グルテン、白砂糖、ラクトース（乳糖）を含まない「××フリー」食品の人気が増大している。ベジタリアン、ヴィーガン、パレオ食品も増加し、レストランでもメニューに取り入れるところが珍しくなくなっている。国内でも健康志向の高いのは、ブダペスト市など都市に住む、中所得者以上、中等教育修了以上、60歳以下の世代である。

食費国民の 1 人あたり 1 カ月の食品・非アルコール飲料への支出額は 1万9,736HUF（2016年上半期、出所：中央統計局）。支出合計の26.5％を占める。内訳は肉、魚が最も多く（実際、魚はほとんどないと考えられる）、5,504フォリント。次いで、牛乳、乳製品、卵の3,180フォリントである。

一人当たり消費量／月 2016上半期パン・穀物（kg） 7.3

肉魚（kg） 5.1

牛乳（ℓ） 4.6

卵（個） 12

油・脂（kg） 1.4

果物（kg） 3

野菜（kg） 3.7

じゃがいも（kg） 2.1


外食 VS 家食ハンガリー人は通常、朝、昼、夜の 3食。役所、会社、学校などの始業は通常 8時前後（工場ではさらに数時間早い）と早いため、朝と昼の間に「10時の軽食」を挟む人もいる。また昼は職場、学校で温かい食事を採り、夜はハムとパンなどのコールドミールで簡単に済ませる人も多い。外食については、する人と、全くしない人で大きく分かれる。平均では、レストランに 1カ月に 1度以上行くとした人は17％、ファストフードレストラン20％、まったく行かないと回答した人は41％（出所：FoodNetwork2015年）。低所得層や、育児やマイホーム購入で家計に余裕がない家庭にとっては、外食は贅沢なものである。一方で、外食する人は月に複数回、また家族で祝い事のたびに行くというケースも珍しくない。2015年の飲食業の売上高合計は、9,162億フォリントだった（この中には、ケーキ屋、パブ、職場内の食堂、公立学校などへの給食会社なども含まれる）。そのうち、民間の通常のレストラン、ファストフードは7,947億フォリントだった。

食事情概要

食 FOOD04


ブダペスト市内のレストランの数（ファストフードも含む）は6,875店（2015年末時点、出所：中央統計局）、全国の27％を占める。ブダペスト市内では、環状大通り内に集中している。

多様化体制転換以降の1990年代は、ハンガリー料理に加え、フランス料理、イタリア料理、中華料理、インド料理程度のバラエティーしかなかった。日本食レストランも 3－ 4軒に留まっていた。しかし、経済発展とともに2000年以降、様々な国の料理のレストランが増加。アジアでは、日本食レストランに加え、タイ、ベトナム料理レストランが近年増加している。料理の質や価格の面でも、最上級で本格的なものから安価で手頃なものまで多様性は増大し充実している。ビジネスランチ、ディナーに利用できる質の高いレストランも増加している。2010年には、「コステス（Costes）」がハンガリー国内のレストランとしては初めてミシュランガイドの星を獲得した。以来、2017年現在、 4軒のレストラン（すべてブダペスト市）が星を獲得している。さらに、国際的なセレブシェフのノブ・マツヒサ（松久信幸）氏や、ジェイミー・オリバー氏のレストランも、それぞれ2010年、2016年にブダペストに進出している。一方で、食材にこだわる、ベジタリアンやヴィーガン料理専門などを訴求ポイントとするレストランも出現している。パブ、バー分野でも、ハンガリーの典型的な庶民向けパブ（＝コチマ、kocsma）の他に、過去10年くらいで、ワインに特化した洒落たバーもオープンしている。また、ブダペスト市特有のものとして、老朽化した建物をわざと利用し、荒廃した雰囲気を出す「廃墟パブ」が増加している。市内 6区の「スィンプラ・ケルト（SzimplaKert）」はその代表例で、観光客も多く訪れる。

コステスレストラン

スィンプラ・ケルト

ハンガリーのミシュラン星獲得レストラン（すべてブダペスト市）

レストラン名場所星獲得年Costes 9 区 2010年Onyx 5 区 2011年

BorKonyha 5 区 2014年Costes Downtown 5 区 2016年

イベントブダペスト市では、 1年を通して、市民や観光客を呼び込むためのイベントが頻繁に開催されている。王宮地区で毎年開催される「ワインフェスティバル」では、国産の他、外国ワインも多く紹介される。その他に、パーリンカ（ハンガリー産果物を使った蒸留酒）、地ビール、マンガリツァ豚（食べられる国宝と言われるハンガリー固有の豚）をテーマとしたイベントがある。5 月に開催される大規模で総合的な「グルメ・フェスティバル（GourmetFesztival）」では、ミシュラン星獲得レストランを含む一流レストランや、人気ケーキ屋、ワインメーカーなどがブースを構える。また、ブダペスト市では普段味わえない地方の有名レストラン、ケーキ屋も参加している。さらに、12月にはヴルシュマルティ広場、聖イシュトヴァーン大聖堂前広場などでのクリスマス市に伴い、多くのストリートフード店が設営される。さらに、毎年 2月のある木曜には、メニューのすべてが半額になる「食いしん坊の木曜日（torkoscsutortok）」がある。国の観光促進当局が2006年に開始したもので、毎年、全国で数百軒のレストランが参加している。（アルコールの半額は、任意）

ファーストフードチェーン店、ストリートフードハンガリーで体制転換以降にまず進出してきたインターナショナル・ファーストフードチェーンは、マクドナルド、バーガーキング、KFC（ケンタッキー・フライド・チキン）など、どの都市でもお馴染みのものだった。しかし近年は、インターナショナルチェーン、ハンガリー発のチェーンの両方が増加している。また、料理の国籍も、通常レストラン同様に多様化が進んでいる。インターナショナルチェーンの例では、ドイツ系のシーフードチェーン「ノルドゼー（Nordsee）」、米系ハンバーガー「ジャックス・バーガー（Jack’sBurger）」、ハンドメイドパスタ・ピザを提供するヴァピアノ（Vapiano）など。また、ハンガリー発のチェーンの例では、ハイパーマーケット内のフードコートで多く展開する中華ファストフード「シェリー（桜桃、Sherry）」、また同系列で「ウォック・ン・ゴー（WOKn’GO）」。さらにベトナム・タイ料理の「パッタイ・ウォックバー（PadthaiWokBar）」、社内食堂がコンセプトの「マイカンティーン（MyCanteen）」、ベジタリアン、ヴィーガン向けの「ゴヴィンダ（GOVINDA）」、食べ放題の「トロ―フェア・グリル（TrófeaGrill）」、などがある。ストリートフードでは、2014年末に市内 7区に、フードワゴンを約10台集結させた常設の「ストリートフード・カラヴァーン（StreetFoodKaravan）」が誕生した。

レストラン事情

04 食 FOOD


富士1991年開店の老舗レストラン。開店当初はぺシュト側のエルケル劇場そばにあったが1999年に日本人や外国人、富裕層が多く住む

ブダ側に移転した。もともとは日本人女性が経営していたが、2012年に外国人投資家に売却された。座敷形式の個室があり、接待に好都合である。高級レストランとして知られるが、平日のランチメニューは手頃な価格（2,290HUF）で提供している。ケータリングサービスも行う。2014年に姉妹店として、KanpaiIzakaya をぺシュト側にオープンした。

大吉2001年末開店。当地在住の日本駐在員や出張者、アスリート、芸術家、学生らを日本の家庭料理でサポートするという目的で、ハンガリー駐在経験のある商社マンが早期退職後にオープン。オーナーによると、現在の客層の半分は日本人、残りの半分はハンガリー人、外国人。ハンガリーの「国宝豚」とされるマンガリッツァ豚を使った和食（生姜焼き、照り焼き、すき焼き、しゃぶしゃぶ）が売り。

奥山のすし2001年開店。日本人寿司職人がオープン。オーナーによると、客層は、70－80％がハンガリー人、10％がハンガリー外から出張者、旅行者など、 5％がハ

ブダペスト市の日本食レストランは、2000年までは僅かに 2 － 3 軒であった。その後、徐々に増加し、近年では加速化し、日本食を扱う店は現在では数十軒にのぼる。こうした店は大きく分けて、①純粋な日本食のみのレストラン、②ウォック（中華鍋）料理、タイ、ベトナムなど他のアジア料理と一緒に寿司や味噌汁をメニューに取り入れるレストランとなり、数が増えているのは後者である。①は日本人が経営している、または過去に経営していた実績があり、シェフも日本人が多い。②はかならずしも日本人の関与はなく、シェフもハンガリー人、アジア系とさまざまである。もともと魚の消費量が非常に少ないハンガリー人にとって、寿司はとっつきにくいものであった。また、一般的なハンガリー人には、和食の味付けは薄すぎる印象を与える。しかし昨今の健康意識の高まりや、おしゃれ感で、ブダペスト市内では寿司は市民権を得つつある。一方で、ハンガリー人の味覚に合うように、すし飯の味を濃くする、ソースをスパイシーなものにするなどの工夫が多くのレストランで施されていることも、日本食の広まりを助けている。なお、寿司のネット宅配サービス専門事業者も出現している。日本風のラーメンをメニューに入れるも出てきているが、「ラーメン屋」として前面に打ち出している店は小町ビストロなど 2－ 3軒に限られている。

日本食レストラン

レストラン立地図

3

2

2

M3

M1M7

4

5

E71

E71

Huvösvöigyi út

Váci

út

Váci

út

Hungária kánit

Hungária kánit

Úllői útÚllői út

Soroksári út

Soroksári út

Szer

émi ú

tSz

erém

i út

Buda

foki

út

Buda

foki

út



Gyáii útGyáii út

Etele útEtele út

Eger útEger út

Andor utcaAndor utca

Kőbányai út

Kőbányai út

Hagyaija útHagyaija út

BudapestXll,kernulet

BudapestXlll,kernulet

Varosliget

Rákosrendezöpáiyaudvar

BudapestXlV,kerulet

Budapestll,kernulet

BudapestVl,kernulet

BudapestVll,kernulet

BudapestVlll,kernulet

BudapestlX,kernulet

BudapestXl,kernulet

Margitsziget

Budapest

富士すし誠

WASABI

WASABI

NOBU

WASABI

大吉

奥山のすし

ンガリー在住日本人。寿司ネタはハンガリーの卸業者がウィーンの業者から買い付けたもの（おもに、アドリア海産）。その他の食材は、ドイツ、イタリアの日本食材販売会社、ブダペストの日本食材店から仕入れている。

すし誠2000年開店。日本人寿司職人が総料理長として、韓国人と立ち上げ。2014年に経営者がハンガリー人に変わったのを機に新たな店に移転し、よりエレガントで高級路線を狙うが、総料理長は開店当初から変わらない。オーナーによると、客層はブダペスト在住や観光客のアジア系

（日本人、韓国人、インド人、タイ人、中国人など）が大半で、ハンガリー人が約30％、 5％はそれ以外の外国人。子供連れ家族向けに、子供が遊べるスペースも設置。風呂敷など日本の文化紹介のイベントなども開催している。ケータリングサービスにも力を入れる。

WASABI2004年に 1号店開店。現在、ブダペスト市内では 4店、地方都市デブレツェン市に 1店を持つ、唯一の和食チェーン店。2015年には隣国オーストリアのウィーンでも開店した。回転寿司の形態をとるが、和食のみならず韓国、タイ系の料理を混ぜたことやモダンなインテリアでハンガ

リー市民にも受け入れられた。系列には、2014年にオープンした焼肉中心のYamatoRestaurant もある。

NOBU2010年開店。ブダペスト市中心部の5 つ星ホテル・ケンピンスキー内にある。寿司職人のノブ・マツヒサ（松久信幸）氏と俳優ロバート・デ・ニーロ氏がニューヨークで立ち上げた「ノブ」がグローバルに展開するグループのブダペスト店。市内では最高級の創作日本料理店であ

り、ハンガリー人や外国人のセレブや富裕層がよく利用する。


ングガイド（diningguide.hu）」がある。毎年、国内レストラン「トップ100」を審査・決定しており、こちらは紙媒体でも発行されている。「ウィーラブブダペスト（welovebudapest.com）」は、ブダペスト市の最新トレンドスポット、レストラン、カフェなどくまなく紹介している。また、「カフェ厳選10店」といった記事も掲載。一部は英語もある。「ネットピンツェル（Netpincer.hu）」は、ネットで各レストランに出前オーダーができるサイト。メニューの他、平均的待ち時間、配達料など詳しい情報、および利用者評価が掲載されている。また、場所からレストランの検索が可能。

量は約 4キロと、2000年頃の 3 キロからは増加しているが、EU平均の18～20キロには程遠い状態。クリスマスに鯉料理を食べる習慣があるが、魚を食べるのは年に 1回、それだけ、という市民も多い。また、種類も鯉、なまず、淡水スズキ程度に限られる。一般スーパーでは生魚は手に入らず、冷凍のみ。ハイパーマーケット、市場、数少ない専門店でのみ入手できるが、肉に比べて価格は高く、種類も限られている。

ブダペスト市内の主なデリカッセン、輸入食材店クリナリス（Culinaris）輸入高級食材販売店のパイオニア的の存在。ブダペスト市内でも最大級。 5区と 3区に店を構え、 5区の店舗はレストラン併設。食材は欧州が多いが、日本食材では、醤油、わさび、寿司米、そば、カレールー、マヨネーズ、パン粉、うどん、わか

め、味噌、日本酒、日本産ビールなど100品以上。市内レストランなどへの卸売業もしている。ウェブショップあり。

アージア（Azsia）アジアの香辛料、食材販売店の老舗。もともとブダペスト中央市場内の13平米の店から、隣接ビルに移転し、店舗は300平米に拡大した。クリナリスと同様に、日本食材は100品以上扱っている。市内レストランへの卸業も行っている。ウェブショップあり。

セガ（SZEGA）1994年の開店当時は、イタリアやフランスのチーズ、ハムなどの高級食品を専門に販売していたが、店舗を大幅に拡張して以来、取扱品目が大幅に増加し、アジア系食品も小規模ながらも販売している。タイカ

レー、中華料理食材、寿司キットなど。市内 2区高級住宅街近くのモール「ブダジュンジェ」内にあり、店内では簡単な食事もできる。客層は、外国人、ハンガリー人裕福層。ウェブショップはない。

ハンガリーのレストランに関するグルメサイトでは、口コミ系では「トリップアドバイザー（TripAdvisor）」のレビュー件数が最も多い。同サイトでは、外国人観光客の他、ハンガリー人の書き込みも多く、レビュー評価が100件以上というレストランも稀ではない。一方、ハンガリー系のサイトでは、取り上げられているレストランの数も、評価数も少ない。注目レストランのレビュー記事を中心に掲載しているものには、「ダイニ

ハンガリーは、食品・農産品分野では純輸出国である。輸入の95％は EUからである。EU域内で見ると、旧15加盟国からが70％、新規加盟国からが30％。最も輸入の多いのは、ドイツ、オランダ、ポーランドである。品目別では、肉類、肉加工品、牛乳、乳製品が多い。ハンガリー市民の 6 割は、食の安全面から国産品を選択するとしている（Nielsen、2010年）。しかし実際に購入する段階になると、産地にかかわらず牛乳やハムなど、値段の低い方を選ぶ傾向もみられる。2000年代半ば頃からは、「安価な輸入食品」ではなく、特定の国の食品や、高級輸入食材を販売するデリカッセン店（グルメショップ）が登場。当時は、通貨フォリントがユーロなどに対して現在よりも20％程度高かったことも後押しした。現在では、大小合わせて数十軒の店がある。一方で、経営が成り立たず 1～ 2年で閉鎖に追い込まれる店も多くある。日本食材については、現在では、大きなスーパーやハイパーマーケットであれば、どこでも醤油（キッコーマン）は置いてあるようになった。たいてい、アジアやインターナショナル食品、健康食品と同じコーナーにある。また、オーガニック・健康食品小売店でも販売されている。近年では、醤油 1つとっても、たまり醤油、照り焼き用などバラエティーが増加。また寿司用のノリ、ワサビも販売されているところが増加した。小売店としては、「トーキョー・プラザ」（ブダペスト市 2区）が日本および韓国食材を中心に販売しており、現地在住の日本人も多く利用している。また、販売品目の 1 部として日本食材を取り扱っている輸入食材店には、「クリナリス（Culinaris）」、「アージア（Azsia）」などがある。また、日本食レストランで、若干の食材を販売しているケースもある。ただし、いずれにしても、日本からの直接輸入は非常に限られている。円高や輸送で非常にコストがかかり、時間もかかるからである。そのため、ハンガリーの販売店のほとんどが、ドイツや英国、オーストリアの卸売会社、またはこうした会社から仕入れをしているハンガリーの卸売会社から輸入している。または、日本のブランドではなく、類似の韓国、タイ、ベトナム、中国の製品を販売する店が多い。ハンガリー市場は、コメや醤油の種類やブランドにこだわるほど成熟はしていない。日本の飲料、アルコール類については、食品ディストリビューター「インターコーポレーション（InterCooperation）」が取り扱うCHOYAの梅酒が、ハイパーマーケット・テスコでもおかれるようになった。日本酒を扱うのは同社とハイパーロジック（hyper logic）などである。また、「スピン（S.P.I.N、）が取り扱うポッカレモンなどは、スーパーCBAでも購入可能。アルコール類販売店 8 ＆ 8 では、梅酒の他、キリンやサッポロのビールも扱っている。ただし、全般的には、知名度は依然として非常に低い。魚の消費については、ハンガリーは発展途上である。 1人当たりの年間消費

レストラン紹介ウェブサイト

輸入食品市場

主なレストラン紹介ウェブサイト

https://www.tripadvisor.co.hu/www.foursquare.com

100件以上による評価があるレストランも多い。観光客、地元市民向け両方。

https://www.diningcity.hu/ ハンガリーでは2010年に開始。料理、サービス、雰囲気の点から総合的に評価有名店、新規オープン店、注目店を中心に評価。

http://etterem.hu/ 2010年開始。全国7,000か所のレストラン、バー、ケーキ屋を網羅。しかしレビューの数は少なく、通常 0～ 5、多くて10～20である

http://etteremkereso.net/ 利用者評価あり。ただし、各レストランレビュー数 5件以下がほとんど。カバーされている店は少ない。（例：日本料理カテゴリーでは 2件、フランス料理カテゴリーでは 1件）

http://www.etterem.biz/ 利用者評価なし。カバー店数も少ない。（例：ブダペスト市 5区のレストランは 4件のみカバー）http://findfood.hu/ 数は多いが評価はない、「地図つき」を売りにしている

diningguide.hu ネット上のグルメ雑誌、トップ100を毎年発表単純な検索ではなく、レストランのレビュー記事、評価http://welovebudapest.com/ ブダペスト市の最新トレンド観光スポット、レストラン、カフェなどを紹介（一部英語あり）

netpincer.huレストランの場所から検索。また、ネットオーダー受付レストラン一覧。レストラン名、場所、料理の種類などで選べる。メニュー他、待ち時間、配達料、利用者評価、netpincer に参加開始時期など閲覧可能

04 食 FOOD


ベーカリーベーカリー分野も、チェーン店と単独店に大きく分かれるが、チェーン店のほとんどは地元資本で冷凍製パン、ペーストリーである。「リポーティ」、「プリンセス・ペークシェーグ」、「プリマ・ぺーク」、「P&Pペークアール」などがある。唯一、外国資本としては、クロアチアのムリナルがある。また、ハンガリー発のフォネッティ（Foｒ netti）は2015年夏に、世界的に買収を繰り返し拡大しているアリスタ（Aryzta、本社：スイス・チューリッヒ）に買収された。

ハンガリー資本チェーンリポーティ・ペークシェーグ

（Lipoti Pekseg）地方のリポート村で1992年創業。2006年にフランチャイズ形式での展開を開始し、現在では全国で200店舗以上ある。（そのうちブダペスト市内は50店舗以上）また、スロバキアの南部（ブラチスラバ含む。ハンガリー系住民が多い）でも約10店舗ある。

プリンセス・ペークシェーグ（Princess pekseg）＊冷凍製パン・ベーカリー1994年創業。ブダペスト市の地下鉄駅構内で、キオスク程度の大きさの店18軒を持つ。ガソリンスタンド（MOL、OMV、Shellなど）、ホテル、スーパーにも卸している。2000年より近隣諸国にも進出。プラハ地下鉄 6店舗、その後ルーマニアガソリンスタンド、ブカレスト地下鉄11店舗。ポーランド、ウクライナへも進出予定。

外国資本チェーンムリナル（Mlinar）＊冷凍製パン・ベーカリークロアチアのチェーンで、同国での店舗網は165店と最大。また、隣国スロベニア（25店）、ハンガリー（ 7店）、ドイツ（ 1店）を有している。ハンガリーへは2013年に進出。

スイーツハンガリーのスイーツ店は、ほとんどが何世代かに渡る家族経営で、1店舗、多くても姉妹店として 2～ 3店舗を持つ程度である。カフェ分野で見られるような、インターナショナル系フランチャイズチェーンの活発な進出は、スイーツ分野ではない。

老舗で、現在でも行列ができるほど人気が高いのはダウブネル（Daubner　操業1901年）、アウグスト（Auguszt、操業1870年、市内に 3店舗）など。家族経営から直営店とフランチャイズ展開を図っているケースには、マジパンを使った製菓会社「サモシュ

（Szamos）」があり、カフェ形式の店がブダペストを中心に14店舗、販売のみが10店舗ある。2014年にはウィーンにも進出した。しかし、これは珍しい例である。商業的な大量生産型のスイーツ店はあまり受け入れられない保守的なハンガリーにあって、唯一、フランチャイズで急拡大に成功しているのは、アイスクリーム専売の「ラベンダー・アイスクリーム」である。

ラベンダー・アイスクリーム（ハンガリー語はレヴェンドゥラ・ファジラルトゾー　Levendula Fagyilaltozó）

ハンガリー人 3人が始めた店は、オリジナルで質や味にこだわることを売りにしており、原材料には、新鮮な果物の他、しょうが、バジル、ハンガリー産トカイワイン、地ビールなども混ぜている。店の外観、内装ともにラベンダーの薄紫を基調としており、外にはその色に塗った自転

車が飾られているため、印象深い。2014年10月に第 1号店が開店して以来、ブダペスト市内 5店舗、全国では13店舗と急拡大している。

アイスクリームはハンガリーで一番人気のスイーツ

カフェブダペスト市のカフェ文化は古く、20世紀初頭には既に500店程度が操業していた。現在のブダペストのカフェは、次の 3つに大きく分けられる。①老舗クラシックタイプ、②フランチャイズチェーン、③単独。老舗タイプのカフェは、かつては歴史上の舞台になったところ

や、富裕層や知識人の集まる場所だった。現在、残っているカフェは全面改装されており、高い天井に吊り下げられたシャンデリアや豪華な調度品、インテリアで、優雅な雰囲気が楽しめる観光客の人気スポットになっている。逆に、価格が高いため、一般市民はめったに行かない。「ジェルボー」、「ニューヨーク・カフェ」、「セントラル・カフェ」などである。フランチャイズチェーンでは、2000年代半ばからインターナショナル系が進出。現在は、「コスタ・コーヒー」、「スターバックス」、「コーヒーショップ・カンパニー」、「カルフォルニア・コーヒー・カンパニー」などが市内に店を構えている。こうしたチェーン店は、観光客だけではなく、ハンガリー人（特に若い層）にも受け入れられている。ハンガリー系のチェーンでは、「カフェ・フレイ」が、ショッピングモール内の大手書籍店に併設する「ブックカフェ」の形式を主に採用し、全国に30店展開している。単独カフェは、どこもこだわり路線で個性をアピールしている。市内のいたるところにあるカフェと比較すると、数は非常に少ないが、紅茶専門の「ティーハウス」も何軒かある。その中には、2012年にオープンしたハンガリー初の抹茶・日本茶専門店「丸元」もある。

ジェルボー（Gerbeaud）1858年にオープン。1870年に現在のヴルシュマルティ広場に移った。音楽家フランツ・リストや、「シシィ（オーストリア皇后・ハンガリー王妃のエリザベート）」もよく通った店というほど伝統がある店。1997年に全面改装された。2009年には東京北青山にもオープン。ハンガリーのカフェが日本で上陸を果たした例は、これまでのところジェルボーのみである。また、ブダペスト市内では、ミシュラン星を獲得したOnyxと、ジェルボービストロ、さらにブダ側の閑静な住宅街の屋敷を改装してレストラン・カフェにしたエミルは、同じグループの経営。

スターバックス（Starbucks）2010年に、市内のウェストエンド・シティセンターに 1号店がオープンした。現在、市内では13軒が営業している。一般の店のコーヒーよりは高めだが、トレンディな雰囲気、Wifi が使えることから、若いハンガリー人の利用も多い。

カフェ・フレイ（Café Frei）テレビの旅行レポーター・フレイ・タマーシュ氏が友人と2007年に開始した。フレイ氏はコーヒーマニアで、20年に渡り100カ国以上を旅した経験を活かし、世界の多彩な本物のコーヒーを市民に提供することを狙った。現在世界18カ国から豆を輸入し、自社で焙煎する。店内インテ

リアは暗め、南米、アフリカ的でエキゾチックである。フランチャイズ形式で、多くは、大手書籍店リブリ（Libri）併設ブックカフェとして展開している。ブダペスト13店舗、地方17店舗（そのうち 1 店は TESCOの社員食堂内）。2013年にはルーマニア、スロバキアにも進出した。フランチャイズ契約では、加盟料（国内は 2万ユーロ）、ロイヤルティー料（10万 HUF、最初の60カ月は定額）、マーケティング料（ 5 万HUF）、メンテ・サービス料（2.5万 HUF）、訓練費（ 3 万HUF）など（カフェ・フレイ社のウェブサイトより）。

カフェ・ベーカリー・スイーツ


Q 家族を紹介してください。高校の先生で、電気技師としても働いています。妻も会社員で共働きです。小学生の娘が 2人いるのですが、ダンス、音楽と違った才能が有るので、それぞれに合った別の学校に通わせています。習い事にも通わせているため、子供たちの送り迎えは大変です。自宅がブダペストのはずれで、もともとは別荘地であったため交通の便はあまり良くありません。車がないと不便ですが、バイクが趣味なので天気がいいとバイクで送り迎えをしています。Q 月々の食費はどのくらいですか。約 6 万～ 8 万HUFぐらいです。ただ、外食も 2 ～ 3 万 HUF分ぐらいはしますので、合計で 8万から11万 HUFぐらいでしょうか。買い物は近くにあるハイパーマーケットで済ませます。妻の両親が田舎から飼っている鳥の卵などを送ってくれるので節約できて助かっています。

①トポルファミリー

結婚期間：12年ロバートさん（夫）47歳、マラさん（妻）46歳子供 2人の 4人家族住まい：ブダペスト 3区の一軒家世帯の月の収入：中間層（40万～80万 HUFの間）

②チュルディファミリー

結婚期間：11年アッティラさん（夫）39歳、アニタさん（妻）42歳子供 1人の 3人家族住まい：ブダペスト11区のアパート世帯の月の収入：富裕層（80万 HU以上の収入）

Q 家族を紹介してください。企業の調達責任者をしており、妻も会社員で共働きです。 8歳の娘が一人いてバスケットボールのクラブチームに所属しています。子供に影響されて私もバスケットを始めました。Q 月々の食費はどのくらいですか。15万 HUFぐらいでしょうか。なるべく質のいいハンガリー製を購入するようにしていますので結構かかりますね。品質のいいものを探してあちこちのマーケットに出かけています。また、これに加えて二人とも会社で昼食をとっていますので、そこで 7万～10万 HUFぐらい使っていますね。私の会社の食堂はおいしいですよ。毎日の買い物は近くのスーパーで済ませます。オンラインショッピングで買うことも考えたのですが、買い物も楽しむ方なのでまだ利用していません。Q どのようなものを食されますか。ハンガリー料理が好きなのですが、よく考えるとあまり食べていませんね。パスタなどが多いでしょうか。料理は主に土曜日に二日分一気に作ってしまいます。魚や肉のグリルを作ることが多いのですが、時間があればハンガリーの伝統料理のグヤーシュや、ラタトゥイユに似たレチョーを作ります。フライなどの油ものはあまり作りませんね。材料はなるべく国産で、生産地のわかるものを買うようにしています。

食宅拝見

Q どのようなものを食されますか。二人とも職場で昼食をとりますし、夜も平日は簡単なもので済ませますのでほとんど料理をしません。代わりに週末の食事を家族で取れるよう大事にしています。特に、日曜日の昼食に温かい料理を作り、家族みんなで取るようにしています。作るのは主にハンガリーの伝統的な料理である鳥のフライやチキンスープなどです。ただ、健康のため食材にはこだわるようにしています。ビオ製品を選ぶようにしたり、小麦粉の代わりに米粉を使って料理をしたりします。外食は寿司屋によくいきますよ。家族みんなが魚好きなので、夏休みの旅行は海の近くでシーフードを楽しむのが恒例です。

04 食 FOOD


住宅事情

住宅市場は、2008年の金融危機後の氷河時代から、2015年には回復し始めた。完成戸数では、7,612戸と前年から減少したが、建設許可の交付数では 1 万2,515件と30％近く増加した。2016年 1 － 9 月期は完成戸数5,307戸で前年同期比14％上昇。建設許可交付数は 2 万1414件と、前年同期の約2.5倍と飛躍的に伸びた。この傾向は、ブダペスト市や、通勤圏であるぺシュト県でも同様である。好調な伸びの背景には、賃金の上昇に加えて、政府が大胆に拡充している住宅政策がある。「マイホーム購入支援プログラム（CSOK）」にはいくつかの支援の形式があり、扶養対象の子どもの数が多いほど、また中古住宅より新築住宅向けの方が支援は手厚い。中でも目玉措置は、新築住宅の建設、もしくは建売購入の場合、 3人の子どもの出産を約束すれば、1,000万 HUFの返済不要の補助金および1,000万 HUFの低利融資が得られるというもので、2016年 1 月から開始になった。

所有 vs 賃貸ハンガリー人は伝統的に持ち家信仰が強い。持ち家率は89％（出所：中央統計局、2015年）。毎月、家賃を払うのは金をドブに捨てるようという考え方が浸透しており、親は、子が独立する際に、30平米程度のワンベッドルーム、ワンルームでも購入して与えようとする。もしくは、子どもが購入するのに資金援助をする。その後、子どもが働き貯蓄ができると、小さなアパートは売却する、学生に賃貸するなどして、より大きな住宅を買うパターンが多い。しかし、持ち家率は、緩やかな下降傾向を示している。2011年と比較すると、3ポイント低下している。賃貸用の住宅が最も多いのはブダペスト市。ブダペストの住宅は、約16％が賃貸である（ただし、そのうち 5％強は、区からの賃貸）。

住宅価格価格も軒並み上昇している。金融危機後に大幅に下落したが、2013年末～2014年年初に底打ちし、以来30%近く上昇している。2016年 4 －6 月期の住宅価格は前年比10.3%増となり、ハンガリーの伸び率は、ラトビアと並んでEUでは最も高かった（出所：欧州統計局）。ただし、上昇率は縮小している。不動産売買仲介サイト ingatlan.comのまとめによると、2016年現在の新築住宅の平米当たりの平均価格（全国・言い値）は、前年同月比16%上昇し49.2万フォリント。中でも、ブダペストの価格が最も高く平均58.2万フォリント

（前年比15％）。2013年からは30％以上増加した。中古住宅市場でも、最も高いのはブダペスト市で、平米当たりの価格は44.4万フォリントで、前年10月比25%増、14年10月比は55%増と急上昇した。

オフィス事情ブダペスト市の賃貸用オフィスビルの延べ床面積は約334万㎡（うち賃貸用は263万㎡）。オフィスは、モダンで質の高い「クラスA」と、「クラスB」に分類され、現在、前者は全体の63％、後者は37％を占める。空室率は2014年以降、低下を続けており、クラスAは7.5％、クラスBは14.8％。全体では10.3％になっている（出所：2016年第 2四半期BudapestResearchForum）。ロケーションでは、最も高級とされるのは中心街（ブダペスト市 5 区）。しかし 5区は狭いため、この15年間で、大企業や金融機関の多くは 5区から外へ移転した。特に、13区へ延びるヴァ―ツィ大通りでは開発が進み、現在オフィスビル延べ面積の27％が集中している。その次に多いのは 6区、 7区の「ペスト中央南部」で14％。また、11区のブダ南地区は12％。この地区にはIT、ハイテク関連の企業が集中している。賃貸料は、場所、質により平米あたり 9 ユーロ／月から。景気の拡大とともに賃貸料も上昇しており、中心街では2007－2009年のピーク時の22ユーロに回復している（出所：JonesLandLaSalle ＝ JLL、2016年第 2四半期）。

賃貸料（ユーロ）㎡/ 月

オフィス中心街（ 5区） 22

クラスA 12.5～13.4クラスB 9.1～10.2

＊新築・販売戸数には、自分で建てるものは含まない。（出所）中央統計局

新築中古

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 20161-9月

140 82.9 85.5 83.9 83.3 86.4 110.5 130.7 57.5

14.1

8.3 4.8 3.9 2.6 2.3

3.3

3.4

1.4

住宅販売戸数

暮らし LIVING05

05 暮らし LIVING


Q ご自宅の魅力は？この物件に住んで14年になりますが、ブダペストでもっとも静かで空気のいい場所に位置していることを実感しています。すべての窓が庭に面していて、日当たりが良好で、窓から見える庭の眺めも気に入っています。このアパートには 6世帯が入っていますが、窓から他の家が見えることもなく、しっかりとプライバシーが守られていることは魅力ですね。町の中心までの交通の便も悪くないことに加え、ガレージもついていますので助かっています。犬を遊ばせられるドッグパークが近いことも私たちにとって重要事項の一つですよ。

Q ご自宅の問題点は？子供達に別々の部屋を持たせてあげたいですね。お風呂場が大分老朽化してきていますので、バスタブを外してシャワーだけにリフォームしてもう一部屋作りたいと思っています。家具は IKEAなどで気に入ったものを家

①カルマール家の場合

デザインオフィスに勤めるラースローさんとパティシエの資格を活かした在宅ビジネスを行うシルビアさん、息子さん、娘さんの 4 人とヴィジュラ種のハンガリー犬が住むこの家は、閑静なブダ側の住宅街に位置する集合住宅

住人：ラースローさん（夫）48歳、シルビアさん（妻）45歳、ゲルグーさん（息子）18歳、リリさん（娘）16歳家の形態：アパート間取り： 2 LDK/68m2

賃貸料：持家（賃貸ならば20万フォリント程）管理費： 8 万フォリント /月物件販売額： 4 千万フォリント（現在）世帯の月の収入：中間層（40万～80万 HUFの間）

お宅拝見

に合わせて購入しています。ただ、いくつかの電灯が裸電球のままなのが気になっています。14年間ずっといいランプシェードを付けたいと思いながら今に至っているのですが、やっぱりかっこ悪いですよね。買い物は近くでできるので問題ありません。


Q ご自宅の魅力は？自宅兼仕事場ですので、家族との時間が多く取れることが一番の魅力ですね。 3階が仕事場なので集中できますし、子供たちが騒いでも気になりません。ガーデンパーティーが好きなので、家から庭へのアクセスがいいことと、家からの庭の眺めも気に入っています。近くには買い物ができる場所も多くあり公共交通機関も充実しています。高速の入り口も近いので車での遠出もしやすく最高の立地です。また、冬にわらで作った人形に願い事を書いた紙を付けて燃やす伝統行事があるのですが、たくさんの友達を招いてこのイベントをするのが年に一度の楽しみです。

Q ご自宅の問題点は？自宅にはほとんど不満はありません。以前は子供たちが二つの部屋をシェアしていたのですが、娘たちが不満を口にするようになったので、部屋を区切って子供達それぞれにパーソナルスペースを持たせることができたので今は文句を言わなくなりました。愛犬も庭に満足してくれていますしね。ただ、たまに水漏れがありますのでパイプの確認を早くしないといけないとは思っています。

②ボデイ家の場合

建築家のアッティラさんとアーグネシュさんは 5人の子供を持つ大家族。自らデザインした自宅兼仕事場の一軒家は家族との時間を大事にするボデイ家にとって大満足の物件。

住人：アッティラさん（夫）46歳、アーグネシュ（妻）45歳、（長女）18歳、（次女）16歳、（三女）13歳、（四女）5歳、（長男）1歳家の形態： 3 階建て一軒家間取り： 3 階建て /136m2

賃貸料：持家（賃貸ならば26万フォリント程）管理費： 8 万フォリント /月物件販売額：5,900万フォリント（現在）世帯の月の収入：中間層（40万～80万 HUFの間）

お宅拝見

05 暮らし LIVING


らは費用が高くなりすぎ呼べません。モンドコンの入場券は3,800HUFと、映画よりは高いですが、 2日間有効で会場内のプログラムはすべて無料です。普通の見本市やイベントとは違うモンドコンの最大の特徴は、来場者の90％が、開館時間から終了時間まで居続けることです。ですから、 1～ 2時間で終わってしまう映画と違い、モンドコンは、普段はSNSなどでの交流に限られるファンらが実際に集まり、一日中楽しめる格好の場なのです。

収益や、今後の見通しは？イベントの税引き前利益は、毎回2,000万 HUF程度。利益率は10～12％といったところです。普段は少数で組織していますが、イベントでのスタッフの数は60～80人です。今後、テレビでアニメが放映されて爆発的な人気を得る、というようなことがなければ、来場者の数が大きく増大することはないとみています。ドイツやフランスからの客の開拓は、既にこうした国々では多くのイベントがあるので難しいでしょう。逆に、セルビア、ルーマニアなど東、南の国々にはこうしたイベントはないのですが、所得が低いので、ハンガリーへの訪問自体が難しい状況です。

マンガ情報雑誌（Mondo）の内容や発行部数、収益を教えてください。Mondo（問答）は2006年に開始した隔月雑誌です。マンガやゲームの他に、J-pop（音楽）、日本でのメイクやファッション、その他のカルチャーのトレンドなどを紹介しています。一冊790HUFで、発行部数は8,000部ほど。毎回、赤字です。今は、紙媒体はダメですね。デジタルや非合法で観る方法はいくらでもあるので。でも、ここにモンドコンの様子や、地域のコスプレクラブを紹介したり、コスプレでの目立った人の写真を掲載したりと、ファンの「コミュニティ形成のツール」として考えています。ですから、赤字でも続けています。

J-POP カルチャー

ハンガリーでの J-POPカルチャーの受容具合は、他の欧州諸国同様に、10代後半から20代前半の若者の極一部の層に限られる。しかし、2008年から開始されたアニメ、マンガ、コスプレなどの日本文化イベント「モンドコン（MondoCon）」は、現在は年に 4 回開催されており、本格的なものとして確固たる位置を占めている。モンドコンの主催者の一部は、出版社「マンガファン」も経営しており、日本の出版社から正規の版権を得てハンガリー語訳にしたマンガや、隔月でマンガ情報雑誌の出版も行っている。また、ブダペスト市内のアレクサンドラ（Alexandra）、リブリ（Libri）、リラ（Lira）、ブックライン（Booklinee）といった大手書籍店とそれらのウェブショップでは、数は少ないがマンガ本を購入することができる。（マンガは、マンガファンが出版したハンガリー語版『ヴァンパイア騎士』、『NARUTO－ナルト─』、『NANA』（ナナ）、日本語の古本で『GANTZ』、英語版の『ブラックジャックによろしく』など）市内には、フィギュアショップも数軒、存在する。

は200人程度だったのが、2008年には6,000人にまで膨れ上がりました。そのため、資金や人の管理、イベントの組織などでよりプロフェッショナルなアプローチが必要になりました。そこで、新たに会社「モンドー・コンヴェンション」を設立し、2008年から現在の形のモンドコンとなりました。私（ボロシュさん）は、協会に属していたのではなく、「マンガファン出版社」という会社を設立し、マンガを出展していた側でした。マンガ出版を始めたのは、幼少期に日本に滞在していたハンガリー人の友人の家にある大量のマンガ本を見て、ここでも受け入れられる可能性があるとみたからです。モンドコンとしてイベントが生まれ変わる際に、組織する側として加わりました。

来場者数や年齢層は？チケットを購入して来場する人の数は約7,000人くらいです。（ 2日で延べ 1 万5,000人）　2008年以降、来場者数はほとんど変わりませんでしたが、この 2年で少し増えてきています。来場者の80％は16歳から21歳まで。また、居住地別にみると、半分はブダペスト市在住、残りの半分は市外からです。国外在住のハンガリー人や、オーストリアからバスをチャーターして乗り付ける人たちもいますが、少数です。ハンガリーには、日本の大衆文化のファンベースとしてブダペストで 5万人程度、全国で10万人程度と見積もっています。

出展者は？毎回、出展者は40ほどです。ゲームや 3 Dフォト、フィギュアショップなど。それほど多くないのは、海賊版など非合法商品の販売は一切断っているため。権利問題は非常に厳しいことを明確にしています。一方で、一般ファンにも、自分の作品を披露できるようブース貸出料金を業者向けより低く設定しています。

どのようなことに力点を置いていますか？コスプレ、ディスカッション、ビデオゲームなど、ファンらが参加できるプログラムを多くして、彼らの交流をいかに深めるかを最優先にしています。現在、アニメスクリーニングはほとんどやっていません。欧州ツアーに出ているミュージシャンを招待することはありますが、日本か

分野店舗名 URL 所在地マンガ Alexandra

アレクサンドラ www.alexandra.hu チェーンで市内で展開

マンガ Liraリラ www.lira.hu チェーンで市内

で展開

マンガBooklineブックライン www.bookline.hu 書籍ウェブショップ

Mangafanマンガファン www.mangafan.hu 出版の他、

ウェブ販売

フィギュア（マンガも）

Trillianトリリアン

https://www.facebook.com/kepregeny 6 区

SakuraZaka桜坂 www.sakurazaka.hu 9 区

Holdfenyホールドフェーニ www.holdfenyteam.hu 6 区

fantamaniaファンタマニア

http://fantasmania.hu/

ウェブショップ（日本のものは僅か）

Animelandアニメランド www.animeland.hu ウェブショップ

日本大衆文化ショップ

Japancuccokヤパーンツッツォク www.japancuccok.com ウェブショップ

ゲーム576Kbyte https://

576kb.hu/ブダペスト市内主要モール内に10店舗

KonzolokSzervizコンゾロク・セルビズ

http://www.konzolokszervize.hu/ 6 区

ボロシュ・チャバさん（左）セケレシュ・アンドラーシュさん（右）

モンドコンの開始の経緯は？前身になったのは、2004年に始まったファンの集いで、「協会（日本の社団法人に相当）」を設立し開催しました。当時からマンガやフィギュアの展示即売やコスプレコンテスト、サイエンスフィクション関連のプログラムなどがありました。しかし、来場者が初め

モンドコンを運営するボロシュ・チャバさん、セケレシュ・アンドラーシュさんに話を聞いた。


海外旅行市場

ハンガリー人の2015年の出国数（延べ人数）は、約1,730万人で、そのうち旅行目的（観光、及び出張や会議出席など商用）は970万人と約16%増加した。国外延べ宿泊日数は5,100万日。前年比6.6%増。宿泊延べ日数は、2012年に前年比割れして以来、2013年からは毎年増加している。このうち、約75%は旅行目的である。国民の21%が年に最低 1 度は 1 泊以上の外国旅行をしていることになる。外国旅行は、都会在住、高学歴の市民ほど多い。ブダペスト市民は36%が年に最低一度、外国旅行をしている。ハンガリーはオーストリア、スロバキア、ウクライナ、ルーマニア、セルビア、クロアチア、スロベニアと国境を接しており、ブダペスト市からであれば車で 2－ 3時間でどこの国にも到達する距離である。また、シェンゲン協定圏内であれば国境検問もない。また、欧州であれば、ウィズエアー、ライアンエアーなど格安航空会社が各都市へ就航しており、最も安いもので片道5,000HUF程度から航空券の購入が可能である。こうしたことから、欧州内の旅行は、言語こそ異なるものの、身近なものになっている。宿泊を伴う旅行の訪問先では、EU域内が 8割以上を占める。目的は、 5割弱が親戚や友人訪問（欧州ではドイツやオーストリア、英国などに合計数十万人のハンガリー人、ハンガリー系が移住、または短期就労、留学している。）。純粋な旅行であれば、夏はクロアチアの海、冬はオーストリアやスロバキアのスキーが人気である。（出所：中央統計局）

支出・ハンガリー人国外訪問者による外国での支出合計：6,330億 HUF（前年比9.3%増）

・1人当たり、 1日当たりの支出額は12,400HUF（2.5%増）　うち、日帰りは、9,400HUF　宿泊の場合13,300HUF （出所）中央統計局

結婚市場

ハンガリーの婚姻数は、1950年代終りから減少の一途をたどり、2009年以降は年間 4万組を下回っていた。しかし、2015年は 7年ぶりに約4.6万組となった。また、人口1,000人あたりでも4.7人と、2000年以来の最高値となった。増加傾向は2016年も続いており、 1 － 8 月期で3.6万組、前年同期から9.2％増加した。一方、2015年の離婚数は 2 万組、1,000人あたり2.1人（出所：中央統計局）。婚姻数増加への転換は、景気の回復に加えて、政府による婚姻者、扶養子どもに対する税制上の優遇措置やマイホーム購入支援などが拡充していることが背景として挙げられる。

目的別出国者人数の推移（延べ、単位＝千人）日帰り旅行宿泊旅行日帰り

合計宿泊合計全合計

観光商用合計観光商用合計2012年 3,241 229 3,470 3,783 484 4,267 11,262 4,881 16,1432013年 3,650 202 3,852 3,887 452 4,339 11,126 4,912 16,0382014年 3,776 230 4,006 4,495 432 4,927 10,753 5,587 16,3402015年 3,791 194 3,985 5,250 470 5,720 10,893 6,382 17,275＊旅行目的とは、観光（親戚友人訪問含む）および商用（出張、会議等）＊合計には、旅行目的以外の出国（勉学、就労など）含む。

ブダペスト市民の余暇の過ごし方は、ファミリーであれば「家族で一緒に行動」が基本だ。祖父母宅や友人宅訪問、ショッピング、アウトドア（長めの散歩や、市内や近郊のなだらかな山でのハイキング、ドナウ川など景観の良い場所でのサイクリング）が中心。Y世代（1980－99年生まれ）では、映画鑑賞、ハイキング、アウトドアが一般的だ（出所：GKIdigital）。ブダペスト市には12のマルチプレックスシネマがあり、学生や若者、小さな子ども連れファミリーに人気。一方で社会主義時代からの「アートシネマ」も 8軒生き残っている。こうした映画館は小規模で、大衆向けハリウッド映画とは一線を画すアートフィルムを上映している。

さらにハンガリーの特徴として、豊かな芝居文化が挙げられる。市場調査会社Gfk の調査によると、2015年には、ハンガリー人の29％が最低 1 回は観劇をしたと回答している（15～69歳、全国無作為抽出4,000人対象）。中でも、ブダペスト市民になると、その割合は48％にもなる（これには、学校で観劇に行くことも含まれる）。また、教育水準が高いほど芝居に行く割合が高い。市内には26の劇場があり、オペラやコンサート同様、服装もよそ行きで行くのがエチケットである。大人向けのみならず、子どもが楽しめるものも多く用意されている。

余暇市場

劇、映画入場者数　延べ人数芝居映画

ブダペスト全国ブダペスト全国単位：千人 4,373 6,736 6,688 12,512

美術館・博物ブダペスト全国

施設数 85 701展覧会開催数 866 4,292

入場者数（千人） 3,524 9,563（出所）中央統計局KSH、2015年

「セーチェーニ余暇カード」（略してセープ・カルチャ＝ SZEP　Kartya）ハンガリー市民による国内の観光、レジャー産業の拡大に大きく寄与しているのが、「セーチェーニ余暇カード」と呼ばれる制度である。これは、雇用主が従業員に福利厚生の一環で支給するもので、年間、一定額をカードにチャージすると、従業員がカード提携のホテルやペンション、レストラン、また文化スポーツ施設で利用できるものである。雇用主にとっては、現金で支給するより課税率が低いため、中規模以上の企業はほとんど導入している（2017年は、民間企業は年間35万HUF分をチャージできる。）。カードでの支払いが可能なのは、宿泊施設（ 1万4,000弱）、レストラン等（ 2万1,000弱）、文化スポーツ施設（ 1万7000強）である。宿泊施設だけでも、2015年は同カードからの支払いが170億 HUFに達した。（出所：中央統計局）

05 暮らし LIVING


婚姻者数データ年婚姻数 1000人中離婚数 1000人中

1970 96,612 9.3 22,841 2.21980 80,331 7.5 27,797 2.61990 66,405 6.4 24,888 2.42000 48,110 4.7 23,987 2.32001 43,583 4.3 24,391 2.42002 46,008 4.5 25,506 2.52003 45,398 4.5 25,046 2.52004 43,791 4.3 24,638 2.42005 44,234 4.4 24,804 2.52006 44,528 4.4 24,869 2.52007 40,842 4.1 25,160 2.52008 40,105 4 25,155 2.52009 36,730 3.7 23,820 2.42010 35,520 3.6 23,873 2.42011 35,812 3.6 23,335 2.32012 36,161 3.6 21,830 2.22013 36,986 3.7 20,209 22014 38,780 3.9 19,576 22015 46,137 4.7 20,315 2.1


ハンガリー人の初婚年齢平均は、女性が30歳、男性が32歳（中央統計局、2015年）。ブダペスト市民の結婚は25－45歳が多く、 3 組に 1 組は片方、もしくは両方が再婚と言われる。　カップルの多くは、結婚前に一緒に住む。結婚の形態は、教会で式を挙げ披露宴を行う、子どもが生まれて初めて籍だけを入れる、「シビルウェディング」など様々である。一般的な教会での結婚式、披露宴は、 5月から 9月の期間に集中しており、準備は 1 年位前から始める。ウェディングドレスはレンタルも多く、15万HUFから。購入の場合は35万 HUFくらいから。披露宴の会場には、ホテル、レストラン、イベント会場、ドナウ川上の船の他、郊外の元貴族の館、ワインセラーなどが利用される。半年前では、人気のある会場は既に予約で埋まっている。招待客の数は一般的には80～120人程度で、費用は最低でも300万 HUF。平均は数百万HUFで、1,000万 HUFを超える場合も珍しくはない。（出所：ウェディング雑誌BigDay 編集部）　市場全体の大きさは年間200－400億 HUFと推定されるが、経済が上向きのため、業界関係者は拡大していると口を揃える。ブダペスト市では一年を通じて、いくつかのウェディング関連の見本市が開催されている。中でもミラコロソ・イベント社（Miracolosoeventkft）が毎年春と秋に主催する「ウェディング見本市」は国内最大（特に秋が大きい）。　2016年11月の見本市では、ドレスサロン、ケータリング、レストラン、メーク・ヘア、ケーキ、専門写真家、ビデオ撮影、招待状、指輪、靴、ウェディングプランナー、銀行、旅行会社、DJ、披露宴司会者など関連事業者270社ほどが出展した。見本市では、ドレスのファッションショーも行われる。業界関係者によると、イタリア、フランスなど国外で結婚するカップルも徐々に増加している。一方、英国人、ロシア人、イタリア人、オランダ人といった外国人が、ブダペスト市やその他の風光明媚な土地で挙式するケースも増加している。こうした外国人結婚ツーリズムのため、ミラコロソ社のウェディング見本市は英語でも対応している。

健康・福祉市場

医療・健康ハンガリーの公的医療機関は、国の社会保険料を納付していれば無料である。被雇用者は、給与から 7％が医療保険として天引きされる。雇用されていない者でも、毎月の保険料7,050HUFを国家医療保険基金に納めれば、同様にTAJカード（国民健康保険証）が発行される（納付額は2016年）。ハンガリーの医療は、欧州の平均水準に達しているとされるものの、国公立病院は設備が古い、足りないという物質面の問題、また、医師、看護師が慢性的に不足しているという人的な問題を抱える。後者に関しては、医療分野の報酬が低いため、欧州の他の国へ流出する者が後を絶たないからである。そのため、救急患者であってもなかなか対応してもらえなかったり、手術を受けるにも長い順番待ちとなることがしばしばである。こうしたことから、

まずは医師らが独自に経営する診療所（有料）で診察を受け、必要であれば大きな病院を紹介してもらうケースも多い。妊娠・出産では、個人の診療所で定期検診を受け、出産はその医師が利用できる（または勤務する）国立病院で行うことが多い。外国人駐在員や家族の大半は、私立クリニックを利用している。こうしたクリニックでは基本的に入院治療は行っていないが、必要であれば専門医療機関での受診や手術を手配する。予約制で、すべてで英語が通じる。中には、日本語の通訳者と契約しているクリニックもある。ハンガリーの国民保険は利用できないため、個人で全額負担し、その後、可能であれば契約している保険会社から支払いを受けるという仕組みである。現在、国立総合病院に匹敵するような診療科数やベット数を持ち、手術、入院に対応できる「私立病院」は皆無と言ってよい。このような中、「ドゥナ・メディカル・センター」が、ハンガリーのみならず地域で最も進んだ本格的な病院を目指し、2015年に一部がオープンした。2017年末に完成予定。かつて、ブダペスト市郊外に私立病院があったものの、産婦人科以外は採算が取れず2013年に閉鎖された。国民医療保険が私立病院では利用できないことが障害になっている。一方で、国民医療保険に基づくサービスは公式には無料であるが、手術などでは「謝礼」として、数万から数十万HUFを包むのが一般的である。また、入院した際は、「心づけ」として看護師にもいくらか渡すのが習慣になっている。この習慣は長く問題視されているが、医師らの低報酬を補完する必要悪としていまだに捉えられている。

「ドゥナ・メディカル・センター（Duna Medical Center）」（ブダペスト市 9 区）複数の外国人投資家からなるグループ（会社の登記場所はオランダ）が2014年、合計4,000万ユーロを投じて、最新かつ最高水準の医療サービスを提供するハンガリー初の私立総合病院（ 2 万5,000平米）を建設すると発表した。工事はいくつかの段階に分けられており、2016年 4 月からは最終段階に入った。2017年末の完成時にはベット数150床、病院が直接雇用する常勤の医師、看護師その他のスタッフは600人程度になる予定。2015年には第 1段階が終了し、医師160人（非常勤勤務含む）、ベッド数15床で、外来診療の他、手術、入院治療も行っている。同病院によると、患者の 8割はハンガリー人、 2割はハンガリー在住、もしくは国外からの外国人である。ハンガリーの国民保険ではカバーされないが、国内外の民間保険会社の保険を受け付けている。

介護市場ブダペストの65歳以上の人口は約34.4万人、割合では19.6％。全国の18.2％を若干上回る（中央統計局、2016年 1 月 1 日）。ハンガリーでは、通常、65歳以上の高齢者を抱える家族のうち、9.2％が何らかの形で外部からのサービスを受け介護を行っている（中央統計局、2014年）。日本のような介護保険制度や、それを基にしたデイサービスや短期間の宿泊サービスなどはないため、家族や親戚だけでは介護が間に合わない場合、ヘルパーの訪問サービスを受けるのが一般的。こうしたヘルパーは、元看護師の場合もあるが、一般人（主に育児の終わった40代後半以上）も多く、経験は多少あっても特別な訓練を受けた人は少ない。さらに、ハンガリーの特徴として、ウクライナやルーマニアなど、ハンガリーよりも所得の低い隣国ルーマニア、ウクライナからの出稼ぎヘルパーが多い（そのため、住み込み24時間介護も多い）。こうした人たちは、国外在住ハンガリー系住民であることが多く、言葉の問題は生じない。ヘルパーを探すのは、人づて、斡旋業者、ネット掲示板などである。介護、介助の内容にもよるが、ネットの個人間の掲示板などでは、 1 日（昼間）8,000HUFから、 1 時間1,000HUFからでオファーされている（出所：csaladinet.hu）。この料金水準は、ベビーシッター、個人の清掃サービスよりも低めである。24時間住み込み介護の場合は、月に20万 HUF前後から。斡旋業者を通す場合は、公式な税も含まれるため、もっと高くなる。自宅での介護が困難な場合、国立のリハビリ病院、教会が運営するホスピス病院（いずれも、高齢者向け専用ではない）に入院、国立の介護施設、宗教財団や民間会社経営の有料老人ホームがある。通常、国立の施設は要介護レベルが非常に高い人が中心で、数も少なく、順番待ちが長い。一般的な有料ホームは、入所時に数百万HUF、月々12、 3 万～25万HUF程度。ただし、料金体系は多様で、入所時の料金がない代わりに月々の料金が高めに設定されているところもある。有料ホームは、一般市民の年金だけでは賄えないため、子どもなど家族が支援するが、重い負担のため、数時間の介護ヘルパーを利用しながら、家族、親族、隣人らが交代で介護するケースが多い。

自宅ケアの斡旋会社の例：「看護健康サービス会社（Nurse Humanegeszsegugyi es Szolgaltato Kft）」2001年に設立。自宅での高齢者、病人、子どものケアのためのヘルパーを派遣する。 1日 1時間の訪問、10時間、夜間の泊り、24時間介護などのサービスがある。 1日 1時間の訪問の場合、ブダペスト市内では 1カ月に 6万2,500HUFから。（haziapolas.hu）


ンド大学（ELTE、文科系）、コルヴィヌス大学（経済系）、センメルヴェイス大学（医科、体育）など、各界のエリートを輩出してきた大学がある。通常大学（エジェテム）は 5年制で、修了すると修士号に相当する。一方、短期大学（フーイシュコラ）は 3年か 4年で、修了すると学士号が授与される。

教育市場

教育制度初等・中等教育ハンガリーの義務教育は 6歳から16歳まで（ただし、学習を容易にさせるため、あえて 7 歳から入学させる保護者も少なくない。）。小学校（ 8 年間）、その後に一般高校（基本は 4年）もしくは実務的な職業訓練、専門分野の中等教育機関（学校の形態は 3種類あり、 3年～ 5年）に分かれる。一般高校には 4年制、 6年制、 8年制があるため、小学校の 4年生、もしくは 6年生を修了する時点で、受験をして高校に編入する場合もある。高校では、途中に語学と IT 知識などの習得に集中し、国語など他科目は最低限に抑える 1年を設けている場合もある（「 0 年生」などと呼ばれる。）。この場合、在学期間は 1年長くなる。一方、幼稚園は 3歳から。

ハンガリーの義務教育（初等教育＋中等教育のパターン）

小学校 8 年＋高校 4 年（+ 1 ）

小学校 6 年＋高校 6 年（+ 1 ）

小学校 4 年＋高校 8 年（+ 1 ）

小学校 8 年＋職業訓練・専門学校

3 ～5 年（＋1 ）

学年

121110987654321

高等教育ハンガリーは大学の数は、全国でも35校程度しかなく、ほとんどが国立である。ブダペスト市はその中でも中心で、工科経済大学、ウトゥヴシュ・ロラー

教育施設の数

2015年幼稚園小学校職業訓練・専門学校一般高校職業訓練高校

ブダペスト全国ブダペスト全国ブダペスト全国ブダペスト全国ブダペスト全国学校の数 605 4,564 379 3,594 92 732 179 860 175 893

児童生徒数 55,516 321,012 119,751 745,323 11,040 87,639 49,600 180,966 40,130 182,529（出所）中央統計局

高等教育機関大学・博士課程

ブダペスト全国学生数＊（人）

うち、 105,811 195,419

ブダペスト出身 33,335ペシュト県出身 22,512

＊学生数（フルタイム・大学所在地による、他県出身者含む）（出所）中央統計局

「デュアル・システム」

ドイツを発祥とするもので、職業訓練学校等での座学や実技と、企業における現場での実習とを並行的に行うシステム。政府は、質の高い熟練労働者の育成を重要視しているため、職業訓練システムに力を入れている。現在、ハンガリーに進出している自動車メーカーのメルセデス・ベンツ（ダイムラー）、アウディなどが行っている。日系企業では、イビデンが2016年 9 月に、ブダペスト技術職業訓練センター（BMSZC）と協力協定を締結しており、同年度前期にまず25－30人の学生が同社の工場で実地演習を行うことになっている。

0 － 3 歳児とお母さんの音楽教室「ケレキトゥ」

音楽教育の先進国ともいえるハンガリーでは、多くのお母さんがわが子の情操教育のためにと、 0 － 3 歳児を連れてハンガリー伝統のリズムと歌を活用した音楽教室に通っている。ハンガリーでは伝統的に乳児を膝に乗せて歌やリズムであやす。この方法をベースに、赤ちゃんとお母さんが、歌やリズム、そしてフィジカルトレーニングを織り交ぜながらスキンシップを図り、一緒に楽しみながら子供の情操教育を図る音楽教室「ケレキトゥ」が、今ブダペストを拠点にルーマニアやスロバキア等周辺国に住むハンガリー系住民の間にも浸透しており、70名のトレーナーが120カ所で教室を展開している。

「医学留学生」ハンガリー医学部へ留学する日本人が増えている。ハンガリー国内の 4つの国立大学（センメルワイス大学、ペーチ大学、セゲド大学、デブレッツェン大学）医学部には約270人の日本人留学生がおり、2014年には日本の医師国家試験に合格した「ハンガリー育ち」の医師も誕生している。日本に比べて学費が安くつくことは魅力だが、言葉の問題もあり留年せずに卒業するのは非常に難しいという。

フーイシュコラは、観光、商業など実用的なものを専門に学ぶところが多い。公立　私立　教会立　受験ハンガリーの学校は、極一部を除き、小学校も高校、大学も国立である。国立以外では、教会や財団（事実上の私立に相当）が運営する学校がある。義務教育の小学校、高校は無償（教科書は有償）で、大学は枠内の優秀な学生は授業料無料、授業料を支払い学ぶ学生もいる。　一般高校を修了する際には、「エーレッチェーギ」と呼ばれる卒業試験がある。科目は、国語（ハンガリー語）、数学、歴史、外国語、生徒が選択する科目の5つであり、一定以上の結果を出さないと高校修了資格を得られない。また、大学入学は、この卒業試験の結果と、各校別の試験により判断される（職業訓練、専門学校については、その専門の卒業修了試験がある。）。小学校から4年制、 6年制、 8年制高校へ入学する場合にも試験がある。 1次試験は全国共通（筆記）で、 2次試験は各校が行う。受験産業に関しては、日本ほど盛んではないが、試験準備のためのコースはあり、多くの児童生徒が受験前に数カ月にわたり通っている。ブダペスト市でよく知られているのは、「ピタゴラス・シュトゥデイオ（Pitagorasz　Sutudio）」という、現役の高校の教員らで作る組織。高校の校舎を借り、土曜午前などに受験生に教えている。こうしたコースに参加しない場合は、家庭教師をつけることも珍しくない。家庭教師は大学生、現役教師、元教師である。教員は、給与水準が低いことが長年問題であり、バイトをしたり、転職したり国外に職を求めるケースが後を絶たない。その他、教育産業では英語学習熱が高く、幼稚園児から成人まで、家庭教師、個人宅のグループレッスン、語学学校が多くある。また、国外への短期、長期留学も人気である。他方、高等教育機関（大学、短期大学）では、外国人留学生の受け入れが増加している。ハンガリー政府と外国政府の協定による奨学金プログラムの増加が背景にあるが、自費留学生も増加している。特に近年は、国内 4校の医科大学で留学生が増加している。英語で授業を行うことや、EU域内で通用する医師免許の取得が可能であること、西側諸国と比較すれば学費が安いことが後押ししている。一方、大学側にとっては、外国人学生の授業料は大きな収入源である。医科大学進学の日本人留学生も多い。一方で、内容は非常に厳しいため、留年せず卒業できるのは全体の 3分の 1程度である。

06 進出に向けて ADVANCE


Debrecen●

M15

M1 M2

M31

M3

M30

M35

M10M7

M7M70

M60

M9

M8

M5

M43

M6

M6

● Sopron

●Eger

● Salgótarján

● Hatvan

●Budapest

● Vác

● Tatabánya

● Jászberény

● Veszprém

● Zalaegerszeg

● Kaposvár

● Nagykanizsa

Szombathely●

Szolonk●

Kiskőrős●

Miskolc● Nyíregyháza

●

Debrecen●

●Békéscsaba

●Baja

　●Kiskunmajsa

● Szentes

● Kecskemét●Dunaújváros

●Szeged

● Hódmező-Vásárhely

Győr●

Pécs●

Székesfehérvár●

日系企業の進出状況

1989年の体制転換以降、ハンガリーは積極的に民営化、外資誘致をおこなったため多くの産業で外資が浸透している。2020年までにGDPの22.9％（2015年）を占める鉱工業の割合を30%へ増大させる「再工業化」を目標に掲げ、電気自動車、自動運転技術など高付加価値分野の生産を奨励している。2008年の金融危機以降低迷していた個人消費は2015年に入り2.6%増と成長をけん引しており、消費分野でも進出の可能性が広がってきている。

日系企業の進出状況2016年 7 月時点での在ハンガリー日系企業数は151社、そのうち製造が47社、商社が37社、支店、駐在員事務所が40社、その他が27社となっている。製造業はそのほとんどが自動車産業であり、それ以外となるのはインスタント麺製造の日清、眼鏡用レンズ加工のHOYAなどわずかである。工場は主にブダペストを中心に放射線状に延びた高速道路沿いに立地している。製造業以外の企業はそのほとんどがブダペスト近郊に集中しているが、自動車産業にかかわる企業がほとんどである。日本人駐在員約320人に対し 3万人と100倍を雇用する。

日系製造業の立地

2015年から16年、ハンガリーにおける日系企業の主な動向

企業時期内容

シークス 2016年10月電子部品実装、機器・部品の組立加工等を行う製造子会社設立発表

東横イン 2016年 9 月ブダペスト市内でのホテル建設が本格化

ミツバ 2016年 9 月自動車部品メーカーのミツバが増産のための工場拡張が完了。

シンワ 2016年 6 月車載用AV機器製造のシンワが1 億フォリントの追加投資を発表。

イーグル工業 2016年 6 月自動車部品メーカーのイーグル工業が新工場へ移転。

三井倉庫 2015年12月三井倉庫がハンガリーに拠点設置を発表。

住友重機機械工業 2015年10月住友Demagが販売拠点設立を発表。

日本発条 2015年 3 月日本発条が自動車用懸架ばね生産会社設立を発表

アルパイン 2015年 1 月車載用AV機器製造のアルパインが追加投資を発表

武蔵精密工業 2015年 1 月武蔵ハンガリーが生産能力増大のための追加投資計画を発表

（出所）企業発表、報道などから JETROブダペスト事務所まとめ

消費市場での日系企業自動車メーカーのスズキ、トヨタ、日産、ホンダ、マツダ、自動二輪メーカーのヤマハ。電化製品メーカーのパナソニック、ソニー。カメラ大手のキヤノン、ニコン、オリンパス。文房具大手パイロット、工具大手のマキタ等が拠点を持つ。レッドバロンはブダペスト郊外で中古の自動二輪の販売を行っている。日清はハンガリーで製造、販売を行っているが、輸出が多い。JTI はハンガリー国内でたばこを販売。東横インはブダペスト市内でホテル建設準備を進めている。人口 1千万人弱とマーケットの小さいハンガリーでは消費市場での日本企業の参入はまだ進んでおらず、近年の景気の回復に伴い、消費が経済を牽引している今が、日本企業のビジネスチャンスである。

進出に向けて ADVANCE06


イギリス文学、歴史、地理学、数学、科学、芸術、音楽、コンピューター、ビジネス、外国語（ドイツ語・フランス語・ハンガリー語）、ハンガリー文化、技術、体育、水泳、料理等。

ビジネス環境法人税9 ％一律

外資規制（規制業種）外国企業の法人設立に対する制限は、一般的になし（内外無差別）。国家経済にとって重要とされる国有企業については、国家資産に関する法（2011年制定CXCVI 号）により、買収に制限が掛けられている。（土地所有）ハンガリー国内若しくはEEA内に設立された法人は、農地・森林でない限り、土地の取得、所有が可能であるが、EEA以外に設立された法人の（農地・森林以外の）土地取得に地方自治体の許可が必要である。（資本金）外国企業の資本参加の有無にかかわらず、会社の形態により最低資本金額が定められている。100％による外資出資も可能。（雇用義務）現地人の雇用義務はないが、特定の税優遇を受けるためには一定数以上の現地労働者の雇用が条件。

会社設立ハンガリーの会社法では 4種類の企業形態、有限会社(Kft.)、株式会社(Rt.)、合資会社 (Bt.)、合名会社 (Kkt.) が認められている。Kft. と Rt. の 2 つが最も多く設立されている。国内外企業を問わず、金融保険業、飲食業、医療サービス、賭博業などは監督当局から許可を得ることが必要。

①必要な情報を集める

②書類の準備（1－2日）

③公証人役場で書類にハンガリーの公証をつける

④銀行口座を開き必要経費を支払う（2－3日）

⑤書類を裁判所へ提出する（最大30日間の審査期間）

⑥登記（通常の手続き（15日）、簡易手続き（1日））

書類はハンガリー語での提出が必要。母親の結婚前の姓など馴染みのない書類の提出が求められるため、準備に時間がかかることが多い。また、定められた書類以外のものをもとめられることもあり、時間がかかる傾向がある。　

飲食店の開業事業開始にはHACCP食品安全システムの導入、HACCP書類の作成が必要である。また、事業主には国家資格のある調理師、または同等の資格が求められるが、事業主が資格を持たない場合、資格を有する従業員を雇用することで開業は可能。しかし、営業時間中は必ず有資格者が店舗にいる必要がある。求められる書類の例・飲料水、廃水、廃棄物、エネルギー使用契約に関する書類・調理する全食品について原材料割合の記録・私用する食品、包装材料の適性を証明する書類（請求書等）・衛生管理研修書類及びHACCP研修、労働安全研修、防災研修の受講証明・HACCP書類

日本人の生活環境

居住エリアドナウ川を挟み西岸がブダ、東岸がペストと呼ばれる。ブダ側は小高い丘に囲まれており、緑も多く閑静な住宅地が広がる。ペスト側は平地で多くの商業施設が集まっており交通の便が良い。ブダペスト市内で外国人が多く住むのは 2区と12区。特に、家族帯同の日本人駐在員は日本人学校のある12区でショッピングセンターMOMPARK近くを選ぶケースが多い。外国人向けのセキュリティがしっかりしたアパートが好まれている。単身赴任の場合は交通の便が良いペスト側に住む人もいる。

通勤家族や子供の教育の関係からブダペストに住む駐在員は多い。地方の工場に通勤する駐在員は、ブダペスト市内の高速道路にアクセスの良いエリアが好まれている。ブダペスト市内は朝夕渋滞が発生するが郊外の一般道や高速道路は混雑がなく、高速道路は時速130キロで移動が可能。通勤圏を超える遠方の工場勤務の駐在員は、休日をブダペストに住む家族と過ごし、勤務日は工場傍の住まいから通勤する場合もある。一方市内での通勤は、渋滞を避けるためバスやトラム、地下鉄などを使って通勤する駐在員も少なくない。

治安スリや置き引きなどの軽犯罪には注意が必要だが、殺人や傷害など重犯罪に巻き込まれるケースはまずないと言える。駐在員家族の公共交通機関の利用にも不安はなく、自由に移動できる。ただ、日本ほど安全ではないので、不在時や就寝時の住居の戸締り確認、夜道の一人歩きを避けるなど身を守るための注意は必要。なお、15年夏にドイツ等西欧行きを希望するシリア系等難民がブダペスト駅周辺に大量に滞留したことがあったが、現在は平穏で市内で危険を感じることはない。

言語ハンガリー語は周辺のドイツ語、ポーランド語やチェコ語、セルビア語等スラブ諸語とも異なる特殊な言語である。英語教育が盛んなため、中央官庁や職場、ブダペスト市内のレストランを含む観光施設では英語でのコミュニケーションは可能。英語が通じない時は、周囲にいる英語の話せる客が助けてくれることがある。日本語や日本文化を勉強する学生も少なくなく、弁護士や通訳など専門分野で日本語人材が活躍している。

日本人子女の教育環境2005年 4 月より日本人学校が開校、アメリカン・スクール、ブリティッシュ・スクールもあり、駐在員の子弟の教育環境は整っている。日本人補習校も運営されており、アメリカン、ブリティッシュ・スクールに通う子供だけでなく、現地校に通う子供も週末に国語教育を受けることができる。幼稚園は公立・私立ともにあり、英語教育を行う私立幼稚園に通う幼児もいる。

○日本人学校ブダペストのブダ地区12区の閑静な住宅街にある。近くには在ハンガリー日本国大使館がある。小学部と中学部で構成されており、2017年 4 月の生徒数は小中学合わせて100名程の見込み。生徒数はリーマンショック後2013年度を底に増加傾向が続いている。児童生徒はスクールバスや公共バス、保護者の送迎等で通学している。

○日本人補習校毎週土曜日 9時から12時半まで文部省認定の教科書を使用し、日本の国語教育を年間約35日行っている。 4月 1日時点で満 6歳となっており、先生の日本語での指示が理解できることが入学条件。

○ブダペスト・アメリカン・スクール小学部、中学・高等部のほか、保育園児、幼稚園児クラスもある英語、数学、社会、科学、外国語（ドイツ語・フランス語）、ハンガリー文化、音楽、体育を教える。

○ブリティッシュ国際学校（セーケシュフェーヘルバールに付属施設あり）小学部、中学部、保育園児クラスがある



があたりまえです。子育てをしながらでも女性がビジネスを立ち上げるのを、社会の制度のみでなく周囲の人もよく理解していてサポートしてくれます。一方、日本のスタイルで仕事を進めることは文化の違いなどもあり容易ではありません。地元の文化を受け入れながら関係者とゴールを共有し一緒に取り組む必要があります。

ハンガリーでビジネスを行うためのノウハウを教えてください。

結果よければすべてよし、という言葉に集約されます。日本のようにプロセスが評価されることはあまりありません。何事も結果に向けてフレキシブルな対応が求められます。ドタキャンありの世界なので、自分が何らかの理由でドタキャンしてもお互い様なので非難されることはありません。日本のようにプロセスもきっちり済ませようとするとストレスが溜まると思います。

このたび中東欧地域では初めて「日本食の親善大使」に任命されましたが、ブダペストに進出を検討している日系企業へのアドバイスをお聞かせください。

地元の人の考え方が多様なため、それを上手に取り込むことが重要です。対人関係は米国より難しいと感じることがあります。体制転換から四半世紀が経過しますが、まずその前後世代で考え方が異なります。今の40歳代は物心ついたころ外国旅行や外国生活が珍しかった世代です。これに対し今の20歳代はローコスト航空で気軽に外国に出かけ、簡単にインターネットで世界中の情報を入手できます。世代が若いほど変化のテンポが速く、人種や文化の壁を作らず自由に受け入れる素質を感じます。 3－ 4年で世代が異なると感じます。

の転勤でブダペストでの生活が始まりました。料理の知識を仕事にしようと思い2007年にダイエットで悩む友人たちに弁当を届けるサービスを始めたところ好評で、レシピを教え始めたのがきっかけで、自宅で料理教室を開校。出産、育児をきっかけに2013年から教室の場所を自宅からブダペスト郊外の住宅設備展示場のデモキッチンに映し、毎月10－12日開催。さらにプライベートイベントも行っています。現在先生は 8人、フレンチやイタリアンはもちろん、ローフードやグルテンフリー、アレルギー対策に対応した栄養士による教室等もあります。一方、以前から料理学校を持ちたいという夢を持っていたのですが、志を同じくする地元スタッフと巡り合うことができ、16年 9 月にブダペストのペスト側商業地区に料理学校を開校しました。今年 9月から17年 6 月までのコースで30名が学んでいます。17年 2 月からは第 2期が始まり17年12月終了予定です。毎週 2回、 2時間のレクと 4時間の実演を行います。こちらの先生は16人、ブダペストの有名レストランの若手オーナー兼シェフ等が多数手伝ってくれています。生徒は多様で、レストラン経営者やフードスタイリスト、ガストロセレブ、写真家などレストラン経営を希望する人以外にも食べ物に関心のある人が多方面から集まっています。なお、 2月にスタートするコースにはロシアやメキシコ出身の生徒も参加予定です。将来的には英語対応のできるカリキュラムも始めたいと考えています。

飲食関係者との付き合いも長いと思いますが、ブダペストの飲食業の現状と今後においてどのようにお考えですか？

外国との交流の機会が増えたことなどで地元シェフの腕前は上がってきていますが、日々料理に使う地元産食材の品質向上が課題といわれています。当地で品質のよい食材が国外に輸出されてしまうことなどが原因です。例えば当地でも大根が入手可能ですが日本のようなみずみずしさがありません。日本からの技術導入で品質改良ができないでしょうか。当地では生産者や消費者にも品質重視の動きがゆっくりですがみられます。国内外産を問わず、品質の高い食材へのニーズは一層高まると思います。

ハンガリーでビジネスを始めて経験したよかったことや苦労がありましたらご紹介ください。

よかったことは、ブダペストには女性が働くのが自然な環境であったことです。当地では夫婦共働きで家計を支えるのが普通で女性が働くの

クッキングスクール：クリナリー・インスティテュート・オブ・ヨーロッパ（CIE）

校　長

2003年　米国ニューヨークの料理学校で料理技術を学び地元日本食レストラン等に勤務

2007年　ブダペストで料理教室マキ・フードを開校

2016年9 月ブダペストで料理学校クリナリー・インスティテュート・オブ・ヨーロッパ（CIE）を開校

2017年2 月　「日本食普及の親善大使」（農林水産省）任命

マキ・スティーブンソンさん

2016年 9 月にブダペストの商業地区で地元有名レストランの若手シェフ等を講師に料理学校を開校し、数十人の地元生徒に日本食に限らず各国料理の作り方や料理器具の操作法を基礎から伝授する。他方2007年から続けている一般向け料理教室には、数百キロは離れた地方からも参加者が集まる。米国仕込みのオープンな雰囲気と料理教育に対する情熱を持ってハンガリーのプロや料理愛好家に料理の楽しさを伝えるマキさんにお話を伺った。

御社の活動内容について教えてください。

ブダペスト市内商業地区で料理学校クリナリー・インスティテュート・オブ・ヨーロッパ（CIE）を経営、郊外では一般の料理愛好家向けに料理教室を開いています。

ブダペスト進出のきっかけはいつ頃で、そのきかっけや理由は何だったのでしょうか？

米国テキサスの大学で勉強し、その後ニューヨークの料理学校を経て日本食レストランなどで働いていたのですが、ハンガリー出身の主人

進出企業インタビュー


す。忙しい人はスペックを詳しく説明して欲しいと思っていませんし、喜ばれません。例えばTVであれば画像の美しさを実際に体験していただき顧客に訴えるよう心掛けています。

ブダペストに進出を検討している日系企業へのアドバイスをお聞かせください。

進出分野にもよりますが、市場の情報が多い国ではないので肌感覚で市場を知ることが必要です。また、政府や地元自治体からの援助等の有無を知るためにも現場情報に詳しい専門家に相談することをお勧めします。法律や会計などの専門家への相談も必要です。

で生まれ、東欧に流れてくる傾向がありますが、家電品についていえば、西欧との製品販売時差は縮小してきており、市場としてボリュームは大きくないのですが、新製品をすぐ欲しいというお客様のニーズに応えるようにしています。現在の国内販売ネットワークは、①ソニー製品専門店のソニーセンターがブダペストに 3 店舗あり、②メディアマルクトとなどの家電チェーン、③卸し（小売店向け）、そして④ウェブ－となっています。ウェブ販売は当地では西欧のようなアマゾンが主流でなく、各国個別にビジネスが展開されており、当地ではエクストリームデジタル社が最大手。利用者は、近くのショッピングモールのピックアップポイントに出かけ、商品を手に取り確認をしたうえでその場で注文、後日同じ店舗で受け取りが可能なので、沢山の消費者が利用しています。30－40代の利用者が多いようです。

ソニー・ヨーロッパ　ハンガリー支店中欧・南東欧地域統括（ヘッド）

ハンガリーは凡そ四半世紀前の体制転換以降、早い段階からスズキが乗用車生産を始め日本企業が多数進出した結果、市民の日本製品に対する信頼度や認知度は高い。しかし当時のヒトに憧れだった家電品など工業製品は、たとえば今の20－30代にとっては物心ついた時から身近にある普通のモノであり、もはや憧れとは言えない。近年は韓国や中国など日本以外の家電品や通信機器の認知度が急激に高まるなか、ＥＵの新興地域の消費者に日本ブランド家電をどうアピールしているのか、ソニーの中欧・南東欧統括責任者にお話を伺った。


中東欧、バルト 3国、旧ユーゴスラビア諸国そしてギリシャなど19カ国をカバーして、ソニー製品の販売を行っている拠点です。事務所スタッフ数は250名、日本人駐在員は現在 3 名です。


支店の設立は1995年、今年で21年目になります。体制転換後に中東欧のソニー製品販売開拓拠点としてスタートしました。バルト 3国をカバーし現在の体制になったのは 4年前です。なお、自分の担当分野はTVやオーディオ、カメラ製品で、携帯電話やゲームの販売やサービスは社内の別部門が対応しています。

ハンガリーの消費が回復基調にありますが、ハンガリー市場の現状や展望についてお聞かせください。

TV市場について言いますと、16年は対前年比20％増（台数ベース）となりました。16年夏に開催されたサッカーのユーロカップ等の影響があると思いますが、特に45インチ以上の大型へのシフトが顕著で金額ベースで売り上げの35％を占めるています。今後は 4 Kなどより付加価値の高い製品の売り上げ増加を期待しています。欧州のトレンドはロンドンやパリなど西欧

1992年　ソニー入社2000年　ブラジル駐在2003年　ドイツ駐在2014年　ブダペスト勤務

上杉孝仁さん

注意が必要です。


当地でビジネスを展開するためには、まず必要な情報の収集と分析が必要です。西欧ほど厚みのある情報を入手するのが難しいため、現場に直接出向き顧客の様子などを見聞きすることが大切だと思います。例えば私も家電チェーンストアに出向き、顧客になぜその商品を選んだのか理由を尋ねることがあります。当地は西欧に比べれば所得水準は依然低い環境ですが、顧客は単価の安いモノだけを求めているわけでなく、今後は二極化すると見ています。一つは最低限の機能を備える低価格帯の製品であり、二つ目はデザインや機能等付加価値を備えた高価格帯製品です。地元の顧客は忙しい人が多く、店頭では顧客が本来求めているポイントに刺さる説明を短時間にすることが大切で

ハンガリーでビジネスを始めて経験した喜びや苦労がありましたらご紹介ください。

よかったことは赴任してから 3年間順調に売り上げを伸ばすことができたことです。ハンガリー人はスタッフも含めてまじめで、ロジカルに話を進めやすいので仕事上あまり苦労することがありませんでした。以前ドイツとブラジルに駐在した経験がありますが、仕事ぶりはドイツに近いものを感じます。一方苦労する点は、卸など業者の資本規模が小さく売掛金の回収に苦労することがあることです。あとハンガリー通貨フォリントは他の東欧諸国と比べ為替変動の振れ幅が大きく利益圧縮のリスクがあるので



格帯を低く抑えるために、麺等をなるべく手作りで対応せざるを得ないところです。日本産輸入食品は高いので日本料理は高級で高いという固定概念を覆したいと思っています。


①会社設立のための規則への理解、②会計士、③言葉の通じるスタッフ、がそろうと開業は難しくないと思います。そして、郷に入っては郷に従えで、その国の人たちの文化や習慣を理解し従業員も含め周囲の人と良い関係を気付くことが重要です。従業員教育において、仕事を時間内に終わらせること、以心伝心など、日本では自然にできることが当地でうまくいかないこともありますが、これはハンガリーだからできないのではなく、リーダー次第で従業員の仕事ぶりは変わると思っています。

ブダペストに進出を検討している日系企業へのアドバイスをお聞かせください。

事前調査が重要です。自身はあまり人を頼らず準備を進めましたが、日本食や日本酒の入手先や価格の比較、節税対策、不動産の賃貸ルール等はっきりしたルールがなく、ケースバイケースで判断に迫られることがあります。手続きを知らないと途中で計画が頓挫することになりかねません。まずは、アドバイスをもらえる友人が重要で、協力してくれる機関や組織、役所を把握しておくことも大切です。あとその国を理解し好きになること。金儲けが目的では商売を長続きさせるのは難しいと思います。

なっていた気の置けない定食屋をイメージしながら、逗留しているバックパッカーのみならず地元の人たちが手軽に日本食を楽しめる店を 2年半前に始めました。日本で飲食業の経験はありません。

ハンガリーの消費が回復基調にありますが、ハンガリー市場の現状や展望についてお聞かせください。

ブダペスト市内には、イタリアやベトナムなど多様な国籍の料理専門店が増えています。多くの人が外国食ビジネスに乗り出す証しですが、商売がうまくいかず閉店するところも少なくありません。外国料理が広く市民に普及しているとは言えないのが実情です。ただ消費者はいろんなものに興味を持つようになってきており、許容範囲は確実に広がってきていると感じています。開店当時に比べれば顧客の数は増えています。顧客の割合は、ハンガリー人 5割、日本人 2割、外国人 3割といったところでしょうか。外国人には中国人や韓国人も含まれていますが同じアジアの味として親しみやすいようです。客単価に大きな変化はなく、メニュー別売り上げ割合はラーメン 4、うどん 3、カレー 3です。顧客は20－30代が中心で味付けは地元の嗜好に合わせることなく日本の味の提供にこだわっています。カップルや友人と来店するケースが多いので、家族連れにももっと来てもらいたい思っています。なお、近くにリスト音楽院という、世界中から留学生が集まる音楽学校があります。時折日本人留学生のリサイタルを店内で開催するなどして、気軽に食事を楽しめる雰囲気づくりに努めています。ちなみに、ラーメンの麺やスープは自家製。ただし、しょうゆや味噌は日本のモノを使っています。日本食は寿司だけではありません。今後も寿司以外の日本食を多くの人にリーズナブルな価格で提供し、当地に日本食を根付かせたいです。店の情報はSNSやフェイスブック、インスタグラムなどで拡散され、以前は日本を知っている顧客の割合が多かったのですが、最近は寿司以外の日本食を知らなかったという地元のお客様が来店されるなど顧客の幅は確実に広がって

　ビストロ小町オーナーシェフ

1999年　日本人バックパッカー用ホステル開業2014年　ビストロ小町開業

峯田慶治さん

ブダペストでリーズナブルな価格でラーメン、うどん、カレーを食べられる店として、在留邦人のみならず地元の人のファンも増えてきている。日本食として誰もが連想する寿司や刺身でなく、メニューのラーメンやうどんを自らＢ級グルメと呼び日本の食堂の味を広めようと日々奮闘する峯田さんに、仕事への思いをお話しいただいた。


ブダペスト市内でレストランと日本人バックパッカー向けのホステルを経営しています。


まず99年に17－ 8 人宿泊できる日本人バックパッカー向けホステルを開業しました。ブダペストは交通の要衝で中央アジアや中近東、北欧や西欧など東西南北多くの国を経由してバックパッカーが集まる分岐点で開業当時から多くの日本の若者たちに利用いただいています。寝泊まりしているバックパッカーが手持ちの日本食材を出し合い地元の食材と掛け合わせて作る食事が意外においしく、これを「シェアメシ」と言うのですが、これにヒントを得て、学生時代世田谷の経堂に住んでいた時によくお世話に

きています。

ハンガリーでビジネスを始めて経験した喜びや苦労がありましたらご紹介ください。

うれしかったことは、現在麺づくりを一緒にしているハンガリー人スタッフが、日頃から指導している「真心を込めて作る」ことの大切さを、外部の人に伝えている機会に出くわし、スタッフの理解が進んでいることを実感できたことでしょうか。そして（ハンガリー人はぬるめが好みなのですが）日本食ではもっと暖かくして出すことを理解できるようになったことも喜びだし、寿司以外の日本食を知らないハンガリー人のお客様に、ラーメンなどを紹介できたことも喜びです。苦労していることは、Ｂ級カテゴリーの日本食をリーズナブルな価格で提供したいのですが、自家製が難しい醤油や味噌はドイツやフランス経由で購入することになり割高で、メニューの価

CENTRAL AND EASTERN EUROPE STYLE

J E T R O ビジュアルで見る世界の都市と消費市場

ワルシャワスタイル制作：ジェトロ・ワルシャワ事務所（ポーランド）写真撮影：糸澤孝司…(TAKASHI…ITOZAWA)

プラハスタイル制作：ジェトロ・プラハ事務所（チェコ）協力：SAKAHON Group s.r.o.、石川綾、Ipsos写真協力：CzechTourism、Shutterstock

ブダペストスタイル制作：ジェトロ・ブダペスト事務所（ハンガリー）協力：GWAP…Consulting…Kft.写真撮影：Andras…KAROLYI、Daniel…HORVATH、

Miroslav…PETRASKO

お問い合わせ：日本貿易振興機構（ジェトロ）サービス産業課TEL：03-3582-5238　E-mail：[email protected]

WARSZAWA

PRAHA

BUDAPEST

POLAND

CZECH REPUBLIC

HUNGARY発行日：2017年 3月発行者：日本貿易振興機構（ジェトロ）

〒107-6006東京都港区赤坂1丁目12-32アーク森ビル（総合案内6階）TEL.03-3582-5511https://www.jetro.go.jp/indexj.html

制　作：ジェトロ・ワルシャワ事務所、プラハ事務所、ブダペスト事務所

編集・デザイン：電算印刷株式会社

中・東欧スタイル2017年 3月発行

【著作権について】本レポートの著作権はジェトロに帰属します。本文の内容の無断での転載、掲示板への掲載等はお断りいたします。【免責について】ジェトロは、本報告書の記載内容に関して生じた直接的、間接的、あるいは懲罰的損害および利益の喪失については、一切の責任を負いません。これは、たとえジェトロがかかる損害の可能性を知らされていても同様とします。

Copyright©2017 JETRO.All rights reserved.

BUDAPEST STYLE ブダペストスタイル...070 Budapest STYLE Copyrigh 2017 ETRO Al ight eserved...

Documents

Transcript of BUDAPEST STYLE ブダペストスタイル...070 Budapest STYLE Copyrigh 2017 ETRO Al ight eserved...