B2B eコマースを牽引する リーダー企業になるには …B2B eコマースは B2B...
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Magento Commerce 委託 Forrester Consulting ソートリーダーシップ報告書
2018 年 6 月
B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
目次
エグゼクティブサマリーB2B eコマースは B2B 戦略の中核 リーダーが B2B eコマースツールに求めるのは柔軟性
顧客満足度の向上と顧客の維持は、 B2B リーダーシップ/リソースの 成熟度にかかっている 主な推奨事項添付資料
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FORRESTER CONSULTING について
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プロジェクト・ディレクター : Rudy Hernandez, 上級市場影響コンサルタント
アンケート調査実施: Forrester eビジネス & チャネル 戦略調査グループ
エグゼクティブサマリー企業特有の事業目標やビジネスニーズに対応するため、デジタルコマースソリューションを活用する B2B 企業が増えています。複数のビジネスモデルに対応でき、既存の業務システムとの統合や迅速なカスタマイズが可能な包括的なソリューションが重視されています。
B2B eコマースを確実に成功に導くためには、まず、B2B eコマースを牽引するプロジェクトリーダーと必要なリソースが整備された理想的な体制を目標に、組織全体の B2B eコマース体制と業務プロセスの成熟度を評価する必要があります。B2B 企業が組織としての eコマース成熟度を向上させることができれば、eコマースソリューションを最大限に活用し、理想の効果を得ることができます。
2018 年 3 月、Forrester Consulting 社は、Magento Commerce 社の委託を受けて、B2B eコマースの実態調査を行いました。この実態調査では、米国、英国、ドイツ、中国、オーストラリアを対象に、eコマースの取り組みに関する意思決定者 302 名にアンケートを実施し、eコマース成熟度、現在直面している課題、成熟度を上げるために必要なことなど、B2B 販売事業者の実態について探りました。
調査結果の主なポイント
› 戦略目標の推進のため、eコマースやセルフサービス機能に注目する B2B 企業が増加している。 顧客が自分の好きな方法でブランドと接することを求めるようになり、顧客満足度の向上の方策として eコマースが 重視されている。 カスタマーエクスペリエンスの向上は、顧客関係や顧客ロイヤルティ、ひいては収入増加と財務成績の向上につながる。
› B2B 企業のリーダーは、信頼性が高く、包括的で柔軟な技術ソリューションを求める傾向が強いが、思うような投資対効果を得られていない場合が多い。 技術ソリューションを選択する際の主な基準は 1) 高性能、 2) 信頼性、3) 包括的、4) B2B/B2C の両方に対応可能であることが挙げられたが、回答者の半数以上が、こうした技術ソリューションを既存のインフラに統合するためのサポートを提供している第三者パートナーを見つけるのに苦労していることを認めている。
› eコマース技術の導入効果は、B2B 企業の eコマースに対する体制やリーダーシップの成熟度と密接に関係しており、成熟度が高いほど成果も大きい。どの程度 eコマースに専属のプロジェクトリーダーや リソースを割り当て、部署間連携を重視した横割り戦略を採用しているかは、企業によりばらつきがある。最終的には、リーダーシップ体制やリソースが整備されている eコマース成熟度の高い企業の方が、購入プロセスを改善して顧客満足度を向上し、顧客を維持できる可能性が高く、競争力の強化と収入増加につながっている。
B2B 企業がどの程度 eコマースの取り組みに対し、専属のプロジェクトリーダーやリソースを割り当て、部署間連携を重視した横割り戦略を採用しているかは、企業によりばらつきがあります。
最終的には、リーダーシップ体制やリソースが整備されている eコマース成熟度の高い企業の方が、購入プロセスを簡易化できる 可能性が高くなります。
1 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
B2B eコマースは B2B 戦略の中核現在成功を収めている B2B 企業は、オンラインとオフラインの両方のチャネルで顧客にサービスを提供し、顧客を獲得・維持しています。1しかし、 単なる収入増加を超える総合的なビジネス効果を求める B2B 企業の間で、デジタル化の重要性は急速に増しています。競合他社との大きな差別化を図る上で、多くの企業は B2B デジタルコマースに注目しています。世界中の B2B 企業のリーダー 302 名を対象に実施したアンケート調査では、以下の結果が明らかになりました。
› B2B 企業は、eコマースの導入により、顧客満足度の向上、収入増加、 生産性向上の目標を促進している。 B2B 企業のリーダーは、eコマースの導入が 顧客へのサービス提供や顧客の獲得・維持に大きく役立つと回答しています。また、こうした取り組みが営業効率を改善し、競争力強化につながるとも述べています(図表 1 参照)。
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「オンラインと実店舗の両方で B2B 購入担当者に販売する製品/サービス についてお尋ねします。今後 12 カ月以内に、次の課題をどれくらい優先 的に取り組む予定ですか?」(「優先」または「最優先」と回答された項目を表示)
「これらの優先事項のうち、B2B オ ンライン/eコマースで対応しようと 考えているものは次のどれですか?」(該当するものをすべて選択してください)
図表 1
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LOBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
総合的な収入増加 86% 49%
総合的な顧客満足度の向上 84% 49%
顧客維持率の向上 82% 43%
営業効率の改善 80% 45%
競争力の強化 76% 42%
› B2B コマースにはオムニチャネルのアプローチが必要であり、デジタルチャネルは売上増加に不可欠と考えられている。 B2B 企業のリーダーの 54% が、総合的な事業優先事項を達成する上で、 ウェブサイトは不可欠と回答しており、他のオンライン/オフラインチャネルを上回っています
(図表 2 参照)。
3 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
「総合的な事業優先事項を達成する上で、次の B2B 販売チャネルはどれ らい重要だと考えますか?」(「非常に重要」と回答された項目を表示)
図表 2
オンラインチャネル オフラインチャネル
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LOBシステムの意思決定者 302名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
54% 自社のウェブサイト
39% 営業担当者による対面での接客(見本市への出店を含む)
40% オンライン市場/アプリストア
42% 恒久的、物理的なロケーション(例:小売店、ショールーム、支店など)
38% 電話(例:セールススタッフ、コールセンターのスタッフなど)
36% モバイルアプリ(社員用)
36% フィールドサービス担当者
37% 電子データ交換(EDI)
35% モバイルアプリ(顧客用)
36% モバイルデバイス対応のウェブサイト
33% パンチアウトカタログ/ウェブサイト
26% Eメール
27% オンラインチャット
平均チャネル使用数: 5.3
リーダーが B2B eコマースツールに 求めるのは柔軟性デジタルチャネルへの比重が高まる一方で、B2B 企業のリーダーは、顧客の様々なニーズや期待に応えるために、幅広い選択肢を用意しなければならないことを理解しています。売上を維持、増加するためには、B2B 企業は顧客タイプ、嗜好、初回購入/再購入(リピート購入)などの点をもとにエクスペリエンスを形成する必要があります。そのため、B2B 販売戦略では「柔軟性」が重要ポイントになります。
同様に、B2B 企業の販売戦略を推進する eコマースソリューションも、様々な購入オプションやエンゲージメントに対応できる柔軟性と包括性を備えたものでなければなりません。 残念ながら、これは口でいうほど簡単ではありません。B2B 企業のリーダーは、ただでさえ特殊な設定の社内インフラに統合できるソリューションを見つけるのに苦労しています。販売ニーズ、顧客タイプ、企業特有のビジネス要件のすべてに対応する柔軟なソリューションを見つけるのは至難の技です。 アンケート調査では、次の点が明らかになりました。
› B2B 企業のリーダーは、企業特有の目標を達成するために、信頼性と柔軟性が高く、包括的な技術ソリューションを求めている。テクノロジーを選択する際の重要基準に「信頼性」(27%)が挙げられたことは驚くに値 しませんが、 「ニーズに完全に対応」(25%)、「既存システムとの統合が 可能」(24%)、「柔軟で特殊なカスタマイズに対応」(24%)、「様々な顧客 タイプに対応」といった点も同様に重視されています(図表 3)。
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5 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
「現在の B2B eコマースツール/技術を採択した時の重要基準は次のどれでしたか?」 (1~3 番目の重要基準として挙げられた項目を表示)
図表 3
27% ウェブサイトの性能や信頼性
24% 既存の業務システムとの統合が容易
24% B2B/B2C の両方のコマース要件に対応
25% ソリューションの包括性
24% ニーズにあわせて容易にカスタマイズが可能
20% 企業が希望する技術を採用
23% ソリューションの実装を担当するパートナーの実績と対応力
24% 総所有コスト
17% クラウド型とオンプレミス型から選択できる柔軟な展開オプション
20% 設定などがほとんど必要なく、そのままの状態でほとんど/すべての必要要件を満たすソリューションであること
15% 評判の良さ
12% 提携ベンダーの提供
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LOBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
11% 迅速にコマース機能を展開できる
15% ソリューションのプロバイダーが、産業に精通していること
6 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
「現在の B2B eコマースツール/技術を導入する際、以下の項目にどの程度苦労しましたか?」(「非常に苦労」または「最も苦労」として挙げられた項目を表示)
図表 4
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LOBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
52% 既存/レガシー技術との統合
44% 意思決定基準の策定
45% 最適な開発/実装パートナーの選択
47% 最適な第三者パートナーの選択
43% 各ソリューションの実装と運用にかかるコストと ROI の計算
39% ソリューションの機能の理解
39% 経営幹部のサポートの確保
39% 様々な顧客タイプに対応する柔軟性の不足
38% ツール/技術に関するスタッフ研修
38% 技術用語の理解
37% 幅広い販売チャネルに対応する柔軟性の不足
› 多くの企業は、完全統合ソリューションの開発に苦労している。 レガシーシステムや、平均で 10.2 種類ものコマース関連技術からなる複雑な技術環境を抱え、多くは、企業特有のニーズを満たす統合ソリューションを構築するのに苦労しています。 差し迫った課題として挙げられたのはレガシーシステムとの統合(52%)で、システム統合やプロジェクトの総合的な実施をサポートする優れたパートナーを見つけることが、その後に続いています。こうした課題は、様々な顧客タイプ(39%)や幅広いチャネル(37%)に柔軟に対応しつつ、プロジェクトの投資対効果(ROI)を示す必要性(43%)があることも重なって、さらに困難を極めています(図表 4 参照)。
顧客満足度の向上と顧客の維持は、 B2B リーダーシップ/リソースの成熟度にかかっている総合目標を達成するために最適なソリューションを採択することを含め、 B2B 企業が eコマース戦略を策定する際には、まず組織体制を冷静に評価する必要があります。eコマースを効果的に運用することは簡単なことではありません。世界一流の B2B eコマース体験を提供するためには、総合計画を策定し、経験豊かなパートナーを選び、適切なツールや技術を選択する 必要があります。2そのため、B2B 企業が優れた eコマース総合計画を立案・実行できるかどうかは、その企業の eコマース成熟度にかかっているのです。
アンケート調査の結果では、市場における B2B eコマースの成熟度が、リーダーシップ体制、リソースの割り当て、組織的サポート、部署間の連携体制の観点から「初期(Novices)」「成長期(Explorer)」「成熟期(Master)」の 3 段階に分かれることが明らかになりました。
› 初期(Novice): 回答者の 19% に該当します。eコマースに取り組む体制が整備されておらず、eコマース戦略が、組織の他の分野と連携していない状態を指します。
› 成長期(Explorer): 回答者の 55% に該当します。成長期は、B2B 企業が eコマース成熟度を上げている段階です。平均 2 項目の eコマース・ベストプラクティスを実践していますが、まだ成熟段階には至っていません。
› 成熟期(Master): 回答者の 26% がこの区分に属します。 4 項目または 5 項目すべての eコマース・ベストプラクティスを実践しており、組織体制がしっかりと整備されている段階です。
B2B 企業が顧客にスムーズな購入プロセスを提供できるかどうかは、その企業の eコマース成熟度にかかっています。組織の成熟度が上がれば、積極的な B2B eコマース戦略を展開し、幅広いデジタル機能やセルフサービス機能を提供するための組織体制とサポートを確立できます。こうした機能が充実すれば、顧客にパーソナライズされた体験を提供できるようになり、その結果、顧客満足度が向上して顧客を維持できるようになります。それが、最終的に数字にも反映されるのです。
そのため、B2B 企業はまず、B2B eコマースを牽引するプロジェクトリーダーと必要なリソースが整備されている理想的な体制を目標に、組織全体の B2B eコマース体制と業務プロセスを評価する必要があります。組織の成熟度を把握してはじめて、成熟度のレベルを上げ、大きなビジネス成果を上げるためのステップが明らかになります。本調査では、以下の点が明らかになりました。
› 多くの企業は B2B eコマースある程度のサポートやリーダーシップ体制を整えているが、ベストプラクティスの実践にばらつきがある。 成熟度の高い B2B 企業であれば、必要なリソースを投入して eコマース専用の IT チームとリーダーシップ体制を整え、eコマース専用の部署を設立します。さらに B2B eコマース専用の損益計算書を作成し、総合的な B2B eコマース戦略に従って、部署間の連携体制を整えます。 しかし、回答者のうち、こうしたベストプラクティスをひとつでも実践して
7 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
8 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
「貴社の B2B コマースに対する取り組みを総合的に見て、以下の項目をどれく らい実践していますか?」(「確立済み・実践中」の回答に挙げられた項目のみを表示)
成熟期(77 社) 成長期(167 社) 初期(58 社)
成熟度
図表 6
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
eコマース専用の部署またはチームがある
96%46%
0%
コマース専用の IT チームが編成されている
95%40%
0%eコマース戦略に関する
部署間の連携体制/取り決めが確立されている
86%32%
0%
eコマース専用のプロジェクトリーダーがいる
86%46%
0%
eコマースの売上専用の損益計算書(P&L)を用意している
82%35%
0%
55%成長期(1~3 項目のベストプラクティスを実践している段階)
19%初期(ベスト
プラクティスが確立されて
いない段階)
26%成熟期(4~5
項目のベストプラクティス
を実践している段階)
「貴社の B2B コマースに対する取り組みを総合的に見て、以下の項目をどれくらい実践していますか?」(「確立済み・実践中」の回答に挙げられた項目のみを表示)
図表 5
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
50% eコマース専用の部署またはチームがある
47% eコマース専用のプロジェクトリーダーがいる
46% コマース専用の IT チームが編成されている
40% eコマース戦略に関する部署間の連携体制/取り決めが確立されている
40% eコマースの売上専用の損益計算書(P&L)を用意している
いた企業は、わずか半数程度でした(図表 5 参照)。その結果、B2B 企業の eコマース成熟度は、リーダーシップ体制もサポートも確立されておらず、部署間の連携体制も整っていない「初期」の段階から、5 項目のベストプラクティスのうち、4 ~ 5 項目を実践している「成熟期」の段階まで大きなばらつきが見られました(図表 6 参照)。
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› B2B eコマース体制が整っている成熟度の高い企業は、幅広いデジタル機能やセルフサービス機能を提供できる。デジタル機能が充実すれば、デジタルチャネルの持つ可能性を最大限に引き出し、eコマースのメリットである顧客満足度の向上と業務効率の改善を達成できます。 さらに充実したセルフサービス機能を追加すれば、購入オプションの幅を広げ、顧客の好みにより近い、優れたエクスペリエンスを提供できるようになります
(図表 7 を参照)。
「B2B のデジタル/オンライン販売について、貴社では次の機能を導入する予定はありますか?貴社に該当する記述を選ん でください」(「試験導入中」または「導入済み」に選択された項目を表示)
図表 7
初期
(58 社
)
成長期
(1
67 社
)
成熟期
(7
7 社)
クイック支払いオプション(例:ワンクリック購入など) 9% 39% 82%
オンライン見積もり請求 14% 39% 75%
オンラインでの購入承認(例:発注書を送信前に上司に 転送し、承認を得ることができるシステム)
10% 41% 71%
発注書のクイック作成(例:SKUの入力/アップロード、シンプルな再購入など)
17% 34% 70%
顧客別の価格表&カタログ 17% 47% 68%
定期サービスに関するサポート(例:保守、配送など) 16% 46% 66%
予約注文に関するサポート(例: 在庫補充など) 16% 49% 65%
オンライン製品設定 14% 47% 64%
カスタマーサポート担当者や営業担当者向けの販売補助インターフェース
14% 34% 62%
社内の他の購入担当者とのカートの共有・共同編集 5% 44% 60%
パンチアウト・カタログに関するサポート 9% 37% 51%
› B2B eコマース体制を整備している成熟度の高い企業は、より多くのマーチャンダイジング機能を用意できる。マーチャンダイジング機能が充実していれば、B2B 企業は製品・ソリューションを魅力的に表示したり、期待感や需要 を高めたり、購入担当者からの質問に適切に答えることができるようになります。 また、マーチャンダイジングを活用すれば、購入担当者が製品の検索やリサーチを効率的に実施できるようになるため、販売サイクルの促進にも役立ちます(図表 8)。
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「貴社の B2B デジタル/オンライン販売についてお尋ねします。B2B 購入担当者はセルフサービス機能を使用して以下の 項目を実行できますか?」
初期
(58 社
)
成長期
(1
67 社
)
成熟期
(7
7 社)
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
注文状況の確認、見積もり、配送、購入履歴の照会機能
16% 51% 84%
返品手続き/管理機能 14% 42% 75%
請求書の照会/支払い機能 21% 49% 75%
オンラインチャット/カスタマーサービス担当者とのインスタントメッセージ機能
21% 37% 74%
購入履歴に関するレポート作成機能 12% 44% 71%
信用管理機能 16% 40% 68%
購入額の追跡 vs. 段階式/顧客層別の割引を設定する機能 7% 37% 64%
他の購買担当者に代わり、事前承認済み製品リストを作成する機能
12% 40% 60%
組織内の購入担当者を設定し、役割、権限、購入上限額を設定する機能
14% 40% 57%
ロイヤリティプログラムのポイント/レベルの追跡機能 9% 33% 55%
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「B2B 販売向けのデジタルチャネルで、次のマーチャンダイジング機能/特長を提供する計画はどれくらい進んでいますか? 貴社に該当する段階を選んでください」(「導入済み」また「拡張機能/アップグレードで対応」に挙げられた項目を表示)
図表 8
初期
(58 社
)
成長期
(1
67 社
)
成熟期
(7
7 社)
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
詳細な製品説明 64% 87% 100%
写真、イラスト、動画 62% 86% 94%
ダウンロード可能な製品仕様書 55% 79% 92%
評価・レビューの投稿 52% 83% 90%
フィルター表示、マーチャンダイジング機能を搭載した高度なサイト内検索
57% 80% 90%
サイトのパーソナライズ 50% 69% 89%
購入ガイド 55% 75% 89%
クロスセル・アップセル 57% 70% 88%
在庫の表示(在庫数、製品の場所をサイトで表示) 54% 82% 88%
ブランドページ 52% 82% 85%
製品比較表 55% 80% 85%
オンラインで購入し、店舗で受け取るオプション 55% 78% 82%
ユーザー生成コンテンツ 56% 72% 80%
第三者企業がサイト上で販売できるオンラインショップページ
53% 72% 73%
› B2B eコマース体制を確立している成熟度の高い企業は、特定の地域、顧客セグメント、製品ライン、チャネル別に複数の B2B 販売サイトを展開している。専用サイトを設けることで、よりパーソナライズされたカスタマーエクスペリエンスを提供し、顧客の心に響くマーケティングメッセージを届けることができます(図表 9 参照)。
› B2B eコマース体制を確立している成熟度の高い企業は、モバイルデバイスでのリサーチ、購入、販売に対応している。モバイルはいまや必須になりつつあります。成熟度の高い企業は、購買担当者やセールス担当者が、外回り中や移動中でもモバイルツールで効率的に業務を遂行できるように社内リソースを投入し、体制を整えています(図表 10)。
12 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
「B2B のデジタル/オンライン販売に関して、貴社では次のモバイル機能を導入する予定はありますか?貴社に該当する記 述を選んでください」(「試験導入中」または「導入済み」に選択された項目を表示)
図表 10
初期
(58 社
)
成長期
(1
67 社
)
成熟期
(7
7 社)
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
革新的な Web アプリケーション 36% 55% 79%
様々なデバイスに対応する「レスポンシブ」サイト 22% 59% 71%
営業/サポートスタッフ専用のモバイルアプリケーション
31% 59% 70%
購入担当者専用のモバイルアプリケーション 26% 57% 68%
「次の分野に特化した専用の B2B 販売ウェブサイトを提供する計画はどれくらい進んでいますか?貴社に該当する段階を 選んでください。」(「導入済み」また「拡張機能/アップグレードで対応」に挙げられた項目を表示)
図表 9
初期
(58 社
)
成長期
(1
67 社
)
成熟期
(7
7 社)
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
特定のブランドまたは製品ライン別 38% 63% 78%
顧客層別 29% 56% 77%
チャネルパートナー別(販売サポート) 31% 60% 77%
地域または言語別 31% 52% 74%
13 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
› 顧客により充実した機能を提供できる企業は、顧客満足度が向上し、顧客維持率が高まるため、最終的に収入を増加できる。eコマース成熟度が高い B2B 企業は、幅広く、カスタマイズ可能な機能を提供できるため、B2B 購買担当者がどこにいてもパーソナライズされたエクスペリエンスを提供できます。 また、充実したセルフサービス機能を提供することで、業務効率と営業効率が向上し、購買担当者が自分で発注手続きを実行できるようになるため、カスタマーエクスペリエンスが向上し、顧客維持率も高まります。 そうすれば、B2B 企業は競合他社との差別化を図ることができ、総合的な収入を伸ばすことができるのです(図表 11)。
「現在の B2B eコマースツール/技術は、貴社の総合的な B2B 販売戦略の優先事項を達成するのにどれくらい役立ちま したか?」(「かなり役立った」または「非常に役立った」に挙げられた項目を表示)
図表 11
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
成熟期(77 社) 成長期(167 社) 初期(58 社)
発注ミスの低減78%60%33%
総合的な顧客満足度の向上79%69%40%
競争力の強化78%69%44%
総合的な収入増加78%71%38%
顧客維持率の向上78%72%34%
平均発注額の増加70%65%36%
販売コストの削減70%66%36%
主な推奨事項B2B 企業は、購買プロセスのデジタル化により、新規顧客を獲得し、既存の顧客との関係を強化する絶好のチャンスを迎えています。B2B 企業のデジタル成熟度は様々ですが、ほとんどの企業に改善の余地があります。企業が誰よりも先に、デジタル化で競合他社との差別化を図ろうとする一方で、デジタル化を急ぎすぎると、多くの場合は、組織面や業務面、技術面で課題を抱えることになります。企業はデジタル化におけるすべての過程を考慮し、ベストプラクティスを実施して、他の企業の成功や失敗に学ばなければなりません。
Forrester の B2B eコマースに関する実態調査の結果、企業がデジタル成熟度を高め、顧客満足度を向上して、市場競争力を高めるために重要な推奨事項が浮き彫りになりました。 B2B eコマース成熟度を高めるには、以下のポイントを参考にしてください。
包括的なeコマース専用チームを編成する。 多くの企業はeコマースに対 して受け身な態度を取っていますが、これが難題に直面する原因となっています。 eコマースを単に新たなチャネルと考えるのではなく、ビジネス戦略 として考えてください。その戦略を正しく実行するためには、eコマース担当チームが責任を持って、顧客のデジタルチャネルの利用だけでなく、営業担当者やカスタマーサービス担当者など、顧客に直接対応するスタッフが、 カスタマージャーニー(購入プロセス)をサポートできるように配慮する必要があります。チームの名称は企業により異なるかもしれませんが、デジタルマーケティング、マーチャンダイジング、コマース業務、テクニカル・プロダクトオーナーシップ(製品に対する技術的な責任)、トレーニング、イネーブルメント(営業活動などの業務を促進するための総合的なサポート体制の整備とその取り組み)などの主要な責務を遂行できるようにする必要があります。
eコマース部門と営業部門に共通の目標を設定する。目標が売上増加、カスタマーエクスペリエンスの向上、顧客層の自主性(セルフサービス機能)の強化のいずれであっても、戦略、目標、報酬は部署間のトラブルを解消するものでなくてはなりません。組織にとって、変革は困難を伴うものです。同じ目標とインセンティブ(例:セルフサービス機能による発注に対してもコミッションを適用するなど)を設定すれば、新しい戦略や取り組みに対してもサポートを得やすくなります。
ビジネスの変化に対応できる柔軟な技術ソリューションを選択する。 チャネル、顧客関係、購入/販売プロセス、システムなど、B2B 企業には長年の間に培われてきた複雑な慣習や制度があります。購買担当者のニーズや行動の変化に対応するためには、柔軟な技術スタックが必要です。つまり API 主導のモジュール・アーキテクチャや、第三者アプリケーションで主要なコマース機能を強化または置換するための拡張フレームワークなどにより、簡単かつ素早く変化に対応し、顧客の期待に応え、競合他社に対する競争力を維持する必要があります。
14 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
添付資料 A:アンケート調査方法
本調査の実施にあたり、Forrester 社は米国、英国、ドイツ、中国、オーストラリアの企業 302 社を対象にオンラインアンケートを行い、企業が段階的に戦略を調整し、事業成長に合わせて拡張できる柔軟な高性能プラットフォームを選択して、B2B eコマース成熟度を高める方法について探りました。アンケートの回答者は IT、営業、LoB 部門の意思決定者を対象とし、ビジネスの優先事項や課題、現在の B2B 販売促進対策、デジタルマーケティングでもたらされたビジネス指標に関する質問を尋ねました。本調査は 2018 年 3 月に開始し、同月に終了しています。
添付資料 B:回答者の構成/データ
15 | B2B eコマースを牽引するリーダー企業になるには
添付資料 C:参考文献 1 出典:「(B2B)セールスマンの終焉:2 年後の世界 (Death Of A (B2B) Salesman: Two Years Later)」 2017 年 3 月 29 日 Forrester Research, Inc.1 出典:「世界一流の B2B コマースは組織レベルの取り組み (It Takes A Village To Deliver World-Class B2B Commerce)」 2017 年 5 月 1 日 Forrester Research, Inc.
産業
産業
21%技術/ソフトウェア
14%工業製品製造
9%電気通信サービス
9%ビジネス/専門サービス
8%エネルギー、電気・ガス・水道、廃棄物管理
5%医療・製薬
5%教育
5%化学・金属
4%卸売流通
3%消費者サービス
3%農業、食品・飲料
2%旅行・観光
2%消費者製品製造
1%自動車
アンケート対象者:米国、太平洋アジア地域、ヨーロッパ、中東、アフリカの IT、eコマース、営業、LoBシステムの意思決定者 302 名注:四捨五入しているため、パーセンテージ合計が 100 にならないことがあります。出典:Magento 社の委託により Forrester Consulting 社が 2018 年 3 月に実施したアンケート調査
9%社員数 250 ~ 499 名
7%社員数 100 ~ 249 名
19%社員数 500 ~ 999 名
38%社員数 1,000 ~ 4,999 名
15%社員数 5,000 ~ 19,999 名
12%社員数 20,000 名以上
6%
オーナー・創立者
30%
経営幹部
7%
副社長
22%
ディレクター
34%
マネージャー
米国 33% ドイツ 17% 中国 17% 英国 17%
オーストラリア 17%