ARIOSO vol.4

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映像と IT という手段を選んだのは岡本さんの 趣味ですか?」 実はどちらにも全然興味がなかっ たんですけれど、iPod touch のCM を見たのがきっかけでした。 あのCMってイギリスの学生が勝 手に作って YouTube にアップした やつなんですよ。勝手広告っていう んですけど、それをたまたまアップ ルの担当者が見てて、これいいじゃ んってことで、そのままテレビCM になったんです。 WEB と映像を使えば学生でもそ んなことできるんだ、って思ったの がきっかけですね。そこにはすごい 可能性があるなと思って、CMコン テストという発想に繋がりました。 「映像や IT で学生に何を表現してもらいたいと考 えていますか?」 今学生が考えていること。社会問題 とか日本の良さとか、「考える」とい うことが大切だと考えています。 えば、社会問題って普段あんまり話さ ないじゃないですか。でもCM製作と いう1つの面白い作品を作るって目的 があるとみんな話し合うし、普段考え なかったことを考えるようになる。全 国の学生が出てくるので他の人の価値 観とか、そういったものもインプット できると思ってます。WEBで映像コ ンテストをすることの意義はここにあ る気がしますね。 「学生だけでやろうと思ったのはなぜ?」 学生が頑張ってる姿っていいなと。 甲子園で頑張ってるのとかすごく好き で。 個人的な想いとしては日本を明るく していきたい。メディアから、就職難 とか若者元気ないとか、日本の未来は すごく暗いって言われたりして、閉塞 感を感じるんです。そういう未来を打 開できるのって若者とか学生なのか なって思う。だからこそ、学生が中心 になってこういう社会的なことにチャ レンジするというのはすごく意義のあ ることだし、メッセージとして伝わり やすいだろうなと思っていて。 学生だから出来ないんじゃなくて、 学生だからこそのメリットを最大限に 生かそうと考えています。 コンテストでは、一般の大学生でも評価されるこ とは可能ですか?」 可能です。社会問題のCMコンテス トは関西学院大の学生が優勝しました し。 僕は、表現が綺麗なだけじゃ良いも のは出来ない、伝えるメッセージとか 内容もすごく大切だって思っていて。 どんなにきれいな映像でも、中身がな きゃ伝わらない。逆に、たとえ映像が 汚くても、伝わるものは伝わるんです よね。 僕たちって小さい頃からずっとテレビ を見てきたじゃないですか。番組もC Mも、すごく考えられてるし質が良い。 だから、表現の分野にいなくても、セ ンスの良いものを作れる環境が出来上 がっていると思うんです。それに、作 る環境はこれからもっと良くなってい くと思う。カメラの性能もあがってき て、携帯でも良い映像が撮れる。だか らこそもっと多くの人にと思います。 「これからの映像を使った学生の表現力とかWEBの 可能性を端的に言うと?」 若者が社会を変えられる可能性を 持ってるメディアなのかなと。学生に は伝えたいものがあると思いますし。 伝えたいメッセージありきでやる人と、 映像を作るために考えて自分の中の メッセージに気付く人がいると思うん ですが、映像を作ることをきっかけに、 学生のそういったメッセージを表現し て伝えることが出来ると思います。 「なぜWEBなのですか?」 まずコンセプトとして「学生が表 現する場を作る」というのを持って いて。ITは誰でも使えて誰でも表 現できる、誰でも伝えられるという のがあるからです。たとえば YouTube なんかの登場で、今まで 映像はテレビや映画でしか伝えられ なかったのが、WEBを使って世界 中に誰でも伝えられるようになった んですよ。映像というのは文字だけ じゃ伝えられない情報、視覚的な情 報とかを伝えられるし、今まで発信 できてなかった人の考えを伝えられ る。だから、うちは映像とITとい うところに重点を置いています。 学生団体 adoir(アドワール) 学生のための CM&Web コンテストの立ち上げ・主催・運営をする団体。 08年には大学生 CM 甲子園(大学生が企業の CM を作るコンテスト)、09年には Social CM Award(学生のための社会問題 CM コンテスト)、10年には my Japan(学 生が日本の良さを表現する CM&Web コンテスト。観光庁後援)を実施。また 3 年間続けた CM コンテストが評価を受け、10 年 10 月には TBS と組み、「学生 CM 甲子園」 という1時間番組を実施。NHK、The Japan Times、朝日新聞など様々なメディアにも掲載される。 代表・岡本俊太郎さん 1988 年 5 月 2 日生まれ。東京出身。22 歳。学生団体 adoir(アドワール)代表。TEDxYouth director。上智大学経済学部 3 年。 大学生 CM 甲子園、Social CM Award、my Japan、TBS 学生 CM 甲子園を立ち上げ・運営を行う。

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「映像やITで学生に何を表現してもらいたいと考 えていますか?」 「 映像とITという手段を選んだのは岡本さんの 「 コンテストでは、一般の大学生でも評価されるこ 「これからの映像を使った学生の表現力とかWEBの 可能性を端的に言うと?」 「学生だけでやろうと思ったのはなぜ?」 「なぜWEBなのですか?」 とは可能ですか?」 趣味ですか?」

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「映像と ITという手段を選んだのは岡本さんの

趣味ですか?」

 実はどちらにも全然興味がなかったんですけれど、iPod touch のCMを見たのがきっかけでした。 あのCMってイギリスの学生が勝手に作って YouTube にアップしたやつなんですよ。勝手広告っていうんですけど、それをたまたまアップルの担当者が見てて、これいいじゃんってことで、そのままテレビCMになったんです。 WEB と映像を使えば学生でもそんなことできるんだ、って思ったのがきっかけですね。そこにはすごい可能性があるなと思って、CMコンテストという発想に繋がりました。

「映像や ITで学生に何を表現してもらいたいと考えていますか?」

 今学生が考えていること。社会問題とか日本の良さとか、「考える」ということが大切だと考えています。 例えば、社会問題って普段あんまり話さないじゃないですか。でもCM製作という1つの面白い作品を作るって目的があるとみんな話し合うし、普段考えなかったことを考えるようになる。全国の学生が出てくるので他の人の価値観とか、そういったものもインプットできると思ってます。WEBで映像コンテストをすることの意義はここにある気がしますね。

「学生だけでやろうと思ったのはなぜ?」

 学生が頑張ってる姿っていいなと。甲子園で頑張ってるのとかすごく好きで。 個人的な想いとしては日本を明るくしていきたい。メディアから、就職難とか若者元気ないとか、日本の未来はすごく暗いって言われたりして、閉塞感を感じるんです。そういう未来を打開できるのって若者とか学生なのかなって思う。だからこそ、学生が中心になってこういう社会的なことにチャレンジするというのはすごく意義のあることだし、メッセージとして伝わりやすいだろうなと思っていて。 学生だから出来ないんじゃなくて、学生だからこそのメリットを最大限に生かそうと考えています。

「コンテストでは、一般の大学生でも評価されるこ

とは可能ですか?」

 可能です。社会問題のCMコンテストは関西学院大の学生が優勝しましたし。 僕は、表現が綺麗なだけじゃ良いものは出来ない、伝えるメッセージとか内容もすごく大切だって思っていて。どんなにきれいな映像でも、中身がなきゃ伝わらない。逆に、たとえ映像が汚くても、伝わるものは伝わるんですよね。僕たちって小さい頃からずっとテレビを見てきたじゃないですか。番組もCMも、すごく考えられてるし質が良い。だから、表現の分野にいなくても、センスの良いものを作れる環境が出来上がっていると思うんです。それに、作る環境はこれからもっと良くなっていくと思う。カメラの性能もあがってきて、携帯でも良い映像が撮れる。だからこそもっと多くの人にと思います。

「これからの映像を使った学生の表現力とかWEBの可能性を端的に言うと?」

 若者が社会を変えられる可能性を持ってるメディアなのかなと。学生には伝えたいものがあると思いますし。伝えたいメッセージありきでやる人と、映像を作るために考えて自分の中のメッセージに気付く人がいると思うんですが、映像を作ることをきっかけに、学生のそういったメッセージを表現して伝えることが出来ると思います。

「なぜWEBなのですか?」

 まずコンセプトとして「学生が表現する場を作る」というのを持っていて。ITは誰でも使えて誰でも表現できる、誰でも伝えられるというのがあるからです。たとえばYouTube なんかの登場で、今まで映像はテレビや映画でしか伝えられなかったのが、WEBを使って世界中に誰でも伝えられるようになったんですよ。映像というのは文字だけじゃ伝えられない情報、視覚的な情報とかを伝えられるし、今まで発信できてなかった人の考えを伝えられる。だから、うちは映像とITというところに重点を置いています。

学生団体 adoir(アドワール)学生のための CM&Web コンテストの立ち上げ・主催・運営をする団体。08年には大学生 CM 甲子園(大学生が企業の CM を作るコンテスト)、09年には Social CM Award(学生のための社会問題 CM コンテスト)、10年には my Japan(学生が日本の良さを表現する CM&Web コンテスト。観光庁後援)を実施。また 3 年間続けた CM コンテストが評価を受け、10 年 10 月には TBS と組み、「学生 CM 甲子園」という1時間番組を実施。NHK、The Japan Times、朝日新聞など様々なメディアにも掲載される。

代表・岡本俊太郎さん1988 年 5 月 2 日生まれ。東京出身。22 歳。学生団体 adoir(アドワール)代表。TEDxYouth director。上智大学経済学部 3 年。大学生 CM 甲子園、Social CM Award、my Japan、TBS 学生 CM 甲子園を立ち上げ・運営を行う。