塩化アルミニウム-塩化ナトリウム混合溶融塩の電 …...Instructions for use Title 塩化アルミニウム-塩化ナトリウム混合溶融塩の電気化学的研究
ArgoとDeep/BGC Argo への期待長期的な表層塩分のコントラスト強化...
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ArgoとDeep/BGC Argoへの期待東大大気海洋研桂将太、宮本雅俊
Argoで何が変わったか
全球で塩分(密度)の観測データが入手可能に
研究できるようになったこと・塩分の長期変化
・塩分の季節・経年変動(および淡水収支)
・Spiciness anomaly
・水塊過程
長期的な表層塩分のコントラスト強化(高塩域で高塩化、低塩域で低塩化)→全球水循環の強化を示唆
表層塩分の長期変化Argo(2003~2007年)-WOD05(1960~1989年)
(Hosoda et al. 2009)
長期変化
(Argoのある)任意の海域で季節・経年変動が調査可能+
淡水フラックスデータ(衛星など)→変動メカニズム・淡水収支の解明
(Ren and Riser 2009)
混合層塩分の変動
季節・経年変動(淡水収支)
(Argoのある)任意の海域で季節・経年変動が調査可能+
淡水フラックスデータ(衛星など)→変動メカニズム・淡水収支の解明
(Ren and Riser 2009)
時間変化率(白)と強制項の和(黒) 強制項の内訳
季節・経年変動(淡水収支)
Spiciness Anomaly: 等密度面上の水温・塩分アノマリー
等密度でも・・高温・高塩→high spiciness低温・低塩→low spiciness
(通常は)等密度面上の塩分アノマリーで記述する
TS面上の密度(黒)とspiciness(赤)
Spiciness anomalyの伝播が長期気候変動に影響する可能性(Gu and Philander. 1997)
塩分(密度)データの不足で調査不可
Spiciness Anomaly
Argoによる塩分(密度)データの蓄積→ 各海盆でspiciness anomaly伝播が報告
σθ=25.0-25.5における低温・低塩アノマリーの伝播(青線)
(Sasaki et al. 2010)
Spiciness Anomaly
2003-11年の平均海面塩分分布
水塊過程(例:回帰線水)
北太平洋回帰線水(NPTW):塩分極大水
形成域の東西で異なる変動
形成域西側の経年変動が下流へと伝播
(Katsura et al. 2013)
北太平洋回帰線水(NPTW):塩分極大水
形成域の東西で異なる変動
形成域西側の経年変動が下流へと伝播
混合層塩分の変動(細線)と12ヶ月移動平均(太線)西側 東側
水塊過程(例:回帰線水)
(Katsura et al. 2013)
北太平洋回帰線水(NPTW):塩分極大水
形成域の東西で異なる変動
形成域西側の経年変動が下流へと伝播
水塊過程(例:回帰線水)σθ=24.0の等密度面上の2月の平均塩分分布(カラー)と流線関数(黒線;m2/s2)
(Katsura et al. 2013)
BGC Argoへの期待BGC Argoで何が変わるか?
計れる(計りたい)もの:DO、炭素、栄養塩、Chlorophyll、pH、微量元素 etc.
できること:(各パラメーターの)長期変化、季節・経年変動、(定量的な)収支解析
適用できそうなこと:各種水塊、炭素循環、海洋酸性化、湧昇、亜寒帯域、
AMOC、深層循環 etc.
亜寒帯域・湧昇域:栄養塩に富んだ水が表層へ供給・塩分:塩分が密度に支配的
北太平洋亜寒帯域の平均塩分分布
BGC Argoへの期待(亜寒帯域)
•塩分躍層が物質分布を支配→ 生物地球化学過程に重要
表層
中層
塩分躍層
高栄養塩
貧栄養塩 植物プランクトン
Andreev et al. 2002
Taniguchi 1972
鉛直混合
47Nにおける塩分の鉛直断面(WOCE P01)
BGC Argoへの期待(亜寒帯域)
生物地球科学の(連続)観測:・西端:A-line ・東端:St. Papa, Line-P
BGC Argoデータの充実→ 塩分のBGCの関連が調査可能と期待
北太平洋亜寒帯域の平均塩分分布
BGC Argoへの期待(亜寒帯域)
・北太平洋亜寒帯域:High Nutrient Low Chlorophyll (HNLC)・西部亜寒帯域(親潮域)は生物生産が活発中層水(塩分極小)による鉄供給 (e.g., Nishioka et al. 2013)
BGC Argoによって各種水塊のBGC的役割を記述可能か
BGC Argoへの期待(水塊)
(Nishioka et al. 2013)
イルカ「(中略:湧昇に関して)生物の方の研究者にとっては、海水の移動経路の方もはっきりさせてほしいところだと思いますが、経路をはっきり示すことはできるのでしょうか?」先生「(中略)湧昇水の分布やその動き(中略)湧昇の効果を追跡する問題になると、生物分野の研究者の方が詳しい情報を集めておられるように思います。最近はアフリカ西岸でもオレゴン沖でも沿岸の海底峡谷の付近に強い湧昇水が集中して存在することが問題になっていますが、これも生物分野の方から指摘されたようです。(中略)物理では湧昇は風で起こるというのに、風のない海岸でも湧昇があるという指摘を生物学者からしばしばされたことがあります。」
BGC Argoへの期待(BGCから物理へ)
(海の研究 –イルカとの対話–吉田耕造 「6章湧昇」)
BGC Argoから見えてくる物理もある?
5°×5°毎のDeep Argo プラン (Johnson et al., 2015)
Deep Argoへの期待(データ数)
WOCE 測線
Argoが始まった時と同じように、海洋深層における水温・塩分データが格段に増える
Deep Argoへの期待(水塊)
各海域における水塊特性の詳細な把握
深さ4,000mにおける温位(℃)と塩分 (WOCE Atlas)
Deep Argoへの期待(長期変動)
Deep Argoによる全球観測が長期間続けば、• 海洋深層の変動シグナルの正確な見積もり• 深層水形成域からの変動シグナルの伝播
WOCE再観測に基づく4,000m 以深の昇温化2000年代-1990年代 (Purkey and Johnson 2010)
Deep BGC Argoへの期待(BGCから物理へ)
2000-3500 m 深における循環像(Kawabe and Fujio, 2010)
Deep ArgoによるシリカなどのBGC観測ができれば深層循環流の解明につながる?
2,500m 深におけるシリカ分布(μmol/kg; WOCE Atlas)
・Argoの登場により、表層の物理研究は飛躍的に進歩・BGC Argo:(長期変化、季節・経年変動)
物理がBGCに及ぼす影響評価BGCから見えてくる物理
・Deep Argo:深層の循環像と変動水塊特性(BGC)
長期変動を調べるには、長期間の観測が必要
まとめ
Argo BGC Deep