“四季”をコンセプトに鮮やかな季節感を感じさせる“うた...

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“四季”をコンセプトに鮮やかな季節感を感じさせる“うたもの”ロック 団長:みんな、上手になったなぁ……と(笑)。 Kyrie:現メンバーで初めて再レコーディングしたものに関しては、制作中に以前のアレンジを確認 することもなかったのですが、終わってから以前のアレンジを聴いてみて、自分のアプローチや フィーリングが変わっていることに少し驚きましたね。あまり変移していたという意識がなかった ので。 -今作に言えるのは、歌やメロディが際立たせたシンプルなアプローチで、しかもスロー・テンポの 楽曲ばかりですよね。バンドのベーシックな部分を再確認することにも繋がったのでしょうか? 団長:今までの積み重ねが良い意味で滲み出ていると思います。 Kyrie:確認しなくてはいけないようなことではない、と思ってはいます。変わっていないつもりでも 変わっていくものもある。でも、それもその時の正解の1つでいいのではないかと。 -バンドの方に取材すると“激しい曲よりも、シンプルでスローな曲調の方が難しい”という発言を よく聞くのですが、実際やってみていかがでしたか? 団長:そりゃぁもう、大変でした。色々と……(笑)。 Kyrie:どちらが難しい、ではなく、どちらも簡単なものではない。とは思います。 -レコーディング自体はスムーズに進んだのでしょうか? 団長:アコースティック・アレンジもあったので、実質フル・アルバム・レベルの作業量で大変でした(笑)。 Kyrie:作業量もさることながら、いつにも増して録音中のディベートに費やす時間が長かったように 思います。一度作品として出している物は特に、0から作り出す何かではないので、当時の楽曲との イメージの差異や変化をどう処理していくかを考えなければならない時間がありましたね。 -あと、今作の良さを挙げると、NoGoDのパブリック・イメージとしてあるヴィジュアル系、ヘヴィ・ メタルという壁を越えて、多くの音楽リスナーの琴線を揺さぶる間口の広い作風になっている点 なんです。今回そこを意識された部分はありましたか? 団長:僕たちが窓口になって、HR/HM、そして“V系”と呼ばれるものが色々なところに広がって いけばいいなとは常々思っています。 Kyrie:音楽ジャンルはリスナーが求める音楽を選び易くするための指標であるべきで、本来、僕たち のような制作者がジャンルというものを意識をして作品を作るものではないと思うんです。 -今回の“四季”というテーマに絡めて、今のバンドの状態や気分としては、春夏秋冬で例えると、 季節的にはどこに当てはまりますか?その理由も教えていただけると嬉しいです。 団長:まだまだ冬です。命が芽吹きだす寸前ですね。早く一花咲かせたいです(笑)。 Kyrie:秋の夜長……ですかね。 -最後に、今年の予定を言える範囲で大丈夫ですので、教えていただけますか?フル・アルバムにも 期待したいところなのですが。 団長:フル・アルバムは出したいですね。あとそれ以外にも我々にしかできない面白いことが今年は たくさん控えていますので、どうか色々な意味で楽しみにしていてください(笑)。 Kyrie:本来はこの作品をリリースするタイミングで、フル・アルバムをリリースする予定でした。 少し遅れてはしまいますが、そう遠くない時期に発表できる機会があるかと思います。まぁ、まずは 5/28のSHIBUYA-AX公演が終わってから、ですかね。 団長 (Vo) Kyrie (Gt) インタビュアー:荒金 良介 -昨年はフル・アルバム『V』、「神髄」と題してハード・ロック/ヘヴィ・メタルに特化した2枚のシングル 「FRONTIER」、「THE POWER」をリリースしました。昨年はバンドにとってどんな1年でしたか? 団長:間違いなく、今後飛躍していくためにバンドとしての土台を固められた1年でした。個人的にも 色々と新しいことにチャレンジもできました。 Kyrie:NoGoDというバンドがしっかり前を向いて歩けた1年だったのではないでしょうか。 -本作は今年1発目の音源になりますけど、構想自体はいつ頃からあったのでしょうか? 団長:2009年位からありましたね。 Kyrie:2009年に2枚目のアルバム『極彩色』を発表した段階から“夏の新曲ができたら1枚のコン セプト盤としてリリースしよう”という構想はありましたね。 -今回は“四季”をテーマにしたコンセプト・ミニ・アルバムという形ですよね。前回の“神髄シリーズ” といい、あえてテーマ縛りで挑んだ音源が続いていますが、これにはどんな意図があるのでしょうか? 団長:基本的に僕たちはコンセプトのない作品は作らないのですが、やはり神髄2作品が自分たち にも相当の刺激になったことは間違いないです。より色の濃い作品をもっと提供していきたくなって いるのだと思います。 Kyrie:今作に関しては新曲を除いて、元々曲があってのコンセプトなので、テーマで縛って作品を 作るというよりは、積み上げてきた作品からそれらの共通項をよりクローズ・アップしたという感じでは ありますね。 -『Ⅴ』という作品はメンバー5人の個性や力量の自由に出し切った、あの時点での最高傑作でした。 それを経て、今は自分たちのルーツや足元にあるものを確認する作業をしているのかな、という印象も 受けます。これからもっと先に進むために、振り返る作業(自分たちの魅力の再発見)をしていると 言いますか。こういう感想を聞いて、どう思われますか? 団長:間もなく結成10周年ですので、そこへ向けての下ごしらえだと思って頂ければと思います。 Kyrie:前作や今作に限った訳ではないかと。『Ⅴ』も根底にあるのは、各人のルーツ足り得る音楽を NoGoDとして表現したものだと言っても差し支えのないものではありますし、それ以前の音源に 関しても、常にその意識は持っているものですので。 -音源の話に移りたいのですが、今作は春夏秋冬にちなんだインディーズ時代の楽曲「櫻」、「あの 日の空は極彩で」、「彩白」の3曲に加え、新曲「千夜を越えて花束を」を含む内容になっています。 まずインディーズ時代の楽曲を振り返って、どんな感想を持っていますか? 団長:今も昔も変わらず、いわゆる“うたもの”的なロックをやっていて良かったなと思いました。 Kyrie:特に感慨を持つ様なことはなかったですね。今でもライヴでも演奏しますし、振り返るという程、 過去のものになっていないかな、と。 -インディーズ時代の楽曲の歌詞を振り返って、どんな感想がありますか?「彩白」の中の“僕には 君を幸せにする力が足りない 愛する誰かと季節を感じていて”という歌詞が象徴的ですが、感傷的な 気持ちを情景や風景に託した内容が多いですよね。一見ラヴ・ソングかと思いきや、非常にセンチ メンタルな歌詞が多いですが、いかがですか? 団長:今思えば、若気の至りというか何というか……(笑)。 -新曲「千夜を越えて花束を」は、インディーズ時代の楽曲を思い返して、作ったところもあるのでしょうか? 団長:季節感などのコンセプトは意識しましたが、それ以外は特に意識はしていないです。 -アレンジ面で気を遣った点や、苦労したところなどがあれば教えてください。 団長:当然ながら、以前のものよりも良いニュアンスで歌うように心掛けました。 Kyrie:「櫻」に関しては現メンバーでのアレンジというものがこれまで存在していなかったので、 気持ちとしては新曲に近いものがありました。他の2曲に関しては逆にそれが存在するものだったので、 それをしっかり根本に据えようという意識で臨みました。 -現メンバーで初めて再レコーディングした楽曲もあると思うのですが、何か新しい発見などは ありましたか? ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの濃厚な部分を切り取った前作を経て、今回は 四季をテーマに据えたコンセプト・ミニ・アルバム。このために作った夏仕様の 新曲「千夜を越えて花束を」に加え、「櫻」、「あの日の空は極彩で」、「彩白」の 3曲は現メンバーで再レコーディングされたものだ。もともと団長のハイトーン・ ヴォーカルを含めて、歌とメロディー・センスの良さに定評があったバンドだけに 今回それを前に押し出したアレンジが施されている。アコギ1本でも成立しそう な歌メロ、情景が見えてくる歌詞の世界観は、洋楽に振り切った前作とは対照 的に邦楽からも多大な影響を受けた彼らのルーツが透けて見えてくる。今回 [visions] (CD+DVD)、[sounds] (CD 2枚組)と2パターンで内容も違う ので、要チェック! 荒金 良介 NoGoD 四季彩 NOW ON SALE!! LABEL : KING RECORDS GENRE : ROCK, METAL FOR FANS OF : Galneryus, X-JAPAN, and True METAL FANS

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  • “四季”をコンセプトに鮮やかな季節感を感じさせる“うたもの”ロック団長:みんな、上手になったなぁ……と(笑)。Kyrie:現メンバーで初めて再レコーディングしたものに関しては、制作中に以前のアレンジを確認することもなかったのですが、終わってから以前のアレンジを聴いてみて、自分のアプローチやフィーリングが変わっていることに少し驚きましたね。あまり変移していたという意識がなかったので。

    -今作に言えるのは、歌やメロディが際立たせたシンプルなアプローチで、しかもスロー・テンポの楽曲ばかりですよね。バンドのベーシックな部分を再確認することにも繋がったのでしょうか?

    団長:今までの積み重ねが良い意味で滲み出ていると思います。Kyrie:確認しなくてはいけないようなことではない、と思ってはいます。変わっていないつもりでも変わっていくものもある。でも、それもその時の正解の1つでいいのではないかと。

    -バンドの方に取材すると“激しい曲よりも、シンプルでスローな曲調の方が難しい”という発言をよく聞くのですが、実際やってみていかがでしたか?

    団長:そりゃぁもう、大変でした。色々と……(笑)。Kyrie:どちらが難しい、ではなく、どちらも簡単なものではない。とは思います。

    -レコーディング自体はスムーズに進んだのでしょうか?

    団長:アコースティック・アレンジもあったので、実質フル・アルバム・レベルの作業量で大変でした(笑)。Kyrie:作業量もさることながら、いつにも増して録音中のディベートに費やす時間が長かったように思います。一度作品として出している物は特に、0から作り出す何かではないので、当時の楽曲とのイメージの差異や変化をどう処理していくかを考えなければならない時間がありましたね。

    -あと、今作の良さを挙げると、NoGoDのパブリック・イメージとしてあるヴィジュアル系、ヘヴィ・メタルという壁を越えて、多くの音楽リスナーの琴線を揺さぶる間口の広い作風になっている点なんです。今回そこを意識された部分はありましたか?

    団長:僕たちが窓口になって、HR/HM、そして“V系”と呼ばれるものが色々なところに広がっていけばいいなとは常々思っています。Kyrie:音楽ジャンルはリスナーが求める音楽を選び易くするための指標であるべきで、本来、僕たちのような制作者がジャンルというものを意識をして作品を作るものではないと思うんです。

    -今回の“四季”というテーマに絡めて、今のバンドの状態や気分としては、春夏秋冬で例えると、季節的にはどこに当てはまりますか?その理由も教えていただけると嬉しいです。

    団長:まだまだ冬です。命が芽吹きだす寸前ですね。早く一花咲かせたいです(笑)。Kyrie:秋の夜長……ですかね。

    -最後に、今年の予定を言える範囲で大丈夫ですので、教えていただけますか?フル・アルバムにも期待したいところなのですが。

    団長:フル・アルバムは出したいですね。あとそれ以外にも我々にしかできない面白いことが今年はたくさん控えていますので、どうか色々な意味で楽しみにしていてください(笑)。Kyrie:本来はこの作品をリリースするタイミングで、フル・アルバムをリリースする予定でした。少し遅れてはしまいますが、そう遠くない時期に発表できる機会があるかと思います。まぁ、まずは5/28のSHIBUYA-AX公演が終わってから、ですかね。

    団長 (Vo) Kyrie (Gt) インタビュアー:荒金 良介

    -昨年はフル・アルバム『V』、「神髄」と題してハード・ロック/ヘヴィ・メタルに特化した2枚のシングル「FRONTIER」、「THE POWER」をリリースしました。昨年はバンドにとってどんな1年でしたか?

    団長:間違いなく、今後飛躍していくためにバンドとしての土台を固められた1年でした。個人的にも色々と新しいことにチャレンジもできました。Kyrie:NoGoDというバンドがしっかり前を向いて歩けた1年だったのではないでしょうか。

    -本作は今年1発目の音源になりますけど、構想自体はいつ頃からあったのでしょうか?

    団長:2009年位からありましたね。Kyrie:2009年に2枚目のアルバム『極彩色』を発表した段階から“夏の新曲ができたら1枚のコンセプト盤としてリリースしよう”という構想はありましたね。

    -今回は“四季”をテーマにしたコンセプト・ミニ・アルバムという形ですよね。前回の“神髄シリーズ”といい、あえてテーマ縛りで挑んだ音源が続いていますが、これにはどんな意図があるのでしょうか?

    団長:基本的に僕たちはコンセプトのない作品は作らないのですが、やはり神髄2作品が自分たちにも相当の刺激になったことは間違いないです。より色の濃い作品をもっと提供していきたくなっているのだと思います。Kyrie:今作に関しては新曲を除いて、元々曲があってのコンセプトなので、テーマで縛って作品を作るというよりは、積み上げてきた作品からそれらの共通項をよりクローズ・アップしたという感じではありますね。

    -『Ⅴ』という作品はメンバー5人の個性や力量の自由に出し切った、あの時点での最高傑作でした。それを経て、今は自分たちのルーツや足元にあるものを確認する作業をしているのかな、という印象も受けます。これからもっと先に進むために、振り返る作業(自分たちの魅力の再発見)をしていると言いますか。こういう感想を聞いて、どう思われますか?

    団長:間もなく結成10周年ですので、そこへ向けての下ごしらえだと思って頂ければと思います。Kyrie:前作や今作に限った訳ではないかと。『Ⅴ』も根底にあるのは、各人のルーツ足り得る音楽をNoGoDとして表現したものだと言っても差し支えのないものではありますし、それ以前の音源に関しても、常にその意識は持っているものですので。

    -音源の話に移りたいのですが、今作は春夏秋冬にちなんだインディーズ時代の楽曲「櫻」、「あの日の空は極彩で」、「彩白」の3曲に加え、新曲「千夜を越えて花束を」を含む内容になっています。まずインディーズ時代の楽曲を振り返って、どんな感想を持っていますか?

    団長:今も昔も変わらず、いわゆる“うたもの”的なロックをやっていて良かったなと思いました。Kyrie:特に感慨を持つ様なことはなかったですね。今でもライヴでも演奏しますし、振り返るという程、過去のものになっていないかな、と。

    -インディーズ時代の楽曲の歌詞を振り返って、どんな感想がありますか?「彩白」の中の“僕には君を幸せにする力が足りない 愛する誰かと季節を感じていて”という歌詞が象徴的ですが、感傷的な気持ちを情景や風景に託した内容が多いですよね。一見ラヴ・ソングかと思いきや、非常にセンチメンタルな歌詞が多いですが、いかがですか?

    団長:今思えば、若気の至りというか何というか……(笑)。

    -新曲「千夜を越えて花束を」は、インディーズ時代の楽曲を思い返して、作ったところもあるのでしょうか?

    団長:季節感などのコンセプトは意識しましたが、それ以外は特に意識はしていないです。

    -アレンジ面で気を遣った点や、苦労したところなどがあれば教えてください。

    団長:当然ながら、以前のものよりも良いニュアンスで歌うように心掛けました。Kyrie:「櫻」に関しては現メンバーでのアレンジというものがこれまで存在していなかったので、気持ちとしては新曲に近いものがありました。他の2曲に関しては逆にそれが存在するものだったので、それをしっかり根本に据えようという意識で臨みました。

    -現メンバーで初めて再レコーディングした楽曲もあると思うのですが、何か新しい発見などはありましたか?

    ハード・ロック/ヘヴィ・メタルの濃厚な部分を切り取った前作を経て、今回は四季をテーマに据えたコンセプト・ミニ・アルバム。このために作った夏仕様の新曲「千夜を越えて花束を」に加え、「櫻」、「あの日の空は極彩で」、「彩白」の3曲は現メンバーで再レコーディングされたものだ。もともと団長のハイトーン・ヴォーカルを含めて、歌とメロディー・センスの良さに定評があったバンドだけに今回それを前に押し出したアレンジが施されている。アコギ1本でも成立しそうな歌メロ、情景が見えてくる歌詞の世界観は、洋楽に振り切った前作とは対照的に邦楽からも多大な影響を受けた彼らのルーツが透けて見えてくる。今回[visions](CD+DVD)、[sounds](CD 2枚組)と2パターンで内容も違うので、要チェック! 荒金 良介

    NoGoD四季彩NOW ON SALE!!

    LABEL : KING RECORDSGENRE : ROCK, METALFOR FANS OF : Galneryus, X-JAPAN,and True METAL FANS