AN8013SH - Panasonic...AN8013SH 4 SDH00003BJB 端子説明 Pin No. 端子名 I/O 端子説明...
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電源レギュレータ
1発行年月 : 2002年10月 SDH00003BJB
IN−
FB
Error amp.S.C.P. comp.
1.90 V
S RLatch
S RLatch
VREF
OSC
VC
C
RS QU.V.L.O.
VREF
VREFRT
VREF
RT
0.75 V
0.75 V
0.1 V
S.C
.P.
CL
M
4
10 1
DT
C5
CT
3
RT
2
8
9
7
6
PWM
GND
Out
ブロック図
AN8013SH1-ch降圧 ,昇圧対応DC-DCコンバータ制御用 IC
概 要AN8013SHは , 1チャネルPWM方式DC-DCコンバータ制御用の ICです。本 ICは昇圧, 反転の内 , 任意の1種類の出力電圧を得ることができます。また , 動作電源電圧範囲が広く消費電流も少なく ,過電流保護回路を内蔵しており , スイッチングトランジスタの破壊・劣化の保護を行います。パッケージは0.5 mmピッチの10ピン面実装タイプのため, 小形高効率のポータブル電源に最適です。
特 長•動作電源電圧範囲が広い(3.6 V ∼ 34 V)•消費電流が少ない(2.4 mA typ.)•広い出力周波数範囲での制御が可能
(20 kHz ∼ 500 kHz)•パルスバイパルス過電流保護回路内蔵
(検出電圧= VCC − 100 mV)•タイマラッチ式短絡保護回路内蔵
(充電電流1.3 µA typ.)•低入力電圧時誤動作防止回路内蔵(U.V.L.O)•基準電圧回路内蔵
(エラーアンプ基準入力0.75 V (許容差 = ±4%))•出力部はオープンコレクタ(ダーリントン)形式•出力電流の絶対最大定格が大きい(100 mA)•デューティ比のばらつきが小さい(55% ±5%)
用 途•スイッチング電源ユニット(ポータブル機器等)
SSOP010-P-0225
1
2
3
4
5
10
9
8
7
6
CLM
RT
CT
S.C.P.
DTC
VCC
Out
GND
IN−FB
4.3±0.30
6.3±0.30
0.5±0.2
1
5
10
6
0.2±
0.1
0.5 3.
0±0.
30
1.5±
0.2
0.62
5±0.
100.
625±
0.10
0.1±
0.1
0.15
+0.
1
–0.
05
Unit : mm
端子配置図
注 ) 本製品のパッケージは,後記の鉛フリーパッ
ケージ(SSOP010-P-0225A)になる予定です。
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
2 SDH00003BJB
項目 記号 最小 最大 単位
電源電圧(0 V→3.6 V)立ち上がり時間 tr (VCC) 10 µs
コレクタ出力電圧 VOUT 34 V
コレクタ出力電流 IOUT 50 mA
タイミング容量 CT 100 1 800 pF
タイミング抵抗 RT 5.1 15 kΩ
発振周波数 fOUT 20 500 kHz
短絡保護用時定数設定容量 CSCP 1 000 pF
項目 記号 定格 単位
電源電圧 VCC 35 V
CLM端子許容印加電圧 VCLM 35 V
誤差増幅器許容入力電圧 VIN− − 0.3 ∼ +2.5 V
DTC端子許容入力電圧 VDTC 2.5 V
Out端子許容印加電圧 VOUT 35 V
コレクタ出力電流 IOUT 100 mA
許容損失(Ta = 85°C) PD 154 mW
動作周囲温度 Topr −30 ∼ +85 °C
保存温度 Tstg −55 ∼ +150 °C
推奨動作範囲 Ta = 25°C
項目 記号 条件 最小 標準 最大 単位
U.V.L.O.部
回路動作開始電圧 VUON 2.8 3.1 3.4 V
ヒステリシス幅 VHYS 100 200 300 mV
誤差増幅器部
入力スレッショルド電圧 VTH 電圧フォロア 0.72 0.75 0.78 mV
入力安定度 Vdv 電圧フォロアVCC = 3.6 V ∼ 34 V 2 8 mV
入力バイアス電流 IB −500 −25 nA
"H"レベル出力電圧 VEH 2.0 V
"L"レベル出力電圧 VEL 0.3 V
入力スレッショルド電圧温度変動 1 Vdt1 電圧フォロアTa = −30°C ∼ +25°C ±1 %
入力スレッショルド電圧温度変動 2 Vdt2 電圧フォロアTa = 25°C ∼ 85°C ±1 %
出力シンク電流 ISINK VFB = 0.9 V 8 mA
電気的特性 Ta = 25°C
注 ) 特に規定のない場合 , VCC = 12 V, RT = 15 kΩ, CT = 15 pF
絶対最大定格 Ta = 25°C
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
3SDH00003BJB
項目 記号 条件 最小 標準 最大 単位
誤差増幅器部(つづき)
出力ソース電流 ISOURCE VFB = 0.9 V −120 µA
オープンループゲイン AV 70 dB
PWMコンパレータ部
入力しきい値電圧"H" VDT-H デューティ比100% 1.2 V
入力しきい値電圧"L" VDT-L デューティ比0% 0.6 V
入力電流 IDTC −12 −11 −10 µA
出力部
出力周波数 fOUT RT = 15 kΩ, CT = 150 pF 185 205 225 kHz
出力デューティ比 Du RDTC = 91 kΩ 50 55 60 %
出力飽和電圧 VOL IO = 50 mA, RT = 15 kΩ 0.9 1.2 V
出力リーク電流 ILeak VCC = 34 V, 出力Tr Off時 10 µA
RT端子電圧 VRT 0.59 V
最大発振周波数 fOUT(max) RT = 5.1 kΩ, CT = 120 pF 500 kHz
周波数電源電圧変動 fdV fOUT = 200 kHz,VCC = 3.6 V ∼ 34 V ±1 %
周波数温度変動 1 fdT1 fOUT = 200 kHz, Ta = −30°C ∼ +25°C ±3 %
周波数温度変動 2 fdT2 fOUT = 200 kHz, Ta = 25°C ∼ 85°C ±3 %
短絡保護回路部
入力スレッショルド電圧 VTHPC 0.70 0.75 0.80 V
入力スタンバイ電圧 VSTBY 120 mV
入力ラッチ電圧 VIN 120 mV
充電電流 ICHG VSCP = 0 V −1.6 −1.3 −1.0 µA
比較器スレッショルド電圧 VTHL 1.90 V
過電流保護部
入力しきい値電圧 VCLM VCC−120 VCC−100 VCC−80 mV
遅延時間 tDLY 200 ns
全デバイス
全消費電流 1 ICC1 RT = 15 kΩ 2.4 3.5 mA
全消費電流 2 ICC2 RT = 5.1 kΩ, CT = 150 pF 3.4 mA
電気的特性(つづき) Ta = 25°C
注 ) 特に規定のない場合 , VCC = 12 V, RT = 15 kΩ, CT = 15 pF
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
4 SDH00003BJB
端子説明
Pin No. 端子名 I/O 端子説明 内部等価回路図
1 CLM I スイッチングトランジスタの過電流状態を検出する端子。本端子と VCC 端子との間に低抵抗を接続して過電流の検出を行ってください。本端子電圧が VCC から 100 mV 降下すると , その周期の間 PWM 出力をターンオフし ON 幅を絞ります。(パルスバイパルス式過電流保護)
2 RT I 発振器の周波数設定をおこなうタイミング抵抗の接続端子。 抵抗値は 5.1 kΩ ∼ 15 kΩの範囲でご使用ください。なお , 端子電圧は約 0.59 Vです。
3 CT O 発振器の周波数設定をおこなうタイミング容量の接続端子。 容量値は 100 pF ∼ 1 800 pF の範囲でご使用ください。周波数の設定方法は , 後のアプリケーションノート[2], [3]をご参照ください。また発振周波数は , 20 kHz ∼ 500 kHzの範囲でご使用ください。
4 S.C.P. O ソフトスタート , およびタイマラッチ式短絡保護回路の時定数を設定するための容量接続端子。容量値は 1 000 pF 以上でご使用下さい。充電電流 ICHGは , タイミング抵抗 RTによって決まり, ばらつき・温度変動が抑えられます。RT = 15 kΩの時 , 約−1.3 µAです。
ICHG =VRT ×
1[A]
RT 30
5 DTC I PWM出力の休止期間とソフトスタート期間を設定するための抵抗および容量の接続端子。 入力電流 IDTC は , タイミング抵抗 RT によって決まり,ばらつき・温度変動が抑えられます。RT = 15 kΩの時 , 約−11 µAです。
ICHG =VRT ×
1[A]
RT 3.6
VCC
CLMcomp.
50 µA50 µA
0.1 V
1
S.C.P.
100 Ω
RT (V ≈ 0.59 V)
OSC PWM
VREF
DTC2
IO
2IO
OSCcomp.
VREF
PWM入力へ
3
S
RQ
ラッチ
0.75 V
VREF
ICHG
U.V.L.O.出力
4
PWMCT
U.V.L.O.出力
VREF
IDTC
5
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
5SDH00003BJB
端子説明(つづき)
Pin No. 端子名 I/O 端子説明 内部等価回路図
6 FB O 誤差増幅器の出力端子。ソース電流は約−120 µA, シンク電流は約8 mA です。本端子と IN−端子との間に抵抗と容量を接続してゲインおよび位相の周波数特性の補正を行ってください。
7 IN− I 誤差増幅器の反転入力端子。同相入力は , − 0.1 V ∼ +0.8 Vの範囲でご使用ください。
8 GND 接地端子
9 Out O オープンコレクタ型(ダーリントン)出力端子。出力電流の絶対最大定格は, 100 mAです。定常出力電流は , 50 mA 以下でご使用ください。
10 VCC 電源電圧印加端子。動作電源電圧は, 3.6 V ∼ 34 V の範囲でご使用ください。
PWMCT
120 µA
8 mA
VREF
6
VREF
0.75 V
7
8
VREF
9
10
52
58
60
−40 −20 0 20 40 60 80 100
周囲温度 Ta (°C)
最大デューティ
Du m
ax.
(%)
56
54
VCC = 12 VCT = 200 pFRT = 15 kΩ
0.750
0.758
0.760
−40 −20 0 20 40 60 80 100
周囲温度 Ta (°C)
入力スレッショルド電圧
VT
H (
V)
0.756
0.754
0.752
VCC = 12 V電圧フォロア
アプリケーションノート[1] 主要特性
エラーアンプ入力スレッショルド電圧温度特性 最大デューティ比温度特性保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
6 SDH00003BJB
0.745
0.760
0.765
0 5 10 15 20 25 30 35
電源電圧 VCC (V)
入力スレッショルド電圧
VT
H (
V)
0.755
0.750
Ta = 25°C
2.0
3.5
4.0
0 5 10 15 20 25 30 35
電源電圧 VCC (V)
全消費電流
IC
C (
mA
)
3.0
2.5
Ta = 25°C
RT = 5.1 kΩ
RT = 15 kΩ
195
210
215
−40 −20 0 20 40 60 80 100
周囲温度 Ta (°C)
発振周波数
fO
UT (
kHz)
205
200
VCC = 12 VCT = 200 pFRT = 15 kΩ
10k
1M
100 1 000 10 000
タイミング容量 CT (pF)発振周波数
fO
UT (
Hz)
100k
VCC = 12 VTa = 25°C
RT = 5.1 kΩ
RT = 15 kΩ
アプリケーションノート(つづき)[1] 主要特性(つづき)
発振周波数温度特性 タイミング容量 発振周波数
入力スレッショルド電圧入力変動 全消費電流入力変動
タイミング抵抗 全消費電流 タイミング抵抗 出力飽和電圧
2.0
3.0
3.5
4 20
タイミング抵抗 RT (kΩ)
全消費電流
IC
C (
mA
)
VCC = 12 VTa = 25°C
2.5
8 12 16 4 20
タイミング抵抗 RT (kΩ)
出力飽和電圧
VO
L (
V)
VCC = 12 VIO = 50 mATa = 25°C
8 12 160.80
0.84
0.85
0.83
0.82
0.81
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
7SDH00003BJB
アプリケーションノート(つづき)[2] 機能説明
1. 基準電圧部バンドギャップ回路によって構成され , 2.5 Vの温度補償された基準電圧を出力します。基準電圧は ,電源電圧が3.6 V以上で安定化され , IC内部の動作電源として使用しています。
2. 三角波発振器部CT端子(Pin3), RT端子(Pin2)にそれぞれタイミング用コンデンサおよび抵抗を接続することにより ,波高値約1.45 V, 波低値約0.35 Vの三角波を発生させます。発振周波数は外付けのCT , RTの値により任意に設定できます。三角波は IC内部でPWM比較器の反転入力に接続されます。
3. 誤差増幅器部PNPトランジスタ入力の誤差増幅器でDC-DCコンバータの出力電圧を検出して増幅した信号をPWM比較器に入力します。非反転入力には内部基準電圧から抵抗分割された0.75 Vが与えられています。また , 誤差増幅器出力端子(Pin6)より反転入力端子(Pin7)へ帰還抵抗および容量を接続することにより, 任意のゲイン設定と位相補償が可能です。出力電圧VOUTは, 出力からの抵抗分割を, 図 1のように接続することにより次式で与えられます。
VOUT = 0.75 ×R1 + R2
R2
4. タイマラッチ式短絡保護回路電源出力の過負荷や短絡状態がある一定期間継続された場合に , 外付けのメインスイッチ素子,フライホイールダイオード , およびチョークコイル等の破壊もしくは劣化の保護を行います。タイマラッチ式短絡保護回路は , 誤差増幅器の出力レベルを検出します。DC-DCコンバータの出力電圧が低下し , 誤差増幅器の出力レベルが1.90 V以上になると"L"レベルを出力し , タイマ回路が動作し外付けのプロテクションイネーブル用コンデンサが充電を開始します。このコンデンサの電圧が0.75 Vに達するまでに誤差増幅器の出力が正常な電圧範囲に復帰しない時 ,ラッチ回路をセットし出力ドライブトランジスタを遮断し , 休止期間を100%にします。
5. 低入力電圧時誤動作防止回路電源の投入時および停止時の過渡状態において電源電圧の低下時に , 制御の誤動作によるシステムの破壊もしくは劣化の保護を行います。低入力電圧時誤動作防止回路は電源電圧レベルに従って変化する内部基準電圧を検出します。電源電圧が立ち上がり時3.1 Vに至るまでの間 , 出力ドライブトランジスタを遮断し , 休止期間を100%にすると共にS.C.P.端子(Pin4)を"Low"に保ちます。電源電圧の立ち下がり時は , 200 mVのヒステリシス幅を有し , 2.9 V以下で動作します。
6. PWM比較器部PWM比較器は , 入力電圧に応じて出力パルスの"On"期間をコントロールします。CT端子(Pin3)の三角波が , 誤差増幅器出力(Pin6)とDTC端子(Pin5)電圧のいずれよりも低い期間に出力トランジスタをOnさせます。休止期間の設定は , DTC端子とGND間に抵抗を付加することで行います。また , 外付抵抗RDTCと並列にコンデンサを付加することにより , 電源投入時にRCの時定数により ,出力パルスの"On"期間を徐々に広げていくソフトスタートがかかります。
7. 過電流保護部電源出力の過電流が , メインスイッチ(バイポーラトランジスタ)に流れる電流値に比例することを利用して , メインスイッチに流れる電流の上限を制限することで , 過電流に弱いメインスイッチ素子 ,フライホイールダイオードならびにチョークコイルの破壊の保護を行います。
VOUT
Error amp.R1 R3
R4
R2
RNF
PWM比較器入力へ0.75 V
内部基準2.5 V
CNF
IN−
FB
図 1. 誤差増幅器の接続方法
6
7
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
8 SDH00003BJB
アプリケーションノート(つづき)[2] 機能説明(つづき)
7. 過電流保護部(つづき)メインスイッチ素子とVCC端子間に低抵抗を接続し , この抵抗による電圧降下をCLM端子(Pin1)で監視することで電流検出を行います。メインスイッチ素子(バイポーラトランジスタ)がOnして , CLM端子電圧が過電流検出のしきい値であるVCC − 100 mVに達すると , 出力ドライブトランジスタを遮断し , メインスイッチ素子にそれ以上電流が流れないように制御します。この制御を毎周期繰り返すわけですが過電流が一旦検出されるとその周期の間Offを持続し , 次の周期までOnしません。このような過電流検出を「パルスバイパルス過電流検出」といいます。
8. 出力部出力ドライブトランジスタは, エミッタ共通GNDのダーリントン接続されたオープンコレクタ型出力になっております。コレクタ出力端子(Pin5)の耐圧は34 Vあり , 出力電流は100 mAまでとりだすことができます。
出力トランジスタ・コレクタ波形(Out)
三角波(CT)
図 2. パルスバイパルス過電流保護動作波形
誤差増幅器出力(FB)
ラッチ回路リセット信号
過電流保護入力(CLM)
ラッチ回路セット信号
過電流検出
ラッチセット
出力Off
ラッチリセット
次の周期にOn
TDLY : 遅延時間
1.4 V
0.4 V
"H"
"L"
VCC
VCC − 100 mV
"H"
"L"
"H"
"L"
2
4
1
3 5
[3] 三角波発振回路
1. 発振周波数の設定方法三角波発振波形はCT端子(Pin3)に接続される外付けのタイミング容量CTが定電流 IOの充放電を行うことにより得られます。定電流は外付けのタイミング抵抗 RTによって設定されます。また , 三角波の波高値と波低値であるVCTHとVCTLは約1.45 Vと0.35 Vに固定されています。発振周波数 fOSCは以下の式によって求められます。
fOSC =1
=IO
t1 + t2 2 × CT × (VCTH − VCTL)
ただし , IO = 1.8 ×VRT = 1.8 ×
0.59RT RT
また , VCTH − VCTL = 1.1 Vなので
fOSC =1
[Hz]2.07 × CT × RT
となります。また出力周波数 fOUTは , PWM制御をしているため fOSCと同一です。
t1 t2充電
放電
T
図 3. 三角波発振波形
VCTH= 1.45 V typ.
VCTL= 0.35 V typ.
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
9SDH00003BJB
アプリケーションノート(つづき)[3] 三角波発振回路(つづき)
2. ご使用上の注意本 ICは , 低消費電流化を図るためにタイミング抵抗RTによる定電流を三角波発振器部およびPWM比較器のバイアス電流として使用しています。全消費電流は , RTが15 kΩの時は約2.4 mA (typ.)ですが、RTが5.1 kΩの時には約3.4 mA (typ.)に増加します。オープンコレクタ出力の定常出力電流100 mAを得るために , RTを15 kΩ以下に設定する必要があります。発振周波数は20 kHz ∼ 500 kHzの推奨動作範囲で使用可能です。高い周波数でご使用の場合には , 三角波発振コンパレータの動作遅延により , オーバシュート量およびアンダシュート量が増加し , 前記計算値と実測値がずれる場合があります。主要特性のタイミング容量発振周波数をご参照ください。
本 ICは , 複数個のICを並列同期運転する場合 , スレーブ用 ICとしては使用できませんのでご注意ください。
[4] 休止期間(最大デューティ)の設定方法休止期間の設定は , 図 4に示すようにDTC端子(Pin5)の電圧VDTCを調整して行います。DTC端子は抵抗
RTによる定電流出力となっておりますので , 外付け抵抗RDTCを付加してVDTCの調整を行います。出力デューティ比DuおよびDTC端子電圧VDTCは以下の式で表されます。発振周波数 fOSCが200 kHzの時 , VDTC = 0.45 Vで出力デューティ比が0%,VDTC = 1.45 Vで出力デューティ比が100%になります。ただし, 三角波の波高値VCTHおよび波低値VCTLは、発振周波数によってオーバシュート量, アンダシュート量が異なりますのでご注意ください。
PWM
IDTC
DTC
VREF
CDTCRDTC
IDTC = × [A]VRT RT
13.6
CT波形
DTC波形
OUT波形Off OffOn
tOFF tON
VCTH
VDTC
VCTL
図 4. 休止期間の設定方法
=VCTH −VDTC
VCTH −VCTL
= VRT × [V]RDTC
RT
1
3.6
FBCT
Du =tON
tON + tOFF
例) fOSC = 200 kHz (RT = 15 kΩ, CT = 150 pF)の場合,
VCTH ≈ 1.45 V (typ.) VRT ≈ 0.59 V (typ.)
VCTL ≈ 0.35 V (typ.) IDTC ≈ 11 µA (typ.)
となります。
× 100 [%]
× 100 [%]
×
VDTC = IDTC × RDTC
外付抵抗RDTCと並列にコンデンサCDTCを付加すると , 電源起動時に出力パルスの"On"幅を徐々に広げていくソフトスタートがかかります。これによってDC-DCコンバータ出力のオーバシュートを防止します。
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
10 SDH00003BJB
アプリケーションノート(つづき)[5] タイマラッチ式短絡保護回路の時定数設定方法図 5にプロテクションラッチ回路の構成図を示します。短絡保護用コンパレータは , 1.90 Vの基準電圧とエラーアンプの出力VFBと常に比較動作を行っています。
DC-DCコンバータ出力の負荷条件が安定している場合はエラーアンプの出力変動もないため短絡保護コンパレータも平衡を保ちます。このとき出力トランジスタQ1は導通状態にありS.C.P.端子は、約30 mVに保持されます。負荷条件が急激に変化し短絡保護コンパレータの非反転入力に誤差増幅器から"H"レベルの信号(1.90
V以上)が入力されると短絡保護コンパレータは"L"レベルを出力し , 出力トランジスタQ1を遮断することによりS.C.P.端子電圧VPEはリリースされ , 外付けのコンデンサCSは次式で充電を開始します。外付コンデンサCSが約0.75 Vまで充電されるとラッチ回路をセットし , 低入力時誤動作防止回路をイネーブルすることにより出力ドライブトランジスタを遮断し , 休止期間を100%にします。
VPE = VSTBY + ICHG ×tPE [V]CS
0.75 V = 0.03 V + ICHG ×tPE
CS
CS = ICHG ×tPE [F]
0.72
ICHGは発振器タイミング抵抗RTによって決まる定電流であり , ばらつきおよび温度変動が小さく , 以下の式で表されます。
ICHG =VRT ×
1[A]
RT 30
なおVRTは , 約0.5 Vです。ICHGは , RT = 15 kΩのときに約1.1 µAとなります。低入力時誤動作防止回路が一度イネーブルされると, S.C.P.端子電圧は約30 mVに放電されますが, ラッチ回路は電源を切らない限りリセットされません。
電源起動時は , 出力短絡状態とみなされ , エラーアンプの出力は"H"レベルとなり , S.C.P.端子電圧VPE
がリリースされ充電を開始します。後段のラッチ回路をセットする前にDC-DCコンバータの出力電圧が起動するように , 外付コンデンサの設定が必要です。特にソフトスタートをかける場合には , 起動時間が延びますので注意が必要です。
IN−
FB
Error amp.S.C.P. comp.
1.90 V
図 5. 短絡保護回路
Q1
S RLatch
Q2
S.C.P.
RU.V.L.O.
VREF
PWM比較器入力
出力遮断
CS
ICHG
0.75 V
0.75 V
6
7
4保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
11SDH00003BJB
アプリケーションノート(つづき)[6] タイミングチャート
ソフトスタート動作 最大デューティ
3.6 V
2.5 V
1.90 V
0.03 V
1.40 V
0.40 V
"H"
"L"出力トランジスタコレクタ波形(Out)
S.C.P.端子電圧
DTC端子電圧
図 6. PWM比較器動作波形
内部基準電圧
電源電圧(VCC)
電源投入
VCC (0 V→3.6 V)立上がり時間tr (VCC) ≥ 10 [µs]
3.1 V typ.ロックアウト解除
三角波(CT)
誤差増幅器出力(FB)
S.C.P.端子電圧
tPE
2.5 V
1.90 V
1.40 V
0.40 V
"H"
"L"
"H"
"L"
デッドタイム電圧(VDT)
内部基準電圧
短絡保護比較器出力
0.75 V
0.03 V
図 7. 短絡保護動作波形
出力トランジスタコレクタ波形(Out)
三角波(CT)
誤差増幅器出力(FB)
短絡保護入力スレッショルドレベル 比較器スレッショルドレベル
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
12 SDH00003BJB
応用回路例1. 降圧回路例
2. 昇圧回路例
FBIN−
GN
D
Out
VC
C10
DT
C
CT
RT
CL
M
15 kΩ 0.01 µF
S.C
.P.
150 pF
In
62 kΩ
11 kΩ 100 kΩ
0.001 µF
Out+5 V
0.033 µF 110 kΩ
f = 200 kHzDumax = 80%RDTC = 110 kΩ
SBD
9 8 7 6
1 2 3 4 5FBIN
−
GN
D
Out
VC
C10
DT
C
CT
RT
CL
M
15 kΩ 0.01 µF
S.C
.P.
150 pF
In
150 kΩ
10 kΩ 100 kΩ
0.001 µF
Out+12 V
0.033 µF 110 kΩ
f = 200 kHzDumax = 80%RDTC = 110 kΩ
SBD
9 8 7 6
1 2 3 4 5
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
13SDH00003BJB
応用回路例(つづき)3. On/Off回路例
1) 電源ラインをカットする場合
2) ICのVCCラインをカットする場合
VO
スタンバイ電流 ≈ 0 µA
On/OffQ2
InQ1
C10
Q3
FBIN−
GN
D
Out
VC
C ICC
10
CT
RT
CL
M
S.C
.P.
SBD
9 8 7 6
1 2 3
DT
C
4 5
VO
On/OffQ2
In
Q1
C10
Q3
FBIN−
GN
D
Out
VC
C ICC
10
CT
RT
CL
M
S.C
.P.
SBD
9 8 7 6
1 2 3 4 5D
TC
5
スタンバイ電流 ≈ 0 µA
4. 使用方法本 ICにはOn/Off回路を内蔵していないため , スタンバイ機能を持たせるには , 外部に付加する必要があります。
On/Off回路例 1)のように電源ラインにスイッチ(Q1)を入れると , スタンバイ電流を0に抑えられます。その場合 , メインスイッチ素子(Q3)と同程度のトランジスタを必要とします。
On/Off回路例 2 )のように電源ラインと ICのVCC端子(Pin10)間にスイッチ(Q1)を入れると , スイッチ素子(Q1)のサイズは小さくできますが , Q1の飽和電圧のバラツキが過電流保護のしきい値のばらつき要因になります。
5. ご使用上の注意On/Off回路を外部で付加すると , VCCの立ち上がり時間が急峻になりますが , その際 IC内部のラッチ回路がセットされて起動不良を起こす事がありますので , VCC端子(Pin10)の立ち上がり時間が10 µs以上になるように , C10でご設定ください。
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
AN8013SH
14 SDH00003BJB
新外形図(単位 : mm)• SSOP010-P-0225A (鉛フリー)
4.30
±0.2
0
6.30
±0.3
01.
50±0
.20
0.10
±0.1
00.50±0.20
3.00±0.20
0.20+0.10 -0.05
0.15
+0.
10
-0.0
5
0° to 10°
610
51
(1.00)
Seating plane Seating plane
(0.50) 0.50
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。
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090506
保守廃止
保守予定品種、保守品種、廃品種を
一括して保守廃止と表記しています。