AccuTOF GCシリーズ - JEOLs High Performance Gas Chromatograph - Time-of-Flight Mass Spectrometer...

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s High Performance Gas Chromatograph - Time-of-Flight Mass Spectrometer AccuTOF 2016年4月版 GCシリーズ 環境・食の安全アプリケーションノートブック

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  • sHigh Performance Gas Chromatograph - Time-of-Flight Mass Spectrometer

    AccuTOF

    2016年4月版

    GCシリーズ

    環境・食の安全アプリケーションノートブック

  • AccuTOF GC シリーズ

    環境・食の安全アプリケーションノートブック

    2016 年 4 月版

    目次

    環境 .............................................................................................................................. 1

    JMS-T100GC “AccuTOF GC”によるプール血清中 POPs の迅速分析[Ⅰ]

    ~PCBs の定量分析~ ............................................................................................... 1

    JMS-T100GC “AccuTOF GC”によるプール血清中 POPs の迅速分析[Ⅱ]

    ~PCB と有機塩素系農薬の定性分析~ ..................................................................... 3

    JMS-T100GC “AccuTOF GC”による PCB 一斉迅速分析 .................................... 5

    JMS-T100GC “AccuTOF GC”による残留性有機汚染物質(POPs)の迅速分析 . 7

    高分解能マスクロマトグラムによる選択性の検証 .................................................... 9

    GC×GC-HRTOFMS を用いた排ガス煤中の多環芳香族炭化水素(PAHs)分析 ....... 11

    食の安全 ..................................................................................................................... 13

    食品中残留農薬迅速一斉分析の検討① 『選択性』

    ~GC 大量注入法と、高分解能 TOFMS を用いて~ ............................................... 13

    食品中残留農薬迅速一斉分析の検討② 『定性分析』

    ~GC 大量注入法と、高分解能 TOFMS を用いて~ ............................................... 15

    食品中残留農薬迅速一斉分析の検討③ 『FastGC 法』

    ~GC 大量注入法と、高分解能 TOFMS を用いて~ ............................................... 17

    GC-HRTOFMS を用いた茶中ピラゾール系農薬の FastGC 測定①『定性分析』 ... 19

    GC-HRTOFMS を用いた茶中ピラゾール系農薬の FastGC 測定②『定量分析』 ... 21

    食品中残留農薬分析における GC-HRTOFMS の安定性について ........................... 23

    有機リン系農薬の Fast GC/TOFMS 測定 ............................................................... 25

    www.jeol.co.jp i

  • 残留農薬分析における Fast GC カラムの選択 ........................................................ 27

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  • 日本電子株式会社

    【はじめに】

    ヒト血液は食物連鎖や生活環境を通じた暴露により PCBs を含む POPs(残留性有機汚染物質)による汚染を受けている。これら POPs は難分解性で生体内に長期に渡り蓄積し、発ガン性や免疫毒性、内分泌撹乱作用等による生体影響が危惧される。そのためヒト血液中の POPs をモニタリングする事は、人体蓄積の指標として重要である。これら PCBsを含むPOPsの測定は高分解能二重収束型質量分析装置を用いた SIM モードによる方法が主流であるが、この方法では測定チャンネル数の制限やグルーピングの制限等により、多検体の同時多成分定量分析には有効とは云い難く、さらに SCAN モードによる測定でない為、スペクトルによる化合物の同定が不可能である。

    そこで、スペクトル記録速度の速い TOFMS の利点を活かし、指定した質量範囲全域のマススペクトルを高感度に取得し、そのマススペクトルから作成したマスクロマトグラムにより、4 から 10 塩素化体 PCBsの定量分析を行った。そして、血液試料のような夾雑物の多い試料に対し GC/TOF-MS を用いて微量定量分析が可能か検証した。

    【試料及び方法】

    健常人を対象に採血を行い、プール血清を

    作製した。これを5つに分け、分析に供した。

    プール血清は分析まで-30℃で凍結保管した。

    前処理操作

    前処理は、固相抽出(SPE)を用い前処理の迅速化及び簡素化を行った。分析フローを図

    1 に示す。

    測定条件

    GC条件 GC: Agilent社製 6890N カラム: HT8-PCB(30m×0.25mmI.D.) オーブン: 120℃(1min)→120℃min→160℃→6℃/min→280℃(3min) 注入口: 280℃、Splitless 注入量: 2μl キャリアガス: He、1.0ml/min(定流量)

    MS条件 MS: JMS-T100GC “AccuTOF GC” 測定質量範囲: m/z 170-520 スペクトル記録速度: 0.20 秒(5 スペクトル/秒) イオン源: EI+(40eV、600μA)

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    No.04

    9

    JMS-T100GC “AccuTOF GC”によるプール血清中 POPs の迅速分析[Ⅰ]

    ~PCBs の定量分析~

    HClHCl((0.4ml0.4ml))1010%%AcetoneAcetone水溶液 水溶液 88mlml1313CC1212--PCBsPCBs  500pg500pg ( (Acetone)Acetone)

    コンディショニングコンディショニング1)1)  HexaneHexane  5ml5ml2)2)  AcetoneAcetone  55mlml3)3)  1010%%AcetoneAcetone水溶液 水溶液 55mlml

    ヒト血清(2g)

    SPESPE  abselut abselut NEXUSNEXUS

    GC/TOFGC/TOF--MSMS

    洗浄洗浄 2020%%MethanolMethanol  10ml10ml

    乾燥乾燥 NN22gas purgegas purge((3030minmin))

    溶出溶出 Hexane 5ml Hexane 5ml 1313CC1212--CB138CB138  500pg500pg

    SDBSDB系固相系固相

    HClHCl((0.4ml0.4ml))1010%%AcetoneAcetone水溶液 水溶液 88mlml1313CC1212--PCBsPCBs  500pg500pg ( (Acetone)Acetone)

    コンディショニングコンディショニング1)1)  HexaneHexane  5ml5ml2)2)  AcetoneAcetone  55mlml3)3)  1010%%AcetoneAcetone水溶液 水溶液 55mlml

    ヒト血清(2g)

    SPESPE  abselut abselut NEXUSNEXUS

    GC/TOFGC/TOF--MSMSGC/TOFGC/TOF--MSMS

    洗浄洗浄 2020%%MethanolMethanol  10ml10ml洗浄洗浄 2020%%MethanolMethanol  10ml10ml

    乾燥乾燥 NN22gas purgegas purge((3030minmin))乾燥乾燥 NN22gas purgegas purge((3030minmin))

    溶出溶出 Hexane 5ml Hexane 5ml 溶出溶出 Hexane 5ml Hexane 5ml 1313CC1212--CB138CB138  500pg500pg1313CC1212--CB138CB138  500pg500pg

    SDBSDB系固相系固相

    図 1.固相抽出の分析フロー

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  • 【結果】

    #182,187

    #180

    #170

    S/N=34(0.79pg)

    #182,187

    #180

    #170

    S/N=34(0.79pg)

    #182,187

    #180

    #170

    S/N=34(0.79pg)

    図2に 4 から 10 塩素化体の最大強度同位体の理論質量±

    0.05 で作成した高分解能マスクロマトグラムを示す。

    “AccuTOF GC”では、常に高分解能状態でプロフィル型の

    データを取得しているため(こ

    れをスペクトルモードと呼ぶ)、

    測定データからマスクロマトグ

    ラムを作成する際には、特定の

    質量数ではなく、質量範囲(マス

    グラムでは 4 塩素化体から 10 塩素化体の PCB が感度良く検出されている。“AccuTOF GC”は安定した高感度測定がその特長の 1 つであり、 ppbオーダー の試料も、マスクロマトグラムにより充分観測可能である。

    クロマトグラム作成の際の『ウィンドウ幅』と言う)を指定する。マスクロマト

    1

    図3にプール血清中 7 塩素化体の TIC、マスクロマトグラムと、表 1 に定量解析結果を示す。

    TIC では夾雑成分に埋もれてしまっている PCBs も、高分解能マスクロマトグラムを作成することに

    より、感度良く検出することが出

    来ている。これにより、夾雑成分

    の影響を受けることなく定量を行

    うことが可能である。

    表 は、固相抽出による前処理

    から GC/TOF-MS を用いた測定までの各 PCB における定量結果を示す。CV10%前後と安定した値が得られた。

    【まとめ】

    GC-TOFMS における測定の再現性は良く、定量分析を行うことが

    可能である。

    前処理の迅速化と TOF-MS による優れた定量能力により生産性

    が向上し、分析のハイスループット化を行う事ができた。

    【データ提供】

    愛媛大学農学部 環境計測学研究室 榎本剛司、松田宗明、河野公栄、脇本忠明 氏

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    図2.各塩素化体の

    高分解能マスクロマトグラム

    (pg/g wet)

    Compound serum 1 serum 2 serum 3 serum 4 serum 5 SD AVE. CV%

    #99 0.35 0.38 0.39 0.34 0.36 0.02 0.36 5.37

    #118 0.58 0.65 0.64 0.62 0.60 0.03 0.62 4.08

    #153 2.44 2.62 2.70 2.46 2.64 0.11 2.57 4.43

    #164 0.50 0.50 0.56 0.47 0.49 0.03 0.51 6.73

    #138 0.87 0.98 0.84 0.80 0.91 0.07 0.88 7.97

    #182/187 0.49 0.54 0.47 0.41 0.49 0.05 0.48 10.11

    #180 0.84 0.86 0.90 0.79 0.93 0.06 0.87 6.40

    #170 0.21 0.24 0.22 0.20 0.17 0.03 0.21 12.29

    図3.プール血清中の 7 塩素体のマスクロマトグラム

    表 1.定量解析結果(プール血清 2ml 使用時)

    TIC

    マスクロマトグラム

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    【はじめに】 ヒト血液は食物連鎖や生活環境を通じた曝露により PCBs を含む POPs(残留性有機汚染物質)による

    汚染を受けている。これら POPs は難分解性で生体内に長期に渡り蓄積し、発ガン性や免疫毒性、内分泌撹乱作用等による生体影響が危惧される。そのためヒト血液中の POPs をモニタリングする事は、人体蓄積の指標として重要である。これら PCBsを含むPOPsの測定は高分解能二重収束型質量分析装置を用いた SIM モードによる方法が主流であるが、この方法では測定チャンネル数の制限やグルーピングの制限等により、多検体の同時多成分定量分析には有効とは云い難く、さらに SCAN モードによる測定でない為、定性分析が不可能である。

    TOF-MS は常時高分解能条件下でマススペクトルを取込む事ができる。また、得られたデータの質量精度が高いため簡単に精密質量が求められ,組成式の決定が可能である。そこで、POPsの迅速分析[Ⅰ](MSTips No.xxx)で紹介した PCBs を定量分析したデータを用い、6 塩素化体の PCB(#153)の精密質量から組成式を求めた。また、試料中には有機塩素系農薬の p,p’-DDE も含まれることが予想されることから、本化合物の検索を行い、定性と定量の同時分析が可能か検証した。

    【試料及び方法】 試料及び方法は、POPs の迅速分析[Ⅰ]で用いた方法で行った。(MSTips No.049 を参照)

    測定条件 GC条件 GC: Agilent社製 6890N カラム: HT8-PCB(30m×0.25mmI.D.) オーブン: 120℃(1min)→120℃min→160℃→6℃/min→280℃(3min) 注入口: 280℃、Splitless 注入量: 2μl キャリアガス: He、1.0ml/min(定流量)

    MS条件 MS: JMS-T100GC “AccuTOF GC” 測定質量範囲: m/z 170-520 スペクトル記録速度: 0.20 秒(5 スペクトル/秒) イオン源: EI+(40eV、600μA)

    【結果】 図 1 にプール血清の測定結果(TIC)を示す。TIC では夾雑成分が非常に多く、このままでは PCBs を確認することが出来ない。そこで、6 塩素化体のマスクロマトグラム(理論質量±0.05)の作成を行い、そのクロマ

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    No.05

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    JMS-T100GC “AccuTOF GC”によるプール血清中 POPs の迅速分析[Ⅱ]

    ~PCB と有機塩素系農薬の定性分析~

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  • トグラムピーク(2.5pg 相当の面積値で

    あった)からマススペクトルを作成し、6

    塩素化体の検索を行なった。得られたマ

    ススペクトルに観測された分子イオンピ

    ークの精密質量より組成式を求めた結

    果、6 塩素化体の PCB である事が決定

    できた。表 1 に組成演算の結果を示す。

    図1.プール血清の TIC クロマト

    表 1. 6 塩素化体 PCB(#153)の組成演算の結果

    理論値 実測値 誤差(mmu) 組成式

    プール血清 1 357.8442 -0.2

    プール血清 2 357.8439 -0.5

    プール血清 3

    357.8444

    357.8449 0.5

    12C121H435Cl6

    また、プール血清中に含まれる、p,p’-DDE の検索を行った。p,p’-DDE の分子イオンのマスクロマトグラ

    ム(理論質量±0.05)よりマススペクトルの作成を行った(図2)。このマススペクトルを用いデータベースに

    よる検索を行い p,p’-DDE である事を推定し、さらに分子イオンピークの精密質量より組成式を求めp,p’-DDE である事を決定した(表2)。

    図2.血清中の p,p’-DDE のマススペクトル

    表2.p,p’-DDE 組成演算結果

    理論値 mmu) 組成式

    実測値 誤差(

    プール血清 1 3 15.9370 -1.0

    プール血清 2 315.9371 -0.9

    プール血清 3

    315.9380 12C141H835Cl4315.9373 -0.7

    まとめ】 雑成分の多い系、また絶対量 2.5pg のクロマトグラムピークにおいても、精度良く(1mmu

    以 や

    データ提供】 環境計測学研究室 榎本剛司、松田宗明、河野公栄、脇本忠明 氏

    非常に夾

    下)精密質量を得ることが出来た。さらに、PCBs の定量のみならず、同一のデータを用い、PCBp,p’-DDE の精密質量から組成式を求め同定を行った。このように一度の測定で微量物質の定量と定性が同時に行ことのできる TOF-MS による測定は非常に有効である。

    愛媛大学農学部

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    JMS-T100GC“AccuTOF GC”にて、VARIAN 社製 VFRapid-MSPCB カラムを用いた、PCB のFastGC/MS 測定を行ったので報告する。

    【試料及び条件】 試料 Wellington 社製 62 化合物混合溶液 GC 条件 GC : Agilent 社製 6890N カラム: VARIAN 社製 VFRapid-MSPCB、 10m×0.53mmI.D.、膜厚 0.25μm オーブン: 85℃(1min)→40℃min→300℃ 注入口: 320℃、Splitless 注入量: 1 μL キャリアガス: He(定流量モード:1.5mL/min) MS 条件 MS: JMS-T100GC “AccuTOF GC” イオン化法: EI+(18eV、300μA) 測定質量範囲: m/z 30-600 スペクトル記録速度: 0.1 秒(10 スペクトル/秒) 【結果及び考察】

    図 1 mono CBs-tri CBs のマスクロマトグラム

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    No.07MS Tips

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    6

    JMS-T100GC “AccuTOF GC”による PCB 一斉迅速分析

    mono CBs (m/z 188.03928±0.03)

    di CBs (m/z 222.00031±0.03)

    tri CBs 37 22

    332819

    18

    815

    3

    10/4

    1

    (m/z 255.96133±0.03)

    * 作成範囲は対象化合物分子イオンの精密質量±0.03 マスユニット* クロマトグラムピークの番号は IUPAC#を示す。

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  • 図 2 tetra CBs-deca CBs のマスクロマトグラム

    上記に示すように FastGC 条件で測定を行うことで、deca CBs を僅か 6 分以内で観測することが出来

    た。AccuTOF GC では高速でのスペクトル測定が可能であり、FastGC 条件での測定においても、クロマトグラムピークに対して充分なデータポイントを得ることが出来る。 【参考文献】1)松村 徹, 草井 明彦, 生方 正章, 田中 一夫(2006):高速GC/TOF-MSによるPCBの迅速分析, 第 15 回環境化学討論会講演要旨集, p71 【謝辞】本測定を行うにあたりご協力頂いた、いであ株式会社 松村 徹博士に深謝致します。

    * 作成範囲は対象化合物分子イオンの精密質量±0.03 マスユニット* クロマトグラムピークの番号は IUPAC#を示す。

    104

    8177

    7074 49/52

    44 54

    (m/z 291.91947±0.03)

    penta CBs (m/z 325.88049±0.03)

    hexa CBs (m/z 359.84151±0.03)

    hepta CBs (m/z 393.80253±0.03)

    octa CBs (m/z 429.76064±0.03)

    nona CBs (m/z 463.72166±0.03)

    deca CBs (m/z 497.68268±0.03)

    95

    10199

    11987110

    123 118114

    105

    126

    155151 149

    153/168138/158128/ 167

    156/ 157 169

    188178

    187183

    177/ 171

    180/ 191

    170 189

    202 200 201194/205

    208206

    209

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    tetra CBs

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    【はじめに】

    JMS-T100GC“AccuTOF GC”にて、FastGC 条件を用いた、POPs の FastGC/EI(+)及び FastGC/CI(-)

    測定を行ったので報告する。

    【試料及び条件】

    試料 POPs 標準混合溶液

    GC 条件

    GC : Agilent 社製 6890N

    カラム: DB-5、10m×0.18mmI.D., 膜厚 0.18μm

    オーブン: 50℃(1min)→75℃/min→80℃→50℃/min→280℃(1min)

    注入口: 250℃、Pulsed Splitless(200kPa、0.7min)

    注入量: 1.0μL

    キャリアガス: He(定流量モード:0.4mL/min)

    MS 条件

    MS: JMS-T100GC “AccuTOF GC”

    EI(+)条件: イオン化電圧:70eV

    イオン化電流:300μA

    イオン化室温度:250℃

    CI(-)条件: イオン化電圧:120eV

    イオン化電流:300μA

    イオン化室温度:200℃

    CI ガス:メタン(1.5mL/min)

    測定質量範囲: m/z 30-600

    スペクトル記録間隔: 0.1 秒(10 スペクトル/秒)

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    No.107MS Tips

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    JMS-T100GC “AccuTOF GC”による

    残留性有機汚染物質(POPs)の迅速分析

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  • 【結果及び考察】

    Fig.1 に POPs の TIC を、Fig.2 に Hexachlorobenzene(1ppb)のマスクロマトグラムを示す。

    ※青:EI(+)、ピンク:CI(-)

    6.0 6.0 minmin

    Positive EIPositive EI

    6.0 6.0 minmin

    Negative CINegative CI

    Fig.1 TICs of POPs standard

    S/N 329S/N 329

    S/N 1173S/N 1173

    Fig.2 Mass chromatograms of 1 ppb Hexachlorobenzene (HCB)

    (m/z 283.81017±0.025)

    Mirex

    6.0 6.0 minmin

    Positive EIPositive EI

    6.0 6.0 minmin

    Negative CINegative CI

    Fig.1 TICs of POPs standard

    S/N 329S/N 329

    S/N 1173S/N 1173

    Fig.2 Mass chromatograms of 1 ppb Hexachlorobenzene (HCB)

    (m/z 283.81017±0.025)

    Mirex

    Fig.1 に示すように FastGC 条件で測定を行うことで、POPs を 6 分以内で検出することが出来た。今回用いた

    FastGC 条件では、5.5 分でオーブン温度 280℃に到達し、溶出の順番が最も遅かった Mirex についても保持時

    間 5.5 分程度で観測することが出来た。

    通常 FastGC 条件で測定を行う際には、クロマトグラムピークに対して充分なデータポイントを得る為に、

    検出器に早いデータ取得速度が求められる。今回はスペクトル記録間隔 0.1 秒 (1 秒間に 10 スペクトルを

    取得する速度)にて測定を行ったが、クロマトグラムピークに対するデータポイントは 15 ポイント以上が得ら

    れており、充分なデータポイント数であった。またスペクトル記録間隔 0.1 秒で測定した際の感度は Fig.2 に

    示すように、EI(+)でS/N300以上、CI(-)でS/N1100以上の良好な結果が得られた。検量線の直線性に関し

    ても Fig.3 に示すように、全ての検量線で相関係数 0.999 以上と良好であった。

    AccuTOF GC は FastGC/MS 測定に求められる高速データ取得が可能であり、さらに早いスペクトル記

    録間隔(=短いスペクトル積算時間)であっても高感度な測定が可能である。

    HCB EI(+)HCB EI(+)0.5 0.5 –– 100 ppb100 ppb

    rr22 = 0.9998= 0.9998

    Aldrin EI(+)Aldrin EI(+)0.5 0.5 –– 100 ppb100 ppb

    rr22 = 0.9994= 0.9994

    Mirex EI(+)Mirex EI(+)0.5 0.5 –– 100 ppb100 ppb

    rr22 = 0.9992= 0.9992

    HCB CI(HCB CI(--))0.05 0.05 –– 10 ppb10 ppb

    rr22 = 0.9999= 0.9999

    Aldrin CI(Aldrin CI(--))0.05 0.05 –– 10 ppb10 ppb

    rr22 = 0.9998= 0.9998

    Mirex CI(Mirex CI(--))0.05 0.05 –– 10 ppb10 ppb

    rr22 = 0.9995= 0.9995

    Fig.3 Calibration curves of POPs standard

    HCB EI(+)HCB EI(+)0.5 0.5 –– 100 ppb100 ppb

    rr22 = 0.9998= 0.9998

    Aldrin EI(+)Aldrin EI(+)0.5 0.5 –– 100 ppb100 ppb

    rr22 = 0.9994= 0.9994

    Mirex EI(+)Mirex EI(+)0.5 0.5 –– 100 ppb100 ppb

    rr22 = 0.9992= 0.9992

    HCB CI(HCB CI(--))0.05 0.05 –– 10 ppb10 ppb

    rr22 = 0.9999= 0.9999

    Aldrin CI(Aldrin CI(--))0.05 0.05 –– 10 ppb10 ppb

    rr22 = 0.9998= 0.9998

    Mirex CI(Mirex CI(--))0.05 0.05 –– 10 ppb10 ppb

    rr22 = 0.9995= 0.9995

    Fig.3 Calibration curves of POPs standard

    Copyright © 2007 JEOL Ltd. 8 www.jeol.co.jp

  • 日本電子株式会社

    【はじめに】

    PCBs が混入されていないトランスオイルを 10000 倍希釈し、そこに市販の PCBs(KC-500)を一定量混入し、

    FastGC/MS 測定条件にて測定を行った。マスクロマトグラムを作成する際に、質量範囲(マスクロマトグラム作成

    の際の『ウィンドウ幅』と言う)を変化させ、夾雑成分の影響排除に関して検証を行った。

    【試料及び条件】

    試料 KC-500(0.1 ppm)、トランスオイル(10000 倍希釈)

    GC 条件 注入口: Splitless、280℃

    カラム: DB-5、10m×0.18mm、0.18um

    He 流量: 0.5ml/min(定流量モード)

    オーブン: 50℃(2min) → 60℃/min → 280℃(2min)

    MS 条件 MS: JMS-T100GC “AccuTOF GC”

    イオン化モード: EI+(イオン化電圧:70eV、電流:300uA)

    測定質量範囲: m/z 30-550

    スペクトル記録間隔: 0.1s(10 Hz)

    温度: イオン源:280℃、GC-ITF:280℃

    【結果及び考察】

    マスクロマトグラムの作成ウィンドウ幅を

    変化させることで、高分解能条件により実

    試料中夾雑成分の影響が排除可能かどう

    かを検証した。Fig.1 に低分解能、高分解

    能各々の条件で作成したマスクロマトグラ

    ムを示す。なお、『低分解能』『高分解能』

    とは装置的な条件という意味ではなく、作

    成する際のウィンドウ幅を変化させたことを

    意味している。それら作成ウィンドウ幅より

    計算される質量分解能の違いを『低分解

    能』『高分解能』と表現している。AccuTOF

    GC で は 、 常 に 高 分 解 能 状 態 ( R ≧

    5000@m/z 293)で測定を実施している。

    Fig.1 に示すように、低分解能マスクロマトグラム(QMS レベル)では、夾雑成分の影響を殆ど排除出来ず、主と

    してオイル成分が観測されたのみであった。一方、高分解能マスクロマトグラムでは、夾雑成分の影響を排除し、

    5 塩素化体のクロマトグラムピークのみを抽出出来ている。

    AccuTOF GC は高い分解能を有した GC/TOFMS システムであり、大量の夾雑成分を含む実試料においても

    有効なツールとなることが期待される。(U)

    MS Tips EOL MS Data Sheet J

    応用研究センター8558 東京都昭島市武蔵野 3-1-2

    542-2242, Fax : (0 ) 542-3132

    No.

    〒 196-

    Tel : (042) 42

    040

    日本電子株式会社 分析機器本部 応用研究グループ

    お問い合わせ:分析機器販促グループ

    l : (042) 528-3340 jeol.co.jp

    No.13MS Tips

    EOL MS Data Sheet J

    Te www.

    0

    高分解能マスクロマトグラムによる選択性の検証

    Fig.1 Comparison of mass chromatograms

    for penta-chlorinated PCBs in oil.

    Low resolution mass chromatogram

    m/z 352.88049±0.5

    (Resolution≒353)

    High resolution mass chromatogram

    m/z 352.88049±0.05

    (Resolution≒3529)

    Copyright © 2008 JEOL Ltd.

    JMS-T100GC Application Data

    www.jeol.co.jp 9

  • 10 www.jeol.co.jp

  • MS Tips

    〒 196-8558

    Tel : (042) 54

    No. 040No.150 (U , 08/’09)

    日本電子株式会MS事業ユニット

    お問い合わ

    Tel : (04MS Tips

    JMS-T100GCV Application Data

    【はじめに】 多環芳香族炭

    族炭化水素の総

    は原油中に存在

    される。PAHsに

    の為、環境中に

    今回JMS-T1煤中PAHsの選

    【試料及び条件

    試料としては

    ルムと入れ(重量

    出液を遠心分離

    【結果及び考察

    Fig.1に得ら

    開したものを示

    ある DB-1ms で

    沸点順に溶出し

    カラムである D

    成分は極性順に

    れた IC上の強

    市販の排ガス煤

    前処理のみを

    種々の成分が観

    T

    次にPAHsの

    ンゼン環を 4つ

    ムの比較を行っ

    GC×GC-HRTOFMSを用いた排ガス煤中 の多環芳香族炭化水素(PAHs)分析

    JEOL MS Data Sheet JEOL MS Data Sheet

    化水素(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons; PAHs)とは、ベン

    称であり、例えばベンゼン環を 2つもつ Naphthalene、3つもつ

    しており、原油及び灯油・軽油などの原油製品の燃焼により環境

    は発癌性を有する化合物が数多く存在しており、また一部の PAH

    おける PAHsの量を知ることは重要である。

    00GCVと、包括的 2次元GC(GC×GC)法を組み合わせたGC×択的分析について検討したところ、良好な結果が得られたので報告

    】 市販されている排ガス煤(2975 Diesel Particulate Matter, NIST)を

    比1:10)、スクリュー式蓋で密閉し、アルミブロックヒータで加熱した

    し、得られた上澄み液を濃縮し測定に供した。測定条件をTable1

    Table 1 GC×GC-HRTOFMS】 れた TIC クロマトグラムを 3D展

    す。X 軸が 1 次元目のカラムで

    の分離を示しており、各成分は

    ている。一方 Y 軸は 2 次元目

    B-17 での分離を示しており、各

    溶出している。また Z軸は得ら

    度を示している。今回の試料は、

    を溶媒抽出しただけの簡単な

    行ったが、Fig.1 に示すように

    測された。

    JMS-T100G

    KT2004 (Zo

    Injection mode Split 20:1

    Injection temp. 300℃

    Oven temp.program

    50℃(1min)

    Injection volume 0.2µL1st: DB-1m

    2nd: DB-17Carrier gas He、2.0 mL/

    Modulation Period: 6se

    Ionization mode EI+、70eV、

    Ion source temp. 280℃

    m/z range m/z 29-8

    Data acquisitionspeed

    0.04 sec(25

    Instrument

    Column

    選択的検出の検証例として、ベ

    有するC18H12のマスクロマトグラ

    た。

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    日本電子株式会社応用研究センター

    -2 東京都昭島市武蔵野 3-1

    31322-2242, Fax : (042) 542-

    社 MS アプリケーショングループ

    せ:分析機器販促グループ

    2) 528-3340 www.jeol.co.jp

    ゼン環を 2つ以上有する芳香

    Antraceneなどがある。PAHs

    中(水環境、大気など)に放出

    sの発癌性は極めて高い。そ

    GC-HRTOFMSにて、排ガス

    する。

    、肉厚のガラス容器にクロロホ

    (100℃、5時間)。その後抽

    に示す。

    measurement conditions.

    CV (JEOL Ltd.)

    ex Corporation)

    →5℃/min→280℃(13min)

    s、30m×0.25mm、0.25µm、2m×0.1mm、0.1µmmin、Constant flow

    c、Releasing: 0.3sec

    300µA

    00

    Hz)

    11

  • 1st dimension(DB-1ms)2nd

    dimension(DB-17)

    Intensity

    1st dimension(DB-1ms)2nd

    dimension(DB-17)

    Intensity

    ★ (a)

    (a)m

    Fig.2中の(a)は低分解能 3Dマスク

    一方(b)の高分解能 3Dマスクロマトグ

    出来た。Fig.2中に観測されたPAHsの

    観測されているが、精密質量解析の結

    た。

    GC×GC/HRTOFMS 法では、GC

    成分数が多く、また夾雑成分を多く含

    12

    Fig.1 3D TIC chromatogram

    (b) ★

    Fig.2 3D mass chromatograms

    /z 228±0.5、(b)m/z 228.0930±0.01

    C18H12 m/z 228.0933

    (Error: 0.3 mDa)

    Fig.3 EI mass spectrum; ☆ in Fig. 2 (a) and (b).

    ロマトグラムであるが、PAHsに加え、その

    ラムでは、夾雑成分の影響を排除出来て

    質量スペクトルをFig.3に示す。質量スペ

    果、PAHsの分子イオンであるC18H12(m

    ×GC による分離能の向上と、HRTOFM

    む試料の分析においては、有効な分析手

    www.jeol.co.jp

    他の夾雑成分が観測されている。

    おり、PAHsのみを選択的に検出

    クトル中では、m/z 228.0933が

    /z 228.0930)であると推定され

    S による選択性の向上が図れ、

    法に成り得ると考えられる。

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  • w

    日本電子

    I

    O

    T

    r

    I

    Qs

    I

    Ip

    S

    P

    G

    C

    p

    C

    I

    I

    m

    S

    JEOL MS Data Sheet JEOL MS Data Sheet

    JMS-T100GCV Application Data

    はじめに】 今日『食の安全』は世界的な規模で取り組むべき重要な課題であり、各国にお

    値を設定し、独自の残留農薬規制を策定している。日本では平成 18年 5月末

    れたが、人の健康を損なう恐れのない量、いわゆる一律基準としては 0.01ppm

    食品中の残留農薬について精度良く定性/定量分析を行うには前処理操作が

    法としては、抽出操作に『QuEChERS法(Qu(迅速)E(簡便)Ch(安価)E(効果

    して次工程の精製操作に『固相カートリッジ法』を組み合わせた STQ法(Solid

    ith QuEChERS method)を用い、実試料としては生姜を用いた。GC/MS として

    ・高感度・高分解能・高質量精度な測定が可能な日本電子製 GC-TOFMS“JM

    入には冷媒不要で高速昇温/高速冷却が可能な

    イスティサイエンス社製 GC大量注入装置

    LVI-S200”を用いた。

    本 MSTipsでは、TOFMSの高分解能を活かした

    択性向上の一例として、アトラジン及びテトラジホン

    解析について紹介する。

    試料及び条件】

    MS Tips 〒 196-8558Tel : (042) 54分析機

    お問い

    TeMS TipsN

    Water 2 mL

    20%Brine 20m

    Washings 80%C18-50mg:Purifi

    Eluate

    GC/MS (Large volume injecti

    PLS3-20mg:Rete

    0.2%PEG400/Acetone

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:ReteSuction dryi

    To connect PSAElution Acet

    Dryness for elua

    Constant volum

    Preparative 0.3m

    Pesticides (10pg/µL, 0Internal Std. (100pg/µ

    Sample

    HomogenizingNaCl (Comm

    MgSO4 (MagTrisodium c

    Agitation (Shankin

    Centrifugal separa

    Disodium hy

    Sample (bread) 10

    Preparative 0.5mL

    Acetonitrile layer

    Acetonitrile

    Water 2 mL

    20%Brine 20m

    Washings 80%C18-50mg:Purifi

    Eluate

    GC/MS (Large volume injecti

    PLS3-20mg:Rete

    0.2%PEG400/Acetone

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:ReteSuction dryi

    To connect PSAElution Acet

    Dryness for elua

    Constant volum

    Preparative 0.3m

    Pesticides (10pg/µL, 0Internal Std. (100pg/µ

    Sample

    Water 2 mL

    20%Brine 20m

    Washings 80%C18-50mg:Purifi

    Eluate

    GC/MS (Large volume injecti

    PLS3-20mg:Rete

    0.2%PEG400/Acetone

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:ReteSuction dryi

    To connect PSAElution Acet

    Dryness for elua

    Constant volum

    Preparative 0.3m

    Pesticides (10pg/µL, 0Internal Std. (100pg/µ

    Sample

    HomogenizingNaCl (Comm

    MgSO4 (MagTrisodium c

    Agitation (Shankin

    Centrifugal separa

    Disodium hy

    Sample (bread) 10

    Preparative 0.5mL

    Acetonitrile layer

    AcetonitrileHomogenizing

    NaCl (Comm

    MgSO4 (MagTrisodium c

    Agitation (Shankin

    Centrifugal separa

    Disodium hy

    Sample (bread) 10

    Preparative 0.5mL

    Acetonitrile layer

    Acetonitrile

    (Ginger) 1

    Table 1 GC/MS measurement conditions.

    JMS-T100GCV (JEOL Ltd.)

    LVI-S200 (AiSTI SCIENECE CO.,Ltd.)

    antitativere

    e (JEOL Ltd.)

    njection mode Splitless

    njection temp. 60℃(0.5min)→120℃/min→240℃→50℃/min→290℃(39min)

    njection volume 25µLet exhaust time 26sec (Acetone)

    urge 50mL/min、4min

    s saver 30mL/min、6min

    lumn BPX5、30m×0.25mm、0.25µm

    ven temp.60℃(4min)→20℃/min→160℃→5/min→220℃→3℃/min→235℃→7/min→340℃(4min)

    rrier gas He、1.2mL/min、Constant flow

    ization mode EI+、70eV、300µAon source temp. 250℃

    rasfer line temp. 300℃

    z range m/z 50-450

    trumecording time

    0.4sec

    strumentn

    uoftwa

    Escrim

    rogram

    olv

    a

    o

    ℃℃

    rogram

    a

    on

    /

    pecFig.1 Pre-cleaning

    Cwww.jeol.co.jp

    日本電子株式会社応用研究センター

    東京都昭島市武蔵野 3-1-2

    2-2242, Fax : (042) 542-3132

    株式会社 器本部 応用研究グループ

    合わせ:分析機器販促グループ

    l : (042) 528-3340 www.jeol.co.jp

    No. 040o.142 (U , 04/’09)

    食品中残留農薬迅速一斉分析の検討① 『選択性』 ~GC大量注入法と、高分解能 TOFMSを用いて~

    いては食品中残留農薬の基

    日にポジティブリスト制が施行

    が採用されている。

    必須であるが、今回、前処理

    的)R(堅牢)S(安全))』を、

    Phase Extraction Technique

    は、スペクトルモードによる高

    S-T100GCV”を用い、試料

    L

    Acetonitrile/Water 1mLcation

    on 25µL (Sample12.5 mg))

    ntion

    5µL

    ntionng for 3 min.-30mg: Purification

    one/Hexane(3/7) 1mLte

    e to 0.6 mL (Acetone)

    L×2

    .1mL)L, 0.1mL)

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/µL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5µL

    on salt) 1g

    nesium Sulfate, Anhydrous) 4gitrate dihydrate 1g

    g for 1 min.)

    tion(3000rpm for 5 min.)

    drogen citrate sesquihydrate 0.5g

    g

    (sample 0.5g)

    10mL

    L

    Acetonitrile/Water 1mLcation

    on 25µL (Sample12.5 mg))

    ntion

    5µL

    ntionng for 3 min.-30mg: Purification

    one/Hexane(3/7) 1mLte

    e to 0.6 mL (Acetone)

    L×2

    .1mL)L, 0.1mL)

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/µL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5µL

    L

    Acetonitrile/Water 1mLcation

    on 25µL (Sample12.5 mg))

    ntion

    5µL

    ntionng for 3 min.-30mg: Purification

    one/Hexane(3/7) 1mLte

    e to 0.6 mL (Acetone)

    L×2

    .1mL)L, 0.1mL)

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/µL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5µL

    on salt) 1g

    nesium Sulfate, Anhydrous) 4gitrate dihydrate 1g

    g for 1 min.)

    tion(3000rpm for 5 min.)

    drogen citrate sesquihydrate 0.5g

    g

    (sample 0.5g)

    10mL

    on salt) 1g

    nesium Sulfate, Anhydrous) 4gitrate dihydrate 1g

    g for 1 min.)

    tion(3000rpm for 5 min.)

    drogen citrate sesquihydrate 0.5g

    g

    (sample 0.5g)

    10mL

    0g

    scheme (STQ method).

    opyright © 2009 JEOL Ltd. 13

  • 測定条件を Table1に、試料前処理方法を Fig.1に示す。農薬標準試薬は、林純薬工業㈱製の PL2005Ⅰ~

    Ⅵを用いた。GCへ注入する段階の実試料抽出溶液中に、農薬成分(305成分)が 2pg/µLとなるよう添加した。

    これは生姜本来の試料中濃度に換算すると 0.004ppm の濃度であり、一律基準 0.01ppm に比べて、2.5倍低

    い濃度である。

    【結果及び考察】 アトラジンは m/z 158を、テトラジホンでは m/z 159それぞれのフラグメントイオンを用いて解析を行った。解

    析及び検証は、マスクロマトグラムの作成m/z幅を変化させて行った。Fig.2、3の左列は、QMS同等のマスクロ

    マトグラム(m/z幅は広く、±0.5u の幅)を、右列には TOFMS の高分解能を活かした±0.05u幅のマスクロマト

    グラムを示している。また両図共に、上段は標準試料 2pg/µL、中段はブランク試料、下段は実試料 2pg/µLのマ

    スクロマトグラムを示しており、Y 軸のスケールは全て同一に設定している。両農薬成分とも、QMS 同等のマスク

    ロマトグラム(図中左列)では、ブランク試料及び実試料において、近傍により高い強度の夾雑ピークが溶出する

    ことにより、その妨害によって

    正確な定量値を算出出来な

    かった。一方、図中右列の

    Fig.2 Mass chromatograms of Atrazine, left: m/z 158±0.5, right: m/z 158.02335±0.05.

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158±0.5 (low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.02335±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158±0.5 (low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.02335±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    Fig.3 Mass chromatograms of Tetradifon, left: m/z 159±0.5, right: m/z 158.96714±0.05.

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 159±0.5 (low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.96714±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 159±0.5 (low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.96714±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    Atrazine

    Tetradifon

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158±0.5 (Low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.02335±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158±0.5 (Low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.02335±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 159±0.5 (Low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.96714±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 159±0.5 (Low-resolution)

    STD 2pg/µL

    Sample2pg/µLspiked

    Blank

    m/z 158.96714±0.05 (High-resolution)

    Time(min)Time(min)

    Copyright © 2009 JEOL Ltd.

    ±0.05u幅のマスクロマトグラ

    ムでは、夾雑成分の影響を

    排除出来ており、ブランク試

    料中にこれら農薬成分が無

    いことが明らかとなった。また

    実試料中 2pg/µL の添加回

    収試験では、アトラジン回収

    率 104.5%(2.09 pg/µL)、テ

    トラジホン回収率 92%(1.84

    pg/µL)と、良好な回収率が

    得られた。

    JMS-T100GCV は、夾雑

    成分の多い実試料において

    も、高い分解能を活かした

    m/z の狭いマスクロマトグラ

    ムを作成することにより、夾雑

    成分の影響を排除することが

    可能であった。これにより、特

    に夾雑成分の多い食品関連

    の実試料においても、正確な

    定量値を容易に得ることが可

    能であった。

    JMS-T100GCV を用いる

    ことで、選択性はより向上し、

    精度の高い定量分析が可能

    であった。

    14 www.jeol.co.jp

  • JMS-T100GCV Application Data

    【はじめに】 今日『食の安全』は世界的な規模で取り組むべき重要な課題であり、各国においては食品中残留農薬の基

    準値を設定し、独自の残留農薬規制を策定している。日本では平成 18 年 5 月末日にポジティブリスト制が施行

    されたが、人の健康を損なう恐れのない量、いわゆる一律基準としては 0.01ppm が採用されている。

    食品中の残留農薬について精度良く定性/定量分析を行うには前処理操作が必須であるが、今回、前処理

    方法としては、抽出操作に『QuEChERS 法(Qu(迅速)E(簡便)Ch(安価)E(効果的)R(堅牢)S(安全))』を、

    そして次工程の精製操作に『固相カートリッジ法』を組み合わせた STQ 法(Solid Phase Extraction Technique

    with QuEChERS method)を用い、実試料としては生姜を用いた。GC/MS としては、スペクトルモードによる高

    速・高感度・高分解能・高質量精度な測定が可能な日本電子製 GC-TOFMS“JMS-T100GCV”を用い、試料

    導入には冷媒不要で高速昇温/高速冷却が可能な

    アイスティサイエンス社製 GC 大量注入装置

    “LVI-S200”を用いた。

    本 MSTips では、標準試料及び実試料中の農薬

    成分の定性分析について紹介する。

    【試料及び条件】

    MS Tips JEOL MS Data Sheet 日本電子株式会社

    応用研究センター〒 196-8558 東京都昭島市武蔵野 3-1-2

    Tel : (042) 542-2242, Fax : (042) 542-3132

    No. 040MS Tips

    JEOL MS Data Sheet 日本電子株式会社 分析機器本部 応用研究グループ

    お問い合わせ:分析機器販促グループ

    Tel : (042) 528-3340 www.jeol.co.jp

    No.143 (U , 04/’09)

    食品中残留農薬迅速一斉分析の検討② 『定性分析』 ~GC 大量注入法と、高分解能 TOFMS を用いて~

    Sample (bread) 10gSample (bread) 10gSample (bread) 10g(Ginger) 10g

    Copyright © 2009 JEOL Ltd.

    Table 1 GC/MS measurement conditions.

    JMS-T100GCV (JEOL Ltd.)

    LVI-S200 (AiSTI SCIENECE CO.,

    Quantitativesoftware

    Escrime (JEOL Ltd.)

    Injection mode Splitless

    Injection temp.program

    60℃(0.5min)→120℃/min→2450℃/min→290℃(39min)

    Injection volume 25μLSolvet exhaust time

    Ltd.)

    0℃→

    (Acetone)

    Purge 50mL/min、4min

    Gas saver 30mL/min、6min

    Column BPX5、30m×0.25mm、0.25μm

    Oven temp.program

    60℃(4min)→20℃/min→160℃→5℃/min→220℃→3℃/min→235℃→7℃/min→340℃(4min)

    Carrier gas He、1.2mL/min、Constant flow

    Ionization mode EI+、70eV、300μAIon source temp. 250℃

    Trasfer line temp. 300℃

    m/z range m/z 50-450

    Spectrumrecording time

    0.4sec

    Instrument

    26sec

    Fig.1 Pre-cleaning scheme (STQ method).

    Water 2 mL

    20%Brine 20mL

    Washings 80% Acetonitrile/Water 1mLC18-50mg:Purification

    Eluate

    GC/MS (Large volume injection 25μL (Sample12.5 mg))

    PLS3-20mg:Retention

    0.2%PEG400/Acetone 5μL

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:RetentionSuction drying for 3 min.

    To connect PSA-30mg: PurificationElution Acetone/Hexane(3/7) 1mL

    Dryness for eluate

    Constant volume to 0.6 mL (Acetone)

    Preparative 0.3mL×2

    Pesticides (10pg/μL, 0.1mL)Internal Std. (100pg/μL, 0.1mL)

    Sample

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/μL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5μL

    HomogenizingNaCl (Common salt) 1g

    MgSO4 (Magnesium Sulfate, Anhydrous) 4gTrisodium citrate dihydrate 1g

    Agitation (Shanking for 1 min.)

    Centrifugal separation(3000rpm for 5 min.)

    Disodium hydrogen citrate sesquihydrate 0.5g

    Preparative 0.5mL(sample 0.5g)

    Acetonitrile layer

    Acetonitrile 10mL

    Water 2 mL

    20%Brine 20mL

    Washings 80% Acetonitrile/Water 1mLC18-50mg:Purification

    Eluate

    GC/MS (Large volume injection 25μL (Sample12.5 mg))

    PLS3-20mg:Retention

    0.2%PEG400/Acetone 5μL

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:RetentionSuction drying for 3 min.

    To connect PSA-30mg: PurificationElution Acetone/Hexane(3/7) 1mL

    Dryness for eluate

    Constant volume to 0.6 mL (Acetone)

    Preparative 0.3mL×2

    Pesticides (10pg/μL, 0.1mL)Internal Std. (100pg/μL, 0.1mL)

    Sample

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/μL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5μL

    Water 2 mL

    20%Brine 20mL

    Washings 80% Acetonitrile/Water 1mLC18-50mg:Purification

    Eluate

    GC/MS (Large volume injection 25μL (Sample12.5 mg))

    PLS3-20mg:Retention

    0.2%PEG400/Acetone 5μL

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:RetentionSuction drying for 3 min.

    To connect PSA-30mg: PurificationElution Acetone/Hexane(3/7) 1mL

    Dryness for eluate

    Constant volume to 0.6 mL (Acetone)

    Preparative 0.3mL×2

    Pesticides (10pg/μL, 0.1mL)Internal Std. (100pg/μL, 0.1mL)

    Sample

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/μL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5μL

    HomogenizingNaCl (Common salt) 1g

    MgSO4 (Magnesium Sulfate, Anhydrous) 4gTrisodium citrate dihydrate 1g

    Agitation (Shanking for 1 min.)

    Centrifugal separation(3000rpm for 5 min.)

    Disodium hydrogen citrate sesquihydrate 0.5g

    Preparative 0.5mL(sample 0.5g)

    Acetonitrile layer

    Acetonitrile 10mLAcetonitrile 10mLHomogenizing

    NaCl (Common salt) 1gTrisodium citrate dihydrate 1gMgSO4 (Magnesium Sulfate, Anhydrous) 4gDisodium hydrogen citrate sesquihydrate 0.5g

    Agitation (Shanking for 1 min.)

    Centrifugal separation(3000rpm for 5 min.)

    Acetonitrile layer

    Preparative 0.5mL(sample 0.5g)

    www.jeol.co.jp 15

  • 測定条件を Table1 に、試料前処理方法を Fig.1 に示す。農薬標準試薬は、林純薬工業㈱製の PL2005Ⅰ~

    Ⅵを用いた。GC へ注入する段階の実試料抽出溶液中に、農薬成分(305 成分)が 2pg/μL となるよう添加した。

    これは生姜本来の試料中濃度に換算すると 0.004ppm の濃度であり、一律基準 0.01ppm に比べて、2.5 倍低

    い濃度である。

    【結果及び考察】 Fig.2 に得られた TIC

    と、トリアジン系農薬で

    あるアトラジンのフラグ

    メントイオン m/z 200 の

    マスクロマトグラムを示

    す 。 図 中 の 赤 矢 印

    ( )及び赤点線はアト

    ラジンの溶出位置を示

    しているが、標準試料

    50pg/μL 以外の試料

    では、TIC 上で明確な

    溶出位置を確認するこ

    とは困難であった。しかしながらこれら成分は、マ

    スクロマトグラムを作成することで容易に確認が可

    能であった。

    Fig.3 に各試料において得られたアトラジンの質

    量スペクトルを示す。全ての試料で特徴的な 3 つ

    のイオンm/z 173、200、215 が観測されており、

    スペクトルパターンは良好な一致を示していた。

    NISTライブラリ検索結果をTable2 に記載している

    が、各試料でMatchファクター750 以上の良好な

    類似性を示し、且つ全てアトラジンを 1 位の候補

    として検索出来た。また併せて精密質量解析を実

    施したところ、特徴的な 3 つのイオンm/z 173、

    200、215 に対して、全て 1.0×10-3u以下の良好

    な精度をもって精密質量が得られた。

    JMS-T100GCV は、夾雑成分の多い実試料においても、高いスペクトル感度と高い質量精度を同時に活かし

    た測定が容易に可能である。従来の GC/MS 同様にライブラリ検索による定性分析に加えて、精密質量測定に

    よる各イオンでの定性分析が可能であった。

    STD 50pg/μL

    STD 2pg/μL

    Sample2pg/μL spiked

    STD 50pg/μL

    STD 2pg/μL

    Sample2pg/μL spiked

    Fig.3 Mass spectra of Atrazine. m/z

    Ionic species

    Exact mass

    Data NIST # (Match) Meas. mass Error (10-3 u) Meas. mass Error (10-3 u) Meas. mass Error (10-3 u)

    STD 50pg/μL #1 (920) 173.0470 0.2 200.0709 0.6 215.0943 0.5STD 2pg/μL #1 (819) 173.0467 -0.1 200.0708 0.5 215.0940 0.2

    Sample 2pg/μL #1 (759) 173.0473 0.5 200.0712 0.9 215.0941 0.3

    C8H11ClN5

    215.0938

    C5H8ClN5

    173.0468

    C7H11ClN5

    200.0703

    Table 2 Results of qualitative analysis (NIST library search & accurate mass measurement).

    Fig.2 Chromathograms, left:: TIC, right: mass chromatograms (m/z 200.0703±0.05).

    STD 50pg/μL

    STD 2pg/μL

    Sample2pg/μLspiked

    Atrazine

    Atrazine

    Atrazine

    STD 50pg/μL

    STD 2pg/μL

    Sample2pg/μLspiked

    Atrazine

    Atrazine

    Atrazine

    14

    Copyright © 2009 JEOL Ltd. 16 www.jeol.co.jp

  • w

    日本電子

    Q

    I

    P

    p

    m

    S

    I

    s

    I

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    I

    S

    G

    C

    O

    C

    I

    I

    T

    r

    JEOL MS Data Sheet JEOL MS Data Sheet

    JMS-T100GCV Application Data

    はじめに】 今日『食の安全』は世界的な規模で取り組むべき重要な課題であり、各国にお

    値を設定し、独自の残留農薬規制を策定している。日本では平成 18年 5月末

    れたが、人の健康を損なう恐れのない量、いわゆる一律基準としては 0.01ppm

    食品中の残留農薬について精度良く定性/定量分析を行うには前処理操作が

    法としては、抽出操作に『QuEChERS法(Qu(迅速)E(簡便)Ch(安価)E(効果

    して次工程の精製操作に『固相カートリッジ法』を組み合わせた STQ法(Solid

    ith QuEChERS method)を用い、実試料としては生姜を用いた。GC/MS として

    ・高感度・高分解能・高質量精度な測定が可能な日本電子製 GC-TOFMS“JM

    入には冷媒不要で高速昇温/高速冷却が可能な

    イスティサイエンス社製 GC大量注入装置

    LVI-S200”を用いた。

    本 MSTipsでは、TOFMSの高速測定能力を活か

    た FastGC測定について紹介する。

    試料及び条件】

    MS Tips 〒 196-8558Tel : (042) 54分析機

    お問い

    TeMS TipsN

    Water 2 mL

    20%Brine 20m

    Washings 80%C18-50mg:Purifi

    Eluate

    GC/MS (Large volume injecti

    PLS3-20mg:Rete

    0.2%PEG400/Acetone

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:ReteSuction dryi

    To connect PSAElution Acet

    Dryness for elua

    Constant volum

    Preparative 0.3m

    Pesticides (10pg/µL, 0Internal Std. (100pg/µ

    Sample

    HomogenizingNaCl (Comm

    MgSO4 (MagTrisodium c

    Agitation (Shankin

    Centrifugal separa

    Disodium hy

    Sample (bread) 10

    Preparative 0.5mL

    Acetonitrile layer

    Acetonitrile

    Water 2 mL

    20%Brine 20m

    Washings 80%C18-50mg:Purifi

    Eluate

    GC/MS (Large volume injecti

    PLS3-20mg:Rete

    0.2%PEG400/Acetone

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:ReteSuction dryi

    To connect PSAElution Acet

    Dryness for elua

    Constant volum

    Preparative 0.3m

    Pesticides (10pg/µL, 0Internal Std. (100pg/µ

    Sample

    Water 2 mL

    20%Brine 20m

    Washings 80%C18-50mg:Purifi

    Eluate

    GC/MS (Large volume injecti

    PLS3-20mg:Rete

    0.2%PEG400/Acetone

    Water 0.2mL

    Eluate

    PLS3-20mg:ReteSuction dryi

    To connect PSAElution Acet

    Dryness for elua

    Constant volum

    Preparative 0.3m

    Pesticides (10pg/µL, 0Internal Std. (100pg/µ

    Sample

    HomogenizingNaCl (Comm

    MgSO4 (MagTrisodium c

    Agitation (Shankin

    Centrifugal separa

    Disodium hy

    Sample (bread) 10

    Preparative 0.5mL

    Acetonitrile layer

    AcetonitrileHomogenizing

    NaCl (Comm

    MgSO4 (MagTrisodium c

    Agitation (Shankin

    Centrifugal separa

    Disodium hy

    Sample (bread) 10

    Preparative 0.5mL

    Acetonitrile layer

    Acetonitrile

    (Ginger) 1

    Table 1 FastGC/MS measurement conditions.

    JMS-T100GCV (JEOL Ltd.)

    LVI-S200 (AiSTI SCIENECE CO.,Ltd.)

    C

    uantitativeftware

    Escrime (JEOL Ltd.)

    ection mode litless

    njection temp.m

    60℃(0.5min)→120℃/min→50℃/min→290℃(15min)

    ection volume 25µLlvet exhaust time 26sec (Acetone)

    urge 50mL/min、4min

    saver 30mL/min、6min

    BPX5、30m×0.25mm、0.25µm

    temp.rogram

    60℃(4min)→40℃/min→160℃→20℃/min→340℃(4.5min)

    gas He、1.2mL/min、Constant flow

    ization mode EI+、70eV、300µAn source temp. 250℃

    mp. 300℃

    /z range m/z 50-450

    pectrumording time

    0.2sec

    entnstrum

    o

    nj Sp

    240℃→rogra

    nj

    o

    as

    olumn

    ven

    arrier

    on

    o

    rasfer line te

    ecFig.1 Pre-cleaning

    www.jeol.co.jp

    日本電子株式会社応用研究センター

    東京都昭島市武蔵野 3-1-2

    2-2242, Fax : (042) 542-3132

    株式会社 器本部 応用研究グループ

    合わせ:分析機器販促グループ

    l : (042) 528-3340 www.jeol.co.jp

    No. 040o.144 (U , 04/’09)

    食品中残留農薬迅速一斉分析の検討③ 『FastGC法』 ~GC大量注入法と、高分解能 TOFMSを用いて~

    いては食品中残留農薬の基

    日にポジティブリスト制が施行

    が採用されている。

    必須であるが、今回、前処理

    的)R(堅牢)S(安全))』を、

    Phase Extraction Technique

    は、スペクトルモードによる高

    S-T100GCV”を用い、試料

    L

    Acetonitrile/Water 1mLcation

    on 25µL (Sample12.5 mg))

    ntion

    5µL

    ntionng for 3 min.-30mg: Purification

    one/Hexane(3/7) 1mLte

    e to 0.6 mL (Acetone)

    L×2

    .1mL)L, 0.1mL)

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/µL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5µL

    on salt) 1g

    nesium Sulfate, Anhydrous) 4gitrate dihydrate 1g

    g for 1 min.)

    tion(3000rpm for 5 min.)

    drogen citrate sesquihydrate 0.5g

    g

    (sample 0.5g)

    10mL

    L

    Acetonitrile/Water 1mLcation

    on 25µL (Sample12.5 mg))

    ntion

    5µL

    ntionng for 3 min.-30mg: Purification

    one/Hexane(3/7) 1mLte

    e to 0.6 mL (Acetone)

    L×2

    .1mL)L, 0.1mL)

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/µL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5µL

    L

    Acetonitrile/Water 1mLcation

    on 25µL (Sample12.5 mg))

    ntion

    5µL

    ntionng for 3 min.-30mg: Purification

    one/Hexane(3/7) 1mLte

    e to 0.6 mL (Acetone)

    L×2

    .1mL)L, 0.1mL)

    Acetone (0.1mL)Internal Std. (100pg/µL, 0.1mL)

    Blank

    0.2%PEG400/Acetone 5µL

    on salt) 1g

    nesium Sulfate, Anhydrous) 4gitrate dihydrate 1g

    g for 1 min.)

    tion(3000rpm for 5 min.)

    drogen citrate sesquihydrate 0.5g

    g

    (sample 0.5g)

    10mL

    on salt) 1g

    nesium Sulfate, Anhydrous) 4gitrate dihydrate 1g

    g for 1 min.)

    tion(3000rpm for 5 min.)

    drogen citrate sesquihydrate 0.5g

    g

    (sample 0.5g)

    10mL

    0g

    opyright © 2009 JEOL Ltd.

    scheme (STQ method).

    17

  • 測定条件を Table1に、試料前処理方法を Fig.1に示す。農薬標準試薬は、林純薬工業㈱製の PL2005Ⅰ~Ⅵ

    を用いた。GCへ注入する段階の実試料抽出溶液中に、農薬成分(305成分)が 2pg/µL となるよう添加した。こ

    れは生姜本来の試料中濃度に換算すると 0.004ppmの濃度であり、一律基準 0.01ppmに比べて、2.5倍低い

    濃度である。

    【結果及び考察】 Fig.2 に通常の GC 条件で

    測定した TICと、FastGC条件

    で測定した TIC を示す。今回、

    FastGC 測定は、通常の GC

    条件と同じカラムを使用し、オ

    ーブン昇温プログラムのみを

    変更することで、トータルの分

    析時間短縮を図った。結果、

    従来法では 45minを要した測

    定も 、 FastGC 測定によ り

    20min まで短縮出来た。FastGC 条件

    によりクロマトグラムピークはシャープな

    形状となったが、スペクトル記録間隔を

    0.2秒(通常の GC条件では 0.4秒)と

    することで、クロマトグラムピーク 1 本に

    対して 15点程度のデータポイント数で

    結果を得ることが出来た。

    60℃(4min)→20℃/min→160℃→5℃/min→220℃→3℃/min→235℃→7℃/min→340℃(4m

    Conventional GC methodTotal 45 min

    Fast GC methodTotal 20 min

    60℃(4min)→40℃/min→160℃→20℃/min→340℃(4.5min)

    in)60℃(4min)→20℃/min→160℃→5℃/min→220℃→3℃/min→235℃→7℃/min→340℃(4m

    Conventional GC methodTotal 45 min

    Fast GC methodTotal 20 min

    60℃(4min)→40℃/min→160℃→20℃/min→340℃(4.5min)

    in)

    Fig.2 TIC chromatograms of standard 200 pg/µL.upper: conventional GC, lower: FastGC

    FastGC解析例として、ジクロルボス、

    テルブトリン、エトベンザニド、フェナミ

    ホスの 4つの農薬成分について、標準試

    濃度 1、2、5、20 pg/µLの 4点検量線を作

    成したところ、Fig.3 に示すように相関係数

    0.9989 から 0.9999 と、良好な直線性を示

    した。また実試料を用いた添加回収試験を

    行ったところ、Table 2 に示すように回収率

    は 94%~139%と良好な値を示した。

    Dichlorvosr2=0.9998

    [pg/µL] [pg/µL]

    [pg/µL] [pg/µL]

    Rat

    io

    Rat

    ioR

    atio

    Rat

    io

    Terbutrynr2=0.9999

    Etobenzanidr2=0.9989

    Fenamiphosr2=0.9999

    Dichlorvosr2=0.9998

    [pg/µL] [pg/µL]

    [pg/µL] [pg/µL]

    Rat

    io

    Rat

    ioR

    atio

    Rat

    io

    Terbutrynr2=0.9999

    Etobenzanidr2=0.9989

    Fenamiphosr2=0.9999

    Fig.3 Calibration curves using a FastGC measurement data.

    Pesticides r2Quantitative value

    (pg/mL)Recovery

    percentage (%)Dichlorvos 0.9998 2.78 139Terbutryn 0.9999 2.16 108

    Etobenzanid 0.9989 1.87 94Fenamiphos 0.9999 2.37 119

    Table 2 Results of quantitative analysis.

    JMS-T100GCV は、FastGC 条件下であっても充分なデータポイント数をもって測定が可能であり、また夾雑

    成分の多い実試料においても、食品中残留農薬の定量分析に充分活用可能であった。

    【まとめ】

    今回 MSTips No.142~144の計 3報に渡って、大量注入 GC法と高分解能 TOFMSを用いた残留農薬一

    斉分析に関する基礎検討について報告した。大量注入法と高分解能 TOFMS を組み合わせることで、前処理

    の迅速化とともに、高感度・高分解能・高質量精度・高速な測定が容易に可能であり、JMS-T100GCV が残留

    農薬一斉分析に対して有効なツールとなりうることが示唆された。

    【謝辞】 今回得られた結果は、株式会社アイスティサイエンス様との共同実験による成果です。ご協力頂きました佐々

    野様、金丸様、内田様に感謝致します。

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  • 日本電子株式会

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    4

    04:0

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    MS Tips 〒 196-8558Tel : (042) 54N

    MS 事業ユニット

    お問い合わ

    Tel : (04MS TipsJMS-T100GCV Application Data

    ピラゾールはじめに】 近年、飛行時間型質量分析計(TOFMS)の性能向上により、GC と TOFMSを組

    発された。TOFMSは従来の質量分析計よりも高速なデータ取得が可能であり、

    との組み合わせに、最も適した GC-MS装置である。加えて高分解能型(HR)T

    精度なスペクトルを得ることが可能である。

    本 MSTipsでは、FastGC/HRTOFMS法による茶試料中のピラゾール系農薬(

    ラフルフェンエチル、テブフェンピラド)の定性・定量分析を行い、短時間分析法

    を確認したので紹介する。

    Table 1 GC/MS m試料及び条件】 Instrument JMS-T1

    Quantitativesoftware

    Escrime

    Injection mode Splitless

    Injection temp. 250℃

    Oven temp.program

    40℃(1m

    Injection volume 1µLColumn DB-5、1

    Carrier gas He、0.7m

    Ionization mode EI+、70e

    Ion source temp. 250℃

    m/z range m/z 35

    Spectrumrecording time

    0.1sec

    測定条件を Table1 に示す。試料調整は、茶試料

    g を『GC/MS による農薬等の一斉試験法(農産物)』

    基づいて行った(n=3)。また農薬成分を、調整溶液

    で各 0.01、0.05、0.1 ppm となるよう添加した。これ

    茶本来の試料中濃度に換算すると 4、20、40ppb

    濃度である。

    結果及び考察】 Fig.1に得られた TICと、各農薬成分のマスクロマト

    ラムを示す。FastGC 条件下で測定を行うことにより、

    種のピラゾール系農薬を僅か 6 分以内で検出可能

    あった。また Fig.1右図にはフィプロニルのマスクロ

    TIC

    Fipronil

    Pyraflufen ethyl

    Tebufenpyrad

    Ethiprole

    0 06:00 08:00

    フフィプ

    Fipronil mass

    start

    フフィプ

    Fipronil mass

    start

    Fig.1 TIC chromatograms and Mass chromatogra

    Cwww.jeol.co.jp

    日本電子株式会社応用研究センター

    -2 東京都昭島市武蔵野 3-1

    31322-2242, Fax : (042) 542-

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    せ:分析機器販促グループ

    2) 528-3340 www.jeol.co.jp

    No. 040o.147 (U , 06/’09)

    GC-HRTOFMSを用いた茶中 系農薬の FastGC測定① 『定性分析

    み合わせたGC-TOFMSが

    その利点を活かした FastGC

    OFMSは、高分解能で高質

    フィプロニル、エチプロール、

    と高感度分析法としての有用

    easurement conditions.

    00GCV (JEOL Ltd.)

    (JEOL Ltd.)

    in)→50℃/min→300℃

    0m×0.18mm、0.18µmL/min、Constant flow

    V、300µA

    -500

    (3.8min)

    ィプロニル

    ピラフルフェンエチル

    テブフェンピラド

    エチプロール

    ロニル

    ピラフルフェンエチル

    テブフェンピラド

    エチプロール

    Window width:10 secPeak width:1.5 sec

    Data acquisition speed:0.1 sec

    Data point:15

    chromatogram

    end

    ィプロニル

    ピラフルフェンエチル

    テブフェンピラド

    エチプロール

    ロニル

    ピラフルフェンエチル

    テブフェンピラド

    エチプロール

    Window width:10 secPeak width:1.5 sec

    Data acquisition speed:0.1 sec

    Data point:15

    chromatogram

    end

    ms

    opyright © 2009 JEOL Ltd. 19

  • マトグラムの拡大図を示しているが、FastGC 条件下ではクロマトグラムピークは、半値幅の狭い非常にシャープ

    なものとなる。JMS-T100GCVは高速なデータ取り込みが可能であり、最大 0.04秒/spectrum(25Hz)での測定

    が可能である。今回の測定では、0.1秒/spectrum(10Hz)にて測定を実施したが、クロマトグラムピーク 1本に対

    し、およそ 15点程度のデータポイント数が得られており、充分なデータポイント数をもって検出が可能であった。

    Fig.2 フィプロニルの質量スペクトルを示に す。

    低濃度になるほど、茶試料由来のイオン

    1

    00GCV は、夾雑成分の多い実

    (夾雑成分)が顕著に観測されたものの、

    徴的なm/z 350.95、366.94、419.94など

    は観測されており、その結果試料溶液

    0.01ppm(実試料中 4ppb)においても

    NISTライブラリ検索ではフィプロニルを第

    位の候補として検索出来た。また併せて精

    密質量解析を実施したところ、特徴的な 3

    つのイオンm/z 350.95、366.94、419.94に

    対して、全て 2.0×10

    -3u以下の良好な精度

    をもって精密質量が得られた。Table2に、4

    種のピラゾール系農薬において観測された

    特徴的なイオン種の精密質量解析結果を

    示す。

    JMS-T1

    試料においても、高いスペクトル感度と高い質量精度を同時に活かした測定が容易に可能である。従来の

    GC/MS同様にライブラリ検索による定性分析に加えて、精密質量測定による各イオンでの定性分析も可能であ

    った。

    Fig.2 Mass spectra of Fipronil.

    0.1ppm

    0.05ppm

    0.01ppm

    0.1ppm

    0.05ppm

    0.01ppm

    Table 2 Results of exact mass measurements.

    Error(10-3u)

    Error(10-3u)

    Error(10-3u)

    Fipronil

    ion C11H4Cl2F3N4S C11H4Cl2F3N4OS C12H4Cl2F6N4S ion C12H8Cl2F3N2O2 C13H9ClF3N2O4 C15H13Cl2F3N2O4

    Calc. exact mass

    350.9486 366.9435 419.9438Calc. exact mass

    338.9915 349.0203 412.0205

                               

    ppmMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    ppmMeas.

    exact massMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    Pyraflufen ethyl

    0.1 350.9473 -1.3 366.9417 -1.8 419.9435 -0.3 0.1 338.9917 0.2 349.0194 -0.9 412.0212 0.7

    0.05 350.9472 -1.4 366.9423 -1.2 419.9425 -1.3 0.05 338.9911 -0.4 349.0184 -1.9 412.0207 0.2

    0.01 350.9474 -1.2 366.9431 -0.4 419.9449 1.1 0.01 338.9914 -0.1 349.0191 -1.2 412.0201 -0.4

    Ethiprole Tebufenpyrad

    ion C8H4Cl2F3N2 C11H5Cl2F3N4S C13H9Cl2F3N4S ion C7H8ClN2O C17H21ClN3O C18H24ClN3O

    Calc. exact mass

    254.9704 351.9564 379.9877Calc. exact mass

    171.0325 318.1373 333.1608

                               

    ppmMeas.

    exact massMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    ppmMeas.

    exact massMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    0.1 254.9722 1.8 351.9577 1.3 379.9894 1.7 0.1 171.0343 1.8 318.1379 0.6 333.1617 0.9

    0.05 254.9721 1.7 351.9547 -1.8 379.9885 0.8 0.05 171.0335 1.0 318.1383 1.0 333.1614 1.7

    0.01 254.9767 6.4 351.9563 -0.1 379.9897 2.0 0.01 171.0333 0.8 318.1388 1.5 333.1616 0.8

    Error(10-3u)

    Error(10-3u)

    Error(10-3u)

    Fipronil

    ion C11H4Cl2F3N4S C11H4Cl2F3N4OS C12H4Cl2F6N4S ion C12H8Cl2F3N2O2 C13H9ClF3N2O4 C15H13Cl2F3N2O4

    Calc. exact mass

    350.9486 366.9435 419.9438Calc. exact mass

    338.9915 349.0203 412.0205

                               

    ppmMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    ppmMeas.

    exact massMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    0.1 350.9473 -1.3 366.9417 -1.8 419.9435 -0.3 0.1 338.9917 0.2 349.0194 -0.9 412.0212 0.7

    0.05 350.9472 -1.4 366.9423 -1.2 419.9425 -1.3 0.05 338.9911 -0.4 349.0184 -1.9 412.0207 0.2

    0.01 350.9474 -1.2 366.9431 -0.4 419.9449 1.1 0.01 338.9914 -0.1 349.0191 -1.2 412.0201 -0.4

    Ethiprole Tebufenpyrad

    ion C8H4Cl2F3N2 C11H5Cl2F3N4S C13H9Cl2F3N4S ion C7H8ClN2O C17H21ClN3O C18H24ClN3O

    Calc. exact mass

    254.9704 351.9564 379.9877Calc. exact mass

    171.0325 318.1373 333.1608

                               

    ppmMeas.

    exact massMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    ppmMeas.

    exact massMeas.

    exact massError(10-3u)

    Meas.exact mass

    Error(10-3u)

    0.1 254.9722 1.8 351.9577 1.3 379.9894 1.7 0.1 171.0343 1.8 318.1379 0.6 333.1617 0.9

    0.05 254.9721 1.7 351.9547 -1.8 379.9885 0.8 0.05 171.0335 1.0 318.1383 1.0 333.1614 1.7

    0.01 254.9767 6.4 351.9563 -0.1 379.9897 2.0 0.01 171.0333 0.8 318.1388 1.5 333.1616 0.8

    Pyraflufen ethyl

    【参考文献】 生方他、第 97回日本食品衛生学会学術講演会要旨集 p20(2009)

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    F

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    ピラゾールはじめに】 近年、飛行時間型質量分析計(TOFMS)の性能向上により、GC と TOFMSを組

    発された。TOFMSは従来の質量分析計よりも高速なデータ取得が可能であり、

    との組み合わせに、最も適した GC-MS装置である。加えて高分解能型(HR)T

    精度なスペクトルを得ることが可能である。

    本 MSTipsでは、FastGC/HRTOFMS法による茶試料中のピラゾール系農薬(

    ラフルフェンエチル、テブフェンピラド)の定性・定量分析を行い、短時間分析法

    を確認したので紹介する。

    Table 1 GC/MS m試料及び条件】 Instrument JMS-T1

    Quantitativesoftware

    Escrime

    Injection mode Splitless

    Injection temp. 250℃

    Oven temp.program

    40℃(1m

    Injection volume 1µLColumn DB-5、1

    Carrier gas He、0.7m

    Ionization mode EI+、70e

    Ion source temp. 250℃

    m/z range m/z 35

    Spectrumrecording time

    0.1sec

    測定条件を Table1 に示す。試料調整は、茶試料

    gを『GC/MSによる農薬等の一斉試験法(農産物)』

    基づいて行った(n=3)。また農薬成分を、調整溶液

    で各0.01、0.05、0.1 ppmとなるよう添加した。これ

    茶本来の試料中濃度に換算すると 4、20、40ppb

    当の濃度である。

    結果及び考察】 Fig.1 に試料溶液中 0.01ppm(茶試料中 4ppb 相

    )のフィプロニル質量スペクトルの拡大図を示す。質

    スペクトル中には目的成分である m/z 254.97 と、

    雑成分である m/z 255.21 が観測されて

    る。これらのイオンは四重極型 MS のよう

    低分解能MSでは、農薬成分と夾雑成分

    同じ m/z 255 として観測されてしまうが、

    ig.1に示すようにHR-TOFMSでは、農薬

    分と夾雑成分をそれぞれ分離して観測

    来た。それゆえ夾雑成分の影響を排除し

    高分解能マスクロマトグラム(作成 m/z 範

    が±0.05)の作成が可能であった。

    Low-resolution MS、

    High-resolution TOFMS、m/z 254.9704±0.05

    Low-resolution MS、

    High-resolution TOFMS、m/z 254.9704±0.05

    Fig.1 Mass spect

    C

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    GC-HRTOFMSを用いた茶中 系農薬の FastGC測定② 『定量分析

    み合わせたGC-TOFMSが

    その利点を活かした FastGC

    OFMSは、高分解能で高質

    フィプロニル、エチプロール、

    と高感度分析法としての有用

    easurement conditions.

    00GCV (JEOL Ltd.)

    (JEOL Ltd.)

    in)→50℃/min→300℃

    0m×0.18mm、0.18µmL/min、Constant flow

    V、300µA

    -500

    (3.8min)

    Matrix ion

    Pesticide ion

    m/z 255±0.5

    Matrix ion

    Pesticide ion

    m/z 255±0.5

    rum of Fipronil.

    opyright © 2009 JEOL Ltd. 21

  • Fipronilm/z 366.9435±0.05S/N 284.1

    Pyraflufen ethym/z 412.0205±S/N 292.6

    l0.05

    Tebufenpyradm/z 318.1373±S/N 250.0

    0.05Ethiprolem/z 351.9564±0.05S/N 17.2

    Fipronilm/z 366.9435±0.05S/N 284.1

    Pyraflufen ethym/z 412.0205±S/N 292.6

    Ethiprolem/z 351.9564±0.05S/N 17.2

    Tebufenpyradm/z 318.1373±S/N 250.0

    0.05

    l0.05

    Fig.2 各農薬成分の高分解能

    マスクロマトグラムを、Fig.3 にマ

    トリックス検量線を、Table2 に各

    濃度における再現性(n=3)を示

    す。

    今回測定したピラゾール系農

    薬の中で、フィプロニルは基準

    値として 2ppb が、ピラフルフェ

    ンエチルは一律基準の 10ppb

    が規定されており、これら 2種の

    農薬については、特に高感度

    な測定が求められる。Fig.2 中

    には試料溶液中 0.01ppm(茶

    試料中4ppb)のマスクロマトグラ

    ム S/N(3 回平均)を示している

    が、フィプロニル、ピラフルフェ

    ンエチル共に S/N300弱が得ら

    れており、上記した基準値付近

    においても、充分な感度をもっ

    て測定が可能なことが分かった。

    また Fig.3 にはマトリックス検量

    線を示しているが、各農薬成分

    において、相関係数0.997以上

    の良好な直線性が確認出来た。

    Table2 には n=3 での再現性を

    示しているが、各濃度、各農薬

    において変動係数(C.V.(%))

    は 10%前後と、良好な再現性

    が確認出来た。

    Fig.2 High-resolution Mass chromatograms of 0.01ppm

    Fipronilr2=0.9981

    Pyraflufen ethyl r2=0.9971

    Tebufenpyradr2=0.9976

    Ethiproler2=0.9979

    0.01ppm

    0.1ppm

    Fipronilr2=0.9981

    Pyraflufen ethyl r2=0.9971

    Tebufenpyradr2=0.9976

    Ethiproler2=0.9979

    0.01ppm

    0.1ppm

    Fig.3 Calibration curves

    Table 2 Results of quantitative analysis.

    JMS-T100GCV は、FastGC

    条件下であっても充分なデータ

    ポイント数をもって測定が可能

    であり、また夾雑成分の多い実

    試料においても、定量分析が充

    分可能であった。

    【参考文献】 生方他、第 97回日本食品衛生学会学術講演会要旨集 p20(2009)

    ppm No. Fipronil EthiprolePyraflufenethyl

    Tebufenpyrad

    0.01

    1 9.39 10.51 10.47 10.58

    2 11.37 10.51 11.49 11.26

    3 11.81 11.85 11.65 10.8

    Ave. 10.86 10.96 11.20 10.88

    C.V.(%) 11.87 7.06 5.71 3.19

    0.05

    1 49.73 47.36 49.57 49.84

    2 46.78 45.64 46.1 47.06

    3 47.37 51.84 49.57 48.35

    Ave. 47.96 48.28 48.41 48.42

    C.V.(%) 3.25 6.63 4.14 2.87

    0.1

    1 101.06 99.98 104.01 102.29

    2 95.44 98.32 95.63 95.43

    3 101.66 104 103.25 104.39

    Ave. 99.39 100.77 100.96 100.70

    C.V.(%) 3.45 2.90 4.59 4.65

    ppm No. Fipronil EthiprolePyraflufenethyl

    Tebufenpyrad

    0.01

    1 9.39 10.51 10.47 10.58

    2 11.37 10.51 11.49 11.26

    3 11.81 11.85 11.65 10.8

    Ave. 10.86 10.96 11.20 10.88

    C.V.(%) 11.87 7.06 5.71 3.19

    0.05

    1 49.73 47.36 49.57 49.84

    2 46.78 45.64 46.1 47.06

    3 47.37 51.84 49.57 48.35

    Ave. 47.96 48.28 48.41 48.42

    C.V.(%) 3.25 6.63 4.14 2.87

    0.1

    1 101.06 99.98 104.01 102.29

    2 95.44 98.32 95.63 95.43

    3 101.66 104 103.25 104.39

    Ave. 99.39 100.77 100.96 100.70

    C.V.(%) 3.45 2.90 4.59 4.65

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    JMS-T100GCV Application Data

    はじめに】 農薬添加したトマト抽出液を連続 100 回測定したところ, 農薬成分のマスクロマ

    量イオンの分解能・質量精度に関して安定した結果が得られたので報告する.

    試料及び条件】 測定条件を Table1 に示す. 試料調整は, ト

    トを『GC/MS による農薬等の一斉試験法(農

    物)』に基づいて行った. また農薬成分は, ト

    ト本来の試料中濃度に換算すると 0.05ppm

    なるよう添加した.

    結果及び考察】 今回は農薬 11 成分(α-BHC, β-BHC,

    -BHC, δ -BHC, Acephate, Captan,

    hlorfenapyr, Chlorpyrifos, Dieldrin,

    ifenoconazole-1,2, Dimethipin)に関して検

    を行った. この中でDifenoconazole-1,2は2

    の異性体クロマトグラムピーク面積合算値を

    って検証を実施した. また内部標準物質とし

    Fenthion を用い, 相対検量線法にて検証を

    施した.

    連続 100 回測定における再現性結果について Table2 に示す. マスクロマトグラ

    の精密質量(m/z)を中心に±0.025 Da のウィンドウ幅で作成した. 結果として

    ラムピーク面積値 C.V. が 10 %を超えたものの, その他の農薬では C.V. 10 %

    定することが出来た. Fig.1 に示すように, トマト抽出液中においても, 夾雑成

    ての農薬で良好なクロマトグラムピークが得られた.

    次にクロマトグラムピーク形状と, 定量イオンの分解能・質量精度を比較検討し

    ては(注入 No.1, 25, 50, 75, 100), Fig.1 に示すように保持時間のズレ, ピーク

    た. 質量スペクトルにおいては(注入 No.1, 30, 50, 80, 100), Table2 に記載し

    は C.V. 3.6 %以下(プロファイルデータで確認), 理論値と実測値の質量誤差 2

    : 0.93 mDa)と, いずれも良好な結果が得られた.

    今回の結果から, JMS-T100GCV は食品中残留農薬分析において, 良好な再

    あることが確認出来た.

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    Instrument JMS-T10

    Quantitativesoftware

    Escrime (

    Injection mode PulsedSp

    Injection temp. 250℃

    Oven temp.program

    60℃(1min →

    Injection volume 2µLColumn ΖB-5ms、Carrier gas He、1.0mL

    Ionization mode EI+、70eV

    Ion source temp. 250℃

    m/z range m/z 35-5

    Spectrumrecording time

    0.3sec

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    N o. 040o.161 (U , 03/’10)

    食品中残留農薬分析における C-HRTOFMS の安定性について

    トグラムピーク面積値・形状,

    Table 1 GC-HRTOFMS measurement conditions.

    ムは Table2 記載の定量イオ

    は Acephate のみマスクロマト

    以下の良好な再現性をもって

    分による妨害は受けておらず,

    た. クロマトグラムピークにお

    波形の変化などは見られなか

    た定量イオンの分解能の再現

    mDa 以下(誤差絶対値の平

    現性をもって連続測定が可能

    0GCV (JEOL Ltd.)

    JEOL Ltd.)

    litless (150 kPa)

    ) → 30℃/min → 125℃ 7℃/min → 300℃(5.83min)

    30m×0.25mm、0.25µm/min、Constant flow

    、300µA

    50

    opyright © 2010 JEOL Ltd. 23

  • Table 2 Reproducibility results.

    No. PesticideRetention time

    (min)Quantitative ion

    (m/z)Mass chromatogram

    peak area C.V.(%)

    1  α-BHC 10.71 182.93491 1.4

    2  β-BHC 11.43 182.93491 3.0

    3  γ-BHC 11.62 182.93491 2.3

    4  δ-BHC 12.44 182.93491 1.6

    5  Acephate 7.08 136.01635 10.4

    6  Captan 15.88 78.94092 8.8

    7  Chlorfenapyr 17.71 59.04969 5.4

    8  Chlorpyrifos 14.55 196.9202 1.7

    9  Dieldrin 17.28 79.05478 1.5

    10  Difenoconazole-1,2 26.19 323.02417 5.6

    11  Dimethipin 11.46 118.00885 2.5

    I.S.  Fenthion 14.67 278.02002 6.8

    Inj. No.1

    Inj. No.25

    Inj. No.50

    Inj. No.75

    Inj. No.100

    α-BHC β-BHC γ-BHC δ-BHC

    Inj. No.1

    Inj. No.25

    Acephate

    Inj. No.50

    Inj. No.75

    Inj. No.100

    Captan Chlorfenapyr Chlorpyrifos

    Inj. No.1

    Inj. No.25

    Inj. No.50

    Inj. No.75

    Inj. No.100

    Dieldrin Dife

    Fig.1 Mass chrom

    Retention time [min] Retention time [min] Retention time [min] Retention time [min]

    Retention time [min]

    Retention time [min]

    nsity

    [%]

    nsity

    [%]

    nsity

    [%]

    Rel

    ativ

    e in

    teR

    elat

    ive

    inte

    Rel

    ativ

    e in

    te

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    noconazole-1,2 D

    atograms of pe

    Retention time [min]

    Retention time [min]

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    imethipin F

    sticides (0.05

    Retention time [min]

    Retention time [min]

    enthion(I.S.)Retention time [min]

    ppm). Retention time [min]

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    有機リン系農薬の Fast GC/TOFMはじめに】 本 MSTips では, 測定データの高速取り込みが可能なガスクロマトグラフ-高分

    MS-T100GCV (GC-HRTOFMS: Gas chromatograph-high resolution time-o

    い, 有機リン系農薬の Fast GC 測定について検討を行った. 本検討により, GC

    留農薬分析に関する知見が得られたので報告する. 試料及び条件】 測定条件を Table1 に示す. 試料の抽出操作は, 粉

    した冷凍カボチャ試料 10g に対し水 5g を加え, ア

    ト ニ ト リ ル 10ml を 加 え ホ モ ジ ナ イ ズ し た 後 ,

    uEChERS 法を参考に抽出を行った. 精製操作は,

    セトニトリル抽出液を GC/MS による農薬等の一斉試

    法(農産物