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内容
―目次―
1-1 顧問契約を締結した場合,どの程度の業務まで月額顧問料の範囲か?
1-2 すぐに回答できる相談を顧問契約の範囲とする場合の月額顧問料はいく
らか?
1-3 月3時間程度の相談を顧問契約の範囲とする場合の月額顧問料はいくら
か?
2 特殊専門的分野の相談1時間あたりの相談料はいくらか?
3 取引額3000万円の契約書作成の手数料はいくらか?
4 売掛金2000万円の回収の着手金・報酬金はいくらか?
5 下請法ADRを利用し,下請代金500万円の回収をした場合の着手金・報
酬金はいくらか?
6-1 事業承継に関する弁護士費用はどのような方法で計算するか?
6-2 資産5000万円の事業承継に関する相続の遺言作成料,遺言執行手数
料はいくらか?
7 労働仮処分手続の着手金と報酬金はいくらか?
8 特許侵害で1億円の損害賠償請求をした場合の着手金と報酬金はいくらか?
9 民事再生を依頼した場合の着手金と報酬金はいくらか?
10 金融機関と融資交渉をした場合の着手金と報酬金はいくらか?
1-1 顧問契約を締結した場合,どの程度の業務まで月額顧問料の範囲か?
顧問契約を締結した場合,どの程度の業務まで月額顧問料の範囲内か。〔回答数
=304〕
コメント
この設例では,相談方法にかかわらず月 3 時間程度の時間を要する相談(調
査時間等を含む)を月額顧問料の範囲内とする回答が 60%近くになっており,他
方で,主として電話,FAX,メール等による相談ですぐに回答できる内容のも
のであれば,時間にかかわらず顧問料の範囲内とする回答が 35%程度となってい
ます。月額顧問料は,その範囲とする業務の内容によってその意味が違ってきま
すので,あらかじめ弁護士から月額顧問料の範囲内の業務についてよく説明を受
け,また,月額顧問料の範囲内を超える場合の扱いについては,顧問契約書を作
成して確認してください。
【月額顧問料の範囲】
1-2 すぐに回答できる相談を顧問契約の範囲とする場合の月額顧問料はいく
らか?
1-1 で「調査を要せず,すぐに回答できるものまでは範囲とする」という内容の
顧問契約を中小企業との間で締結する場合の月額顧問料はいくらか。〔回答数
=105〕
コメント
この設例は, 1- 1 で電話,FAX,メール等の相談で調査を要さず回答でき
る内容のものを範囲内にすると回答した弁護士の月額顧問料ですが,3 万円およ
び 5 万円が大多数です。
【中小企業との顧問契約の月額1-2】
1-3 月3時間程度の相談を顧問契約の範囲とする場合の月額顧問料はいくら
か?
1-1 で月 3 時間程度の相談については月額顧問料の範囲とするという内容の顧問
契約を中小企業との間で締結する場合の月額顧問料はいくらか。〔回答数=182〕
コメント
この設例は, 1- 1 で,相談方法や調査の要否にかかわらず月 3 時間程度の相
談を月額顧問料の範囲内とすると回答した弁護士の月額顧問料ですが, 3 万円お
よび 5 万円が大部分を占め, 52.7%が 5 万円, 33.5%が 3 万円と答えています。
1- 2 の回答より, 5 万円とする回答が多くなっています。
【中小企業との顧問契約の月額1-3】
2 特 殊 専 門 的 分 野 の相 談 1 時 間 あたりの相 談 料 はいくらか?
コメント
この設例は,弁護士の得意な特殊専門的分野で 1 時間相談したケースですが,
顧問契約がない場合の相談料は,弁護士によって, 5 千円( 10.5%), 1 万円
( 43.8%),2 万円( 18.8%),3 万円( 15.5%),4 万円( 3.3%),5 万円( 4.9%)
程度請求されることがあるようです。他方,顧問契約がある場合には,請求され
る金額は, 1 万円の請求が最も多く, 3 万円まで請求されることも多いようです
が,月額顧問料の範囲内とされる場合も多いようです。
【特殊専門分野の相談】(顧問契約なし)
【特殊専門分野の相談】(顧問契約あり)
中小企業からの法律相談で,1時間を要したが,その内容は,特殊専門的分野
で,自分が得意とするものであった。この場合の相談料はいくらか。〔回答数=305〕
3 取引額3000万円の契約書作成の手数料はいくらか?
製造メーカーである中小企業が卸売業者との商品の継続的取引のために基本売
買契約を作成する。年間の取引予想額は 3000 万円程度。代金支払に手形決済の予
定あり。物的担保はないが,卸売業者の代表者が連帯保証人になる予定。契約書
の作成に 2~ 3 時間が予想される。この場合の手数料はいくらか。〔回答数=304〕
コメント
この設例では,顧問契約がない場合には 5 万円前後から 20 万円前後が請求さ
れることが多く,顧問契約がある場合には 5 万円前後から 10 万円前後を請求さ
れる場合が多いようですが,顧問料の範囲とする回答も 11.2%見られます。(こ
れは, 1- 1 で 3 時間程度までは顧問料の範囲とすると回答した弁護士の中には,
相談だけでなく書面の作成の場合でも使用時間が 3 時間以内であれば顧問料の範
囲とする弁護士がいることを示していると考えられます。)
【取引額 3000 万円の契約書作成】(顧問契約なし)
【取引額 3000 万円の契約書作成】(顧問契約あり)
4 売売掛金2000万円の回収の着手金・報酬金はいくらか?
製造メーカーである中小企業者が販売先に商品を納入したところ,販売先が商品
の品質にクレームをつけて代金 2000 万円を支払わないが,品質に問題はないの
で,回収したい。訴訟を提起し,その結果,勝訴して任意で全額を回収できた。
この場合の着手金および報酬金はいくらか。〔回答数=304〕
【2000 万円売掛金回収の着手金】(顧問契約なし)
【2000 万円売掛金回収の報酬金】(顧問契約なし)
コメント
この設例では,顧問契約がない場合の着手金は 50 万円前後から 100 万円前後
が多く,報酬金は 200 万円前後が圧倒的に多くなっています。顧問契約がある場
合の着手金は 50 万円前後が最も多く,報酬金は 100 万円前後から 200 万円前後
までが多くなっており,顧問契約がある場合の方が安くなる傾向があります。
着手金は,請求する金額,事案の複雑さ,予想される手数や労力によって幅が
あります。報酬金も,回収した金額,事案の複雑さ,裁判等の手続や回収に要し
た手数や労力などによって幅があります。あらかじめ弁護士とよく相談し,委任
契約書を作成して確認してください。
【2000 万円売掛金回収の着手金】(顧問契約あり)
【2000 万円売掛金回収の報酬金】(顧問契約あり)
5 下請法ADRを利用し,下請代金500万円の回収をした場合の着手金・報
酬金はいくらか?
製造業者である中小企業がメーカーから部品の製造を受注し,製造した部品を
メーカーに納入しようとしたところ,メーカーから受領を拒否された。製造した
部品の品質に問題はないことから,メーカーの受領拒否が下請法に違反するとし
て,下請法ADRを利用し,製造した部品の全部を受領してもらい,代金 500 万
円全額を任意で回収できた。この場合の着手金および報酬金はいくらか。〔回答数
=304〕
(顧問契約なし)
【下請法ADRで 500 万円を回収した場合・着手金】
(顧問契約なし)
【下請法ADRで 500 万円を回収した場合・報酬金】
コメント
この設問では,顧問契約がない場合,着手金は 25 万円前後から 35 万円前後で
80%近くに上り,報酬金は 40 万円前後から 70 万円前後がほとんどを占め,中で
も 50 万前後が最も多くなっています。顧問契約がある場合,着手金は 25 万円前
後から 30 万円前後が多く,特に 52.6%が 25 万円前後と回答し,報酬金は 60 万
円前後までが約 75%以上を占め,中でも 50 万円前後が 38.2%を占めており,顧
問契約がある場合のほうが安くなる傾向があります。
着手金は,請求する金額,事案の複雑さ,予想される手数や労力によって幅が
あります。報酬金も,回収した金額,事案の複雑さ,裁判等の手続や回収に要し
た手数や労力などによって幅があります。あらかじめ弁護士とよく相談し,委任
契約書を作成して確認してください。
(顧問契約あり)
【下請法ADRで 500 万円を回収した場合・着手金】
【下請法ADRで 500 万円を回収した場合・報酬金】 (顧問契約あり)
6―1 事業承継に関する弁護士費用はどのような方法で計算するか?
顧問契約のない中小企業の経営者から事業承継に関する相談があった。この場
合,どのような方式で弁護士費用を計算するか。〔回答数=304〕
コメント
この設例では,着手金・報酬金方式,時間制(タイムチャージ),手数料がほ
ぼ同じ割合で,それぞれ 25.3%,24.3%,25.3%となっています。また,顧問契
約を締結するという回答も 16.8%あり,時間制(タイムチャージ)と併せると 40%
を超えています。事業承継の場合は,会社の実情や関係者の理解などを慎重に見
極める必要があり,事業承継に弁護士が継続的に関わっていく必要があるという
ことを反映していると思われます。
【事業承継の弁護士報酬の算出方式】
6-2 資産5000万円の事業承継に関する相続の遺言作成料,遺言執行手数
料はいくらか?
中小企業の経営者から事業承継に関する相談があり,自身が所有する自社株式や
事業用資産を後継者に,現金を後継者以外の子に相続させる旨の遺言を作成した
い。資産は,株式,不動産,預金で,総額は 5000 万円である。この場合の遺言
作成手数料,遺言執行手数料はいくらか。〔回答数=304〕
【資産 5000 万円の事業承継・遺言作成手数料】(顧問契約あり)
【資産 5000 万円の事業承継・遺言作成手数料】(顧問契約なし)
【資産 5000 万円の事業承継・遺言執行手数料】(顧問契約なし)
【資産 5000 万円の事業承継・遺言執行手数料】(顧問契約あり)
コメント
(1)公正証書遺言作成手数料
この設例では,顧問契約がない場合には 10 万円前後から 30 万円前後がほぼ同
割合で大部分を占めていますが,50 万円前後も 12.2%となっています。顧問契約
がある場合には 10 万円前後(42.4%)が最も多く,次いで 20 万円前後(22.0%),
30 万円前後(18.8%)となっています。
事業承継を目的とした公正証書遺言の作成においては,自社株式の評価額の算
定,会社の事業承継に即した遺産の分配方法等に知恵を絞る必要があり,事業承
継目的以外の一般的な遺言の作成に比べて,高度な専門性を要する場合がありま
すので,弁護士の手数料も高くなることがあります。あらかじめ弁護士とよく相
談して委任契約書を作成して確認してください。
(2)遺言執行者にもなっているときの遺言執行手数料
この設例では,顧問契約がない場合には 40 万円前後から 120 万円前後までが大
部分を占めますが,100 万円前後が 33.9%と全体の 3 割程度を占めています。顧
問契約がある場合には 20万円前後から 100万円前後までほぼ同割合となっていま
す。
事業承継を目的とした遺言の執行に際しては,会社の事業の円滑な継続に十分
な配慮が必要であり,一般的な遺言の執行に比べて,弁護士の手数料も高くなる
ことがあります。あらかじめ弁護士とよく相談して委任契約書を作成して確認し
てください。
7 労働仮処分手続の着手金と報酬金はいくらか?
10 年間勤務し, 30 万円の月給を支払っていた労働者を懲戒解雇したところ,労
働者が会社(中小企業)を相手方として,懲戒解雇無効を理由に労働仮処分手続
の申立てをした。その結果,会社は,懲戒解雇を撤回したうえで,労働者は任意
退職し,会社都合を理由とする退職金 200 万円と解決金 200 万円を支払った。会
社の代理人であった場合の着手金および報酬金はいくらか。〔回答数=304〕
【労働事件の着手金】(顧問契約なし)
【労働事件の報酬金】(顧問契約なし)
【労働事件の着手金】(顧問契約あり)
【労働事件の報酬金】(顧問契約あり)
コメント
( 1)顧問契約がない場合
この設例では,着手金については,20 万円前後から 50 万円前後までが大部分で,
30 万円前後が 46.1%と一番多くなっています。報酬については, 50 万円前後が
33.2%, 30 万円前後が 25%となっています。
( 2)顧問契約がある場合
この設例では,着手金については,20 万円前後と 30 万円前後が 31%余りずつと
全体の 60%以上を占めています。報酬については,20 万円前後が最も多く 31.9%
となっており,次いで 30 万円前後が 28.6%となっています。
着手金・報酬金のいずれについても,顧問契約がない場合に比べて安くなる傾向
が見られます。着手金は,請求する金額,事案の複雑さ,予想される手数や労力
によって幅があります。報酬金も,回収した金額,事案の複雑さ,裁判等の手続
や回収に要した手数や労力などによって幅があります。あらかじめ弁護士とよく
相談し,委任契約書を作成して確認してください。
8 特許侵害で1億円の損害賠償請求をした場合の着手金と報酬金はいくらか?
従業員 20 名のA社は,ある特許権を実施して商品を製造販売していた。ある大
企業B社が同様の商品販売を開始した。A社は,製造販売の差止めと一部請求と
して 1 億円の損害賠償を求めて訴訟を提起した。裁判所の審理では特許侵害の成
否と特許の有効性が争われたが,提訴から 8 か月後に裁判所は各争点についてA
社に有利な心証を開示した。その後,和解を前提に話し合いが行われ,提訴から
約 1 年後に和解が成立し,A社は,B社の製造販売を停止させることができ,ま
たB社から 1 億円の損害賠償を受けることができた。この場合の着手金および報
酬金はいくらか。〔着手金・報酬金という報酬請求の仕方をする場合(回答数=204),
着手金・報酬金以外の報酬請求の仕方をする場合(回答数=10)〕
【知的財産権の報酬計算方式】
【知的財産権1億円の損害賠償請求・着手金】(顧問契約なし)
【知的財産権1億円の損害賠償請求・報酬金】(顧問契約なし)
【知的財産権1億円の損害賠償請求】 (顧問契約なし・着手金報酬金以外の計算方式)
【知的財産権1億円の損害賠償請求・着手金】(顧問契約あり)
【知的財産権1億円の損害賠償請求・報酬金】 (顧問契約あり)
【知的財産権1億円の損害賠償請求】
(顧問契約あり・着手金報酬金以外の計算方式)
コメント
(1) 弁護士報酬の計算方式
着手金・報酬金方式によるとの回答が 95.3%,着手金・報酬金方式以外の方式による
との回答が 4.7%となっています。
(2) 顧問契約がない場合
着手金については,100 万円前後から 300 万円前後までがほとんどを占めていますが,
中でも 40.2%が 300 万円前後と回答しています。報酬については,500 万円前後から 1000
万円前後までがほとんどを占めていますが,700 万円前後が最も多く,次いで 1000 万円
前後が 30.9%となっています。
着手金・報酬金方式以外の方式による場合には,40%が総額 1000 万円前後となってい
ます。
(3)顧問契約がある場合
着手金については,100 万円前後及び 300 万円前後がほとんどを占めていますが,100
万円前後が 38.2%,200 万円前後が 32.4%を占め,300 万円前後は 20.6%となっていま
す。報酬については,500 万円前後が最も多く 38.7%となっており,次いで 700 万円前
後が 28.4%となっています。
着手金・報酬金方式以外の方式による場合は,総額 150 万円前後が最も多く 30%を占
め,次いで 500 万円前後と 1000 万円前後が多く,それぞれ 20%となっています。
弁護士報酬の計算方式にかかわらず,顧問契約がある場合の方が安くなる傾向が見ら
れます。ただし,着手金・報酬金方式以外の方式によるとの回答は非常に少ないので,
その点に留意が必要です。
なお,知的財産権訴訟においては,弁理士を補佐人として選任して裁判を進めること
も多く,手続の中で鑑定がなされることもあって,弁護士報酬とは別の費用が発生する
ことがあります。報酬の計算方式や別に発生する費用については,あらかじめ弁護士と
よく相談して委任契約書を作成して確認してください。
9 民事再生を依頼した場合の着手金と報酬金はいくらか?
資本金 1000 万円,年間売上高約 3 億円,負債総額約 10 億円(事業関係約 5 億
5000 万円,金融債務約 4 億 5000 万円),資産は,売掛金を回収した現金 3000 万
円のほか,不動産,機械・設備,原材料等の合計約 1 億 5000 万円。民事再生によ
り再生計画が申立てから 10 か月後に認可された。
この場合の弁護士費用はいくらか。
(1)顧問契約がない場合
①着手金報酬金(月額報酬を併用しない)方式で計算する。 (回答数=203)
②着手金報酬金(月額報酬と併用)する報酬計算方式で計算する。(回答数=75)
③月額報酬のみの計算方式で計算する。(回答数=15)
(2)顧問契約がある場合
①着手金報酬金(月額報酬を併用しない)方式で計算する。 (回答数=203)
②着手金報酬金(月額報酬と併用)する報酬計算方式で計算する。(回答数=75)
③月額報酬のみの計算方式で計算する。(回答数=15)
【民事再生の報酬計算方式】
【①民事再生・着手金】
【①民事再生・報酬金】
(顧問契約なし・月額報酬と併用しない場合)
(顧問契約なし・月額報酬と併用しない場合)
(1)顧問契約がない場合
【②民事再生・着手金】
(顧問契約なし・月額報酬と併用する場合)
【②民事再生・報酬金】
(顧問契約なし・月額報酬と併用する場合)
【②民事再生・月額報酬】
(顧問契約なし・月額報酬と併用する場合)
【③民事再生・月額報酬のみ】(顧問契約なし)
【①民事再生・着手金】
(顧問契約あり・月額報酬併用しない場合)
(2)顧問契約がある場合
【①民事再生・報酬金】
(顧問契約あり・月額報酬併用しない場合)
【②民事再生・着手金】
(顧問契約あり・月額報酬と併用する場合)
【②民事再生・報酬金】
(顧問契約あり・月額報酬と併用する場合)
【②民事再生・月額報酬】
【③民事再生・月額報酬のみ】(顧問契約あり)
コメント
(1)弁護士報酬の計算方式
着手金・報酬金方式(月額方式との併用なし)が 69.3%,着手金・報酬金方式
(月額方式と併用)が 25.6%,月額方式のみが 5.1%となっています。
(顧問契約あり・月額報酬と併用する場合)
(2)顧問契約がない場合
着手金・報酬金方式(月額方式との併用なし)の場合の着手金については,200
万円前後から 500 万円前後が大部分を占め,中でも 300 万円(32.0%)が最も多く
なっています。報酬については,200 万円前後から 500 万円前後が大部分を占め,
300 万円前後が 24.6%を占めますが,500 万円前後も 16.3%を占めています。
着手金・報酬金方式(月額方式と併用)の場合の着手金については,100 万円前後
から 300 万円前後が大半を占め,中でも 100 万円前後が最も多く 33.3%となって
おり,次いで 300 万円前後が 26.7%となっています。報酬については,0 円が最も
多く 30.7%となっていますが,300 万円前後が 17.3%,500 万円前後も 10.7%あ
り,他方,月額報酬については,30 万円未満が大部分を占めていますが,30 万円
以上 40 万円未満,40 万円以上 50 万円未満もそれぞれ 9.3%,6.7%となっており,
月額報酬が大きい場合には報酬が 0 に近くなり,月額報酬が少ない場合には然るべ
き報酬額になるという傾向を示していると思われます。
月額報酬のみによる場合には,40 万円以上 50 万円未満が 26.7%と一番多く,
10 万円以上 20 万円未満,30 万円以上 40 万円未満,50 万円以上 100 万円未満がそ
れぞれ 20%ずつと相当ばらつきのある回答となっています。
(3)顧問契約がある場合
着手金・報酬金方式(月額報酬との併用なし)の場合の着手金については,100
万円前後から 300 万円前後が大部分を占めていますが,100 万円前後が最も多く
31%となっており,報酬については,200 万円前後から 300 万円前後が大部分を占
めていますが,200 万円前後が最も多く 36.5%となっており,次いで 300 万円前
後が 20.7%となっています。
着手金・報酬金方式(月額報酬と併用)の場合の着手金については,100 万円
前後から 300 万円前後が大部分ですが,100 万円前後が最も多く 37.3%となって
おり,次いで 300 万円前後が 21.3%となっています。報酬については,0 円が最
も多く 36%となっていますが,300 万円前後も 13.3%,500 万円前後も 6.7%あり,
他方,月額報酬については,40 万円未満が大部分を占め,中でも 10 万円未満が
29.3%,10 万円以上 20 万円未満が 21.3%を占めています。
月額報酬のみによる場合には,20 万円以上 30 万円未満,50 万円以上 100 万円
未満がそれぞれ 20%,次いで 10 万円未満,10 万円以上 20 万円未満,30 万円以上
40 万円未満がそれぞれ 13.3%と相当ばらつきのある回答となっています。
この設例では,顧問契約がない場合とある場合とで弁護士報酬の差は若干見ら
れる程度ですが,会社の規模や業態,債権者等の関係当事者の状況,再生方針,
弁護士と会社との役割分担等によって弁護士報酬に大きな幅がありますので,あ
らかじめ弁護士とよく相談して委任契約書を作成して確認してください。なお,
月額方式のみによるとの回答は非常に少ないので,その点に留意が必要です。
10 金融機関と融資交渉をした場合の着手金と報酬金はいくらか?
A社(中小企業)は,新たに工場を新設することを計画しているが,金融機関の
制度融資により資金 1 億円を調達したい。A社から依頼を受け,金融機関との間
で交渉し,1 億円の融資を受けることができた。この場合の着手金および報酬金は
いくらか。(回答数=205)
【金融機関との交渉・報酬計算方式】
【金融機関との1億円融資交渉・着手金】(顧問契約なし)
【金融機関との1億円融資交渉・報酬金】(顧問契約なし)
【金融機関との1億円融資交渉・着手金】(顧問契約あり)
問10の事例において,着手金および報酬金以外の報酬請求をする場合はいくら
か。(回答数=27)
【金融機関との1億円融資交渉・報酬金】(顧問契約あり)
【金融機関との1億円融資交渉】
(顧問契約なし・着手金報酬金以外の報酬計算方式)
コメント
( 1)弁護士報酬の計算方式
着手金・報酬金方式が 88.4%,着手金・報酬金方式以外の方式が 11.6%となって
います。
( 2)顧問契約がない場合
着手金・報酬金方式による場合の着手金については, 50 万円前後までで 90.2%
を占めており,中でも 50 万円前後が 37.6%と一番大きくなっています。報酬につ
いては, 30 万円前後から 100 万円前後が大部分ですが, 150 万円前後も 5.9%あ
り,中では 100 万円前後が最も多く 29.8%となっており,次いで 50 万円前後が
23.4%となっています。
着手金・報酬金方式以外の方式による場合には,総額 50 万円前後と総額 100
万円前後がそれぞれ 25.9%となっています。
( 3)顧問契約がある場合
着手金・報酬金方式による場合の着手金については, 20 万円前後から 50 万円
前後が大部分を占めていますが,中でも 20 万円前後が 51.2%を占めています。報
酬については,30 万円前後から 100 万円前後までが大部分を占めていますが,30
万円前後が最も多く 31.7%となり,次いで 50 万円前後が 23.4%となっています。
着手金・報酬金方式以外の方式による場合には,総額 50 万円前後が最も多く
18.5%となっており,総額 70 万円前後が 14.8%と次いでいます。
この設例では,顧問契約がある場合の方が弁護士報酬が安くなる傾向が見られ
ますが,調達金額等や弁護士の資料作成のアイデアや交渉の場でのプレゼンテー
ションでの貢献度の違い等によって弁護士報酬に大きな幅があり得ますので,あ
らかじめ弁護士とよく相談して委任契約書を作成して確認してください。
【金融機関との1億円融資交渉】
(顧問契約あり・着手金報酬金以外の報酬計算方式)