医療制度ヹ政策論8第2回&補助資料' - ch774.com
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医療制度・政策論:第2回(補助資料)
国際医療福祉大学大学院教授 島崎謙治
この②の表現をみよ→また、この決着いかん?
(出典)島崎謙治(2021)「新型コロナウィルス感染症と診療報酬の特例」病院80巻3号
紹介状なし患者の定額負担の拡大
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なぜ施行を急ぐのか?
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出典:医療保険部会(2020年12月23日)資料
財政制度分科会 2019年11月1日資料
全世代型社会保障検討会議中間報告(2019年12月19日)
具体的には、以下の方向性に基づき、全世代型社会保障検討会議において最終報告
に向けて検討を進める。同時に、社会保障審議会及び中央社会保険医療協議会におい
ても検討を開始する。遅くとも 2022年度初までに改革を実施できるよう、最終報告を取り
まとめた上で、同審議会等の審議を経て、来年夏までに成案を得て、速やかに必要な法
制上の措置を講ずる。
・ 他の医療機関からの文書による紹介がない患者が大病院を外来受診した場合に初
診時5,000円・再診時2,500円以上(医科の場合)の定額負担を求める制度について、
これらの負担額を踏まえてより機能分化の実効性が上がるよう、患者の負担額を増額
し、増額分について公的医療保険の負担を軽減するよう改めるとともに、大病院・中小
病院・診療所の外来機能の明確化を行いつつ、それを踏まえ対象病院を病床数200床
以上の一般病院に拡大する。
・ 具体的な負担額や詳細設計を検討する際、患者のアクセスを過度に制限しないよう
配慮しつつ、病院・診療所の機能分化・連携が適切に図られるよう、現行の定額負担の
徴収状況等を検証し、定額負担を徴収しない場合(緊急その他やむをえない事情があ
る場合、地域に他に当該診療科を標榜する保険医療機関がない場合など)の要件の見
直しを行う。
全世代型社会保障検討会議(2020年12月15日)3.大病院への患者集中を防ぎかかりつけ医機能の強化を図るための定額負担の拡大
第1次中間報告では、「外来受診時定額負担については、医療のあるべき姿として、病
院・診療所における外来機能の明確化と地域におけるかかりつけ医機能の強化等につ
いて検討を進め、平成14年の健康保険法改正法附則第2条(島崎注:将来にわたって7
割給付を維持するものとするという規定)を堅持しつつ、大病院と中小病院・診療所の外
来における機能分化、かかりつけ医の普及を推進する観点から、まずは、選定療養であ
る現行の他の医療機関からの文書による紹介がない患者の大病院外来初診・再診時の
定額負担の仕組みを大幅に拡充する」とする方向性を示したところである。
現在、特定機能病院及び一般病床200床以上の地域医療支援病院について、紹介状
なしで外来受診した場合に定額負担(初診5,000円)を求めているが、医療提供体制の改
革において、地域の実情に応じて明確化される「紹介患者への外来を基本とする医療機
関」のうち一般病床200床以上の病院にも対象範囲を拡大する。
また、より外来機能の分化の実効性が上がるよう、保険給付の範囲から一定額(例:初
診の場合、2,000円程度)を控除し、それと同額以上の定額負担を追加的に求めるよう仕
組みを拡充する。(注) 平成14年健保法改正法附則第2条 ・・・ 医療保険各法に規定する被保険者及び被扶養者の医療に
係る給付の割合については、将来にわたり百分の七十を維持するものとする。
テキスト282-283頁も見よ!
労使折半に関する内務省当局の説明
ドイツの疾病保険法では、この当時、業務外傷
病の事業主の負担率は1/3、業務上は10/10。
発生率は、業務外が4/5、業務外が1/5である。
したがって、事業主の保険料負担は、
1/3×4/5 + 10/10×1/5 +=7/15 ≒1/2
(島崎コメント)
しかし、他方で、保険統計データが不十分と認めており、「理屈の後付け」と考えるべき。
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国保法の立案者の回想
諸外国の農村における医療保険の制度を調べたが、欧米諸国は労働保険で例にならないので、独自の方法を創作する必要がある。
「・・・郷土的団結を基盤とする一定地域を画して国及び地方公共団体の指導監督の下に地域疾病金庫を作らせるということは十分考えられることではなかろうか。この仕組でゆけばある程度逆選択の弊も防げるし又費用の負担の問題も当時戸数割(住民税)というものがあったからこれを基礎とすることによって応能負担の実行も可能であろう(以下略)」(出典)川村秀文(1974)「国保法制定の思い出」(厚生省保険局・社会保険
庁医療保険部『医療保険半世紀の記録』238-244頁)13
(参考)医療利用組合の先駆性
1.基本的な考え方「地勢上、交通上1ブロックをなす地区の中心に、近代医学の粋を集めた完全なる総合病院を設置し、此處に多数の優秀なる人的要素を擁する。かくて之を「基地」として、此處より区域内僻地に支所として分院、診療所、出張所等を配置し、又はこれらを置くことの出来ない地域には巡回診療班を派遣する」(出典)黒川泰一(1939)『保健政策と産業組合』167-168頁2.先駆性・これは、偶然にも、1931年の国際連盟保健部による農村地区の医療制度の組織化の考え方と符合。
・また、戦後、WHOが開発途上国に対し勧奨した、3層制による地域医療確保構想の「先取り」。
国保直診施設数の推移
(出典)全国国民健康保険診療施設協議会(国診協)資料を基に島崎作成。
(コメント)「昭和36年厚生白書」の高い評価にもかかわらず、その後国保直
診は減少。厚生白書の記述も途絶える。なお、戦前および戦後間もない時期の国保直診の実態はよく分からないことが多い。また昭和14年の埼玉県富岡村の国保診療所が本当に第1号であったかどうかは、よく分からない。
直診施設(病院・診療所合計)
うち、病院数541
452 420 401 397 398 399 381 359
317 298
3174
2903
2363
1847
1591 1571
1507 1456 1395
1355 1259
1168 1149
0
500
1000
1500
2000
2500
3000
3500
4000
1956年 1960年 1965年 1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2013年
〔大学院生向け〕確認問題
次の空欄に適当な語句(漢字2文字)を
入れなさい。
1874年に制定された は、日本の医療
制度の方向性を明示し、その基礎を築いた。
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