59回全国竹の大会 熊本県大会 - plala.or.jp...

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第59回全国竹の大会 熊本県大会 【概要報告】 がまだせ熊本!がまだせ竹業界! 全日本竹産業連合会、熊本県竹産業振興会主催の第59回全国竹の大会熊本県大会は平成30年11月 14日(水)ホテル熊本テルサ テルサホールにおいて「がまだせ熊本!がまだせ竹業界!」をテーマに 2年7か月前の熊本地震からの復興を願って開催、また翌15日(木)は南関町の㈱バンブーフロンティア、 ㈱ちかけんプロダクツの視察研修を行い、40名の定員を大きく超える約60名の視察研修となった。 この熊本県大会は林野庁、熊本県、南関町、一般社団法人日本林業協会、同全国燃料協会、同日本植 木協会、および同日本木質バイオエネルギー協会の後援、一般財団法人熊本県国際観光コンベンション 協会、日本特用林産振興会、竹文化振興協会、熊本県森林組合連合会、一般社団法人熊本県木材協会 連合会、熊本県経済農業協同組合連合会、熊本県特用林産振興会、株式会社日本林業調査会、週刊チャ コールタイムズの協賛により大会式典、シンポジウム、情報交換会等が開催され、ご来賓、会員、関係業 界、ボランティア団体のほか若い学生等の参加もあり、約250名が参加して盛大に開催された。 第59回全国竹の大会熊本県大会式典 大会式典は11月14日午後1時からテルサホールにおいて、林野庁特用林 産対策室小島健太郎室長、熊本県蒲島郁夫知事、熊本県南関町佐藤安彦 町長、林野庁九州森林管理局林視次長他多数のご来賓をお招きして盛大 に挙行された。大会は山﨑大会実行委員長開会宣言で開会し有川会長が 開会の挨拶を述べた。続いて林野庁小島室長、蒲島熊本県知事、佐藤南関 町長よりお祝辞を頂いた。 有川英雄会長の開会のことば 祝辞 蒲島熊本県知事 大会テーマ 祝辞 林野庁特用林産対策室小島室長 山﨑実行委員長の開会宣言 大会式典

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第59回全国竹の大会 熊本県大会 【概要報告】

がまだせ熊本!がまだせ竹業界!

全日本竹産業連合会、熊本県竹産業振興会主催の第59回全国竹の大会熊本県大会は平成30年11月14日(水)ホテル熊本テルサ テルサホールにおいて「がまだせ熊本!がまだせ竹業界!」をテーマに2年7か月前の熊本地震からの復興を願って開催、また翌15日(木)は南関町の㈱バンブーフロンティア、㈱ちかけんプロダクツの視察研修を行い、40名の定員を大きく超える約60名の視察研修となった。 この熊本県大会は林野庁、熊本県、南関町、一般社団法人日本林業協会、同全国燃料協会、同日本植木協会、および同日本木質バイオエネルギー協会の後援、一般財団法人熊本県国際観光コンベンション協会、日本特用林産振興会、竹文化振興協会、熊本県森林組合連合会、一般社団法人熊本県木材協会連合会、熊本県経済農業協同組合連合会、熊本県特用林産振興会、株式会社日本林業調査会、週刊チャコールタイムズの協賛により大会式典、シンポジウム、情報交換会等が開催され、ご来賓、会員、関係業界、ボランティア団体のほか若い学生等の参加もあり、約250名が参加して盛大に開催された。

第59回全国竹の大会熊本県大会式典

大会式典は11月14日午後1時からテルサホールにおいて、林野庁特用林産対策室小島健太郎室長、熊本県蒲島郁夫知事、熊本県南関町佐藤安彦町長、林野庁九州森林管理局林視次長他多数のご来賓をお招きして盛大に挙行された。大会は山﨑大会実行委員長開会宣言で開会し有川会長が開会の挨拶を述べた。続いて林野庁小島室長、蒲島熊本県知事、佐藤南関町長よりお祝辞を頂いた。

有川英雄会長の開会のことば 祝辞 蒲島熊本県知事

大会テーマ

祝辞 林野庁特用林産対策室小島室長

山﨑実行委員長の開会宣言

大会式典

祝辞 南関町佐藤町長

平成30年度竹産業功労者表彰式

全日本竹産業連合会では、毎年竹の大会において本会竹産業功労者規定に基づく竹産業功労者を表彰している。 平成30年度に選考された功労者は、右表のように、林野庁長官感謝状1名、日本特用林産振興会会長表彰3名、全日本竹産業連合会会長表彰4名、同感謝状1名が表彰された。表彰式典では、熊本県の営業部長「くまモン」もお祝いに駆けつけ、熱烈なハグを交えて華々しい表彰が挙行された。

大会式典のご来賓

山﨑清登氏 林野庁長官感謝状を受賞

全日本竹産業連合会感謝状の授与

会場一杯の参加者

◇林野庁長官感謝状 山﨑 清登氏 (熊本県) ◇日本特用林産振興会会長表彰 吉元 憲一氏 (鹿児島県) 井上 昭光氏 (熊本県) 橋田 正一氏 (京都府) ◇全日本竹産業連合会会長表彰 甲斐 睦典氏 (宮崎県) 田邊 松司氏 (滋賀県) 吉澤 幸運氏 (熊本県) 中川 裕章氏 (京都府) ◇全日本竹産業連合会会長感謝状 山﨑 彰悟氏 (熊本県)

日本一の人気を誇る「くまモン」登場

全日本竹産業連合会会長表彰 日本特用林産振興会会長表彰の3氏

ご来賓のお祝辞の後、式典にご臨席賜った林野庁九州森林管理局林視次長、日本特用林産振興会志間俊弘専務理事、京都大学教授・竹文化振興協会柴田昌三理事長、熊本県特用林産振興会城憲輔会長、熊本県森林組合連合会、池田和貴副会長等壇上のご来賓が紹介され、続いて客席にお招きした熊本県農林水産部森林局三原義之局長、同林業振興課入口政明課長、熊本県経済農業協同組合連合会園芸指導課南一尚課長他のご来賓が紹介された。 毎年開催している全国竹の大会には海外からの参加があり、今年の大会には中国から中央美術学院の4名が参加した。紹介されると、一行が起立し会場から大きな歓迎の拍手が送られた。

「くまモン」 山﨑氏を祝福 日本特用林産振興会会長表彰.

「竹一株植えつけ運動」の植竹目録の贈呈式

大会決議の採択

大会旗が有川会長に返還

第59回全国竹の大会熊本県大会の大会決議案が上程され、満場一致で採択された。 採択されたスローガンは次の4点。 1 時代に合った竹の価値を探求しよう 2 竹工芸に伝統の技を発揮し、活力をつけよう 3 日本のタケノコ山を宝の山につくりかえよう 4竹業界で共に平等の利益が得られる仕組みを創ろう 以上決議する。 平成30年11月14日 第59回全国竹の大会熊本県大会

植竹目録の贈呈

本大会の協賛団体である竹文化振興協会では、「竹一株植えつけ運動」として、毎年数校に教材として生きた竹を寄贈する運動を展開しており、本年度は熊本県上益城町立広安西小学校にダイブットチク1株が寄贈され、その植竹目録の贈呈式が挙行された。 贈呈式では、竹文化振興協会柴田昌三理事長が熊本県上益城町立広安西小学校山本定校長に植竹目録が贈呈された。

大会式典の最後のプログラムとして、次期開催地に決定している京都府が紹介され、大会旗が熊本県山﨑実行委員長から有川大会会長に返還され、そして京都府を代表して京都府竹産業振興連合会三島一郎副会長に継承され、京都府竹産業振興連合会御池寅男副会長が歓迎の言葉を述べられた。

大会旗の継承

大会旗 次期開催の京都府に継承 次期開催地代表 御池氏の歓迎の挨拶

全竹連向 功彦副会長 閉会のことば

盛大かつ華やかに挙行された第59回全国竹の大会熊本県大会の大会式典は全日本竹産業連合会向功彦副会長の閉会のことばで幕を閉じた。 約250名の参加者はこの大会式典を通じて明日への更なる振興・発展に決意をあらたにした。 15年ぶりの熊本県大会は若い参加者が非常に多く、竹への関心の高さを再発見したきわめて有意義な大会であった。

大会式典の閉会

シンポジウム

基調講演 新山直広氏

大会式典に続き、シンポジウム 第 1 部 「デザインの力で、地域とものづくりを元気にする」と題した基調講演が福井県鯖江市の新山直広氏によって行われた。 また第2部「分科会」では、竹材部会とタケノコ部会に分かれ、場所を同ホテルの大樹の間に2会場を設けて竹材部会は「竹の新たな価値を探求する」をテーマに、タケノコ部会は「タケノコ山を、宝の山に」をテーマにしたシンポジウムが行われた。

竹材部会の開催

第1部 基調講演 テーマ「デザインの力で、地域とものづくりを元気にする」

【講師】

まず、三城賢士氏は「竹あかりが照らす、竹の未来」というテーマで「まつり型まちづくり」をベースに、竹に穴をあけてあかり(ろうそくやLED)を灯す竹を使った新たな使い方・文化の提唱を行っている。その活動は日本全国におよび、東北大震災の被災地や伊勢志摩サミットの配偶者プログラムの演出や西本願寺での竹あかりの演出など、多方面に及びメディアにも多数取り上げられる。

プレゼンター ○新山直広氏(合同会社TSUGI代表/デザインディレクター) ○三城賢士(㈱ちかけんプロダクツ 代表取締役 竹あかり演出家) ○橋口博幸氏(愛竹家) コーディネーター 佐藤かつあき氏 (一般社団法人BRIDGE KUMAMOTO代表/クリエイティブディレクター)

竹材部会の会場風景

○新山直広氏(合同会社TSUGI代表/デザインディレクター) 福井産品の行商ショップ「SAVA!STORE」産業観光イベント「RENEW」の運営など、領域を横断しながら創造的な産地づくりを行っており、我々の竹産業が抱えるものづくり産地の売り上げ減少や後継者問題といった共通の問題にデザイナーの立場からどうすれば持続可能な産地づくりができるかといった新たな打開策を熱く語られた。「RENEW」では4,000人の町に40,000人も集客するなど、日本最大級の産業観光イベントを成功させるなど、その活動は「ガイアの夜明け」等多くのマスコミに取り上げられている。

新山氏の講演風景

第2部 分科会 「竹材部会」 テーマ「竹の新たな価値を探求する」

橋口博幸氏 テーマ「日本の竹文化と竹遊具の需要増加に関して」 大学を卒業後、東南アジアやブラジルを回り、竹の文化を対象とした研究・制作を行う。日本文化発信拠点として世界3か所(サンパウロ、ロサンゼルス、ロンドン)に開 館した「JAPAN HOUSE」における「竹-日本の歴史」展を共同 キュレーションを行い、また「(株)ちかけん」を手伝って竹のジ ャングルジムや巨大ブランコといった遊具の制作等活動範囲 は多岐にわたる。

新山直広氏は基調講演での話に続き、三城氏、橋口氏の内容に質問やアドバイス等を行い、従来の竹産業の業者とは違った観点から竹の可能性を語った。この会場は竹の事はあまり知らないであろう若い人が多かった。

タケノコ部会の開催

プレゼンター ○日高栄治氏(糸島コミュニティ事業研究会主宰) ○若山太郎氏(㈱Wakayama Farm 代表取締役) ○曽根原宗夫氏(天竜川鵞流峡復活プロジェクト代表) コーディネーター 柴田昌三氏 (京都大学大学院教授)

第2部 分科会 「タケノコ部会」 テーマ「タケノコ山を、宝の山に!」

日高氏、若山氏、曽根原氏のいずれも放置竹林対策として純国産メンマ作りをテーマとして取り上げた。お三方ともに「純国産メンマプロジェクト」創立メンバーでもあり、タケノコ部会のテーマ「日本のタケノコ山を宝の山に!」との事で、竹産業の新しい流れになるのではと思われる。

日高栄治氏 テーマ「純国産メンマ作りによる竹林整備」 放置竹林の解決策として1.5m~2mの幼竹を糸島魔法の竹ぬか 床をつかった純国産メンマ作りによる竹林整備を提唱。 日高氏は純国産メンマ作りの代表的な人物であり、若山氏や曽根原氏にも大きな影響を与え、全国にその輪を広げている。

若山太郎氏 テーマ「竹林の新たな活用 観光化からメンマ作りまで」 若山氏は広大な平地の竹林所有者であり、恵まれた環境でタケ ノコの生産及び整備された竹林を活かして、映画、CM等のロケ地利 用している。また新たな取り組みで、観光農園として農産物や加工 品の販売。その加工品として国産メンマ作りを紹介。お客様からの「いくらでも作ってくれ、いくらでも買う!」との言葉は印象的であった。

曽根原宗夫氏 テーマ「放置竹林を地域のお宝に! 環境と観光と地域づくり」 曽根原氏は昨年の高知県大会に続いての発表となった。 天竜川川下りの船頭であり、その舟下りの景観整備の一環で放置竹林の整備で切った竹で「竹いかだ」を作り利用した後、不要になった竹を竹ボイラーで足湯のお湯を沸かしたり、バーベキューを行ったりと地域住民を巻き込んだ竹林整備を行い、その一環として純国産メンマ作りで放置竹林の資源化に向かって動き出している。

総括として竹材部会、タケノコ部会ともに100名以上の参加があり、参加者から両方に参加したかったとの声が多数あり、盛会の中で少し反省点であった。

タケノコ部会の会場風景

情報交換会 (参加者140名)

シンポジウムが終了した後再びテルサホールに会場を移しての情報交換会となった。

参加者が着席した後アトラクションとして熊本城おもてなし武将隊が登場。司会者からの紹介があり、熊本を代表する戦国武将である加藤清正、細川忠興、小西行長の3名の武将が歓迎の言葉の後、華麗で見事な演武と殺陣を披露した。

情報交換会の開催 加藤清正、細川忠興、小西行長の3武将 熊本城おもてなし武将隊の登場

武将隊のアトラクションの後、有川会長が開会の挨拶をし、続いて熊本県森林組合連合会の前川収会長からお祝辞を頂戴した。そして林野庁九州森林管理局の林視次長の乾杯のご発声で開宴した。 熊本らしい食材を使った料理も好評で、あちらこちらで活発な意見交換がなされていた。 情報交換会も終盤となり、次期開催地の京都府からの参加の皆さんがステージに上がり、京都府竹産業連合会の御池副会長が代表して歓迎の挨拶を熱く語った。 情報交換会はまだまだ盛り上がっていたが、中締めとして全日本竹産業連合会の向功彦副会長が閉会の辞を行い、2時間の情報交換会は閉会した。

現地視察研修会

大会式典等の開催翌日(11月15日) 貸し切りバスをチャーターして南関町のバンブーフロンティア㈱と㈱ちかけんプロダクツを視察した。定員40名の募集に対して定員を大きく超える約60名の参加があり乗用車に乗り合わせての移動となった。 最初の㈱バンブーフロンティアは2018年に創業したばかりの会社で、竹林整備と竹材調達のバンブーフロンティア、竹をチップ化して合板と建材を作るバンブーマテリアル㈱、竹を燃料として発電するバンブーエナジー㈱と3社からなる大規模な会社であり、全国から注目を集める新し い竹の利用を目的とした会社で、バンブーマテリアル㈱の山田浩之社長がプロ ジェクターを使っての丁寧な説明の後、工場を外側からながら説明を受けながら 見学した。

続いてバスに乗って移動してちかけんプロダクツの作業所を見学した。その日のうちに東京に運ぶ竹あかりの制作中で一同驚愕しながらも展示された竹あかりに見入っていた。 今大会において従来とは違う竹の利用法を改めて気付かされた 見学であった。その後近くの「いきいき村」での昼食となった。 地元の食品会社が作った物産館で年間100万人を超える来客があ り、地元の食材を使ったバイキング料理を楽しんだ。 昼食の後バスで熊本空港を経て熊本駅へと送って解散となった。 今大会では熊本県をはじめ多くの後援、協賛のおかげで盛会な 大会になったことに深く感謝いたします。

山田浩之社長

映像を使っての丁寧なご説明 バンブーマテリアル株式会社の工場 山積みの原竹と竹チップ

展示の竹あかり

昼食会場の「いきいき村」

(株)ちかけんプロダクツでのご説明 数々の制作中の作品