・前回の授業に関する質問
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・前回の授業に関する質問
• なぜ、わざわざ再証券化するのか?• そのメリットは?• → リスク分散、分散化をより広範に実行するた
め
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・ サブプライム住宅ローンの証券化 RMBS (住宅ローン担保証券)・ RMBS を再度証券化した CDO (債務担保証券): ABSCDO
IMF. Global Financial Stability Report April 2008 p.60
○ 再証券化
・ RMBS: Residential Mortgage Backed Security・ CDO: Collateralized Debt Obligation :企業向貸出や 証券化商品を証券化したもの
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第3章.リスクの配分・管理• 資金の移転・提供(現在時点)→将来見返
りを得る:金融取引は異時点間の取引– 将来のことは確実ではなく、不確実でリスクが存在
する
• リスクをめぐる諸問題– リスクのある事業にどれだけ資金を提供するか
• 企業のリスク事業への挑戦意欲、資金の出し手のリスク許容度、金融仲介機構を通じるリスク分担
– リスクを資金提供者間でどう分担するか• 株式会社制度、証券化における優先劣後構造
– 資金提供に伴うリスクをどう管理するか• 分散投資、デリバティブ
– リスクを価格にどう反映させるか• 株価、債券発行金利と格付け
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(1)資産運用・投資におけるリスク分散
• リスクとは?– 資産運用・投資を考える場合のリスク
– e.g. ① :ある株式に投資すると、1年後に 10 %値上りする確率 50 %、 5 %値上りする確率 50 %
• 損をする可能性はないが、リスクはある。– ② :ある株式に投資すると、1年後には必ず 10 %値下
がりする(必ず損をする)。• 損はするが、リスクはない(運命ではあるが、リスクではな
い) 。
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• リスク分散
• 株式投資の収益率 =• 株式投資のリスク :収益率が不確実で、ブレがあること
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• 投資のリスク(の尺度) = (変
動性 volatility) =
・標準偏差:分布の(平均値からの)ばらつきを測る統計的尺度、収益率と同じく%単位で表示
• 投資先を分散⇒リスクが小さくなる
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・証券1が収益率のばらつき(標準偏差)が小さい ⇒リスクが小さい・証券2が収益率のばらつき(標準偏差)が大きい ⇒リスクが大きい・投資のリターンは、証券1も2も同じ 10%
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横軸は週次収益率
データの期間: 1997 年 1 月~ 2001 年 12 月野村證券投資情報部編『証券投資の基礎』丸善 p.54
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σ :標準偏差野村證券投資情報部編『証券投資の基礎』 p.55
もし、収益率の分布が正規分布なら
10ボディ & マートン『現代ファイナンス論』ピアソン .p.356
資産運用の議論では、資産の組合せをまた 1 つの投資対象と考える。
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12野村證券投資情報部編『証券投資の基礎』丸善 p.137
リスク削減効果:投資対象間の相関係数 ρ(-1 ρ 1)≦ ≦ に依存相関係数:2つの株式の収益率がどの程度同じような動きをするかを示す係数
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ケース 確率 p 株式投資収益率 rA 社業績良好 0.5 15%A 社業績不調 0.5 - 5%
○ 投資のリスクとリターン
① 1つの銘柄( A 社株)のみに投資した場合の株式投資収益率の確率分布
・これから株式投資を行うという立場から考える。投資のリスク:投資収益率のブレ(標準偏差)投資のリターン:投資収益率の期待値 ( 予想平均収益率 )
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・ B 社株への株式投資の収益率も同じ確率分布とする(従ってリターンも同じ5%)。・両者の収益率分布は相関がゼロ( i.e. 独立)であると仮定
A 社株への投資のリターン=収益率の期待値 E ( r )=(ある収益率が生じる確率 p× 収益率 r )の合計
= Σpiri = 0.5×15%+ 0.5×(-5%) = 5%
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企業 A
企業 B
業績良好 業績不調
業績良好 ケース (a) :確率25%収益率= 1/2×15%
+1/2×15%=15%
ケース (b) :確率25%収益率=1/2×(-5%)+1/2×15%=5%
業績不調 ケース (c) :確率25%収益率= 1/2×15%
+1/2×(-5%)=5%
ケース (d) :確率25%収益率=1/2×(-5%)+1/2×(-5%)= -5%
・投資②の収益率②A 、 B 2社に投資資金を1/2ずつ分散投資する場合
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○ 投資②のリターン(収益率の期待値) E(R)
= 0.25×15% + 0.25× 5% + 0.25×5% + 0.25×(-5%) = 3.75% + 1.25% + 1.25% - 1.25% = 5% (投資①のリターンと同じ)
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株式投資収益率の①確率分布:
0%
20%
40%
60%
- 5% 15%
収益率
確率
株式投資収益率の②確率分布:
0%
20%
40%
60%
-5% 5% 15%
収益率
確率
・投資のリスク:収益率のブレ・変動投資を分散することにより、投資収益率のブレ・変動が小さくなっている。
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n
iii rErpr
1
2))((
リスクの尺度=収益率の標準偏差 σ=あるケースの起きる確率 p× (そのケースでの収益率 r -期待収益率E(r) )2 のすべてのケースについての合計の平方根
・投資①のリスク(標準偏差)
%10%)5%5(5.0%)5%15(5.0 22
・投資②のリスク(標準偏差)
%1.72
%10
%)5%5(25.0%)5%5(5.0%)5%15(25.0 222
=
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○ 投資対象が n 個の場合のリスクとリターン:
同じ収益率分布、互いに相関がない(独立)、すべての投資対象の収益率の分布が、 A 社、 B 社と同じ場合(収益率の期待値= 5% 、収益率の標準偏差= 10% )
・リスク(標準偏差)= 10% / そこで、 n→∞ の時、リスク→ 0
・リターン(収益率の期待値)=5%
n 個の投資対象に分散して、同じ金額だけ投資するケース
n
20この例(米国)ではなぜ、 20% 程度以下に下がらないのか?
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どの株式の投資収益率も、経済全体の動きに左右されるという共通のファクターが作用している(正の相関)。
・ (分散不能リスク、システマテック・リスク) 経済全体の景気の循環、金利の動き
・ (分散可能リスク、非システマテック・リスク)
・
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・東京電力と日本郵船:相関係数 0.505
○ 正の相関のある銘柄での投資分散のリスク削減効果
・
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・
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○ 投資信託とリスク分散・投資信託委託会社による投資対象についての情報
収集・分析・選定:情報生産• 分散投資によるリスク削減
• 第3章1節の参考文献– 野村證券投資情報部編『証券投資の基礎』丸善 . 第
3 、 7 章– 井出正介・高橋文郎『ビジネス・ゼミナール:証券投資
入門』日経新聞社.第 4 、 6 章– ボディ、マートン『現代ファイナンス論』ピアソン.第 10 、 12
章