この頃のPC事情(32bit UEFIマシンで遊ぶ)

SHIMADA Hirofumi,@shimadah

opencoconとは

● 旧型PCをシンクライアントとして活用するためのLinuxディストリ

● 俺アップストリーム● 組み込み Linux ベース(OpenEmbedded)

● 現在の最新版 v9d

Coming soonopencocon v10

開発体制

● 作業機数台(SSHとブラウザで作業できる程度のスペック)

● 実演用ホストマシン 1 台● VPS (ConoHa 1VM)● 予備ビルドサーバ● などなど

VivoTab Note 8

この頃のPC事情

● Windows 8 with Bing の搭載が流行→Windows タブレット (Intel Atom, AMD)

● 安価なnetbookの多くがWindowsタブレットに置き換わった

● Windows (ARM) は下火● UEFI ← Linux的に重要なポイント

UEFIとはなんぞや

● Unified Extensible Firmware Interface● BIOSに代わり、現代的なブート手段を提供● BIOS との互換性がある (なくすことも可能)

● IntelMac : 最初からUEFI (のようなもの)

● Windows PC : Windows8世代から本格化

UEFI 基礎知識 (HDD/SSDからのブート)

● MBRは無いので、ESPパーティションを使う必要がある– FAT32, 大抵は512MB

● EFI/ の中にWindowsのブートローダや修復モードなどがある– rEFInd, elilo, GRUB2 などもここに置くと動く

● リカバリもここにある (ASUSというディレクトリがあった)

● パーティションテーブルはGPTが強く推奨される

UEFI 基礎知識 (HDD/SSD以外)

● USBメモリやCD等からのブートもできる– 利用できるデバイスはマシンによる

● EFI/ ディレクトリをスキャンし、利用できるUEFIアプリがあるときだけ認識するようだ– それが無い場合、そもそもBIOS設定やrEFInd等のメニュー に てこない項目 出

– ただしLegacyが有効なUEFIはこの限りではない

64bit or 32bit

● 最近のPC は大抵 64bit UEFI

● 以下は 32bit UEFI– 昔のIntel Mac

– 一部の Atom Windowsタブレット( 一部世代の Atom CPU は 64bit 対応ではない。)

● 32bit UEFI アプリを 64bit UEFI で使うことはできない：アーキテクチャに合ったUEFIアプリを使う必要がある

Linux 屋には邪魔な機能● Secure Boot

– 今のところ有効が義務ではないので...(ARM Windowsでは義務)

– 一部のディストリではセキュアブートもいけるらしい● Windowsのファストブートなど

– 切る必要がある– SSD/eMMCマシンなら切ってもあまり遅くならないと思う(体感)

では、このマシンは?

USBポートがひとつだけ(充電・電源供給兼用)

キーボードなし

Legacy なし

32bit UEFI(CPUは64bit対応、Windowsは32bit)

ほのかに漂うエクストリーム臭

仕方ないのでrEFIndを入れた

Legacyありのマシン

Legacyなしのマシン

rEFInd を入れてわかったこと

● xhci (USB 3.0) で rEFInd 内でのキーボード操作ができない。– BIOS 設定で USB 2.0 (ehci)にする必要がある

● 当然タッチパッド、ペン、Bluetooth も効かない

● デフォルト以外を選択するにはUSBキーボードをつなぐ必要がある

これって結構エクストリーム

で、Linuxは何が入るのか？● 大手ディストリは割と UEFI 対応しているらしい（ただし64bit）

● Ubuntu系統：64bit を う がある版 使 必要 。32bit版はUEFIからは動かせない。– 32bit UEFI 用の GRUB2 を加えてあげれば動くという話もあるらしい

● Arch系統：説明はくわしいけどどう入れるん？● 他はよくわからない

Debian：救世主がいた

● 32bit, 64bit 両方のUEFIで動くインストーラ作っている人を見つけた

● http://cdimage.debian.org/cdimage/unofficial/efi-development/jessie-upload2/

これならいけるんちゃう

怪しい配線

メニューに(CD内の)Debian出現

GRUB2 (UEFI)

パーティション分け

そしてDebianが入った

動作状況 (3.16.7-ckt2 32bit)

○ UEFIからブート○ 内蔵eMMC

△ Graphics nomodeset i915.modeset=0 が必要☓ WLAN 正常につながらない、色々とエラーを吐

いている

☓ Bluetooth

☓ 電源管理 諸々の調整ができない、バッテリ残量が見えない

☓ サウンド☓ タッチパッド☓ ペン(デジタイザ)

☓ microSD

不安定な点

● USBハブなどを刺したまま電源を入れると何も映らないことがある

● Windows以外からBIOS設定がうまく起動しない

● Debianの挙動は問題ないように思う

めっちゃエクストリーム！

これから● ドライバの整備を待つ必要がある

– 今でもkernelのバージョン上げれば幾分よくなると思う● 64bit kernel, userlandを試してみたい

● Winタブに最適なLinuxディストリあったらいいね– 既に誰かが作っているかも– 既存のLinux屋にとっては、タブレット対応に一番身近なターゲット

– これまでリーチできなかった層に自由なLinuxディストリを届けることができれば...

opencoconの対応予定は?

● 10年後にやるかも

まとめ

● 32bit UEFIマシンは面倒だが、救いはありそう● 久々のキワモノマシンは楽しい● UEFIの仕組みと、ブラックリストを知れば怖くない