3 利便性が向上したビジネスポータル 内製/アジャイル開発による … ·...

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Page 1: 3 利便性が向上したビジネスポータル 内製/アジャイル開発による … · れ、表示の速い快適なWebサイトの 構築を実現しました。」(大野氏)

28 ビジネスコミュニケーション 2017 Vol.54 No.8

特集高信頼・高品質なインフラ追求と SDx+M の強化を IT の力で推進するNTT コミュニケーションズ システム部

特集高信頼・高品質なインフラ追求と SDx+M の強化を IT の力で推進するNTT コミュニケーションズ システム部

新間隔が 5分から 15秒へと短縮され、表示の速い快適なWebサイトの構築を実現しました。」(大野氏)

ビジネスポータルはコアメンバー7名、開発メンバー 15名という体制により内製開発された。開発規模は約 10万ステップであり、レガシーシステムから新規システムまでのバックエンドの接続や、各サービスのWebサイトへのシングルサインオンなど、技術的にも難易度の高いプロジェクトであった。ソフトウェア開発では Pythonを採用し、フレームワーク Djangoや DBの Read

Write分離など、技術的なトレンドを取り入れた。新しい技術に積極的

ように表示したほか、利用頻度や情報鮮度の高いメニューへのアクセスをしやすくなるようにメニュー構成を全面的に見直しました。またシステムアーキテクチャの見直しにより、ネットワークサービス運用状態の更

 

NTT Com は 2016 年 11 月 に、サービスをご契約いただいている企業向けにサービス提供している“ビジネスポータル”を大幅に刷新した。セキュアなアクセス管理を実現しているほか、クラウド、ネットワーク、SDxなど 18サービスの申し込みから設定変更、運用情報の一元管理、お問い合わせまでお客さまが自ら行うことができる。またリニューアルによりポータルのユーザーエクスペリエンスや性能が大幅に向上した。「緊急度の高い情報をより目立つ

国内外でさまざまなサービスを展開するNTTコミュニケーションズ(以下NTT Com)は、各サービスごとの個別サイトを統合した“ビジネスポータル”を刷新し、利便性を向上させた。最新のビジネスポータルでは内製とアジャイル開発により開発サイクルを短縮し、Time to Marketを実現している。

“ビジネスポータル” がリニューアルオープン

NTTコミュニケーションズ株式会社 システム部 第二システム部門

(中央左)担当課長 豊嶋 剛司氏 (中央右)主査 辻 鉄也氏(左)大野 孝明氏 (右)戸間 明日香氏

PoC※による検証を経て内製とアジャイルな開発を短期間で完了

(ランディングページ)

(ダッシュボード)

(運用状態)

お客さまご自身でアラーム詳細情報をリアルタイムに確認!、Ping試験もできるお客さまご自身でアラーム詳細情報をリアルタイムに確認!、Ping試験もできる

ログイン前にビジネスポータルでできる内容が分かる

検索/Feed Back/チケットなど常時利用度の高い機能をアイコンでリード

会社ロゴ、プロフィール写真により、親しみの沸くサイトへ

お客さまご自身で、良く使うメニューへダイレクトへ遷移する導線を確保

緊急度の高いアラーム 更新情報をTop表示

図1 ビジネスポータル画面イメージ

利便性が向上したビジネスポータル内製/アジャイル開発による効率化も実現

新たなビジネスポータルの開発3

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特集高信頼・高品質なインフラ追求と SDx+M の強化を IT の力で推進するNTT コミュニケーションズ システム部

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に挑戦した結果多くの課題が発生したが、本格開発前に PoCを繰り返し課題を克服した。また、アジャイル開発の手法を使い本格開発は 4カ月間で完了した。「開発者が各自の開発環境上で実装したソースコードを、ボタン 1つで全体の検証環境に展開し、即時に確認できる環境を実現しました。これによりメンバー間の成果のノウハウの展開が促進され、開発の効率化につながりました。また、同じデータベースで新旧のポータルが比較可能なようにアプリケーション設計をしました。このような工夫を積み重ね、社員が内製開発がしやすい環境を作り上げ、スピード感を持って開発・試験・リリースをする仕組みを築きました。」(辻氏)今回のソフトウェア開発の知見は、ビジネスポータルの試験やサービス監視のオートメーションの実現や、社内の他プロジェクトへも展開されている (本特集“4 社内システム環境の刷新”)。

新しいビジネスポータルが公開されて半年以上が経過した。リニューアル前に比べて 1カ月あたりのログイン数は 4倍、サービス申込数は 5倍に増加している。お客さまはいつでも運用状況の確認や設定変更が可能であり、土日や深夜にも多く利用されている。例えば電話の転送設定やクラウドリソース設定変更など毎日のように

て、お客さまへタイムリーにサービス提案することを検討している。お客さまの行動をデータ化してリアルタイムに解析することにより、サービス提案をオートメーション化することも可能になるというのだ。ビジネスポータルの今後の展開について、豊嶋氏は次のように述べている。「今回、『さまざまなサービスを一元的に管理できるポータル』という土台が完成しました。今後はこの土台の上に、お客さまがより使いやすくサービスをご利用いただけるコンテンツを充実させ、サービスが必要な時にすぐに“調べる・発見する・使える”仕組みを構築します。これらの取り組みを通じて、お客さまがビジネスポータルから得るであろう体験や経験に着目した物作りによって市場の変化にこたえ、お客さまにより多くの価値を提供していきます。」

利用される機能もあり、時間と場所を選ばず利用できるポータルはお客さまの業務にとって欠かせない存在になっている。同時に NTT Comにとってもお問い合わせ対応の生産性向上につながっている。さらにポータルを通じてお客さまからダイレクトに多くの改善要望が寄せられるようにもなった。「お客さまのフィードバックやアクセス情報を踏まえて、さらなる改善を進めています。お客さまの意見を参考にした機能も素早く追加開発しリリースしています。」(戸間氏)アジャイル開発のノウハウを得たこ

とにより、お客さまの声を参考にした改善や新たなサービス展開をスピーディーに行えるようになったことも、内製開発によるメリットと言える。

現在システム部では、お客さまが契約中のサービス利用状況を分析し

開発者PC

開発者PC

機能ブランチ

メインブランチ

2. 開発機能を  マージ

開発環境VM

開発環境VM

検証環境Web

3. マージ契機で  自動デプロイ/  自動再起動

検証環境におけるソースのマージ/デプロイ/終了通知を自動化し、テストサイクルを短く回すことを可能とし、開発者はコーディングに集中する。

検証環境AP

検証環境

AP

検証環境DB

端末PC

動作確認PC

(Selenium・UMS等)

1. 必要機能  を実装

4. 画面確認、  試験、自動試験

Gitソースの管理

Jenkinsソースを抽出し対象サーバにデプロイ

図2 アジャイル開発プロセス

お客さまとNTT Com、双方にさまざまなメリット

※PoC:Proof of Concept(概念実証)の略。施策の前段階での検証のこと。

利用状況を分析しサービス開発や提案につなげていく