3 地方裁判所の通常民事訴訟事件における弁護士の関与状況...資料2-2-1-6...

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114 弁護士白書 2018 年版 3 地方裁判所の通常民事訴訟事件における弁護士の関与状況 事件総数としては2011年以降減少していたが、2016年から増加に転じ、2017年は再び減少した。2017年 の弁護士の関与状況は全体では84.3%で、訴えの目的別に見ると、労働、知的財産権に関する訴えにおい て、選任率が高くなっている。 資料 2-2-1-6 民事第一審通常訴訟事件の弁護士選任率の推移(地方裁判所) 資料 2-2-1-7 訴えの目的別弁護士の関与状況(地方裁判所・2017 年) 122,904 147,480 155,754 172,975 168,229 145,971 83.3 80.9 78.8 76.2 80.7 84.3 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 100.0 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 1992 1997 2002 2007 2012 2017 (%) (件) (年) 事件総数(件) 弁護士を付けた割合(%) 【注】1.数値は、『司法統計年報(民事・行政編)』「第一審通常訴訟既済事件数-事件の種類及び弁護士選任状況別-全地方裁判所」 によるもの。グラフにおける「弁護士を付けた割合」とは、双方、又は一方に弁護士が付いた割合である。 2.2004 年4月1日より、人事訴訟は家庭裁判所に移管された。 事件の種類 事件総数 (件) 弁護士を付けたもの 総数(件) 関与率 双方(件) 一方(件) 原告側 被告側 人事を目的とする訴え 金銭を目的とする訴え 104,363 88,043 84.4% 52,585 32,232 3,226 うち建築請負代金等 (1,453) (1,377) (94.8%) (972) (365) (40) 建築瑕疵による損害賠償 (456) (453) (99.3%) (400) (35) (18) 医療行為による損倍賠償 (753) (742) (98.5%) (619) (64) (59) 公害による損害賠償 (60) (46) (76.7%) (34) (9) (3) 労働に関する訴え (2,406) (2,333) (97.0%) (2,036) (199) (98) 知的財産権に関する訴え (316) (307) (97.2%) (228) (69) (10) その他 (98,919) (82,785) (83.7%) (48,296) (31,491) (2,998) 建物を目的とする訴え 24,194 19,408 80.2% 3,093 16,164 151 土地を目的とする訴え 7,693 6,924 90.0% 3,067 3,663 194 労働に関する訴え (金銭を目的とする訴えを除く) 933 916 98.2% 800 60 56 知的財産権に関する訴え (金銭を目的とする訴えを除く) 254 250 98.4% 216 27 7 公害に係る差止めの訴え 4 4 100.0% 2 - 2 その他の訴え 8,530 7,575 88.8% 4,919 2,260 396 総  数 145,971 123,120 84.3% 64,682 54,406 4,032

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  • 114 弁護士白書 2018 年版

    3  地方裁判所の通常民事訴訟事件における弁護士の関与状況 事件総数としては2011年以降減少していたが、2016年から増加に転じ、2017年は再び減少した。2017年の弁護士の関与状況は全体では84.3%で、訴えの目的別に見ると、労働、知的財産権に関する訴えにおいて、選任率が高くなっている。

    資料 2-2-1-6 民事第一審通常訴訟事件の弁護士選任率の推移(地方裁判所)

    資料 2-2-1-7 訴えの目的別弁護士の関与状況(地方裁判所・2017 年)

    122,904

    147,480 155,754

    172,975 168,229

    145,971

    83.3 80.9 78.8 76.2 80.7 84.3

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    1992 1997 2002 2007 2012 2017

    (%)(件)

    (年)

    事件総数(件) 弁護士を付けた割合(%)

    【注】1. 数値は、『司法統計年報(民事・行政編)』「第一審通常訴訟既済事件数-事件の種類及び弁護士選任状況別-全地方裁判所」によるもの。グラフにおける「弁護士を付けた割合」とは、双方、又は一方に弁護士が付いた割合である。

       2.2004 年4月1日より、人事訴訟は家庭裁判所に移管された。

    事件の種類 事件総数(件)

    弁護士を付けたもの

    総数(件) 関与率 双方(件)一方(件)

    原告側 被告側

    人事を目的とする訴え - - - - - -

    金銭を目的とする訴え 104,363 88,043 84.4% 52,585 32,232 3,226

     うち建築請負代金等 (1,453) (1,377) (94.8%) (972) (365) (40)

      建築瑕疵による損害賠償 (456) (453) (99.3%) (400) (35) (18)

      医療行為による損倍賠償 (753) (742) (98.5%) (619) (64) (59)

      公害による損害賠償 (60) (46) (76.7%) (34) (9) (3)

      労働に関する訴え (2,406) (2,333) (97.0%) (2,036) (199) (98)

      知的財産権に関する訴え (316) (307) (97.2%) (228) (69) (10)

      その他 (98,919) (82,785) (83.7%) (48,296) (31,491) (2,998)

    建物を目的とする訴え 24,194 19,408 80.2% 3,093 16,164 151

    土地を目的とする訴え 7,693 6,924 90.0% 3,067 3,663 194

    労働に関する訴え(金銭を目的とする訴えを除く)

    933 916 98.2% 800 60 56

    知的財産権に関する訴え(金銭を目的とする訴えを除く)

    254 250 98.4% 216 27 7

    公害に係る差止めの訴え 4 4 100.0% 2 - 2

    その他の訴え 8,530 7,575 88.8% 4,919 2,260 396

    総  数 145,971 123,120 84.3% 64,682 54,406 4,032

  • 115弁護士白書 2018 年版

    第2編

    第2編 弁護士の活動状況

    2-2-1 民事事件

     以下は、地方裁判所の民事第一審訴訟事件について、「過払金等以外」と「過払金等」に分け、それぞれ弁護士の選任状況をみたものである。過払金等以外の事件は、双方に弁護士を付けた割合が最も高く(資料 2-2-1-8)、他方、過払金等事件は、原告側のみ弁護士を付けた割合が高くなっている。2007 年以降、双方に弁護士を付けた割合よりも当事者本人による割合のほうが上回っていたが、2012 年以降逆転した(資料 2-2-1-9)。

    資料 2-2-1-8 民事第一審通常訴訟事件のうち過払金等以外の事件における弁護士選任状況(地方裁判所)

    資料 2-2-1-9 民事第一審通常訴訟既済事件のうち過払金等事件における弁護士選任状況(地方裁判所)

    【注】1.最高裁から提供を受けた資料をもとに日弁連が作成したもの。   2. 過払金等事件とは、「不当利得返還請求事件」、「過払金返還請求事件」等、不当利得返還請求を内容とする事件名が付された

    もの、手付金、地代、家賃、敷金、保証債務の履行等を請求する事件等をいう。

    88,962 91,537 89,689

    101,865

    39.7 40.1 47.0 46.1

    35.5 36.9 34.4 32.0

    4.0 3.8 3.7 2.8

    20.9 19.2

    14.9 19.1

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    2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

    (%)(件)

    (年)

    過払金等以外既済事件数(件) 双方に弁護士を付けた割合(%) 原告のみ弁護士を付けた割合(%)

    被告のみ弁護士を付けた割合(%) 当事者本人による割合(%)

    84,013

    135,902

    60,241

    44,106

    25.0 19.4

    30.8

    40.1 43.6

    50.9 45.1

    49.5

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    2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

    (%)(件)

    (年)

    過払金等既済事件数(件) 双方に弁護士を付けた割合(%) 原告のみ弁護士を付けた割合(%)被告のみ弁護士を付けた割合(%) 当事者本人による割合(%)

    88,962 91,537 89,689

    101,865

    39.7 40.1 47.0 46.1

    35.5 36.9 34.4 32.0

    4.0 3.8 3.7 2.8

    20.9 19.2

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    (%)(件)

    (年)

    過払金等以外既済事件数(件) 双方に弁護士を付けた割合(%) 原告のみ弁護士を付けた割合(%)

    被告のみ弁護士を付けた割合(%) 当事者本人による割合(%)

    84,013

    135,902

    60,241

    44,106

    25.0 19.4

    30.8

    40.1 43.6

    50.9 45.1

    49.5

    4.5 3.6 4.2 2.7

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    2007 2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017

    (%)(件)

    (年)

    過払金等既済事件数(件) 双方に弁護士を付けた割合(%) 原告のみ弁護士を付けた割合(%)被告のみ弁護士を付けた割合(%) 当事者本人による割合(%)