2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室...

36
サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015

Transcript of 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室...

Page 1: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

サンゲツレポート2015

SANGETSU REPORT

2015

株式会社サンゲツ

http//www.sangetsu.co.jp

社長室 広報IR課〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番 1号TEL:052-564-3314

Page 2: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

暮 ら し を 豊 か に   コ ー ディネ ートお客さまのライフスタイルに合わせて、より豊かな生活をお届けしたい。

その思いを胸に私たちは今日も、 インテリアを通じて快適な住空間を提供します。

Page 3: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

暮 ら し を 豊 か に   コ ー ディネ ートお客さまのライフスタイルに合わせて、より豊かな生活をお届けしたい。

その思いを胸に私たちは今日も、 インテリアを通じて快適な住空間を提供します。

Page 4: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

インテリア業界のリーディングカンパニーであるサンゲツは、

2014年、社員が経営を担う真の上場企業として新体制を始動しました。

新しい価値創造に向けて、サンゲツはさらなる変革を続けます。

常にその先を見据えて─

Beyond

1849 第一期山月堂創業

1953 第二期株式会社山月堂商店を設立

2014 第三の創業中期経営計画

Next Stage Plan G スタート

SANGETSU REPORT 201502

Page 5: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

社員が経営を担う

真の上場企業をめざして

■ 編集方針

■ 報告の対象範囲■ 対象期間

■ 発行日

株式会社サンゲツおよび連結子会社2014年4月1日〜2015年3月31日※一部2015年4月以降の活動も含みます。

2015年7月

「SANGETSU REPORT 2015」は当社初の統合報告書として、サンゲツの企業価値や中長期的な成長性を重要なステークホルダーの皆さまにご理解いただくため、財務情報と非財務情報をあわせて報告しています。

INDEX

Top Message0 4

ガバナンス28

コーポレート・ガバナンスコンプライアンス / リスク管理役員紹介

283032

会社概要33

サンゲツの歩み / 基本情報33

事業の概況

財務・非財務ハイライトセグメント情報

1012

10

サンゲツの強み

サンゲツを支える3つの強みサンゲツが生み出す価値=「トータルインテリア」

1416

14

サンゲツのCSR

社員ダイアログ社員とともにお客さまとともに株主さまとともにお取引先さまとともに社会とともに環境とともに

18202223242526

18

つねに時代を見据えながら、創造的な商品を生み出していくこと。

創造的デザイン

お客さまに満足していただける信頼される品質を提供し続けること。

信頼される品質

納得していただける適正価格を追求すること。

適正な市場価格

経営理念 = サンゲツ三則

誠実とは人々を思いやる心であり、誠実をもって人々が望むことを実現するところに、商売の原点がある。誠実は永遠に変わることのないサンゲツの原理原則である。

社是

誠実

SANGETSU REPORT 2015 03

Page 6: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

Top Message

代表取締役社長

新体制始動。 変革を次のStageへ。

04

Page 7: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

新体制始動。 変革を次のStageへ。

2012年2011年 2013年 2014年 2015年3月期

事業別売上高(億円) 当期純利益(億円)

1,061

132

381,231

48

1,000

1,200

1,400

400

600

800

200

インテリア事業 照明器具事業エクステリア事業 当期純利益

1,132

150

381,320

55

147

40

1,134

1,321

44

1,021

123

41

42

1,185

42

34115972

1,121

140

120

100

80

60

40

20

事業別売上高・当期純利益の推移

Top M

essage

2014年の日本経済は、消費増税による駆け込み需要

の反動の影響があるものの、反動減が一巡したことに

伴い、後半には緩やかな回復が感じられました。その

一方、内装材を扱う当社事業と関連の深い住宅市場に

おいては、新設住宅着工戸数が12ヵ月連続でマイナス

になるなど、厳しい状況が続きました。こうした状況

のなか、当社グループは“中期経営計画(2014-2016)

Next Stage Plan G”に基づき、組織体制の整備、商

品開発力の強化に加え、新築市場のみならずリフォー

ム市場や非住宅市場への販路拡大や、商品の価格改定

などに着手しました。これらの結果、当期の連結業績

は、売上高1,320億50百万円(前年同期比0.1%増)、

営業利益80億31百万円(同10.3%減)、経常利益85

億6百万円(同10.2%減)、当期純利益44億2百万円

(同19.4%減)となりました。売上高は前年比微増であ

りましたが、新設住宅着工戸数の大幅な回復は望めず、

壁装材、床材など塩化ビニル商品の主原料でもある原

油の価格の先行きは企業経営に影響を与えるものであ

り、今後の動向にはより一層の注意が必要です。

サンゲツを取りまく市場環境と課題認識

中期経営計画2年目の2015年度においては、事業

戦略の再構築を本格的に展開し、将来の成長の基盤と

なり得る新分野の開拓や、それを支える強靭な組織体

制の整備など、各施策をさらに推進してまいります。

SANGETSU REPORT 2015 05

Page 8: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

当社は創立以来、創業家を中心とした経営陣の強力

なリーダーシップのもと成長してきました。しかし最

近では、同族企業ゆえにさまざまな課題や問題が顕在

化していました。翻って外部環境を見たときに、商品

開発、購買、物流、営業それぞれの分野で確実に状況

は変化しています。経営体制、業務の見直しを行わな

ければこの変化に対応できず、「変革なくしてサンゲ

ツの未来はない」という創業家メンバーの危機意識の

もと、前会長から変革のための中期経営計画の策定を

託され、サンゲツのさらなる成長に向けて、2014年

4月に代表取締役社長に就任し新体制を始動しました。

この変革期の核となるものが、“中期経営計画(2014-

2016)Next Stage Plan G”です。本計画の3年間を、

事業体制を再整備・強化し、将来の成長のための仕込

みを行い、次のステージを切り拓く期間と位置付けて

います。社員が経営を担う真の上場企業として発展を

めざすこれからをサンゲツの第三期とし、新しいサン

ゲツを創っていきます。

中期経営計画を実行していく上で最も大切なのは、

社員一人ひとりが現場の担い手であると同時に「経営

の主人公」であるという認識を持つことであり、社員

の意識改革が不可欠です。「社員が経営を担う」とは、

一人ひとりの仕事に責任や遂行すべきことがあるとい

うことです。自己完結で終わってしまうのではなく、

自分の仕事が当社の経営に直結するという意識を持ち

実行することこそ「経営を担う」ということであり、

常日頃から社員にそのような働き方を求めています。

新しいステージに立つサンゲツ

変革期を迎えて 社員が経営を担うとは

中期経営計画骨子めざすべき姿と4つの基本方針 会社の変革

● 組織、人事制度改革● 組織運営ルールの見直し

● 既存事業の拡張と成長戦略● ステークホルダーの評価向上策

社員の変革

● 社員意識改革 自我を持ち自ら考え、責任を担う社員

● 顧客・商品を重視する徹底した現場主義

Next Stage Plan G

強靭で成長力のある企業をめざす

事業戦略の再構築

創業以来の理念・社是・考えの継承

社員が経営を担う事業基盤の整備

ステークホルダーの評価向上

株主の評価

社会の評価

4つの基本方針

● 株主の利益 ・収益力の向上 ・企業価値の向上

● 社会貢献

● 社員の処遇・ 待遇の改善

● やりがいのある仕事

業界の発展

取引先の評価

SANGETSU REPORT 201506

Page 9: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

中期経営計画 4つの基本方針に込めた戦略的狙いと決意

当社が株式会社化してから60年以上の時が経ちます

が、試行錯誤を重ねて成長を遂げてきました。これま

での当社の基盤整備は、従来の業務で課題が出てきた

場合に、基本のシステムに必要なことを追加していく

方式でした。言い換えれば、今まで抜本的な見直しを

してこなかったと言えます。

そこで、外部環境の変化に柔軟に対応できるよう、

事業基盤の改革を開始しました。組織体制や人事制度

などにおいて改革を断行、ITシステムにおいても不十

分であった予決算システムを体系化し、各部門で精緻

に管理できるように全面改訂するなど、さまざまな分

野で抜本的な事業基盤の整備に着手しています。

サンゲツは住宅をベースにした壁装事業から、床材、

カーテンと分野を広げ、全国均一の営業体制、総合的な

商品の取り扱いによるビジネスモデルで事業を拡大して

きました。ところが最近では、マーケットはより多角化

し、需要の多様化が進み、市場の要求に応えるには、よ

り深掘りした商品開発や特化した営業活動が求められる

ようになりました。

そこで、このような市場環境の変化に対応するために、

当社では事業戦略の再構築に着手しています。まず、既存

事業であるインテリア事業の拡張戦略においては、より特

化した市場に対して最適なマーケティング戦略を検討・推

進しています。また、既存事業に並行し、当社の成長戦略

として、新規事業、海外事業をそれぞれ推進。グループ会

社のサングリーン、山田照明との連携による事業シナジー

の拡大も重要であり、両社収益力の強化をめざします。海

外事業では、海外市場向け商品の開発による本格的な海外

市場開拓に向けて検討を開始しました。

こうした施策を通じ、より市場起点やお客さま視点を

徹底し、社会情勢の変化を捉えた事業戦略を進めます。

社是である「誠実」そして「サンゲツ三則」をベー

スに業務を実践していくことがこれからのサンゲツに

必要不可欠と考えています。サンゲツ三則とは、「創造

的デザイン」、「信頼される品質」、「適正な市場価格」

という3つの理念から成ります。商品の企画・開発か

ら始まり、お客さまに当社商品をお使いいただくまで

のすべての過程において立ち返るべき指針であり、わ

れわれの仕事の根底にあります。これらの考えを継続

的に浸透させ、次の世代にも継承していきます。

1)事業基盤の整備

2)事業戦略の再構築

創業家一族の出資比率が下がる一方、海外投資家を

含めた一般株主が増えたことで、かねてより安定的な

利益配分を行ってきた当社への期待は今後ますます高

まりつつあります。こうしたなか、今後の資金需要の

明確化とともに安定的に株主の皆さまに報いていく方

針の明示が重要であり、中期経営計画では、2016年

度までの3年間の連結総還元性向を平均100%以上と

し、自己資本の圧縮をめざすなど、さまざまな資本政

策を実施してまいります。

さらに当社ではIR活動の強化に加え、環境経営や社

会貢献活動にも注力しています。天然素材を塩化ビニ

ル樹脂で代替した環境配慮型商品の開発や、事業活動

におけるリサイクル比率の向上など、ライフサイクル

全体での環境負荷低減に取り組んでいます。一方、社

会貢献活動では、従来、創業家が出資した日比科学技

術振興財団での助成金活動や、会社が行う寄付活動に

限られ、社員が主体的に社会貢献を意識して活動する

場がありませんでした。そこで社員主体のボランティ

ア活動を促進し、当社商材を活用した児童養護施設の

改装支援を行うなど、サンゲツ独自の活動をスタート

しました。本業を通じて社会的責任を果たしていくこ

とで、ステークホルダーから常に信頼される企業をめ

ざします。

3)ステークホルダーの評価向上

4)創業以来の理念・社是・考えの継承

SANGETSU REPORT 2015 07

Top M

essage

Page 10: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

2014年の中期経営計画の振り返り

中期経営計画1年目では組織、管理体制などの抜本的

な見直しと、将来に向けた先行投資を中心に取り組みま

した。まずは「事業基盤の整備」として、2014年7月

に組織改編を行いました。既存事業を推進するために、

事業部制を導入し、壁装事業部、床材事業部、カーテン

事業部を新設。各事業部長自ら商品の企画、デザイン、

開発、収益管理に責任を持つとともに、仕入先との短中

長期的な関係構築を含め、バリューチェーンの観点から

も議論、検討を進めています。また、営業の基本方針の

作成、各商品のマーケティング戦略の策定に関しても、

事業部長権限のもと行います。このように各事業部長の

権限規定を明確化し、組織を有効に機能させる体制を整

備しました。

「事業戦略の再構築」においては、新商品の開発を進

めています。例えば現在は特殊印刷による1.2メート

ル×3メートルの大判タイルの商品化に着手しており、

2015年後半から販売する予定です。本商品は当社がこ

れまでに扱ったことのない内装材であり、新たなチャレ

ンジでもあります。

また、物流体制において、新たな拠点の開設を計画し

ています。関東エリアでは既存の3つの施設を新たに開

設する2つの施設に集約します。さらに中部エリアにお

いても新たに物流拠点を開設し、既存施設を統廃合する

1年目で着手した変革および2年目に向けて

ことで、効率的な物流体制の確立をめざします。求めら

れるものを求められる時にお届けする、「デリバリーも

品質のうち」というサンゲツのモットーを今後も追求し

ていきます。

「ステークホルダーの評価向上」についても改革を実

施しています。資本政策において、中長期的に株主に還

元していくために、3年~5年という期間で100億円~

200億円の自己資本の圧縮をめざします。その第一段

階として2014年11月から2015年2月、第二段階と

して2015年2月から4月にかけて、それぞれ約30億

円の自己株式の取得を行い、自己株式の消却も進めてい

ます。

また、現在課題と認識しているのが、全社員の約8割

が所属する営業本部の体制整備です。均一・総合で展

開してきた従来の当社ビジネスモデルでは、多角化する

マーケットに対する個別のアプローチが不十分でした。

そのため、2014年12月から半年間かけて各分野の業

務見直しの方向性について検討を行い、2015年7月か

ら本格的な見直しに着手します。これは社員主導のプロ

ジェクトとして、全社横断的に行い、中期経営計画2年

目における重点課題のひとつと位置付け、達成に向けて

鋭意取り組んでいきます。

SANGETSU REPORT 201508

Page 11: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

変革を前進させる

新しいサンゲツにおいては、前例にとらわれず大胆な

発想と実行力をもって取り組むことが重要です。それ

はサンゲツの成長を支えてきた、当社最大の武器であ

る見本帳戦略の見直しも例外ではありません。さらに、

ショールームやウェブサイトの活用を通じたプロモー

ション戦略の変革も進め、お客さまが本当に得たい情報

を適切な形で提供していくことを検討しています。

また、グローバル市場への進出が今後重要な経営課題

となります。当社主力の分野である壁紙のマーケットの

拡大が見込める世界の国々にも目を向けています。今後

は現地のマーケットにて物流、営業体制を持ち、サンゲ

ツ三則に沿ってわれわれの強みが生かせる海外事業体制

を構築していくことも視野に入れ、将来に向けて挑戦し

続けていきます。

中期経営計画では、将来のための基盤整備に先行投

資を行いつつ、売上高1,400億円、当期純利益63億

円と創業以来の最高益をめざします。当社が中長期的

な成長をしていくために、特に重視する経営指標は自

己資本当期純利益率(ROE)です。売上高の多い事業の

基盤拡大と、コスト管理を含めた効率化を進め、次期

中期経営計画の期間である2017-2019 年度の最終

目標としては、ROE8-10%の達成をめざします。こ

れをクリアするためには、本中期経営計画後を見据え、

強くダイナミックな戦略が実現されなければなりませ

ん。“中期経営計画(2014-2016)Next Stage Plan G”

により歩み始めた新しいサンゲツ。今は「変えつつあ

る」段階ですが、社員とともにさらなる高みをめざし、

次のステージを切り拓いていきます。

強みを生かし、新しい挑戦を常に続ける 将来を見据えて

2017-2019年度の目標

今中期経営計画をベースとした、次期中期経営計画の最終目標

・新規事業、海外事業、連結会社での本格的収益の実現・インテリア事業収益の着実なる拡大・新たな資本政策の導入

ROE 8-10%達成目標

2014-2016年度の目標

将来の成長のための基盤整備に先行投資を行いつつ、創業以来の最高益の更新をめざします。

2016年度収益目標(連結ベース)

売上高 当期純利益1,400億円 63億円

SANGETSU REPORT 2015 09

Top M

essage

Page 12: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

財務・非財務ハイライト

事業の概況

*2015年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。2011年3月期の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、「1株当たり当期純利益」および 「1株当たり純資産」を算定しています。

*内部売上高などを含むため、合計はグループ全体の売上高と異なります。

業績ハイライト

2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期 2015年3月期

売上高(百万円) 112,118 118,518 123,150 131,978 132,050

営業利益(百万円) 7,161 7,095 8,020 8,952 8,031

経常利益(百万円) 7,530 7,180 8,393 9,475 8,506

当期純利益(百万円) 4,242 4,151 4,806 5,459 4,402

総資産額(百万円) 138,908 142,247 139,205 145,903 143,076

純資産額(百万円) 118,084 119,409 117,672 119,887 118,758

主な経営指標

2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期 2015年3月期

自己資本比率(%) 85.0 83.9 84.5 82.2 83.0

1株当たり当期純利益(円) 52.9 51.7 60.3 71.7 58.4

1株当たり純資産(円) 1,471.5 1,488.1 1,544.3 1,573.4 1,625.2

1株当たり配当額(円) 75.0 75.0 78.0 75.0 82.5

自己資本当期純利益率(ROE)(%) 3.6 3.5 4.1 4.6 3.7

総資産経常利益率(%) 5.5 5.1 6.0 6.6 5.9

売上高営業利益率(%) 6.4 6.0 6.5 6.8 6.1

 

セグメント別売上高

2011年3月期 2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期 2015年3月期

インテリア事業(百万円) 97,212 102,129 106,089 113,181 113,364

エクステリア事業(百万円) 11,501 12,293 13,226 15,018 14,699

照明器具事業(百万円) 3,416 4,098 3,845 3,820 4,022

従業員数

2011年3月末 2012年3月末 2013年3月末 2014年3月末 2015年3月末

従業員数(人) 1,390 1,392 1,393 1,410 1,442

SANGETSU REPORT 201510

Page 13: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

※所有者別株主分布、所有者別株式分布以外はすべて連結データ

*内部売上高などを含むため、合計はグループ全体の売上 高と異なります。

*2015年4月1日付で普通株式1株につき2株の割合で株式分割を行っています。2011年3月期の期首に当該株式分割 が行われたと仮定して、「1株当たり当期純利益」を算定しています。

20110

300

600

900

1,200

1,500

(億円) (億円)

1,321

2012 2013 2014 2015年3月期

売上高

20110

20

40

60

80

100 85

2012 2013 2014 2015年3月期

経常利益

(億円)

20110

10

20

30

40

50

60

44

2012 2013 2014 2015年3月期

当期純利益

20110

20

40

60

80

100

(%)

83.0

2012 2013 2014 2015年3月末

自己資本比率

従業員数

20110

300

600

900

1,200

1,500

(億円)■ 総資産額 ■ 純資産額

1,188

2012 2013 2014 2015年3月末

総資産額・純資産額

(人)

20110

300

600

900

1,200

1,500

2012 2013 2014 2015年3月末

1,442

20

40

60

80

(円)

20110

58.4

2012 2013 2014 2015年3月期

1株当たり当期純利益

2011

(円)

0

20

40

60

80

10082.5

2012 2013 2014 2015年3月期

1株当たり配当額

所有者別株主分布

個人・その他91.29%

自己名義株式 0.02%

金融商品取引業者 0.50%

金融機関 0.84%

外国法人等 2.78%

その他の法人4.58%

所有者別株式分布 

外国法人等30.98%

金融機関 26.92%

その他の法人 9.93%

自己名義株式 1.39%

金融商品取引業者 1.03%

個人・その他29.76%

1,431

■ 照明器具事業

4,022

(百万円)

20110

20,000

40,000

80,000

60,000

100,000

120,000

14,699

2012 2013 2014 2015年3月期

セグメント別売上高

■ エクステリア事業■ インテリア事業

113,364

2011

(%)

0

1

2

3

4

53.7

2012 2013 2014 2015年3月期

自己資本当期純利益率(ROE)

SANGETSU REPORT 2015 11

事業の概況

Page 14: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

セグメント情報

事業の概況

インテリア事業においては、壁装事業部、床材事業部、カーテン事業部の3つ

の利益責任を有する組織を設立し、それぞれの事業部において新しい商品開発、

マーケティング戦略の立案を行うとともに、3事業部共通の課題である新しいプロ

モーション、ブランディング政策の見直しを実行しました。その結果、インテリ

ア事業における売上高は、施工代などを含むその他の売上109億93百万円(前年

同期比2.6%減)を加え、1,133億64百万円(同0.2%増)、営業利益は75億50

百万円(同14.6%減)となりました。

インテリア事業

サンゲツの事業は、壁装材・床材・カーテンの3事業から成るイン

テリア事業、フェンス・カーポートなどのエクステリア商品を扱うエ

クステリア事業、照明器具事業で構成されています。中期経営計画で

は、事業の核であるインテリア事業とエクステリア事業、照明器具事

業のシナジー効果を戦略的に推進しています。

■ 概 要

住宅から非住宅分野まで幅広く利用される壁装

材。近年では汚れ防止や消臭、キズ付きにくさな

どの性能を持つ機能性壁紙も人気です。また、

部屋の一面あるいは一部分だけ色やデザインの異

なる壁紙を使う「アクセントクロス」は魅力ある

住空間づくりへの提案として、賃貸管理会社との

コラボレーションなどを通じ、市場への浸透が

進んでいます。

■ 業績の状況

壁装事業では、主力見本帳「リザーブ1000」、

硬質塩ビタックシート「リアテック」、壁装材の

総合見本帳「エクセレクト」の3つの新しい見本

帳を発刊し、住宅ならびに非住宅分野への販売強

化に努めましたが、消費増税前の駆け込み需要

の反動による新設住宅着工戸数の落ち込みや、リ

フォーム市場の低迷を受け、壁装材の売上高は

556億18百万円(前年同期比0.2%減)となりま

した。一方、数年来の原材料高騰による仕入価格

上昇を、市場の理解を得て、当期販売価格に転嫁

することにより総利益は改善しました。

 壁装材

49%55,618百万円

(前年同期比0.2%減)

壁装材 売上構成比インテリア事業

売上高

(百万円)113,364

SANGETSU REPORT 201512

Page 15: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

*内部売上高などを含むため、合計はグループ全体の売上高と異なります。 *内部売上高などを含むため、合計はグループ全体の売上高と異なります。

エクステリア事業 照明器具事業

■ 概 要

照明器具事業を担う山田照明株式会社は1946年設立の照明器

具専業メーカーです。主力シリーズのZライトは2014年発売60

周年を迎え、日本で初めてアームライトを製造販売したメーカー

として独自の地位を確立しています。

■ 概 要

エクステリア事業を担う株式会社サングリーンは、1973年設

立のエクステリア専門商社です。東海4県をメイン商圏として

関東地区にも進出、現在16支店を展開しています。

■ 業績の状況

積極的な営業強化策を実施し、関東地区

において前年同期比約30%の伸長となりま

した。一方で新設住宅着工戸数の落ち込み

が影響し、売上高は146億99百万円(前年

同期比2.1%減)、営業利益は4億55百万

円(同18.1%減)となりました。近年成長

しているリフォーム市場において、本分野

はガーデンルーム・ウッドデッキといった

生活の「豊かさ」を提案できる商材です。

今後も多様な商品提案力を高め、正確で迅

速なデリバリー、施工力の向上を進めます。

■ 業績の状況

当社および山田照明との間で医療・ホテ

ル物件の情報共有を推進し、非住宅分野お

よびZライト販売先への付加価値商品の販

売を強化しました。さらに、重点顧客と位

置付ける設計事務所、照明デザイン事務所

への営業活動に注力したことにより、非住

宅分野での売上が伸長しました。これらの

結果、売上高は40億22百万円(前年同期

比5.3%増)、営業利益は30百万円(前年同

期は営業損失435百万円)となりました。

■ 概 要

住宅からオフィスや商業施設、教育、医療施設など各種施設に

至る幅広い用途で使用される床材。多彩なデザインと高い機能

性・メンテナンス性を備えています。さまざまな分野における多

様なニーズにきめ細かく応えるアイテムの充実を図っています。

■ 概 要

サンゲツが取り扱うのはすべてオーダーカーテン。好みや部屋

の条件に合ったデザイン、サイズで窓まわりを装飾できるのが特徴

です。デザイン性豊かな厚手のカーテンのほか、外から室内が見え

にくいミラー調レースや遮熱などの機能性アイテムも人気です。

■ 業績の状況

床材事業では、医療・福祉施設、商業施設といった非住宅分野

の市場が拡大し、各種施設用床材の「S-FLOOR」をはじめ、メ

ンテナンス性や衝撃吸収性に優れた高機能商品が好調に推移し

た結果、床材の売上高は386億41百万円(前年同期比1.9%増)

となりました。しかしながら、原材料費の高騰や為替の影響によ

るコスト上昇から総利益はほぼ横ばいとなりました。

■ 業績の状況

見本帳改訂に伴う価格改定により総利益率は改善したものの、新

築住宅市場の低迷、駆け込み需要からの反動減が影響し、カーテ

ンの売上高は81億10百万円(前年同期比1.6%減)となりました。

2014年11月には新見本帳「ソレイユ」を発刊し、全国でカーテ

ントレンドセミナーを開催するなど、早期浸透および次年度への販

売強化に努めました。

 床材  カーテン

インテリア事業売上高

(百万円)113,3647%

8,110百万円(前年同期比1.6%減)

カーテン 売上構成比

11%14,699百万円(前年同期比2.1%減)

エクステリア事業 売上構成比

2015年3月期連結売上高

132,050(百万円)

3%4,022百万円

(前年同期比5.3%増)

照明器具事業 売上構成比

2015年3月期連結売上高

132,050(百万円)

事業紹介・事業戦略・主要指標

SANGETSU REPORT 2015 13

事業の概況

Page 16: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

創る

届ける提案する

サンゲツを支える3つの強み

サンゲツの強み

自社で商品の企画・デザイン・開発を行い、製造だけをメーカーに委託する「ファブレス経営」で多彩な商品をスピーディーに生み出しています。商品点数は13,000点を超え、あらゆる空間のニーズに応えることができます。

建設工事の最終仕上げである内装工事は時間が限られており、「いかにタイミング良く届けられるか」が鍵となります。求められるものを求められる時に届ける

「JUST IN TIME」を実現するため物流センターを全国13ヵ所に構えています。

 全国63ヵ所の事業所で連携した営業活動を進めるとともに、全国に6ヵ所あるショールームでは商品紹介、各種商品を組み合わせたコーディネート提案を行います。多彩な商品ラインアップがトータルインテリアの提案を可能にしています。

サンゲツは、独自のデザインと機能を持つインテリア商品を企画・デザイン・開発し、

総合的に供給するブランドメーカーとして、世界でもユニークなビジネスモデルを確立しています。

SANGETSU REPORT 201514

Page 17: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

創る

届ける提案する

市場起点での考え、発想で未来の商品開発を行う

新しい商品の開発と見本帳の作成

を行います。トレンド情報を収集し、

価格・デザイン・クオリティを検討、

試作とヒアリングを繰り返すことで、

市場ニーズに合わせた商品を開発し、

見本帳を形にしていきます。

より多くのお客さまに商品を提供していくために

市場・業界調査をはじめ、マーケ

ティング戦略の立案、当社の商品の

顔である見本帳の配布施策の考案と

見本帳管理、販売活動の支援、販売

ルールの整備などを行います。

理想の空間づくりをお客さまとともに

ショールームでは、ご来場いただ

くお客さまのご要望に応じてサンプ

ル提供やコンサルティングを行って

います。実際に商品を見て、触れて

いただき、お客さまの理想の空間づ

くりのお手伝いをする場所です。

商 品 開 発

お客さま目線のサービスをめざして

電話やFAXによるご注文や、お問

い合わせを承っています。また、ご意

見・ご要望からお客さま目線のサービ

スを実現するため、社内への情報発信

拠点の役割を担っています。

顧客視点で丁寧にお届けする

安全と法令遵守のもと、一点一点

の商品を丁寧に出荷梱包し、お客さ

まにお届けするのが物流の役割です。

顧客視点を持ち、安定稼働・適正な

在庫管理・業務精度の向上に努めて

います。

中部支社 物流課リーダー 杉本 尚哉

中部支社 営業推進一課 ( 代表・開発 )

リーダー 西尾 真代

営 業 推 進 物 流

旗振り役としてチームを牽引

サンゲツでは川上から川下まで、

建築にかかわるすべてのお客さまに

密度の高い営業活動を行っています。

採用獲得のためにはチームワークが

必要であり、営業は提案から納品まで

関連部署と連携を取る旗振り役です。

中部支社 営業開発課

リーダー 高橋 和頼中部支社 ショールーム課

金子 陽子

マーケティング部 マーケティング課

課長 上村 康平

インテリア事業本部 カーテン事業部カーテン事業室

リーダー 長尾 知佳

営 業 ショールーム

マーケティング

SANGETSU REPORT 2015 15

サンゲツの強み

Page 18: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

2014年に拡張された東京国際空港 国際線旅客ターミ

ナルの床に当社商品が使用されています。ゲートラウンジ

や、出発・到着のコンコースなどにおいて、意匠性、耐久

性、メンテナンス性に優れた当社のカーペットタイルが、世

界有数の利用者数を誇る空港の足元を鮮やかに彩っていま

す。照明には山田照明の商品が採用されており、サンゲツ

グループとしてのシナジー効果を発揮しています。

2014年12月5日にオープンした「イオンモール岡山」

の共用部分の床材や、多目的ホール「おかやま未来ホー

ル」の壁装材に当社商品をご採用いただきました。また、

3階パウダールーム「ハレマチ ボーテ」には、ご依頼い

ただいたデザインを発色性の高いインクジェットプリント

壁紙で表現させていただきました。

施工例 公共施設

サンゲツグループの商品で日本の空の玄関を彩る東京国際空港 国際線旅客ターミナル

施工例 商業施設

サンゲツの強みを最大限生かしたコーディネートを実現イオンモール岡山

サンゲツが生み出す価値=「トータルインテリア」

サンゲツではお客さまの多種多様なライフスタイル、ニーズに応えるため、

「トータルインテリア」の考え方を重視しています。

壁紙・床材・カーテンなど、インテリア商品を多彩に取り揃えることで無限のコーディネートを可能にし、

住宅から公共施設、商業施設、医療・福祉施設、教育施設・オフィス、ホテル・旅館など

幅広い用途でお客さまに快適な空間を提供しています。

サンゲツの強み

SANGETSU REPORT 201516

Page 19: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

アート・イン・ホスピタルに着目したきっかけ 商品化に至るまで

サンゲツの「トータルインテリア」にもたらしたアート・イン・ホスピタルの意義とこれから

施工例 医療・福祉施設

アート・イン・ホスピタルが持つ癒しの力高松赤十字病院

日本の医療施設の多くは、設備は充実しているものの、

心の癒しから考えられた施設が少なく、医療施設向けインテ

リアは機能性商品が主流でした。壁紙で癒しの空間を提供で

きないか悩んでいた時、銅版画家 山本容子氏著の「Art in

Hospital スウェーデンを旅して」という本に出会いました。本

書を読み、医療先進国スウェーデンでは、患者さまとその

家族の心のケアや、働くスタッフにおいても居心地の良い施

設環境を考える、アート・イン・ホスピタルという概念が浸透

していることを知りました。病院スタッフ自ら院内環境につい

て話し合い、場所に応じてふさわしいアートを取り入れるので

す。この概念に大変共感し、日本にもっとこの概念が普及して

ほしいと思うと同時に、そのためには壁紙で表現しなくてはと

いう思いに駆られ、全国各地の病院で壁画を描く活動をされ

ている山本氏にデザインを依頼しました。

実情を知るために、まず医療分野にかかわる方々の意見を

参考にしました。医療器具の多い病院では、壁面が見える部

分が限られると知り、全面貼り替えよりも手軽に施工できるト

リムという帯状の壁紙を商品形態として採用しました。試作

段階に移り、メーカーとアート・イン・ホスピタルのイメージ

を共有して形にするのが特に課題でした。大きさや配置、色

など、社内で検討し、山本氏に都度ご意見をいただき試作を

重ねる、まさに試行錯誤の連続です。

商品がついに完成し、プロモーション課全面協力のもと、

継続的な広報活動を経て2015年販売開始となりました。施

工第一号となった高松赤十字病院のご協力を得て、見本帳用

の施工例写真を撮影したのですが、施工された壁紙を見てと

ても感激したことを覚えています。こうしてさまざまな方々の

おかげで本商品は生まれました。今振り返ると困難なこともあ

りましたが、学びが多く、非常に充実していました。

従来の機能的商品に加え、心のケアをテーマに商品化でき

たことは、今後当社が医療環境をトータル提案する上で意義

のあることだと感じています。アート・イン・ホスピタルは第

一歩を踏み出したばかりです。今後は施工実績を重ね、商品

のラインアップの充実をめざします。本企画をきっかけにアー

ト・イン・ホスピタルの概念に関心をもっていただき、病院

全体のインテリアを皆で考える一助となるために、機能面で

も、心のケアの面でも充実した「トータルインテリア」をめざ

していきます。

壁紙で癒しの空間を医療施設における患者さまの心のケアをテーマに、サンゲツの壁紙シリーズに新たに加わった、アート・イン・ホスピタル。商品化に至る想いを商品企画担当者が語りました。

インテリア事業本部壁装事業部 商品開発課

林 映里

左:山本 容子さん・右:林 映里

SANGETSU REPORT 2015 17

サンゲツの強み

Page 20: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

●社内で増えてきた、ポジティブな変化

中期経営計画におけるポジティブな変化、見えてきた課題

変革期

現在

石田>>トータルインテリアは、まさに強みです。私はインテリ

アデザイン担当として、個人宅から、病院、ホテル、商業施設

など建築物の内装提案をしていますが、コーディネートプランを

作成するにあたり他社と競合する場合にも、サンゲツであれば、

壁、床、カーテンのすべてを組み合わせてインテリアをトータル

で提案することが可能ですし、私たち自身も提案の幅が広がり、

やりがいを感じます。

蜂谷>>日々の営業では、主に見本帳や商品サンプルを使った

PR活動をしています。その活動のなかでは、普段から商品開

発担当者に商品の詳しいレクチャーを受けたり、お客さまのニー

ズに沿ったご提案を行うため、インテリアデザイン課の担当者に

コーディネートプランを作成してもらうこともよくあります。こうし

た部門間の連携や連帯感がサンゲツの特徴であり、強みです。

連携の広がりにより、お客さまにクオリティの高い提案をできる

のがサンゲツのスタイルです。当社の営業が功を奏し大口採用

が決まった時や、ライバルメーカーに競り勝ち採用された時、

喜びを感じます。

蜂谷>>社長や役員との距離感が近くなったのに加え、社員同

士のコミュニケーションがより円滑になってきています。良い報

告だけでなく悪い報告も前向きに捉え、社員が意見しやすい、

風通しの良い雰囲気に変わってきたと思います。

田村>>おっしゃる通り、社内の風土が変わってきたことで、

若手社員が活躍する場が増えてきたと思います。中期経営計画

では海外事業も重要な戦略のひとつと位置づけています。これ

まで海外のインテリアやトレンドに関する展示会は上司が代表し

て視察に行っていましたが、2014年から若手社員も積極的

に現地に足を運んでいます。最新トレンドや新しい製法を間近

で見ることで、自身の知見や商品開発の幅が広がっています。

佐藤>>個人的に2点、中期経営計画による変化を実感してい

ます。1点目はスピード感です。人事部は社長の考えがダイレク

トに届く部署であり、より一層仕事のスピードと質が求められる

ようになったと実感します。2点目は役員、特に社長との距離が

近くなったことです。現在社員教育、階層別研修の企画立案な

どを中心に担当していますが、研修中はもちろん、研修後に役

員との懇親会を設けることで、経営的な考え方を直接聞く機

会が増えてきたのが大きな変化だと思います。

向井>>商品開発という観点では、ファブレス経営という経営体

制に強みがあると思っています。私は塩ビ系床材の開発を担当し

ていますが、当社はメーカーではないので、私たちが企画・デザ

イン・開発した商品の特色に適した製造メーカーに製造を依頼し

ています。その結果、豊富な商品バリエーションが展開できるの

も当社の強みです。現在、私が開発を担当している床材にも

当社ならではの独自性の強い商品がありますが、お客さまから、

営業やショールーム担当者を通じて「そういう商品を待っていた」

私たちが考えるこれからのサンゲツ2015年3月24日、第1回目となる社員ダイ

アログを本社にて開催しました。中期経営計画

2年目として会社の変革期を迎える今、「私たち

が考えるこれからのサンゲツ」をテーマに、未

来のサンゲツを担っていく若手社員5名で意見

交換を行いました。

社員ダイアログ

向井>>海外展示会を視察する機会だけでなく、常に向上してい

こうとする意識が根付いてきているのではないでしょうか。現状

と言っていただけることにやりがいを感じます。日々の仕事で実感する、サンゲツの特徴・強さ

SANGETSU REPORT 201518

Page 21: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

●私たちが認識したサンゲツの課題

インテリア業界のリーディングカンパニーからその先へ、私たち一人ひとりが成長のエンジンに

将来

参 加 者

向井>>まさに自立した人材ですよね。私は従来のトップダウンで

はなく、商品開発担当として自身でトレンドや声なき声をリサーチ

蜂谷>>営業では売上だけでなく、利益も数値目標になりました。

中期経営計画の「社員が経営を担う」を私の仕事に落としこむ

と、担当エリアのなかで経営をしていく意識をもつことと理解し

ており、常に、売上と利益の数値目標にこだわりたいと考えてい

ます。また営業の立場として、お客さまからのご要望を他部署と

も共有し、各自の業務に生かしたり、改善につなげることで、

お客さまからも喜んでいただける活力ある組織に進化できるのだ

と思っています。これが、これからのサンゲツを考えるうえで

私が果したい役割です。

佐藤>>そういった国内外に対する今後の課題に対応すべく、

サンゲツでは「T型人材」を育てる改革に着手しています。

「T 型人材」とは、個々の専門性を高めていくだけでなく、サ

ンゲツの外でも活躍できる幅広い視野を持った人材です。中期

経営計画で掲げるような経営を担える人材を一人でも多く社内

に増やしていくためにも、自分で考えて課題を分析できる力や、

自ら発信できる行動力のある人材を育成していかなければなら

ないと認識しています。

田村>>中期経営計画を通じ、ポジティブな変化が見られてき

ました。こうした変化は、多様化する市場ニーズに応えていく

うえで不可欠なものと考えます。インテリア業界でも国内のリ

フォーム需要の拡大など対応すべき外部環境の変化が見られ

ます。こうした課題に一人ひとりがしっかりと向き合わなければ

なりません。

田村>>そうですね、私も商品開発担当の立場として、受け身で

はなく積極的に新たな切り口で提案ができる存在になりたいで

す。2015年5月発行の壁紙の新見本帳「ファイン」では、お

客さまに空間イメージを掴んでいただくために施工例写真の見

せ方を従来の方法から一変させました。これは私にとって大き

な挑戦でしたが、挑戦なくして成長はありません。幸い、お客

さまからの評判も上々のようで、これからも先輩・上司に相談し

ながら向上心を持って挑戦していきたいと思います。そしてさら

なる成長をめざして海外にも目を向け、世界というフィールドで

「SANGETSU」のブランド力を向上させていきたいです。

石田 >> 海外に向けたブランド力向上の必要性も認識してい

ます。これからはアジアでもインテリアのトレンド発信が行われ

る時代だといわれています。2020年東京オリンピックもあり、

日本のインテリアの機能性、利便性に加え、ヨーロッパを中心

とする海外のトレンドも意識し、新しいサンゲツのブランドを

発信していくことが重要です。

東京支社 東関東営業所 営業担当

蜂谷 賢

東京支社 インテリアデザイン課インテリアデザイン担当

石田 奈々子

人事部 人材開発課 人材開発担当

佐藤 千晶

床材事業部 商品開発課商品開発担当

向井 みつき

壁装事業部 商品開発課 商品開発担当

田村 哲朗

石田>>「SANGETSU」ブランドを世界に発信していく。私は

より多くの人々にインテリアの持つポジティブな力を伝えられる

会社にしていきたいと考えています。さらに、海外に向けては細

部にまで気配りして開発した、品質の高い日本の商品をアピー

ルし、国内に向けては、海外の自由で楽しいインテリアをお届

けしていきたいです。インテリアコーディネートの仕事を通じて、

インテリアの魅力を国内外のお客さまに伝えていける存在になり

たいです。

佐藤>>皆さんの意見から、社員が経営を担う存在として、個々

に主体的な行動をされていると感じます。私は人材育成の立場

から、環境が変化しても仕事のやり方、物事の捉え方を自身で

考えられる人材の採用・育成に注力していきます。中期経営計

画や経営マインドを意識しながら社員教育していくことで、社員

が経営を担う存在としての集団ができ上がっていくのだと思いま

す。ここに集まった皆さんと5年後10年後、会社を成長させて

いったときに、インテリア業界のリーディングカンパニーという

位置に甘んじることなく、そこからさらに発展、変革できる会社

にしていきたいです。

し、世の中で求められる商品を自ら発信していけるよう意識してい

ます。そのため、自身のセンスを磨き、営業の方々からいただく

お客さまの声を幅広く収集して知識を深め、多角的な視点か

ら物事を捉えられるようさらに成長していきたいです。

のままで満足するようではいけないと考え、お客さまを驚かせる

ようなアイデアを進んで出すという風土ができてきました。

SANGETSU REPORT 2015 19

サンゲツのCSR

Page 22: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

社員とともに

サンゲツの CSR

● コンプライアンスと安全・安心を念頭においた人事施策の実施

● 組織による会社経営ができる風通しの良い組織風土づくり

● 特化、専門性の強化を可能にする人材の採用・育成と配置の実現

● 入社から退職後までのキャリア・ライフマネジメントを意識した人づくり

● 効果・効率向上に向けた営業・営業推進・物流部門体制の再構築

● 変えてはならない理念の継承、実行と自己改革・会社変革の実現

サンゲツでは、社員の多様性、人格、個性を尊重し、社員一人ひとりが能力を最大限発揮できる人事制度の

的確な運用と、安全で働きやすい職場環境を確保します。

人事部方針

人事部方針・人事制度

人事関連データ(単体)

♦正社員数(出向社員含む)

♦障がい者雇用率(6月時点)

♦育児休業取得社員数

♦有給休暇平均取得日数(当年10月〜翌年9月末)

社員が経営を担う基盤整備

管理職・経営者予備軍の質・量両面での充実

女性社員活用のための積極的支援

がんばる社員の報酬の拡大

会社に対する忠誠心、当社に在籍することの安心感の維持・向上

♦人事制度改革の方向性“中期経営計画(2014-2016)Next Stage Plan G”

において、人事制度改革に着手しています。社員が経営

を考え、社員が経営を担う体制づくりを進めています。

人事制度改革

•「能力基準と役職基準」のハイブリット型人事制度

•中長期的な能力開発に基づく処遇と短期的なミッションに

基づく処遇との両立をめざす

25

20

15

10

5

0

(人)

10

2010

12

2011

16

2012

21

2013

21

2014 (年度)

(年)

10

8

6

4

2

0

(日)

3.5 3.6

(計画)

2010 2011 2012 2013 20152014

10.0

3.4

5.1

(見込み)7.0

1,200

1,000

800

600

400

200

0

(人)

(年度)

(%)100.0

80.0

60.0

40.0

20.0

0

7681,174

763 757 767 783

33.7 33.9 33.6 33.4 33.3391 391 383 384 391

1,151 1,148 1,134 1,145

2010 2011 2012 2013 2014

男性女性女性比率

(年)

20

23

22

21

20

19

18

0

(人) (%)2.30

2.20

2.10

2.00

1.90

1.80

0

1.93

2.242.18

2.102.0921

20

2011

20

2010 2012 2013 2014

22

人数雇用率法定雇用率

SANGETSU REPORT 201520

Page 23: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

人材育成 働きやすい環境整備

ワークライフバランスの推進

働きやすい職場環境の確保と、心身の健康づくりに向け

た環境整備を推進しています。社員一人ひとりに対しては、

人権を尊重するとともに、不当な差別、ハラスメントを

禁止し、お互いに公正で明るい職場づくりに努めています。

♦主な社員研修(一部)

♦環境整備施策(抜粋)

研修 内容・目的

共通・社長自ら、研修の場に参加し、ビジョンを 伝える社長講話・研修後の懇親会の実施

新任部長・支社長理念確立研修

・次世代幹部社員としての意識付け

新任管理職マネジメント研修

・管理職の役割モデルに基づき役割認識、 問題解決、部下メンバーへの動機付け

コンプライアンス研修 ・コンプライアンス意識の醸成

新入社員の事業部研修

・事業内容の理解、商品別の習得レベルを 明示し、体系的に学習

ライフマネジメント研修

・40 歳、50 歳という節目の年に、人生設計に関する意識付け

妊娠・出産 育休中 育児

産前・産後休業※

育児休業者支援ツールarmo(上司面接・育児サポートセミナー)

育児短時間勤務制度(子の就学まで)

看護休暇・ママランチ会

ジョブリターン制度 OG復帰の制度化や、正社員登用の促進

配偶者出産時特別休暇の拡充

休暇取得日数の増加、対象範囲の拡大

◆登用目標 ❶ 2017年までに、係長相当者比率を30%にする ❷ 2020年までに、管理職相当者の比率を15%にする

♦意識改革施策(抜粋)

ダイバーシティ研修(新任部署責任者)

ダイバーシティマネジメントの理解女性部下の評価・育成スキルの習得

職場復帰支援セミナー育児復帰者と配偶者に対し、両立しながら意欲的に働き、成果を効率的に上げる方法についてのレクチャーを実施

社員が能力を十分に発揮できるような雇用環境の整備

を行うとともに、地域の次世代の育成対策に貢献するた

め、以下の計画を策定します。

自己変革に挑戦する社員を尊重し、成長・活躍・自己

実現の場を提供する

サンゲツでは子育て期の働き方を支援し、さまざまな支

援制度を提供しています。

目標1:育児休業の取得、職場復帰がしやすい職場環境の整備

目標2:所定外労働時間削減、年次有給休暇取得推進のための施策

目標3:「子ども参観日」の実施

仕事と家庭の両立支援

人材育成方針

育児支援制度

女性活用行動計画「Sangetsu Positive Action 2015」サンゲツVIEW

❶社員の人生設計・成長を促進する教育機会を提供する

❷昇格昇進の拡大と早期化により現場での経験を積ませ、将来の管理職、経営層の育成を行う

❸計画的に多様な仕事を経験させ、活力を生み出す人材配置を行う

戦略的な人事制度改革の実践にあたり、女性活用に関する自主行動計画「Sangetsu Positive Action 2015」を実行しています。

「女性社員が長く働き続け、自身の強みを生かし、活躍できる組織風土の実現」をめざす姿とし、女性の視点による新しい価値の

提供や、女性の能力を生かした組織内の多様性の尊重を通じ、持続的な成長につなげることが目的です。人事部内にダイバーシティ

推進担当を配置の上、目標達成に向け各種施策を展開し、全社一体となり女性の活躍を推進しています。

SANGETSU REPORT 2015 21

サンゲツのCSR

Page 24: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

お客さまとともに

サンゲツの CSR

安全な商品の提供のために

お客さま目線の情報提供

品質方針に従い、商品の安全性の向上に十分に配慮し、継続的に品質改善に取り組んでいます。お客さまの期待以上の品

質の実現をめざし、当社独自の品質管理基準書を用いて、厳格な品質管理を行っています。原材料の調達先を確認し、商品

の企画開発・デザインから製造、そして出荷に至るまで、川上から川下まで一貫したプロセスを管理することで、お客

さまへ安全・安心な商品をお届けしています。

13,000点もの豊富なラインアップのなかから、お客さまのご希望に沿ったコー

ディネートをしていただけるよう、さまざまな形で情報提供を行っています。当

社ホームページでは、お好みのライフスタイルに合わせたコーディネートを紹介

するページや、オンラインカタログ、部屋づくりをテーマとした暮らしに役立つ

情報など、お客さまのイメージを具体化するための工夫を凝らしています。

ショールームにおいては、ご希望のお客さまに対して、スタッフによるコンサ

ルテーションを実施しています。商品の機能性や特徴を詳しくご説明し、お客さ

まのニーズに合った商品選びやプランをご提案しています。また、お施主さま向

けのインテリアセミナーや、インテリアコーディネートの専門家による各種セミ

ナーを無料で開催しています。このように、インテリアをご検討の際にお役立て

いただけるような、お客さま目線の情報提供に努めています。

セミナーの様子

SANGETSU COORDINATE AWARDS

当社カーテンを使った、窓辺のコーディネートのコンテスト

を開催しました。当社の商品が使用された空間において、その

コーディネートに施されたアイデア、オリジナリティを審査し

ました。2014年に表彰を行ったSANGETSU COORDINATE

AWARDSでは、インテリアコーディネートの関係者の方々か

ら530点以上もの応募をいただき、インテリアの新たな可能性

を感じさせる、さまざまな工夫を凝らした作品を提案いただき

ました。こうした催しは、消費者へインテリアの魅力を伝える

ために、インテリアのあり方、楽しみ方を業界全体で考え提案

していく場であり、将来を見据えた業界全体の活性化につなが

るイベントとして注目を集めました。

サンゲツVIEW

SANGETSU REPORT 201522

Page 25: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

株主さまとともに

利益配分に関する基本方針

株主・投資家の皆さまとのコミュニケーション

当社は、株主の皆さまへの利益還元を重要な経営課題のひとつとして位置づけています。利益配分については、経営の安

定、業績の継続的向上を基本として、株主の皆さまへの安定的配当の維持を図ると同時に配当性向、純資産配当率にも配慮

しつつ、将来に向けて会社基盤を強化し、不測の事態に対応できるよう内部留保に努めています。

株主・投資家の皆さまと良好な関係を築くために、企業情報を適切かつ公平に開

示するとともに、積極的なIR活動を通じてコミュニケーションを図っています。当

社ホームページのIRサイトでは、業績・財務情報や決算説明会の資料、株式情報な

どの企業情報を適時配信し、開示内容の充実に努めています。また、アナリストや機

関投資家の皆さまと直接対話する貴重な機会として、決算説明会を開催するとともに

One on Oneミーティングや個別訪問を実施し、活発な意見交換を通じて皆さまから

のご意見を経営に生かしています。

新たな資本政策の実行サンゲツVIEW

当社は、中期経営計画におけるステークホルダーからの評価向上策として、変化する資本市場においても中長期的に株主還元してい

くために、これまでの安定的な配当、安全性を優先した経営から、バランスシートの効率化や資本コストを意識した経営へ転換する

新しい資本政策を発表、実行しています。2014 年度は、総額 47.8 億円の自己株式取得を実施、連結総還元性向は 178.6% となり、

資本効率の改善に努めました。2015 年度は資本政策を着実に進め、さらなる企業価値向上に向けて取り組んでいきます。

取得期間 取得した株式の総数 株式取得額の総額

1 2014年11月10日~2015年2月11日 105.7万株 29.9億円

2 2015年2月12日~2015年3月31日 50.5万株 17.9億円

合計 156.2万株(※) 47.8億円(A)

中間配当(12月支払) 期末配当(6月支払) 総配当額2015年3月期 14.3億円 16.4億円 30.7億円(B)

2014年3月末 2014年12月12日 2015年3月6日 2015年5月29日8,038万株 7,620万株 7,410万株 7,250万株

株主資本 自己資本2014年3月末時点 1,186億円 1,198億円2015年3月末時点 1,150億円(▲36億円) 1,187億円(▲11億円)

総還元額(A)+(B) 78.5億円連結総還元性向 178.6%

基本方針

● 資本コストを上回るROEの早期実現と、中長期的にはより高いROE水準(8~10%)の達成をめざす。

● 安全性と成長の為の資金は確保しつつ、運転資金等の効率化を 実現し、資本効率の向上を計る。

● 中長期的に持続可能な株主還元策の拡充を行う。

本中期経営計画における資本政策

●2014年度より2016年度迄の3年間の連結総還元性向を平均100%以上とする。

●今後の市場環境を鑑みつつ、平成26年度下期より最短3年間、最長5年間で自己資本金額を平成26年3月末比100億円~200億円の圧縮をめざす。

●中長期的に株主に対するリターンが向上するよう、機動的に自己株式の取得、増配を検討・実行する。

株主還元実績①自己株式の取得 ※ 2015 年 3 月 31 日現在の分割前の株数

※株式分割後ベース

②株主資本 / 自己資本の削減結果

③発行済株式総数(含自社保有株)推移

決算説明会の様子

SANGETSU REPORT 2015 23

サンゲツのCSR

Page 26: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

お取引先さまとともに

サンゲツの CSR

公正な取引の推進

お取引先さまとのコミュニケーション

お取引先さまはサンゲツの成長にあわせて、長年とも

に歩んできた重要なステークホルダーです。当社が今後

も健全な事業活動を通じ、社会的責任を果たしていくた

めに、「サンゲツグループ コンプライアンス行動規範」

では、すべての取引先との間で自由な競争原理に基づ

き、独占禁止法や下請法などの関係法令を遵守した公正

な取引を行うことや、仕入先および協力先に対し、常に

対等、公正な立場で接し、誠実な取引を行うことなどを

定めています。

仕入先(製造メーカー)管理の強化

お客さまに安全かつ高い品質の商品を提供するため

に、仕入先との共同作業が欠かせません。

商品開発や購買の担当者が、当社基準の評価項目に

沿って仕入先の状況を多面的に評価し、工場運営の改善

を働きかけ、品質改善につなげています。

また仕入先評価をもとに戦略的に仕入先とのアライア

ンス強化を実施しています。

仕入先での課題・状況を把握するために、直接仕入先

に訪問し、課題をヒアリングしています。

重要なステークホルダーのひとつである販売代理店の

方々に対しては、2014年は2回、販売代理店会を開催

しました。業績報告や中期経営計画、販売代理店との連

携による戦略的成長シナリオを共有するとともに販売代

理店同士の情報交換の機会として貴重な場になりました。

♦サンゲツの商品の流れ

川下 川上

内装工事業者インテリア専門店

家具店

デベロッパー建設会社賃貸管理会社ハウスメーカー

設計事務所デザイン事務所

オーナーユーザー官公庁

商品の流れ 商品PR

開発・製造依頼

納品

原材料メーカー製造メーカー

直接販売

代理店販売

SANGETSU REPORT 201524

Page 27: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

社会とともに

サンゲツの社会貢献体制 本業を通じた社会貢献

快適な住空間の提供を通じ、より豊かな生活を実現す

るための役割と責任を担う当社では、本業を通じてさま

ざまな社会貢献活動を実施しています。

当社は豊かな社会づくりに貢献するために、地域社会

とともに発展していきたいと考えています。本来の事業

のみならず、社員一人ひとりが自主的に、自ら汗をかく

社会貢献活動に参加することを支援します。そのため

に、取締役総務部長を委員長とし、社員を中心とした社

会貢献委員会を2015年に立ちあげ、さまざまな具体的

活動を検討しています。

本社がある名古屋市の児童養護施設を中心に当社商材

を活用し、老朽化した施設の改装支援を行っています。

改装にあたっては、当社社員が自ら施工者のお手伝いを

するなど、商品提供のみならず、社員自身が能動的に支

援活動に参加します。活動を行った施設からは、「カー

ペットで床がとても暖かくなった」「カーテンが新しくな

り部屋の雰囲気が明るくなった」「壁がきれいになって元

気が出た」など感謝の言葉をいただき、また名古屋市か

らは感謝状もいただきました。

今後は、この取り組みを社会貢献委員会が中心とな

り、日本全国に広げていく予定です。

児童養護施設の改装支援

社会/文化① (公)日比科学技術振興財団を通じた研究者への 助成② 文化、福祉、教育分野などへの寄付

被災地支援

① 災害ボランティア活動 (東日本140名、広島12名)② 義援金、被災地への商品寄付 (体育館などの避難所にカーペットなど)

環境/省エネ

① 環境対応商品の開発 (リサイクル素材、ノーワックス、 遮熱など)② 中部ロジスティクスセンターへの太陽光発電 設置

地域貢献 ① 献血② 近隣清掃、小中学生の職場見学・体験

募金/寄付 ① 中部善意銀行への寄付② 病院施設への寄付

♦サンゲツの社会貢献活動の取り組み

♦社会貢献委員会組織図

北海道支社(総務課/社員代表)

東京支社(総務課/社員代表)

東北支社(総務課/社員代表)

本社・中部支社(総務課/社員代表)

北関東支社(総務担当/社員代表)

関西支社(総務課/社員代表)

中国四国支社(総務課/社員代表)

九州支社(総務課/社員代表)

社会貢献委員会委員長:取締役総務部長

総務部 / 社員代表

事務局(総務部)

改装作業の様子

感謝状の受領

SANGETSU REPORT 2015 25

サンゲツのCSR

Page 28: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

生物多様性との関わり

環境とともに

サンゲツの CSR

1.環境マネジメントシステムの推進にあたり、環境目的及び環境目標を設定し、継続的改善を行い、企業活動と地球環境保護の両立を図る。

2.適用可能な環境保全に関する法令及び当社が同意する要求事項を遵守する。

3.商品の開発、生産、流通、使用、廃棄のすべての段階において、環境影響要因物質の使用の回避、廃棄物の削減、リサイクル、省エネ・省資源に努める。

4.環境方針や環境管理活動への社員の理解と意識の向上を図るとともに、関係者へも環境方針を周知し、理解と協力を要請する。

5.この環境方針は、一般に公開する。

サンゲツは、快適な住空間の提供を通じ、

より豊かな生活を実現するための役割と責任

を担っている。当社の事業活動は環境とのか

かわりが深く、その活動のなかで環境保全に

取り組んでいくことは、企業として当然の責

務である。これらの観点から自らの事業活動

における環境負荷の低減はもとより、地球環

境の保全に配慮し、より良い住環境の創造に

努める。

基本理念

省エネ

省資源

ロングライフ

室内環境

基本方針

商品を通じた地球環境保全

環境方針

サンゲツが提供する商品の多くは、環境に配慮した形でお客さまに使用されます。環境配慮型商品を4カテゴリ+1で

定義し、環境配慮商品の開発・販売を通じて、地球環境・生活環境の向上に貢献しています。

インテリアにおいては、主に窓や床面などからの熱損失を軽減することが、省エネにつながります。

商品を製造する過程で使用する原材料の量を少なくすることで、省資源を実現します。

商品の寿命を長くすることで、施工から貼り替えまでのサイクルを長くし、ライフサイクルで考えた時の環境負荷低減を実現します。

「室内環境の改善」を環境対応の上で重要な要素と考え、室内環境の改善に貢献する商品を積極的に提供しています。

当社商品の多くは、塩ビを主原料とする石油化学製品です。加工がしやすくデザインの再現性が高いのが特徴です。動物の生命を脅かしたり、希少木種を伐採したりといった形で自然資源を使用するのではなく、その美しい自然のデザインを再現することで、自然を感じることができる良質な商品を提供しています。こうした商品開発により、生物多様性の保全に寄与しています。

+

オ フ ィ ス ・事 業 に お け る

エ ネ ル ギ ー 使 用・ 電 力・ ガ ス・ 水

10,596千kWh 284千㎥ 30千㎥

・廃見本帳 21.25 t・塩ビ商品カット 端材など 454.85 t

事業活動におけるリサイクル

輸 送 に お け るCO2 排 出 量

6,450 t-CO2

(2014年度実績)

SANGETSU REPORT 201526

Page 29: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

年間を通じて省エネ効果を発揮する、透明断熱ガラスフィルム

GF-201

低 高

窓面の一部にGF-201を施工し、隣り合う窓との温度差をサーモグラフィで測定した結果

環境多機能商品

透明断熱ガラスフィルムは年間を通じて省エネ効果を

発揮する機能を持っています。夏は外からの熱を遮り、冬

は室内の暖気を逃がしにくく、暑さと寒さの両方を軽減す

ることができます。

グラニットは独自の技術で開

発された単層塩ビ床材です。緻

密な単層構造によりワックスフ

リーを実現した環境負荷の小さ

い商品です。

透明断熱ガラスフィルム グラニット

施工例

 特徴

•太陽からの熱を帯びた赤外線を遮蔽して室内の温度上

昇を抑えます。

❶エアコンの省エネ効果をアップ

❷室内の明るさをそのままに遮熱

•高い透明性とすぐれた断熱性を兼ね備え、暖房効果

を高めます。

 特徴

•ワックス不要、メンテナンスが容易で、廃液(汚水・

ワックス・剥離剤)の排出を最小限にします。

❶ワックスフリーを実現

❷環境にやさしい商品

•床材の長寿命化により余分な廃材を出しません。

また、再生塩ビ樹脂系材料を15%以上(製品重量比)

使用したグリーン購入法適応商品です。

当社は、環境報告書を別途発行しております。詳しくはホームページ上の「環境レポート~Ecological Heart ~」をご覧ください。

WEB

http://www.sangetsu.co.jp/company/kankyo/

インテリア事業本部 壁装事業部 商品開発課

課長 前田 和宏

四季がある日本において、これまでは夏場にお薦めの商品として、外部からの熱を吸収・反

射する「遮熱フィルム」がありましたが、冬場の省エネには効果を発揮しませんでした。どう

にかして年間を通じて快適な室内環境をつくることができないかと考え、技術力のある企業と

提携して生まれたのがこの「断熱フィルム」です。冬場の断熱効果としては、一定条件下でガ

ラスフィルム未施工窓と比較して室温が約 3℃高く、室内の暖気を外に逃がさない効果が確認で

きました。

私たちはこれからも、日本の快適な室内環境づくりに貢献していきたいと思っています。

VO I C E

SANGETSU REPORT 2015 27

サンゲツのCSR

Page 30: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

コーポレート・ガバナンス

ガバナンス

コーポレート・ガバナンス体制の変更

コーポレート・ガバナンス体制を監査等委員会設置会社へ移行したねらいは次のとおりです。

1)監査・監督機能の強化監査等委員会設置会社においては、監査機能を担う「監査等委員」にも取締役として議決権が付与されることから、

監査・監督機能の強化につながります。

2)経営の透明性の向上と株主の視点を踏まえた議論の活発化希少な人材である独立社外役員を集約し、取締役会の構成員とすることで、取締役会における社外取締役の比率

を高めることができます。その結果、経営の透明性の更なる向上と、株主の視点を踏まえた経営の議論の活発化が

期待されます。

3)経営の迅速化取締役会の役割を経営監督機能に重点化することで、業務執行・日常的決定の現場への権限委譲を進め、業務遂行の

迅速化を図ります。その結果、“中期経営計画(2014-2016)Next Stage Plan G”の達成に向けスピード感をもって

取り組みます。

内部統制システム

内部監査部門

株主総会

代表取締役社長

監査等委員会室

業務執行取締役

取締役会 11 名(社外取締役 4 名、社内取締役 7 名)

監査等委員会(5 名:社外 4 名、社内 1 名)

選任・解任 選任・解任

報告

選任・解任

業務執行の監督

連携

会計監査・内部統制監査

内部監査

執行部門

各子会社

営業本部 インテリア事業本部

各部・室各

支社

各事業部

監査等委員会監査

会計監査人

♦コーポレート・ガバナンス体制図

当社は、“中期経営計画(2014-2016)Next Stage Plan G”の方針のもとに積極的にコーポレート・ガバナンスの充

実に取り組んでまいりました。2015年5月1日施行の会社法改正により新たに認められた会社形態の「監査等委員会設

置会社」は、当社のコーポレート・ガバナンスのめざすところと合致していると判断し、本年6月の定時株主総会終了を

もって、監査役会設置会社から監査等委員会設置会社に移行しました。新しいコーポレート・ガバナンスの形態である監

査等委員会設置会社を選択することでさらなる企業価値の向上を図っていきます。

SANGETSU REPORT 201528

Page 31: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

監査等委員会取締役会

監査等委員会は、社外取締役4名に常勤の取締役1名

を加えた5名の監査等委員から構成されます。

常勤の監査等委員は、内部監査部門である経営監査部

の監査課や内部統制課が行う監査の状況・結果を常に把

握するなど、当社の内部統制システムを活用して日常的

に情報収集し、これを毎月1回開催される監査等委員会

に報告し、社外取締役との情報共有を図っています。何

らかの問題や不具合、改善の必要がある事項が発見され

た場合、監査等委員会にて審議の上、取締役会に報告さ

れ、助言、勧告がなされた上で是正、再発防止策、しく

みの見直しなど適正な措置を図ります。 

当社の取締役会は業務執行を行う6名の社内取締役と

専ら監査・監督を行う取締役5名(うち社外取締役4名)

で構成されます。取締役会は毎月1回開催され、重要な

業務の執行を決定するほか、各業務執行取締役から所管

する業務の報告がなされます。これに対し、社外取締役

からは、会社経営の専門家や法務の専門家といった知見

から適切な助言やアドバイスがなされ、社外の視点で経

営をモニタリングする機能が働く構造になっています。

社外取締役の声

サンゲツのコーポレート・ガバナンスに寄せて

私は、当社の“中期経営計画 Next Stage Plan G”のスタートと同時に当社の社

外取締役を引受けさせていただいた。一年を経て思うのは、当社の今中計は正に当

社の経営改革・ガバナンス改革そのものであり、その実践を通じて企業風土・人的

資源を刺激し、内部統制力を向上し組織体としての事業遂行能力を着実に高めよう

とするものであるということである。

本年3月に金融庁からコーポレートガバナンス・コード原案が公表され、当社の

ガバナンス改革もその動きに沿ったものとなっているが、付言しておきたいこと

は、決して表層的に繕うのではなく、当社自体が改革を欲し、より良いガバナンス

と事業の持続的成長を求めて、経営の真意においてコードのプリンシプルを共有

しているように感じられることである。コードは「株主はもとより、幅広いステー

クホルダーとの適切な協働を通じた企業価値の向上」を明記しているが、その根幹

にかかわるような取り組みが、主要内部ステークホルダーとも言うべき株主、従業

員との関係では既に前期から先行している。ひとつは資本政策であり、株主還元率

の向上と長期保有株主との対話の促進が緒に着いている。対従業員では、多額の就

業環境改善投資や能力主義に基づく人事諸制度の転換・意識改革である。

当社は今期より監査等委員会設置会社に移行する。率直に言って時期尚早との感

も否めなくはないが、前期来の猛烈なコンプライアンス意識の醸成と足もとで併進

している内部監査スタッフの補強、体制強化とも相俟って大きなチャレンジだと思っ

ている。微力ながら小職も監査等委員として奮励努力致したい。

いずれにしても改革の成否は役職員一人ひとりの当事者意識に係っている。社員

が経営を担う第三の創業期が花開くことを心から願っている。 

株式会社三菱東京 UFJ 銀行

 顧問 古角 保

SANGETSU REPORT 2015 29

ガバナンス

Page 32: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

コンプライアンス

コンプライアンス活動の内容

コンプライアンス・プログラムのPDCAサイクル

ヘルプラインの設置

公正取引委員会による立ち入り検査

コンプライアンスの遵守はすべてに優先する。コンプライアンスを遵守し得る業務体制を整えるとともに、コンプライアンス遵守の徹底を図る。

2014年度 会社方針

コンプライアンス・プログラムの実施

当社では、2014年度会社方針を踏まえ、コンプライ

アンスを遵守し得る業務体制を整備するとともに、年間

を通した活動を展開し、コンプライアンス遵守を徹底し

ています。具体的な実施事項として、コンプライアンス・

プログラムに沿ったPDCAの管理サイクルを通じ、継続

的改善と定着を図っています。

当社では、コンプライアンスに関する通報・相談窓口と

して、社内および社外にヘルプラインを設けています。

社員がコンプライアンスに関しての疑問や不安を抱え

込むことを未然に防ぎ、違反行為の早期発見・改善に努

めています。

当社は、2015年5月26日に、壁紙の販売に関して独

占禁止法違反の疑いがあるとして、公正取引委員会の立

ち入り検査を受けました。事態を厳粛かつ真摯に受け止

め、検査に全面的に協力しています。

・コンプライアンス通信の発信

・部署、階層別コンプライアンス研修の実施

・法律講座(独占禁止法)の実施

・各部署での勉強会実施

管理サイクル 構成要素

P(計画)コンプライアンス・ポリシー(方針)とコンプライアンス・マニュアルに基づき、年間のコンプライアンス・プログラムを策定

D(実行)コンプライアンス・プログラムに予定されたコンプライアンス活動を年間を通して全社的に実行

C(検証)四半期ごとに、コンプライアンス活動の成果について評価し、検証

A (見直し)評価結果などを踏まえて、方針を含めた活動内容などを見直し、次年度コンプライアンス・プログラムに反映

ガバナンス

社員が講師となり法律講座を実施 コンプライアンス通信

「サンゲツグループコンプライアンス行動規範」に基づきコンプライアンス委員会やヘルプライン(通報・相談窓口)を

設置、各部署ではコンプライアンス推進責任者を選任して、法令・社内規範をはじめとする各種ルールの遵守体制を維持

し、風通しの良い風土づくりを進めています。

SANGETSU REPORT 201530

Page 33: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

ガバナンス

リスク管理

リスク管理体制

当社ではリスク管理規定を制定し、職務分掌規定、職務権限規定に従い、各部署の分掌事項を各所属長が責任をもって

実行しています。各担当取締役は各自の分掌範囲について、規則、ガイドラインの制定、研修の実施、マニュアルの作成、

配布などを行い、リスク管理を推進しています。部門横断的なリスク状況の監視および、全社的対応は全社リスク管理委

員会が中心に対応しています。

リスク一覧

BCP(Business Continuity Plan)

当社では、事業継続計画(BCP)を2013年に策定しまし

た。有事に備えて、事業継続計画を全社員に周知し、災害

発生を想定した訓練を実施しています。災害発生時には、

災害対策に速やかに対応する緊急対策本部を設置し、対策

本部長(社長)指揮のもと、社員の安否確認や事業の復旧対

応などを、速やかに行うことをめざしています。 

2015年に事業継続計画を改訂し、さらなる対応強化を

進めています。

計画の目的

・第1に、わが社の従業員等、家族の安全確保を最優先する。

・第2に、わが社の資産を保全し、被害の拡大を防ぐ。・第3に、いち早く復旧活動に着手し、事業および業務

の継続を図る。

リスクの種類 想定リスク

営業・与信リスク得意先、取引上の与信管理全般営業上のリスクなど

在庫・仕入リスク不良在庫、品切れ、仕入先の倒産・契約違反品質管理など

商品開発リスク商品クレーム、PL法違反、知的財産権侵害下請法抵触、施工品質など

物流リスク委託先の経営状態の観察、設備管理、物流特殊指定など

リスクの種類 想定リスク

投融資・M&Aリスク

設備投資、景気変動投融資M&Aの選定など

労務管理リスク労災、時間管理、健康管理、ハラスメント、メンタルヘルスなど

災害等のリスク地震などの災害、火災、事故、感染症、事件など

情報セキュリティリスク

情報機器故障、誤操作、情報漏洩、ウイルス感染、サイバーテロ、データ紛失など

リスク管理事務局(総務部)

リスク管理部会 主管部署

営業・与信リスク 財務経理部 取引管理課(営業本部)

在庫・仕入リスク インテリア事業本部

商品開発リスク インテリア事業本部

物流リスク 物流部

投融資・M&Aリスク 新規事業部(財務経理部、社長室)

労務管理リスク 人事部

災害等のリスク 緊急対策本部(BCP) 総務部

情報セキュリティリスク 情報システム部

各支社

全社リスク管理委員会

SANGETSU REPORT 2015 31

ガバナンス

Page 34: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

役員紹介

ガバナンス

田中 三千春専務取締役

志水 済取締役

安田 正介 代表取締役社長

大石 親宣 取締役

佐々木 修二 取締役

吉川 恭伴 取締役

古角 保 社外取締役 監査等委員

那須 國宏 社外取締役 監査等委員

羽鳥 正稔 社外取締役 監査等委員

濵田 道代 社外取締役 監査等委員

田島 貴志 取締役 監査等委員

SANGETSU REPORT 201532

Page 35: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

サンゲツの歩み

1849年 初代日比弥助、山月堂を創業

第二期

1953年1956年1960年

1964年1965年

1966年1968年1970年

1972年1975年

1976年

1978年1979年1980年1981年1982年

「株式会社山月堂商店」を設立(4月21日)、資本金250万円壁紙の取扱い開始社是「誠実」を制定売上高1億円突破初の壁紙見本帳「60-61 SSユニーククロス」発刊全国への営業展開を開始初のオリジナル壁紙「エリート」を発刊日比賢昭社長就任

「株式会社山月堂商店」から「株式会社山月堂」へ改称売上高10億円突破

「株式会社山月堂」から「株式会社サンゲツ」へ改称自社直行便開始東京営業所・ショールーム開設大阪営業所開設

「サンゲツ三則」制定売上高100億円達成東京店開設(現 東京支社)福岡店開設(現 九州支社)大阪店開設(現 関西支社)初のクッションフロア見本帳「79-81 サンシャイン」発刊名古屋証券取引所市場第2部に株式上場初のカーテン見本帳「81-82 サンゲツカーテン」発刊初のカーペット見本帳「82-83 サンゲツカーペット」発刊新本社ビル完成(現 本社・中部支社)名古屋ショールーム「インテリアプラザ」開設仙台店開設(現 東北支社)

1984年1986年

1988年1989年1991年

1994年

1996年

1997年1999年

2000年2001年2005年2008年

2012年2013年

札幌店開設(現 北海道支社)初のフロアタイル見本帳「86 フロアタイル」を発刊東京ショールーム「クレリア」開設(赤坂アーク森ビル内)初のカーペットタイル見本帳「88-89 カーペットタイル」発刊名古屋証券取引所市場第1部に昇格売上高1,000億円達成岡山店、ショールーム開設(現 中国四国支社)大阪ショールーム開設(現 ハービスOSAKA内)初の椅子生地見本帳「デコレータファブリックスvol.1」発刊サンゲツアメリカ設立東京証券取引所市場第1部に株式上場売上高1,300億円突破(1,301億6,600万円)名古屋物流センター開設ISO9001認証取得公式ホームページ開設ISO14001認証取得株式会社サングリーンを子会社化三郷物流センター・関東支店開設(現 北関東支社)山田照明株式会社を子会社化日比祐市社長就任会社創立60周年

2014年 安田社長就任、日比祐市会長就任

“中期経営計画(2014-2016)Next Stage Plan G”発表

第三の創業

第一期

会社概要(2015年3月31日現在) 事業所

■ 社名

■ 設立

■ 代表者名

■ 本社所在地

■ 資本金

■ 年商

■ 従業員数

■ 事業内容

■ 上場証券取引所

■ 本社

■ 支社

■ 支店/営業所

■ 子会社

■ 関連会社

株式会社サンゲツ(SANGETSU CO., LTD)

1953年4月21日(創業嘉永年間)

代表取締役社長 安田正介

〒451-8575 愛知県名古屋市西区幅下1-4-1

136億1,610万円

1,320億円(連結)

1,442名(連結)

壁紙、床材、カーテン、イス生地など

インテリア商品の企画・開発、販売

東京1部、名古屋1部

名古屋

北海道、東北、北関東、東京、中部、関西、中国四国、九州

北東北、福島、東関東、多摩、横浜、厚木、前橋、宇都宮、新潟、水戸、長野、岐阜、岡崎、北陸、静岡、浜松、京都、神戸、東大阪、南大阪、姫路、広島、四国、北九州、熊本、南九州 他

株式会社サングリーン山田照明株式会社

Sangetsu America, Inc. (ニューヨーク)

会社概要

基本情報

SANGETSU REPORT 2015 33

会社概要

Page 36: 2015サンゲツレポート2015 SANGETSU REPORT 2015 株式会社サンゲツ http// 社長室 広報IR課 〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番1号 暮らしを豊かに

サンゲツレポート2015

SANGETSU REPORT

2015

株式会社サンゲツ

http//www.sangetsu.co.jp

社長室 広報IR課〒451-8575 名古屋市西区幅下一丁目4番 1号TEL:052-564-3314