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1/17 MSM7578V シングルレイルコーデック 概要 MSM7578V は、3003400Hz の音声帯域の信号を A/DD/A 変換するためのフィルタを内蔵した CMOS による 1 チャネルコーデック LSI です。 LSI は、単一電源動作、低消費電力動作ができ、特に ISDN システム、デジタル無線システム等 の電話端末用に最適です。 使用できる伝送クロックは MSM7508BMSM7509B と同じになっています。 アナログ出力は、圧電タイプのハンドセットの受話器を直接駆動できます。 特長 5V 単一電源動作 低消費電力 動作時 typ 25mW max 47mW VDD5V パワーダウン時 typ 0.05mW max 0.3mW VDD5V ITU-T 圧伸則に従っています。 μ/A-law ピンセレクタブル PLL を内蔵していますのでマスタクロックは不要です。 伝送クロック 64, 128, 256, 512, 1024kHz 96, 192, 384, 768, 1536, 1544, 2048, 200kHz 送信ゲイン調整が可能 基準電圧源内蔵 アナログ出力は 600Ωライントランスを直接駆動可能 パッケージ: 24 ピンプラスチック SOP SOP24-P-430-1.27-K(製品名:MSM7578VG3-K20 ピンプラスチック SSOP SSOP20-P-250-0.95-K(製品名:MSM7578VM3-K作成: 2011 10 11 前回作成: 2011 5 25

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MSM7578V シングルレイルコーデック

概要 MSM7578V は、300~3400Hz の音声帯域の信号を A/D、D/A 変換するためのフィルタを内蔵した

CMOS による 1 チャネルコーデック LSI です。 本 LSI は、単一電源動作、低消費電力動作ができ、特に ISDN システム、デジタル無線システム等

の電話端末用に 適です。 使用できる伝送クロックは MSM7508B、MSM7509B と同じになっています。 アナログ出力は、圧電タイプのハンドセットの受話器を直接駆動できます。

特長 ● +5V 単一電源動作 ● 低消費電力

動作時 typ 25mW max 47mW VDD=5V パワーダウン時 typ 0.05mW max 0.3mW VDD=5V

● ITU-T 圧伸則に従っています。 μ/A-law ピンセレクタブル

● PLL を内蔵していますのでマスタクロックは不要です。 ● 伝送クロック : 64, 128, 256, 512, 1024kHz

96, 192, 384, 768, 1536, 1544, 2048, 200kHz ● 送信ゲイン調整が可能 ● 基準電圧源内蔵 ● アナログ出力は 600Ωライントランスを直接駆動可能 ● パッケージ:

24 ピンプラスチック SOP (SOP24-P-430-1.27-K) (製品名:MSM7578VG3-K) 20 ピンプラスチック SSOP (SSOP20-P-250-0.95-K) (製品名:MSM7578VM3-K)

作成: 2011 年 10 月 11 日

前回作成: 2011 年 5 月 25 日

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ブロック図

ALAW

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端子接続 (上面図) 24 ピンプラスチック SOP 20 ピンプラスチック SSOP

ALAW

NC : 未使用ピン NC : 未使用ピン

ALAW

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端子機能説明 ●AIN+、AIN-、GSX

送信アナログ入力及び送信レベル調整用端子です。 AIN+は、オペアンプ非反転入力、AIN-は反転入力、そして GSX はオペアンプ出力に接続され

ています。レベル調整は下記の方法を参考にして下さい。 AIN-, AIN+を使用しない場合、AIN-は GSX, AIN+は SG に配線して下さい。 パワーセーブ、パワーダウン時、GSX 出力は AG 電位となります。

●AG アナログ信号用のグランド端子です。

●AOUT アナログ出力端子です。出力信号振幅は 大 2.4Vpp で、信号グランド電位(VDD/2)を中心に振れ

ます。出力負荷は、 小 600Ωです。パワーセーブ、パワーダウン時、AOUT は信号グランド電位を出

力します。

●VDD 電源端子です。+5V で使用できます。

●PCMIN PCM 入力端子で、この端子への直列 PCM 信号入力と、それに同期した RSYNC 信号、BCLK 信

号により、DA 変換を行います。PCM 信号のデータ速度は BCLOCK 周波数と同じです。 PCM 信号は、BCLK 信号の立下がりでシフトされ、8 ビットシフトされた時点で内部レジスタにラッチ

されます。PCM データ(MSD)の先頭は RSYNC の立上がりで識別されます。

●BCLK PCMIN, PCMOUT 信号のシフトクロック信号入力端子です。周波数はデータ速度と同一で、64, 96,

128, 192, 256, 384, 512, 768, 1024, 1536, 1544, 2048, 200kHz です。この信号を、“1”又は“0”に固定

することにより、送信、受信共にパワーセーブ状態となります。

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●RSYNC

受信同期信号入力端子です。この信号により、PCMIN 端子への直列 PCM 信号列から必要な 8 ビ

ットを選択します。また、この同期信号により受信部のすべてのタイミング信号を同期させます。この同

期信号は BCLK と位相同期していることが必要です。周波数は受信部の交流特性(主に周波数特

性)を保証するため、8kHz±50ppm にして下さい。ただし、使われる装置の周波数特性が厳密に規定

されていない場合には 8kHz±2kHz の範囲で動作可能ですが、電気的特性のカタログ値での保証は

できません。

●XSYNC 送信同期信号入力端子です。PCMOUT 端子からの PCM 出力信号は、この信号に同期して出力さ

れます。また、この同期信号により、PLL をトリガすると共に送信部のすべてのタイミング信号を同期さ

せます。この同期信号は BCLK と位相同期していることが必要です。周波数は送信部の交流特性(主

に周波数特性)を保証するため、8kHz±50ppm にして下さい。ただし、使われる装置の周波数特性が

厳密に規定されていない場合には 8kHz±2kHz の範囲で動作可能ですが、電気的特性のカタログ値

での保証はできません。 この信号を、“1”又は“0”に固定することにより、送信、受信共にパワーセーブ状態となります。

●DG デジタル信号回路用のグランド端子です。本 IC の内部ではアナロググランドとは分離されています

が、プリント基板上で本 IC の AG 端子と接続し、アナロググランドに接続して下さい。

●PDN パワーダウン制御信号入力端子です。デジタル"L"レベルで送信、受信共にパワーダウン状態にな

ります。

●PCMOUT PCM 信号出力端子です。この PCM 出力信号は BCLK 信号の立上がりに同期して MSD から順に

出力されます。(MSD は BCLK と XSYNC のタイミングにより、XSYNC の立上がりで出力される場合

があります。) この端子は、PCM 出力の 8 ビット以外の時間ではハイインピーダンスになります。また、この端子は

パワーダウン、パワーセーブ時にもハイインピーダンスになります。 出力形態は、オープンドレインですので、プルアップ抵抗が必要です。 符号化則、出力符号形式については ITU-T 勧告に従っており、A-law では偶数ビットの反転もして

おります。

μ-law A-law

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●SG

信号グランド電位の出力端子です。出力電圧値は電源電圧の 1/2 で、駆動能力は±300μA 以内

です。CODEC 周辺回路の SG レベル供給用です。 パワーセーブ、パワーダウン時、この出力はハイインピーダンスとなり電位不定になります。

●SGC 信号グランド電位作成回路用のバイパスコンデンサ端子です。0.1μF の高周波特性の良いコンデ

ンサを AG と SGC 間に入れて下さい。

●ALAW この端子は、圧伸則を切り替えるための制御信号入力端子です。デジタル“L”レベルの時、

CODEC はμ-law で動作し、デジタル“H”レベルの時、CODEC は A-law で動作します。 この端子は、IC 内部でプルダウンしていますので、この端子を開放で使用された場合、CODEC は

μ-law で動作します。

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絶対最大定格

推奨動作条件

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電気的特性 ●直流及びデジタルインタフェース特性

●送信アナログインタフェース

●受信アナログインタフェース

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●交流特性 (1/3)

注記: *1. ソフォメトリックフィルタ使用 *2. 上段はμ-law、下段は A-law について規定する

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●交流特性 (2/3)

注記: *1. ソフォメトリックフィルタ使用 *2. 上段はμ-law、下段は A-law について規定する *3. PCMIN へ"0"コード入力 *4. 群遅延歪の 小値を基準とする

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●交流特性 (3/3)

注記: *5. 無通話時雑音で測定

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タイミングチャート ●PCM データ入出力タイミング

送信タイミング

受信タイミング

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応用回路例

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使用上の注意

●電気的性能を保証するため、電源のバイパスコンデンサは高周波特性の良いコンデンサを使用し、

LSI 端子の近傍へ入れて下さい。

● AG 端子と DG 端子は、できる限り短く低インピーダンスでシステムグランドと接続して下さい。

● プリント基板に実装されるときは、IC ソケットを使用せず直接基板に取付けて下さい。やむをえず

IC ソケットを使用される場合には、リードの短いソケットを使って下さい。

● 架等への実装時、本 IC の近くに電源トランス等、電磁波を発生するものが有る場合、シールドを行

って下さい。

● 電源投入時のラッチアップを防止するため、VDD 端子が-0.3V 以下にならないようにして下さい。

● 本 IC の誤動作及び特性劣化を防ぐため、雑音(特に高周波のスパイク性雑音やパルス性雑音)の

小さい電源を使って下さい。。

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パッケージ寸法図

表面実装型パッケージ実装上のご注意

SOP、QFP、TSOP、TQFP、LQFP、SOJ、QFJ(PLCC)、SHP、BGA 等は表面実装型パッケージであり、

リフロー実装時の熱や保管時のパッケージの吸湿量等に大変影響を受けやすいパッケージです。 したがって、リフロー実装の実施を検討される際には、その製品名、パッケージ名、ピン数、パッケー

ジコード及び希望されている実装条件(リフロー方法、温度、回数)、保管条件などを弊社担当営業まで

必ずお問い合わせください。

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表面実装型パッケージ実装上のご注意

SOP、QFP、TSOP、TQFP、LQFP、SOJ、QFJ(PLCC)、SHP、BGA 等は表面実装型パッケージであり、

リフロー実装時の熱や保管時のパッケージの吸湿量等に大変影響を受けやすいパッケージです。 したがって、リフロー実装の実施を検討される際には、その製品名、パッケージ名、ピン数、パッケー

ジコード及び希望されている実装条件(リフロー方法、温度、回数)、保管条件などをローム営業窓口ま

で必ずお問い合わせください。

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