2009 年度後期 英語学概論(第 8 回)

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2009 年度後期 英語学概論(第 8 回). 立教大学 異文化コミュニケーション学部 平賀 正子. はじめに. 今日の講義 異文化コミュニケーション 日英間のコミュニケーション事例を中心に(日本人留学生のコミュニケーション). 異文化とは. 「異文化」を定義するための手続き 1)文化とは 2)文化のどこが違うというのか. 文化とは (1). - PowerPoint PPT Presentation

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2009 年度後期英語学概論(第 8 回)

立教大学異文化コミュニケーション学部

平賀 正子

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8英語学概論第 回 2

はじめに

• 今日の講義– 異文化コミュニケーション– 日英間のコミュニケーション事例を

中心に(日本人留学生のコミュニケーション)

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8英語学概論第 回 3

異文化とは

• 「異文化」を定義するための手続き–1)文化とは–2)文化のどこが違うというのか

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8英語学概論第 回 4

文化とは (1)

• ある社会(コミュニティ)に共有されている、日常生活(衣食住)に関わる慣習や風俗、さらにそれを支える価値観や信条などを総称するもの。これらのより洗練された表出形態として、宗教、道徳、美術、芸術、歴史、政治、経済などの様々な活動や組織、構造が含まれる。

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8英語学概論第 回 5

文化とは (2)

• 一般には、国民文化 (national culture)を指すことが多い。たとえば「日本文化」「アメリカ文化」など。

• しかし、国民文化は画一的なものではなく、たえず変化にさらされており、柔軟な取組が大切。

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文化の多層性

• 文化を考えるときには色々なレベル(層)を設定する方が現実的な取組ができる。

• ある国民文化(例えば「アメリカ文化」)で、その国民のすべてが同じ慣習や価値観を持ち、歴史・芸術・経済を共有し、同じように行動をしているとは考えにくいからである。

• 性別、地域、世代、社会階層、教育、民族的背景の違いによって、いわば国民文化に対するサブカルチャー(下位文化)を作っていることが指摘できる。

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8英語学概論第 回 7

文化が違うとは?

• どういうくくりで「文化」を見るかがかかわってくる。例えば日米比較と言えば、国民文化で違いを見ている 。

• 最も小さいレベルでは、個人のレベルでも違いはある。しかし、それを文化の違いと言うには、「パーソナリティ」の違いではなく、それぞれの個人の所属する一種のグループ(下位文化)の違いに帰属させる必要がある。

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8英語学概論第 回 8

異文化コミュニケーション

• どの文化レベルでのコミュニケーションを考えるかによって、異文化コミュニケーションへのアプローチが変わる。

• とはいえ、国民文化というラベリングは一種の説得性がある。地理的、政治的、歴史的・宗教的(部分的だが)に共有する文化要因があることが一因。

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8英語学概論第 回 9

国民文化レベルの異文化コミュニケーション・モデル

• Edward Hall の文化モデル• Hall, E. (1976). Beyond culture. Garden City, NY:

Doubleday

– 高コンテクスト・低コンテクスト• Geert Hofstede の文化モデル

• Hofstede, G. (1991). Cultures and organizations: Software of the mind. London: McGraw-Hill.

– 個人主義・集団主義– 不確実さの回避– 権力格差– 男女差

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8英語学概論第 回 10

Edward Hall(1976) の文化モデル高コンテクスト・低コンテクストコンテクスト

• コンテクストとはコミュニケーションが起こる物理的・社会的・心理的・時間的な環境。

• 個人がメッセージの記号化・解読化過程においうてコンテクストにどのぐらい依存するかに応じて、 Hall(1976) は文化を「高コンテクスト」と「低コンテクスト」に分類した。

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8英語学概論第 回 11

高コンテクスト v.s. 低コンテクスト

• 高コンテクストの文化では、話し手と聞き手の間に共有されている情報が多く、ことばに出して話す必要がなく、時にはことばに出して言わなくてもコミュニケーションが成り立つ。「察し」のコミュニケーション。

• 低コンテクストの文化では、その反対に、お互いに共有する情報や経験が少ないため、はっきりことばに出してコミュニケーションをしないといけない。個人主義的な文化は低コンテクストの文化の場合が多い。

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8英語学概論第 回 12

低コンテクストと高コンテクスト:国民文化

低コンテクスト 高コンテクスト

英語圏の国々 アジアの国々

西欧諸国 南欧の国々

北欧の国々 東欧の国々

中近東の国々

南米の国々

アフリカの国々

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8英語学概論第 回 13

コミュニケーション方法の違い:低コンテクスト vs 高コンテクス

ト低コンテクスト 高コンテクスト

「私」が中心 「我々」が中心

個人の卓越性 集団の調和性

個人の受ける自己評価 集団の受ける評価

自・他の違い ウチ・ソトの違い

話し手中心 聞き手中心

言語コミュニケーション 非言語コミュニケーション

直接的、明示的 間接的、暗示的

結果志向 過程志向個人間のコミュニケーション能力 ウチ・ソトのコミュニケーション能力

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8英語学概論第 回 14

時空間および社会組織の認識の違い:低コンテクスト vs 高コンテクスト

認識の仕方 低コンテクスト 高コンテクスト時間 締切厳守、単一進行

型、時系列遵守締切緩い、同時進行型、最後の変更可

空間 機能的・社会的空間利用、社会のリズム優先、偶然の一致排除

自然に即した空間利用、自然のリズム優先、他者との調和

社会組織 個人的繋がりより規則が優先、書面契約の遵守

習慣や人間的コネクションの重要性、口頭契約の遵守

個人個人の責任 上に立つものの責任が重い

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Geert Hofstede(1991)の文化モデル

– IBM で働く 80 カ国以上の被験者に対して質問紙調査を行い、その結果を以下の4つの軸に従って分類した。

• 個人主義・集団主義• 不確実さの回避• 権力格差• 男性的・女性的

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8英語学概論第 回 16

個人主義・集団主義

• 個人主義では、個人の尊厳や独立が尊ばれる。個人のパフォーマンスが評価され、挑戦と競争の原理が働く。

• US, オーストラリア、 UK, カナダ、オランダ

• 集団主義では、社会という枠組みのなかで人々はウチ集団に依存して行動する。集団の利益が個人の利益より優先する。まわりとの協調によって個人の人生がうまくゆく。

• ベネズエラ、コロンビア、パキスタン、ペルー、台湾、韓国

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8英語学概論第 回 17

不確実さの回避

• 安定した未来への志向性を持ち、「締め切り」や「スケジュール」を重視しようとする文化

• ギリシャ、グアテマラ、ポルトガル、ベルギー、ウルグアイ、日本

• 未知への挑戦や冒険を志向する文化• シンガポール、ジャマイカ、スエーデン、デンマーク、香港、連合王国

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8英語学概論第 回 18

権力格差

• 社会において権力による階層化(上下関係)が人間関係に影響を及ぼす文化

• マレーシア、パナマ、グアテマラ、フィリピン、アラブ諸国、メキシコ、インドネシア、インド、ブラジル

• 階層化(上下関係)は権力によるのではなく、社会構造に起因すると考える文化

• オーストリア、イスラエル、デンマーク、ニュージーランド、アイルランド

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8英語学概論第 回 19

男性的・女性的

• 男性的な文化では、男女差の認識が高く、男性的価値(野心、実行力、貨幣価値)が支配的

• 日本、オーストリア、ベネズエラ、スイス、イタリア、メキシコ

• 女性的な文化では、ジェンダーの平等に重点が置かれ、社会的感受性が高い

• スエーデン、ノルウェイ、オランダ、デンマーク

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8英語学概論第 回 20

国民文化モデルからみる日本文化 vs 英語圏文化

日本文化 英語圏文化

高コンテクスト 低コンテクスト

集団主義・中 個人主義・大

不確実さの回避・大 不確実さの回避・小

権力格差・中 権力格差・中

男性的価値・大 男性的価値・中

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8英語学概論第 回 21

事例研究を通してみる日英コミュニケーション

• イギリスの大学でのフィールドワークの紹介– 英国人教師と日本人留学生のチュートリアル(個別指導)におけるコミュニケーションの問題点をさぐる

–ビデオ録画によるデータ収集–補完データ => オーディオ録音、ロールプレー、 談話完結テスト、グループ・ディスカッション、回顧インタビュー

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8英語学概論第 回 22

事例研究を通してみる日英コミュニケーション

• 実際のコミュニケーションは複雑である。従って、国民文化モデルは単純には応用できないことを認識すべきである。

• サブ・カルチャーに注意しなければならない。ここでは大学教育というコンテクストにおける文化的要因が重要である。

• 具体的には、日英の大学というコンテクストで前提とされている価値観や規範の違いに対する認識である。

• 以下では特に2つの視点(人間関係および教育内容)について考える。

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日英の教育文化

• <教育内容>評価基準– 言語化の重要性・沈黙の役割– 学習・発達に対する内省– 批判的分析能力

• <人間関係>教師と学生の役割– 教師の態度– 学生の態度

・学生の発話内容・学生の発話態度

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8英語学概論第 回 24

日英の教育文化の特徴

イギリス人教師と一対一で行う個人指導(チュートリアル)の参与観察とビデオ録画からわかることは、日英の教育文化には下記の二つの相互に対比されるべき特徴があることである。

• 英国の教育文化の特徴– 学生中心の批判力を基盤とした弁証論的発達

• 日本の教育文化の特徴– 知識源としての教師を上位においた指導と追従

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8英語学概論第 回 25

英国のチュートリアルの構成ç\ë¢ ëOíÒ ÉRÉ~ÉÖÉjÉPÅ[ÉVÉáÉì

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話題: 1) 研究(作品)の進捗状況、方法2) 他の研究(作品)への言及3) 自己評価、分析4) 研究(作品)の将来への見通し5) 次段階に対する共通の認識

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8英語学概論第 回 26

<教育内容>分析力をめぐるコミュニケーション

• EXAMPLE 1

• T: Which is the best one?• JS: Mm, I can't say that because,-• T: Which is the worst one?• ...• T: Are there any that are not here because they were

no good?• ...

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8英語学概論第 回 27

EXAMPLE 1(continued)

• T: Are there any of these which have not been put on the wall because you did not think they were very good? Have you done any that failed?

• JS: Just .. these...• T: I'm really trying to find out how you can

distinguish between something which enables you to say, ' I like this more than that; this is the way forward, this is the way to go.'

• JS: Mm-m.• ...

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8英語学概論第 回 28

EXAMPLE 1(continued)

• T: They're not all of the same value.• JS: Yeah?• T: Understand? ... Mm, if we were to say, I'm

going to ask you to choose four...• JS: Mm-m.• T: Let's say. And I've got a big bonfire over

here, I've got a big fire, over here,-• JS: Mm, right.

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8英語学概論第 回 29

EXAMPLE 1(continued)• ...

• T: And I'm going to put eight of them on the fire. And save four.

• JS: Mm-m.• T: Right, and you're going to be very sad.• JS: MM.• T: Because your work is going on the fire.

Which four would we keep?• JS: Mm-m.

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8英語学概論第 回 30

EXAMPLE 1(continued)

• T: Which four? Show me.• JS: I cannot choose.• T: Yes, you can. You must.• JS: Why do you know, why do you want to

know that? Because, ...• T: Because it will tell me something.• ...

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8英語学概論第 回 31

EXAMPLE 1(continued)

• JS: . .Mm. It's a universe, they're part of the universe. I like to show, ..eh, construction,-

• ... T: ... But, but if you say, 'because I made it, it therefore is OK,-'

• JS: Mm-m.• T: You will never develop any .. critique.

(videotaped tutorial)

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8英語学概論第 回 32

学生の発話態度を調べる

• 談話完結テスト(批判や提案に対してどのように対応するかについて調べた)

– イギリス人被験者  英語で回答 (E) 23名–  日本人被験者 日本語で回答 (J)  60名– 日本人 EFL  被験者  留学経験無し

 英語で回答 (EFL) 53名

– 日本人 ESL  被験者  留学経験有り 英語で回答 (ESL)

17名

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8英語学概論第 回 33

談話完結テスト• A. Tutor: You haven't written very much,

have you?• B. Tutor: I think you're doing good work.

What would you say if I suggested you made the concluding section a bit shorter?

• C. Tutor: When you wrote this [pointing to a particular sentence], were you implying that you agreed with the author or were you criticising him?

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8英語学概論第 回 34

談話完結テスト(日本語)

• A. 先生:まだ余り沢山書けていませんね。• B. 先生:頑張っていますね。結論のところをもう少し短くしたらどうかって言ったら、どうしますか。

• C. 先生:(あなたのレポートの中のある文を指して)ここを書いたとき、暗にあの学者に賛成だって言っているんですか、それとも彼を批判しているんですか。

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8英語学概論第 回 35

教師からの批判・提案に対する学生の対応(%)

英国人 (N=23) 日本人 (N=60) ESL(N=17)

EFL(N=53)

追従型 31.3 55.3 46.7 59.7

交渉型 15.0 14.7 10.7 8.0

反論型 47.7 18.7 21.0 10.3

諦め型 0.0 1.0 0.0 0.7

無口型 5.7 10.0 15.7 20.3

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8英語学概論第 回 36

教師からの批判・提案に対する学生の対応

• 追従型  • 交渉型  • 反論型 • 諦め型 • 無口型 

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8英語学概論第 回 37

追従型 教師の顔を立てることが大切。教師の言うことに従う。批判に対して抵抗しない。批判を認めるか、提案に従おうとする。

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8英語学概論第 回 38

交渉型 

 教師の顔を立てながら自分の面子も保持しようとして、両方のバランスをとろうとする。批判や提案を認めるが、それは教師の顔を立てるための緩衝材として働く。一方で、批判に対して抵抗を示し、自分の面子を守ろうとする。

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8英語学概論第 回 39

反論型

 自分の面子が大切。批判に対しては抵抗し、自論の妥当性を主張する。

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8英語学概論第 回 40

諦め型

 自分の面子を放棄。提案に対して抵抗を示し、諦めてしまう。ただし、批判を認めて教師の顔を立てようとする。

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8英語学概論第 回 41

無口型

 額面どおりの返答を行う。批判に対して容認もせず抵抗もしない。

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8英語学概論第 回 42

教師からの批判・提案に対する学生の対応(%)

英国人 (N=23) 日本人 (N=60) ESL(N=17)

EFL(N=53)

追従型 31.3 55.3 46.7 59.7

交渉型 15.0 14.7 10.7 8.0

反論型 47.7 18.7 21.0 10.3

諦め型 0.0 1.0 0.0 0.7

無口型 5.7 10.0 15.7 20.3

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8英語学概論第 回 43

学生行動にみられる文化• アカデミック・ディスコースにおける批判への対応にはどんな文化の型がみられるか

英国人学生  反論型+理由づけ         =>独立的自己日本人学生  追従型+コミットメント         =>相互協調的自己

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8英語学概論第 回 44

まとめ

• 異文化認識の落とし穴• 異文化と自文化の差異の認識• 異文化への開かれた態度

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8英語学概論第 回 45

異文化認識の落とし穴

• 自分の行動が文化によって規定されていることに気づいていない。

• 無意識のうちに自分の文化に基づいて異文化を評価してしまいがち。

• ステレオタイプや偏見の温床になる。

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8英語学概論第 回 46

異文化と自文化の差異の認識

• コミュニケーションの仕組みを左右する文化的前提について認識を深める。

• 自分の文化のコミュニケーションの仕組みを知る。

• 相手の属している文化のコミュニケーションの仕組みを知る。

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8英語学概論第 回 47

異文化への開かれた態度

• コミュニーションは単なる情報の伝達ではない。

• 異文化への開かれた態度を身につけるには、感情・行動の両面で柔軟性を養わなければならない。感受性や人間性を高め、違いを容認できる態度を持つ。

• つまり全人的な生き方の問題である。

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8英語学概論第 回 48

次回の予告

• 語用論(発話行為と談話分析)

• 特に、謝罪のコミュニケーションについて考える。