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Copyright 2005 OSDL, All rights reserved. Linuxの進化から見る OSSの可能性と将来 アジア統括ディレクタ OSDL, Inc. Sep.22, 2005 平野正信

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Linuxの進化から見るOSSの可能性と将来

アジア統括ディレクタOSDL, Inc.

Sep.22, 2005

平野正信

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Agenda

About OSDL Linuxとオープン・ソース化のヒストリ Enterprise Linuxのシェア 先進事例の紹介 オープンソース活用の方程式 問題点の提起ーセンター・オブ・グラビティ 今後の動向

Q&A

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Open Source Development Labs (OSDL)

2000年設立 NPO(非営利団体)• 設立メンバー:CA、Fujitsu、Hitachi、HP、IBM、Intel、NEC

本社:米国オレゴン州ビーバートン 支社:東京、北京

従業員数:60名 目的:Linuxおよびオープンソースの啓蒙

• ニーズの高い分野にリソースを投入、成長の阻害要因を除去

メンバー:全世界で70以上の企業、教育機関が参加• IHV、ISV、IT企業、Network企業、エンド・ユーザー、教育機関、大学

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OSDLメンバー数の推移

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OSDLのメンバー企業

ActiveGrid Aduva Alcatel AMD BakBone Beijing Software TestingCenter Berry OS Japan Black Duck Software BT Global Services Bull Cassatt CCIA Cisco Co-Create Computer Associates Comverse Cyclades EMC Ericsson ETRI (Electronic and Telecommunications

Research Institute) Fujitsu Good-day Google Haansoft Hitachi HP IBM

青字は日本、中国、韓国橙字はEMEAのメンバー(2005年6月現在)

Intel IP Telecom KIPA (Korean Industry Promotion Agency) Kobe Institute of Computing Levanta Lynuxworks Marist College Microcost Miracle Linux Mitsubishi Electric MontaVista Software National University of Defense Technology NEC Network Appliance Nokia Novell NTT Corporation NTT Data Intellilink Open Country Open Source Japan Open Technologies Oregon State Univercity Pacific Crest Securities Pixelworks Portland State University Portlock Radisys Red Flag Software

Red Hat Scalix Corporation Search Casher Spike Source Stanford University Stratus Technologies Sun Microsystems Ten Art-ni Timesys Toshiba Solutions Tokyo University of Technology Transmeta Trolltech TurboLinux Unilever Unisys University of Helsinki Veritas Virtual Iron Software Voyager Capital Waseda University Wind River Wyse

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OSDL Membership, Initiatives and the Linux S/W Stack

Systems

System S/W& OS Distros

Middleware

Applications

Integration & Services

TEMs, NEPs, Carriers & Device OEMs

End-Users

Co-Create

Silicon

BeijingSoftwareTest Center

Desk Top Data Center Carrier Grade

Red Flag

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オープンソース化の流れと、Linuxの登場

1968年 ARPANETの設立• 現在のInternetの前身。主に研究者たちの情報やコードを共有するのが目的。

1969年 Unixの最初のバージョンが完成• ベル研究所の研究員、ケン・トンプソンが開発。

1979年 商用Unixの誕生• AT&Tが商用Unixのロードマップを発表。

1983年 FSF(Free Software Foundation)の設立• リチャード・ストールマンがMITにFSFを設立。UnixをベースにGNUプロジェクトを創設。同時にソースコードのフリーダム化のため、“コピーレ

フト”の提唱と、GPL(General Public License)を確立。

1987年 PC、Mac、Amiga、Atari向けにMinixが登場• アンドリュー・タネンバウムがUnixをベースにソースコードを公開したMinixを開発

1989年 フリーソフトウエアのサポートビジネスが世界で初めて登場• マイケル・ティーマンがシグナス・ソリューションズ社を設立。オープンソースのサポート・ビジネス・モデルを立ち上げる

1991年 リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)がLinuxを発表• 「単なるホビー。GNUのように専門的に大きなものではない」と。386(486)ATクローン向け。

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Linux年表 1991年 リーナス・トーバルズ(Linus Torvalds)が発表

• 「単なるホビー。GNUのように専門的に大きなものではない」と。386(486)ATクローン向け。

1994年 Linuxバージョン1.0登場• 1Mバイト以下のカーネル・サイズ(現在の1/20以下)

1996年 Linuxバージョン2.0• 初めて、x86以外のプロセサDECα(Compaq、現HP)に対応。

1999年 Linux企業の株式公開• Red Hat社、米国Nasdaqに上場、続いてVA Linux社

2000年 OSDL設立• CA, Fujitsu, Hitachi, HP, IBM, Intel, NECの7社により、設立

2001年 OSDL日本支社設立• 海外初の拠点を日本に設立。グローバル化が進む。

2001年 カーネル2.4ベースのディストリビューションの登場• 4CPU SMP、64GBメモり・サポート、ext3など、エンタープライズ志向が顕著に。

2003年 リーナス、OSDLへ参画• リーナスおよびカーネル2.6のメンテナー、アンドリュー・モートンがOSDLへ参画

2004年 カーネル2.6ベースのディストリビューションの登場• マルチCPU対応の強化、スケジューラの改善などのスケーラビリティの改善、 I/O機能、デバイス・サポートの強化など

2004年 OSDL中国支社設立• 日本に続き、中国へ進出。

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エンタープライズ化への動き

2000年2月  IBM、S/390用Linuxコードをコミュニティに開放• Linuxソース・ツリーに組込まれる

2000年10月 IBM、z,p,i,xの全シリーズへのLinux対応を発表• x86以外のプロセサ対応にも注目。ガースナー会長、同12月にLinuxへの10億ドルの投資を決定。Linux化を加速。

2001年5月 NEC、日立、富士通、IBMの4社協同で基幹系Linuxを推進• 基幹系Linux機能を協同提案。OSDLの設立に影響。

2002年1月 Oracleエリソン会長兼CEO、すべてのビジネスをLinuxに対応と発表• 既存のUnixアプリケーションのLinux化や、ISVのLinux対応を推進することとなった。

2002年2月 Sun MicrosystemsマクニーリCEO、Linuxへの取組みを宣言• 今後、SPARCにおけるLinux戦略に注目。

2003年1月 Intel Iteniumプロセサ対応の商用ディストリビューションが登場• 各ハード・ベンダーによるIntel 64ビット・プラットフォームの開発が本格化。

2004年1月 Novell、SuSEを買収• これにより、ディストリビューションは、RedHatとNovell SuSEの2極化。

2004年8月 IBM、Power5におけるLinuxロードマップを発表• IBMのRISC版Linux戦略がさらに明らかに。

         

                        

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ヒストリから読めるもの

ハードウエア(モジュラー化)– 引き続き、ムーアの法則が成立している

– CPUおよび周辺技術の高性能化(Risc、64ビット、マルチスレッド)– 周辺装置の高性能化、コンパクト化、記憶装置の大容量化

• HDD、LAN、ネットワーキング、ディスプレイ、メモリ/キャッシュ– Intel等がリードしたモジュラー型ビルディング・ブロック

• チップセット、PCI、AdvancedTCA、Carrier Grade Linux

ソフトウエア(オープンソース化)– Linux、Java、オブジェクト指向の一般化以外に技術として目新しいもの?

– 1990年代以降、ソフトウエアの進化のエネルギーは、オープン・ソースという構造改革に注がれてきている

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Linuxサーバー・シェア

Windows

UNIX

OtherLinuxLinuxSource: IDC Quarterly Tracker – Q1, Q2, Q3 & Q4 2003

数では既にUNIXを超えている

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Source: IDC, 2004

Linuxサーバーのシェアー2008年には28%

0

5

10

15

20

25

30

35

2003 2004 2005 2006 2007 2008

(% S

hare

)

AmericasEMEAAPTotal

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Linuxの売上は2008年には全世界で$35B

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今年の注目ーLAMPの普及

アプリケーションの開発

– LAMPのPに注目。– PHP、Pearl、Zope、Mamboその他CMS(コンテント・マネジメント・ツール)。

– プロプライエタリとの融合。RDBはOracle、DB2、PostgreSQL、MySQLなど適材適所。

PHP– Javaや.NETではない新たな選

択肢

– 全世界6300万サイトの内、3割強の2000万サイトで利用。

– 過去5年間で10倍利用率が増加。

– 米国ではyahoo.com、国内では楽天、ANAで実績

Apache– 全世界6300万サイトの内、約7

割の4400万サイトで利用。

Web サーバーシェアの推移 1995 年 8月 -2005 年 5月

PHP 利用サイト数の推移 2000 年 1月 -2005 年 4月

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事例:モルガン・スタンレー証券

証券、資産運用、クレジットサービスなどの金融総合サービス企業– 一日当り100万トランザクション

– 150カ国で50種類以上の通貨を扱う

– 地域ごとに商品が異なり、システムに対するニーズも様々

そのため、単一のシステム・ベンダーでは対応不能– 個別のISV、IHVから調達、自社のシステム部門で開発

– アジア地域だけで数百名規模のシステム部隊

– 結局、ベンダーに頼らない、Linuxシステム構築技術を蓄積

– 様々な挑戦(egeneraの採用、レッドハットの採用)

その結果、企業としての競争力が増し、一挙両得– 1700万ドルのコスト削減を実現

– 企業としての業績もアップ

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事例:楽天

オンライン・ショッピング・サイト「楽天市場」の運営– 国内最大規模のインターネット・ショッピング・センター

– 1億レコードをMySQLで管理

– PHPマシンが100台

– 典型的かつ大規模なLAMPソリューション

Webサイトの差別化が“肝”– 今までの職人芸的な開発スタイルを、組織的なスタイルへ

– オープンソース開発部隊、「LAMP推進室」を設置

– Linux、Apache、MySQL、PHPのフル活用– ブラックボックスがなく、透明性が高いセキュリティ保全

Linuxの採用だけでなく、開発基盤もオープンソース

– Webスクリプト言語としてのPHPを採用

– LinuxはOS、むしろ、開発ツールとしてのオープンソースの活用が大事

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事例:ロイター

総合的な国際通信・情報サービスの提供– 世界150カ国、230支局、2,500名の記者、カメラマン

– 従業員数-97カ国19,000名、グループ全体の売上約4,000億ポンド

ロイター・マーケット・データ・システム(RMDS)の構築

– HP、インテル、レッドハットとの緊密な連携

– 各ベンダーと共同でアプリケーションの移植、テスト、最適化

– ロイター・コンサルティングと呼ぶ自社組織を編成、サポート

オープンソース推進力として他企業と交流– モルガン・スタンレー証券のシステム部門との情報交換

– オープン環境で情報を共有することによる効率化

基盤技術のコモディティ化– オープンソースのノウハウはサービスそのもの

– コモディティ化していくものは差別化要因とはならない

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オープン・ソース活用の共通項

コモディティ化とエコ・システム– HW インテル系プラットフォーム

– OS エンタープライズLinux– ミドルウエア Oracle、MySQLなどを用途に応じて

– アプリケーション スクリプト言語による効率化

ハイブリッド・ソリューション– まず、柔軟性に乏しく、コストが高い従来のプロプライエタリ製品を補完するという観点でオープンソースを活用

– 適所でOracle、DB2、Java、Jxxxを採用

– Unix、Windows、Linuxの共存

– LAMP、LAPP、OpenOffice、Sambaを活用– ベンダー・ロックインの回避

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ソフト部品をどう活用するかがポイント

部品の組み合わせだけがノウハウではない– HWのコモディティ化の進展とオープンソース・ソフトウエアの組み

合わせで、エコ・システム化を図る。

– ソフト部品は、どう使いこなし切るかがノウハウ

– 業務プロセスの見直し、リエンジニアリングは従来と同じように必要

ビジネスにおける差別化要因に投資をフォーカス– コモディティとなるようなものに余計な投資をしない

• 部品としてどれをチョイスするかだけ

– 自社の将来に活きる開発ノウハウ・運用ノウハウのみを蓄積

• 効率、スピード、負荷分散、ピーク分析、社会インフラへの適応

– 欧米では自社ノウハウ蓄積型の成功例が多いが、国内ではSIベンダーのノウハウの活用も検討課題

• アウトソーシング、人材発掘、ノウハウの蓄積

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Potential for add’lIT investment

ハイブリッド・ソリューションとコスト効果

Legacy UNIX

Proprietary H/W

Middleware

Applications

Legacy - 2000

Total S/W and H/WSavings of > 25%

LinuxCommodity H/W

Middleware

Applications

Proprietary M/W

ProprietaryApplications

Open Source M/W

OSS Applications

LinuxCommodity H/W

Emerging - 2005 Hybrid - 2008

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CEOからマイクロソフト社員へのメッセージ

Sent: Wednesday, June 4, 2003 To: Microsoft ALL

…IBMがLinuxを推奨したことにより、Linuxに対する信頼は増したが、そのサポート体制や費用対効果は幻想にしか過ぎない。

というのは、そこには“センター・オブ・グラビティ”、つまり、マイクロソフトのような中心的存在がないからである。

中心的存在がリードすることにより、ソフトウエアを健康的に発展させることができるし、エンジニアリング技術、管理技術、互換性の維持、セキュリティの保全などの重要な領域において、さまざまな革新を実現することができるのである。...

Steve Ballmer

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従来のビジネス・モデル

ベンダー

エンド・ユーザー

システムに問題があれば、購入元、ベンダーなどと相談しながら、解決の手段を検討することができる。

サーバ 10

逆に言うと、購入元、ベンダーなどの意向に依存せざるをえない。容易に、関係を絶つことができない、つまりベンダー・ロック・インの弊害もある。

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オープン・ソースの“カオス”

ベンダー

エンド・ユーザー

システムに問題があったとき、最終的に誰が問題を解決してくれるのか、明確でないことがある。

サーバ 10

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問題の整理と解決への道筋

– ビジネス・モデル

• システム・ベンダー、ソフトウエア・ベンダー、システム・インテグレータ、Linuxディストリビュータ、教育機関、サービス・プロバイダの各役割

• 流通経路、サービスの提供者、バージョン管理、コミュニティとの連係

– 技術・機能

• エンタープライズ、ミッションクリティカル、キャリアグレード、デスクトップ、組込み、モバイル、セキュリティ

• HWサーティフィケーション、動作保証、サポート、バグフィックス

– IP(インテレクチュアル・プロパティ)

• 著作権(コピーライト)、特許(パテント)、ライセンス形態(GPL等)

– リファレンス・プラットフォームと互換性の保証

• 対ISV互換性、インターオペラビリティ、標準(LSB、POSIX等)、保証

– 教育・人材育成

• Linux人材の育成、Linux文化の理解・浸透

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Linuxの機能強化プロセス

1 必要な機能強化のまとめ、提案マーケット・ボイスの収集、そして必要な機能、要求事項の洗い出し それらの整理、分類、優先順位化→文書化、公開

2 実現化を推進ない機能はどうやって、誰が作るか。既にある機能をどう改善するか 実現したら、どこに組み込んでいくか。開発コミュニティとの連係。

3 市場への普及開発コミュニティ、ITベンダー、ディストリビュータとの連係、啓蒙。

ISVのサポート4 コンセンサスの形成

コミュニティとの連係、業界団体との連係、エンド・ユーザーとの連係 コミュニティの受け入れ(acceptance)、LSB, Posix, ISO

●各フェーズでの業界連係が加速

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グローバルな動き

欧米– IP(知的財産権)問題への様々な取組み

– ソフトウエア・パテントは50年以上の単位で見れば消滅の方向か

– ソフトウエア・スタックとコンパチビリティ

日本– 金融系、政府・自治体へのLinux、オープン・ソースの浸透

– オープン・ソース・ソリューションの一般化

– セキュリティ対策

グローバル・リーチ ― 世界の隅々まで– BRICs(GDPの割合は10%以下ながら、世界人口の4割を占める4カ国)、特に中国、インドの政府主導のIT施策が進展

– 周辺途上国への影響、連係、競争

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OSDLの活動と、問題点の解決

共通の要求・ニーズ

バーチカルな要求・ニーズリージョナルな要求・ニーズ

エンド・ユーザー

VerticalProjects

RegionalProjects

IndustryVerticalDistros

RegionalDistros

オープンソース コード開発・テスト

OSDL技術部隊

OSDLSIGs

コミュニティプロジェクト

DTLDCLCGL

メインストリームによるパッチの受け入れ

OSDLAPAC/EMEA

組織

OSDLメンバー会員

組織

コミュニティ・メンテナーLinuxディストリビュータ

密な連係

OSDLメンバー、各種イベント、ISVフォーラム、SIフォーラム、ユーザー・フォーラム、LSB、個人等々

OSDL北米組織

密な連係

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OSDLへの参加企業

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Linux Center of Gravity

Service Providers

ISVs

End Users

Distributions

AnalystsJournalists

TrainingEducation

System Vendors

SystemIntegrators

Linux DevelopmentCommunity

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OSDLのエンジニアリング活動と開発コミュニティ

Engineering Activities– Security

– Security maintainer on OSDL staff– Works directly on kernel when

security issues are discovered– Virtualization

– Working with Xen community to mainline virtualization code into kernel

– Networking– Developing a network emulator to

emulate performance dynamics in IP networks

– IProute2 – a set of Linux routing manipulation tools

– Linux Ethernet bridging work allows larger networks

– Clusters– Leader of Clusters SIG; very active

interest group– Working on cluster components:

event services, communication, membership, etc.

Leading Project Contributions– Clustering– Fast Reboot– Multipath I/O– Security– Async disk I/O – Network performance– Logical Volume Management– Persistent Device Naming– Kernel Stability– SCSI & Large Nos. of disks– DB performance work loads – File system & I/O schedr tests– Test Development Framework STP/PLM – Tinderbox project compiles– Binary Regression Test OSDL Engineering Presence– Technical presentations at major Linux

conferences– Co-hosted or participated in several

project summits– Trade magazine contributions (e.g.,

Linux World)

OSDL Involvement in Coding– Mentoring and influencing new

developers in the community– Linux kernel patch review– Q1 2005, many patches submitted by

OSDL staff to kernel & other projectsOSDL Influences End Users– Created ISV Forum to ease porting to

LinuxOSDL Lab Activities– Multipath I/O - Patches and testing

resources– Kernel Stability - Co-maintainer of stable

Linux tree (2.6.x.y patch set releases)– NFS v4 Testing – Bring NFS community

together and organize test strategy– Binary Regression Test - Developing

tools to help ISVs test new releases of open source projects

– Open Source Drivers testing – Bridge gap between OSS

community & IHVs– Develop suite of network driver

tests to help developers

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インフラの変化-このときの企業や家庭のIT環境をイメージ、準備、研究

ハイエンド・サーバーの大規模化、オンデマンド対応– 64ビット系プロセサ(Intel Itanium2、IBM Power5、AMD64)– ブレード・サーバー

• 米IDCでは、2007年にはブレードサーバーは全サーバー出荷の4分の1を占めると予想

• キャリア・グレード級(Advanced TCA)のビルディング・ブロックも登場

グリッド、ユティリティ、オンデマンド– スケーラブル、高信頼性サーバーによる大規模データ・センター化

– “仮想化”というキーワードが随所に登場

– 動的リソース・アロケーション、動的アプリケーション処理

広域ワイヤレス・ブロードバンド技術– WiMAX(2009年までに30億~50億ドル規模に成長すると予想)等に

代表される高速ワイヤレス・インフラの構築により、どこでも確実に繋がる環境が間近に迫る

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開発コミュニティの変化

コモディティ化がコミュニティにも影響– 従来のLinuxコアに産業界のニーズや進展に合わせた新たな高機能コモディティ部品の必要性

• netdumpあるいはkexec、IPv6、バーチャライゼーション/リソースマネジメント(CKRM、XEN)、リアルタイム・イクステンション(カーネル・レベル・プリエンプション)、組込・モバイル用途、etc.

– アーキテクチャ、HWの進展の影響

• Intel Cコンパイラ vs gcc• IA-64、PowerPC

– 産業界との共存

• 産業界のエンジニアのコミュニティへの参画が不可欠

– IBM、Intel、HP、Hitachi、Dell、Red Hat、SuSE、Samsung、LG

– サポート・メカニズムの変化・期待

• コモディティ化部品の階層化で、タイムリなサポートの可能性

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今後の注目分野

ブレードPC元年の様相– PC を構成する「CPU」「メモリ」など主要部品をブレード型の装置に集約し、データセンターでの一括統合管理を可能にしたもの

究極のクライアント環境へ発展の可能性– 従来のシンクライアントを超えた新たなモデル

– 当初の物理装置割当型から、仮想化モデルへ進展

• 動的機能分散、動的負荷分散

– クライアントPCの情報漏洩対策とシステム管理のTCO削減効果

– デスクトップ、クライアント環境の革新への準備、研究が必須

– 多様化するデスクトップ環境。消え行くのか、オフライン・デスクトップ環境

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近未来デスクトップ・クライアント・イメージ

統合AV機器にPC機能を追加した家庭用デスクトップ環境と業務専用クライアント環境と2極化

企業:ブレードPC、シンクライアントなどによる業務専用クライアント環境(外部記憶装置を持たないクライアント機器)

家庭:TV/映像機器、オーディオ/音声機器、パソコン、DVDレコーダ、電話・FAXなどの統合デスクトップ環境(AVオリエンテッドな機器にPC機能を追加)

iPod

Windows PC

TV

DVDレコーダゲーム機

AV統合型PC

FAX、プリンタ

オンデマンド統合・仮想型データ・センター

ブレードPC端末

ワイヤレス・ブロードバンド・ネットワークブレード・サーバー

ブレードPCサーバーHAクラスタ

ディスクレスPC

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