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アフリカ主要国の農水産業・食品加工分野に おける対外ビジネス有望産業 (アフリカ食品ガイドブック) タンザニア編 2003 年3月 日本貿易振興会 海外調査部

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アフリカ主要国の農水産業・食品加工分野に

おける対外ビジネス有望産業

(アフリカ食品ガイドブック)

タンザニア編

2003 年3月

日本貿易振興会

海外調査部

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序 文 農水産業はアフリカ地域の GDPの3割、就業機会の 6割以上を生み出す、域内最大

の産業部門であり、その開発、振興は地域全体の経済、社会的発展のカギを握る。対外

貿易面でも、アフリカ地域の輸出の 4割が農水産物・同加工品で占められており、偏在する鉱物・エネルギー資源と比較して、当該産品は地域横断的な主力輸出品となってい

る。 農水産業での生産性・付加価値向上と商品多角化、輸出促進は、域内雇用機会の創出

や外貨収入の増加、輸入代替の促進など多大な経済効果をもたらす。このためアフリカ

各国は、当該産業の育成と外国市場へのアプローチ強化を新たな中長期地域開発戦略

NEPAD(アフリカ開発のための新パートナーシップ)の中でも重点課題の一つに盛り込んでいる。一方、近年では域内の政治、経済的安定が着実に広がるなか、米国やアジ

ア系企業などによる当該分野への新規参入の動きもみられ、欧州系企業の独壇場であっ

た過去のイメージも徐々に変化しつつある。 本報告書は、本会アフリカ域内ネットワークを駆使し、アフリカ域内主要 12カ国の

農水産業および同加工品分野において、近年、生産・輸出、外資参入、政府・公的機関

の育成支援が強化されている品目を抽出し、生産・流通構造、主要市場、資源量、品質、

生産・技術供与主体、成長潜在性・課題など諸要素を網羅的に調査、「アフリカ食品ガ

イドブック」の形に取りまとめたものである。本書が我が国企業にとり新たな対アフリ

カ・ビジネス機会(輸入品発掘、各国市場の開拓、開発輸入等)の端緒となり、また

NEPADの理念を側面的に支援するものとなることを祈念する。

2003年 3月

日本貿易振興会

海外調査部

中東アフリカ課

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タンザニアの農水産業・食品産業

(1 米ドル=985.56 タンザニア・シリング。2002 年 11月時点)

目 次

第1部 タンザニア農業概況 ......................................................................................... 276

1.タンザニアでの農業部門の位置付けと課題.......................................................... 276

2.タンザニアの農産品貿易概況............................................................................... 276

第2部 対外ビジネス有望産品の生産・流通と潜在性................................................... 278

1.魚類 ..................................................................................................................... 278

2.カシューナッツ.................................................................................................... 279

3.コーヒー .............................................................................................................. 280

4.紅茶 ..................................................................................................................... 281

5.アルコール飲料.................................................................................................... 284

5-1 ビール........................................................................................................... 284

5-2 コニャギ ....................................................................................................... 284

6.スパイス .............................................................................................................. 285

7.産業界から政府への要望...................................................................................... 287

参考資料......................................................................................................................... 288

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第1部 タンザニア農業概況

1.タンザニアでの農業部門の位置付けと課題

タンザニアの実質 GDP 成長率は、2001 年 5.6%、2002 年 5.8%と推定(IMF「世界経

済見通し 2002 年9月号」)されるなど、経済は概ね好調に推移してきた。その中で農林

水産業は GDP の 48%(2001 年)、雇用の 8 割を占める基幹産業であり、経済への影響

もその分大きい。

赤道以南に位置するタンザニアの雨季は、主として 3~5 月の大雨季と 11~12 月の小

雨季に大別され、熱帯サバンナ気候の中、キリマンジャロに代表されるコーヒーや高原地

帯での紅茶といった良質の輸出作物のほか、カシューナッツ、メイズ、カッサバ、ゴマな

どの生産地でもある。農業は、当然のことながら天候の影響を受けるほか、輸出品であれ

ば国際市況にも左右される。農業従事者は小作農が大半を占める。農村から市場あるいは

主要な港湾とを結ぶ道路の整備がままならない地域も多く、農産品の供給力を上げるため

にもインフラの整備が急務である。また、農家は技術や資金の不足から生産効率が低いこ

とが指摘されるほか、高率(20%)の付加価値税(VAT)をはじめとした国・地方政府に

納める税・課徴金が生産者の重荷となっている。

政府も農業分野の重要性を認識した上で、農業生産性の向上のために 2002 年度は 956

億タンザニア・シリング(約 120 億円)を割り当て、農作物・家畜・種子の生産、灌漑

整備、協同組合支援、マーケティング支援、サービスの向上、化学肥料や農薬の普及、地

方道路整備などの使途に充てる。また、市中銀行による貸し渋りや高金利などで農家は苦

境にあるため、政府はタンザニア中央銀行からの 15 億シリング(約1億 9,000 万)の拠

出金を合わせて 65 億シリング(約8億 1,000 万円)を資本金として輸出信用保証制度を

立ち上げている。

政府は、2002 年7月から輸出加工区(Export Processing Zone)を設置するための法

を制定し、2003 年 3 月から EPZ の環境整備を進めている。世界銀行、IMF はタンザニア

の産業状況からは十分な税収が見込めず時期尚早との意見も出たが、政府は、米国・アフ

リカ成長機会法(AGOA)をにらみ、税制控除を柱に繊維産業を中心とした投資誘致と輸

出促進を目指している。

2.タンザニアの農産品貿易概況

タンザニアの貿易は輸入超過傾向にある。2001 年の財貿易は、輸出が7億 7,640 万ド

ルであるのに対して輸入はその倍近くの 14 億 8,970 万ドルに上り、貿易収支は7億 1,320

万ドルの赤字となっている。これまでタンザニアの貿易構造は、コーヒーなどの換金作物

の輸出で得た外貨を消費財輸入に充当するというのが基本であった。

主要な輸出農産品には、コーヒー、カシューナッツ、綿花、タバコ、紅茶、サイザルな

どがあるが、これら農産品は十分な加工が施されないまま輸出されているものが多い。こ

うした一次産品の価格は世界的な供給過剰によって低迷しており、輸出額の伸び悩みにも

つながっている。

産品ごとにみると、コーヒーの輸出は 96 年の 1 億 3,611万ドルから 2001 年には 5,710

万ドル(58%減)、カシューナッツは 96 年の 9,777 万ドルから 2001 年には 5,660 万ドル

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(42%減)、綿花は 96 年の 1 億 2,533 万ドルから 2001 年には 3,379 万ドル(73%減)、

タバコは 96 年の 4,924 万ドルから 2001 年には 3,570 万ドル(28%減)と軒並み減少し

ている。一方で、紅茶は 96 年の 2,254 万ドルから 2001 年に 2,900 万ドルと 29%増、サ

イザルも 96 年の 532 万ドルから 2001 年には 670 万ドルと 26%増となっている。タン

ザニアでは近年、伝統的輸出産品以外の品目として、97 年ごろから金の産出が始まり、

低迷する伝統的換金作物を追い抜いて2000年からは金が輸出額で首位品目となっている。

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第2部 対外ビジネス有望産品の生産・流通と潜在性

1.魚類

(1)輸出概況

タンザニアの食品輸出の第一位は魚のフィレとなっており、輸出全体の 10.98%を占め

ている。タンザニアの東岸はインド洋であり、海産物としてエビやロブスター、カニ、イ

カ、蛸なども水揚げされている。しかし、大半は、ビクトリア湖で水揚げされる淡水魚の

ナイルパーチが占めており、その最大の仕向け先はEUである。EU はタンザニアの魚輸

出の 6 割を受け入れている。EUは、99 年 4 月から 2000 年 3 月までの 1 年間、環境汚

染の懸念からビクトリア湖地域からの魚の輸入を全面禁止した。これによる影響として「ビ

ジネスタイムス」紙は、ビクトリア湖からの魚の輸出が「禁輸前の年間 3 万 6,383 トン

から禁輸が行われた期間には 34.7%減少して 2 万 3,757 トン」となり、魚の切り身の輸

出から得られる外貨は「6,570 万ドルから禁輸下では 5,190 万ドルに落ち込んだ」とし、

漁業関係者 70 万人の生活状況にも所得減などの負の影響をもたらした」としている。ビ

クトリア湖での漁業については、最大の消費地である EU の側からも、輸出の際の衛生基

準や安全性確保のための情報提供や EU に直接空輸するための空港整備(ビクトリア湖南

岸都市ムワンザ)などの支援を行っている。

日本は EU に次ぐ淡水魚の輸出先となっている。海産物の仕向け先は香港が中心である。

魚の干物類は、とりわけ内陸国のコンゴ(旧ザイール)、ルワンダ、ブルンジなど内陸国へ

輸出されている。天日干しで加工状況は良くないものの、これらの内陸国での干物類の需

要は高い。

(2)輸出業者の許可

天然資源観光省によると、タンザニアから魚の輸出をするためには、魚の加工設備を確

保した上で同省から輸出許可書を受ける必要がある。ただし、加工設備は第三者が所有す

るものでも構わない。同省の漁業局が加工設備の検査を行って承認した後に、衛生許可証

もあわせて発行される。年間のロイヤルティは、企業の売上高( FOB 価格)の6%が求

められる。ロイヤルティの額は淡水魚でも同額だが、地方政府が徴収することもある。

さらに、湖の魚に対しては 1 キログラムあたり 10 シリングが徴税されている。加工工

場の検査料は4万 2,000 シリングで、結果審査に 3 日間を要する。検査当局による工場

検査は定期的になされているが、事前通告なしでのサンプルの抜き打ち査察が実施される

こともある。

ビクトリア湖の水産資源量が減少していることが懸念されている。タンザニア、ウガン

ダ、ケニアの3カ国で形成されるビクトリア湖漁業協会は、漁獲量に制限を設けることを

強く提言している。また、ビクトリア湖の占有面積はタンザニアが最大であるが、漁獲を

許可された船はタンザニアが 8 隻のみであるのに対してケニアは 17 隻で、輸出量でもタ

ンザニアを上回っている。

海面漁業については、タンザニアの領海内(海岸から 12 マイル)での外国企業の操業

は禁止されており、国内企業のみが操業を許されている。

漁のシーズンは 3 月から 11 月 30 日までとされているが、2002 年は業者が 6 月 30 日

まで漁を自主規制している。魚の国際価格は下落傾向にあり、関連業者は厳しい経営を強

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いられている。天然資源観光省によると、1キログラム当たりの価格は冷凍のナイルパー

チが 2 ドル、小魚が 0.7 ドル、エビが 3.1 ドル、ロブスターが 7 ドルとなっている。

(3)流通経路

主要な経路としては次の3つが挙げられる。

a)水揚げされたものを、魚市場に持ちこみ、消費者へ販売する。

b)水揚げされたものを、加工工場を経由して輸出または国内販売する。

c)水揚げされたものを、船上加工し、そのまま輸出する。

(4)加工方法

加工方法では主に天日干し、塩漬け、燻製(くんせい)、冷蔵、凍結の5つが挙げられ

る。

2.カシューナッツ

(1)輸出概況

カシューナッツは、食品輸出品目の第2位で、輸出品目全体でも3位を占める規模とな

っている。2001 年の輸出額は前年比 28.5%増の 5,592 万 5,432 ドルで、その9割がイン

ド向けとなっている。タンザニアは、インド、ブラジルに次ぐ世界第3位の生産国で、99

年は年間 12 万トン、2000 年には 13 万 5,000 トンを生産している。一方、インドは 25

万トン、ブラジルは 16 万 5,000 トンを生産しており、新興国のベトナムも 99 年に 8 万

トンの生産から翌年には 13 万トンへと大幅に生産量を伸ばしている。このため、世界で

の総生産高は 99 年の 77 万 1,000 トンから 2000 年には 92 万 5,000 トンへと拡大してい

る。需要が伸び悩む中での供給増が価格低迷を招いており、これはタンザニアのカシュー

ナッツ産業にとっても望ましい状況とはなっていない。次善策として、ナッツの殻を取り

除く加工業へのシフトが望ましいが、加工されているのは全カシューナッツ生産量の 10%

程度に過ぎないのが現状である。

(2)カシューナッツ加工企業の直面する問題点

タンザニアの税務体系は、製造業にとって極めて重い負担をもたらすものとなっており、

カシューナッツ加工業も厳しい経営環境に直面している。

企業からのインタビューによれば、項目が多岐にわたる上に高水準である税金が操業コ

ストにも跳ね返っているという。農家、加工業者、輸出業者はそれぞれ、中央政府と地方

政府から様々な種類の税金を徴収されている。生産性や技術向上を促す課税評価システム

とはなっておらず、農家は多額の税負担のために生産意欲を減退させている。検査コスト

も高く、タンザニア殺菌研究機関(TPRI)ではトン当たりの検査費に 25 ドルも徴収をし

ている。借り入れ金利が 20%近くと高く、脆弱な道路インフラから燃費や車両整備費な

ども含めた輸送コストも高くなりがちである。さらに、タンザニア・カシューナッツ委員

会が輸出品の FOB 価格に対して3%を徴収するほか、1%の輸出税もかかる。また、地

方政府もカシューナッツの 1 キログラムの輸出に対して 100 シリングの重量税を徴収す

る。例えば、2001 年は 9,850 万キログラムが輸出されたため、地方政府だけで 98 億 5,000

万シリング分(約 11 億 8,000 万円)が徴収された計算になる。また、ダルエスサラーム

に拠点を置くプレミア・カシューナッツ・インダストリー社のファザル社長は、昨シーズ

ンの売上が 62 億シリング(約 7 億 4,000 万円)に対し、15%相当の 9 億 2,700 万シリン

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グ(約 1 億1,000 万円)が税金で差し引かれたと述べている。

現在の税務体系では、生(殻つき)のカシューナッツと加工カシューナッツ(殻を除い

たもの)の輸出業者を区別せずに課税がなされる。このため、タンザニアでの加工業にイ

ンセンティブが与えられる体系には残念ながらなっていない。また、加工業者からは船出

しの出荷時に税や課徴金を一括払いできるシステムの導入が望ましいとの提言が寄せられ

ている。このほかにも、タンザニア国内には微生物研究所がないことから、輸出業者はケ

ニアのモンバサで証明を受けなければならないなど、カシューナッツ産業が抱える課題は

多い。

(3)カシューナッツの流通経路

カシューナッツの流通経路は生産業者から農協を経て輸出業者に持ち込まれるが、農協

を経ずに輸出されるものもある。輸出業者は自ら、あるいは委託をして、ブレンドや包装、

ラベリングを行い、輸出している。

3.コーヒー

(1)輸出概況

タンザニアのコーヒー輸出は、食品輸出品目の第 3 位となっている。2001 年の輸出高

は 5,710 万ドルで輸出総額の 7.2%のシェアを占めている。しかしながら、輸出額は 96

年(1 億 3,611 万ドル)から5年間で 58%減と大幅に減少している。これは、ブラジル

やコロンビアなどでの増産で供給過多となった結果、価格が低迷していることが大きな要

因となっている。しかしながら、タンザニアのコーヒーは「キリマンジャロコーヒー」な

ど日本でも知名度が高く、日本向けの高品質のアラビカ種コーヒーは依然高値で取引され

ている。ただし、タンザニアのコーヒー産地は必ずしも北部のキリマンジャロの周辺のみ

ではなく、南部でも生産されている。

タンザニアのコーヒーを仕向け地でみると、2001 年にはドイツが 2,025 万ドルを買い

付ける一方、日本は 2 位のシェアで 1,200 万ドルを買い付けている。3 位(イタリア、371

万ドル)以下の国は取引額で大きく引き離されている。

(2)コーヒーの流通経路

農家の規模に関わらず、タンザニアのコーヒーはタンザニア・コーヒー委員会(TCB)

の管理の下で、モシ(キリマンジャロ山麓都市)でのオークションを通して競売にかけら

れ、ディーラーを通して国内外の市場に供出されている。オークションではコーヒーの種

類(アラビカ、ロブスタ)や等級のほか産地が明示され、日本からの買い手は特定産地と

高い等級のものを買い付けている。しかし、2002 年にコーヒー法が改正されて、オーク

ションに際して特定産地を明示せず、等級のみの表示になったとの情報もある。本稿では

確認できていないが、もしそうであれば産地を明示した形で売ることはできず、日本の買

い手にとっても影響があろう。

輸出免許(競売への参加資格)の取得は自由化されているが、これには日本の業者は参

加しておらず、代理店契約を結んだ輸出業者から調達している。

京都大学の辻村助教授の論文によれば、「モシでのオークションは、競売されるコーヒ

ー豆の販売業者(買い付け・加工業者)と購入者(輸出業者)は同じであり、競売価格が

どのような水準にあっても、企業内取引に過ぎない」とあり、外部からの競売への参入は

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事実上難しい側面があるといえる。また、タンザニア・コーヒー委員会における格付けは、

AA が大きさ、形、重さ、色ともに最高級豆であることを示す。最高級のものでAAKibo(キ

ボ)、AAKilimanjaro(キリマンジャロ )があり、以下 AAFine、AAGood、AAFairtoGood、

AAFAQPlas、AAFAQ と続く。FAQ は Fair Average Quality の意で、香味も含む総合的名

品質を示す。「日本は、AAFAQ 以上の注文が大半を占めており、タンザニア産マイルド・

アラビカ豆をブレンドせずに、ストレートで消費することが多いのが日本の特徴」という。

(3)昨今のコーヒー生産状況

タンザニア・コーヒー委員会(TBC)によると、2002 年 7 月 25 日から 2003 年 2 月 20

日までの期間にモシで開催されたコーヒーオークションの売上は、数量で 4 万 313 トン、

金額で 3,552 万 5,898 ドルであった。今年の作付けシーズンでは 5 万 8,000 トンが生産

されたと推計されている。オークションでの売上のうち、マイルド・アラビカは2 万 2,215

トン、ハード・アラビカとロブスタで 1 万 8,098 トンであった。今シーズンは天候にも

恵まれ、3 年前に植えられた新しいコーヒーの木が順調に育ったために生産が好調であっ

たとされる。コーヒー品質の向上は、市場での取引価格の上昇をもたらしている。AA の

アラビカ豆は 50 キログラム当たり 131.30 米ドル(あるいは 1 キログラム 2.62 米ドル)、

ロブスタ豆は 50 キログラム当たり 41.40 ドル(あるいは 1 キログラム 0.828 米ドル)で

あった。一方、採算が合わない農家の中にはトマトやジャガイモなど他の野菜に転作を始

める動きも出ており、二極化がみられている。

(4)インスタントコーヒー

以前は、ブレンドや包装及び販売はタンザニア・ティーブレンダーズ・リミテッド

(TTBL)社の独占であったが、民営化と自由化に伴い、90 年代中ごろから TTBL 社を介

さずに取引が始められるようになった。ここでは、「アフリカフェ」ブランドのインスタ

ントコーヒーの事例を紹介したい。

☆タンガニーカ・インスタント・コーヒー(タニカ)社

タニカ社は 1963 年に国営企業として設立され、ビクトリア湖西岸の地方都市ブコ

バにてインスタントコーヒーを生産している。資本金は 170 万ドル、80 名の従業員

がおり、年産500 トンのコーヒーを現在生産している。そのうち 150 トンはドイツ、

米国、英国、ケニア、日本、韓国にも輸出されている。同社はかつて、生産したイン

スタントコーヒーを TTBL 社に納め、TTBL 社は同社コーヒーをアフリカフェの商標

登録にて販売してきた。しかし、自由化に伴い、TTBL を通じた販売ルートのほかに、

自社独自の販売ルートを構築できるようになった。アフリカフェの商標権は TTBL が

持っており、同商標を使用するタニカ社は商標利用権を TTBL に支払っている。日本

への輸出も 2000 年から始まり、大手の卸業者も取り扱い始めたことからその日本で

の販路の拡大も期待されている。(同社 URL:http://www.africafe.com)

4.紅茶

(1)輸出概況

タンザニアの紅茶輸出は食品輸出品目の第 4 位で、全体の輸出でも第 7 位となってい

る。供給過剰による一次産品価格の低迷にコーヒーやカシューナッツがあえぐ中、紅茶の

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輸出額は着実に伸びている。2001 年の輸出額は 2,900 万ドルと前年比 11.3%減であった

ものの、96 年の 2,254 万ドルと比べると5年間で 28.7%増加している。しかし、97 年の

383 万ドル、97 年の 3,043 万ドル、2000 年の 3,270 万ドルの推移を見ると 3000 万ドル

前後で伸び悩んでいる状況にも見て取れる。輸出の場合は、主としてケニア・モンバサの

オークションでの競売に基づかれており、2001 年のタンザニア紅茶の主要輸出先は、歳

入庁(TRA)の統計によるとケニアが全体の 53%を占める 1,525 万ドル、英国向けが 24%

の 686 万ドル、パキスタン向けが 17.1%の 493 万ドルとなっている。2001 年の 9 月 11

日の米国での同時多発テロの影響で、一時パキスタン向けの輸出が停滞したことで、相場

が低迷したとしている。

(2)流通経路

タンザニアの紅茶は輸出に際し、その大半がケニアのモンバサ・オークションで競売に

かけられて輸出されている。しかし、オークションを経由せずに直接、企業からも輸出さ

れている。

また、かつては、紅茶のブレンドと詰込みはタンザニア・ティーブレンダーズ社が独占

していたが、民営化と自由化の流れの中で、同社も民営化された。このほか、加工業には

次の主要6社が参入している。“CHAI BORA”のブランドを持ち、イリンガ県のマフィ

ンガに生産拠点を構えるタンザニア・ティーパッカーズ (TATEPA)のほか、インターナシ

ョナル・ティー・パッカード社(タンガ)、ミルカフェ社(キリマンジャロ県モシ)、クリ

スピイ・キスト・フード社(ダルエスサラーム)、ワンダーフード社(ダルエスサラーム)、

トゥクュティーエステート社(ダルエスサラーム)である。

(3)生産概況

タンザニアの紅茶は 61 年の建国以前から、大規模プランテーションで栽培がなされて

きた。政府管轄下で紅茶生産に関する規制・支援・監督を行ってきたタンザニア紅茶オー

ソリティ(TTA、68 年設立)は、93 年に民営化が始まり、TTA から分離する形で小規模

農家の支援のための小規模農家開発局(SDA)が新たに設立された。また、生産者や紅茶オ

ーソリティを含む全ての業界関係者で構成されるタンザニア紅茶協会( TAT)も、89 年

には株式会社として再スタートをきることとなり、紅茶産業の促進と政府へのロビー活動

を行うことになった。研究機関では、96 年 7 月に輸出作物のための産業調査機関を設置

する必要性から、紅茶調査研究所(TRIT)が主要産地のムフィンディに設置された。TRIT

は有限会社として登録されるが、株式を発行しない非営利団体とされ、余剰金が出た場合

には資本積立金としての繰り入れがなされている。

タンザニアの紅茶は年産 2 万 5,000 トンで、その 90%が輸出に向けられている。タン

ザニアでの紅茶の耕地面積は 2 万 1,454ha で、小作農が 1 万 654ha に対して、大規模農

場は 1 万 800ha とほぼ半分に分かれている。しかしながら、その生産性の差は歴然とし

ている。小作農の生産性では、1haあたりの収穫量は92/93年度の500キログラムから2000

年には 150~350 キログラムへと大幅に下がっており、年産ベースでも 5,000 トンから

2,000 トンに低下した。これは、経営難となったタンザニア紅茶オーソリティが小作農か

ら買い付けた紅茶の葉の代金を滞納したことに起因している。一方で、ブルックボンド社

などの大規模農場は年産 2 万トン以上の生産を行い、収穫量も1ha あたり 2,000~3,400

キログラムと、小作農とは格段の違いをみせている。紅茶産業は 3 万人もの小作農と、2

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年11月から2002年10月までの12ヵ月移動累計生産量は、インドが82万8,006トン、

スリランカが30万6,988トン、ケニアが28万4,800トン、インドネシアが8万7,436ト

ン、バングラディッシュが5万4,133トン、マラウイが3万7,134トン、ウガンダが2万

7,463トン、ジンバブエが2万2,229トン、タンザニアが2万1,831トンとなっている。

紅茶葉の摘み取り作業

紅茶の包装作業

Page 12: 2003 年3月 日本貿易振興会 海外調査部...タバコは96 年の4,924 万ドルから2001 年には3,570 万ドル(28%減)と軒並み減少し ている。一方で、紅茶は96

5.アルコール飲料

5-1 ビール

(1)輸出概況 歳入庁の貿易統計によると、2000年と 2001年とを比べて輸出先の連関性はほとんどないものの、両年にまたがって日本にもわずかながらビールが輸出されているのは注目され

る。2000年はブルンジ、マラウイといった近隣国と英国、日本に輸出されているが、2001年はケニアが最大の輸出先となり、スイス、南アフリカ共和国、日本と続いている。輸出

総額は 2000年の 5,982ドルから 2万 4,697ドルへと 3倍増となっている。 (2)タンザニア市場概況 南ア系のサウスアフリカンブリュアリー( SAB)・ミラーインターナショナル社の子会社であるタンザニア・ブリュアリー・リミッテッド( TBL)社は、2002 年 6 月にケニアのビール会社 East African Breweries Ltd( EBL)社との資本提携を結んだ。これを機に、TBLと EBLの両社はそれぞれが国をまたいで所有していたビール工場を相互に売却した。これにより、南ア SAB社はタンザニア、ケニアの EBL社はケニアという市場のすみわけがなされることとなった。タンザニア統計局の統計によれば、タンザニアでのビール生産

は 1990年には 4,504万リットルであったのが、2000年には 306%増の 1億 8,300万リットルにまで伸びている。 5-2 コニャギ

(1)生産概況 サトウキビ由来のジンとして分類されるコニャギ( Konyagi)の生産は、タンザニア・ディスティラーズ社によって 72年から始まっている。コニャギのアルコール度数は 35%。同社も民営化の流れを受け、97 年には総資本の 70%をタンザニア・ブリュワリーズ・リミテッド( TBL)社、30%を同じく南ア系のディステル社が所有する経営体制となった。原材料のサトウキビは従来、タンザニア国内からの調達をしてきたが、サトウキビのカス

を処理する労力を省くため、現在は南アから調達している。タンザニア統計局によれば、

タンザニアでのコニャギの生産は 90年には 120万 3,000リットルであったが、2000年には 84%増の 221 万 4,000 リットルにまで拡大している。輸出は、主としてケニアやコンゴ(旧ザイール)など近隣諸国向けが中心となっている。 500ml、200ml、30mlの3サイズがあり、工場出し価格は 16本1セットで 24ドルとなっている。

コニャギのサンプル

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6.スパイス

(1)輸出概況

タンザニアからのスパイスといえば、丁子(クローブ)が対日貿易上でも大きな位置付

けにある。日本の財務省統計によると、2001 年のタンザニアからのクローブの輸入額は

84 万 4,000 ドルで、対タンザニア輸入の 1.3%に過ぎないが、数量別輸入相手国でみると

日本でのクローブ全輸入量 319 トンに対して、マダガスカル産の 136 トン(42.6%シェア)

に続く、第 2 位の国としてタンザニアが 126 トンと日本の需要の 39.5%を占めるに至っ

ている。クローブは、その強く豊かな香味から香水や芳香剤で活用されるほか、臭みを取

る効果から肉料理にも利用される。また、その成分は鎮痛効果もあり、歯の痛み止めの成

分としても利用されている。日本ではカレーのルーの材料が用途の1つとなっている。タ

ンザニア歳入庁の統計では、日本向けの輸出額は見受けられないが、シンガポール経由で

の輸出がなされていると考えられる。

このほかの胡椒(こしょう)、チリ、ジンジャー、ナツメグ、シナモン、カダモン(あ

るいはカルダモン)などの香辛料は、生産規模が小さく、ザンジバルの組合の統計でも 2000

年の黒胡椒の生産量は 21.5 トン、チリで 32.5 トン、ジンジャーで 3.25 トン、ターメリ

ックで 59.2 トン、ナツメグで 3.8 トン、シナモンで 10 トン、カダモンで 0.5 トンなどと

少量に留まっている。

主なスパイス加工業者は5社あり、そのうちの TAZOPと ZAN-GEM はドイツ人が経営

に参画しており、ドイツやヨーロッパにも輸出実績をもっている。また、ザンジバル貿易

公社(ZSTC)はクローブの独占販売権を持っているが(クローブを収穫した農家は ZSTC

にしか売ることができない)、クローブ市況価格の低迷でかつてほどのクローブからの収

入の恩恵は受けていない。しかし、レモングラスなどのエキスを抽出し販売するなど、商

品の多角化にも取り組んでいる。

(2)生産概況

タンザニアのスパイスは、クローブを除けば、まだその生産の歴史は浅く、ほとんどの

輸出加工業者は 90 年代から操業を開始している。農家から新鮮なスパイスと乾燥したス

パイスを買う比率は違うが、企業によっては品質管理の観点から生産拠点に製造拠点を併

設し、農家からは新鮮なものだけを買い、自ら品質向上に努めている企業もある。検査に

関しては、検査費用が極めて高いことが問題となっている。また、タンザニアの検査機関

の精度への不信から、外国の顧客にサンプルを送付してチェックをしてもらい、了承を得

たら信頼ベースで商品を発送している企業もある。オーガニックの認証を受けて、付加価

値作りを目指しており、IMO(スイスのオーガニック認証機関)の有機認証を得ている企

業もある。スパイスの主要産地であるザンジバルでは、ザンジバル農業省のマワティマ・

ジュマ博士が IMO の認証査察官も兼務できるまでに至っている。今後の市場開拓を図る

うえでは、タンザニアのスパイス成分値などのスペックを公表してその品質を安定させる

ことや、農家の生産者レベルからの品質管理教育を充実させることも要件なろう。

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スパイス①

スパイス②

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スパイス③ 7.産業界から政府への要望

タンザニア工業連合会( CTI)では、加盟企業のために定期的に政府に対してのロビー

活動を行っているが、上述の魚、カシューナッツ、コーヒー、紅茶、アルコール、スパイ

ス産業を含め製造業に共通して挙げられるのが、電力・水道のコスト高とその不安定供給、

多岐にわたる税・課徴金(ライセンス料含む )、道路インフラの脆弱性、貸出金利の高さで

ある。とりわけ電力に関しては、タンザニアは産業立地が少ないことから顧客一人当たり

の電力消費量が少ないのが特徴(当地コンサルタント)といわれており、配電などの面か

らも高コスト構造にある。

付加価値税( VAT)の税率は20%と、近隣のケニア、ウガンダと比べても高いため、VAT

の低減や免除を求める要望も強い。税負担の重さはタンザニアで密輸が横行する一因とさ

れ、当地進出企業の生産活動の妨げとなっている。食品加工産業を担う現地資本あるいは

外国資本を支援するためには、タンザニアをとりまく投資環境の改善が焦眉の急となろう。

出所:タンザニア中央銀行 Economic Bulletin31 March 2002

タンザニア予算教書 財務省

TANZANIA Sustainable Industrial Development and Competitiveness UNIDO

貿易統計 タンザニア歳入庁、日本財務省

生産統計 タンザニア統計局

タンザニア産のコーヒー豆の輸出構造と価格形成制度-辻村 英之

フードシステム研究 第8巻2号

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参考資料

タンザニア輸出上位20品

出所:タンザニア歳入庁

    2000 年 2001 年 2001 年 2001 年

HS コード 項目 金額(USD) 金額 (USD)

重 量

(KGM)

構成比(金額

ベース、% )

増減率(金

額ベー

ス、%)

合計額 

656,142,80

9

769,154,48

9

721,351,3

04 100 17.2

7108金 113,708,668

207,759,15

0

29,766 27.0 82.7

0304

魚のフィレ、その他魚

肉 65,715,587

84,436,0

55

38,270,

735 11.0 28.5

0801

ココやしの実、ブラジ

ルナッツ、カシューナ

ッツ 84,058,243

55,925,4

34

98,503,

381 7.3 △ 33.5

0901コーヒー 83,079,853

55,589,6

83

48,391,

555 7.2 △ 33.1

2616貴金属鉱 855

45,659,9

94

22,650,

970 5.9 5,340,250.2

2401

たばこ (製造タバコを除

く)及びくずたばこ 38,160,565

35,669,2

06

18,885,

572 4.6 △ 6.5

0902茶 32,324,856

28,398,1

45

22,981,

292 3.7 △ 12.1

7102ダイヤモンド 41,794,702

26,590,0

40

752 3.5 △ 36.4

5201実綿及び繰綿 28,070,039

24,620,5

20

29,632,

132 3.2 △ 12.3

7103貴石及び半貴石 18,444,849

20,365,5

77

93,022 2.6 10.4

0713乾燥した豆 3,979,256

14,833,1

85

49,236,

176 1.9 272.8

0907丁子(クローブ) 7,055,980

12,433,0

60

2 ,455

,828 1.6 76.2

0306生鮮、冷凍甲殻類 6,896,706

9 ,318,

078

2 ,067

,882 1.2 35.1

5203綿 7,308,499 9 ,089, 7 ,192 1.2 24.4

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289

721 ,297

1701

甘しや糖、てん菜糖及

び科学的に純粋なしよ

糖 4,975,061

8 ,816,

339

22,241,

200 1.1 77.2

1207その他の採油用の種 8,773,019

8 ,430,

896

18,437,

059 1.1 △ 3.9

0603切花及び花芽 8,106,871

6 ,778,

966

3 ,952

,660 0.9 △ 16.4

5304

サイザルその他アゲ -ブ

属の紡績用繊維 5,564,904

6 ,663,

476

13,978,

626 0.9 19.7

4101

牛または馬類の動物の

原皮 5,778,250

6 ,348,

504

7 ,778

,450 0.8 9.9

7010

ガラス製のビン、フラ

スコ、ジャー、つぼ、

アンプルその他の容器 6,675,915

5 ,849,

133

16,702,

939 0.8 △ 12.4

注:US ドルベースの金額は 1 ドル 875.3 シリングで換算されてい

る。