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リモートセンシング講習会 高知工科大学 社会システム工学科 高木方隆 1.リモートセンシングの原理

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リモートセンシング講習会

高知工科大学社会システム工学科

高木方隆

1.リモートセンシングの原理

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リモートセンシングに何を求める?

位置の計測

物体判読地図(主題図)の作成

地理情報システムへの入力

地形土地被覆の状態海洋の状況

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位置や地形の計測

測量による直接的な計測 → GPS

写真による計測 → デジタル画像

プロセスのスピード

計算機による自動処理

航空機からの計測 → 人工衛星

周期的な観測

画像取得におけるコストリモートセンシングの領域

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ステレオ画像による計測

Spacial Resolution: 10m

Off Nadir Angle: 27 degree

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新しい地形計測技術

レーザによる計測

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物体の判読

写真からの目視判読

プロセスのスピードは極めて遅い

デジタル画像からの自動判読 → 人工

衛星の利用

周期的な観測

画像取得におけるコスト電磁波の特徴を利用した判読

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リモート・センシングは電磁波を利用

0.1nm 10nm 1µm 100µm 10mm 1m 100m 10km

10µm7510.80.60.4

ultraviolet visible near InfraredshotwaveInfrared

inter-mediateInfrared

thermal Infrared

X-rayγ-ray micro wave

radio wave

ultraviolet Infrared

E = h νC = ν λ

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リモートセンシングの種類

可視・反射赤外の利用

熱赤外の利用

マイクロ波の利用

0.5µm 3µm 10µm

太陽光の反射

対象物の放射

波長

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光学式センサとマイクロ波センサ

光学式センサ(LandsatTM) マイクロ波センサ(JERS-1 SAR)

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物質と電磁波の相互作用1

原子・分子による吸収

媒質の伝導率で特徴づけられる

原子・分子による散乱

散乱は振動数の4乗に比例する

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物質と電磁波の相互作用2

大気による吸収・散乱 → 消散

分子レベルでの散乱(レーリー散乱)

単位体積あたりの粒子の数,大気の屈折率がファクターとなる

エアロゾルによる散乱(ミー散乱)

粒子の半径,散乱断面積係数がファクターとなる

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散乱現象のシミュレーション例

気象条件の違いを克服すべく大気補正が必要

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物質と電磁波の相互作用3

黒体放射

プランクの法則で表現可能

波長

黒体

グレイボディ

選択的放射体

1

0

波長

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地表面の放射特性

赤外領域での放射特性

プランクの法則を改良したウィーンの法則を利用

λが小さい場合の近似式

λ=0.9μm~10μmの範囲で適用

水面の温度推定に利用

マイクロ波領域での放射特性

プランクの法則を改良したレーリー・ジーンズの法

則を利用

λが大きい場合の近似式

λ=3mm~30mmの範囲で適用

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地表面の反射特性

Landsat TMの例

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可視・近赤外域でのセンサの観測波長

Wave Length (µm)

NOAAAVHRR

MOS-1MESSR

0.5 0.6 0.7 0.8 1.0

Band1 Band2 Band3 Band4

Band1 Band2

0.90.4

Band1 Band2 Band3 Band4

Band1 Band2 Band3JERS-1OPS

LandsatTM

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分光反射特性を利用した植生の把握

植生指標NDVIの算出法

NDVI = IR - VR

IR + VR

IR: 近赤外域のカウント値VR: 可視赤域のカウント値

Reflectivity

Wave Length

Green

Visible Band

Near Infra Red

Red

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植生指標による判読結果

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定量的な判読を実現するために

現地における地上観測の必要性

キャリブレーションデータの取得

最適な地上観測サイトの選択

土地被覆の状態が均質

晴天率の高さモンゴル

ミクセルの問題

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モンゴルにおける観測項目

分光反射に関する観測

植生量の把握

土壌の把握

近い距離での分光反射率の計測

大気に関する観測

気温・水蒸気量のプロファイル計測

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モンゴル草原での観測

20日以上に及ぶキャンプ生活

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植生調査と分光観測

植生量測定

分光観測

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土壌観測

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土壌の粒度・含水比・有機物の計測

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草原の分光反射特性千葉大学の観測データを抜粋

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植被率とNVIとの関係千葉大学の観測データを抜粋

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土壌水分の観測結果

0

50

100

150

200

250

300

4-Aug 5-Aug 6-Aug 7-Aug 8-Aug 9-Aug 10-Aug

30cm

60cm

90cm

Podzol

Water

Root

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まとめ

リモートセンシングによる位置計測

空間分解能の向上により航空写真の代替へ

リモートセンシングによる物体判読

統計手法による方法 → 定量的な把握が困難

現在一般的に行われている方法

分光反射特性を利用した方法

スペクトル分解能の向上 近い将来解決される

対象に応じたセンサの選択 → ユーザがセンサを選択

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番外編(モンゴルの星空)