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1 乳幼児期における食育の現状と課題
保健センターでは,生後5箇月から6箇月頃(初期)と生後9箇月から1
1箇月頃(後期)に各々月1回の離乳食教室と年9回の育児健康相談会で
離乳食相談を実施しています(表5,表6)。また,南守谷児童センター
では,年2回の離乳食相談を実施しています。どの離乳食相談でも,「児
の発達に合わせた与え方」に関しての相談が多い状況です。
離乳食教室(後期)になると,子どもの成長に合わせて,離乳食の種類
や与え方を変える必要があるため,食べムラ,アレルギーなどの「食べ方」
「食材」に関することや,「離乳食の作り方」「母乳やミルクとのバランス」
などの質問が初期に比べ多くなります(グラフ7)。
保護者は離乳食を進めていく上でさまざまな悩みを抱えており,具体的
な相談を個別に対応している状況から,乳児を持つ親に対し相談できる機
会を設けるため,離乳食相談を継続して行う必要があります。
表5 離乳食教室(保健センター実施)の参加状況
初期 後期
対象者
(人)
参加者
(人)
参加率
(%)
対象者
(人)
参加者
(人)
参加率
(%)
平成23年度 672 348 51.8 645 285 44.2
平成27年度 651 331 50.8 671 261 38.9
●乳児期
①離乳食の与え方がわからないという保護者が多い
②離乳食教室後期(生後9箇月から11箇月頃)では,離乳食の相談内
容が多様化
第4章 食育に関する現状と課題
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表6 離乳食相談の実施状況(平成27年度)
相談場所 件数 実施回数
保健センター(育児健康相談会) 153件 9回
南守谷児童センター 40件 2回
グラフ6 保健センターの離乳食教室(初期)での質問内容
グラフ7 保健センターの離乳食教室(後期)での質問内容
人 平成 23 年度 n=348
平成 27 年度 n=331
平成 23 年度 n=285
平成 27 年度 n=261
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3歳児(注3)の就寝時間が22時以降の割合は,平成23年度の35.
0%から平成27年度には24.4%と減少しています(グラフ8)。
成長ホルモンは,22時以降に多く分泌されると言われています。その
ため,成長ホルモンの分泌が活発な幼児期は,“早寝・早起き”が必要と
されていることから,今後も行政と保育所(園)・幼稚園が連携し,保護
者に起床・就寝時間を整えることや食事時間を決めることの大切さを,伝
える機会や方法を工夫する必要があります。
注3:3歳児とは,3歳5か月児健康診査(3歳5箇月から4歳未満)受診者
グラフ8 3歳児 22時以降の就寝割合
●幼児期
・就寝時間が22時以降の割合は24.4%
平成 23 年度 n=631
平成 27 年度 n=633
母子保健推進員による
「早寝早起き朝ごはん」
ペープサート(紙人形劇)
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平成27年度の3歳5か月児健康診査時の「歯みがき・食事についての
アンケート」によると,前回の調査とほぼ横ばいの29.7%が,「おや
つを食べ過ぎて食事をとらないことがある」と回答しています(グラフ9)。
また,好きな物ばかり食べている3歳児の割合が,前回のアンケート結
果より3.8ポイント増加し,52.0%となっています(グラフ10)。
このことから,3歳児の約3割が「おやつが食事代わり」になっており,
5割を超える3歳児が,好きな物ばかり食べていることから,食材やメニ
ューなど食事に偏りがある可能性があります。そのため,3食バランスよ
く食べることの大切さを伝えていくことが必要です。
グラフ9 3歳児 おやつを食べ過ぎて食事をとらない割合
グラフ10 3歳児 好きな物ばかり食べている割合
●おやつと3度の食事
①3歳児の29.7%が「おやつを食べ過ぎて食事をとらないことがあ
る」
②好きな物ばかり食べている3歳児の割合は52.0%
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3歳児の一人当たりの平均むし歯数は,平成23年度から減少傾向であ
り,茨城県の平均値と比べても低くなっています(グラフ11)。
また,むし歯の本数とおやつの時間の関係では,おやつの時間が決まっ
ていない3歳児は,決まっている3歳児に比べ,むし歯がある割合が高い
ことが分かりました(グラフ12)。
3歳児の食事では,大人と同じような硬さや弾力のある食材が入るため,
よくかんで食べることが必要になります。「よくかんで食べる」ためには,
おやつの時間を決めるなど,むし歯を作らない食習慣が重要です。
グラフ11 3歳児の一人当たりの平均むし歯本数
グラフ12 3歳児 おやつの時間とむし歯の関係
●おやつの時間とむし歯
①一人当たりの平均むし歯数は減少傾向
②おやつの時間が決まっていない3歳児は,決まっている3歳児より
むし歯が多い
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2 児童・生徒における食育の現状と課題
小学生及び中学生全体では,肥満(注4-1)傾向児の割合は,茨城県と
比べて低くなっていますが(グラフ13),やせ(注4-2)傾向児の割合は
3年前に比べて増えています(グラフ14)。特に,中学3年生男子のや
せの割合は国・県と比べて高くなっています。
学年が上がるにつれて自分で食を選んで食べる機会が増えてきますの
で,将来の健康な体づくりのために,自分の体に合った食事のバランスや
量を知り,選んで食べることが大切です。
グラフ13 肥満傾向児(国・県・市)の割合
肥満傾向児:肥満度20%以上(注4-1)
●児童・生徒の体格
・小学6年生及び中学3年生は,やせ傾向が増えている
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グラフ14 やせ傾向児(国・県・市)の割合
やせ傾向児:肥満度-20%以下(注4-2)
注4-1 注4-2:村田式標準体重による肥満度判定
判定 やせ 普通 肥満
肥満度
やせすぎ やせ 普通 軽度肥満 中等度肥満 高度肥満
-20%以下
-10%以下
-20%より
大きい
20%未満
-10%より
大きい
20%以上
30%未満
30%以上
50%未満 50%以上
■肥満度(%)=(体重(㎏)-標準体重(㎏))÷ 標準体重(㎏) × 100
■村田式標準体重算出方法
小6:男子標準体重(kg)=0.782×身長(㎝)-75.106 女子標準体重(kg)=0.803×身長(㎝)-78.846
中3:男子標準体重(kg)=0.832×身長(㎝)-83.695 女子標準体重(kg)=0.594×身長(㎝)-43.264
資料:茨城県学校保健会肥満統計
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朝食を毎日とっている割合は,平成28年度では,小学6年生89.7%,
中学3年生81.3%となっており,平成24年度と比べてどちらの学年
も横ばいの状況です(グラフ15)。
朝食の欠食は,身体活動が活発な小中学生では,午前中のエネルギー供
給が不十分となるため,今後も朝食摂取を推進することが必要です。
また,朝食で野菜を食べている割合は,小学6年生で44.9%,中学
3年生で36.3%となっており,平成24年度と比べてどちらの学年も
増加していますが,野菜の摂取率は低い状況です。夕食で野菜を食べてい
る割合は小学6年生で88.7%,中学3年生では91.9%と朝食と比
べて食べている割合は高いことが分かります(グラフ16)。
野菜には,カリウムや食物繊維などが含まれており,高血圧予防・便秘
予防などの効果があることから,毎食食べることが理想です。
朝食を毎日とること,野菜を食べる習慣を付けることで,将来の生活習
慣病予防につなげることが大切です。
グラフ15 児童・生徒が毎日朝食をとっている割合
資料:児童・生徒の食の意識調査より
●朝食摂取と野菜摂取
①朝食を毎日とっている小学6年生89.7%,中学3年生81.3%
②朝食で野菜などの副菜を食べている小学6年生44.9%,中学3年
生36.3%
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グラフ16 いつもの食事で野菜(副菜)を食べている割合
食事前に手洗いをする割合は,小学6年生で63.3%,中学3年生で
54.0%,また,食事であいさつをする割合は,小学6年生で88.3%,
中学3年生で82.3%と学年が上がると減少しています。また,前回の
調査と比較しても食事前の手洗いを行っている割合は,両学年とも下がっ
ています(グラフ17)。
食事のあいさつは,感謝の気持ちを表すだけでなく食事のマナーの基本
でもあることから,年齢に関係なく食事のあいさつと手洗いは,家庭や学
校においても行うことが必要です。
グラフ17 食事前の習慣(給食以外)
●食事のマナー
①小学生から中学生になると,「食事前の手洗い」や食事で「いただ
きます・ごちそうさまのあいさつ」をする割合が減少
②食事前の手洗い習慣が定着していない
平成 24 年度 小 6 n=617 中 3 n=520
平成 28 年度 小 6 n=708 中 3 n=589
平成 24 年度 小 6 n=617 中 3 n=520
平成 28 年度 小 6 n=708 中 3 n=589
平成 24 年度 小 6 n=617 中 3 n=520
平成 28 年度 小 6 n=708 中 3 n=589
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家庭と学校の食についての情報を共有する手段の一つとして,「こんだて
ひょう」が活用されています。家族に「こんだてひょう」をいつも見せる
小学6年生の割合は64.3%,時々見せる割合は25.8%,またいつ
も見せる中学3年生の割合は43.8%,時々見せる割合は28.4%と
学年が上がると減少しています(グラフ18)。
また,保護者への情報提供として,給食センターのホームページに毎日
の給食を写真付きや毎月1日に発行する給食だよりを掲載し,さらに給食
だよりについては学校で掲示しています。
子どもが健やかに成長していくためには,保護者が「こんだてひょう」
「ホームページ」を活用し,給食のメニューや食に関する情報などを知る
ことで,家庭でもバランスのとれた食事がとれるようにすることが必要で
す。
●「こんだてひょう」「給食だより」の活用
・家族に見せている小学6年生90.1%,中学3年生72.2%
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グラフ18 「こんだてひょう」「給食だより」を家族に見せている割合
~給食だよりの例~
平成 24 年度 小 6 n=617 中 3 n=520 平成 28 年度 小 6 n=708 中 3 n=589
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野菜を食べるように気を付けている小学6年生の割合は,前回の調査(平
成24年)と比べて0.2ポイント上がり68.8%になっており,同様
に中学3年生も4.6ポイント上がり62.6%になっています(グラフ
19)。
野菜に含まれているカリウムには,ナトリウムを排泄する働きがあり,
高血圧予防のほか,便秘予防,抗酸化作用があるなど,今後も野菜摂取の
必要性を啓発していく必要があります。
また,しょっぱいものを食べ過ぎないよう気を付けている小学6年生の
割合は,42.2%,中学3年生では26.8%と,学年が上がると下が
っています(グラフ19)。これは,加工食品やスナック菓子など自ら購入
し食べる機会が増えることで,味の濃さに慣れてしまっている可能性があ
ります。茨城県の1歳から17歳までの食塩摂取量の調査結果からも,幼
児や児童・生徒の7割以上が,塩分目標量を超えている状況が分かりまし
た。
長期間にわたる食塩摂取が将来の血圧に影響するため,子どもの頃から
薄味に慣れるよう減塩に取り組む必要があります。
グラフ19 食事で気をつけていること (複数回答)
●食習慣
①野菜を食べるよう気を付けている小学6年生68.8%,中学3年生
62.6%に増加
②しょっぱいものを食べ過ぎないよう気を付けている小学6年生は4
2.2%,中学3年生では26.8%と,学年が上がると気を付けて
いる割合は低下
n=708 n=589
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注5:BMIとは,Body Mass Index(体格指標)の略であり,肥満の判定に用いられる数値です。
体重(キログラム)を身長(メートル)で2回割った値であり,日本肥満学会では,18.5未満を「や
せ」,18.5以上25.0未満を「普通」,25.0以上を「肥満」とし,日本人は22を標
準としています。
3 成人期における食育の現状と課題
食育アンケートの結果,男性と女性の体格指標に差があることが分かり
ました。男性は肥満傾向(BMI25以上)の割合が高く,各年代ともに
20%以上該当し,特に40歳代以上では3人から4人に1人が肥満傾向
になっています(グラフ21)。
缶コーヒー,ジュース,スポーツドリンクなど糖質の入っている飲み物
を毎日飲んでいる割合は,男性は20歳代から50歳代では3割から4割
であることが分かりました(グラフ22)。
40歳代以降は,内臓脂肪が蓄積しやすく,メタボリックシンドローム
から高血圧や糖尿病などの生活習慣病になりやすくなるため,できるだけ
早期に肥満を改善する必要があります。
女性は,県と比較してもBMI25以上の肥満の割合は低く,食育アン
ケートの結果では,20歳代や30歳代ではBMI18.5未満のやせ傾
向の方が2割弱います。若い女性のやせは,貧血や生理不順などになりや
すく,3食食べること,またバランスよく主食,主菜,副菜を食べること
で適正体重を維持していくように心がけることが必要です。
グラフ20 年齢調整有所見率のBMI経年度変化(県平均と守谷市)
資料:平成28年度茨城県市町村別健康指標Ⅳ:茨城県・茨城県健康プラザ
●体格指標
①40歳代以上の男性は25%以上が肥満傾向(BMI(注5)25以上)
②20歳代女性の19.8%がやせ傾向(BMI18.5未満)
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特定健診の結果,メタボリックシンドローム該当者の男性は26.8%
で,横ばいの状況です(グラフ23)。また,血圧有所見者(血圧が基準
値より高い人)の割合は,収縮期(最高)血圧では,男性44.2%,女
性37.2%,拡張期(最低)血圧では,男性12.1%,女性7.5%
となっており,男女ともに年々低下していますが,男性の割合が多い状況
です(グラフ24)。血糖値(HbA1c)有所見者(基準値より高い人)
の割合は,男女ともに65歳以上が多く,年々有所見者の割合が増加して
います(グラフ25)。
守谷市は,全国と比べて明らかに高い死亡原因はありませんが,生活習
慣病を放置することで,自覚症状がないままに悪化し,脳血管疾患や糖尿
病性腎症など重症化につながります。
メタボリックシンドロームになると,内臓脂肪の蓄積により,血管の収
縮やインスリンの働きが悪くなり,高血圧や糖尿病になりやすくなること
が分かっています。
野菜に含まれているカリウムには,血圧を上げやすくするナトリウムを
排泄する働きがあり,高血圧予防に効果があると言われています。また,
野菜に含まれる食物繊維には,腸内環境を整えるほか,食後の急激な血糖
値上昇を予防すること,コレステロールや脂肪の吸収を抑えること,食べ
過ぎを予防することなど,野菜は生活習慣病予防にも効果があることが知
られています。
生活習慣病予防には減塩も有効な手段となりますが,現状では塩分のと
り過ぎに気を付けている人の割合が平成28年度では46.7%であり,
前回の調査時と比べてもほぼ同程度の状況です(グラフ27)。
また,塩分摂取の目標量について理解している割合は,男性26.6%,
女性41.7%で,特に男性の割合が低い状況です(グラフ28)。
減塩を推進するためには,塩分摂取目標量の理解と具体的な減塩方法の
啓発に取り組む必要があります。
●生活習慣病
①メタボリックシンドローム該当者が男性は26.8%,女性7.3%
②特定健診の結果,血圧が基準値より高い人の割合は年々低下傾向
③特定健診の結果,血糖値が基準値より高い65歳以上が年々増加
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食育アンケートの結果,外食をほぼ毎日,または週2回から3回利用し
ている男性の合計割合は30歳代から50歳代が多く,50%前後利用し
ています。また,女性は20歳代で47.6%利用していることが分かり
ました(グラフ29)。
惣菜や弁当の利用は,外食ほど性別や年齢に差がなく,週2回から3回
以上利用している男性の割合は30.4%,女性は21.9%となってい
ます(グラフ30)。さらに,惣菜や弁当などを毎日利用している人ほど,
BMI25以上(肥満)の割合が高くなっていることも分かりました(グ
ラフ31)。
外食や惣菜,弁当は手軽に利用でき便利ですが,選び方によっては栄養
の偏りや塩分,カロリーの過剰摂取を招きやすくなります。
このようなことから,外食や惣菜を選ぶ際には,主食・主菜・副菜を揃
えるなどバランスに配慮して選ぶこと,カロリーオーバーにならないよう
に選ぶことが大切です。
外食や弁当を利用する頻度が多い年代は,20歳代から50歳代と働く
世代であることから,飲食店やスーパーマーケット,社員食堂などで健康
情報を発信することやヘルシーメニュー(注6)の提供などを推進するこ
とが必要です。
~野菜 350gパネル~
●外食等の利用
①外食を多く利用する年代は,男性30歳代から50歳代,女性20歳代
②惣菜や弁当は,男女関係なく各年代で利用している
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注6:ヘルシーメニューの種類(「いばらき健康づくり支援店」登録ガイドラインより)
◆野菜たっぷりメニュー:1献立中の野菜使用量120g以上
◆エネルギーひかえめメニュー:1献立のエネルギー600KCal以下
◆食塩ひかえめメニュー:1献立中食塩相当量3g以下
◆脂肪ひかえめメニュー:1献立中の脂肪15g以下
注7: 統計用語。p値は,2つの項目が「無関係である確率」を意味しています。通常は,
この確率が5%(p<0.05)未満である場合に,関係あり(有意)と解釈されます。
グラフ31 肥満(BMI25以上)と市販の惣菜・弁当の利用頻度割合
~ヘルシーメニュー(1食分の献立例)~
ほうれん草のシューマイ/鶏肉とれんこんの
すりおろし汁/さつまいもとりんごのきんとん
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望ましい食生活の推進のため,食のボランティアとして食生活改善推
進員が地域で活動しています。しかし,食生活改善推進員の会員数が減少
傾向になっています(グラフ32)。
アンケートの結果,現状では食生活改善推進員を知っている男性が6.
4%,女性13.1%と低い状況です(グラフ33)。
今後も地域で食育を推進していくために,食生活改善推進員の認知度を
高め,会員数を増やしていくことが重要です。
グラフ32 食生活改善推進員数の推移
※平成26年度は食生活改善推進員養成講座を開催
グラフ33 食生活改善推進員の認知割合
●食育活動の活性化
①食生活改善推進員の会員数が減少傾向である
②食生活改善推進員の認知度が低い
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4 高齢期における食育の現状と課題
食育アンケートの結果,70歳代で3食食べていない人が6.5%前後
いることが分かりました(グラフ34)。高齢になると,食事の消化吸収
の働きが低下してくるため,3食食べて必要なエネルギーを確保すること
も大切です。また,肉や魚などのタンパク質は,筋肉や血液をつくる,免
疫機能を高めるなど体にとって重要な役割があるため,不可欠なものです。
3食の内容をみると,男女とも朝食で約4割,昼食で約5割,夕食で3
割前後の人が主菜(肉や魚)を食べていないことが分かりました(グラフ
35)。
高齢者は,食事摂取量の低下が身体機能の低下に直結しやすいため,3
食食べることと併せ,主食と主菜をバランスよく食べることが重要です。
3食食べている状況をひとり暮らしの人と同居者がいる人で比べてみ
ると,ひとり暮らしの人の3食食べている割合が低いことが分かりました。
特に男性のひとり暮らしの人は,同居者がいる人と比べて3食食べている
割合や主菜(肉や魚)を食べている割合が低い状況です(グラフ36,3
7)。
調理をする人の割合をみると,女性が高く男性の割合が低いことからも,
ひとり暮らしの男性が3食食べる割合が低いと考えられます(グラフ3
8)。
高齢者にとって,食べることは楽しみであり,身体機能の低下を予防す
るのに大切な要素であることから,食の支援を多方面から考えていく必要
があります。
● 3食食べている割合
①70歳代の6.5%前後の人が3食食べていない
②昼食で主菜(肉,魚など)を摂取している割合は男女とも50%以下
③ひとり暮らしの人は,家族がいる人と比較して3食食べている割合が
低い
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いつまでも豊かな食生活を送るためには,健康な歯を保つことが大切で
す。
食育アンケートの結果,「よくかんで食べられる」と回答した人は,男
性が79.9%,女性が81.3%と前回と同程度の状況であり,15%
を超える人がよくかんで食べられない状況です(グラフ39)。また,歯
みがき習慣がない人は,前回の調査と比べ少なくなっていますが,男性で
は7.3%,女性では2.9%いることが分かりました(グラフ40)。
高齢期において,十分な栄養摂取や飲み込む機能の維持のために,歯と
口腔の健康を保つことは重要なことです。そのためにも,食後の歯みがき
や口腔ケアの習慣と,自分の口腔の状態に合わせてゆっくりよくかんで食
べる食習慣を啓発する必要があります。
グラフ39 70歳代 よくかんで食べている割合
グラフ40 70歳代 歯みがきを 1日1回以上実施している割合
●よくかんで食べられない
よくかんで食べられない高齢者が男性17.7%女性15.2%
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食育アンケートの結果,弁当や食材の宅配サービスを知っている割合は,
男性80%前後,女性90%前後と前回の調査より6ポイントから10ポ
イント高くなっていますが(グラフ41),利用者の割合をみると,前回
の調査と同程度の10%前後の利用状況です(グラフ42)。
ひとり暮らしと同居者がいる人との宅配サービスの利用状況を比べる
と,女性のひとり暮らしの人が同居者がいる人より利用状況が高いことが
分かりました(グラフ43)。また,調理をしないときに利用しているも
のとして,スーパーマーケットの惣菜やコンビニエンスストア,買い置き
のパンやカップ麺が高く(グラフ44),調理ができなくなったときには,
宅配サービスを利用したい人が多くなります(グラフ45)。
高齢者になると身体の状況や自宅周辺の環境から,自ら食品を手に入れ
ることが困難になることもあります。食べることは,健康維持や自立した
生活を送るうえで重要であり,食べる楽しみや生きがいにもつながるため,
買い物や調理が難しくなった場合に宅配サービスなどを気軽に利用する
ことが必要になります。
●食生活に関する情報
①自分で調理する男性はひとり暮らしが多く,3食食べている割合は低い
②弁当や食材の宅配サービスを知らない男性は20%未満,女性は10%前
後
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グラフ43 同居の有無による宅配サービス(弁当または食材)利用の
割合
グラフ44 調理や買い物ができないときに利用しているもの
グラフ45 調理や買い物ができないときに利用したいもの
n=171
女性
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5 地産地消における食の現状と課題
日頃私たちは,旬の食べ物や地域の食材など多様な食べ物を組み合わせ
て料理することで,おいしく食べられ,さらにバランスのとれた食事にな
っています。
食育アンケートの結果,毎日の食品を選ぶときに気をつかうことは,男
女や年齢に関係なく,「新鮮さ」で選んでいる人が多いことが分かりまし
た(グラフ46)。
また,地元産の野菜などが手軽に購入できる直売所を利用している割合
が,女性では23.7%とスーパーマーケットに次いで高い状況であり,
身近な場所で新鮮な食材を求めている傾向が分かります(グラフ47)。
安全で安心な食品の安定した生産及び供給並びに地産地消と食育の連
携を図るために,守谷市いただきます条例が(平成27年4月施行)制定
されています。学校給食では,地域の食材を活用することを進めており,
茨城県産及び地元守谷産の食材を利用しています。今後も地元産の食材及
び食品を活用し,子どもたちに地元産の食材などを理解してもらうことが
必要です。
グラフ46 食品を選ぶときに気をつかうことは何か (複数回答)
●地産地消
①食品を選ぶ基準は,新鮮さ・値段・安全性
②学校給食の食材に守谷産の食材も活用