151025 ケース富士フイルム勉強会まとめ資料

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Case study 事業環境の変化にどう対応するか 「富士フイルム」 20151025日(日) スキルアップ勉強会

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Case  study  事業環境の変化にどう対応するか  

「富士フイルム」

2015年10月25日(日)  スキルアップ勉強会

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Ques/on    

あなたの会社や事業を取り巻く 環境は  

変化しているでしょうか?

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Ques/on    

では、具体的にどのような変化が  起きていますか?    

起きている変化を全てあげてください。    

また、その変化が起きている構造を  語ってみてください。

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フレームワークで考える意義

•  複雑なものを簡潔に整理して考える

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戦略をもつ意義

戦略なし

• 目指す方向があいまい

• 個別 適化

• 短期視点

戦略あり

• 目指すべき方向が明確

• 全体 適化

• 中長期視点

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戦略とは

 戦いを 省略する    経営資源(ヒト、モノ、カネ)は有限    無用な戦いはしない    いかに戦わずして目的を達成するか  

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戦わないために

戦略 時代の変化を追い風にする

差別化等で競争優位を築く

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時代の変化を追い風にする

成長率              収益性   高い    「成長産業」     高い         低い    「衰退産業」     低い  

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差別化等で競争優位を築く

競争優位            収益性   あり   「独占」 「寡占」   高い         なし    「完全競争」     低い  

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市場

競争優位あり

支配的企業1社のみ

自社が支配

競争優位を適切に管理

他社が支配

適切な方法で撤退

支配的企業複数 複雑な戦略

競争優位なし

徹底的な効率追求

競争優位の分類による戦略の違い

とるべき戦略

出典:競争戦略の謎を解く      コロンビア大学ビジネススクール特別講義      ブルース・グリーンウォルド 他

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時代の変化と競争優位の分析

PEST分析  

政治動向  

経済動向  

社会動向(文化・人口等)  

技術動向  

5つの力分析

売り手

買い手

競合

新規参入

代替品

3C分析  

市場・顧客  

競合  

自社  

SWOT分析  

強み  

弱み  

脅威  

機会  

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Q1:1990年代における写真フィルム業界を分析し、富士フイルムがとった戦略について考察してください。

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1990以前の富士フイルム

•  1984年 ロサンゼルスオリンピック公式フィルムに認定  •  1986年 世界初レンズ付きフィルム「写ルンです」発売  •  1988年 世界初のデジタルスチルカメラ「DS-­‐1P」を開発  

出典:富士フィルムのあゆみ-­‐ヒストリー

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写真フィルム業界 1990年代

Poli/cs  政治

Social  社会

Economics 経済

Technologies  技術

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写真フィルム業界 1990年代

Poli/cs  政治

• 1993 消費税スタート(日)

Social  社会

• フィルムカメラ

• 写ルンです

Economics 経済

• バブル経済崩壊 (日)

Technologies  技術

• インターネット

• Windows’95 • デジタルカメラ

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写真フィルム業界 1990年代

新規参入 

売り手

競合

代替品

買い手

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写真フィルム業界 1990年代

新規参入 -

売り手・フィルム原料 メーカー

競合・コダック

・その他

代替品・デジタルカメラ・インスタントカメラ

買い手・卸

・小売店

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写真フィルム業界 1990年代

新規参入 -

売り手・フィルム原料 メーカー

競合・コダック

・その他

代替品・デジタルカメラ・インスタントカメラ

買い手・卸

・小売店

強 弱

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富士フイルム 1990年代戦略

p 写真フィルム事業でコダックとの競争に注力               ↓背景↓    •  写真フィルム事業の収益性は依然として高

かった  •  代替品のデジタルカメラへ対応できるだけの

技術基盤は研究開発により獲得していた  

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(補足)代替品の脅威デジタルカメラ

1975

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(補足)代替品の脅威デジタルカメラ

1988  FUJI  DS-­‐1P

1995  CASIO  QV-­‐10

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Q2:2000年以降の富士フイルムを取り巻く事業環境を分析してください。

Page 23: 151025 ケース富士フイルム勉強会まとめ資料

出典:PRESIDENT  2012年10月29日号

写真フィルムの急激な衰退

出典:富士フイルム投資家向け資料

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プロダクトライフサイクル

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出典:PRESIDENT  2012年10月29日号

写真フィルムの急激な衰退

出典:富士フイルム投資家向け資料

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次世代製品の重要性

出典:日本機械学会 TEDプラザ コモディティ化の進む携帯電話の熱設計

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写真を取り巻く変化

フィルム カメラ

記録媒体 撮影  現像・焼付(DPE)  保存・鑑賞  取次所 現像所 取次所 アルバム

レンズ付フィルム 取次所 現像所 取次所 アルバム

ミニラボ カメラ フィルム アルバム

メモリー  カード

デジカメ

プリント アルバム

パソコン

Web上 携帯 メール

SNS

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Q3:2000年以降、富士フイルムは急速に事業多角化する戦略をとりましたが、それぞれの事業分野でどのような戦略観を持っていたと考えられますか。

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写真を取り巻く変化

フィルム カメラ

記録媒体 撮影  現像・焼付(DPE)  保存・鑑賞  取次所 現像所 取次所 アルバム

レンズ付フィルム 取次所 現像所 取次所 アルバム

ミニラボ カメラ フィルム アルバム

メモリー  カード

デジカメ

プリント アルバム

パソコン

Web上 携帯 メール

SNS

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写真を取り巻く変化

フィルム カメラ

記録媒体 撮影  現像・焼付(DPE)  保存・鑑賞  取次所 現像所 取次所 アルバム

レンズ付フィルム 取次所 現像所 取次所 アルバム

ミニラボ カメラ フィルム アルバム

メモリー  カード

デジカメ

プリント アルバム

パソコン

Web上 携帯 メール

SNS

共有  

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写真を取り巻く変化

フィルム カメラ

記録媒体 撮影  現像・焼付(DPE)  保存・鑑賞  取次所 現像所 取次所 アルバム

レンズ付フィルム 取次所 現像所 取次所 アルバム

ミニラボ カメラ フィルム アルバム

メモリー  カード

デジカメ

プリント アルバム

パソコン

Web上 携帯 メール

SNS

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デジタルカメラ

記録媒体 撮影  現像・焼付(DPE)  保存・鑑賞  

メモリー  カード

デジカメ

プリント アルバム

パソコン

Web上 携帯 メール

SNS

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デジタルカメラ 2000 2005 マーケット   サイズ

 80億ドル  →  4倍→ 330億ドル

1,000万台  →  9倍→   9,000万台

平均単価 800ドル/台  →半分→ 367ドル/台

マーケット   シェア

23%      →半分→ 11%

18.4億ドル  →  2倍→ 36.3億ドル

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デジタルプリント

記録媒体 撮影  現像・焼付(DPE)  保存・鑑賞  

メモリー  カード

デジカメ

プリント アルバム

パソコン

Web上 携帯 メール

SNS

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デジタルプリント

デジタルミニラボ

シェア200470%以上

米国展開ウォルマート

キオスク

競合 超強いコダック

プリンター

インクジェットとの競争敗北

Web

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2000年以降の多角化戦略

<富士フイルムの強み>  化学、物理、光学、エレクトニクス、メカトロニクス、ソフトウェアなど、様々な技術分野の専門知識を組み合わせることができる。        

 戦略の方向性:多角化  

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多角化戦略実現のための課題

1.  既存事業への対応  Ø  既存事業への取り組み方  

2.  新規事業への対応  Ø 新規事業の機会の見極め  Ø 新規事業の推進体制  

3.  組織文化の醸成、社員の活気づけ  Ø 独創的で革新的な研究開発  Ø 社員の意識づけ(危機感、起業家精神)  

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施策 施策の効果、ねらい コスト

社員5,000人削減   2005-­‐2006

固定費の削減  イメージング部門の 適化  安定収益の確保

1,650億  2年

先進研究所を開設   2006

R&D機能強化  新規性のある技術と市場に焦点を当てた基礎研究分野への注力

460億  5年

R&D統括本部設置 ー

役職者1,000人へのレポート

新規事業の見極めと成長へのヒント

中期経営計画  「VISION75」   2004,  2006  

戦略の方向性を共有  構造改革の強化と新規事業への投資の加速

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施策 施策の効果、ねらい コスト

幅広い分野でM&A   2004,  2005

自社保有技術の補完、  シナジー  

1,500億  2年  30件 事業開発ファンドに

よる投資

M&A専門部署設置    2006

M&A方針のフォローアップ 1,000億  

14の独立事業組織   2006

事業推進体制を整備 ー

持ち株会社移行   2006

富士フィルムと富士ゼロックスのシナジー  2社重複インフラの省略

2社本社機能集結   2007

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施策 施策の効果、ねらい コスト

社名、コーポレートロゴの変更

社内外への戦略転換の印象付け  

企業理念とビジョン制定

企業の存在理由と目指す姿を共有  

社長スピーチ 危機感の醸成  起業家精神の醸成

社内報記事 ー

中堅幹部とのランチミーティング

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多角化の結果

出典:週間DIAMOND  【企業特集】富士フイルムホールディングス2013年1月18日号

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コダックとの比較(売上高)

出典:JMR生活総合研究所「エム・ネクスト」現代の戦略とマーケティング

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富士フイルムの新規事業戦略観

•  新技術をゼロから生み出しているわけではない。  •  環境の変化に対応して、既存の高度技術や知

識資産を徹底的に再利用して、新しい知識や技術を開発することに経営資源を投入した。  

•  既存の技術や知識を再構築したり、再配置したり、そして再利用することによって、持続的競争優位を形成する戦略思考。

技術で差別化できることが明確であれば、  対象となる消費者と深くつながっていなくても  構わない。(P.97)

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このケースから何を学ぶか?

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プロダクトライフサイクル

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プロダクトポートフォリオマネジメント

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アンゾフのマトリックス

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多角化戦略

出典:GLOBIS  Mini-­‐MBA  “Strategy”

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事業展開の判断基準

•  参入する市場は伸びるか  成長産業 → 業界全体の収益拡大  

•  自社の強みから競争優位が生まれるか  独占・寡占状態 → 自社の収益拡大  

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結局のところ

戦略 時代の変化を追い風にする

差別化等で競争優位を築く

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