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10 10 1 . 平均気温 2.気温日較差 1:20,000,000 1:20,000,000 37 1.平均気温 気温は、日射量との関係が大きく、時刻・日

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Page 1: 1 平均気温 2.気温日較差 - GSI HOME PAGE平均気温 2.気温日較差. 1:20,000,0001:20,000,000. 37. 1.平均気温. 気温は、日射量との関係が大きく、時刻・日・季節・高度・緯度などに

10 気 候 10

1. 平 均 気 温

2. 気温日較差

1:20,000,000 1:20,000,000

37

1.平均気温

気温は、日射量との関係が大きく、時刻・日・季節・高度・緯度などに

よる変化が著しい。一般に地上または雪表面から約1.5mの高さの温度で

表わす。

真の平均気温を求める方法は、1日中ひんぱんに定間隔で観測を操り返

し、その算術平均値を算出することである。しかし、この方法は労力・経

費の面から実際的でない。近似値的な平均気温の求めかたは、1日の最高

・最低気温の算術平均を日平均気温とする方法と、1日8回定時の観測値

の算術平均を日平均気温とする方法がある。

我が国の年平均気温は、北海道で低く、南下するに従って高くなり、西

日本では特に太平洋側が高い。月平均気温の最も高いのは、一般に8月、

南西諸島では7月であり、北海道東部、本州山岳部を除き全国的に20℃以

上になる。また、最も低いのは1月で、北海道全域が氷点下になる。

2月平均気温の経年変化

8月平均気温の経年変化

(気象庁年報から作成)

(気象庁年報から作成)

(気象庁年報から作成)

月平均気温の年較差

気象統計の平年値は、西暦年の10年を区切りとした30年間の平均値を用

いる国際的な定めがある。現在の平年値は、1951年から1980年の30年間に

おける平均値で、この値は、1961年から1990年の平均値が算出されるまで

用いられる。

〔凡例と作図の要点〕

平均気温は、1951年から1980年における国内各地の気象官署の観測値に

よる平年値である。月および年の平年値は、1日8回(3・6・9・12・15・18・

21・24時)観測の日平均値から求める。

〔主な資料〕

1.気象庁,1982年日本気候表 その2地点別月別平年値(1951~1980)

2.気象庁,1980年版日本気候図

2.気温日較差

気温日較差は、1日の気温の最高値と最低値との差である。

我が国の気温日較差は、一般に内陸部の盆地で大きく、沿岸部や離島で

小さい。月別にみると、内陸部では、冬から春にかけて特に大きくなる。

また、沿岸部では年間を通じて大きな変動はないが、日本海側では冬期

に比較的小さくなる。

〔凡例と作図の要点〕

気温日較差は、1951年から1980年における国内各地の気象官署の観測値

による平年値である。月および年の平年値は、日最高気温・日最低気温の

差の平均値から求める。

〔主な資料〕

1.気象庁,1982年日本気候表 その2 地点別月別平年値 (1951~1980)

2.気象庁,1980年版日本気候図

気候は、気温・降水・風・その他の多くの気候要素によって構成され、

その現れ方が多様である。厳密に見れば同一の気候は存在しないが、似通

日本の気候区分例

福井(大・中区分)

関口(中区分・漸移気候域)

吉野(大区分)

(日本気候図による)

った気候をまとめ、地域的な特徴や差異を表わす方法が気候区分であり、

等質な気候特性をもった地域に分け、その区界線を引いたものが気候区分

図である。使用する目的によって、注目する気候要素や分類方法の異なる

様々な気候区分が行われている。分類手法を大きく分けると、各気候要素

の平均値を用いて区分する方法と、前線などの気団の境界を示す要素の位

置を統計的に捉えて区分する方法がある。

付図の日本の気候区分例は、気象庁の日本気候図からの引用である。こ

の図は、我が国の大・中気候分類で代表的な3つの区分図を重ね合わせて

作図し、比較したものである。

その解説の中で、気候区分は前提または利用目的によって大・中区分す

らいろいろと異なり、その違いは気象要素の総合的概念が含まれるので当

然の帰結だが、一義的に確定した区分線を引くことが極めて困難であるこ

とが理解されようと述べている。

解説による気候区分の分類は、次の通りである。

(1)福井英一郎 (1933)

大区分 (3地域に区分)として、月及び年平均気温による分類、中区分

(樺太と台湾を含めて10地域に区分)としては、月降水量年変化型による

分類を採用している。北海道南西部は他の北海道地域と区別されている。

(2)関口 武(1959)

大区分は福井のとほぼ合うが、中区分 (5地域と漸移気候域に区分)は、

主に年変化型 (気温、降水、日照、乾湿等)の相違を考慮して区分してい

る。

(3)吉野正敏 (1981)

大区分 (5地域に区分)は、200㎞以上のスケールで区切っている。太平

洋側と日本海側の区分のときに最深積雪を導入している他は、主に年及び

月平均気温に基づき区分している。

1) 福井英一郎 (1933):日本の気候区 (第2報)、地理学評論9

2) 関ロ武 (1959):日本の気候区分、東京教育大学地理学研究報告3

3) 吉野正敏 (1981):日本の気候地域区分、災害の研究12

〔主な資料〕

1.気象庁,1980年版日本気候図

※気候区分

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10.12月 4月 6月

10.1

1:8,000,000

年 12月 10月 8月

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平 均 気 温

平 均 気 温

おもな地点の年変化

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10.2年

1:12,000,000

12月 2月

4月

8月 6月

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気温日較差

気 温 日 較 差

10月