KBS · 1 1962年の創立以来、kbsはビジネスリーダー...

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Transcript of KBS · 1 1962年の創立以来、kbsはビジネスリーダー...

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 1962年の創立以来、KBSはビジネスリーダーの育成に必要な教育を提供してきました。そこでは半世紀以上の時間を経ても変わらないものと、時代の変遷に合わせて柔軟に変わるべきものが共存しています。河野教授と卒業生でもある磯辺教授、そして海外での教育経験もある山尾准教授が、KBSの教育の特色や国際化、そしてこれからのKBSについて語ります。

河野 KBSは2017年に55周年を迎え、その間、時代は大きく変化しました。磯辺先生、山尾先生と共に、KBSの過去から未来、そして、同じであり続けることと、今後に向けて変わるべきことについて考えていきます。

山尾 ケースメソッドを用いて身につく「もしも自分がこのマネージャーの立場だったら」などという想像力は、現場に出た時に活かされます。自分とはバックグラウンドの違う人達を部下としてマネジメントしなければいけない、あるいはそういう人がボスになることもありますから。磯辺 一方、「明日にでもすぐに使える実用的なことを学びたい」と考える学生が増加しているとも感じます。河野 企業の人事担当者の中にも、「もっと短期間で学位取得できないのか」という期待を持つ方が多くなってきました。しかし人はそれほど簡単には育ちません。KBSで2年間ケースメソッドを繰り返して蓄積された思考力は、実体験を通して自分の

磯辺 KBSの卒業生としてまず思い出されるのは、ケースメソッドを通じて思考回路をトレーニングする方法です。毎日何度もケースメソッドに取り組んだことで、物事を広く、深く、そして時には裏から見る癖がつきました。これこそケースメソッドの成果であり、この考え方は私の財産でもあります。また、私は勤務していた百貨店から企業派遣でKBSに入学したのですが、これまで仕事では関わる機会のなかった業種・職種の方達と共に同じ題材を使用して学ぶことで、「そんな捉え方もあるのか」と刺激を受けることが多々ありました。ケースメソッドと学生のバックグラウンドの多様性は、KBSの変わらない良い点だと感じます。

KBSのこれまでとこれから─「変わるもの」「変わらないもの」─

KONO, Hirokazu ISOBE, Takehiko YAMAO, Sachiko河野 宏和 教授(委員長)(写真中央)1980年慶應義塾大学工学部管理工学科卒業、1991年工学博士(慶應義塾大学)。1998年同大学大学院経営管理研究科教授。2009年10月より同大学大学院経営管理研究科委員長、慶應義塾大学ビジネス・スクール校長を務める。

磯辺 剛彦 教授(写真右)1981年慶應義塾大学経済学部卒業。1981年(株)井筒屋。1996年博士(経営学)(慶應義塾大学)。2007年慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授。この間、1997年スタンフォード大学ビジネス・スクールに客員研究員として留学。

山尾 佐智子 准教授(写真左)1995年津田塾大学学芸学部国際関係学科卒業。財団法人海外技術者研修協会勤務を経て、2009年Ph.D.取得(モナッシュ大学、経営学)。同年から2016年までメルボルン大学で教壇に立つ。2017年より慶應義塾大学大学院経営管理研究科准教授。

Keio Business School 2019 2

中の引き出しに整理されます。それによって経営者としての思考形態が構築されるので、学びの時間を安易に短縮してしまうと、卒業後のキャリアで使うべき引き出しが整理されないリスクを感じています。山尾 教育投資の効果は長い目で見る必要があります。私の専門分野である人的資源管理なども、しばらく経ってからでないと効果が実感できないことは多くあります。また学生には、KBSのモットーが“LEARN TO LEAD”であることを、強く意識してほしいです。リーダーになると、重要な決断をしなければならない局面が多々あり、それには必ず責任が伴います。KBSはその決断力を育てる場であることを、授業を通じて学生たちに伝え続けたいです。磯辺 その通りですね。しかし最近は、「慶應のMBAという学位を掲げて有名なところに就職したい」という意図で入学したのでは?と思われる学生も時おり見受けられます。それはKBSのリーダーを育てるというミッションと合致していないのではないでしょうか。河野 仕事の経験を積んだ30代での入学を考えても、その頃は仕事が忙しくて2年間も仕事から離れるのが難しいだろう。ならば大学卒業後すぐにMBAの学位を取得し、社会に出ようという人が増えたこととも関係しているのでしょう。これは学生というより社会の変化によって生じていることなので、時代に沿った新たなプログラムを検討するのも一つの手だと考えます。例えば入学前に、就業経験のない学生に対して入学準備のオプションを用意することも考えられます。一方で入学直後からレクチャーもないままケースを読み、ディスカッションするという合宿は、KBSの昔からの伝統行事です。磯辺 私も学生として参加しましたが、今でも合宿のことは鮮明に覚えています。みんなこの合宿で

「これは大変なところに来た。気合を入れなければ乗り越えられない」という意識を刷り込まれ、同時に今後2年間、何を学ぶべきなのかが明確にな

一つにしてもらいたいですね。中国のトップスクールを修了した人はまず間違いなく英語を話せますが、日本はそうとは限りません。それがどれほどビジネスにおいて不利なことか、学生はもちろん、企業ももう少し危機感を抱いたほうがいいと感じます。河野 さらに、英語ができても使えなければ話になりません。国際化の中で大切なのは、自分と違う考えを持っている人に対し、いかに“No, because”と言える力を持てるかです。単なるNoだけではなく、その理由も論理的に説明できる力です。どれほどNoだと思っていても、黙っている限り”Yes, I agree.”だと受け止められてしまいます。そして意見の異なる相手に対しては心を閉ざすのではなく、

「そういう考え方もあるね」と受け入れることも必要です。 ある人が「国際感覚で大事なのは、ひとりで海外旅行に行ってサバイブできる力」と言っていましたが、これはビジネスで生き延びていける力とも言い換えられます。今の若い世代の人はこのような危機感は持っていますから、KBSはそういう人達のニーズをいかに取り込んで教育の機会を提供していくか、考える必要があります。それも画一的なも

のではなく、オプションをたくさん用意して学生が選べるというのが、本当の学校の在り方なのではという気がします。磯辺 かつて世界的に活躍されたモデルの方が、

「なぜ世界の舞台で活躍できるのか」という質問に「よりインターナショナルであるためには、よりナショナルであること」と答えていました。まさしくその通りで、日本と日本人、そして日本企業があってこその国際化です。河野 確かに、国際化を考える時ほど、日本という要素が極めて大事になります。日本が今後、アジアビジネスや経済の世界でリーダーと認められるためには、まずこちらから日本のよさや日本の特色、そして日本が抱えている課題などについて、どんどん発信していくべきです。日本は日本人と日本企業がこれまで積み上げてきたものをアピールできる国であるということをベースに、KBSも変わらないものと変わるものを見極めつつ、リーダーたる人材の育成に尽力していきます。

りました。河野 学生達は合宿で、コミュニケーション能力や発言の仕方も議論に影響を与えることを学び、人間としても鍛えられます。磯辺 最初は発言のために挙手することにも緊張しましたよ。また、グループ討議でみんなに話を聞いてもらうには、まず自分を認めてもらう必要がありました。入学合宿ではグループで活発に議論することでおのずと互いの顔と名前を覚え、特に同じグループなら性格も把握していました。その結果、議論が多面的になるのも面白かったですね。河野 合宿のように変わらないものがある一方で、国際化については、KBSはどのような考えのもと、どのような方向へ進むべきだと先生方は思われますか。山尾 「国際化」と聞いて思い描くものは、人によってかなり違うと思います。これまで日本の上場企業が国際的ビジネスをする時は、欧米が大きなマーケットでした。それが現在ではアジアにシフトしていますが、人々の頭の中の「国際化」は、相変わらず欧米です。しかし現実はもう違います。特に日本はアジアの一国であり、国際化というとアジアビジネスが大きなファクターになって

きます。この基本的な枠組みがシフトしていないように感じるので、KBSとしてどのように伝えていくか、さらにはそういった状況をカリキュラムの中に取り入れていくのかという議論が必要だと感じています。そして近隣諸国のエグゼクティブ候補達の能力を考えた時に、KBSがアジアの中で日本のトップ・ビジネススクールとしてどのように位置付けていくのかも国際化への検討事項だと思います。 また、必ずしも英語イコール国際化ではありませんが、KBSに入学する学生には、英語でコミュニケーションできるようになることも2年間の目標の

ケースメソッドを通して物事を広く深く見る力を

欧米からアジアへシフトする国際化へ対応を

学生が選べるオプションを用意するのが学校の在り方

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広く、深く、濃く、そしてタフに──。KBSのMBAには、経営学のすべてがある。

 不確実な環境で将来を見通し、ビジョ

ンを持って目標を定め、膨大な情報から

本質を見抜いて戦略意思決定を行う。ビ

ジネスリーダーには高度な情報分析能力

と判断能力が要求されます。そして、自ら

の分析と判断に基づき、社会と組織を先

導することのできる使命感や情熱、リー

ダーシップが必要です。KBSの国際水準

の教育の質と圧倒的な学習量によって、こ

のような多くの素養を身につけることがで

きます。

 ケースメソッドとは実践的な経営教育の方法で、実際の経営状況

をまとめた事例を素材に、ディスカッションを通して新たな知恵を

共創するものです。科学的な視点で実証的に真理を解明し問題を解

決していく慶應義塾伝統の「実学の精神」のもと、KBSでは研究を重

ねてきました。常に最先端の経営知見がアップデートされたKBS教

員作成のオリジナルケースは、企業経営者へのインタビュー内容だ

けでなく、教育の場で取り上げる訓練主題も含まれています。

 慶應義塾草創期から続く、教える者と学ぶ者との師弟の分を定め

ず、先に学んだ者が後で学ぼうとする者を教えるという「半学半教」

の精神は、KBSの教育においても大切にされており、学生同士や学

生と教員とが議論を交える機会にあふれています。議論によって異

なる視点・論点を知るばかりでなく、構築される人的ネットワークは

卒業後の自身を研鑽してくれる支えともなります。

KBSでの2年間で体得できる学習成果

「実学の精神」 「半学半教」

慶應型ケースメソッド 学生+教員

1年次の基礎科目では、マネジメント能力の基盤となる主要8領域を実践的なケースメソッドで学び、総合演習科目でそれらを領域横断的・有機的に活用する方法を学びます。

KBSのカリキュラムは、リーダーとなるための幅広いマネジメントスキルと深い専門性、それらを総合し発展させるための方法論を提供します。

2年次には、ビジネス上の強みとなる専門能力を深化させるため、各自のキャリアプランに応じた専門科目群を履修しつつ、少人数制のゼミナールで問題発見・解決能力を磨きます。さらに、国際的なビジネス感覚を養うための各種国際プログラムを用意しています。

年次1 年次2

年間を通して2

経営に関する基盤知識の獲得

リーダーとしての資質の獲得

主要8領域の基礎科目

総合演習科目

特定領域の能力、知識の獲得

専門科目 ゼミナール

修士論文 国際プログラム

経営に関する各領域を幅広く理解する

学生個々の興味と素質に応じた、将来のキャリア形成に役立つ専門能力と知識を深く学ぶ

使命感、強い精神力、深い洞察力、創造性、広い視野など、組織と社会のリーダーに必要とされる資質を磨く

ケースメソッドを中心とした実践的教育

福澤の教え KBSの学び

LEARN TO LEAD

3

Keio Business School 2019 4

 ビジネスを取り巻く環境は、日々大きく変化しています。特にIT技術の進歩と普及は、これまで不可能と考えられていたビジネスを現実のものとしています。AI(Artificial Intelligence)やIoT(Internet of Things)が発展すれば、遠隔医療など新たなサービスが安価に提供され、スマート社会などで我々の生活は便利になっていきます。同時に、これまで人間が担ってきたさまざまな仕事が社会から消えてなくなると言われています。では、そうした変化の中で、ビジネス・スクールの役割はどのように変わっていくべきでしょうか? ビジネス関係のさまざまな国際会議でも、AI、デジタル社会、ロボット活用などがテーマに取り上げられ、ビジネス・スクールもその流れに乗り遅れてはならない、という議論が展開されています。一部では、経営の意思決定すらAIで行えばよいという主張もありますが、技術的には可能だとしても、経営の根幹を担うのは「人」であるはずです。したがって、人間の持つ知識、意思決定、情熱や使命感といった要素が経営成果を左右することになります。AIが普及してもデータから読み取り判断するのは人、ロボットを設計し活用するのも人間です。そういう役割を担う人材の能力を高めていくこと、それこそがビジネス・スクールに期待されている役割です。流行の先端を追いかけていくことばかりが正解ではありません。IT技術がいかに進化しても、それをビジネスに結びつける構想を考え実行するのは人間です。その人間の知識体系が深く、幅広く洞察力に優れていなければ、いかに先端の技術を用いても、優れたビジネスを実現することはできないのです。 KBSは、将来の経営を担うビジネスリーダーの育成をミッションとし、教育方法として、ケースメソッドを採用しています。ケースとは、企業や組織が直面する経営課題を記述した教材で、授業では、それを読み込んだ上で討論を行います。例えば、新しいマーケティングプランを実行するためには、人や資金が必要となり、市場の変化や競争条件を瞬時に判断しなければなりません。ケースメソッドでまず身につけてほしいのは、こうした分野横断的に物事を考え意思決定できるジェネラルな経営能力です。 同時に、自らの専門領域においても深い洞察力を持ってほしいと考えています。ゼミに所属し、修士論文を仕上げ、関連する専門科目を履修することで専門性が鍛えられ、それが、今後のキャリアで自分の依って立つ基盤となります。変化に追随していく能力と、変えてはいけない経営の本質を見極める力、その両方を身につけるため、さらにはIP(International Exchange Program)などによる海外留学の機会、あるいは海外からKBSに学びに来る学生との交流を通して国際感覚を磨いていくために、多くの方が当研究科の門を叩かれることを期待しています。

河野 宏和慶應義塾大学大学院経営管理研究科委員長・教授慶應義塾大学ビジネス・スクール校長

変化に追随しながら経営の本質を見極めるビジネスリーダーを育成するために

広く、深く、濃く、そしてタフに──。KBSのMBAには、経営学のすべてがある。

Message From the Dean

 1962年に創立された、日本で最も歴史のあるビジネス・ス

クールです。MBAやPh.D.といった学位を授与するプログラム

を提供する【慶應義塾大学大学院経営管理研究科】と、さまざ

まな短期間のエグゼクティブセミナーを提供する【慶應義塾大

学ビジネス・スクール】があり、両者を包括して、創立時からの

名称である「KBS」と呼んでいます。

 KBSは、常に“世界トップクラスのビジネス・スクール”を目標に掲

げ、高度な教育の質を確保してきました。2大国際認証機関(AACSB

International、EFMD EQUIS)によるグローバル基準での客観的評価

による認証を継続して得ています。また、世界規模の研究と教育に関する

交流を推進するため、国際的なビジネス・スクールのネットワークに加盟

し、共同研究・教員交流・学生の交換留学を積極的に行っています。

About KBS

世界基準の教育品質保証と国際ネットワーク

KBSは新たな構想を作り実現するリーダーを育成する。そのために、多様な学

生が共に学ぶ喜びを知り、世界一線級の研究を発信し、実務経験と体系的知識

を融合する場を提供する。

KBS Mission Statement

AACSB InternationalAssociation to AdvanceCollegiate Schools of Business

AAPBSAssociation of Asia-PacificBusiness Schools

PIMPartnership in InternationalManagement

EFMDEuropean Foundation forManagement Development

アジア・大洋州地域のビジネス・スクールによる研究・教育水準向上を推進する協議会

世界62校のビジネス・スクールが加盟する研究・留学ネットワーク

仏SMBG社による世界ビジネス・スクールランキング

EduniversalWorldwideBusinessSchools Ranking

2大国際認証機関

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総合的経営管理能力の基本となる主要8領域

 経営に関する領域を8つに分けて、基礎科目が配置され、全員

が必修科目として学びます。1年次後半からはそれぞれの領域に

専門科目が配置され、必要な科目を自ら選択して履修します。

 同期の仲間や教員とほとんど初対面で行われる合宿形式の授

業は、本研究科の勉強に浸っていく絶好の機会です。日常と同じ

時間割構成でグループディスカッションとクラスディスカッション

が進みます。夜は毎晩グループ室や自室で予習に励み、翌日に備

えます。さまざまな職場や環境から入学した、年齢も立場も違う

学生同士が、一つのビジネス・スクールに集い、意識付けを行うた

めの重要な導入合宿です。

入学式後にはオリ

エンテーションが

あり、KBSでの2年

間がスタート。

日々の授業に加え、各科目の達

成度、理解度を確認する試験が

各学期に行われます。

夏休みを利用して、企業で自主

的にインターンシップや、英語

の学習に取り組む学生もいま

す。

全員受験が義務付けられています。

留学を考える学生は継続的な英語の

学習がおすすめです。

世界各国のビジネス・スクール

から2学期および3学期にそれ

ぞれ15~20名の留学生を受け

入れています。留学生とKBS学

生が共に学べる授業を英語で

開講しています。

各種給付奨学金や、日本学生支援機構奨学金(貸与)の申請受付が行われます。

入学合宿 4月上旬:5泊6日基礎科目

ケースメソッドを中心に総合的経営管理能力の基本となる主要8領域を徹底的に学習

年次の学び

1年次に体得する力 ── 経営に関する基盤知識

入学式 中間試験/期末試験 夏季休校(夏休み)

TOEFL ITPテスト

IP(国際単位交換プログラム)生受け入れ

奨学金申請

Schedule

1st Year Programs

4 April 5 May 6 June 7 July

1

8 August 9 September

会計管理

マーケティング

財務管理

総合経営

組織マネジメント

経済・社会・企業

生産政策

経営科学

1学期開始 2学期開始

5

Keio Business School 2019 6

企業活動において製品やサー

ビスを提供する「生産・供給機

能」とそのためのオペレーショ

ンに焦点を当て、課題を発見・

分析・改善する視点を養いま

す。工場を訪ね、現場で学ぶ機

会もあります。

世界各国トップレベルのビジ

ネス・スクール協定校から、

自身の将来のキャリアに合わ

せてさまざまな観点で留学

先を選択できます。

一定の英語力と学業成績を

クリアすることが必要です。

2年次の学びの中核になるゼ

ミ。教員によるゼミ説明会や

教員研究室を訪ねるオープ

ンドア期間が設けられていま

す。

就職活動にあたり、KBS修了

生、慶應義塾卒業生の情報

の一部を公開しています。希

望する業種・企業などで検索

し、OB・OGと連絡をとるこ

とが可能です。

多様性あふれるバックグラウンドを持つ学生たち

(2018年度入学生データ)

月曜から金曜午前9:00から時間割

に沿ってグループ(約10名)やクラス

(約50名)で授業が行われています。

平日の時間割

基礎科目(例 生産政策) IP(派遣)選考 ゼミ選択 就職活動

Profile

10 October 11 November 12 December 1 January 2 February 3 March

2学期開始 3学期開始

企業派遣

経歴

休職・退職

50%

14%

新卒

36%

24~25歳

年齢

40歳~

2%36~39歳

3%

26~29歳

27%

30~35歳

25%

~23歳

23%

20%

政経・経済学部

商学部

法学部

出身学部

12%その他理系

9%

その他文系

21%

工・理工学部

5%文学部

12%

医・薬学部

3%

経営学部

17%

9%

11%教養・教育学部

1%

Keio Business School 2019 6

7

半学半教を実践する少人数での議論で、さらに専門を極める

 2年次の学びの中核となるのがゼミナールです。KBSのゼミ

ナールは、慶應義塾の「半学半教」の伝統を最も色濃く受け継ぎ、

少人数による、密度の濃い議論を通じ、自ら問題を発見し最先端

の理論や技法を駆使し、問題解決を図るというスタイル。高度な

専門科目を選択履修しながら、所属するゼミナールを一つ選び、

各専門分野で研究者として高く評価されている教員の指導のもと

修士論文を完成させます。

 各ゼミナールは概ね4~6名で構成されているため、非常に濃

い密度のインタラクションが可能です。経営技法を扱う通常のク

ラスではなかなか掘り下げられない世界観や歴史観、あるいは人

生観、さらには文化、教養など幅広いトピックについて話し合う場

にもなります。濃密な人間関係が築かれることもあり、ゼミ生同士

はもとより、先輩・後輩とのつながりも強く、修了後も互いの成長

の刺激となる貴重な人脈となります。

少人数による密度の濃い議論

の中で、自ら問題を発見し、最

先端の理論や技法を駆使して

問題解決に取り組みます。

教員とはもちろん、先輩後輩の

つながりも強く、在学中に限ら

ず修了後も互いの成長の刺激

となる貴重な人脈を形成する

場となります。清華大学(中国)、KAIST

(韓国)とKBS(日本)の3

校合同プログラム。開催国

の企業等を訪問し、グロー

バル市場における海外戦

略について政策提言を行

うことを目的とした授業。

2018年は日本で開催。

世界トップレベルのビジネス・

スクールに4ヵ月間交換留学

し、多文化環境での経営センス

やグローバルな視点を身につけ

る、刺激にあふれたプログラム

です。

ゼミナール

学び得たことをさらに深め、自らの秘めたる能力や可能性を発見する

年次の学び

2年次に体得する力 ── 特定領域の能力、知識の獲得

ゼミ活動開始 ゼミ合宿

専門科目アジアビジネス・フィールドスタディ(CKJ)

IP派遣

Schedule

2nd Year Programs

4 April 5 May 6 June 7 July

2

8 August 9 September

1学期開始 2学期開始

7

2年次は学生一人一人の目的とニーズに合わせた学びを

実現できる多様性と柔軟性があります。専門科目の数は

80以上。専門性を深く究めたいプロフェッショナル志向、

経営に関する幅広い知識を得たいゼネラルマネジメント志

向のどちらにも応える、豊富な科目群です。

また、自らのやる気と工夫次第でKBSでの学習と学外での

仕事等を両立し、学んでいる経営学の知識をリアルタイム

に、ダイレクトに現実の経営に応用することも可能です。

フレキシブルで多様性のあるカリキュラム

Keio Business School 2019 8

2011年に設立された、世界トップレベルのビジネ

ス・スクールで構成される国際共同研究・教育の

アライアンス。隔年開催の国際フォーラムでは、講

演、パネルディスカッション、分科会などを通じ、世

界中から集まった政財界のリーダーと共に地球規

模で取り組むべきビジネスと社会の課題とその解

決に向けた方策を探ります。フォーラムにはKBS

の学生も参加する機会があります。

交換留学協定校 所在地域・国

Council on Business & Society(CoBS)

修士論文発表会

Partner Institutions

Asia

Oceania

Europe Middle East

Africa

ChinaIndiaKoreaPhilippinesSingaporeTaiwanThailand

Australia

BelgiumDenmarkFranceGermanyItalyNetherlandsNorwaySpainSweden

North AmericaCanadaUSA

South AmericaBrazil

Israel

South Africa

10 October

Fudan University (China)HEC Paris (France) The University of Texas at Austin (USA) NUS Business School (Singapore) University of Mannheim (Germany)University of Washington (USA)

11 November 12 December 1 January 2 February 3 March

2学期開始 3学期開始

Keio Business School 2019 8

修士(経営学)を取得し、自身の

キャリアビジョンに基づいて新

たな社会での活躍を!

大学院学位授与式/KBS修了式

KBS学生の積極採用を考えている企業による説明会や、KBS修了生による体験談・個別説明会を随時開催。

企業説明会(随時)

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IP留学は、学問だけでなく“人”としての幅を広げてくれた

源田 佳祐経営管理研究科修士課程2018年修了

経歴: 社会人経験6年後、退職して入学留学先: ESADE Business School(Spain)2018年4月からの勤務先: 学校法人 河合塾

──IP留学のメリットは? 自分の何が、留学先・世界で通用するのかを感じられることです。これはKBSの日々の授業の中で自分の強みに気づくことと似ていますが、その世界版といえます。同様に、自分の課題や弱みについても認識できました。──現地の学びで印象に残っていることは? 数科目の授業を履修しましたが、特にビッグデータの授業です。授業の最後にグループごとのプレゼンテーションがありました。僕は交換留学生で構成された6人のグループの一員でした。しかし、4人は早めに帰国、1人は当日欠席。最終的に1人でプレゼンをしました。──留学中の代表的な生活スケジュールは?

 午前中は9:30から13:00、昼休みをはさんで、午後は14:00から17:30というスケジュール。 昼休みは学校の食堂で世界各国からの友人と一緒に過ごしました。──プライベートでの思い出を・…・・。 アメリカからの交換留学生、ジョン君と特に仲

良くなりました。旅行したり、飲みに行ったりしました。また、住居は自分で探したのですが、スペイン国籍の男性(50代、エンジニア)とシェアハウスで暮らしていました。力を合わせて洗濯機を修理したのは忘れがたい思い出です。スペインリーグを生で観戦できたのも、ならではだったと思います。──現地でのおよその生活費は? 週末に旅行等をしないとするなら、月額20万円程度です。内訳は、家賃が7万円、昼食やスーパーでの買い物が6万円、飲み会やイベント参加の娯楽費が7万円ですね。家賃にもよりますが、外食や交際費を抑えれば、15万円程度で生活可能です。 日本で生活するのとそう変わりません。──ゼミ、修士論文作成との兼ね合いは? 留学先での授業は10月2日から始まる予定でしたので、9月最終週までは毎週ゼミに参加していました。修士論文のテーマ、研究内容、計画については、留学前に決定していました。留学先では、事前に決定した計画に沿って、研究を進めていきましたね。──留学経験をどのように生かしたい? 「留学したから何か」といった具体的なことは現段階では特にありません。しかし、異国の地で僕が困っていた時、多くの人に助けてもらい、本当に感謝しています。その気持ちを忘れず、これから、もっと優しい人間になりたいと思っています。──留学決定までの英語学習について(参考) 市販の参考書・単語帳を使用、英会話のCDを聴き続け、映画を字幕音声ともに英語で見たりしました。日常では英語で友人と普段のメールのやり取り、KBSへの交換留学生と一緒に遊びに行くなど。英会話スクールなどには通いませんでした。──利用した奨学制度(参考)・日本学生支援機構第一種(無利子)・第二種(有利子)奨学金・研究のすゝめ奨学金・慶應義塾大学経済支援給費奨学金・日本学生支援機構留学生交流支援制度(協定派遣)を利用しました。 使える奨学金はほとんど利用したように思います。

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Keio Business School 2019 10

DD留学はコンフォート・ゾーンの外に身を置く機会

小山 匡経営管理研究科修士課程2018年修了

経歴: 社会人経験9年後、退職して入学留学先: HEC Paris(France)2018年4月からの勤務先: 国際金融公社(世界銀行グループ)

──DD留学のメリットは? 1年目にKBSで基礎科目を日本語で履修した後に2年目に留学先で専門科目を英語で学ぶことで日本語・英語の両方でビジネスについて議論する力が身につく点、KBSと留学先の2校の卒業生コミュニティに所属することでネットワークが広がる点の2点を挙げることができます。──現地での学びで印象に残っていることは?

 HECのMBAプログラムは、フランスのグランゼコールを母体としながらも、学生の国籍(約90%がフランス国外の出身)、入学前の職歴・専門分野など非常に高い多様性が確保されており、クラス討議、グループワークなどでは、多様性を反映したさまざまな視点に触れることができました。 また、投資銀行の現役幹部やルイ・ヴィトン社の元

CEOなど、ビジネスの第一線で活躍する卒業生が専門科目の一部を教えている点は、彼らの豊富な実務経験に基づく専門的知見を学べるだけでなく、卒業後のキャリアを考える上でのロールモデルとして多くの示唆を得ることができたと感じています。──留学中の代表的な生活スケジュールは?8:00~11:10 授業(2コマ)11:30~12:30 昼食(校舎内カフェテリア)13:00~16:10 授業(2コマ)17:00~19:30 予習・復習19:30~20:30 夕食(校舎内カフェテリア)──プライベートでの思い出を・…・・。 週末などを利用してフランス国内、イギリス、スペインなどへ旅行しました。ヨーロッパは飛行機・鉄道など交通の便も良く、比較的安価に旅行できることもあり、HECのクラスメートやヨーロッパに旅行中のKBSの同級生などと一緒に旅行することができました。 また、11月の週末には、ボストンキャリアフォーラムにIP留学中のKBSの同級生5名と一緒に参加しました。就職活動を終えた最終日に、短時間でしたがボストン観光をしたことも思い出に残っています。──現地でのおよその生活費は? 月額約1,300~1,500ユーロ(日本円で16万~20万円)でした。内訳としては、住居費

(キャンパス内の寮・光熱費込)約700ユーロ、食費・交通費約600~800ユーロといったところでしょうか。──留学経験をどのように生かしたい? 留学経験を通して、自らのコンフォート・ゾーンの外に意識的に身を置いてみることの重要性を再認識しました。ダブルディグリー制度でHECに留学するという選択は、自分の従来のコンフォート・ゾーンから出てみる経験でもあり、ストレッチした目標に向かって、失敗を経験しながらも小さな努力を積み重ねることの大切さをこの2年間で経験的に学ぶことができた気がします。 この点について、KBSの組織マネジメント(基礎科目)の最後の授業で、先生が「ビジネス・スクールは『フルスイング』で空振り三振しても何度でも打席に入れる場」という趣旨のことをおっしゃっていたのが特に印象に残っています。社会人を約10年経験した後に、失敗を恐れずに攻めの気持ちで挑戦できる「場」を得ることができたことは本当に有意義だったと思います。 今後は、新たな職場での日々の業務だけでなく、自らのキャリア設計についても、KBS・HECで得た経験を活かして、攻めの気持ちを忘れずに粘り強く前向きに取り組んでいきたいと考えています。──留学決定までの英語学習について(参考) KBS1年目の夏までは、留学準備のためTOEFL・GMATの英語対策に集中的に取り組みました。特に、GMATの英語は問題形式が特殊なため、夏休みに時間をかけて集中的に過去問を使って勉強しました。9月に目標点をクリアした後は、英語雑誌、英語論文のリーディング・音読に意識的により長く時間を取ったり、KBSの英語科目を履修したりしました。 特に、KBSの英語科目は、留学先でのディスカッションで発言するための良い事前準備になったと思います。──利用した奨学制度(参考)・日本学生支援機構留学生交流支援制度(協定派遣)・日本学生支援機構第一種(無利子)奨学金を利用しました。

※DD留学の場合、KBSにおけるゼミには所属せず、修士論文も修了要件として課されません。

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International Exchange Program国際単位交換プログラム ──世界各国のトップビジネス・スクールに留学のチャンス

 交換留学先には世界各国トップレベルのビジネス・スクールが

揃っています。さまざまな国や地域の中から、自分自身のキャリア

プランや興味のある学問分野、英語力などに応じて最適な学校を

選択可能です。

 過去に海外に長期留学した経験のない学生でもチャレンジし

やすい3~4カ月の留学プログラムです。

 効率的な学習計画を立ててもらうことを目的に、入学時に

TOEFL ITPテストを新入生全員に課しています。また、英語での

コミュニケーションの訓練を目的とした授業や、協定校からの留

学生も履修するすべて英語で実施される授業を多く設置している

ため、日本にいながら留学までに必要なコミュニケーションスキ

ルを習得することができます。

豊富な協定校

短期の留学プログラム

応募資格 費用

留学先での履修単位

留学前の学習サポート

①本研究科正規生で、派遣時に第2学年生として在籍する者② 本研究科修士課程第1学年1学期と2学期に履修した基礎科目の平均

点が基準点以上であること③協定校で勉強するに足る語学能力と動機を有する者 ・TOEFL iBT(Internet Based Test)の点数が基準点以上であること ・協定校によっては上記基準点以上の語学力を要する場合がある④ 本研究科の課程修了の可能性を持つ成績で、修士論文完成の見込みが

ある者⑤ 第1学年2学期までに英語専門科目を1科目以上履修し、単位を取得して

いること※応募資格は変更になることがあります。

留学先での登録料と授業料は免除されますが、渡航費、生活費、教科書代、保険代等その他の留学諸経費は個人負担となります。

留学先で取得した単位は、留学先のMBA(またはMSc/MIM等)正規科目に限り、8単位を超えない範囲で本研究科課程修了に必要な単位として認定することができます。

Double Degree Programダブルディグリー・プログラム ──海外修士号取得を国際キャリアのアドバンテージに

 KBSと留学先で1年ずつ学び、最短2年間で2つの学位が授与

されます。修了後に海外での就職を視野に入れている方や、国際

関係のキャリアを希望する方には、大きなアドバンテージとなり

ます。

 ダブルディグリー・プログラムは留学期間が1年間に及ぶため、

より専門性を極めるための履修計画を立てることができます。異

文化にどっぷり浸かることで確かな国際感覚も身につきます。

最短2年間で2つの大学から学位を取得

応募資格 留学先での履修内容

費用

長期の留学プログラム

①本研究科正規生で、派遣時に第2学年生として在籍する者② 本研究科修士課程1学年1学期と2学期に履修した基礎科目7科目のすべ

てに合格し、その成績平均点が基準点以上であること③TOEFL iBT100点以上、GMAT600点以上であること④一定年数の実務経験を有すること⑤ 第1学年2学期までに英語専門科目を1科目以上履修し、単位を取得して

いること※応募資格は変更になることがあります。

留学先の学校ではMBA(またはMSc/MIM等)正規科目(専門科目)を履修することになります。履修単位は留学先により異なります。●留学前に「研究計画書(Study Plan)」(英語)、全課程修了時点で「成果報告書」(英語)を提出し、それぞれ審査に合格する必要があります。「研究計画書」には、留学先で履修したい科目のリストおよび、どのような戦略や一貫性をもたせて科目選択をしていきたいか、自身のキャリア計画との関連などについて記載します。「成果報告書」には、履修した科目名だけでなく、課外活動を含めた広義の学問的成果、キャリア形成、異文化理解などの面において、どのような成果が得られたかについて具体的に記載します。●KBSでのゼミナールには所属せず、KBSでの修士論文は課されません。

渡航費、住居費、生活費、教科書代等の留学諸経費は個人負担です。留学先での授業料、登録料の扱いは学校によって異なります。

第1学年

KBSでの科目履修

1学期4~8月

● 選考● 出発直前説明会 ● 帰国後報告会

1学期4~8月

2学期9~12月

2学期9〜12月

3学期1~3月

3学期1~3月

第2学年

留学先での科目履修

KBSでの科目履修

Schedule

第1学年

KBSでの科目履修

1学期4~8月

 ● 募集説明会● 新入生向け説明会

 ● 募集説明会● 新入生向け説明会

● 募集開始

● 出発直前説明会● 研究計画書提出

● 成果報告書提出

1学期4〜8月

2学期9~12月

2学期9〜12月

3学期1~3月

3学期1〜3月

第2学年

留学先での科目履修

Schedule

Keio Business School 2019 12

修了後のキャリア

キャリアサポート

デュアル・ディグリープログラム(ジョイント・ディグリープログラム)制度

後期博士課程

キャリア形成をサポートする就職支援体制

複数の学位を取得できる制度

研究者への道

Career

01

02

03

 修士課程修了後に就職・転職を考えている学生を対象に、KBSで

は一人一人の希望に沿ったきめ細かいキャリアサポートを行ってい

ます。入学直後から、キャリアについて具体的に考えるセミナーやガ

イダンスを提供しているほか、企業説明会の開催や個別のキャリア

相談を通じて、キャリア形成と志望する進路の実現を支援していま

す。

 高等教育機関や研究機関の研究者として、あるいは研究・教育機

関以外の各種専門機関において高度な専門家として活躍すること

を目指す人のために、後期博士課程が置かれています。出身大学大

学院修士課程の専攻分野を問わず、経営学分野への旺盛な勉学意

欲と問題意識を持ち、高度な学識と識見を積みたい人を広く受け入

れています。

 経営管理に関する専門科目を履修することに加え、9つの研究教

育分野から自分の研究領域を2つ選択し、ケースの開発および事例

研究論文の作成発表、総合試験合格、プロポーザル作成、博士論文

作成・合格により、博士(経営学)学位が取得できます。

■ 就職支援専門スタッフの配置

■ 就職ガイダンス・キャリア形成支援

セミナーの開催

■ 企業説明会(随時)の開催

■ 求人・インターンシップ情報の紹介

■ 転職エージェントの紹介

■ 修了生情報の提供

製造業

電力・ガス・水道・熱供給業

卸売・小売業

金融・保険業

教育・学習支援業

サービス業

建設業・工事業

情報・通信業

進学者

その他

14.5%1.6%

11.3%8.1%

4.8%35.5%

11.3%1.6%

8.1%

3.2%

KBSIT コンサルティング

小売

商社金融 メーカー

医療 行政

(2018年修了生 2018年3月31日現在)

 慶應義塾大学大学院内で、ある分野で学位を授与された後に別の

分野で教育を受け学位を授与されるという、一定期間において複数

の学位を取得できる制度です。

 経営管理研究科は、現在、医学研究科、薬学研究科、健康マネジメ

ント研究科とそれぞれ本プログラムを実施しています。

 本プログラムにあたっては、諸条件があります。

 詳細はWebサイトでご確認ください。

デュアル・ディグリープログラム(ジョイント・ディグリープログラム)紹介

http://www.kbs.keio.ac.jp/graduate/mba/joint-degree/

13

──現在の業務内容

 楽天株式会社(以下、楽天)のグローバルデータ統括部で、人工知能等を駆使した新

サービスを開拓しています。具体的には、楽天グループのサービスで蓄積してきたビッ

グデータを活用し、国内外のクライアント(特に大手消費財メーカーなど)のための顧

客インサイト分析や広告キャンペーンなど、マーケティングにおけるデータプロダクト

の開発に携わっています。

──楽天株式会社に就職を決めた理由

 前職で、人工知能によるコスト削減の有用性を実感し、この技術を企業の売上・利益

の最大化につなげたいと考えるようになりました。楽天は多岐にわたる分野でサービ

スを提供し、豊富なデータを保有していることから、前職での経験を活かしながら、希

望の分野に携われることに魅力を感じました。 加えて、楽天エコシステム(経済圏)に関

わるすべてのステークホルダーのWin-Win関係の実現を明確化したミッションにも惹

かれ、この会社に入社を決めました。これは、KBSで学んだ共存共栄のメッセージが私

の心に深く響いていたことも大きく影響しています。

──KBSでの学びが業務で生かせたと感じる場面

 ビジネスはヒト、モノ、カネ、情報が相互作用を起こす有機的な存在といえますが、

KBSでは、組織全体がどのように動くかを理解する基礎力を身につけることができます。

その力を踏まえれば、さまざまな局面で直面する「課題」を「機会」として捉えられるよ

うになります。日々、KBSで学んだことが実際に企業で実践できていると感じています。

──後輩たちへ「キャリアプラン」を自身で考える際のアドバイス

 KBSでの2年間で最も変化することの一つは、「職業選択の柔軟性」だと思います。

KBSでは、幅広い業界の専門知識を持った同期と共に、経営に必須な多くの知識を学

び、ディスカッションを重ねます。この経験はさまざまな業界にもキャッチアップできる

力となります。先が分からないまま環境を変えることは、当然勇気がいることだと思い

ますが、その後の自身の成長を信じて、第一歩を踏み出してみてください。

04ビジネスで直面する

「課題」を「機会」と捉え、さらなる高みを目指す

Michael  BEKIARES経営管理研究科修士課程2014年修了

勤務先楽天株式会社 グローバルデータ統括部

My Career

Keio Business School 2019 14

KBS同窓会社中とのつながり。KBSの仲間とのつながり。06

 修了生は共に学生生活を過ごした同期と強い絆で結ばれるのは

もちろんですが、KBS同窓会の活動を通じて縦のネットワークを形

成します。KBS同窓会は総会員数約3,900名を抱える大きな組織

で、名簿を管理・公開しているほか、メールマガジンの発行、年1回の

総会やMBAカフェ、ストラテジックインサイトセミナー(SIS)などの

イベントを開催し、幅広い活動を行っています。また、慶應義塾の卒

業・修了生の同窓会組織である「三田会」の一員として、業種、職種、

国境を超えた有形、無形の価値を得ることができます。

* 慶應義塾では、学生を「塾生」と呼び、卒業・修了生を「塾員」と呼び、これに教職員を合わせた組織を一つのカンパニーの構成員として、福澤諭吉は「社中」という言葉で表現しました。

──KBSで得た学びと現在の研究について

 入社以来、製薬会社の研究所に所属していました。

研究というビジネスの上流しか知らなかった私です

が、KBSでのケースメソッド授業を通してビジネス全

体の視野を得ました。そうした中で、データマネジメン

トや解析が意思決定に及ぼす影響の大きさに魅了さ

れ、現在は、ファイナンスや医療分野のデータ解析を

行い、そこからビジネスインサイトを導出することを

研究課題としています。研究といっても、仮説を設定し、

検証方法を決定し、実施・解析の後、考察をする過程

は、実務で意思決定をするプロセスとそう大きな違い

はないのかもしれません。

──後期博士課程に進学することに決めた理由

 後期博士課程への進学は、「もっと深い専門性を身

につけたい」「研究結果を論文にまとめたい」という思

いで決めました。KBSには学術的にも素晴らしい先

生方が多数在籍されています。授業の中で先生の研

究成果に触れる機会が多くあったことや、企業との共

同研究の中で実学が活かされていると感じる場面が

あったことも進学への背中を押すきっかけになったと

思います。

 実際、後期博士課程の生活は楽な時間を過ごせる

ものではありません。自身の努力はもちろん、周囲の

方々からご配慮をいただいていることが多いように感

じます。

 修士課程を修了した同級生の幾人かは「もっと調

査をして、論文を書きたい」「博士号を取得するために

KBSに戻ってきたい」と言っていたことを覚えていま

す。学位取得後のキャリアはさまざまですが、修士課

程で学んだことや実務で経験した(する)ことをどのよ

うにつなげて発展させていくのか、ということを考え

ることは、自分の可能性を追求する良いプロセスにな

ると思います。

卒業生約3,900名

My Career05飽くなき探究心の先に

菅 愛子経営管理研究科修士課程2017年修了

経営管理研究科後期博士課程 在学中

15

小幡 績OBATA, Seki准教授

太田 康広OHTA, Yasuhiro教授

河野 宏和KONO, Hirokazu教授/経営管理研究科委員長/ビジネス・スクール校長

井上 哲浩INOUE, Akihiro教授/富士通チェアシップ基金教授

齋藤 卓爾SAITO, Takuji准教授

木村 太一KIMURA, Taichi 専任講師(有期)

坂下 玄哲SAKASHITA, Mototaka准教授

高橋 大志TAKAHASHI, Hiroshi教授

村上 裕太郎MURAKAMI, Yutaro准教授

山本 晶YAMAMOTO, Hikaru准教授

余田 拓郎YODA, Takuro教授/エーザイチェアシップ基金教授

市来嵜 治ICHIKIZAKI, Osamu専任講師(有期)

坂爪 裕SAKAZUME, Yu教授

Faculty Members

Production Finance

Accounting Marketing

最 先 端 の 研 究を反 映した授 業を展 開するK B S 教 員

生 産 財 務

会 計 マーケティング

Areas of Research企業金融、行動ファイナンス、NPO、政治経済学

Areas of Research分析的会計研究

Areas of Research生産政策、生産マネジメント、生産管理論、経済性工学

Areas of Researchマーケティング・マネジメント、マーケティング・サイエンス、マーケティング・コミュニケーション・マネジメント

Areas of Researchコーポレート・ファイナンス、コーポレート・ガバナンス、企業経済学

Areas of Research管理会計、マネジメント・コントロール

Areas of Researchブランド・マネジメント、消費者行動

Areas of Research企業財務、ファイナンス、アセットプライシング

Areas of Research分析的会計研究、税務会計

Areas of Researchインターネット・マーケティング、マーケティング・マネジメント、消費者行動

Areas of Researchマーケティング戦略、ビジネス・マーケティング、事業戦略

Areas of Research生産政策、インダストリアル・エンジニアリング

Areas of Research生産政策、生産マネジメント

教 員 紹 介

Keio Business School 2019 16

姉川 知史ANEGAWA, Tomofumi教授

浅川 和宏ASAKAWA, Kazuhiro教授/三菱チェアシップ基金教授

磯辺 剛彦ISOBE, Takehiko教授

大林 厚臣OBAYASHI, Atsuomi教授/松下幸之助チェアシップ基金教授

後藤 励GOTO, Rei准教授

大藪 毅OYABU, Takeshi専任講師

岡田 正大OKADA, Masahiro教授

林 高樹HAYASHI, Takaki教授

中村 洋NAKAMURA, Hiroshi教授

清水 勝彦SHIMIZU, Katsuhiko教授

小林 喜一郎KOBAYASHl, Kiichiro教授/トヨタチェアシップ基金教授

渡邊 直樹WATANABE, Naoki准教授

林 洋一郎HAYASHI, Yoichiro准教授

山尾 佐智子YAMAO, Sachiko准教授

Organizational Behavior Business Enviroment

General Management

Management Science

組 織・マネジメント 経 営 環 境

総 合 経 営

情 報・意 思 決 定

Areas of Research企業経済学、応用ミクロ経済学、国際経営、医療経済学

Areas of Research多国籍企業経営、組織理論、グローバル・イノベーション論

Areas of Research経営戦略、グローバルマネジメント

Areas of Research経済学、産業組織論、リスク・マネジメント

Areas of Research医療経済学、行動経済学、保健医療政策

Areas of Research人的資源管理論、労働経済学、医療管理学

Areas of Research経営戦略論

Areas of Research統計的データ解析、計量ファイナンス

Areas of Research経済学、産業組織論(ライフサイエンス、ヘルスケア、IT)、経営戦略論

Areas of Research組織マネジメント、企業変革、M&A、戦略実行・変更

Areas of Research経営戦略論、組織戦略論

Areas of Researchゲーム理論、ミクロ経済学、経済実験

Areas of Research産業・組織心理学、組織行動、社会心理学

Areas of Research国際人的資源管理論、国際経営論

(2018年4月現在・分野別五十音順)

17

Application

http://www.kbs.keio.ac.jp/graduate/phd/application.html

入 学 試 験 概 要

出願期間にWebサイトからエント

リーすることで、出願者の基本情

報登録や出願書類帳票が出力さ

れます。提出書類をすべて郵送す

ることで出願手続が完了します。

http://www.kbs.keio.ac.jp/graduate/mba/application.html

■ 募集人員 140名(MBAプログラム秋期・春期、EMBAプログラム合計)■ 試験科目 第一次試験 提出された出願書類についての選考      第二次試験 【一般入学試験】筆記試験(小論文)および面接試験            【国際プログラム重視入学試験】面接試験(一部英語)            【企業派遣者対象入学試験】面接試験■ 入学検定料  35,000円■ 初年度納付金 ①学費 2,210,000円         ②義塾が委託されて徴収する諸費用 7,600円         ※②は必要に応じて改定されることがあります。

■ 出願資格 (1)大学を卒業した者および2019年3月31日までに卒業見込みの者 (2) 大学改革支援・学位授与機構により学士の学位を授与された者および2019

年3月31日までに授与見込みの者 (3) 外国において学校教育における16年の課程を修了した者および2019年3月

31日までに修了見込みの者 (4) 外国の学校が行う通信教育を我が国において履修することにより当該国の

16年の課程を修了した者および2019年3月31日までに修了見込みの者 (5) 我が国において、外国の大学相当として文部科学大臣が指定した外国の学

校の課程を修了した者および2019年3月31日までに修了見込みの者 (6) 外国の大学等において、修業年限が3年以上の課程を修了することにより、学士

の学位に相当する学位を授与された者および2019年3月31日までに授与見込みの者

 (7) 専修学校の専門課程 (修業年限が4年以上であり、その他の文部科学大臣が定める基準を満たすものに限る。)で文部科学大臣が別に指定するものを文部科学大臣が定める日以降に修了した者および2019年3月31日までに修了見込の者

 (8)文部科学大臣の指定した者(昭和28年文部省告示第5号参照) (9) その他、本研究科が大学学部を卒業した者と同等以上の学力があると認め

た者で、入学までに22歳に達する者【一般入学試験】 (1)前述の「出願資格」を満たしている者

【国際プログラム重視入学試験】 以下の(1)~(3)を満たしている者 (1)前述の「出願資格」を満たしている者 (2) 出願日からさかのぼって過去2年間に受験した試験結果がTOEFL iBT90点

以上またはTOEIC860点以上の者 (3) 第一言語が日本語である者、または日本の大学(主たる指導言語が日本語で

学士の学位を取得する課程)を卒業した者および2019年3月31日までに卒業見込みの者

【企業派遣者対象入学試験】 以下(1)および(2)を満たしている者 (1)前述の「出願資格」を満たしている者 (2)本研究科が指定した企業・団体から派遣される者 *企業派遣の実績のない企業はお問い合わせください

■ 募集人員 8名■ 試験科目 第一次試験 筆記試験(専門科目・英語)および書類審査       第二次試験 面接試験■ 入学検定料  35,000円■ 初年度納付金 ①学費 880,000円         ②義塾が委託されて徴収する諸費用 2,600円         ※②は必要に応じて改定されることがあります。

■ 出願資格 (1)大学院修士課程修了者および2019年3月31日までに修了見込みの者 (2) 外国において修士の学位に相当する学位を授与された者および2019年3月31日まで

に授与見込みの者 (3)文部科学大臣の指定した者 (4) その他、本研究科が修士の学位または専門職学位を有する者と同等以上の学力があ

ると認めた者

第一次試験(書類審査)合格者は

二次試験(筆記試験、面接試験)

に臨みます。秋期募集(10月)で不

合格になった場合も、春期募集(2

月)への再チャレンジが可能です。

Webシステムと掲示(日吉キャン

パス協生館2階大学院事務室)で

行います。発表はすべて受験番号

で表示します。

第二次試験合格者には、合格発表

と同時に入学手続書類を送付しま

す。期限内に諸手続きを完了させ

てください。

出願 入学試験 合格発表 入学手続

2019年度入学 修士課程 一般・国際プログラム重視・企業派遣者対象入試概要多様性に富んだクラス実現のために、「一般入試」のほかに「国際プログラム重視入試」「企業派遣者対象入試」の2種類の入学試験オプションを提供します。

2019年度入学 後期博士課程入試概要

秋期募集 春期募集

出願期間 2018年9月13日(木) ~10月1日(月) 2019年1月11日(金) ~1月28日(月)

第一次試験合格発表 2018年10月10日(水)13:00 2019年2月6日(水)13:00

第二次試験(筆記試験・面接試験) 筆記試験 2018年10月13日(土) 筆記試験 2019年2月9日(土)

面接試験 2018年10月13日(土)または14日(日) 面接試験 2019年2月9日(土)

第二次試験合格発表 2018年10月17日(水)13:00 2019年2月13日(水)13:00

入学手続期間 2018年10月17日(水)~10月29日(月) 2019年2月13日(水)~2月25日(月)

出願期間 2019年1月11日(金) ~1月28日(月) 第一次・第二次試験 2019年2月10日(日)

合格発表 2019年2月13日(水)13:00 入学手続期間 2019年2月13日(水)~2月25日(月)

Keio Business School 2019 18

さまざまな奨学金や融資制度があります。奨学金ごとの申請期間・申請資格・提出書類などの詳細は、入学後に配付される「奨学金案内」およびWebサイトで確認してください。

入試概要の説明、授業を体感できるオープンキャンパスを実施します(2018年6月、11月を予定しています)。在校生や修了生の生の声を聞くこともできます。入学を検討される方はぜひご参加ください(Webサイトからの事前申込制)。 また、入試過去問題は、日吉学生部大学院事務室(協生館2階)にて閲覧できます。

東急東横線・目黒線、横浜市営地下鉄グリーンライン

「日吉駅」下車、徒歩1分 渋谷~日吉 : 25分(急行約20分) 横浜~日吉 : 20分(急行約15分) 新横浜~菊名~日吉 : 20分 ※東急東横線の特急は日吉駅に停まりません。

経営管理研究科修士課程(MBAプログラム)は、教育訓練給付制度一般教育訓練給付金支給対象講座の指定を受けています。

私費留学生対象奨学金は在留資格が「留学」の学生を対象にしています。詳細は国際センターのWebサイトを参照してください。

Scholarship

Access

奨 学 金

アクセス

http://www.gakuji.keio.ac.jp/life/shogaku

http://www.kbs.keio.ac.jp/graduate/mba/application.html

ハローワークインターネットサービス https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_education.html

http://www.ic.keio.ac.jp/intl_student/scholarship/intl_student.html

窓口対応時間 平日 8 : 45〜16 : 45身分証明書をご持参ください。事務室

内にて閲覧となります(複写不可)。

土曜日・日曜日・祝日・義塾が定めた休

日および事務室の休業期間中は閉室と

なります。 

日本人学生対象の主な奨学制度

慶應義塾大学日吉キャンパス

日吉学生部大学院事務室入試説明会、オープンキャンパスを開催

私費留学生対象の主な奨学制度

奨学金・融資制度

教育訓練給付制度

申請受付時期 奨学金の名称 給付/貸与 期間

入学前 小泉信三記念大学院特別奨学金 給付 1年間

4月 慶應義塾大学「研究のすゝめ奨学金」(KBS) 給付 1年間(修士2年、博士対象)

4月 日本学生支援機構奨学金 貸与 標準修業年限

5月 慶應義塾大学大学院奨学金 給付 1年間(修士1年、博士優先)

主に5月 指定寄付奨学金 給付 1年間(再申請可)

主に4月・5月 民間団体奨学金・地方公共団体奨学金 給付/貸与 標準修業年限のものが多い

申請受付時期 奨学金の名称 給付/貸与 期間

入学前 未来先導国際奨学金 給付 2年間

入学前 小泉信三記念大学院特別奨学金 給付 1年間

4月 慶應義塾大学「研究のすゝめ奨学金」(KBS) 給付 1年間(修士2年、博士対象)

4月 文部科学省外国人留学生学習奨励費 給付 1年間

4月、5月が多い 民間団体奨学金・地方公共団体奨学金 給付 標準修業年限のものが多い

10月 慶應義塾大学大学院奨学金(留学生) 給付 1年間

(2018年4月現在)

(2018年4月現在)

横浜市営地下鉄グリーンライン

中山

新横浜

菊名

横浜 品川JR 線

武蔵小杉日吉

JR 横須賀線

渋谷 東急東横線

目黒 東急目黒線

大崎 JR 湘南新宿ライン

渋谷〜日吉25分

新横浜〜菊名〜日吉20分

横浜〜日吉20分