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大阪府都市整備部の品質確保に向けた取り組み 大阪府都市整備部 事業管理室長

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大阪府都市整備部の品質確保に向けた取り組み

芝 池 利 尚

大阪府都市整備部

事業管理室長

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大阪府都市整備部の品質確保に向けた取り組み

平成26年10月10日大阪府都市整備部事業管理室

写真:新名神関連事業

はじめに

大阪府都市整備部の事業

「府民の安全・安心の確保」に向け、南海トラフ巨大地震対策をはじめとする防災減災対策や都市インフラの戦略的維持管理を充実強化すると共に、「大阪・関西の成長」につながる道路・鉄道ネットワークの強化など、戦略的なインフラマネジメントを推進

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主要な事業(府民の安全・安心①)

南海トラフ巨大地震をはじめとする防災・減災対策の充実・強化○液状化対策等(H26年度:約137.3億円

南海トラフ巨大地震をはじめとする防災・減災対策の充実・強化○液状化対策等(H26年度:約137.3億円

(安威川ダム建設事業)

(寝屋川流域の総合治水対策)

主要な事業(府民の安全・安心②)

■河川改修・土砂災害対策の推進(約78.1億円)

○ H25.8に浸水被害が発生した上の川(吹田市)では、新たに調査設計に着手するとともに、芦田川(高石市)をはじめ、洪水リスクが高く人家密集地域を流れる河川や、近年、浸水被害が頻発している河川において河川改修を推進

○土砂災害防止法に基づく区域指定に必要な基礎調査を進めるとともに、砂防施設の整備、龍間(2)地区(大東市)等の急傾斜地崩壊対策事業等を推進

■インフラ維持管理戦略の充実・強化

○橋梁の補修・補強等(約36.4億円)

○河川水門・排水機場の部分更新・補修等(約15.5億円)

○下水道施設の部分更新・補修等(約135.6 億円)

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主要な事業(大阪・関西の成長~広域道路ネットワーク~)

(1)事業概要

大和川線などで形成される大阪都市再生環状道路、広域連携を担う府県間道路(国道371号、国道480号、

第二阪和国道)や新名神高速道路へのアクセス道路をはじめ、選択と集中による重点化を図り継続路線を着実に推進します。

新名神アクセス道路

大阪府都市整備部の品質確保に向けた取組み

年間発注件数(平成25年度実績)建設工事・・・ ・・ ・・・ ・ ・・・ ・ 928件測量・調査・設計業務・・・・・ 703件

○ダンピング受注、行き過ぎた価格競争

○現場の担い手不足、若年入職者の減少

○発注者のマンパワー不足○地域の維持管理体制の懸念○受発注者の負担増大

公共工事を取り巻く状況と国の動き

入札契約制度 施工管理体制

☆担い手の中長期的な育成・確保のための適正な利潤 を確保

⇒適正な予定価格の設定☆適切な点検・診断、維持管理の実施☆下請を含む 請負契約の適正化と公共工事

に従事する者の賃金・安全衛生等の労働環境の改善☆不調・不落対策☆低入札価格調査基準や最低制限価格の設定☆計画的な発注、工期設定、適切な設計変更☆多様な入札制度の導入・活用

改正品確法(H26.6施行)

適正な予定価格

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大阪府の入札制度

① 原則、条件付一般競争入札《電子入札》

但し、早期対応が必要な工事は、条件付一般競争入札(事前審査

型)《紙入札》とすることができる。

② 予定価格が20億2千万円以上の工事は国際競争入札

③ 予定価格6千万円以上の土木関係工事には、特定建設業許可を

求め、配置技術者として専任の監理技術者(雇用期間が3ヵ月

以上)の配置を入札参加要件として求める。

建築一式工事は、9千万円以上

プラント設備工事は、1億円以上

【参照】平成26年度都市整備部建設工事請負契約に係る

入札・契約制度について(HP掲載)

大阪府の入札制度の概要

大阪府の入札制度

※その他、建築一式工事、電気工事、管工事、舗装工事についても改定

工事発注件数が減少している中で、入札参加機会を増やすため、平成25年度に一部等級を統合するとと

もに等級区分評点及び対象工事金額を改正しています。

工事の種類 等級

平成26年度

等級区分評点 工事金額

土木一式工事

AA 1410以上 13億5千万円 以上

A 1150 ~ 1409 3億5千万円 以上 13億5千万円未満

B 900 ~ 1149 9千万円 以上 3億5千万円未満

C 750 ~ 899 2千万円 以上 9千万円未満

D 749以下 2千万円未満

※等級区分評点=経営事項審査点数(P点)+地元点(100点)+福祉点(8点)

平成26年度土木一式工事における等級区分及び工事対象金額

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大阪府の入札制度

平成25年4月1日の公告案件から、電子システムにより入札を行う全ての建設工事で実施

建築一式工事    その他(舗装、造園、 橋梁上部工事等)

3.5億円① ②

1.8億円 ② ②

0.5億円③ ②

0.1億円 ④ ②

④ ②

① … ~平成23年11月

② … 平成23年11月拡大

③ … 平成24年9月拡大

④ … 平成25年4月拡大

土木一式工事

※最低制限価格、低入札価格調査基準価格は全て事後公表済(H22.4)

予定価格等の事後公表

総合評価落札方式

平成17年度 「品確法」制定

○公共工事は、調達時点で品質を確認できる物品購入とは異なり、落札者となった施工者の技術力等によって品質が左右

○厳しい財政状況を背景に、公共投資の削減が続けられてきた結果、不良不適格業者の参入によるいわゆるダンピング受注や不良工事 が発生するなど、公共工事の品質確保の懸念が高まる

こうした背景を踏まえ、「価格と品質」の両面で総合的に優れた調達を公共工事の契約の基本に位置付け、公共工事の品質を確保するとともに、効率的な事業執行を実現することを目的に制定。

品確法の趣旨を踏まえ、大阪府では「価格」のほか「それ以外の要素(技術力)」を評価の対象に加えて、総合的に評価し、技術と価格の両面からみて、最も優れた案を提示したものを落札者として決定する「総合評価落札方式」を平成18年度から導入

総合評価落札方式の導入

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総合評価落札方式

年度 技術提案型 技術審査型

平成18年度 3件 - 件

平成19年度 13件 34件

平成20年度 9件 66件

平成21年度 12件 59件

平成22年度 2件 35件

平成23年度 7件 19件

平成24年度 4件 10件

平成25年度 1件 7件

計 51件 230件

導入後の実績(土木関係)

総合評価落札方式

①事務量の低減、手続き期間の短縮ができないか?

②技術評価点1点の重さについて、的確な説明ができるのか?

③優秀な工事成績点を保有している企業が圧倒的に有利となっていな

いか?

④最低制限価格制度を適用する案件にも、「品確法」の主旨を取り入

れられないか?

新たな方式

実績申告型落札方式の試行

総合評価落札方式における問題点

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実績申告型落札方式

★総合評価資料の作成に係る事業者の負担軽減や、落札候補者

のみの事後審査で済むことにより、入札事務の簡素化に寄与。

★比較的技術的難易度の低い案件において、総合評価に代わる

制度として有効。

・品確法の主旨を踏まえ、工事品質の確保を目的として、一般競争入札参加者として実績を評価する。

・別に定める評価項目について、入札参加者が申告する評価点の合計が一定基準以上ある者に対し入札参加資格を認め、価格競争で落札候補者を決定し、事後にその落札候補者の自己採点結果を審査する制度。

条件付き一般競争入札(実績申告型)の内容

実績申告型落札方式

分類 評価項目 評価内容 評価基準 点数

企業の技術力

優良工事表彰受賞の有無

都市整備部における前年度の優良工事表彰受賞の有無

受賞あり 5

優良な工事成績点の有無

都市整備部発注工事のうち前年度の工事成績点

85点以上 3

工事成績点に係る減点

都市整備部発注工事のうち前年度の工事成績点

70点未満 ‐3

同種工事の施工実績の有無過去15年間に元請として完成引渡が完了した同種工事の有無

同種工事の実績 3

配置予定技術者の

技術力

同種工事の工事経験

過去15年間に元請として完成引渡が完了した同種工事の有無

同種工事の実績 3

同種工事の工事成績点

過去5カ年度の都市整備部発注の土木一式工事において監理技術者、主任技術者として従事した工事の成績点

85点以上 3

継続学習への取組み状況

継続教育(CPD)の過去1年間の取得単位数

推奨単位以上 2

企業の信頼

性・社会性

地域貢献度 府内企業大阪府内に建設業法上の主たる営業所がある

3

府内企業への下請け 大阪府内企業の下請けへの活用1次下請契約額に占める地元下請契約額の割合が90%

3

評価基準点を案件毎に定める

評価項目の例

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実績申告型落札方式

基準点(X点)以上 基準点(X点)未満

①【公告】「実績評価基準」の合計点の範囲内で、大阪府が評価基準点(X点)を設定し、入札参加資格の要件とする。

例(昨年) X点 10点

②【入札】参加者は、自己採点により申告する評価数(P点)が、評価基準点(X点)以上であることを条件に、入札に参加。

③【開札】参加者の内、入札額が最も安価な者が「落札候補者」となる。

④【事後審査】事後審査の際に、落札候補者の評価点(P点)が評価基準点(X点)以上 であるかを確認。

「落札者」決定 価格の次順位者が「落札候補者」

評価項目の例

実績申告型落札方式

年度 対 象 実施件数

平成23年度土木一式工事

予定価格 9千万円~1.8億円未満(B2等級)8件

平成24年度

土木一式工事予定価格 9千万円~1.8億円未満(B2等級)

予定価格 1.8億円~3.5億円未満(B1等級)

15件

19件

平成25年度

土木一式工事予定価格 1.8億円~3.5億円未満(B等級)

予定価格 3.5億円~9.0億円未満(A等級)

33件

7件

★平成26年度

6千万円以上20.2億円未満の土木一式工事に対し試行拡大

※総合評価落札方式(技術提案型)及び入札参加要件で参加可能企業が絞られ

てしまうなど実績申告型に馴染まないものは除く

導入後の実績

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低入札対策

○建設投資の減少に伴うダンピング受注の激化○下請へのしわ寄せにより、技能労働者の賃金が低下

○社会保険料が適正に支払われず、法令上の義務があるのに最低限の福利厚生すら確保されていない企業が多数存在。

若年入職者が減少し、高齢化が進行。

若年入職者の確保、次世代への技能伝承が大きな課題。

適切な対策を講じなければ、近い将来、災害対応やインフラの維持・更新に支障を及ぼす。

低入札対策の必要性

低入札対策

(2)低入札価格調査基準価格(最低制限価格)の算定基準の改定H23.4~府独自モデルとして改定したが、本府の事後公表案件における事業者積算の調査結果をふまえ、工事の安全対策と建設業の持続的発展の観点からH24.4からH23国モデルに改定し、その後H25.10 からH25国モデルに更に改定した。

(3)失格基準価格の算定基準の改定H24.4から失格基準価格の算定基準を全庁統一し、H25.10 から更に改定。

(1)低入札価格調査制度の適用範囲の見直し土木一式工事ではB1等級以上で低入札調査制度を実施してきたが、 調査基準価格未満で契約した工事において事故が多く、事業者のコスト削減の余地も少ないことから、H24.4から適用をA等級以上とした。併せて他の工種についても、最低制限適用範囲を拡大し、低入札価格調査制度の対象範囲を見直した。

失格基準価格①または②の大きい金額

①予定価格の70%

②直接工事費の85%共通仮設費の70%現場管理費の70%一般管理費等の55%のそれぞれの合計額

低入札価格調査制度

○予定価格が3.5億円以上の・土木一式工事・舗装工事・造園工事・鋼橋上部工事・PC橋上部工事 等

低入札価格調査基準価格直接工事費 × 95%共通仮設費 × 90%現場管理費 × 80%一般管理費等 × 55%

○設定範囲:予定価格の70~90%

ダンピング受注の抑制策

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低入札対策

平成25年4月以降に公告するWTO案件の内土木一式工事など一部の工事で、特別重点調査基準価格を下回った場合に調査を実施。

特別重点調査基準価格

直接工事費の 85%共通仮設費の 70%現場管理費の 70%一般管理費等の 55%

のそれぞれの合計額

低入札価格制度の

「失格基準価格相当額」

提出資料

①工事品質、労働環境の確保などに関する種々の資料

②見積金額について過去1年以内の実績などを証明するための契約書の添付

③下請予定業者全てを記載した施工体系図

意向確認書で「資

料提出する」事を

表明した者 で、

入札金額が基準

価格を下回った

者のみ資料を提

出※

※意向確認書で「資料を提出する」ことを表明し、資料が提出できなかったり、全て揃っていなかったり、調査で失格となった場合は3ヶ月の入札参加制限措置。意向確認書で「資料提出しない」ことを表明した者は、基準価格を下回っても入札書が無効となるため3ヶ月の入札参加制限措置は適用されない。

特別重点調査制度

担い手確保(労働環境改善)

大阪府では、法定福利費を適正に負担する企業による公平で健全な競争環境を構築するとともに、建設産業の持続的な発展に資するため、府が発注する建設工事において、建設事業者の社会保険の加入促進に段階的に取組み

大阪府発注の建設工事における建設事業者の社会保険加入促進

平成25年11 月1日以降に公告する全ての建設工事案件について、入札参加に必要な資格として、社会保険の加入を条件⇒ 未加入の建設事業者※は、落札者となることができない。

Step1(H25.11以降~)

平成26 年4月1日以降に公告する全ての建設工事案件について、全ての次数の下請負者の社会保険の加入状況を確認します。⇒ 未加入の建設事業者について、社会保険担当機関に通報します。

Step2(H26.4以降~)

平成27・28 年度大阪府建設工事競争入札参加資格審査申請(定期受付)から、申請に必要な資格として社会保険の加入を条件とします。

Step3(H27.4以降~)

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大阪府都市整備部施工管理特別調査班の立入調査

大阪府都市整備部施工管理特別調査班の立入調査とは

【目的】

「建設業法」及び「公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律」のより一層の徹底を図るため、府が入札した建設工事への立入調査を行い工事現場の適正な施工管理の確保を図り、良質な公共工事の推進及び不良不適格業者の排除を目的とする。

【調査対象】以下に該当する工事を優先的に調査(1) 低入札価格調査制度による調査基準価格未満で契約した工事(2) 下請負総額が3,000万円以上の工事(3) 大阪府発注の工事を初めて受注した業者の工事(4) 建設業法違反の疑いのある工事等その他特に必要と認められる工事

【調査内容】・監理技術者等の配置に関する点検・施工体制台帳等の備え付け等に関する点検・下請契約に関する点検・一括下請負がなされていないかの点検・下請業者の点検(主任技術者の配置等)

不具合があれば改善命令

適切な設計変更(インフレスライド条項の適用)

【大阪府全労務単価平均】

H26.2 20,726円(H25.4単価比 +6.7増)(H24.4単価比 +20.1%増)

■ 大阪府では平成26年4月1日からインフレスライド条項を適用

(インフレスライド条項とは)

予期することのできない特別の事情により、工期内に日本国内において、急激なインフレーション又はデフレーションを生じ、請負代金額が著しく不適当 となったときは、発注者又は受注者は、請負代金額の変更を請求することができる

インフレスライド条項の適用