000 Canto 01 - 日本BD —医療機器, 微生物検査と...

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BD FACSCanto

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イノベーションを結集させた次世代のフローサイトメーター

フローサイトメトリーシステム

BD FACSCanto

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高感度6カラーによる次世代の細胞解析を実現

1974年、BDは初めて商業的に実用可能なフローサイトメーターを実現しました。

客観性、迅速性、定量性や複数パラメータの同時測定などの点が評価され、現在で

は世界で10,000以上の研究室でBDのフローサイトメーターが使われています。

最近では、蛍光色素、蛍光プローブや蛍光タンパク質の発現遺伝子などの技術が発

展し、従来のモノクロナル抗体による細胞染色にとどまらず、様々なフローサイトメ

トリー・アプリケーションが開発されています。特にポストゲノム後、細胞内外タンパ

ク質の機能解析を目的としたものや、樹状細胞や分化過程の細胞のように存在比

率の少ない細胞集団を解析することが要望されています。

これらの細胞の研究では、細胞集団を複数の蛍光マーカーで細分化するために、様々

な蛍光マーカーに柔軟に対応できるマルチカラー解析の能力を持つことが必要で

す。また、密度の少ない蛋白抗原でも検出できるように高感度にシグナルを測定す

る能力がこれからのフローサイトメーターに求められます。

BD FACSCantoフローサイトメトリーシステムは、BDの30年以上の経験とノウ

ハウを結集した最新の6カラーのベンチトップ型フローサイトメーターです。高感

度なマルチカラー解析能力をもち、かつ高い処理能力と簡便な操作性をもたらす

信頼性の高い次世代のフローサイトメーターです。

BD FACSCantoフローサイトメトリーシステムは、4つの機能で高感度、マルチカ

ラー解析を支えています。

BD FACSCantoの名前は、オペラにおける歯切れのいい正確な独唱で、なめらか

で純粋な音調に重きをおいた歌唱法「bel canto」(ベルカント)にちなんでいま

す。最先端の光学テクノロジーと高速で測定されたシグナルを高精度に処理する

デジタル波形処理回路とによって、その「bel canto」を実現しています。

マルチカラー解析を支える最先端の光テクノロジー

デュアルレーザー・セパレートビームスポット方式

6カラーアナリシスを支える4つの機能

フルマトリックスコンベンセーション

Biexponentialグラフィックディスプレイ

ピンホール・光ファイバーシステム

反射式蛍光検出システム

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マルチカラー解析を支える最先端の光テクノロジー

BDでは、FACSの開発当初より細胞表面蛋白質を複数の標識抗体で同時に染色し、

細胞の表現系により細胞集団を分類することを目指してきました。細胞生物学とマ

ルチカラー解析は共に発展してきました。

マルチカラー解析は、複数の蛍光色素を同時に検出することを意味します。ここで

生じる問題は、波長幅を持つ蛍光シグナルが近接すればするほど、隣接した蛍光検

出器でもその蛍光シグナルが検出されてしまう、いわゆる「蛍光の漏れ込み」が起

こることです。

BDでは複数のレーザーと搭載するデュアルレーザー・セパレートビームスポット方

式で、この問題を解決しました。1980年代にはこの方式を採用したBD

FACStarを開発し、世界発の3カラーアナリシスに貢献しています。さらに、

1995年には、BD FACSCaliburに、この技術を応用し、デュアルレーザーのベン

チトップ型フローサイトメーターを開発し、4カラーアナリシスを実現しました。

BD FACSCantoはこれまで築きあげたデュアルレーザー・セパレートビームスポ

ット方式と最新テクノロジーの融合により、蛍光の洩れ込みを最小限に抑えた質の

高い6カラーアナリシスデータを提供します。

次世代のFACS細胞解析に対する、BDからの提案です。

488nm青色固体レーザーと633nm赤色ヘリウムネオンレーザーを標準で搭載

しています。

488nmレーザーは、固体レーザーを採用しています。従来のアルゴンレーザーよ

りノイズが低く抑えられおり、バックグラウンドを軽減しシグナルを安定かつ正確に

検出することができます。また、低消費電力、長寿命で、ランニングコストが低減でき、

熱量の発生の少ない高性能のレーザーです。

633nm赤色ヘリウムネオンレーザーも標準装備です。現在、フローサイトメータ

ーで使われる蛍光色素は多様化しています。2種類のレーザーを標準装備したこ

とによって、フレキシブルに色素を選択し組み合わせることができ、選択の幅を狭

めません。

2本のレーザー光は光ファイバーで導かれます。光ファイバーカプラは光学ベンチ

に固定されているので、安定で、かつ省スペースをもたらします。

フレキシブルな蛍光色素の選択を可能にするデュアルレーザー方式

488nm 青色固体レーザー

633nm ヘリウムネオンレーザー

デュアルレーザー・セパレートビームスポット方式によるレーザーの照射

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デュアルレーザー・セパレートビームスポット方式はBD FACSに広く用いられてい

る技術です。2本のレーザーはプリズムを介してレーザービームを平行に異軸に照

射します。

この方式では、蛍光が生じるタイミングを敢えてずらし、異なるレーザー光による蛍

光の互いへの影響を軽減しています。検出時の各レーザーにより生じる蛍光の漏

れ込みを物理的に減少させることができ、蛍光色素の選択の幅が広がります。

確かに、各検出機に漏れ込んだ蛍光を数学的に補正する(蛍光補正の数値演算処理)

ことは可能です。しかし、この方法だけでは、同時に使用できる蛍光色素に限界が

あります。だからこそ、BDはマルチカラーを重んじるために、デュアルレーザー・セ

パレートビームスポット方式にこだわりました。

安定した送液系、正確なTime Delayによる信号処理、レーザー照射位置の安定性

など、すべてを兼ね備えたシステムのみが提供できる方式です。

レーザー間の蛍光の影響を最小限にするセパレートビームスポット方式

セパレートビームスポット方式とシングルビームスポット方式の比較

FL1 FITC Alexa 488 EGFP

FL2 PE DsRed PI*

FL3 PerCP PerCP-Cy5.5 PE-Cy5** 7-AAD***

FL4 PE-Cy7

FL5

488nm

633nm HeNe APC Alexa 647

FL6 APC-Cy7

固体レーザー

レーザー

******

PIは、使用用途によりFL3でも検出可能です。PE-Cy5は、633nmで励起し、660nm付近の蛍光を発するため、APCとの併用はできません。7-AADは、使用用途によりFL4でも検出可能です。

使用可能な蛍光色素

BD FACSCanto方式デュアルレーザー・セパレートビームスポット方式

他社製品方式デュアルレーザー・シングルビームスポット方式

検出器間が広いため、少ない 検出器間が近接しているため、多い

制限少ない

蛍光の漏れ込み

蛍光色素の選択

主な蛍光色素の蛍光波長の重なり

制限多い例)PE-Cy7およびAPC-Cy7のシグナルは区別不可

450 500 550 600 650 700 750 800 850 450 500 550 600 650 700 750 800 850nm nm

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マルチカラー解析を支える最先端の光テクノロジー

マルチカラー解析の開発で見えてきたことがあります。光学フィルターを用いて蛍

光を分光し、各蛍光検出を蛍光検出器(光電子倍増管:PMT)で検出するフローサ

イトメーターでは、同時に複数の蛍光色素を使用した場合、検出器の配置によっては、

複数の光学フィルターにより著しく蛍光が減衰します。

BDはBD FACSCaliburまでは分岐光学方式を採用していましたが、従来の配列

(直列方式または分岐光学方式)における限界が見えてきました。

従来の光学系では異なるレーザーにより生じた蛍光は同じ光路を進み、スプリット

ミラーを用いて各検出器に導かれていました。このとき乗じる蛍光の漏れ込みを

検出器の直前にピンホールを用いて軽減していました。

BD FACSCantoでは、各レーザーにより生じた蛍光は、フローセルと結合したオ

プティカルゲルにより各レーザー用のピンホールから各レーザー用の光ファイバー

へそれぞれ独立した光路を進み、蛍光検出システムに到達します。

オプティカルゲルはレンズと同じ屈折率を持ち、高い集光効率が得られます。ピン

ホールと光ファイバーは、従来のデュアルレーザー・セパレートビームスポット方式

でも生じていた蛍光の漏れ込みを更に軽減する優れたシステムです。

更にレーザー間の蛍光の漏れ込みを軽減するピンホール&光ファイバーを用いた新しい光学システム

488nm

オプティカルゲル

1.2NAレンズ

ピンホール

オクタゴンドライゴン

検出器

光ファイバー

フローセル

633nm

オクタゴン・トライゴン蛍光検出システム 633nm レーザーにより励起した蛍光

488nm レーザーにより励起した蛍光

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従来の直列方式、または分岐光学方式で複数の蛍光色素を同時に検出する場合に

は、蛍光シグナルの強度は光学システムの検出器に達するまでに透過する光学フィ

ルターの数に比例して減衰します。したがって、5~6色の蛍光色素を使用すること

が想定される場合、従来の方式では高感度に蛍光シグナルを検出することができ

ない場合があります。BDでは、オクタゴン・トライゴン蛍光検出システムを開発し、

透過フィルターを最小限に抑えることに成功しました。

オクタゴンおよびトライゴン検出器は効果的にフィルターと検出器を配置した独創

的なデザインです。反射法で光学フィルターを使用することで蛍光の減衰を抑え、

更に光が減衰しやすい長波長側から検出器に導く工夫がされています。透過型フィ

ルターはPMTの直前に1枚のみ設置されています。

蛍光の減衰を抑え、高感度を提供するオクタゴン・トライゴン蛍光検出システム

ピンホール&光ファイバーシステムとオクタゴン・トライゴン蛍光検出システムは蛍

光の漏れ込みを軽減すると同時に、蛍光の減衰を抑えた最先端のテクノロジーです。

この機能を同時に採用することによって、高感度で信頼性の高い6カラー・マルチ

カラー解析フローサイトメーターが実現しました。

FITC: 100 MESF、PE: 50 MESFの高感度の高感度を実現

透過方式と反射方式では蛍光の減衰率が異なります。使用されるフィルター数が増える程、その差は顕著になります。

MESF : Molecules of equivalent soluble fluorescein

直列方式イメージ図オクタゴン検出システムイメージ図

SSC PMT1 PMT2 PMT3

PMT4

BD FACSCanto 方式 他社製品方式

10MHz サンプリング

0 Volts

2 =16,38414

PMT:ADC:FPGA:DSP:

光電子倍増管アナログ・デジタル・コンバータフィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(集積回路)デジタル・シグナル・プロセッサ

従来のアナログ方式

コンペンセーション

PMT ADCプレアンプ ログアンプ蛍光補正回路

コンペンセーション

フルデジタル波形処理方式 PMT ADC FPGA & DSPプレアンプ

シグナルを高精度に処理するデジタル波形処理技術

BD FACSCantoでは、フルデジタル波形処理技術が導入されています。蛍光シグ

ナルパルスは毎秒1000万回サンプリングされ、16,384レベルでデジタル化さ

れます(従来は1024チャンネル)。BD FACSCantoのデジタル波形処理技術で

は、この生のデータを処理して、蛍光シグナルの高さ(Height)、面積(Area)、幅(Width)

の各パラメータをリニアデータとして262,144チャンネルで保存します。

更に、BD FACSCantoのフルデジタル波形処理技術は測定および保存時だけは

ありません。解析時(ドットプロットやヒストグラムプロット表示)の解像度も

262,144チャンネルですので、取得したデータの高感度解析が可能です。

マルチカラー解析では、波長幅を持つ蛍光シグナルが近接すればするほど、隣接し

た蛍光検出器でもその蛍光シグナルが検出されてしまう、いわゆる「蛍光の漏れ込

み」が起こります。これを補正する「コンペンセーション」は、どんな機器においても

マルチカラー解析を行う際には必ず必要になる調整です。

コンペンセーションは、従来はパルス信号をシグナル処理の過程で蛍光補正回路に

て漏れ蛍光係数をパルス信号から減算して補正を行っていました。補正された数

値をデジタル化してリストモードデータとして保存し、ヒストグラムプロットやドット

プロットを作成していました。しかし、3カラー以上では、補正係数は負数になると

は限らないことが1993年以降の各論文で明らかになりました(文献1~3)。

4種類以上のマルチカラー解析を行うためには、複数のレーザーによる励起が必要

です。BD FACSCantoでは、異なるレーザー間で生じる蛍光色素の漏れ込みを

防ぐために、最先端の光テクノロジー(P.4~7)を採用して対応しています。

しかしながら、5カラー、6カラーのマルチカラー解析を行う場合には、1つのレーザ

ーで励起される蛍光色素が3種類以上必要になるので、蛍光補正を効率よく正確

に行うシステムが必要です。BD FACSCantoでは、逆行列を使用して数学的に蛍

光補正を行う「フルマトリックス・コンペンセーション・システム」を搭載し、解析効

率を向上しました(文献4、5)。

デジタル波形処理によるフルマトリックス・コンペンセーション

様々な蛍光色素が開発され、マルチカラー解析がますます広がっていくと、今まで

のLog表示による蛍光強度の表示方法では、ドットが軸上に表示されることが観察

されていました。これは、特に使用する蛍光色素の特性や、過剰に蛍光補正を行っ

た場合に見られていました(文献6)。

また、PMTにおける信号には、細胞と結合していない蛍光標識抗体からの蛍光、フ

ローセル部材料による自家蛍光や散乱光などの様々なソースからのバックグラウ

ンド信号が入ります。このようなバックグランド信号は、デジタル波形処理の過程で

補正されます。これらの補正により、ネガティブ細胞集団や弱陽性細胞集団の蛍光

強度が差し引きされ、ドットが軸上に表示されることも観察されていました。

マルチカラー時代に対応したBiexponential グラフィック・ディスプレイ

■ フローサイトメトリー解析におけるLog表示

BD FACSCantoでは、0付近のスケーリングを変更し、蛍光強度の高いレベルは

ログ表示、低いレベルはリニア表示を用いてプロットを表示するBiexponential表

示を採用しました。この方法は、正しい細胞集団の検出をするとともに、ドットの軸

への張り付きを解消することができる最新の表示方法です(文献7、8)。

■ Biexponential グラフィック・ディスプレイ

図は死細胞を除去したマウス脾臓細胞のCD3e+細胞を

CD4 APC-Cy7とCD8a PE-Cy7のドットプロットで展

開したものである。aは従来のLog表示で作成しており

double negativeのドットが両方の軸に張り付き細胞集

団を形成していないように見える(赤矢印)。CD3e+

CD4+細胞集団、CD3e+CD8a+細胞集団も矢印の部

分が軸に張り付いているのが観察される(青矢印)。bは、

Biexponential 表示で作成している。両軸への張り付き

が軽減され、集団が均等に分布している。また、double

negative細胞も集団を形成していることが観察される。

この図では、このような分布に適するヒンジゲートを使用

している。ゲートの形は異なるが、aとbでは各細胞集団

のパーセンテージは変わらない。

a b

図は、 BD CaliBRITE FITCビーズを用いて、 PE-%FITCの蛍光補正を行っている。

a~cとd~fは異なる補正をしている。aおよびdのドットプロットではドットのX軸への

張り付きは分からず、aが正しい蛍光補正後測定されたデータと思われる。bおよびeの

コンタープロットでは、bの方がX軸上のイベントが多いのが分かる。さらに、cおよびf

のコンタープロットのBiexponential表示では、cでは、過剰に補正されていることが

わかる。Biexponential表示は、蛍光補正が正確かどうかを容易に判断することがで

きる表示方法である。

a b c

d e f

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優れた操作性能と高度な解析性能

コンピュータによる機器の制御は、機器の取り扱いを容易にしました。スタートアッ

プ、シャットダウンおよび洗浄を自動で行い、メンテナンスの煩雑さから研究者を解

放します。

スタートアップシャットダウンの自動化

ユーザー毎に初期設定を変更したり、ユーザーが作成したエクスペリメントのみを

表示することができます。研究者それぞれに必要な情報のみで作業を行うことが

できます。

ユーザー・ログイン

新しいデザインのサンプル・インジェクション・チューブ(SIT)により、測定毎にSIT

の洗浄が行われます。次サンプルへのコンタミネーションは0.1%未満に抑えられ、

純度の高いデータが得られます。頻度の低いイベントの解析や、低い蛍光強度で検

出される機能解析などに威力を発揮します。また、サンプルの装着、脱着、洗浄はす

べてコンピュータ画面上で操作可能です。

サンプル装着の自動制御

QCなどルーチンで使用するエクスペリメントはプレセットされています。ユーザー

が頻繁に使用するエクスペリメントもテンプレートとして保存することが可能です。

取り込みおよび解析テンプレート

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Globalワークシートでは、測定したデータのバッチ解析を行うことができます。

GlobalワークシートとSnap-Toゲート機能(自動ゲート解析機能)を組み合せれば、

細胞集団の位置が変化する場合でも、細胞集団を追跡してバッチ解析を行うことが

できます。

バッチ解析ツール

エクスポート・ウィザードを使用して生データをFCSファイルとしてエクスポートす

ることができます。ウィザードを使用することでディレクトリが乱雑になることを防

ぎます。データフォーマットは2.0、3.0の両方が可能です。

自動FCSエクスポート

BD FACSDivaソフトウェアには、ブラウザウィンドウに表示されるデータ・ベース

を持っており、フォルダや、エクスペリメント、FCSファイルへのアクセスのインタフ

ェースになっています。これにより、データのバックアップが容易になるとともに、デ

ータのエクスポートや長期保存を簡単に行うアーカイブ機能も備えられています。

内蔵データベース

BD FACSCantoシステムは、 PCベースのMicrosoft Windows XPプラットホ

ームで動作し、2つの液晶モニターにより快適な測定環境を提供します。

Microsoft Office(Microsoft PowerPoint など)も使用可能です。ドットプロッ

トは、コピー&ペーストで簡単にMicrosoft PowerPoint に貼り付けることができ

ます。

Microsoft Windows XPプラットホーム® ®

Memu bar

Workspace tool bar

Worksheet tool barBrowser tool bar

Acquisition pointer

Acquisition controls

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アプリケーション

マウス脾臓細胞をCD3e FITC、CD4 APC-Cy7、

CD8a PE-Cy7、NK1.1 APC、TCR-β PEで染色

しています。サンプルに7-AADを加えて、サブセットを

解析する前に、死細胞を除外して解析を行っています。

6カラーリンパ球解析

細胞内サイトカインを細胞レベルで解析することがで

きます。図は、Brefeldin A存在下でサイトメガロウイ

ルス抗原、CD28、CD49dによりリンパ球を刺激し、

サイトカインを産生させています。CD4陽性リンパ球

にゲーティングし、TNFサイトカイン産生細胞を検出

しています(青色ドット)。CD45RO、CD62Lを同時

に染色していますが、BD FACSCantoでは、更に2

カラーを加え、サイトカイン産生細胞の特長を詳細に

解析することが可能になります。

細胞内サイトカイン解析

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細胞増殖している細胞に、Thymidineの代わりに

Thymidineのアナログである5-Bromo-2-deoxyuridine

(BrdU)を加えると、DNA 複製期にBrdUがDNAに取

り込まれます。取り込まれたBrdUは、FITC標識抗

BrdU抗体を使用し、FACSで検出できます。図は

BrdUをマウスに1mg注入し、1晩放置したのち脾臓

細胞をBD BrdU Flow Kitを使用して染色しました。

BrdUアッセイ

アポトーシスの初期にフォスファチジルセリン(PS)

が細胞膜の内側から外側に表出します。Ca  の存在

下で、Annexin Vは、外側にさらされたPSと結合し

ます。図はAnnexin VをPIと共に染色したものです。

Annexin V陽性のピンク色ドットは初期のアポトーシ

スを示しています。緑色ドットは細胞膜の正常性が保

てなくなりPIにも染色されている死細胞です。

Annexin Vを用いたアポトーシス解析

2+

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BD FACSCanto Flow Cytometry SystemTM

装備品

BD FACSCantoでは新しい送液システムを採用し

ています。シースタンクに直接圧力をかけ送液する

のではなく、シースタンクとフローセル間にリザバー

タンクを新たに設置し、リザバータンクに加圧するこ

とにより送液を行っています。この技術により、送液

の高速化及び安定化を実現しました。20LのBD

FACSFlowを直接装着できるため、シース液へのタ

ンクへの補充作業が軽減され操作性も向上しました。

フルイディクスカート(標準装備)

BD FACSCanto Loaderオプションではサンプル

の装着が自動化され、全自動による取り込みが可能と

なっています。手動装着とBD FACSCanto Loader

オプションによる自動装着は簡単に切り替えることが

できます。ローダーの操作は、基本ソフトウェアBD

FACSDivaソフトウェア・ユーザー・インターフェース

に組み込まれ、新たなソフトウェアを習得する必要が

なく、従来製品より格段に取り扱い易くなっています。

BD FACS Loader(オプション)

参考文献

1. Bagwell CB, Adams EG.Fluorescence spectral overlap compensation for any number of flow cytometry parameters. Ann NY Acad Sci. 1993;677:167-184.

2. Roederer M, Derosa S, Gerstein R, Anderson MT, Bigos M, Stovel RT, Nozaki T, Parks DR, Herzenberg LA, Herzenberg La. 8 color, 10-parameter flow cytometry to elucidate complex leukocyte heterogeneity. Cytometry.1997;29;328-339.

3. Bigos M, Baumgarth N, Jager GC, Herman OC, Nozaki T, Stovel RT, Parks DR, Herzenberg LA. Nine color eleven parameter immunophenotyping using three laser flow cytometry. Cytometry. 1999;36;36-45.

4. Roederer M, Treister A, Moore W, Herzenberg LA.Probability binning comparison: a metric for quantitating univariate distribution differences. Cytometry. 2001 Sep 1;45(1):37-46.

5. Roederer M, Moore W, Treister A, Hardy RR, Herzenberg LA. Probability binning comparison: a metric for quantitating multivariate distribution differences. Cytometry. 2001 Sep 1;45(1):47-55.

6. Roederer M. Spectral compensation for flow cytometry: visualization artifacts, limitations, and caveats. Cytometry. 2001 Nov 1;45(3):194-205.

7. Tung JW, Parks DR, Moore WA, Herzenberg LA, Herzenberg LA. New approaches to fluorescence compensation and visualization of FACS data. Clin Immunol. 2004 Mar;110(3):277-83.

8. Tung JW, Parks DR, Moore WA, Herzenberg LA, Herzenberg LA. Identification of B-cell subsets: an exposition of 11-color (Hi-D) FACS methods. Methods Mol Biol. 2004;271:37-58

*仕様は予告なく変更されることがあります。*BD、BDロゴ、BD FACSCanto、BD FACSCalibur、BD FACSDiVaはBD社の商標です。 *Microsoft、Windows、Power PointはMicrosoft社の商標です。

仕様

BD FACSCantoTM

フローサイトメトリーシステム

機種名

励起光学系

搭載レーザー

レーザー光サイズ

光軸調整

検出光学系

フローセル

キュベット

光学検出器

前方散乱光分解能

側方散乱光分解能

蛍光検出感度

前方散乱光検出器

側方散乱光検出器

蛍光検出器

検出系システム

流路系

動作概要

サンプル吸引方法

サンプル間自動洗浄機能

自動洗浄用溶液タンク容量

シース液消費量

キャリーオーバー(平均)

サンプル溶液流速

サンプル解析速度

最小サンプル量

システム洗浄方法

サンプルローダー(オプション)

データマネージメントシステム

パラメータ種類

信号処理方式

信号解像度

Threshold

蛍光補正機能

コンピュータ

モニター

オペレーションシステム

ソフトウェア

設置条件

電源

寸法

重量

室内環境

BD FACSCanto フローサイトメトリーシステム

緑:20mW 488nm 空冷固体レーザー

赤:17mW 633nm 空冷ヘリウムネオンレーザー

2つのレーザーは異軸。

照射位置のレーザー光サイズは 9 x 65 μm

照射位置調整は設置時に固定

180μm x 430μm クオーツ フローセル

集光用ゲルにより蛍光対物レンズと密着され一体化された機構(NA=1.2)

オクタゴンおよびトライゴン反射法光学検出システム

1μm

0.5μm

FITC 100 MESF (molecules of equivalent soluble fluorescein)

PE 50 MESF (molecules of equivalent soluble fluorescein)

フォトダイオード (480/10 バンドパスフィルター)

PMT (480/10 バンドパスフィルター)

青レーザー用PMT4個 (515-545nm、564-606nm、670nm-735nm、750-810nm)

赤レーザー用PMT2個 (650-670nm、750-810nm)

光ファイバー・ピンホール方式

コンプレッサー付き Wet Cart にシースタンク、廃液タンクおよび洗浄用溶液を配置

機械本体内蔵リザバータンクでシース液を加圧することにより安定したシース圧を保つことが可能

フローセルへの直接サンプル吸引方式

サンプル測定毎にサンプル吸引部を自動的に洗浄することが可能

シース液タンク(20L)1個、廃液タンク(10L)1個、洗浄用タンク(5L)2個

通常測定時:1.08 L/hr、スタンバイ時:1mL/hr

<0.1%

10μL/min-120μL/min

10,000イベント/秒

30μL

自動スタートアップ、自動シャットダウンおよび自動洗浄が可能

試験管40本用カローセル

面積、ピーク高さおよび幅(あらゆる2つのチャンネル間でのRatio測定が可能)、および時間

デジタル波形処理回路方式

262,144チャンネル

すべてのチャンネルを使用した、andまたはorによるロジカルコンビネーションが可能

各レーザー内、レーザー間全ての蛍光検出器間で測定中および測定後の補正が可能

Pentium 4 搭載 Windows コンピュータ

液晶カラーモニター(18インチ以上)

Microsoft Windows XP Pro

FACSDiVa 4.1以上、蛍光補正、データ収集、解析が可能

100/115/230 VAC、50/60Hz(本体)

BD FACSCanto本体 90.2 cm(幅) × 61.0 cm(奥行) ×63.5 cm (高さ)

フルイディクスカート 81.3 cm(幅) × 66 cm(奥行) × 66 cm (高さ)

BD FACSCanto本体 149kg、 フルイディクスカート 45.5kg

室温 15-30℃、 相対湿度 5-80%

許可番号:07BY5002

64-109-00R0-0504-002-720