「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

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であるとはどういうことか 井庭 崇(Takashi Iba) 慶應義塾大学SFC 総合政策学部准教授 井庭研レクチャーズ Vol.2 takashiiba 創造的 2013年5月2日

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2013年度 慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)井庭崇研究会 レクチャー映像(約30分)はこちら→ http://youtu.be/xd94E0lyhQM 途中で上映した映像はこちら→ http://www.youtube.com/watch?v=ueBQroySLtI

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であるとはどういうことか

井庭 崇(Takashi Iba)慶應義塾大学SFC 総合政策学部准教授

井庭研レクチャーズ Vol.2

takashiiba

創造的

2013年5月2日

Page 2: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

これまでにない新しいものを生み出すこと?

ひらめきや発想の飛躍が起きること?

創造的creative

Page 3: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

これまでにない新しいものを生み出すこと?

ひらめきや発想の飛躍が起きること?

次々と    が続いていくこと《発見》

創造的creative

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その    における《創造》

次々と    が続いていくこと《発見》

創造的creative

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《創造》

《発見》

創造的creative

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《創造》

《発見》《発見》

《発見》

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと

創造的creative

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CASE: 『コラボレーション・パターン』の制作

Ver. 0.60November, 2012

http://collabpatterns.sfc.keio.ac.jphttp://twitter.com/collabpatterns

[email protected]

Collaboration Patterns Project

創造的コラボレーション

未来への使命感方法のイノベーション伝説をつくる

成長のスパイラル共感のチームづくりレスポンス・ラリー一体感をつくる貢献の領域成長のリターン自発的なコミットメントゆるやかなつながり弱さの共有感謝のことば

創発的な勢いまとまった時間創造の場づくり活動の足あと意味のある混沌アイデアをカタチにインサイド・イノベーターゴールへの道のり臨機応変な動き飛躍のための仕込み

世界を変える力クオリティ・ラインこだわり合う一度こわす期待を超えるファンをつくる広がりの戦略世界の文脈つくり続ける強さ感性を磨く

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Collaboration Patterns Project

Collaboration Patterns : コ

ラボレーション・パターン ̶ 創造的コラボレーションのパターン・ランゲージ (ver. 0.60)

創造的コラボレーションのパターン・ランゲージコラボレーション・パターン

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

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The Making ofCollaboration Patterns

(Video)

http://www.youtube.com/watch?v=plpwld6dIms

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その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

Element Mining (Brain Storming)

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Element Mining (Brain Storming)

《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

《発見》=何が「コラボレーションのコツ」なのか

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

Page 11: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと

1.「コラボレーションのコツ」に言及している限りにおいて、すべての発言が、この《創造》における《発見》となる。

創造的=

3.「コラボレーションのコツ」についての発言=《発見》が出なくなったら、創造的(creative)な状態は終わったということ。

2.《発見》と《発見》の間に、長い時間(ブランク)があっても構わない。

Element Mining (Brain Storming)

《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

《発見》=何が「コラボレーションのコツ」なのか

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その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

Visual Clustering (KJ method)

Page 13: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

《発見》=挙げられた「コラボレーションのコツ」の     どれとどれが近いか

Visual Clustering (KJ method)

Page 14: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

《発見》=挙げられた「コラボレーションのコツ」の     どれとどれが近いか

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと

1.「コラボレーションのコツ」の内容や関係について言及している限りにおいて、すべての発言が、この《創造》における《発見》となる。

創造的=

2.「コラボレーションのコツ」の関係についての発言=《発見》が出なくなったら、創造的(creative)な状態は終わったということ。

3. 最終的には、「コラボレーションのコツ」にはどのような種類があるのかという《発見》につながる。

Visual Clustering (KJ method)

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その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

Seed Making (Pattern Pre-Writing)

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《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

《発見》=近くに集められた「コラボレーションのコツ」     をまとめると、どう言えるか

Seed Making (Pattern Pre-Writing)

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その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと

1.「コラボレーションのコツ」のまとめ や まとめ方 について言及している限りにおいて、すべての発言が、この《創造》における《発見》となる。

創造的=

2.「コラボレーションのコツ」のまとめについての発言=《発見》が出なくなったら、創造的(creative)な状態は終わったということ。

3. 最終的には、「コラボレーションのコツ」にはどのようなものがあるのかという、なんとなくの全体像の把握=《発見》につながる。

Seed Making (Pattern Pre-Writing)

《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

《発見》=近くに集められた「コラボレーションのコツ」     をまとめると、どう言えるか

Page 18: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

CASE: 『コラボレーション・パターン』の制作

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

《創造》=コラボレーションのコツの抽出・記述

Element Mining (Brain Storming)

Seed Making (Pattern Pre-Writing)

Visual Clustering (KJ method)

《発見》=何が「コラボレーションのコツ」なのか

《発見》=挙げられた「コラボレーションのコツ」の     どれとどれが近いか

《発見》=近くに集められた「コラボレーションのコツ」     をまとめると、どう言えるか

Page 19: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

《創造》

《発見》《発見》

《発見》

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと

創造的creative

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《創造》

《発見》

創造的creative

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと

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オートポイエーシスautopoiesis(自己生成)

《創造》

《発見》

Page 22: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

Maturana  &  Varela  (1972;  1980) Luhmann  (1984)

オートポイエーシスautopoiesis

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「生命システムが自己言及によって単位体(unity)として規定されることこそ、その自律性のあり方」

Maturana  &  Varela  (1980)

「生命システムとは、それ自身の構成素を産出する基本的な円環によって単位体として規定されるシステムである」

「生命システムで生じることはすべて、それ自身との関係から必然的、構成的に規定されて生じる」

オートポイエーシスautopoiesis

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オートポイエーシスautopoiesis

Page 25: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

オートポイエーシスautopoiesis

《創造》

《発見》《発見》

《発見》

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《創造》

関連づけ

アイデア 見い出す

《発見》は、《アイデア》の、現行の創造への《関連づけ》を《見い出す》ことができたときに生じる(創発する)。

《発見》

《発見》 《発見》

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関連づけ

アイデア 見い出す

オートポイエティックな自己言及(自己準拠)は、「関連づけ」によって実現される。

《関連づけ》=現行の《創造》についての関連づけ(システムへの自己言及)

《創造》

《発見》

《発見》 《発見》

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オートポイエーシスautopoiesis

《創造》

《発見》《発見》

《発見》

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創造システム(発見の連鎖)

社会システム(コミュニケーションの連鎖)

心的システム(意識の連鎖)

創造は、思考やコミュニケーションとは別のシステムとして形成される。思考やコミュニケーションが創造のプロセスを「駆動」する。

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一人による創造

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チームによる創造(コラボレーション)

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オープン・コラボレーション

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《創造》

《発見》《発見》

《発見》

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと

創造的creative

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これまでにない新しいものを生み出すこと?

ひらめきや発想の飛躍が起きること?

次々と    が続いていくこと《発見》

創造的creative

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これまでにない新しいものかどうかが創造的であるかのそのままの基準にはならない。

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ひらめきや発想だけが重要なのではない。

その《創造》における《発見》が次々と続いていくこと創造的=

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これまでにない新しいものを生み出すこと?

ひらめきや発想の飛躍が起きること?

次々と    が続いていくこと《発見》

創造的creative

Page 39: 「創造的であるとはどういうことか」(井庭研レクチャーズ Vol.2)

であるとはどういうことか

井庭 崇(Takashi Iba)慶應義塾大学SFC 総合政策学部准教授

井庭研レクチャーズ Vol.2

takashiiba

創造的

2013年5月2日