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さくらの通信モジュール SCM-LTE-01 / SCM-LTE-Beta 製品データシート 概要 さくらの通信モジュールは,さくらインターネット株式会社が提供 する IoT プラットフォームサービス「sakura.io」に,LTE 網を通じ て接続するための専用通信モジュールです。本モジュールをユー ザの装置に組み込み,ホスト MCU と簡単なコマンドでインタフェ ースすることによって,当該装置と sakura.io と間で,データの 授受を容易に行うことができます。また,デジタル IO ADC 力も備えており,ホスト MCU なしに本モジュールを単独で利用 することも可能です。 特徴 sakura.io LTE 網を通じてダイレクトに接続するため,ゲートウェイ装置がいらない コマンドのみでデータの送受信ができ,ホスト MCU 側で通信プロトコルを実装する必要がない ホスト MCU インタフェースは I 2 CSPI,および UART から選択可能 小型モジュール(46W × 34D × 3H)内に LTE モデムや SIM など必要な機能をすべて内蔵 待ち受け時の消費電力が低い 日本国内工事設計認証および電気通信端末機器認証済み 用途 各種テレメトリ装置からの観測データ収集 各種装置の遠隔制御 無人機器の保守情報の取得

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さくらの通信モジュール

SCM-LTE-01 / SCM-LTE-Beta製品データシート

概要

さくらの通信モジュールは,さくらインターネット株式会社が提供

する IoT プラットフォームサービス「sakura.io」に,LTE 網を通じ

て接続するための専用通信モジュールです。本モジュールをユー

ザの装置に組み込み,ホストMCU と簡単なコマンドでインタフェ

ースすることによって,当該装置と sakura.io と間で,データの

授受を容易に行うことができます。また,デジタル IO と ADC 入

力も備えており,ホスト MCU なしに本モジュールを単独で利用

することも可能です。

特徴

sakura.io に LTE網を通じてダイレクトに接続するため,ゲートウェイ装置がいらない

コマンドのみでデータの送受信ができ,ホストMCU側で通信プロトコルを実装する必要がない

ホストMCU インタフェースは I2C,SPI,および UARTから選択可能

小型モジュール(46W × 34D × 3H)内に LTEモデムや SIMなど必要な機能をすべて内蔵

待ち受け時の消費電力が低い

日本国内工事設計認証および電気通信端末機器認証済み

用途

各種テレメトリ装置からの観測データ収集

各種装置の遠隔制御

無人機器の保守情報の取得

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代表的アプリケーション

ブロック図

SCM-LTE-01 MCU I2C/SPI/UART

V_IN

ANT×2 センサ

IO

UI

ユーザ製品

WebSocket

API

LTE網

連携アプリ

LTE

Cat. 1

MODEM

ANT (TRX)

V_BATT

ANT (RX) CONTROL CIRCUITRY

and

PROPRIETARY

PROTOCOL STACK

SIM

LDO

I2C

SPI

UART

ADC_IN

WAKE_IN

WAKE_OUT

MODE_IN

LED_OUT

LDO_OUT

RESET

RTC

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絶対最大定格

項目 記号 定格 単位

最大印可電源電圧 VIN -0.3 ~ +5.5 V

最大入力電圧 VIO -0.3 ~ +3.6 V

保存温度範囲 Tstg -30 ~ +80 ℃

推奨動作条件

項目 記号 条件 規格値 単位

最小 標準 最大

電源電圧 VIN --- 3.4 3.8 4.2 V

動作温度範囲 Topr --- -10 60 ℃

電気的特性

(特に指定のない限り Ta = 25 [°C],VIN = 3.8V)

項目 記号 条件 規格値 単位

最小 標準 最大

H レベル入力電圧 VIH |IIO| = 8 [mA] 1.4 --- --- V

L レベル入力電圧 VIL --- --- 0.4 V

H レベル出力電圧 VOH |IIO|= 8 [mA] 1.4 --- --- V

L レベル出力電圧 VOL --- --- 0.4 V

出力ソースシンク電流 IOH --- --- ±8 mA

合計ソースシンク電流 ΣIIO ±50 mA

LDO出力電圧 VLDO_out ILDO_OUT = 1 [mA] 1.7 1.8 1.9 V

LDO出力電流 ILDO_OUT --- --- --- 10 mA

ADC入力電圧 VADC --- 0 --- 2.048 V

参考特性

(特に指定のない限り Ta = 25 [°C],VIN = 3.8V)

項目 記号 条件 規格値 単位

最小 標準 最大

起動時間※1 Tstart --- --- 10 --- s

接続確立時間※2 Tstart --- --- 60 --- s

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入力電流

(アイドル時)※3

IIN

(IDLE) 電界強度良好時

(省電力機能無効)

70 mA

入力電流

(アイドル時)※3

IIN

(IDLE) 電界強度良好時

(自動スリープ有効)

14 mA

入力電流

(アイドル時)※3

IIN

(IDLE) WAKE_IN = L時

(DeepSleep モード)

0.13 mA

入力電流

(送信時)※3

IIN

(RUN) 電界強度良好時 - 300 mA

入力電流

(送信時)※4

IIN

(RUN) 低電界強度時 800 mA

※1 電源投入後コマンドインタフェースが応答可能になるまでに要する時間

※2 電源投入後プラットフォームへの接続を確立するまでに要する時間の代表値

※3 モジュール全体についての入力電流の代表値

※4 モデムの最大入力電流値に基づく参考地

制約事項

GPIO モードは,v1.3.0 より前のファームウェアでは実装されていません。

ファイル受信コマンドは,v1.2.0 より前のファームウェアでは実装されていません。

省電力制御機能は,v1.4.0 より前のファームウェアでは実装されていません。

省電力制御機能は,SCM-LTE-01でのみ有効です。

ハードウェアの制限により SCM-LTE-Betaでは使用できません。

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外部インタフェースコネクタ

コネクタ配置図

本モジュールには,ユーザ製品のプリント回路板と接続するためのホストインタフェースコネクタ(Host interface コ

ネクタ)と,LTE 通信用の空中線を接続するための同軸端子(Main antenna コネクタおよび Sub antenna

コネクタ)が存在します。これらコネクタの配置は,Figure 1 に示すとおりです。ホストインタフェースコネクタの端子番

号は,Figure 1 において左最上の端子を Pin 1 として,反時計回りに Pin 50 まで振られています。

Figure 1(Top view)

それぞれのコネクタの使用製品型番および推奨する対向コネクタの型番は,Table 1のとおりです。

Table 1 Connector list

コネクタ名 使用コネクタ 推奨対向コネクタ

Host interface HIROSE DF40C-50DP-0.4V(51) HIROSE DF40HC(2.5)-50DS-0.4V(51)

Main antenna DAI-ICHI SEIKO 20279-001E-01 DAI-ICHI SEIKO MHF Series Plug

Sub antenna DAI-ICHI SEIKO 20279-001E-01 DAI-ICHI SEIKO MHF Series Plug

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空中線コネクタ

Main antenna コネクタおよび Sub antenna コネクタは,LTE通信用の空中線を接続するための端子です。そ

れぞれの端子に,本モジュールに適合した空中線を 1 基ずつ同軸ケーブルにより接続してください。Main

antenna は,本モジュールからの送信および基地局からの受信の双方で兼用します。Sub antenna は,受信

専用です。

Host interface コネクタ

Host interface コネクタは,ユーザ製品のプリント回路と接続するための端子です。本モジュールへの電源供給の

ほか,ユーザ製品に搭載されているMCU等と電気的に接続し,本モジュールを制御するために使用します。Host

interface コネクタの信号定義は,Table 2 Host Interface connector pin definition のとおりです。

Table 2 Host Interface connector pin definition

Pin Type Symbol Description

1 P GND

2 O UART_TX 本モジュールの UART出力です。ユーザ MCU の UART入力に接

続してください。UART未使用の場合は未接続としてください。

3 I3 UART_RX 本モジュールの UART入力です。ユーザ MCU の UART出力に接

続してください。UART未使用の場合は未接続としてください。

4 P GND

5 I3O I2C_SDA I2C バスインタフェースです。本モジュールはスレーブとして動作しま

す。ユーザ MCU の I2C マスターインタフェースに接続してください。

I2C 未使用の場合は,I2C_SDA,I2C_SCL ともにプルアップして

ください。

6 I3O I2C_SCL

7 P GND

8

SP

I

I3 SPI_MOSI 本モジュールがスレーブモードで動作しているときは,これらの端子

は SPI (Serial Peripheral Interface) バスインタフェースとなりま

す。本モジュールはスレーブとして動作します。ユーザMCUの SPIマ

スターインタフェースに接続してください。GPIO機能とは排他利用と

なります。SPI 未使用の場合は,SPI_CS を H レベルに,

SPI_MOSI と SPI_SCKは,L レベルに固定してください。

9 O SPI_MISO

10 I3 SPI_SCK

11 I3 SPI_CS

8

GP

IO

I3O GPIO_0 本モジュールがGPIOモードで動作しているときは,これらの端子は

GPIO 端子となります。SPI バスインタフェースとは排他利用となりま

す。出力として利用する場合も入力となる場合がありますので,プ

ルアップかプルダウンかを行ってください。未使用の場合にはプルダウ

ンを推奨します。

9 I3O GPIO_1

10 I3O GPIO_2

11 I3O

GPIO_3

12 P GND

13 IA ADC_IN1

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14 IA ADC_IN2

ADC (Analog to Digital Converter) 入力です。MCU の操

作なしに,電圧を計測する場合に使用します。ADC 未使用の場

合は未接続としてください。

15 P GND

16 NC

17 NC

18 NC

19 P GND

20 O LED_OUT 通信状態インジケータ LED 用の出力です。LED 未使用の場合は

未接続としてください。

21 I MODE_IN

本モジュールの動作モードを切り替えるための入力です。起動時

に,この端子のレベルが H のときは,スレーブモードで動作し,Pin

8~11 は,SPI バスインタフェースとなります。起動時に,この端子

のレベルが L のときは,GPIO モードで動作し,Pin 8~11 は,

GPIO となります。この端子のレベルは起動時に固定してください。

未接続とした場合は,内部プルアップにより H レベルとみなされま

す。動作中にレベルを変更した場合の動作は未定義です。

22 I3 WAKE_IN

本モジュールのスリープ状態を制御するための入力端子です。本端

子が H レベルにあるときは,通信の需要に応じて,RUN モードお

よび SLEEP モードの間を自動的に遷移します。本端子が L レベル

になったときは,本モジュールは Deep sleep モードに遷移し,消

費電流が最小化します。電源投入後,モジュールが動作している

間この端子はモジュール内部でプルアップされます。スリープ状態の

間はオープンとなります。この端子のレベルは,利用する場合には L

か Hのいずれかに接続してください。

23 O WAKE_OUT

本モジュールから,ユーザの MCU に対するウェイクアップ信号出力

です。本信号は,通常は L レベルですが,sakura.io 側からデー

タが届いた場合など,ユーザMCUによる処理が必要な状況となっ

た際に,H にアサートされます。I2C または SPI バスにより本モジュー

ルから受信データを読み出し,本モジュールの受信キューが空にな

ると,自動的にデアサートされます。アクティビティがない間にユーザ

のMCU をスリープさせる場合,この信号はウェイクアップ信号として

利用できます。WAKE_OUT信号を使用しない場合は,未接続と

してください。

24 I RESET_N リセット入力です。L にアサートすると,本モジュールがリセットされま

す。通常動作時は Hレベルとしてください。

25 P GND

26 P GND

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27 NC

28 NC

29 P LDO_OUT

本モジュールの IO 電圧を生成している LDO の出力です。この電

源は,信号電圧レベルを変換する場合において,本モジュール側

の電源として使用することができます。この出力にバイパスコンデンサ

を接続する場合は,100 [nF] 以下の容量としてください。

30 NC

31 NC

32 P GND

33 NC

34 NC

35 NC

36 NC

37 NC

38 P GND 本モジュールの電源 GND です。安定動作のため,すべてのピンを

GND に接続してください。 39 P GND

40 P GND

41 P GND

42 P GND

43 NC

44 P V_IN 本モジュールの電源入力です。安定動作のため,すべてのピンを電

源に接続し,電源GNDとの間に,デカップリングコンデンサを接続

してください。

45 P V_IN

46 P V_IN

47 P V_IN

48 P V_IN

49 NC

50 P GND

※ GND ピンはすべてGND に接続し,V_IN ピンは,すべて電源に接続してください。

※ NC ピンは,ホスト側ではすべてオープンとしてください。

※ WAKE_IN端子のモジュール内プルアップはファームウェア v1.3.0以上で実装されています。

※ Type記号凡例

P 電源ピンであることを示します。

I 入力ピンであることを示します。

O 出力ピンであることを示します。入出力ピンは IO と複合して示します。

A アナログ電圧入力ピンであることを示します。

3 入力時 3.3 [V] トレラントであることを示します。

通信状態インジケータ

LED_OUT端子は,本モジュールの通信接続状態を示すインジケータ出力です。LEDなどを接続することにより,

点滅回数で視覚的に状態を知ることができます。出力の極性は正論理です。

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1回点滅 LTE網およびプラットフォームとの接続を確立し,データの伝送が可能な状態にあることを示しま

す。

2回点滅 LTE網およびプラットフォームへの接続試行状態にあることを示します。

3回点滅 接続準備中であることを示します。

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制御インタフェース

概要

本モジュールの制御は,I2C インタフェースまたは SPI インタフェースに,ユーザがコマンドを与えることによって行うこと

ができます。また,既存システムにおいて使用されているモデムのようなレガシーデバイスを,本モジュールにより置き

換えることを念頭に置いた互換レイヤとして,AT コマンドインタフェースも提供されます。

本モジュールは,起動時における MODE_IN ピンのレベルに応じて,スレーブモードまたは GPIO モードのいずれか

で動作します。スレーブモードで動作しているときは,本モジュールは I2Cスレーブデバイスおよび SPIスレーブデバイス

として振る舞うほか,UART 入出力ピンを通じて AT コマンドインタフェースが利用できます。GPIO モードで動作して

いる場合は,I2C,SPI,UART インタフェースは使用できません。GPIO モード時の動作については GPIO モード・

の項目を参照してください。

スレーブモードで動作しているとき,どのインタフェースを用いても本モジュールは同一のコマンドにより制御することがで

き,利用できる機能にも違いはありません。ただし,同一のモジュールにおいて,2 つ以上の異なるインタフェースを

混在して使用した場合の動作は未定義です。いずれか 1つのインタフェースのみを使用してください。

SPI インタフェース

SPI インタフェースは,本モジュールがスレーブモードで動作しているときのみ利用可能です。本モジュールは SPIスレー

ブデバイスとして動作し,動作モードは,CPOL=0,CPHA=0 です。SPI_CS ピンをアサートすると,ユーザからの

コマンド受け付けを開始します。書き込まれたコマンドを解釈すると,応答を返します。応答を完全に読み出すまで

は,SPI_CS をデアサートしないでください。コマンドの書き込み中に SPI_CS をデアサートすると,当該コマンドの実

行は中止されます。応答の読み出し中に SPI_CS をデアサートすると,応答内容は失われます。

I2C インタフェース

I2C インタフェースは,本モジュールがスレーブモードで動作しているときのみ利用可能です。本 I2C インタフェースは

Fast-mode Plus で動作しており,最大 1Mbit/s での通信が可能です。本モジュール内でプルアップ抵抗は内蔵

していません。本モジュールの I2Cデバイスアドレスは 7 ビットで 4Fhです。デバイスアドレスは変更することはできませ

コマンド書き込み 応答読み出し

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ん。スタートコンディションを検出すると,ユーザからのコマンド受け付けを開始します。書き込まれたコマンドを解釈す

ると,応答を返します。応答を完全に読み出すまでは,ストップコンディションを与えないでください。コマンドの書き込

み中にストップコンディションを与えると,当該コマンドの実行は中止されます。応答の読み出し中にストップコンディシ

ョンを与えると,応答内容は失われます。

AT コマンドインタフェース

AT コマンドインタフェースは,AT コマンドに準じた独自の文字列コマンドにより本モジュールを制御するためのインタフ

ェースです。AT コマンドインタフェースは,本モジュールがスレーブモードで動作しているときのみ利用可能です。このイ

ンタフェースは,UART 信号によりモデムや他社製通信モジュールなどと接続する既存システムとの互換レイヤとして

提供するものであり,新規設計での使用は推奨されません。

ユーザからの AT コマンドの書き込みは,本モジュールの UART_RX に対して行います。コマンドに対する応答は,本

モジュールの UART_TX から出力されます。UART_RX,UART_TX ともに,データ 8 ビット,パリティなし,ストップビ

ット 1 ビットの調歩同期信号であり,ボーレートは 115200 ボーで固定です。これらの設定は,変更することができ

ません。

AT コマンドは,「AT*CMD=」の文字列に続き,コマンドシンタックスの章で定義する「要求」を 16 進の文字列とし

て表したもの,およびこれに続くデリミタから構成されます。デリミタはCR(0Dh)または LF(0Ah)であり,いずれ

かを受信した時点で書き込まれたATコマンドを解釈します。ATコマンドに対する応答は,「*CMD:」の文字列に続

き,コマンドシンタックスの章で定義する「応答」を 16 進数文字列として表したもの,および CR LF を返します。続

けて,成功の場合には「OK」,なんらかのエラーがあった場合には「ERROR」の文字列に続き,CR LFを返します。

要求例

AT*CMD=030003[LF]

応答例

*CMD:0108543732BD58010000BC[CR][LF]

OK[CR][LF]

コマンド

スレーブモード時に利用可能なコマンドの詳細については,コマンドシンタックスを参照してください。

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GPIO モード

MODE_IN ピンのレベルを Lにして本モジュールを起動させた場合,本モジュールはGPIO モードとして動作しま

す。GPIO モードでは,GPIO_0~GPIO_3の各ピンを入力ピン,または出力ピンとして動作させることができます。

各ピンの動作モードはピンごとに独立して設定することができ,設定値はプラットフォーム側からの要求によって変更

することが可能です。本モジュールの起動時,GPIO_0~GPIO_3の各ピンは入力モードで動作します。

入力モード

ピンを入力モードにした場合,ピンに印加されている信号レベルが変化した際に自動的にメッセージを生成し,プラッ

トフォームへデータを送信します。プラットフォームに送信されるデータには,対象のピン番号・変化後の信号レベル・

変化した日時が含まれます。

出力モード

ピンを出力モードにした場合,プラットフォーム側からの要求に応じてピンの出力レベルを変化させることができます。

出力される値は H と Lのいずれかとなり,メッセージを受信した時点でピンの出力値が変更されます。

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無線インタフェース

一般情報

本モジュールは,sakura.ioへのインタフェースとして LTE無線モジュールを内蔵しています。使用時には電波の受信

および発射をしますので,留意してください。

LTE インタフェース

使用モジュール 太陽誘電株式会社製 TE8668(SCM-LTE-betaの場合)

太陽誘電株式会社製CL11DAH11-A1(SCM-LTE-01の場合)

準拠仕様 3GPP FDD-LTE Release 10

使用周波数帯 Uplink 1920 - 1980 [MHz] / Downlink 2110 – 2170 [MHz] (Band 1)

Uplink 880 – 915 [MHz] / Downlink 925 - 960 [MHz] (Band 8)

UE カテゴリ Category 1 (Downlink 10 [Mbps] / Uplink 5 [Mbps])

通信キャリア ソフトバンク株式会社

認証情報

本モジュールは,日本国の電波法令上,工事設計認証を受けた特定無線設備に該当します。その認証番号は

207-16TE86(SCM-LTE-beta の場合)または 022-100006(SCM-LTE-01 の場合)です。また,本モジュー

ルは日本国の電気通信事業法上,電気通信事業者の電気通信回線設備に接続される端末機器に該当し,

技術基準に適合していることの設計認証を受けています。その認証番号は D160019019(SCM-LTE-betaの場

合)または D170018019(SCM-LTE-01の場合)です。

本モジュールを運用するためには,Main antennaおよび Sub antennaのいずれについても,本モジュールの工

事設計認証において,空中線リストに記載されている形式の空中線を用いる必要があります。既製品,新規設

計品にかかわらず,新たな空中線を使用するためには,空中線を追加するための認証手続き(有償)が必要と

なります。手続きの詳細については,販売元までお問い合わせください。

また,本モジュールを組み込んだ最終製品がBody-SAR(人体における比吸収率)規制の適用を受ける無線設

備に該当する場合は,製品全体として Body-SAR を測定した上で改めて技術基準適合証明等の手続きを行う

必要があります。

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省電力制御

Active モード/DeepSleep モード選択

WAKE_IN端子の状態により Active モードと DeepSleepモードを選択することができます。

WAKE_IN端子 説明

Active モード Hi モジュールを動作させます。

DeepSleepモード Lo モジュールの機能を停止し消費電力を抑えます。

WAKE_IN を Hi にするとモジュールが再起動します。

省電力モード設定(v.1.4.0以降,SCM-LTE-01 のみ)

Active モード時に選択された省電力モードに従い,電力制御を行います。

説明 通信可否

省電力制御無効モード 省電力制御を行いません。(デフォルト) 可

自動スリープモード 通信可能な状態で待機消費電力を削減します。

通信状態によって,RUN モードと SLEEP モードの間を自動的に

遷移します。

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データキュー

概要

本モジュールには,本モジュールと,sakura.io 間で授受されるデータを一時的に保持するための記憶領域として,

送信キューと,受信キューが内蔵されています。送信キューは,デバイスから,sakura.io に送信したいデータ(以

下,上りデータと呼びます)の伝達要求を受け付けるためのキューで,ユーザは上りデータを随時追加することがで

きます。受信キューは,sakura.io から,デバイスに対して送達されたデータ(以下,下りデータと呼びます)を一

時的に保持するためのキューで,ユーザは,ここから下りデータを読み出すことができます。

時刻情報の付与

キューや通信路が介在することにより,データの伝達要求が発生した時刻と,当該データが実際に送達される時刻

には,予測不可能な差異が生じ得ます。この解消を目的として,デバイスと,sakura.io 間で授受されるすべての

データには,時刻情報が付与されます。

上りデータに関しては,データムが本モジュールの送信キューに追加されたときから,sakura.ioへの送達が完了した

ときまでの時間が自動的に管理され,キューや通信路による遅延にかかわらず,当該データムが,いつ発生したも

のなのかをプラットフォーム側で知ることができます。また,データムを本モジュールの送信キューに追加した時点ですで

に既知の遅延があった場合に備え,追加の際に任意のオフセット時間を指定することもできます。

下りデータに関しては,sakura.io においてデータムの伝送要求が発生したときから,当該データムをデバイスが実

際に受け取るまでの時間が自動的に管理され,上りデータと同様,キューや通信路による遅延にかかわらず,いつ

発生したものなのかをデバイス側で知ることができます。

キューの大きさ

キューの大きさは,Table 3キューの最大保持数のとおりです。ただし,内部処理の状況により,キューイングでき

る見かけ上のデータム数がキューの最大数よりも少なくなる場合があります。

Table 3 キューの最大保持数

送信キュー 32

受信キュー 32

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送信キューの構造

送信キューは,図のような構成で実装されています。

Figure 2

デバイスからプラットフォーム側へのデータ送信を行う場合には,ユーザは,本モジュールのコマンドインタフェースを通

じて,送信キューへのデータム追加を要求することができます。送信キューに空きがある場合は,当該データムはキュ

ーに追加されます。送信キューに空きがない場合は,追加要求はエラーとなりますが,すでにキューイングされている

データには影響ありません。

送信キューに貯められたデータは,即座にはプラットフォーム側には送信されず,明示的に送信開始コマンドを与え

たときに送信が試みられます。その結果,プラットフォーム側への送達が成功したデータは送信キューから削除されま

す。電波状況や網の状況等により,データの送達が成功しなかった場合は,一定時間後に送達をあきらめ,デー

タは送信キューに残ったままとなります。送達失敗により,送信キューに残ったデータは,改めて送信開始コマンドを

与えることで再送が試みられます。送達結果は,結果取得コマンドで取得することができます。

なんらかの理由により,送信キューに滞留しているデータを送信せずに消去したい場合には,送信キュー削除コマン

ドにより行うことができます。また,送信キューの記憶域は揮発性であり,電源を遮断した場合には保持されません。

デバイスからプラットフォーム側へのデータ送信経路の例外として,送信キューを通さずに即座にプラットフォーム側へ

のデータ送信を試みる,即時送信コマンドも用意されています。即時送信コマンドと,送信キューは併用することが

でき,即時送信コマンドの実行は,送信キューの状態には影響を与えません。

CMD

I/F enq deq

Immediate transfer

TX control

Network

I/F

datum

time-

offset

TX QUEUE

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受信キューの構造

受信キューは,図のような構造で実装されています。

Figure 3

プラットフォームからデバイスに対して送達されたデータは,本モジュールの受信キューに蓄積されます。受信キューに

データがあるとき,ユーザが本モジュールに対して受信読み出しコマンドを与えられると,受信キューの先頭にあるデ

ータムが返され,当該データムは受信キューから削除されます。受信キューからの削除を希望しない場合は,受信

キューの状態に影響を与えずに,受信キューの先頭にあるデータムを覗き見るコマンドを使用することができます。受

信キューに空きがない場合は,プラットフォーム側からの送達はエラーとなりますが,すでにキューイングされているデー

タには影響ありません。

なんらかの理由により,受信キューに滞留しているデータを送信せずに消去したい場合には,受信キュー削除コマン

ドにより行うことができます。また,受信キューの記憶域は揮発性であり,電源を遮断した場合には保持されません。

受信キューに 1つ以上のデータがある場合は,WAKE_OUT信号がアサートされ続けます。受信キューのデータが空

になると,デアサートされます。この出力は,ユーザ側MCUに対し,プラットフォーム側から到達したデータが受信キ

ューに存在することを知らせる信号として,またスリープ状態にある場合には,ウェイクアップさせるための信号として使

用することができます。

CMD

I/F

Network

I/F

RX QUEUE

deq enq datum

time-

offset

IO WAKE_OUT

peek data

RX data queued

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コマンドシンタックス

コマンドの構成

コマンドは,「要求」と「応答」から構成されます。ユーザが,何らかの結果を期待して本モジュールに対して「要求」を

与えると,本モジュールは,当該要求を処理した結果としてユーザに対して「応答」を返します。要求は,1 オクテッ

トの要求種別と,1オクテットの引数データ長,および 0オクテット以上の引数データから構成される可変長のオクテ

ット列です。応答は,1オクテットの実行結果と,1オクテットの応答データ長,そして 0オクテット以上の応答データ

から構成される可変長のオクテット列です。要求および応答のシンタックスは,以下のとおりです。

要求のシンタックス

要求種別 引数データ長 引数データ パリティ

Q N A (0) A (1) … A (N-1) P

応答のシンタックス

実行結果 応答データ長 応答データ パリティ

S M D (0) D (1) … D (M-1) P

引数データまたは応答データが多オクテットのデータ型(整数または浮動小数点の値)である場合は,リトルエンデ

ィアンとして扱い,LSBから順にバスへ送信します。パリティ Pの計算方法は,要求であれば Qから A (N-1)までの,

応答であれば Sから D (M-1)までの値を 1 オクテット単位で排他的論理和を取った値とします。

実行結果

応答オクテット列のうち実行結果 Sは,要求の処理結果を示します。Sが取り得る値は, Table 4のとおりです。S

の値が 01h の場合は,与えられた要求種別に対して規定されている応答を返します。それ以外の場合については,

S に続き,応答データ長 00h,パリティ Pの 3オクテットで応答します。

Table 4

Sの値 意味

00h 予約

01h 要求のシンタックスに異常がなく要求が正常に処理されたことを示します。

02h 与えられた要求のパリティ値が異常であったことを示します。

03h 与えられた要求の要求種別が未定義であったことを示します。

04h 与えられた要求にその他のエラーがあったことを示します。これには,引数の長さの異常,範囲異

常などが含まれます。

05h 与えられた要求を実行したものの,結果としてエラーになったことを示します。

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06h アンロックコマンドによるロック解除が行われていない状態でロック解除が必要なコマンドが発行され

たことを示します。

07h 要求された操作が既に進行中であり,新たに操作を開始することができないことを示します。

コマンド定義

この項では,コマンドの要求シンタックスと応答シンタックスを定義します。

一般コマンド

接続状態の取得

Get connection status

要求 Q N 引数データ

01h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 01h D

本モジュールの網への接続状態を応答します。D はビットフィールドとなっており,以下の意味があります。正常に

プラットフォームと接続が完了し,データが送受信できる状態になった時にエラーコードは 00h にクリアされます。

b7 b6 b5 b4 b3 b2 b1 b0

接続 エラーコード

接続 データが送受信できる状態にある時にビットが 1になります

エラーコード 最後に起きたエラーを示す値が入ります

エラーコードは以下の値を取ります。

値 意味

00h エラーなし

01h 圏外

02h 接続エラー

03h 意図しない切断

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電界強度の取得

Get signal quality

要求 Q N 引数データ

02h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 01h D

本モジュールが接続している無線基地局からの受信品質を応答します。D の値は,そのときの受信信号品質に

応じて,以下の値を取ります。

00h 圏外

01h 非常に弱い

02h 弱い

03h 中くらい

04h 強い

05h 非常に強い

現在時刻の取得

Get date time

要求 Q N 引数データ

03h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 08h D(0) [LSB] D(1) D(2) D(3) D(4) D(5) D(6) D(7) [MSB]

本モジュールが有している現在時刻を,64 ビットの UNIX 時刻形式(1970 年 1 月 1 日 00 時 00 分 00 秒

UTC を起点とした秒数)の 1000倍 (ミリ秒単位) で応答します。時刻がわからない場合は,0 を応答します。

エコーバックテスト

Echo back test

要求 Q N 引数データ

0Fh n D(0) … D(n-1)

応答 S M 応答データ

s n D(0) … D(n-1)

要求にて与えられた任意長の引数データを,そのまま応答する試験用のコマンドです。引数データ長 nは,少な

くとも 1 としてください。このコマンドを実行しても,本モジュールの動作には影響を与えません。

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I/O操作コマンド

ADC電圧値取得

Read ADC

要求 Q N 引数データ

10h 01h ch

応答 S M 応答データ

s 02h V(0) V(1)

引数データ chで指定されたADC端子の電圧を読み取り,その値Vで応答します。chとして有効な値は 00h

または 01hで,それ以外の値を指定した場合の動作は未定義です。Vの 1LSBは,100 [μV] に相当します。

※ このコマンドは削除予定ですので使用しないでください

データ送信コマンド

送信キューへの追加

Tx enqueue

要求 Q N 引数データ

20h 12h ch type D(0) D(1) … D(7) T(0) T(1) … T(7)

20h 0Ah ch type D(0) D(1) … D(7)

応答 S M 応答データ

s 00h ---

プラットフォームへ送信するデータを,本モジュールの送信キューに追加するためのコマンドです。引数 ch は,デー

タムの種類を区別するためのチャネル番号で,00h から 7Fh までの任意の値をすることができます。80h 以上の

値を指定することはできません。type は,送信するデータの型を指定するための型指定子で,以下のいずれか

の値とする必要があります。

型 type値

符号あり 32bit整数 69h

符号なし 32bit整数 49h

符号あり 64bit整数 6Ch

符号なし 64bit整数 4Ch

32bit浮動小数点数 66h

64bit浮動小数点数 64h

8 オクテットの配列 62h

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引数 D には,データムの値 Val を,LSB から順に 8 オクテットで格納します。32 ビットの値を格納する場合に

は,上位の 32 ビットの値は don’t care となりますが,8オクテット送信する必要があります。

Val(64 ビット値)

D(0) [LSB] D(1) D(2) D(3) D(4) D(5) D(6) D(7) [MSB]

Val(32 ビット値) don’t care

D(0) [LSB] D(1) D(2) D(3) [MSB] X X X X

引数 T には,当該データムが発生した時刻を,このコマンドが実行された時点を基準する 1 [ms] 単位の相対

時間として指定することができます。例として,T の値が 2,500 (09C4h) であるときは,当該データムは,コマン

ドが実行された瞬間を起点として 2.5 [s] 過去に発生したものであることを意味します。T の最大値は,

プラットフォ,ただし。うことができます扱を情報の過去まで日90で最大,でh) 5800 CF7C 1( 000,000,776,7

した結果,発生合計時間を含めて伝送に要した実時間をの値と,送信キューでの滞留Tーム側の仕様として,

90これらの時間の合計がデータムは受け容れを行わずに破棄します。このため,よりも過去となった日90時間が

。してください運用えないように超を日

Time offset(64 ビット値)

T(0) [LSB] T(1) T(2) T(3) T(4) T(5) T(6) T(7) [MSB]

T は省略することが可能で,その場合は T の値として 0 が指定されたものとみなされます。また,T を省略した場

合の Nは 0Ch となります。Tの値として,範囲外の値が与えられた場合の動作は未定義です。また,未来の時

刻を与えることはできません。

キューがオーバーフローした場合には,データ追加要求はエラーとなります。その場合,実行結果 S として 05h を

返します。

データの即時送信

Tx immediately

要求 Q N 引数データ

21h 0Ah

* n

+

08h

Ch(0) Type(0) D(0) D(1) … D(7) T(0) T(1) … T(7)

21h 0Ah

* n

ch type D(0) D(1) … D(7)

応答 S M 応答データ

s 00h ---

プラットフォームへ送信するデータを,送信キューを通さずに即座に送信するためのコマンドです。引数 ch,

type,D,および T のシンタックスは,Tx enqueue コマンドと同一です。このコマンドは送信キューには影響せ

ず,キューイング済みのデータがある場合はそのまま保持されます。引数 ch,type,D は最大 16 回まで繰り

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返すことができ,最大 16 個のデータムと全てのデータムで共通の一つのオフセットを同時に送信することができま

す。

送信キュー状態取得

Get Tx queue length

要求 Q N 引数データ

22h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 02h available queued

送信キューの状態を取得します。

available: 追加可能なデータの個数です。0の場合には,データを追加することはできません。

queued: キューイングされているデータの個数です。0の場合には,キューは空であることを示します。

(available + queued) の値はキュー全体の大きさを示しますが,キューの内部処理状況により合計値は変

動する可能性があり,値が一定になることは保証されません。

送信キュークリア

Tx queue flush

要求 Q N 引数データ

23h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 00h ---

送信キュー内のデータをプラットフォームへ送信せずにすべて破棄し,キューを空にします。

送信キュー送信

Tx queue send

要求 Q N 引数データ

24h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 00h ---

送信キューのデータを,すべてプラットフォーム側へ送信します。この要求を与えると,キューからのデータ送信処

理が開始されます。送信結果にかかわらず,この要求は必ず成功します。送信状況は,送信ステータス取得コ

マンドにより確認することができます。

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送信ステータス取得

Get Tx status

要求 Q N 引数データ

25h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 02h D(0) D(1)

直前に実行した送信キュー送信コマンドについて,送信状況を取得します。

D(0)にはキューによる送信の状態,D(1)には即時送信による送信の状態が示されます。

値 意味

00h なし

01h 送信中

02h 送信失敗

データ受信コマンド

受信キュー取得

Rx dequeue

要求 Q N 引数データ

30

h

00h ---

応答 S M 応答データ

s 12h ch type D(0) D(1) … D(7) T(0) T(1) … T(7)

受信キューから先頭のデータムを取り出します。取り出したデータは,キューから削除されます。応答データのう

ち,ch,type,および D のシンタックスは,Tx enqueue の引数データと同一です。T には,データムの送信

要求が発生してから,デバイスが本コマンドを実行したときまでの 1 [ms] 単位の時間が格納されます。キューが

空の場合は,s の値として 05h,M の値として 00h を返します。

受信キュー参照

Rx queue peek

Q N 引数データ

31h 00h ---

S M 応答データ

s 12h ch Type D(0) D(1) … D(7) T(0) T(1) … T(7)

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受信キューの先頭にあるデータムを参照します。この操作を行っても,キューから削除されません。応答データのシ

ンタックスは,Rx dequeue と同一です。キューが空の場合は,s の値として 05h,M の値として 00h を返しま

す。

受信キュー済み件数取得

Get Rx queue length

Q N 引数データ

32h 00h ---

S M 応答データ

s 02h available queued

受信キューの状態を取得します。

available: 追加可能なデータの個数です。0の場合には,新たなデータを受信することはできません。

queued: キューイングされているデータの個数です。0の場合には,キューは空であることを示します。

(available + queued) の値はキュー全体の大きさを示しますが,キューの内部処理状況により合計値は変

動する可能性があり,値が一定になることは保証されません。

受信キュークリア

Rx queue flush

Q N 引数データ

33h 00h ---

S M 応答データ

s 00h ---

受信キュー内のデータをすべて削除し,キューを空にします。

ファイル受信コマンド

ファイル受信開始

Start file download

要求 Q N 引数データ

40h 02h ID(0) ID(1)

応答 S M 応答データ

s 00h ---

ファイル受信を開始します。引数 ID により,取得するファイル IDを指定します。

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ファイルメタ情報取得

Get file metadata

要求 Q N 引数データ

41h 00h

応答 S M 応答データ

s 11h R Z(0) … Z(3) T(0) … T(7) C(0) … C(3)

受信するファイルのメタ情報を取得します。このコマンドは,ファイル受信開始コマンドを実行したあと,ファイルの

受信を開始するまでの間に実行してください。応答データとして得られるメタ情報は,以下のとおりです。

R: ファイル受信ステータス

Z: ファイルの合計サイズ(オクテット数)

T: ファイルタイムスタンプ(64 ビットの UNIX時刻)

C: ファイル全体の冗長検査符号

ファイル受信ステータス取得

Get file download status

要求 Q N 引数データ

42h 00h

応答 S M 応答データ

s 05h R Z(0) Z(1) Z(2) Z(3)

受信中ファイルの受信状態を取得します。ファイル受信開始コマンド発行後,ファイル受信を完了するか,ファイ

ル受信キャンセルコマンドを発行するまでは,回数に制限なく随時利用できます。応答データとして得られるステー

タス情報は,以下のとおりです。

R: ファイル受信ステータス

Z: 受信済みデータ長(オクテット数)

Rは,以下のいずれかの値となります。

値 意味

00h 不明

01h ファイル受信要求中

02h ファイル受信中

81h ファイル受信エラー

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ファイル受信キャンセル

Cancel file download

要求 Q N 引数データ

43h 00h ---

応答 S M 応答データ

S 00h ---

ファイル転送を中止します。

ファイル受信データ取得

Get file data

要求 Q N 引数データ

44h 01h Rsize

応答 S M 応答データ

s z D(0) D(1) … D(z-1)

受信中ファイルのデータを取得するためのコマンドです。ユーザが一度に受信できるオクテット数を引数 Rsize で指

定してコマンドを実行すると,応答データとして,受信中ファイルのうち未取得である部分の先頭から,高々

Rsizeオクテットのデータを返します。実際に取得できたデータ長は zで示されます。バッファリング等の状態により,

未取得の残データ長にかかわらず,zは 0以上 Rsize以下のあらゆる値を取る可能性があります。

管理コマンド

製品 IDの取得

Get product ID

要求 Q N 引数データ

A0h 00h ---

応答 S M 応答データ

s 02h ID(0) ID(1)

本モジュールの製品 ID を応答します。SCM-LTE-Beta は 01h 00h を,SCM-LTE-01 は 02h 00h を返しま

す。

製品個体 IDの取得

Get unique ID

要求 Q N 引数データ

A1h 00h ---

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応答 S M 応答データ

s 0Ah D(0) D(1) D(2) D(3) D(4) D(5) D(6) D(7) D(8) D(9)

本モジュールの製品個体 IDを応答します。製品個体 IDは個体ごとに異なる IDで,ASCII 文字列で 10 オク

テットです。応答データの各オクテットには,21hから 7Eh までの,任意の値が出現します。

ファームウェアバージョンの取得

Get firmware version

要求 Q N 引数データ

A2h 00h ---

応答 S M 応答データ

s m D(0) D(1) … D(m-1)

本モジュールのファームウェアバージョンを応答します。バージョンを示す応答データは最大 32オクテットです。応答

データの各オクテットには,21hから 7Eh までの,任意の値が出現します。

特殊コマンドアンロック

Unlock

要求 Q N 引数データ

A8h 04h 53h 6Bh 72h 61h

応答 S M 応答データ

s 00h ---

ファームウェア更新コマンドおよびソフトウェアリセットコマンドを実行するためのアンロックコマンドです。ファームウェア

更新コマンドおよびソフトウェアリセットコマンドを実行する直前に,このコマンドを実行してください。このコマンドの

実行後,ファームウェア更新コマンドおよびソフトウェアリセットコマンド以外のコマンドを実行すると,アンロックの効

果は無効となります。

ファームウェア更新

Firmware update

要求 Q N 引数データ

A9h 00h ---

応答 S M 応答データ

S 00h ---

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ファームウェア更新を行います。このコマンドを実行するためには,直前に,特殊コマンドアンロックコマンドを実行

する必要があります。

ファームウェア更新状態取得

Get firmware update status

要求 Q N 引数データ

AAh 00h ---

応答 S M 応答データ

S 01h D

ファームウェア更新操作の状態を取得します。D はビットフィールドとなっており,以下の意味があります。コマンド

A9hの実行時にエラーフラグとエラーコードは 00hにクリアされます。

b7 b6 b5 b4 b3 b2 b1 b0

実行状態 エラーコード

実行状態 アップデート試行中の間,ビットが 1になります

エラーコード エラーの場合にエラーの内容を示す値が入ります

エラーコードは以下の値を取ります。

値 意味

00h エラーなし

01h 最新のためアップデート不要

02h 最新バージョン取得失敗

03h ダウンロード失敗

04h ベリファイ失敗

ソフトウェアリセット

Software reset

要求 Q N 引数データ

AFh 00h ---

応答 S M 応答データ

-/S 0/- ---

ソフトウェアリセットを行います。このコマンドが正常に実行された場合,ACK のみを応答し即座にリセットが実行

されます。

事前にアンロックコマンドを発行していない等,このコマンドの実行が失敗した場合はステータスを応答します。

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省電力モード設定コマンド

Set power save mode

要求 Q N 引数データ

B0h 01h P

応答 S M 応答データ

S 0 ---

省電力モードを設定します。

P: 省電力モード

Pは以下の値を取ります。

値 意味

00h 省電力制御無効モード

01h 自動スリープモード

省電力モード取得コマンド

Get power save mode

要求 Q N 引数データ

B1h 00h ---

応答 S M 応答データ

S 01h P

現在設定されている省電力モードを取得します。

P: 省電力モード

Pは以下の値を取ります。

値 意味

00h 省電力制御無効モード

01h 自動スリープモード

制約事項

ファイル受信コマンドは,v1.2.0 よりも前のファームウェアでは実装されていません。

省電力モード設定コマンド/省電力モード取得コマンドは,v1.4.0 よりも前のファームウェアでは実装されていま

せん。

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ホストボードの設計ガイドライン

概要

本章では,本モジュールを搭載するプリント回路板(以下「ホストボード」と呼びます。)に関して,推奨される設

計ガイドラインを示します。なお,この設計ガイドラインは参考情報として提供するものであり,実際のアプリケーショ

ンにおける妥当性,安定性,および信頼性等については,ホストボードの設計者において,十分な検討と評価を

実施されるようお願いします。

レイアウト

ホストボードのレイアウト設計は,本モジュールの外形寸法図を参考に行ってください。本モジュール(LTE 方式)の

みを搭載する場合は,空中線コネクタ付近を部品配置禁止領域とし,同軸ケーブルとほかの部品が干渉しないよ

う配慮してください。空中線の形状等によっては,GND の面積により無線性能に差が生じる場合がありますので,

ベタの配置等については,十分な評価をお願いします。

将来的に発売される可能性がある,LTE 以外の無線方式を採用したさくらの通信モジュールの搭載も考慮に入れ

る場合は,本モジュールの搭載エリアに,下図のとおり禁止領域およびGNDベタ領域を設けることを推奨します。

空中線コネクタの位置はモジュールの種類により異なりますので,ケーブルの干渉を避けるため,モジュールの周囲に

10 [mm] 程度の部品配置禁止領域を設けてください。また,モジュールによっては空中線を内蔵する場合がありま

す。無線性能の劣化を避けるため,空中線領域はパタン配置禁止,ホストインタフェースコネクタ側は GND ベタと

することを推奨します。

10

10 23

パタン/配置禁止領域 GNDベタ推奨領域

ホストインタフェース

コネクタ

本モジュール外形

20

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搭載方法

本モジュールは,ホストインタフェースコネクタをホストボードに実装された対向コネクタに差し込むことで,ホストボード

と電気的かつ物理的に接続します。本モジュールを,ホストボードに搭載する際には,下図のように,あらかじめ空

中線用のケーブル 2本をMain antenna コネクタと Sub antenna コネクタに接続したうえで,本モジュールのラ

ベル面を上に向け,ホストインタフェースコネクタと対向コネクタを嵌合してください。本モジュールをホストボードに搭載

したあとは,Main antenna コネクタと Sub antenna コネクタを挿抜することはできません。

本モジュールをホストボードに固定する方法としては,両面粘着テープを用い,本モジュールの LTE 無線モジュール

シールドケース部分と,ホストボードを貼り付ける方法を推奨いたします。なお,実際の応用にあたっては,搭載製

品に要求される落下,衝撃,振動などへの性能を満たしているかどうかについて,十分な評価をお願いします。

コネクタは,破損しやすいので,コネクタに無理な力がかからないよう十分に注意して差し込んでください。位置が合

っていない状態で無理に差し込もうとしたり,嵌合状態でこじったりすると,コネクタが破損する恐れがあります。ホス

トインタフェースコネクタの挿抜保証回数は 30回です。不必要に挿抜を繰り返さないでください。

電源

本モジュールに与える電源の推奨電圧は 3.8 [V]です。本モジュールが,最大電力で無線送信を行うケースを考慮

して,十分な電流を供給できる電源を使用されることを推奨します。また,無線送信中は入力電流が急変する場

合がありますので,過渡特性についても留意されるようお願いします。ホストインタフェースコネクタの電源ラインには,

端子のなるべく近傍に,10~100 [μF] 程度のバイパスコンデンサを挿入することを推奨します。

対向コネクタ

両面粘着テープ

ホストボード

本モジュール

空中線ケーブル

ホストインタフェースコネクタ

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I/O電圧レベル

本モジュールの I/O 電圧は 1.8 [V] 系となっており,本モジュールと接続するインタフェース回路が異なる I/O 電圧

を採用している場合には,両者の間にレベル変換回路を設けることを推奨します。本モジュールには,ホストボード

に設けるレベル変換回路の I/O 電源として使用することを目的に,LDO_OUT 端子を有しており,1.8 [V] が出

力されます。レベル変換回路を使用しない場合は,各端子の許容範囲外の電圧が印加されないよう注意してくだ

さい。本モジュールの入力ピンの一部は 3.3 [V] トレラントとなっていますが,異電圧トレランシは,将来的に発売さ

れる製品において互換性は保証しません。

ほかの無線方式を採用したさくらの通信モジュールの I/O電圧は,1.8 [V] または 3.3 [V] のいずれの可能性もあ

ります。これらの搭載も考慮に入れる場合は,モジュール間における I/O 電圧の差異を吸収するため,必ずレベル

変換回路を使用し,レベル変換回路の本モジュール側電源は,LDO_OUT端子により給電してください。

未使用端子

未使用信号ピンは,各端子の説明にしたがい処理してください。イミュニティの向上などを目的に,ホストボードにて

未使用信号のプルアップまたはプルダウンを行う場合は,消費電流が増加する場合があります。NC ピンは,ホスト

側のボードでは必ずオープンとしてください。

ボード雑音について

本モジュールは無線通信を行うものであり,高感度の無線受信機を搭載しています。このため,ホストボードにおい

て近傍に雑音源(高速のプロセッサやメモリなど)が配置されることがないよう考慮してください。本モジュールの使用

周波数帯にかかる雑音がある場合は,通信性能の劣化や切断などが生じる場合があります。また,本モジュール

を搭載したセットが,電磁両立性(EMC)要求を満たしているかどうかについては,ホストボード設計者側にて十

分な評価をお願いします。

Level

Translator

HOST_VDD

さくらの通信

モジュール Host MCU

LDO_OUT

I/O I/O

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外形寸法図

※外形寸法公差±0.2mm/コネクタ位置寸法公差±0.1mm

質量

本製品の質量は,約 7 グラムです。

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ラベル表示

本製品のラベル面には,以下形状のラベルを貼り付けます。このラベルは法令上必要な表示(いわゆる技適マーク)

を含むため,はがすことはできません。

(SCM-LTE-Betaの場合)

(SCM-LTE-01の場合)

QR コード

製品外形

ラベル外形 SCM-LTE-Beta

IMEI:XXXXXXXXXXXXXXX

Made in Japan

SER :XXXXXXXXXX

ID :XXXXXXXXXX

PASS:XXXXXXXXXX 207-16TE86

D160019019

R

T

QR コード

製品外形

ラベル外形 SCM-LTE-01

IMEI:XXXXXXXXXXXXXXX

Made in Japan

SER :XXXXXXXXXX

ID :XXXXXXXXXX

PASS:XXXXXXXXXX 022-100006

D170018019

R

T

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「IMEI」の箇所には,本製品が搭載している LTE 無線モジュールの International Mobile Equipment

Identity 番号(15 文字)が印字されます。「SER」,「ID」,および「PASS」の箇所には,それぞれ,本モジュー

ルの個体ごとに異なる個体管理記号,プラットフォーム登録用 ID およびプラットフォーム登録用パスワードが印字さ

れます。

SER,ID,および PASSの値は,高々10文字で,JIS X 0208 において規定されるラテン文字用図形文字集合

21hから 7Eh までの範囲から 22h,2Ch,3Ah,3Bh を除いた文字のあらゆる組み合わせが出現する可能性が

あります。

「SER」,「ID」,および「PASS」の各情報は,QR コード化したものが図中において「QR コード」と表記されている箇

所に印字されます。項目名と,その値をコロン(3Ah)で区切り,さらに 3 つの情報をカンマ(2Ch)で区切った

文字列として収録されています。

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梱包仕様

本モジュールは,18 個単位で,ラベル面が下になるようトレイに収納します。このトレイを 5 段重ね(モジュール計

90個)とし,その上に空トレイ 1枚をふたとして載せて,シリカゲルとともにドライパック詰めとします。

ドライパック手順

箱詰め手順

ドライパックは,両端を緩衝材ではさみこみ,それぞれを小箱に収納します。

ドライパック貼付用内容物ラベル

トレイ固定用テープ(3箇所)

シリカゲル

緩衝材 × 2

ドライパック

385

80

220 小箱貼付用内容物ラベル

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トレイ寸法

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内容物ラベル

ドライパックおよび小箱には,以下の内容物ラベルを貼り付けます。

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製品写真

部品面

ラベル面

(SCM-LTE-Betaの場合)

部品面

ラベル面

(SCM-LTE-01の場合)

※ ラベル上の固有情報を隠蔽するため一部画像を加工しています。

※ これらの写真は参考用として代表個体を撮影したものであり,個体により外観に差異がある場合あります。

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ソフトウェアライセンス

この製品は,内部でオープンソースソフトウェアの lwIP を使用しています。そのライセンスは以下のとおりです。

lwIP is licenced under the BSD licence:

Copyright (c) 2001-2004 Swedish Institute of Computer Science.

All rights reserved.

Redistribution and use in source and binary forms, with or without modification, are permitted

provided that the following conditions are met:

1. Redistributions of source code must retain the above copyright notice, this list of conditions

and the following disclaimer.

2. Redistributions in binary form must reproduce the above copyright notice, this list of

conditions and the following disclaimer in the documentation and/or other materials

provided with the distribution.

3. The name of the author may not be used to endorse or promote products derived from this

software without specific prior written permission.

THIS SOFTWARE IS PROVIDED BY THE AUTHOR ̀ `AS IS AND ANY EXPRESS OR IMPLIED WARRANTIES,

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(INCLUDING, BUT NOT LIMITED TO, PROCUREMENT OF SUBSTITUTE GOODS OR SERVICES; LOSS

OF USE, DATA, OR PROFITS; OR BUSINESS INTERRUPTION) HOWEVER CAUSED AND ON ANY

THEORY OF LIABILITY, WHETHER IN CONTRACT, STRICT LIABILITY, OR TORT (INCLUDING

NEGLIGENCE OR OTHERWISE) ARISING IN ANY WAY OUT OF THE USE OF THIS SOFTWARE, EVEN

IF ADVISED OF THE POSSIBILITY OF SUCH DAMAGE.

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注意事項

用途の限定

この製品は,特別に高い信頼性が要求され,その故障や誤作動が生命または身体に危害を及ぼす恐れ,膨大

な財産損害を引き起こす恐れ,もしくは社会的に深刻な影響を及ぼす恐れのある用途に適用されることは意図さ

れていません。購入者側の責任で以下を含む用途にこの製品を使用された場合,当社はいかなる責も負いかねま

すのでご了承ください。

原子力関連機器,航空宇宙機器,海底機器,電力制御機器,医療機器,輸送機器(自動車,列車,

船舶等),交通用信号機器,燃焼制御機器,各種安全関連機器,金融関連機器,昇降機器,その他こ

れらの機器と同等の機器

屋外での使用

屋外で使用される場合や,防水性を要求されるような環境で使用される場合は,適切な防水構造の採用および

結露対策を実施してください。

コネクタ

コネクタ挿抜時には,過度の応力を加えないよう注意してください。また,搭載時には,応力が連続して加わらな

いよう注意してください。

設置環境

誤作動や,動作不良が予想されますので,以下のような状態または環境条件下では使用しないでください。

(ア) 液体の中,または腐食性雰囲気のある場所

(イ) 高湿が連続する場所

(ウ) 潮風を受ける場所

(エ) 直射日光を受ける場所

(オ) 急激な温度変化がある場所

(カ) ヒーターやエアコンなどの風を直接受ける場所

(キ) 強い振動がある場所

(ク) 強い電磁波がある場所

(ケ) 帯電または静電気が発生する場所

(コ) その他,これらに準じる条件下

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改訂履歴

日付 版 改訂内容

2016年 11月 1日 1.0.0 初版公開

2016年 11月 9日 1.0.1 オープンソースソフトウェアライセンスを追記

2016年 11月 25日 1.0.2 搭載方法の図を微調整

参考特性として起動に要する時間を記述

3.3 [V] トレラントピンについて追記

I2Cのプルアップについて追記

LED_OUTの仕様を追記

AT コマンド UART インタフェースを追記

(ファームウェアバージョン v1.1.0以上)

2016年 12月 2日 1.0.3 Tx enqueue / Tx immediately コマンド引数データ長誤記修正

2016年 12月 6日 1.0.4 Tx enqueue コマンドにおける Tの上限値を 90日とした

2016年 12月 15日 1.0.5 外形寸法図に側面図を追加

2016年 12月 21日 1.0.6 コネクタ信号定義にて WAKE_IN端子が未実装機能であることを明記

送受信キュー説明図の文言修正

トレイ寸法図を更新

2017年 2月 20日 1.0.7 CI 変更に伴うロゴ変更

ADC入力電圧範囲を追記

MODE_IN端子を未接続とした場合の挙動を追記

2017年 4月 18日 1.1.0 sakura.io リリースに伴いサービス名称を変更

SCM-LTE-Beta に加え SCM-LTE-01について追記

I2C/SPI 未使用ピン処理を,オープンからレベル固定に変更

Get date time コマンドの応答単位の誤りを修正

Get firmware update status コマンドの応答の誤りを修正

Get file download status コマンドの応答長の誤りを修正

ファイル受信機能リリース(ファームウェアバージョン v1.2.0以上)

2017年 11月 9日 1.1.1 GPIO モードリリース(ファームウェアバージョン v1.3.0以上)

WAKE_IN端子のモジュール内プルアップを追加(ファームウェアバージョン

v1.3.0以上)

GPIO モードでの制御インタフェースの動作について追記(ファームウェアバ

ージョン v1.3.0以上)

2017年 11月 28日

1.1.2 GPIO モードでの端子の処理について修正

I2C インタフェースの動作速度を追記

Get firmware update status コマンドの応答長の誤りを修正

Software reset コマンドの応答長と動作説明の誤りを修正

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入力電流(参考値)を追記

2017年 12月 21日 1.1.3 通信状態インジケータの動作説明の誤りを修正

2018年 5月 7日 1.1.4 省電力制御モードリリース(ファームウェアバージョン v1.4.0以上)

参考特性に入力電流を追記

GPIO モードについて追記

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目次

概要 ............................................................................................................................................................ 1

特徴 ............................................................................................................................................................ 1

用途 ............................................................................................................................................................ 1

代表的アプリケーション ................................................................................................................................... 2

ブロック図 ...................................................................................................................................................... 2

絶対最大定格 ............................................................................................................................................. 3

推奨動作条件 ............................................................................................................................................. 3

電気的特性 ................................................................................................................................................. 3

参考特性 ..................................................................................................................................................... 3

制約事項 ..................................................................................................................................................... 4

外部インタフェースコネクタ ............................................................................................................................... 5

コネクタ配置図 .......................................................................................................................................... 5

空中線コネクタ .......................................................................................................................................... 6

Host interface コネクタ ........................................................................................................................... 6

通信状態インジケータ ................................................................................................................................ 8

制御インタフェース........................................................................................................................................ 10

概要....................................................................................................................................................... 10

SPI インタフェース ..................................................................................................................................... 10

I2C インタフェース ..................................................................................................................................... 10

AT コマンドインタフェース ........................................................................................................................... 11

要求例 ............................................................................................................................................... 11

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応答例 ............................................................................................................................................... 11

コマンド ................................................................................................................................................... 11

GPIO モード ........................................................................................................................................... 12

入力モード .......................................................................................................................................... 12

出力モード .......................................................................................................................................... 12

無線インタフェース........................................................................................................................................ 13

一般情報 ............................................................................................................................................... 13

LTE インタフェース ..................................................................................................................................... 13

認証情報 ............................................................................................................................................... 13

省電力制御 ............................................................................................................................................... 14

Active モード/DeepSleep モード選択 .................................................................................................. 14

省電力モード設定(v.1.4.0以降,SCM-LTE-01のみ) ............................................................................. 14

データキュー................................................................................................................................................. 15

概要....................................................................................................................................................... 15

時刻情報の付与 .................................................................................................................................... 15

キューの大きさ ......................................................................................................................................... 15

送信キューの構造 ................................................................................................................................... 16

受信キューの構造 ................................................................................................................................... 17

コマンドシンタックス ....................................................................................................................................... 18

コマンドの構成 ......................................................................................................................................... 18

要求のシンタックス ................................................................................................................................ 18

応答のシンタックス ................................................................................................................................ 18

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実行結果 ........................................................................................................................................... 18

コマンド定義 ............................................................................................................................................ 19

一般コマンド ........................................................................................................................................ 19

I/O操作コマンド ................................................................................................................................. 21

データ送信コマンド ............................................................................................................................... 21

データ受信コマンド ............................................................................................................................... 24

ファイル受信コマンド ............................................................................................................................. 25

管理コマンド ........................................................................................................................................ 27

制約事項 ............................................................................................................................................... 30

ホストボードの設計ガイドライン ..................................................................................................................... 31

概要....................................................................................................................................................... 31

レイアウト ................................................................................................................................................ 31

搭載方法 ............................................................................................................................................... 32

電源....................................................................................................................................................... 32

I/O電圧レベル ....................................................................................................................................... 33

未使用端子 ........................................................................................................................................... 33

ボード雑音について .................................................................................................................................. 33

外形寸法図 ............................................................................................................................................... 34

質量 .......................................................................................................................................................... 34

ラベル表示 .................................................................................................................................................. 35

梱包仕様 ................................................................................................................................................... 37

ドライパック手順 ....................................................................................................................................... 37

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箱詰め手順 ............................................................................................................................................ 37

トレイ寸法 .............................................................................................................................................. 38

内容物ラベル .......................................................................................................................................... 39

製品写真 ................................................................................................................................................... 40

ソフトウェアライセンス .................................................................................................................................... 41

注意事項 ................................................................................................................................................... 42

用途の限定 ............................................................................................................................................ 42

屋外での使用 ......................................................................................................................................... 42

コネクタ ................................................................................................................................................... 42

設置環境 ............................................................................................................................................... 42

改訂履歴 ................................................................................................................................................... 43