インフラエンジニアのこれから ~Red...

28
RED HAT OPENSTACK TECHNOLOGY | 2013 インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~ レッドハット株式会社 中井悦司 / Etsuji Nakai Senior Solution Architect and Cloud Evangelist v1.0 2013/10/07 第1部 クラウド入門

description

2013/10/16開催セミナーの発表予定資料です。 http://biz.pasonatech.co.jp/seminar/upcoming/osaka_cloud.html

Transcript of インフラエンジニアのこれから ~Red...

Page 1: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

RED HAT OPENSTACK TECHNOLOGY | 2013

インフラエンジニアのこれから~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~

レッドハット株式会社中井悦司 / Etsuji NakaiSenior Solution Architectand Cloud Evangelistv1.0 2013/10/07

第1部 クラウド入門

Page 2: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

2

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

目次

企業システムにおけるインフラ技術の変遷 プライベートクラウドという選択肢 クラウドにおけるLinuxの利用方法 仮想化統合とクラウドの違い

(*) 本資料に含まれる技術情報は、2013年9月時点のRDO(Grizzly)とRed Hat OpenStack v3.0の仕様に基づきます。

Page 3: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

3

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

自己紹介

中井悦司(なかいえつじ)– Twitter @enakai00

日々の仕事– Senior Solution Architect and

Cloud Evangelist at Red Hat K.K.企業システムでオープンソースの活用を希望されるお客様を全力でご支援させていただきます。

昔とった杵柄– 素粒子論の研究(超弦理論とか)– 予備校講師(物理担当)– インフラエンジニア(Unix/Linux専門)

「Linux独習書の新定番」書きました!

読者の声より ――「今はインターネット上に情報が溢れているけど、質の高い入門書が少なく  なっているのは不幸なことだと思う。そんな中、この本はすごくいい」「平易な言葉でありながら、決して足りなくはない。慎重に選ばれています。 脳みそに染みこんで来ます」

Page 4: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

4

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

企業システムにおけるインフラ技術の変遷

Page 5: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

5

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

企業システムにおけるインフラ技術の変遷

1990 2000 2010

インターネット技術のビジネス活用

企業の基幹系システムがLinuxへと移行

オープンソースのビジネス活用

企業の基幹系システムがUnixへと移行

Webサーバなどの周辺システムでLinuxを利用

学術・研究機関でUnixを研究・活用

LinusがLinuxの開発を公表

Red Hat EnterpriseLinux AS2.1の発表

仮想化技術によるリソースの集約

仮想化環境でのLinuxの活用パブリッククラウドの利用

Avi KivityがLinux KVMを公開

インフラ技術の変遷の次のステップは、企業システムのクラウド移行と考えられています。そこでは、インフラエンジニアの目からみて、どのようなシステム活用の世界が待っているのでしょうか?

Red HatOpenStack 3.0の発表

本講演のテーマ

Page 6: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

6

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

ちなみに・・・講演者とUnix/Linuxとの関わり

自主規制

Page 7: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

7

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

ところで、Linux/OSSの価値ってなんでしたっけ?

安いことが価値? 最新技術が価値?

第三者著作物につき掲載いたしません

Page 8: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

8

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

クラウドにおける「オープンスタンダード」としての価値

複数のクラウド事業者が協力して震災関連情報の発信に取り組みました

エンジニアの共通言語としてのLinux/OSSの価値を実感しました

Page 9: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

9

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

何のためにオープンソースが必要なのか?

よくあるお客様の声 ― 「我々は、その時々で最適な製品を選択していくだけだから、オープンソースかどうかは関係ない。」

過去に縛られずに、本当に「その時々」で最適なものを選択できるのでしょうか?

必要なのは、ユーザ企業が主導権を持って技術の進化を取り込みながら

システムそのものを進化させていく戦略

Page 10: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

10

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

プライベートクラウドという選択肢

Page 11: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

11

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

プライベートクラウドという選択肢

プライベートクラウドに対するよくある意見– 「みんなで割り勘するから安くなるのがクラウドの価値」– 「安くならなければクラウドに移行するメリットは無い」– 「ハードウェアを所有しないのがこれからのトレンド」

パブリッククラウドと同じ仕組みを企業内に用意してもメリットは無いのでしょうか?– ユーザ企業自身で構築した、OpenStackのプライベートクラウド事例

が多数、公開されています。– パブリック/プライベートという分類に関係しない、「クラウドの本質的なメリット」を理解すると、プライベートクラウドは自然な選択肢となります。

クラウドのメリットはこの後で改めて説明します。

Page 12: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

12

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

OpenStackのプライベートクラウド事例 証券、ケーブルテレビ、ネットビジネス、研究機関などあらゆ

るエリアのユーザ企業がOpenStackの活用を始めています。 Bloomberg

– 証券情報の分析・配信システムのインフラとしてOpenStackによるプライベートクラウドを活用

– http://www.openstack.org/summit/portland-2013/session-videos/presentation/keynote-bloomberg-user-spotlight

Comcast– ケーブルテレビのセットトップボックスのバックエンドシステムをOpenStackによるプライベートクラウド上に構築

– http://www.openstack.org/summit/portland-2013/session-videos/presentation/keynote-comcast-user-spotlight

BestBuy– OpenStackによるプライベートクラウドで開発環境をオンデマンド

に提供できる環境を実現– http://www.openstack.org/summit/portland-2013/session-

videos/presentation/keynote-best-buy-user-spotlight CERN

– 物理学の実験施設から取得されるPBクラスの実験データの保存と分析にOpenStackのプライベートクラウドを活用

– http://www.openstack.org/summit/portland-2013/session-videos/presentation/keynote-clouds-in-high-energy-physics

Page 13: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

13

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

クラウドにおけるLinuxの利用方法

Page 14: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

14

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

(参考)RDOとPackstackでデモ環境を簡単構築

下図の道具があれば、オールインワン構成のデモ環境を簡単に構築できます。

em1

em2

Intel-VT/AMD-V対応サーバ

ホストアクセス用NIC

VMアクセス用NIC

インターネット

インターネットにアクセスできるネットワーク

Fedora18

4GB以上のメモリ

「RDOデモ環境を確実に構築する手順」http://d.hatena.ne.jp/enakai00/20130625/1372132365

手順はこちらを参照

Page 15: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

15

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

OpenStackが実現するクラウドの機能

OpenStackのユーザは、Webコンソール/APIを利用して、次のようなコンピューティングリソースを利用します。

– 仮想ネットワーク– 仮想マシンインスタンス– ブロックボリューム

データ領域 ブロックボリューム

仮想ルータ

仮想スイッチ

外部ネットワーク

プロジェクト環境

OpenStackユーザ

OS領域

各ユーザは特定の「プロジェクト」に所属します。

– プロジェクト内でリソースを共有– プロジェクト全体でのリソース使用量の上限設定、リソース使用状況のレポーティングなどが可能

仮想マシンインスタンス

Page 16: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

16

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

OpenStackの仮想ネットワーク

プロジェクトごとに仮想ルータを用意して、その背後にプライベートなネットワーク環境を構成します。

– ブロードバンドルータで家庭内LANをインターネットに接続するような感覚です。 仮想スイッチを作成して、ルータに接続します。

– それぞれの仮想スイッチは、プライベートIPの独立したサブネットを持ちます。 仮想マシンインスタンス起動時は、接続する仮想スイッチを選択します。

– DHCPでプライベートIPアドレスが割り当てられます。– 同じプロジェクトの仮想マシンインスタンス間は、プライベートIPで通信できます。– 外部ネットワークと通信する際は、「フローティングIP」を割り当てて、仮想ルータでNAT処理を

行います。

仮想スイッチ192.168.101.0/24

プロジェクトA専用ルータ

外部ネットワーク

プロジェクトB専用ルータ

仮想スイッチ192.168.102.0/24

Page 17: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

17

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

外部ネットワーク

仮想マシンインスタンスの起動

仮想マシンインスタンスを起動する際は、次の項目を指定します。

– インスタンスタイプ– テンプレートイメージ (*)

– 接続する仮想ネットワーク– セキュリティグループ– キーペア

OS領域テンプレート

イメージ

複製

複数ネットワーク接続も可能

セキュリティグループ(パケットフィルタリング)

形式 説明

raw フラットなイメージファイル

AMI/AKI/ARI Amazon EC2が利用する形式

qcow2 Linux KVMが利用する形式

VDI VirtualBoxが利用する形式

VMDK VMwareが利用する形式

VHD Hyper-Vが利用する形式

(*) テンプレートイメージ作成機能は、OpenStackは提供しません。外部ツールで作成したものをインポートします。

テンプレートとしてインポート可能なイメージ形式

Page 18: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

18

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

デモンストレーション

プロジェクトごとに独立した仮想ネットワークが用意されていることを確認します。 Red Hat Enterprise Linux 6 (RHEL6) を起動して、仮想ネットワークに接続します。 「カスタマイズスクリプト」を利用して、起動後の初期設定を実施します。 ブロックボリュームを作成して、仮想マシンに接続します。

Page 19: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

19

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

仮想マシンインスタンスの「スナップショット」

仮想マシンインスタンスの「スナップショット」により、ルートディスクを複製して保存することができます。

OS領域

テンプレートイメージ

テンプレートイメージから仮想マシンインスタンス起動

インスタンスのスナップショット

OS領域

ルートディスクを複製してスナップショットを作成

スナップショットから仮想マシンインスタンス起動

Page 20: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

20

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

ブロックボリュームの使い方

ブロックボリュームは、仮想マシンインスタンスを停止してもそのまま残るので、永続的なデータ保存領域として使います。

データ領域

③スナップショット作成

④スナップショットを複製して新たなブロックボリュームを作成

②仮想マシンインスタンスに接続してデータ領域として使用

データ領域

他の仮想マシンインスタンスに再接続可能(同時接続は不可)

①新規ブロックボリュームを作成

OS領域 OS領域

Page 21: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

21

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

ブロックボリュームからの起動

ブロックボリュームにゲストOSをインストールして、ブロックボリュームから仮想マシンインスタンスを起動することも可能です。

– 仮想マシンインスタンスを停止しても、OS領域への変更が破棄されずに残ります。– スナップショットを作成しておき、仮想マシンインスタンスを起動するタイミングで、

スナップショットから新しいブロックボリュームを用意することも可能です。

OS領域

仮想マシンインスタンスに接続してゲストOS起動

テンプレートイメージを複製してブロックボリュームを作成(*)

OS領域テンプレート

イメージ

OS領域

スナップショット作成

OS領域

複製

(*) この操作はGrizzlyのHorizon Dashboardには搭載されていません。コマンドラインでのAPI操作が必要です。

Page 22: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

22

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

プロジェクト単位のリソース使用レポート

現在の使用量 指定月の累計

Page 23: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

23

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

プロジェクト全体でのリソース使用量の上限設定

Page 24: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

24

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

RHEL6のテンプレートイメージ提供について

Red Hat Enterprise Linux (RHEL)では、RHEL6.4より、OpenStackで利用可能なテンプレートイメージが提供されています。

– これをダウンロードして、OpenStackに登録することで、すぐにRHELの仮想マシンを起動することができるようになります。

Fedoraは、下記のWebサイトでAmazon EC2/OpenStack用のテンプレートイメージが公開されています。

– http://fedoraproject.org/en/get-fedora-options#clouds

Page 25: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

25

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

仮想化統合とクラウドの違い

Page 26: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

26

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

仮想化統合とクラウドの違い

仮想化統合のよくある目的– 物理サーバの台数を減らして、土地代、電気代などのサーバ維持費用を削減– ライブマイグレーションで、サーバメンテナンスに伴うサービス停止を回避– サポート切れOSの延命

クラウド利用のメリット–管理者を介さずにコンピューティングリソースを利用者に提供– サーバ、ネットワーク、ストレージをパーツ化して自由に組み合わせ可能– APIを利用して、プログラムや外部ツールから環境の構築・操作が可能

IT管理部門にとって嬉しいのが仮想化統合

IT利用部門にとって嬉しいのがクラウド

クラウド導入には、クラウドを使いこなせる利用者を増やす努力が必要

Page 27: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

27

Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド〜第1部クラウド入門

クラウドに関わるエンジニアの2つの方向性

クラウドインフラの設計・構築・運用に関わるエンジニア– クラウドを構成する要素技術(基礎技術)への深い知識– 要素技術を適切に組み合わせてクラウドを実現するインテグレーション技術– 大規模環境を効率的に運用するノウハウ

クラウドを活用したシステム構築に関わるエンジニア– APIを利用した環境構築の自動化・効率化– オートスケールなどの自動化を前提としたシステム設計– ・・・

「クラウドの利用」をテーマとした入門セミナーが11/12に開催されます!

Page 28: インフラエンジニアのこれから ~Red Hatの描くLinuxの今後とクラウド~(第一部)

RED HAT OPENSTACK TECHNOLOGY | 2013

WE CAN DO MOREWHEN WE WORK TOGETHERTHE OPEN SOURCE WAY