3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4...

18
章章章章章章章章章章章 章章NaCl Na 2 SO 4 章章章章章章章章章章章章章章章章章章 章章章章章章章章章章章 章章章 章章章章章章章章 章章章章章章章 、、、 無無無無 10/1 /2012

description

無機化学 1      5回    10/1 9 /2012. 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する 。. 化学式. **** 前期 「化学」 復習 **** - PowerPoint PPT Presentation

Transcript of 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4...

Page 1: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

3章 イオン結合とイオン結晶

目的: NaCl 、 Na2SO4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する。

無機化学 1      5回    10/19 /2012

Page 2: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

**** 前期 「化学」 復習 ****  化学式 , 分子式 , 実験式 , 化学方程式

●元素記号を用いて物質を表した式( chemical formula )のうち、分子を表記するのは      (molecular formula) (例: He, H2O, O2, C6H6 )で、イオン結晶では各構成元素の最も簡単な整数比で表す(       empirical formula  例: NaCl, NH4Cl 、 Na2SO4 )。

● 化学式を用いて         (chemical reaction) を示したものを         (chemical equation) という。左辺に      (reactant) 、右辺に      (product) を書き、左辺と右辺で同じ種類の原子数は同じである。        2 H2 +   O2  → 2 H2O    ( 反応式は→を用いる )

化学式 分子式

実験式

化学反応化学方程式

反応物 生成物

Page 3: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

● 「同温同圧のもとでは、すべての気体は同じ体積中に同数の分子を含む」というのが「             」で0℃ 、 1.013×105Pa( パスカル ) (1気圧)で、 6.0221×1023 個( NA, 凡そ 6×1023 )の気体分子を集めると、その種類によらず 22.414 l( リットル、凡そ 22.4 l ) となる。

アボガドロの法則、モル

● この粒子数を含む純物質を        という単位でカウントする。基準は炭素で、炭素 12.0 g が1モルである。上の化学反応は、2モルの水素と1モルの酸素が反応して2モルの水ができることを示す。

アボガドロの法則

1モル (mol)

Page 4: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

● 酸素原子1モルは 16.00 g、酸素分子1モルは32.00 gで、物質量という。純物質1モルの質量はモル質量(M  g/mol )で、分子の場合、単位を除いたのが       (molecular weight) である。イオン結晶では実験式を用いた化学方程式が用いられ、分子量の代わりに     (formula weight) が用いられる。

物質量、分子量、式量、化学量論係数

● 化学反応で重要なのは反応物、生成物の前につく係数と熱の出入りである。エタノールを燃やすと、炭酸ガスと水が生成するので   aC2H5OH  +  bO2   →  cCO2 + dH2O係数 a―d を         ( stoichiometric coefficient )という。炭素で  2a = c, 酸素で  a + 2b = 2c + d, 水素で  6a = 2dであるから , a:b:c:d =1:3:2:3 となる。     C2H5OH  + 3 O2   →  2 CO2 + 3 H2O

分子量

式量

化学量論係数

Page 5: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

● 熱の出入りを考慮した熱化学方程式( thermochemical equation )では、反応物、生成物の状態が重要であり、化学式の後ろに気体      , 液体       , 固体      の記号を付ける(熱化学方程式は等号を用いる)。

  C2H5OH(l)  + 3 O2(g)  =  2 CO2(g) + 3 H2O(l) + 1366.7 KJ1 モルのエタノール(液体)と3モルの酸素(気体)の反応により、 2 モルの炭酸ガス(気体)と3モルの水(液体)が生成し、 1366.7 KJ の発熱を伴う。

熱化学方程式

( gas ) g (liquid) l (solid) s

Page 6: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

● イオン化傾向: 2 つの元素のどちらがより酸化され易い(あるいは還元され易い)か、つまり酸化還元反応における化学平衡がどちらに偏っているかの序列である。イオンの溶液中での安定性や電気化学活量など化学平衡として反応が進む方向を決定づける他の因子に大きく影響され、定量化は困難。水溶媒でイオン化列という。(Li, K, Ca, Na) > Mg > (Al, Zn, Fe) > (Ni, Sn, Pb) > (H2, Cu) > (Hg, Ag) > (Pt, Au) のように( )内のイオン化傾向は条件に依存する。貸そうかな、まああてにすな、ひどすぎる借金。理智 (Li) ルビ (Rb) カ (K) バー (Ba) 巣と炉 (Sr)仮 (Ca) 名 (Na) 魔具 (Mg) アル (Al) 漫画 (Mn) 合えん (Zn) 黒夢 (Cr) 鉄 (Fe) 門 (Cd) 木庭 (Co) に (Ni) 鈴 (Sn) 園 (Pb) 水 (H) アンチ (Sb) 尾 (Bi) 藤 (Cu) 水銀 (Hg) 銀色 (Ag) パラパラ (Pd) 白い (Pt) 金 (Au)

化学電池ではイオン化傾向の大きい金属が    、逆が   。

負極正極

Page 7: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

3.1) イオン結晶   3.1.1) 原子イオン間のイオン結晶

● 無機イオン結晶は、電子を出して安定な陽イオンとなる原子と、電子を受容して安定な陰イオンとなる原子との間にクーロン静電引力が働いてできる結晶である。

● 各イオンは最外殻が満たされた安定な希ガス型電子配置をとる。代表例は、周期表1族 Na( 電子配置 1s22s22p63s1) と 17 族Cl(1s22s22p63s23p5) から構成される食塩(岩塩)で、 3.1 式である。Na  +  Cl    Na+(Ne 型 )  +  Cl(Ar型 )   ( 3. 1)● イオン結晶を得る第一の条件は 3.2 式である。

         Ip    EA   <  M  

        ( 3. 2)

Page 8: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

●NaNa+ のイオン化反応に必要なエネルギー(イオン化ポテンシャル、 Ip )は 5.14 eV である。一方 , ClCl により 3.61 eV のエネルギー利得(電子親和力 , EA) がある。従って、 3.1 式の右辺のイオン対形成に 5.14 3.61 = 1.53 eV のエネルギーが必要である。結晶に凝集すると、異種イオン対間のクーロン引力、同種イオン間のクーロン反発の総和による安定化エネルギー(マーデルング・エネルギー ,  M)が得られる。岩塩の凝集エネルギーは約 7.9 eV で、 3.1 式の右辺へ必要な 1.53 eV を凌駕しているので安定なイオン結晶となる。

Page 9: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

イオン結晶の一般的性質無機原子イオンから成るイオン結晶は、融点が高く、電気の絶縁体で、水などの極性溶媒によく溶け、電解質として働く。

中には、イオン伝導性に優れたものがある。しかし、これらの性質に従わない多くの例外があり、また、有機 - 無機複合系イオン結晶や有機物イオン結晶は一般的性質を要約するのが困難なほど多様性に富んでいる。

Page 10: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

3.1.2) 多原子イオン、分子イオンを含むイオン結晶およびイオン液体 アンモニウム( NH4

+ )、フォスフォニウム (PH4+) 、その

水素原子をフェニル基で置換したアニリニウム( C6H5-NH3

+ )やテトラフェニルフォスフォニウム [(C6H5)4P+] 、

またシクロプロペニル、シクロヘプタトリエニル(トロピリウム)など多くの無機多原子陽イオン、有機陽イオンがある( 図 3.1) 。また、過塩素酸イオン(ClO4

) 、硫酸イオン (SO42-) 、トリ

フルオロメチル硫酸イオン ( トリフラート )(CF3SO3

- ), 燐酸イオン(PO4

3 - ) 、などの無機多原子陰イオン、フェノラート (C6H5-O - ) 、 p- トルエンスルフォネート ( トシラートアニオン、 CH3-C6H4-SO 3

, Ts O ) 、ピクラート (C6H2(NO2)3-O ) 、シクロペンタジエニル (Cp ) などの有機陰イオンがある。

NH3

CH3

SO3

O

O2N NO2

NO2

aniliniumcycloheptatrienyl (tropylium)

p-toluenesulfonate(TsO)トシラートアニオン

2,4,6-trinitrophenolate(picrate)ピクラート

cyclopentadienyl (Cp)シクロペンタジエニル

アニリニウム トロピリウム cyclopropenylシクロプロペニル

Page 11: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

変わった物質として、アルカリ陽イオンを包摂したクラウンエーテルなど多種多様なイオンが開発されている。その中でも、融点が室温より低いイオン液体が、蒸気圧が極めて低いので環境を汚さないグリーンな反応溶媒として、最近注目を浴びている。これは、エチルメチルイミダゾリウム (EMI) などのような対称性の低い陽イオンを用いた塩である。

Page 12: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

クラウンエーテル:ペダーセンにより発見された環状エーテル化合物で、環内に様々のアルカリ金属イオンやアンモニウムイオン (M+) をゲスト分子として包含する。包含される陽イオンのサイズと環の中央にある空隙サイズの適合性に依存した錯形成(ホストーゲスト化合物)が行われる。陰イオン( X -)は強いイオン対形成から緩和される。従って、イオン結晶 MX はクラウンエーテルを含む無極性非水溶媒(多くの有機溶媒)に可溶となり、 X -は M+に強い束縛を受けずに存在するので、反応性が極めて向上する。このような陰イオンを naked anion という。生体内で、活性な naked anion を生成することは危険であり、クラウンエーテルを飲取しないよう取り扱いに注意する。クラウンエーテルは、それを形成する原子数と環内の酸素の数で慣用名が決定される。 18- クラウン -6  エーテルが最も一般的に利用される。レーンはクリプタンドを用い、 3 次元包摂化合物の化学を展開し、クラムは、これらの包摂化合物(ホスト-ゲスト)の化学を分子認識の視点で展開し、上述 3 化学者は 1987 年にノーベル化学賞を受賞した。包摂化合物(クラスレート化合物)として、ヒドロキノンへのメタノール、 Ar, Kr, Xe の挿入、 - シクロデキストリンへの中性分子の挿入、ヨウ素デンプンなどがある。

O

OO

O

OO

K+ 18-crown-6

K

K+ 18-クラウン-6

O

O

O

O O

O

O

O

OO

O

O

O O12 crown-4 15 crown-5 18 crown-6 21 crown-7

OO

OO

O

OOO

Page 13: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

3.2) イオン結晶の構造

幾つかの代表的結晶構造があり、重要。塩化セシウム型、岩塩型、閃亜鉛鉱型

● イオン間に働くクーロン静電力は方向性をもたないので、イオン結晶の構造は陰イオン(半径 R )、陽イオン (半径 r) の数の比、半径比、分極率によって支配される。●各イオンはできるだけ多くの反対符号のイオン ( その数を配位数 :coordination number) に取り囲まれるようにして安定化する。陽イオンと陰イオンの数の比が 1:1 の場合の配位数は、 8 、 6 、 4 である。

Page 14: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

1)陽イオンの半径と陰イオンの半径に大きな違いがない時( r/R>0.73 であると)、主に塩化セシウム型: CsX ( X = Cl, Br, I )、 NH4X(X = Cl, Br, I) など、約 50種の化合物がある。配位数 8 。

2rR 1

2

図 3.2a) CsCl 型  CsCl の単位格子 r/R=0.732 [(2R+2r)/2R=3]全ての原子が同種なら体心立方格 子 (body centered cubic, bcc, 占有率 68%, 全てのアルカリ金属、 Ba, 多くの遷移金属が属す。

Page 15: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

2)陽イオンが小さくなり 0.73 > r/R > 0.414 ならば岩塩型:上記 CsX ( X = Cl, Br, I )を除く全てのハロゲン化アルカリが属す。 200種以上の化合物がある。配位数6 。 1

2r

2R

1

1

図 3.2b) 岩塩型の単位格子 r/R=0.414[(2R+2r)/2R=2], 陽イオン、陰イオンは各々面心立方格子 (face centered

cubic, fcc, 占有率 74.1%) 、全てが同種原子なら単純立方格子 (simple cubic 、 sc, 占有率 52%, Po の低温相 ) である。●岩塩構造はイオン結晶以外にも多く見られ、多くの遷移金属は B, C, N, Si および Ge と結合して岩塩型構造の金属性物質を与える。これらは脆く、硬く、融点が高い。良い熱伝導体、導電体である。

Page 16: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

3 )   陽イオンが小さくなり、陰イオンが大きくなると( 0.414 > r/R )閃亜鉛鉱型 (別名 CuCl型: 閃亜鉛鉱(ZnS) 、 CdS 、ハロゲン化銅 (I) など 40種近くの化合物がある。 Cu+, Cl の位置に炭素 C をいれるとダイヤモンド構造となる。配位数 4 )やウルツ鉱型 (別名 ZnO型 ) ( ウルツ鉱(ZnS 、ウルツ鉱は閃亜鉛鉱の多形で、より稀に産出する ), ZnO, CdS, AgI など 20余種の化合物がある。配位数 4) をとることが多い。

L

QO

P

2OQ

PLR

2r1

図 3.2c) 閃亜鉛鉱型 (CuCl型 ), r/R =0.225, [R/(R+r)=2/3] 全原子が同種でダイヤモンド型構造 (4配位、 Si,Ge,灰色 Sn,占有率は 34% ) である

図 3.2d) ウルツ鉱(ZnS)型 ( ZnO型 )

Page 17: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

陽イオンと陰イオンの数の比が 2:1 または 1:2 の場合の配位数は 8:4, 6:3 と 4:2(1:2 ではその逆 )

1) r/R > 0.73 ならば配位数 8:4 のホタル石型(ホタル石CaF2 ), Ca と F を入れ替えた構造を逆ホタル石型という。

図 3.2e)  ホタル石型

ホタル石 (フルオライト ) 結晶を火の中に入れると光を発するので、この名がある。緑や紫の美しい結晶であるが、硬度4で軟らく劈開性が強いので日本では宝石に使われない。高級光学レンズ材、フッ素の貯蔵材、濃硫酸に入れて加熱するとフッ化水素( HF) が発生する

Page 18: 3章 イオン結合とイオン結晶 目的: NaCl 、 Na 2 SO 4 などのような原子および多原子イオンから成るイオン結晶の生成、構造、格子エネルギー、物性を紹介する

2) 0.73 > r/R > 0.414 で配位数 6:3 のルチル型(ルチル(金紅石)は酸化チタン( TiO2 )の多形の一つ ) 。

図 3.2f) ルチル型

Ti O

ルチル

3) 0.225>r/R なら 4:2配位の Cu2O型( Ag2O など)

図 3.2g) Cu 2 O型

Cu O

Cu 2 O CuO