ディジタルフィルタの設計法 - Matsuyama Lab |...
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ディジタルフィルタの設計法 0.逆フィルター 1.直線位相FIRフィルタの設計
2.窓関数法によるFIRフィルタの設計
2.5時間領域でのFIRフィルタの設計
3.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(I)
4.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(II)
5.双2次フィルタ
LTI離散時間システムの基礎式の証明
[ ]
)12.4(][*][
][][
)11.4(][][
)10.4(][][][
)9.4(][][][
][
と表すことができる。
は任意の離散時間信号
nhnx
knhkx
knLkx
knkxLny
knkxnx
nx
k
k
k
k
=
−=
−=
−=
−=
∑
∑
∑
∑
∞
−∞=
∞
−∞=
∞
−∞=
∞
−∞=
δ
δ
δ
変数nに対してLinear
Time Invariant
畳み込み: ∫∞
∞−−= τττ dtgftgtf )()()(*)(
だけ平行移動した関数
、を原点を中心に反転し
tg )(τ
τ− τ
)( τ−g
(a) フィルタ関数(インパルス応答) τ
)(τg
τ− τ τ
)( τ−tg
0 t
との類似度を計算
積和計算によって
)(τf
(b) 処理対象の信号
)( 0tf
)(tf積和
)(τf
τ
たとえば、 ガウス関数による信号の平滑化
ウェーブレット変換
離散的2次元ラプラシアン
連続な場合、ラプラシアンは
これより,離散的な場合のラプラシアンは
と定義 計算の注目点が中心となるように差分の取り方を調整.これは結局
となる
非因果的 非因果的 因果的
ディジタルフィルタの設計法 0.逆フィルター 1.直線位相FIRフィルタの設計
2.窓関数法によるFIRフィルタの設計
3.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(I)
4.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(II)
5.双2次フィルタ
IIRフィルタ
)31.4()1(
)(
)30.4()()(1
)29.4(][][][
1
0
01
10
システム関数は
両辺をz変換すると
∑
∑
∑∑
∑∑
=
−
=
−
=
−
=
−
==
+=
=
+
−−−=
N
n
nn
M
m
mm
M
k
kk
N
k
kk
N
kk
M
kk
zb
zazH
zXzazYzb
knybknxany
IIRフィルタを設計するには、 これらのパラメータの値を決めればよい。
時間領域でフィードバック係数を直接求めるのはむずかしい。
3.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(I)
1.アナログLPFの設計
2.周波数変換によるアナログBPF、HPFの設計
3.双1次変換(S-Z変換)によるディジタルフィルタの設計
アナログLPFの特性
:阻止域リプル
透過域リプル
:阻止域周波数
:透過域周波数
s
p
s
p
r
r :ω
ω
1.代表的なアナログLPF (全極型フィルタ)
(1)n次のバターワース(Butterworth)フィルタ
2/1)0(/)(11
1|)(|
/
2
/)12(1exp)(
)(
22
1
0
==+
=
→
−+=
−=
∏=
HHjH
n
nkjsss
csH
ppnn
kn
kk
n
ωωω
ω
π
π
ただし
安定間隔で分布円周上に極は、左半平面の単位
【特徴】 ・ 振幅特性はω>1で急激に減衰 ・ ωの変わりにω/ωpを代入することでカットオフ周波数ωpを任意に設定可能 ・ 伝達関数は1階から2n-1階までの全ての導関数がω = 0において0。 この性質を最大平坦と呼ぶ
(1)n次のバターワース(Butterworth)フィルタ
2/1)0(/)(11
1|)(|
/
2
/)12(1exp)(
)(
22
1
0
==+
=
→
−+=
−=
∏=
HHjH
n
nkjsss
csH
ppnn
kn
kk
n
ωωω
ω
π
π
ただし
安定間隔で分布円周上に極は、左半平面の単位
http://ufcpp.net/study/digital_filter/butterworth.html より転載
3~9次のバターワースフィルタの周波数特性 2
1
1
(2)n次のチェビシェフ(Tchebyschev)フィルタ
関数) (双曲線正弦、余弦 ここで、
のとき
のとき
はチェビシェフ多項式ここで、
までの整数、 ~はここで、
2)cosh(,
2)sinh(
1||))(coshcosh(1||))(coscos(
)(
)()(2)(,)(,1)()(
)(11|)(|
1sinh12/)1(0
2)12(sincosh
2)12(cossinh
)(
1)(
1
1
1110
222
1
1
xxxx
n
nnn
n
nn
kn
kk
n
eexeex
xxnxxn
xT
xTxxTxTxxTxTxT
TjH
nnk
nknj
nkns
sssH
−−
−
−
−+
−
=
+=
−=
>≤
=
−===
+=
=−
−−±
−−−=
−=
∏
ωεω
εν
πνπν
チェビシェフ多項式
る。なる直交数列が得られ
とし、、
に対してここで、ある正の整数
を①に代入すると
ている。 となることが知られ
は、の根式次のチェビシェフ多項
という。たとえば、をチェビシェフ多項式の多項式となる。これは
①と定義すると、すなわち、
の多項式 用 の倍角の公式を反復適
−=−=+
==
−==−−==
−=
=
−=
=
+−=−=−==
==
⇒⇒=−
1,...,1,01,...,2,1
2)12(cos][
21][
)1,...,1,0( 1)1,...,2,1(
2)12(cos)(
2)12(cos
),...,1()(,...188)(,34)(,12)(,)(
)()(coscos)(cos
coscos cos)(cos
0
244
33
221
1
MmMk
MkmmTmT
MmmiMkknM
MniT
xM
iMixTM
xxxTxxxTxxTxxTxxT
xnxTxnT
k
in
i
i
iM
n
n
n
π
πα
α
πα
α
θ
θθθ
DCT
(2)n次のチェビシェフ(Tchebyschev)フィルタ
【特徴】 ・ 振幅特性はω>1で急激に減衰 ・ リプルを許容することで急峻なカットオフ特性を実現
チェビシェフフィルタの周波数特性 http://ufcpp.net/study/digital_filter/chebyshev.html より転載
(2)n次のチェビシェフ(Tchebyschev)フィルタ
n
r
nA
n
rA
s
s
p
spsp
数 を満たす最小の正整
は次式で計算される。、のパラメータチェビシェフフィルタ
た時、を設計仕様として与え、、として、
ωεε
ε
ωω
1
21
2 cosh
11
cosh11
1
−
−
−
≥−=
=
(2’)n次の逆チェビシェフ(Tchebyschev)フィルタ
http://ufcpp.net/study/digital_filter/chebyshev.htmlより転載
ェフフィルタ 逆チェビシチェビシェフフィルタ
2
2
22
222
11
1
111
1|)(|)(1
1|)(|
+
=
+
=+
=
ωε
ωε
ωε
ωωε
ω
n
n
n
nn
n
T
T
T
jHT
jH
(1)LPF→LPF(カットオフ周波数の変換) これは、元の周波数区間 (-1, 1) を (- ωc , ωc ) に移す。
2.周波数変換によるHPF,BPF,BEFの設計
基準となるLPF: アナログ カットオフ周波数 ωc=1のLPF H(s)
c
ssω
⇒
【注意】 周波数軸は実数!
【注意】 変数変換は複素数!
演習課題61
2次のバターワースフィルタを基に、 遮断周波数が100Hzの低域通過フィルタを設計しなさい。
(2)LPF→HPF これは、元の周波数区間 (-1, 0) を (ωc , ∞ ) に、 (0, 1) を ( ー∞, ーωc ) に移す。
ss cω⇒
の実数変換周波数変換:
複素数変換:
21
21
21 ω
ωωωωω
ωωω
ω
ccc
c
jjj
j
ss
−=⇒−=⇒=
=
1ω
2ω
cω
cω−
11−
演習課題62
2次のバターワースフィルタを基に、 遮断周波数が1000Hzの高域通過フィルタを設計し、振幅特性のグラフを描きなさい。
(3)LPF→BPF
+⇒
=
+=
−=
→ΩΩ
=
=Ω−=
→−=Ω
ss
Ws
jsj
jW
jx
jW
x
x
WW
c
c
c
c
c
c
c
c
c
c
cc
c
c
ωω
ω
ωωω
ωωω
ωω
ωωω
ωωω
ωω
ωω
と置くことにより、 となり、
を掛けると、 となり、両辺に
2段目の変換)とすると(下図1
とし、、の通過帯域幅を
3段目の変換)(下図2として実数の変数変換まず
12BPF
演習課題63
2次のバターワースフィルタを基に、 通過周波数が400Hz~800Hzの帯域通過フィルタを設計し、振幅特性のグラフを描きなさい。
(4)LPF→BEF
+
⇒
⇒→
ss
W
s
ss
c
c
c ωω
ω1
BEFBPF1HPFLPF
すなわち、
が実現できる。からとすれば、の議論から
演習課題64
2次のバターワースフィルタを基に、 遮断周波数が400Hz~800Hzの帯域遮断フィルタを設計し、振幅特性のグラフを描きなさい。
3.双1次変換(S-Z変換)による ディジタルフィルタの設計.
【目的】 設計したアナログフィルタの安定性を損なうことなく、同様の特性を持つディジタルフィルタを求める。
安定性を保つ条件
ラプラス変換とZ変換
で求める。
をの伝達関数
タからディジタルフィルルタの伝達関数設計したアナログフィ
つまり、
【双1次変換】
ないようにしたい。返し歪み誤差が発生しフィルタの特性に折り
て、への周期的変換によっまた、
たれるようにしたい。ができるだけ線形に保、周波数特性
【条件】
【定義】
1
1
112
1
1
|)()()(
)(
112
−
−
+−
=
−
−
Ω
=
+−
=
<Ω<−⇒∞<<∞−
==
=
zz
Ts
j
sT
sHzGzG
sH
zz
Ts
jsez
ez
ππωω
双1次変換の意味
が得られる。
からとなり、
の伝達関数はこの離散時間システム
の関係と見なすと、これを離散時間信号間
似すると、の間の積分値を台形近の
が十分小さいとして、一方、
となり、伝達関数
、ラプラス変換をすると
とすると、の積分値をのアナログ信号
1
1
1
1
)1(
112
)()(11
2)(
]1[][(2
]1[][
))1(()(2
)())1(()(
],)1[()(
1)()(1)(
)()(
)(],[)(
−
−
−
−
−
∞−
+−
=
≈−+
=
−+=−−
−+≈=−−
−
==
=
−∞
∫
∫
zz
Ts
zGsHzzTzG
nxnxTnyny
TnxnTxTdxTnynTy
nTTntxT
ssHsX
ssY
dxty
tyttx
nT
Tn
t
ττ
ττ
双1次変換の持つ非線形性
演習課題65
2次のバターワースフィルタを基に、 1.遮断周波数が100Hzの低域通過ディジタルフィルタ 2.遮断周波数が1000Hzの高域通過ディジタルフィルタ 3.通過周波数が400Hz~800Hzの帯域通過ディジタルフィルタ 4.遮断周波数が400Hz~800Hzの帯域遮断ディジタルフィルタ を設計し、振幅特性のグラフを描きなさい。 また、基になるバターワースフィルタの次数を高くすることによって、振幅特性がどのように変化するかも調べなさい。
ディジタルフィルタの設計法 0.逆フィルター 1.直線位相FIRフィルタの設計
2.窓関数法によるFIRフィルタの設計
3.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(I)
4.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(II)
5.双2次フィルタ
3.双1次変換(S-Z変換)によるディジタルフィルタの設計
4.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(II)
1.アナログLPFの設計
2.Z領域における周波数変換によるBPF、HPFの設計
2.Z領域における周波数変換によるBPF、HPFの設計(I) (FIR→FIRの場合)
1.0,5.0,1,5.0,1.01.0,5.0,1,5.0,1.0,,,,
)2/(~)2/(~0)1(
)34.4(][
)
43210
0
例:
の通過帯域の通過帯域
に変換係数を
【1】
フィルタ(
−−→=
+−⇒
−→
⇒
=∑=
−
aaaaa
HPFLPFaa
HPFLPF
zazH
LPFFIR
pspsp
mm
m
M
m
mm
ωωωωω
|)(| ωH
0 pω 2/sω sωps ωω −
|)(| ωH
0 ps ωω −)2/( 2/sω sωps ωω +)2/(
演習課題66
計しなさい。高域通過フィルタを設
のがこれを基に遮断周波数
がある。
移動平均フィルタ
表例として低域通過フィルタの代
Hz
zzH
FIR
k
k
000,1
31)(
2
0∑=
−=
2.0,0,2,0,2.01.0,5.0,1,5.0,1.0,,,,4/
~0)cos(2
43210
0
0
0
とすると、例:
るを通過帯域の中心とすの通過帯域
に変換係数を
【2】
−→==
⇒
→
⇒
aaaaa
BPFLPFaTka
BPFLPF
s
p
mm
ωω
ωωω
|)(| ωH
0 pω 2/sω sωps ωω −
|)(| ωH
0 0ω 2/sω sω0ω
演習課題67
計しなさい。帯域通過フィルタを設
の帯域がこれを基に通過周波数
がある。
移動平均フィルタ
表例として低域通過フィルタの代
HzHz
zzH
FIR
k
k
800~400
31)(
2
0∑=
−=
2.0,0,2,0,8.01.0,5.0,1,5.0,1.0,,,,4/
~0)0()cos(221
43210
0
0
000
−→==
⇒
≠−→−→
⇒
とすると、例:
るを遮断帯域の中心とすの通過帯域
に変換 係数を
【3】
aaaaa
BEFLPFmaTkaaa
BEFLPF
s
p
mm
ωω
ωωω
|)(| ωH
0 pω 2/sω sωps ωω −
|)(| ωH
0 0ω 2/sω sω0ω
演習課題68
計しなさい。帯域遮断フィルタを設
の帯域がこれを基に遮断周波数
がある。
移動平均フィルタ
表例として低域通過フィルタの代
HzHz
zzH
FIR
k
k
800~400
31)(
2
0∑=
−=
2.Z領域における周波数変換によるHPFの設計(II) (FIR、IIR→IIRの場合)
)2/(~~02
cos
2cos
1 1
11
sqp
pq
pq
HPFLPF
T
T
zzzz
HPFLPF
ωωω
ωω
ωω
ααα
の通過帯域の通過帯域
に変換 ここで、を
【1】
⇒
−
+
−=++
−→
⇒
−
−−
|)(| ωH
0 pω 2/sω sωps ωω −
|)(| ωH
0 qω 2/sω sωqω
演習課題69
計しなさい。高域通過フィルタを設
のがこれを基に遮断周波数
がある。
移動平均フィルタ
表例として低域通過フィルタの代
Hz
zzH
FIR
k
k
000,1
31)(
2
0∑=
−=
ディジタルフィルタの設計法 0.逆フィルター 1.直線位相FIRフィルタの設計
2.窓関数法によるFIRフィルタの設計
3.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(I)
4.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(II)
5.双2次フィルタ
5.双2次フィルタ
【特徴】 ・フィルタ設計が容易である。 ・設計手法が確立されたものである。 ・多様な特性のフィルタが実現可能 ・直列接続で多様な特性が実現可能
↓ 双2次フィルタは非常によく利用される。
22
110
22
110)( −−
−−
++++
=zazaazbzbbzH
双2次フィルタで実現可能な特性
http://ufcpp.net/study/digital_filter/biquad.html より転載
LPF
カットオフ特性指数
遮断周波数
ここで、
, ,
, ,
変換に対して
元のアナログフィルタ
:
sin2
1cos212
cos1cos12
cos1
111)(
0
0
2010
0201
00
2
aaa
bbb
zs
sQ
ssH
ωα
ω
αωα
ωωω
=
=
−=−=+=
−=−=
−=
→
++=
HPF
αωα
ωωω
−=−=+=
+=+−=
+=
→
++=
1cos212
cos1)cos1(2
cos1
11)(
2010
0201
00
2
2
aaa
bbb
zs
sQ
s
ssH
, ,
, ,
変換に対して
元のアナログフィルタ
BPF
αωα
ωω
−=−=+=
−===
→
++=
1cos212
sin02
sin
11)(
2010
021
00
2
aaa
bbb
zs
sQ
s
ssH
, ,
, ,
変換に対して
ィルタ【1】元のアナログフ
αωααα
−=−=+=−===
→
++=
1cos210
11
1
)(
2010
210
2
aaabbb
zs
sQ
s
sQsH
, ,
, ,
変換に対して
ィルタ【2】元のアナログフ
Peaking Filter
:ピークの利得
ここで
, ,
, ,
変換に対して
元のアナログフィルタ
A
AaaAaAbbAb
zs
sAQ
s
sQAs
sH
αωααωα−=−=+=−=−=+=
→
++
++=
1cos211cos21
11
1)(
2010
2010
2
2
Low/High Shelf Filter
1)(
2
2
++
++=
sQAAs
AsQAs
AsH
FilterShelfLow元のアナログフィルタ
】 【
AsQAs
sQAAs
AsH
FilterShelfHigh
++
++=
2
2 1)(
元のアナログフィルタ
】 【
演習課題70
双2次フィルタによるLPF、HPFと 他の設計法によるものとの特性を比較しなさい。 具体的には、 同一遮断周波数を定めて設計した場合の両者の 周波数特性を比較して、議論をしなさい。
演習課題71