月刊現代ギター (gendaiguitar) - [ Lite版 ] 2011年8月号

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GENDAI GUITAR MAGAZINEVol.45 No.8 August2011 No.568

A u g u s tPHOTO REPORT

13 コンサート・フォト・レポート 荘村清志

山下和仁

アトリウム弦楽四重奏団 & 大萩康司

マリア・エステル・グスマン

&高木洋子(Pf)&手塚健旨

新堀ギターアンサンブル〈NE〉

福田進一&エドゥアルド・フェルナンデス

ホルヘ・ルイス・サモラ

新井三夫、西本悦子、東 隆幸

宮下祥子&札幌交響楽団

筧 優

REPORT

34 パラグアイのバリオス・フェスティバル41 第 33回ジュニアギターコンクール

READING/ESSAY

46 濱田滋郎・鑑賞術[17] ブラジル音楽とヴィラ=ロボス

50 ロンドン便り[27]

52 セゴビアとパキータ[5](A. エスカンデ/訳:平野雪子)

56 ギター編曲と原作への旅[5](朝川 博)

58 渡辺和彦の a tempo 日記[17](渡辺和彦)

TALK & LECTURE

20 愛器を語る[29]

小胎 剛(ベレサール・ガルシア)

38 レコーダー活用セミナー[4](山下俊輔 & 朝倉信章)

60 五線譜の読み方~初見演奏能力UP[4](津田昭治)

62 動画をクリック! テクニックレシピ[17]

月光(ソル)/(永島志基)

64 ムキムキ・ウォーミングアップ・エクササイズ[5](金 庸太)

INFORMATION

29 めもらんだむ40 コンクールインフォメーション44 書評67 新譜案内68 外盤案内70 新刊案内

EMSEMBLE

アンサンブルの広場86 あんさんぶる今月のイチオシ

87 ホットトーク&掲示板

3 特 集 クラシックギター・コンサートの変遷

わたしが聴いたトップギタリストたち       イベント主催者に聞くギターの魅力

      クラシックギター向きの小ホールインタビュー

24     ミロシュ

26     ジャン=マリー・レーモン

30     エドゥアルド・フェルナンデス

C O N T E N T S表紙:ミロシュ

写真:Olaf Heine / DG

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レオ・ブローウェル【1980 年 1月 30日 /中央会館】

プログラム

 現在もなおクラシック・ギター界の最重要人物ともいえる重鎮であるブローウェル(1939 ~/キューバ)の初来日公演。 80 年代半ばに右指腱鞘炎の悪化で演奏活動を断念して作曲と指揮に専念する以前の、卓越したコンポーザー・ギタリストとしてのブローウェルを聴けた貴重な機会だった(その後、翌 81 年の来日は「ギタリスト」としてだったが、92 年の来日時にはすでに演奏会は行わなかった)。 また民族音楽風、不確定性の現代音楽などを経て、調

性的・旋法的な「ハイパー・ロマンティシズム」を標榜するに至るブローウェルの作風を知る上でも興味深い演奏会だった……などと考えたのはずっと後のことで、当時は斬新なプログラムと素晴らしいテクニックにただただ感嘆していたのだったが。 足台を横向きに置いて両足を乗せるユニークな演奏姿勢(かつて背骨を傷めたせいらしい)や、客席には当時の錚々たるギター界の先生方が多数来場されていたのも印象的だった。

アンドレス・セゴビア【1980年7月27日/日比谷公会堂】

プログラム

Gendai Guitar 3

アルデヴォール:ソナタスカルラッティ:5つのソナタ

ファリャ:バレエ音楽「恋は魔術師」「三角帽子」よりブローウェル:パラボラ、永劫の螺旋、舞踏礼賛、アルゼンチンの3つの小品 =高原の踊り、愛の歌、

ピアソラのタンゴによる変奏曲

筆者がギター関係を中心に本格的なコンサート通いを開始したのは、大学卒業後に某メーカーに就職した 1978 年頃からなので、思えば 30年以上が経過した。その間に聴いたコンサートは、1,000 回を下らないと思う。その中から特に印象深かったトップ・ギタリストたちのコンサートを、外来ギタリストの初来日公演を中心に時系列で追ってみた。 文 ● 宮林 淳

ナルバエス:皇帝の歌、牡牛の番をしての主題による変奏曲ヘンデル:サラバンド、メヌエットラモー:メヌエット・ニ長調

ソル:アンダンテ・ラルゴOp.5-5、メヌエットOp.11-6タンスマン:ポーランド組曲

ポンセ:ソナタ第 3番より第 2楽章、南のソナチネ第 3楽章

特集 クラシックギター・コンサートの変遷

海外ギタリストが憧憬の的であった時代も過ぎ去り、黎明期には想像できなかったほど邦人ギタリストが活躍を見せる

現在の日本のクラシックギター・コンサート。本特集では、聴衆・現場・施設の3つの視点から、

今こんにち

日の国内ギター・コンサートを支える基盤について考察した。

レオ・ブローウェル【1980 年 1月 30日 /中央会館】

プログラム

アンドレス・セゴビア【1980年7月27日/日比谷公会堂】

プログラム

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8 Gendai Guitar

昨今、親密度の高い中規模ホールでじっくり聴けるギター・フェスティバルやコンサート・シリーズが、ホール主催で行なわれることが増えている。ギター愛好家にとって喜ばしい状況だが、ホール主催者はどのような意図でこれらを企画したのだろうか。クラシックギターが持つコンサート楽器としての魅力を伺った。

【最寄駅】JR「大阪駅」より徒歩 10分、阪神「梅田」駅より徒歩 8分 【席数】335席【イベントの特徴】福田進一とゲストのアーティストによるマスタークラス付きのコンサート、受講生による修了コンサート。【開催】コンサート:2011 年 8月27日(土)19時、マスタークラス:27日(土)14時半、28日13 時半、修了コンサート28日(日)17時半 【問合せ】06-6363-7999(平日10~ 17時)

1 以前から聴いてはいましたが、ギターの

コンサートを担当させていただく機会が増えてからは、もっと聴くようになりました。2 昨年このイベントを開催するまでは、往時に比べるとやや関西のギター界が冷え込んでいるようにも感じていたので、もしかしたら集客も難しいかもしれないと思っていました。しかし、蓋を空けてみると多くのお客様にお集まりいただき、超満員で開催することができて、大阪にもギター人口が多く潜んでいることが実感できました。特に「昔ギターをやっていた」というご年配の方からのお問合せが多かったです。ギターに真剣に取り組んでいる若い方がたくさんいるということもわかりました。また、大阪で大きなギター教室を主宰している大野朱美さんや、福田進一さんと古くからのご友人である藤井眞吾さんなど、多くの方が大阪でのギターの祭典を盛り上げるべく、ご協力くださったことが嬉しかったですね。3「クラシック」というと一般にはおとな

しいイメージがあるかもしれませんが、ギターはアクティヴな方が多いと思います。熱気がある会場になることが多いですね。また、当ホールがアクセスの良い梅田にあることも手伝って、広島や九州、それに埼玉など遠方から来てくださる方もいます。4 コンパクトな楽器 1 本でいろいろな表現ができるのがすばらしいと思います。当ホールは 300 席ほどの小じんまりとしたホールですが、ギターを楽しむのにいい音響の、いい空間だと思っています。そこで奏でられるのに適した、奥深い表現を持った楽器だと思います。また、ジャンルを越えた幅広い音楽にチャレンジできるのもすばらしいと思います。5 フルートや弦楽四重奏など、ギター以外にも当ホールで画期的なプロジェクトを行なっているさまざまなアーティストがいます。彼らが一堂に会するような、お祭りのようなイベントができたらと思っています。

ザ・フェニックス・ホール(大阪) 「Osaka Guitar Summer」 運営担当 ・平松雅子さん

【最寄駅】東京メトロ千代田線「代々木公園」駅、小田急線「代々木八幡」駅より徒歩 5分【席数】300席【イベントの特徴】プロデューサーを務める荘村清志・福田進一が決めたテーマのもと、8月中の連続 3日間公演。他楽器、他ジャンルのアーティストとのコラボ、新作委嘱、若手ギタリストのリサイタルなど。【開催】2011 年 8月19日(金)、20日(土)、21日(日)。【問合せ】03-5478-8700

1 荘村さん、福田さんの演奏は以前から聴いていましたが、それほど多くのギターコンサートを聴いていたわけではないですね。2 ギター・フェスタの第 1 回のテーマは没後 10 年ということもあり武満 徹さんでした。フェスティバルの第 1 回目で邦人作曲家 1 人に絞っていいのだろうかと思う部分もありました。でも、全集など集めて作品を調べているうちに、ギター曲の中にも、前衛的なもの、アカデミックなものから、映画音楽や歌などのポピュラーで親しみやすいものまで本当にバラエティに富んだ曲があることがわかりました。1 人の作曲家をテーマに 3 日間コンサートをやって、これだけ幅のあるプログラムはなかなか組めません。第1回目は武満さんのご遺族はじめ、映像のアートディレクターなど、多方面からご協力をいただき、運営側としても忘れられない公演になりました。多くの関係者がギターの魅力を再認識しましたが、その中

の 2 名はこれを機会にギターを始めました。3 特にギター・フェスタに来てくださるお客様は、明るい方が多い気がします。休憩時間がいつもより賑やかですね(笑)。それとイベントの性格のためか、幅広いものに興味を持たれている方が多いと思います。4 小さな楽器で、けっして大きくはない音量なのに、1 つの宇宙を作れてしまうことです。それと、小さい音だからこそ聴き手もすごく集中すると思うのですが、そういう空気がコンサートで伝わってくるのがいいですよね。また、ジャンルを超えるおもしろさがギター自体にも、ギターを弾いていらっしゃるアーティストにもあると思います。5 今のギター・フェスタを良い形に発展させて、より多くの皆さまにギターの魅力を知っていただけるように頑張る、ということに尽きますね。今後も魅力的なテーマ、コンセプトを持ちつつ、新人の紹介、新曲の委嘱も続けていきたいと考えています。

Hakuju Hall(東京) 「Hakuju ギター・フェスタ」 ディレクター ・ 内倉真紀子さん

Osaka Guitar Summer

Hakuju Hall

特集:クラシックギター・コンサートの変遷

©Albert Abut 写真:Nacasa & Partners inc

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Gendai Guitar 13

演奏生活 40周年を迎える荘村清志の久々のソロリサイタル。超満員の会場は荘村の演奏を心待ちにする聴衆たちの熱気に溢れていた。前半のバッハ〈シャコンヌ〉と〈リュート組曲第 1番BWV996〉という重厚なプログラムに対し、後半はうってかわって南米物を中心としたギターオリジナル曲という構成。「演奏活動を重ねるうちに、内面からこみ上げる感情を表現できるようになった」と荘村自身が語るように、1曲 1曲、今の彼だからこそできる歌い方、語り口で豊かな感情を描出した演奏であった。この公演は東日本大震災のチャリティーコンサートとして、公演収入の全額が寄付される。震災で親を亡くした子供たちに手を差し伸

べたいという荘村の強い希望により、そういった活動を続けているNGO団体に直接寄付するとのこと。荘村の優しさと力強さが言動、そして演奏から全面に表われたリサイタルであった。プログラム:プログラム:リュート組曲第 1番ホ短調BWV996、無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第 2番ニ短調 BWV1004よりシャコンヌ(バッハ)、キューバの子守唄(グレネ~ブローウェル)、3つのベネズエラ風ワルツ(ラウロ) 、郷愁のショーロ、フリア・フロリダ、パラグアイ舞曲第 1番(バリオス) 、ヌアージュ(ラインハルト~ディアンス)、リブラ・ソナチネよりフォーコ(ディアンス)。

【5月27日/東京文化会館小ホール】

写真:東 昭年

荘村清志Kiyoshi Shomura

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愛器を語る

小胎 剛 ◆ヘスス・ベレサールガルシア

(1978)

写真:木田新一

小胎 剛 Tsuyoshi Otai1932 年東京生まれ。1952 年に日本音楽学校作曲科を卒業し、翌年NHK『歌のはなびら』にて演奏家としてデビュー。テレビ、ラジオ、日劇等出演の他に、友人とギター・トリオを結成、労音を中心に全国で演奏旅行を行なう。1973 年以後ドキュメント映画、テレビ等の作曲、演奏を担当し、同年《2つのギターのための声》にて武井賞を受賞。1980 年以後は「小胎 剛ギター四重奏団」「ギター・トリオ TOYS」「Sol Viento」(フルートとにデュオ)などのアンサンブル・グループを結成し、各地で演奏活動を行なう他、ギター教本、曲集等を多数出版する。公益社団法人日本ギター連盟名誉理事。