教授 櫻井 陽二 【政治学】<卒論・4年次> 4年次は、...

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教授 櫻井 陽二 【政治学】 担当科目:政治学原論 ◆ ゼミナールの研究テーマ 時事問題から本質の理解へ ◆ 研究内容 <外書研究> A. Heywood.Global Politics", in Heywood, Politics, Macmillan 1997 (コピーを使用)、 を輪読し、 際政治の見方と、 世界政治の動向の把握に努める。 <卒論・3年次> 話題の新刊書の中から1-2冊を選んで輪読しながら、 意見交換、 討論、 質疑応答を行い、 現在の政治 の舞台で展開されている論争について皆で考え、 これに関係する政治、 経済、 社会、 文化的諸テーマをよ り深く掘り下げて考究し、 ゼミ員各自の本質理解力の向上を図る。 <卒論・4年次> ゼミ員各自の問題関心に基づき卒論のテーマを選び、 中間報告を受けながら、 論文作成のための指導を行 う。 <卒業論文例> 「トクヴィルと民主社会」 「中東紛争」 「エドマンド・バークにおける保守主義の思想」 55 年体制とその変容」 「日本の安全保障政策について」 ◆ 応募学生に対する希望 政治、 経済、 社会、 文化の諸問題について強い関心を持ち、 読書等を通じて日常、 真剣に思考してい る学生であることが望ましい。 研究分野…政治学理論、 フランスの政治 募集人数…10 名前後 試験方法…面接 (その資料として身上書の提出を求める。 学部指定の様式) 学科指定…なし

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教授 櫻井 陽二 【政治学】 担当科目:政治学原論 ◆ ゼミナールの研究テーマ 時事問題から本質の理解へ ◆ 研究内容 <外書研究> A. Heywood.“Global Politics", in Heywood, Politics, Macmillan 1997 (コピーを使用)、 を輪読し、 国際政治の見方と、 世界政治の動向の把握に努める。 <卒論・3年次> 話題の新刊書の中から1-2冊を選んで輪読しながら、 意見交換、 討論、 質疑応答を行い、 現在の政治

の舞台で展開されている論争について皆で考え、 これに関係する政治、 経済、 社会、 文化的諸テーマをよ

り深く掘り下げて考究し、 ゼミ員各自の本質理解力の向上を図る。 <卒論・4年次> ゼミ員各自の問題関心に基づき卒論のテーマを選び、 中間報告を受けながら、 論文作成のための指導を行

う。 <卒業論文例> 「トクヴィルと民主社会」 「中東紛争」 「エドマンド・バークにおける保守主義の思想」 「55 年体制とその変容」 「日本の安全保障政策について」 ◆ 応募学生に対する希望 政治、 経済、 社会、 文化の諸問題について強い関心を持ち、 読書等を通じて日常、 真剣に思考してい

る学生であることが望ましい。 研究分野…政治学理論、 フランスの政治 募集人数…10 名前後 試験方法…面接 (その資料として身上書の提出を求める。 学部指定の様式) 学科指定…なし

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兼任講師 岩野 弘一 【政治学】 担当科目:演習B (外書研究、 卒論) ◆ ゼミナールの研究テーマ 現代日本の政治と行政-行政改革を素材として- ◆ 研究内容 第二次臨調以降の現在進行形の行政改革を素材として、 行政改革とは何か、 現代国家 (又は政府) とは

何か、 政策作成・決定及び実施における官僚制の役割、 行政組織 (省庁再編)、 審議会政治 (ブレーン政

治)、 許認可権限 (規制改革) と官僚制の権力、 公務員制度 (公務員の意識と行動)、 日本官僚制論、 国と地方関係 〔政府間関係〕 (地方分権化、 連邦制、 道州制、 市町村合併)、 補助金の政治経済学、 オン

ブズマン、 行政管理手法 (NPM, PPP, PFI)、 独立行政法人化、 民営化 (公社・公団・特殊法人)、 天下り、 行政手続法 (行政指導)、 行政情報公開、 行政責任、 政策評価、 行政評価・監視、 行政相談、 行政計画等々を取り上げ、 現代日本の政治と行政の解明を課題とする。 <外書研究> 前期は、 英文日本国憲法をテキストに使用し、 マッカーサ草案 (英文及び訳) などを比較参照しながら

読むことを通して、 広く社会科学上のテクニカル・タームの習得につとめると同時に、 ゼミ生自身の言葉に

よる日本国憲法訳を試み、 現下の憲法問題について考える。 後期は、 日本の行政改革の政策過程に関する英文論文を使用する予定。 <卒論・3年次> 広く社会科学に関するテキストを使用。 昨年度は、 アンソニー・ギデンズ 『社会学』 (而立書房) を使用した。 今年度は検討中。 各自が関心のある章を選び、 レジュメを作成・配布して報告。 4-5月:各自の関心問題について、 毎時間1分間スピーチを行い、 その集積として、 卒論テーマを定

める。 その後の変更可。 6月:卒論テーマに関する文献リスト作成。 7月:第1回卒論中間報告を行う。 各報告について、 全員が感想を述べ合う。 後期は、 月1回のペース

で中間報告を重ねる。 毎年、 1月に中間論文を作成・提出し、 3・4年生合同で卒業論文発表会を行う。 <卒論・4年次> 毎時間、 2人程度の中間報告を行って、 卒論を仕上げる。 <卒業論文例> 「現代医療の諸問題と立法」 「教育行政の課題と展望」 「地方都市活性化と札幌市」 「地域間格差について」 「地方分権改革」 「日米経済摩擦」 「県民性 (力)」 「スポーツの社会的・経済的・政治的効果」 「警察・消防制度の仕組み」 「ジェンダーについて」 「政治と選挙制度」 「歴代首相の政策的特色」 「スウェーデンの福祉制度」 「少年法について」 など 研究分野…マックス・ウェーバーの政治社会学、 行政改革と官僚制 募集人数…約 10 名 試験方法…面接 学科指定…なし

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教授 外池 力 【比較政治体制論】 担当科目:政治体制論、 ロシア・東欧政治論 ◆ ゼミナールの研究テーマ 各国の政治・社会を比較する ◆ 研究内容 <外書研究> 今まで、 毎年、 デモクラシー論や民主化関連の本を輪読してきた。 (例えば前年は Ronald Dworkin Is Democracy Possible Here? (Princeton University Press, 2006)) 本年も同じような本を読むつもりなので、 政治学の英語だけでなく、 洋書にも慣れてほしい。 <卒論・3年次> 自分のやりたい国や地域を決めて、 その政治や社会などについて各自研究を進める。 そして、 デモクラ

シーや民族問題などの普遍的問題についても皆で考えていく。 初めのテーマは、 必ずしも卒論につながるも

のでなくてもよいが、 発表、 書評、 レポートなどを通して、 卒論に結実するよう指導するので、 動機や

関心がはっきりしているテーマを選ぶのが望ましい。 <卒論・4年次> 卒論指導も、 発表やレポートを通じて行う。 <卒業論文例> 「企業家と夢」 「インドは豊かな国民を生み出せるか」 「チェ・ゲバラ 革命と思想」 「社会開発~ビジネスという視点から」 「MLB と黒人選手参加への道」 など ◆ 応募学生に対する希望 研究テーマがはっきりしている学生が望ましい。 研究分野…比較政治体制、 デモクラシー論、 民主化研究、 地域研究 募集人数…15 名程度 試験方法…作文、 面接 学科指定…なし

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教授 土屋 光芳 【政治過程論】 担当科目:政治過程論 ◆ ゼミナールの研究テーマ 太平洋地域の政治・経済・社会変動と政治過程 ◆ 研究内容 <外書研究> 中国語又は英語の原書 (未定) を講読する。 精読をモットーとする。 <卒論・3年次> 本年度は、 夏休みまでは拙著 『汪精衛と民主化の企て』 (人間の科学社、 2000 年) と拙著 『中国と

台湾の民主化の試み』 (人間の科学社、 2005 年) を輪読し、 中国の 「民主化プロセス」 について考え

る。 ゼミ生諸君は、 夏休みまでに秋の 「ゼミナール発表会」 のテーマを決めて、 夏合宿で第 1 回目の個

別課題の発表を行う。 後半は、 ゼミナール発表会の準備をし、 卒論のテーマを決める。 なお、 昨年度 (第 12 期生) のゼミ

ナール発表会テーマは 「日本のNPO-福祉・環境・国際交渉」 だった。 <卒論・4年次> 4年次は、 夏合宿で卒論の第1回発表を行い、 400 字詰め原稿用紙 50 枚程度の卒業論文を作成すること

を目標とする。 <卒業論文例> 卒論テーマは学生個人が自由に選択できる。 昨年の卒業生の卒論テーマは以下の通り。 「ヴェトナム戦争について」 「省庁再編を通して見た経済産業省」 「中国・韓国で学ぶ日本歴史」 「日本と韓国の経済システムの比較」 「政治とマスメディア」 「ムスタファ・ケマルの民主主義的独裁政治」 「スポーツ・ビジネス」 「ブランドについて」 等 ◆ 応募学生に対する希望 無断欠席をしないこと。 欠席が多い学生はゼミをやめてもらうことがある。 中国語の能力を高めたい学生の入室を歓迎する。 研究分野…20 世紀中国 (台湾) の民主化と日中関係、 利益集団論 募集人数…10 名程度 試験方法…一般教養問題と中国語又は英語試験等。 学科指定…なし 教授 井田 正道 【計量政治学】 担当科目:政治学、 計量政治学 ◆ ゼミナールの研究テーマ 選挙と世論 ◆ 研究内容 <外書研究>

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選挙や日本政治に関する英語文献を読む。 <卒論・3年次> 本ゼミナールでは、 コンピュータを使用して選挙データや世論の量的・質的分析を行う。 データとしては

選挙結果統計などのアグリゲートデータや世論調査データを使用する。 成果は夏合宿で発表した上で共同で

報告書にまとめる (『政経セミナー』)。 また、 ゼミナール発表会において発表を行う。 今までの共同研究テーマ 1998 年 「参院選比例区の得票構造分析」 1999 年 「55 年体制下における政党支持率の変化」 2000 年 「第 42 回衆議院議員総選挙の分析」 2001 年 「投票率の地域差に関する研究」 2002 年 「明大生の政治的関心」 2003 年 「橋本政権とマスコミ」 2004 年 「朝日新聞の選挙報道」 2005 年 「『転換期』 の選挙報道 ― 『毎日新聞』 内容分析―」 2006 年 「2005 年総選挙の選挙報道」 <卒業論文例> 「小泉政権とマスコミ・世論」 「九州における 2004 年参院選結果の分析」 「イラク戦争に関する社説分析」 「世襲議員の実態」 「政治と金」 「外国人と参政権」 ◆ 応募学生に対する希望 積極的に参加する学生を望む。 欠席の多い者はゼミを辞めてもらう。 研究分野…政治意識論、 日本政治論 募集人数…12 名前後 試験方法…面接 学科指定…なし 教授 西川 伸一 【国家論】 担当科目:国家論 ◆ ゼミナールの研究テーマ 現代日本の政治・行政を具体的実体的に分析する。 ◆ 研究内容 <外書研究> 日本政治に関する基本的な文献を講読する。 参考までに、 2007 年度の使用テキストは Ethan Scheiner (2006), Democracy Without Competition in Japan, Cambridge University Press であった。 ☆精読に徹する。 <卒論3年次・4年次> 「国家論」 ときくとなにか抽象的な政治理論を連想するかもしれない。 あるいは、 「国家とはなにか」 「理想の国家とはいかにあるべきか」 は政治思想史上の重要なテーマである。 しかし、 本ゼミナールでは

こうした観念的なアプローチはとらない。 現代日本の政策決定におおきな影響力をもつ諸アクターに焦点を

あてて、 こつこつとその実像にせまってみたい。 そこから、 現代日本国家についてのクリアカットな断面

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を浮かび上がらせることはできないだろうか。 ゼミナールの進め方としては、 3年次前期には各人に予備知識をつけてもらうために、 現代政治学ならび

に現代日本の政治・行政について書かれた入門的な研究書をいっしょに勉強する。 ちなみに 2007 年度は、 竹中治堅 (2006) 『首相支配』 中公新書、 内山融 (2007) 『小泉政権』 中公新書、 および御厨貴 (2006) 『ニヒリズムの宰相 小泉純一郎論』 PHP 新書であった。 そして後期からはそれぞれが決めた研究テーマ

に従って、 輪番で報告することになる。 また、 春休み、 夏休みの課題未提出者は除籍する。 ところで、 私のゼミでは 「過去」 は問わない。 1・2年次で一生懸命勉強した学生にも来てほしいが、 逆にまったく遊んでろくに本を読まなかった学生も歓迎する。 そしてゼミで変わってほしい。 そういう意気

込みのある者が応募資格がある、 といいかえてもいい。 13 期生までがつくりあげてきたささやかな 「伝統」 は次のとおり。 1. 定刻に正確なこと。 2. 無断欠席はしないこと。 3. ゼミ機関誌 『BEYOND THE STATE』 を発行すること。 入室志望の学生にはこれら3点を留意してほしい。 ゼミのホームページがあるので、 このゼミを知る材料となれば幸いである。 http://www.kisc.meiji.ac.jp/~kokkaron/ <卒業論文例> 「行政型オンブズマンは機能しうるか」 「知られざる教科書会社の実態」 「小沢一郎、 豪腕たる所以」 「薬害事件~そこから生まれた悲劇」 「義理と人情の政治家・大野伴睦」 ◆ 応募学生に対する希望 ルーズな人は大嫌いなので、 その心がけで。 研究分野…現代日本の官僚制 募集人数…10 名 試験方法…筆記および面接 学科指定…なし

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教授 大六野 耕作 【比較政治論】 担当科目:比較政治論 ◆ ゼミナールの研究テーマ 本年度のテーマは、 「汚職の比較政治学」 としたい。 ◆ 研究内容 <外書研究> 本年度は、 ゼミの研究内容に沿った文献を輪読する。 1週に 20 ページを目標に読みこむ。 現在の自分

の殻を撃ち破りたいと考えている学生を望む。 <卒論3年次・4年次> 政治という行為が 「公的な財政資金」 の配分をめぐる活動であり、 社会の中に様々な利害関係が存在す

る以上、 公的な 「財政資金」 の配分を特定の個人や集団に有利に導きたいという動因が働くことは、 避け

ることができない。 ある意味では、 こうした 「利益の誘導」 こそが、 政治の本質的な一面である。 民主

政治とは、 こうした 「利益の誘導」 が、 ある一定のルールの下で、 公正な競争を通じて行われることを

意味する。 しかし実際には、 社会の中に存在する個人や集団は、 様々な利害のネットワークを構築してお

り、 このネットワークを通じた 「不正な行為」 も生じてくる。 しかも、 各個人や集団のもつネットワー

クの力はそれぞれ異なっており、 特定の個人や集団の発揮する力が他の個人や集団の発揮する力より強力で

ある場合があることは言うまでもない。 通常、 「汚職」 (corruption) は、 「自らの公的な地位を利用

して、 相手方に不正な利益を提供する見返りに、 自らの個人的な利益を図る違法な行為」 と定義されるこ

とが多いが、 こうした行為が生じる原因を解明するためには、 「公的な地位を利用する側」 と 「利益を供

与される側の」 の構造的関係を把握しておかなければならない。 今年度の演習では、 こうした構造に注目

し、 各国におけるこうした構造の違いを検討しながら、 「汚職」 の構造の本質に迫ってゆく予定である。 <参考文献> Dairokuno, Kosakuno with Nakamura, Akira (2003), "Japan's Pattern of Rewards for High Public Office: A Cultural Perspective," Reward for High Public Office: Asian and Pacific Rim States (London: Routledge). Dairokuno, Kosakuno (2001), "Corruption and Rewards for High Public Offices: A Japanese Experience," Asian Review of Public Administration, Vol.13, No.1 (Quezon City: Eastern Regional Organization for Public Administration). ◆ 応募学生に対する希望 体力と粘り強さのある学生で、 現実との関わりで物事を考えようと努力する人。 研究分野…汚職、 社会・政治構造 募集人数…約 10 名 試験方法…1. 政治学に関する基本的な問題 (論文) 2. 英語の読解と要約 3. 面接 (グループ・ディスカッション) 学科指定…なし

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准教授 堀金 由美 【比較政治論】 担当科目:比較政治論 (東アジア) ◆ ゼミナールの研究テーマ 東アジアの経済発展と政治 ◆ 研究内容 <外書研究> アジアの現代政治・経済に関する英語の文献を購読する。 テキストは、 参加者の興味と英語力とに応じて

決定するが、 基本的には、 1冊の大作を精読・読破するより、 観点・主張の異なる複数の著作を、 内容の

理解に重きを置いて多読し、 それによって、 英語に 「慣れる」 こと、 英語を 「使える」 ようになるこ

とを目指したい。 そのためには、 まず、 量をこなすことが重要であり、 予習は必須である。 初めは、 日本も含めたアジアの政治・経済に関する新聞・雑誌などの記事を読むことから入り、 やがて論文なども読め

ればと考えている。 <卒論・3年次> 前半は、 「開発主義」 をキーワードとして、 戦後東アジア (東南アジアを含む) の政治・経済の発展

を概観し、 その特徴を理解することを目的に、 1, 2冊の入門書的テキストを全員で輪読する。 後半には、 そのモデル・一般論を踏まえた上で、 参加者各自がそれぞれ興味を有する国を特定し、 その国における開発・

政治・経済などにつき調べてレポートにまとめ、 順次発表してもらうこととしたい。 勉強の仕方、 ペーパ

ーのまとめ方、 そしてプレゼンテーションの仕方の訓練である。 これは、 クラスにおいてより有意義なデ

ィスカッションを行うための共通の土台を構築するとともに、 4年次の卒論執筆に向け、 参加者各自が 「自

分なりの勉強方法」 を発見し、 身につけてゆくことを目指したものである。 なお、 上記に加え、 朝鮮半島情勢や歴史認識問題等、 わが国と近隣諸国との関係における重要な時事問

題についても、 常に興味を持って眺めてゆくとともに、 アジア以外の途上国の開発あるいは開発援助の問題

についても、 参加者の興味次第でとりあげてゆきたい。 <卒論・4年次> 個人の興味に応じてテーマを絞り込みながら、 卒論に向けた 「自分なりの勉強」 を続けるが、 参加者が

それぞれ定期的に途中経過をまとめて報告し、 皆で討論をすることを繰り返す。 この作業を通じてそれぞれ

の研究に磨きをかけるとともに、 他人の研究について知ることを通して視野を広げてゆきたい。 なお、 社会に出る前に教養を深めることを目的に、 研究発表の合間には、 政治経済分野を中心に話題となっている書

物等を輪読し、 その内容につき全員で討論をしてゆきたい。 <卒業論文例> 「アジア諸国における開発援助とジェンダー」 「インドのエネルギー問題」 「日本の近代教育確立とそ

の成功要因」 「第二次世界大戦後において開発援助が世界にもたらした変化」 「日台関係展望」 ◆ 応募学生に対する希望 アジアの国々、 あるいは開発の問題に興味を持つ人で、 一生懸命勉強をするつもりのある人を望む。 勉強は、 自分でやらないと身につかない。 勉強の面白さを知り、 それを味わう機会は、 学生時代に逃してし

まうと、 後はなかなか得にくいもの。 「おもしろい」 問題を探し、 それに積極的に取り組む前向きで自立

的な態度を持つ人、 そしてその問題に対して自分の頭で考え、 その考えをはっきり表明できる人を歓迎した

い。 少人数・参加型のクラスは、 お互いが磨きあってこそ意味をなすので、 やる気のない人は歓迎できな

い。

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研究分野…東アジア (東南アジアを含む) の経済発展における政府の役割 募集人数…10 名程度 試験方法…英語の読解力を見るための試験 (辞書持込可) 及び簡単な作文 (日本語) と面接 学科指定…なし

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教授 伊藤 剛 【国際政治学】 担当科目:国際政治学 ◆ ゼミナールの研究テーマ 現代国際政治の理論と政策 ◆ 研究内容 <外書研究> 米国 Dushkin 社から出ている雑誌論文・新聞記事集 (World Politics) を用いて、 国際政治学の基本用語

の習得と内容把握の方法を身につけることを目標とする。 単なる英語の勉強ではなく、 英語の web page 程度がそこそこ読めるようになることを目指す。 <卒論・3年次> 前期は、 受講者の関心を聞いた後、 共通するテーマを1つ、 2つ抽出し、 そのテーマの代表的な文献を

講読する。 夏休みに 『政経セミナー』 執筆を経た後、 後期は各自の自由発表を行う。 ただし、 その発表

はその場限りのものではなく、 4年での卒論につながり、 就職活動の面接の際にはっきりと主張できる類の

ものであること。 <卒論・4年次> 3年次に勉強したテーマに沿って各自で研究トピックを一つ選び出し、 学年末に提出する卒論の完成を目

指す。 <卒業論文例> 「アメリカ社会と外交」 「ヨーロッパの民族紛争」 「人民元と国際通貨」 「日本の対朝鮮半島政策」 「カナダ外交の特徴」 「国際政治理論と思想」 「文化と国際関係」 「『自爆テロ』 という隘路」 「東アジア共同体」 ◆ 応募学生に対する希望 文献を読む→まとめる→人の前で報告する→討論するという過程は、 学生の間のみならず、 大学卒業後に

おいてこそ重要とされる能力である。 それを今のうちから厭わない学生に来て欲しい。 大学2年の今は 「や

る気」 と 「意欲」 が評価される。 しかし、 4年の就職活動の時、 そして社会に出てからは何らかの 「付

加価値」 がなければならない。 明治大学に通うこと、 政治経済学部に所属すること、 そして私のゼミを選

択することは、 何かの縁あってそうしているのだから、 入ゼミ後、 各自目標を立てて自己の付加価値を高

められる学生を望む。 なお、 本ゼミはこれまで、 『外交フォーラム』 1999 年8月号、 東進ハイスクール

機関誌 『kiki』 2001 年夏特集号、 防衛庁広報誌 『セキュリタリアン』 2006 年1月号に紹介された。 このうちいくつかは、 現在でも閲覧可能なので、 参照されたい。 研究分野…対外政策の実証研究、 日米中関係、 国際政治の理論と思想、 安全保障、 国際政治経済など 募集人数…10~15 名程度 試験方法…応募の際に身上書を提出すること。 身上書の用紙はゼミ・ガイダンスで上級生たちが渡すはずで

ある。 応募者多数の場合、 簡単な論文試験と英語試験を受けてもらって、 それを元に選抜を行う。 合否は

身上書や試験を参考に、 現在のゼミ員と協議して総合的に判断する。 通常のゼミ、 十大学合同セミナー、 その他の行事に参加する意欲と頑張りを見せて欲しい。 学科指定…なし

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教授 中邨 章 【行政学】 担当科目:演習B (卒論) ◆ ゼミナールの研究テーマ 政府の信頼 (Trust in Government) の研究。 政府や自治体の信頼度が落ちている現状を、 政治家と官

僚、 それに納税者などとの関係から考察する。 ◆ 研究内容 中邨ゼミナールでは例年、 日本語と英語の2カ国語で授業が行われる。 開発途上国からの留学生が、 ゼミに多数、 参加しているからである。 授業の進め方はつぎのような手順による。 一つは、 学生による 「3

分間スピーチ」 である。 これは、 それぞれが今までもっとも感動したことなどを、 主に英語で紹介しよう

とするものである。 表現力を高めることのほか、 人を前にしてしゃべるということを訓練するための試みで

ある。 それに続けて2つ目に、 わたくしが 「タメ」 になる英語表現を解説する 「3分間英語」 の時間が

ある。 その際、 "That is my cup of tea" などの会話表現や、 "Cross Voting"などの政治表現が素材になる。 ちなみに、 前者は 「わたしの得意とするところ」 を意味しているが、 後者は、 アメリカの予備選挙で所

属政党に関係なく投票できる制度のことを指している。 その後、 ゼミでは毎回、 政治や行政の本格的な勉強がはじまる。 あらかじめ、 ゼミ生には政治や行政を

理解する上で必要な用語を調べることが宿題として課される。 学生諸君は、 それらを順番に発表するという

のが、 中邨ゼミの3つ目の課題になる。 また、 そうした課題研究に合わせてゼミ生は、 定期的に特定の問

題に関して 1200 字程度のレポートを提出することが、 中邨ゼミナールの習わしとして定着している。 それ

らの訓練が、 卒論をまとめる際に大きな威力を発揮している。 中邨ゼミでは今のべてきたフォーマルな授業とは別に、 例年、 発展途上国からの地方公務員やアメリカの

大学生を対象にした交換会を催している。 1年に4回程度、 そうした国際交流の場を設けている。 ただ、 それをどう利用するかは、 学生自身の知恵と企画力にあずかっている。 外書研究については、 わたくしがすでに国際行政学会やアジア行政学会をはじめ、 多くの国際会議で発表

してきたいくつかの論文を講読している。 また、 エドウィン・ライシャワー先生 (元ハーバード大学教授) が著した The Japanese の一部を辞書を使わないで輪読し、 英語アレルギーの緩和にもつとめている。 <卒業論文例> 1. 情報公開の意義と課題 2. 資源循環型社会の創設 3. 特別区制度のこれまでとこれから 4. 電子政府の可能性 ◆ 応募学生に対する希望 中邨ゼミナールでは、 社会に通じる人材を養成することを目標にしている。 集合時間に遅れたり、 宿題

の提出を忘れるなどはご法度である。 また、 タバコや携帯などを含めて礼儀とマナーにもきわめてうるさい。 すべて、 社会化を進めるための訓練と考えている。 また、 英語にはたいへんな力点をおくが、 中邨ゼミナ

ールは行政学が専門の演習である。 英語学習のゼミではないことは、 改めて指摘するまでもない。 「世界

を舞台に」 活躍できる、 知識、 認識、 意識の高い人材をもとめ、 育てようとしている。 なお、 現在のところまだ確定していないが、 2008 年度前期は在外研究のため4月からの半年間は代講に

よる授業の可能性がある。

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研究分野…行政改革の国際比較、 規制緩和と地方分権の国際化、 利益集団の研究、 国際比較から見た官僚

と政治家など。 募集人数…約 10 名 試験方法…詳細については、 後日、 公表するが、 現在、 あらかじめ課題をあたえ、 それについてレポー

トの提出をもとめるという方法を採用することを検討している。 それに面接がある。 学科指定…なし

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教授 市川 宏雄 【都市政策】 担当科目:都市政策 ◆ ゼミナールの研究テーマ 世界都市・東京の政策と計画-文化、 経済、 社会からの多極面分析。 とりわけ、 世界を代表する都市と

なった東京、 ニューヨーク、 ロンドン、 パリの4都市は、 都市の世紀を考える上での格好の題材であり、 その都市政策を考察、 検討し、 さらには実践し、 これからの社会のあり方を考える。 ◆ 研究内容 本ゼミでは、 東京の都市形成を過去から現代に到るまで多極面にわたって考察し、 その上で現状の課題を、 同じく世界都市との比較で考えてみる。 そして具体的なまちづくりにも参画する。 ゼミの担当教員は、 東京都の都市計画審議会の委員をはじめとして長く東京の問題や世界の先進国から途

上国の多くの都市問題に具体的に携わってきた。 ゼミでは、 こうした経験に基づいて、 都市から見た現代

社会の問題を幅広く扱う。 昨年度は、 東京商工会議所とタイアップし、 四谷のまちづくりを、 産業の起業、 イヴェント実施、 景観創造、 街路の修景の 4 つの班に分かれて実施し、 発表した。 本年度は墨田区で行っている。 <外書研究> 外書研究では、 大都市圏の姿と、 世界都市を知るために以下のものをグループ形式で読破してきた。 本年度は別途定める。 R. Funks, Mega-City Growth and the Future (UN Unive. Press, 1991). S. Sassen, The Global City-N.Y.,London,Tokyo (Princeton Unive. Press, 1991). J. Garreau, Edge City (Doubleday, 1988). P. Hall, London 2001 (Unwin Hyman, 1989). J. Simmie, Planning London (UCL Press, 1994). Yaro & Hiss, A Region at Risk (Island Press, 1996). P. Robert, Metropolitan Planning in Britain (Jessica, 1999). M. Hebbert, London: More by Fortune than Design (Wiley &. Sons, 1998). Habitat, Cities in a Globalizing World (Earthscan, 2001). N.Doin P.White, Paris (Wiley &. Sons, 1997). M.Abrahamson, Global Cities (Oxford Univ.,2004). また、 日本語のテキストとしては、 市川宏雄著の以下の書物などを適宜使用する。 『世界都市の成長と基盤整備』 (アーバン・コミュニケーションズ、 1992 年) 『しなやかな都市東京-比較都市空間学入門』 (都市出版、 1994 年) 『東京はこう変わる-遷都と分権の基礎知識』 (東洋経済、 1995 年) 『成熟都市・東京のゆくえ-2008 年の都市基盤と政策』 (ぎょうせい、 1998 年) 『「NO」 首都移転-新都建設は欺瞞である』 (光文社、 1999 年) 『首都圏自治体の攻防-分散政策の現実と展望』 (ぎょうせい、 2001 年) 『図解・東京都を読む事典』 (東洋経済、 2002 年) 『情報化で蘇る都市』 (ビジネス教育出版、 2002 年) 『文化としての都市空間』 (千倉書房、 2007 年) <卒業論文例> 都市に関するあらゆるテーマが可

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◆ 応募学生に対する希望 国際的な視点で考え、 豊かな個性と表現力を持ち、 しかもチームワークで行動できる者。 あるいは、 自治体で都市政策の業務に従事を考えている者。 キーワードは、 社会に出て通用する人間の育成であり、 本ゼミはそれを現実のものとすることに注力している。 『都市政策Ⅰ、 Ⅱ』 の講義を合わせて受講のこと。 研究分野…国際的視点に立った大都市問題と政策。 21 世紀における都市の再生 募集人数…16 名程度 試験方法…面接および論文試験 学科指定…なし

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教授 牛山 久仁彦 【地方自治】 担当科目:自治体経営論 ◆ ゼミナールの研究テーマ 自治体行政をめぐる制度・法・政策についての理論的、 実証的研究 ◆ 研究内容 <外書研究> 行政学・地方自治に関連する英語文献を読む。 使用テキストについては開講時に指示する。 <卒論・3、 4年次> 本ゼミナールは、 自治体行政という市民生活に密接な関係をもつ問題について、 現状を把握し、 理論的・

実証的研究を行うものである。 したがって、 地方公務員を志す学生諸君のみならず、 市民として自治体行

政に関心を持ち続けようという諸君も歓迎したい。 この 10 年ほどの間に進められてきた地方分権改革は、 国 (中央政府) に統制されてきた自治体 (地方政府) が、 住民にもっとも身近な政府としてどのような政策

をもち、 それを実行するのかという問題を提起している。 「脱ダム宣言」 で注目された田中康夫長野県知

事の政策、 政策評価の実践で有名な北川正恭前三重県知事など、 首長も積極的に地方分権の中で動き始めて

いる。 こうした動きを行政学や政治学ではどのように理解し、 理論的に把握しているのであろうか。 また

自治体職員はどのように受け止め政策開発に努めているのであろうか。 そうした視点から、 ゼミ生のそれぞ

れの関心にあわせて、 福祉、 まちづくり、 環境など、 さまざまな分野における自治体行政のあり方を検討

してみたいと思う。 なお、 本ゼミに参加する諸君は、 以下の点に留意し、 志望してほしい。 ①教員、 他ゼミ生との信頼関係の醸成と共同研究のためのルール遵守 ②ゼミの自治的な運営 ③合宿研究会、 実証的研究 (実態調査) への参加 ◆ 応募学生に対する希望 無断欠席をしないこと。 ゼミ活動に積極的に参加できない学生には年度途中でもやめてもらうこともある。 研究分野…地方分権にともなう自治体行政の改革とその現状 募集人数…15 名 試験方法…試験および面接 (面接を重視) 学科指定…なし 准教授 重田 園江 【現代思想】 担当科目:現代思想 ◆ ゼミナールの研究テーマ 現代社会の諸問題に対する思想的なアプローチの試み。 ◆ 研究内容 <外書研究> 社会的なテーマを扱った英語論文 (平易なもの) について、 英語でレジュメを作る練習をする。 受講者

が作成した要約の添削を通して、 英語→英語の力をつける。

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<卒論・3年次> 現代政治理論、 社会理論に関連する文献の講読。 前期は図書館やデータベースを活用し、 グループで作

業することもありうる (テーマについては受講者の希望も取り入れたい)。 後期はトピックを絞って、 ある

程度専門的で難解な文章でもきちんと読めるような訓練をしたい。 <卒論・4年次> 卒業論文の執筆に向けた準備・中間報告。 <卒業論文例> 卒論については、 思想史・現代思想のほか、 現代社会理論・文化論や社会問題をテーマとして取り上げて

よい。 「現代」 「現在」 と触れ合うテーマであることを希望する。 ◆ 応募学生に対する希望 「体験」より 「観察」 と 「熟慮」 を重視する。 また、 博識であることより、 よく考えることが大切。 自分の意見を持つ前に、 目の前の文章が本当は何を言おうとしているのかを、 よく聞き取ろうとすることも必

要である。 ほかに学生たちに頼みたいのは、 遅刻しないこと。 欠席の理由を届けること。 研究分野…現代思想・現代社会理論 募集人数…例年 15 名から 18 名程度であるが、 応募者の数による。 試験方法…身上書に基づく面接 学科指定…無し

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教授 高橋 一行 【政治学説史】 担当科目:政治学説史 ◆ ゼミナールの研究テーマ 政治学、 思想、 歴史に関するテーマを、 受講生が各自選び、 それを研究する。 ◆ 研究内容 <外書研究> 新聞や雑誌の中から、 興味深い記事を選び、 毎回コピーして配布する。 <卒論・3年次> 以下の6つのテーマのどれかに関することで、 各自がテーマを決め、 研究していく。 1. 西欧政治思想史。 2. 政治学方法論。 複雑系研究など。 3. 教育行政。 4. 環境政治学。 5. 現代欧米の政治思想。 戦争、 国家観など。 6. 電子政府論。 授業は順番に自分のテーマを発表する。 各自、 他のゼミ生の発表を聞いて、 議論に参加すること。 <卒論・4年次> 以上の、 各自の選んだテーマに沿って、 4年生ではそれぞれ卒論を書く。 <卒業論文例> 「パレスチナに平和は訪れるか」 「(戦後自民党の) 派閥」 「アダム・スミスの自然観」 「アメリカの

分裂」 「真の豊かさとは」 「システム理論」 「戦争と教育」 「開発と貧困」 「高齢化社会」 その

他、 以上卒業生の卒論のテーマから。 ◆ 応募学生に対する希望 自分でテーマを決めて、 資料を集め、 本を読み、 持続的に考えを突き詰めていくことのできる人を希望

する。 また3年のゼミでは、 他のゼミ生の発表を聞いたうえで、 議論をしていくが、 人の話を聴いて理解

し、 議論をする能力を高めたいと思っている人に来てもらいたい。 研究分野…政治学、 政治思想史、 政治学方法論 募集人数…10 名 試験方法…小論文と面接 学科指定…なし

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教授 小西 德應 【日本政治史】 担当科目:日本政治史 ◆ ゼミナールの研究テーマ 「『世界のなかの日本政治』 を歴史的に見る」。 ここで日本政治が意味するものは、 政治的事象だけでは

なく、 社会、 経済、 文化、 教育、 環境など多岐におよぶ。 言いかえれば、 日本国内で起こったさまざ

まな事柄が、 国内要因だけでなく、 世界の動きとどのような関係を持ってきたのかを分析する。 ◆ 研究内容 <外書研究> イギリス、 アメリカ、 日本で出された英字新聞・雑誌などから、 時事問題を中心とした記事や論文をピ

ックアップし、 それらを教材とする。 これによって国によってさまざまな事象を知ることに加え、 異なる

視点やアプローチのし方、 論理などがあることも学ぶ。 <卒論・3年次、 4年次> このゼミは3年生と4年生が合同で、 2コマ連続しておこなうことが特徴の一つである。 発表をするのは

3年生だけであるが、 3年生を4つの班に分け、 うち2つを歴史班、 残りを政治班とし、 歴史、 政治の

班ごとに週代わりで発表をおこなう。 なお歴史班と政治班は前・後期で入れ替わる。 歴史を学ぶことの意義の一つは現在を理解することにある。 しかし多くのばあい、 現在と過去を結びつけ

る作業が十分におこなわれていない。 めまぐるしく動く 「現在」 に眼を奪われてしまう、 過去を分析する

ことが煩雑であるからだ。 ゼミでは 「現在」 を知るためにも 「過去」 との対話をくり返しおこない、 また 「世界のなかの日本」 を理解することで、 ゼミ員一人ひとりが独自の歴史観と政治観、 ひいては社会と

人間を見る眼を養うことを目的とする。 4年生も4班に分け、 班単位で3年生の研究指導にあたる。 また3年生の発表時には、 司会や質問をお

こなうことで、 円滑にゼミを運営するとともに、 問題の所在を明確にする。 卒論は、 3年次の終わりまでに各自が自分の関心事にひきつけてテーマを選び、 4年次では数回に分けて

中間発表をおこなう。 これによって、 理論構成と文章の完成度を高めることとする。 <卒業論文例> 個人の問題関心に基づくため、 論文テーマは多岐に及ぶ。 昨年度までの例としては、 「あるべき医療政

策を考える」 「国民の司法参加のあり方」 「マレー半島における複合社会の形成」 「わが国における食品

安全問題」 「公務員制度改革」 「MD への提案」 「日本型雇用システムにおける人材開発の優位性」 「地

方交付税制度と市町村合併」 「芸術文化の公的支援」 「諫早湾干拓事業からみる公共事業」 「地方銀行論」 「日本の難民政策の改善に向けて」 「戦争・紛争時における犯罪と国際刑事裁判所」 「新時代の保育サービ

ス」 などがある。 ※その他の活動 ゼミだけでは幅広い視野を持つことが困難であるため、 他大学との交流を積極的におこなう。 このインタ

ーカレッジ活動では年2回のディベート大会や合宿などがある。 またゼミでは、 3分間スピーチなどをとお

して口頭による表現のし方も学ぶ。 ◆ 応募学生に対する希望 現状の自分に満足している学生は必要としない。 社会を根底から理解しようとするもの、 やる気・研究心

がある学生を望む。 通常のゼミ活動自体が他ゼミと比べて極めてハードであること以上に、 ディベートの勉

強に際しては想像以上に時間とエネルギーをさかなければならない。 自己満足しているもの、 中途半端な気

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持ちでいるものにはついてくることさえ難しい。 その意味でもチャレンジ精神や 「変革のこころざし」 にあふれる学生を望む。 研究分野…近現代日本政治一般、 特に足尾鉱毒事件、 および日米英における政治腐敗と規正 募集人数…10 名程度 試験方法…面接及び筆記試験。 なお試験当日に、 あらかじめ提示しておく課題作文を提出すること。 学科指定…なし

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専任講師 大久保 健晴 【日本政治思想史】 担当科目:日本政治思想史 ◆ ゼミナールの研究テーマ 近現代日本における政治思想・政治文化についての研究 ―西洋ならびに東アジア諸国との文化接触を視野に入れながら― ◆ 研究内容 はたして、 今日わたし達が生きている 「日本」 という国民国家は、 歴史的にどのように形成されてきた

のでしょうか。 そして日本の政治社会は、 将来、 どのような方向へと進もうとしているのでしょうか。 実は皆さんの多くが、 そもそも 「日本」 という国号がいつ頃から使われるようになったのかということ自体、 忘れてしまっていませんか。 以前から、 「日本人ほど自分達の国や社会について知識や関心の少ない国民はいない」 と言われてきまし

た。 しかし近年、 状況は変化し、 近隣アジア諸国、 さらにはアメリカやイスラム社会を含む世界各国から、 「日本国民は自らの国の歴史についてどう考えているのか」 と問われることが多くなっています。 これから

国際社会を舞台に活躍し、 日本社会を背負って立つであろう皆さんにとって、 いかなる職業につこうとも、 自らの政治社会を支える思想や文化、 歴史についての見識を養っておくことは必要不可欠な作業となってい

るのです。 本ゼミナールでは、 以上の問題関心をもとに、 江戸・明治期より現代に至る日本の政治・思想・文化につ

いて、 西洋や東アジア諸国との文化接触を視野に入れながら、 研究します。 これに少しでも関わるもので

あれば、 どのような研究テーマも歓迎します。 研究報告や討論を通じて、 自らの生きている社会の成り立ちやあり方について、 自分の頭で考え、 自ら

の言葉で周りの人々を説得できる力を身に付けることが、 本ゼミの 終目的です。 こうした能力こそ、 今後さまざまな場で皆さんが も求められるスキルでもあるのです。 <外書研究/原典研究> 2007 年度は、 幕末期から東京オリンピックへと至る日本の歴史・思想史について、 外国人研究者の眼差

しから描かれた、 Ian Bruma, Inventing Japan (New York, 2003) を輪読しています。 この書物を通じ

て、 自らの政治社会の成り立ちを英語で理解する能力、 そして日本の近現代史をより大きな世界史の潮流の

もとに位置づけて解釈する能力を養っています。 <卒論・3年次> 個々の問題関心を尊重しながら、 共通テーマを選んでいきます。 2007 年度前期は、 現在から過去へと歴

史をさかのぼり、 田中角栄、 丸山眞男、 三島由紀夫、 南原繁、 竹内好、 坂口安吾から 「終戦の詔書」 まで、 戦後日本社会を考える上で重要な人物 (作品) を毎回一人ずつ取り上げながら、 今日のわたし達の社

会が抱える諸問題について議論しました。 合宿では、 「憲法九条」 及び 「靖国問題」 について、 研究・

ディベートを通じて理解を深めています。 <卒論・4年次> 3年次ゼミにおける基礎文献講読やグループ研究の成果を生かして、 個々の研究課題を掘り下げます。 研究報告を行い、 ディスカッションするなかで、 卒業論文の完成を目指します。 <卒業論文例> 「石橋湛山の思想-小日本主義にみる平和の効用-」 「教育勅語の成立とその政治的背景」 「大奥について-江戸時代の女性の権力-」 「田中角栄と高度経済成長期の日本」

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◆ 応募学生に対する希望 日本史の知識の有無等は問いません。 積極的な意欲のある人の参加を望みます。 研究分野…幕末・明治政治思想史、 開国期日本における西洋思想受容 募集人数…12 名前後 試験方法…面接 学科指定…なし

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専任講師 川嶋 周一 【外交史】 担当科目:外交史 ◆ ゼミナールの研究テーマ 国際政治史・ヨーロッパ統合史 ◆ 研究内容 主としてヨーロッパにおける国際関係を外交史的・国際関係史的に分析する。 メインとなるのは 19 世紀

から 20 世紀のヨーロッパの国際関係史で、 冷戦史や戦後のヨーロッパ統合史も含む。 また EU 研究も並行

して進める。 総じて、 社会科学的な手法で行うヨーロッパ研究と外交史・国際関係史を一体的に研究するの

で、 広く政治学的な学問に関心があり、 とくにヨーロッパと国際関係に関心がある学生に来て欲しい。 開講形式としては、 3年生においては外書講読と卒論を二限連続に取り、 連続した内容のゼミを行っている。 <外書研究> 2007 年度は、 前期においてイギリスで発行されている The Economist 誌の Charlemagne 欄をほぼ毎週

通読した (ちなみに Charlemagne 欄とは EU に関する動向を扱ったエッセー)。 後期においては戦後ヨー

ロッパ史に関する英語文献を通読する。 基本的に外書講読の対象は試行錯誤であり、 担当教員としてはフラ

ンス語を読みたいが、 こればかりは各ゼミ員と話し合って決めたい。 <卒論・3年次> 遠藤乾 (編) 『ヨーロッパ統合史』 (名古屋大学出版会、 2008 年刊行予定) を通読し、 その上で EUに関する専門的な研究を読む。 さらに、 戦後ヨーロッパにおける政治経済体制の変容を扱った論文を読むこ

とで、 包括的に戦後ヨーロッパを理解していきたい。 また、 3年生の間に、 卒論に関する先行研究を網羅する文献リストの作成を必須とする。 その上で、 そのような先行研究が問題としてきたことをミニ論文 (ビブリオグラフィカル・エッセイ) としてまとめる。 ビブリオグラフィカル・エッセイを 2008 年度の 終日までに提出しなければ、 卒論を作成する意思がない

ものと判断する。 なお、 卒業論文は、 広く政治学、 もしくはヨーロッパに関するものであれば特にテーマをこちらから要

求したり、 また拒否したりすることはしない。 <卒論・4年次> 各人の卒論執筆計画にしたがってゼミを進める。 <卒業論文例> 「現代の戦略環境と軍事力の意義・役割」 「天皇-〈権力〉と〈権威〉」 「吉田茂の外交・安全保障政策 1943-1954 年:吉田ドクトリンの形成とアメリカの戦後アジア秩序構」 「アウシュビッツから学ぶべきことは」 ◆ 応募学生に対する希望 学生の間に何らかの形で海外に出て武者修行して欲しいと思います。 また大学院に進みたいというような

学生さんも応援します。 研究分野…ヨーロッパ統合史、 独仏関係史、 冷戦史、 EU 研究 募集人数…10 名を超えない程度 試験方法…以下に指定するレポートを作成、 持参した上で、 面接試験によって決す。

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レポート課題:これまで読んだ本の中で、 面白い、 印象深い、 もしくは感銘を受けた書物 (大学の講義で

取り扱ったものを含む) を二冊挙げ、 どの点が何故印象深かったのか、 それに対し自分はどう考えたのか、 その他自由に述べること。 字数は 1000 字から 1500 字を超えない程度とする。 学科指定…特に指定しないが、 政治学とヨーロッパ (国際) 政治 (史) の基礎的知識は必須となる。