次代 の芸術教育 学園改革 2 社会実装 による教育力強化 Vision ·...

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瓜生山学園 Vision 2021 次代芸術教育をリードする学園改革 社会実装による教育力強化 この学校法人瓜生山学園は、学園中期計画2017 2021)「次代芸術教育リードする 学園改革 社会実装による 教育力強化-」を策定 し、様々 改革みます。 この大綱では、建学理念づいて本学園Mission使命)および Vision将来構想明確にし、2017 年度起点 として今後 5 年間重点的むべき 目標明示 しました。 この学園中期計画達成により、たな価値社会発信 けることのできる 自立 した人間育成 し、教育力学園目指 します。 2 0 21 Visi o n Uryuyama Academic Foundation 学校法人瓜生山学園 Vision 2021 2017 2018 2019 2020 2021 Mission Vision

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瓜生山学園 Vision 2021次代の芸術教育をリードする学園改革

–社会実装による教育力強化–

 この度、学校法人瓜生山学園は、学園中期計画(2017–2021)「次代の芸術教育を

リードする学園改革 -社会実装による教育力強化-」を策定し、様 な々改革に取り組みます。

この大綱では、建学の理念に基づいて本学園のMission(使命)および Vision(将来構想)

を明確にし、2017年度を起点として今後 5年間で重点的に取り組むべき目標を明示しました。

この学園中期計画の達成により、新たな価値を社会に発信し続けることのできる

自立した人間を育成し、高い教育力を誇る学園を目指します。

2021

VisionU

ryuyam

a A

cademic Foun

dation

学校法人瓜生山学園

Vision 20212017201820192020

2021 Mission

Vision

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01メッセージ

 他者を理解すること、相

違を認め合うことが今ほど

求められている時代はあり

ません。価値観の相違によ

る対立が世界各地で争いを

引き起こし、破壊と暴力が

繰り返されています。その

中で、「藝術立国」の理念

は平和への道を示しています。言語もまた、平和への役割を果たさなけ

ればなりません。対立をさらに激化させる力も、また対立を乗り越え

る力も、言語は持っています。京都文化日本語学校は、日本語教育を

通して、国家、民族そして文化の相違を乗り越え、理解し認め合う

ことのできる人々の育成が使命であると考えます。

 世界各地から人々を受け入れ、日本語運用力養成に留まることなく、

学園の教育資源と教育手法を活用した教育を行います。留学生と日

本の人々が互いに学び合い、理解し合うことで共に自らを再発見する、

そのような地域に開かれた日本語学校を実現し、新たな日本語学校の

姿を示します。

 学園には京都造形芸術大

学、京都芸術デザイン専門

学校、京都文化日本語学校

の3つの学校があり、各教

育課程には多くの学科や

コースが設置されています。

それらの教育運営を支える

教職員にも多様性があり、

それは、学園のエネルギーの源となっています。その一方で、学園の発

展を願う多くの卒業生、学生保護者、支援者の存在があり、その期

待に応えるには、教職員が学園ビジョンを共有し、前に向かって、新た

な一歩を踏み出さなくてはなりません。

 この学園中期計画では、さらなる飛躍を期して、財務基盤の強化と

キャンパスの再整備を実現し、既存の教育内容をさらに発展させるだ

けでなく、芸術教育への新しい取り組みを開始します。

 「明日が見えない」と言われる時代だからこそ、芸術の、そして学

園の果たす役割は大きいと信じ、「藝術立国」の理念のもと、社会課

題の解決に立ち向かう学園づくりを進めます。

京都文化日本語学校

校長 

山口

修 Osam

u Yamaguchi

 

京都芸術デザイン専門学校

校長

京都造形芸術大学

副学長 

大野木

啓人

Hiroto O

onogi

京都造形芸術大学

学長 

尾池

和夫 K

azuo Oike

学校法人瓜生山学園

理事長 

德山 豊 Yutaka Tokuyam

a

 18歳人口の減少や大学の職業教育推進が加速する一方で、社会から

は激しい状況変化に柔軟に対応できる人材が求められるなど、専門学

校を取り巻く社会情勢は大きく変化しており、あらためてその存在意

義が問われています。「藝術立国」の理念のもと、専門学校の教育目

標「design for happiness

(人と社会を幸せにする人間の育成)」実現

に向けて、特色ある教育手法と社会連携による実践的な学びを展開

することによって、新たな価値を社会に発信し続けることのできる自

立した人間を育成します。

 本校の強みである産学連

携を拡大し、地域企業と一

体となった新たな職業教育

システムを構築することで社

会実装をさらに推進し、社

会の変革に寄与できる人間

を育成する教育力の高い専

門学校を目指します。

 瓜生山学園の創設40周年を迎え、学園は、同窓会をより充実させ、

建物を整備し、教育計画をさらに磨くという時期にあります。「藝術

立国」の理念のもと、世界で活躍する人材を輩出してきた学園の近未

来の姿を見えるようにする、中期計画の策定とはそのようなことです。

 未来を予測するのは変動の激しい社会の中でたいへん困難ですが、学園

の未来は自ら築くものであり、確実に見通すことが可能であり、それだ

けにしっかりとあらゆる視点から検討されたものでなければなりません。

40年の蓄積が活かされて今回中期計画を公表することとなりました。

 これは、学園の関係者が一丸となって取り組む宣言でもあります。

皆さま方のご支援を得なが

ら、何よりも学生のために、

そして生涯学び続ける人の

ために、学習の場を守り、

充実させていきたいと思っ

ています。

0203 Ur y u y a m a A c adem ic Fou nd at ion Vision 2021

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02学園の使命

 瓜生山学園は、学園創設者が提唱した「藝術立国」の理念(宇宙の万

物の調和ある共存をもとに芸術の力で世界平和を実現しようという理念)

のもと、他者を思いやる「想像力」と、新たな価値を生み出す「創造力」を育み、

その力を社会の変革に役立てることのできる人間の育成をはかり、社会課

題の解決と世界の平和に貢献することを使命としています。

芸術を手段とする特色ある教育プログラ

ムにより、高い教育力を誇る学園

生涯にわたり、それぞれのステージに

おいて学び続けることのできる学園

日本から海外に広がる学びと交流の

ネットワークの拠点となる学園

社会に向けて、新たな価値を

生み出し続ける学園

 芸術によって培われる力(思考力、創造力、コミュニケーション力、他者

理解力など)が、社会の課題解決に不可欠な基礎力であることに着目し、

芸術を手段とする特色ある教育プログラムによって、社会の変革に寄与で

きる人間の育成をはかり、設置校それぞれの教育目標を達成できる、高い

教育力を誇る学園になります。

 学習者にとって学びやすい学習基盤のうえに社会人教育部門の成長をは

かるとともに、学園がこれまで培ってきた教育リソースを活用して初中等

教育への連携支援、幼児教育の実践研究を推進します。それらの取り組み

により、生涯に渡り学び続けることのできる学園に向かって前進します。

 広く世界で活躍する芸術家育成をめざす特別強化コースや日本の現代

アートを国際舞台へ発信するインキュベーション拠点を創設します。また、

工房を活用した制作のイノベーション・プロセスの強化、スタートアップ支援

を目的とするファンド設立、地域企業と一体となった職業教育システムの確

立などにより、芸術教育の社会実装を推進し、社会に向けて新たな価値を

生み出し続ける学園になります。

 学園の卒業生は延べ4万人に達し、その出身地は30カ国以上に及びます。

それら卒業生と在校生、教職員のネットワークを構築し、卒業生への学習

機会の提供、卒業生と協同した社会人教育の普及、教育研究成果の世界

への発信をはかります。学園の人的ネットワークの構築は、社会貢献にもつ

ながります。生涯を通して学び続けることが求められる時代に、学園は、

日本から海外に広がる学びと交流のネットワークの拠点になります。

学園中期計画で目指すもの

 「藝術立国」の理念のもと、教養教育、基礎教育、専門教育の全てを通

して「人間力」と「創造力」を育み、特色ある教育手法と社会連携によ

る実践的な学びによって、新たな価値を社会に発信し続けることのできる

自立した人間を育成します。また、設置校および各教育課程の間で教育手法、

教育成果を共有し、学園全体の教育力向上をはかります。

 伝統と革新が共存する京都の都市特性のもとに、学園の各設置校の特

長を活かした社会連携活動を推進し、地域社会の課題解決に寄与します。

研究においては、個人の自主的な研究・創作を基本としながら、「伝統と

創造」「自然と人間」「芸術と教育」など「藝術立国」の理念から導かれるテー

マに沿った特色ある研究を進め、そこから得られた知的財産を教育に還元し、

社会の発展に貢献します。

 学園の発展を持続可能にするために、学園の個性化に資する事業推進、

学園を支える人づくり、教育改革を支える財務体質の強化をはかります。

全事業について学園のブランド価値向上を意識した事業推進をはかるとと

もに、人事制度(育成・評価・処遇)を整え、教職員の個人の成長が学

園の成長につながる組織づくりを進め、財政面では、教育改革を支える財

政投資と規律ある財政運営とをバランスさせ、財務体質を強化します。

基本方針

Mission

教育について

研究・社会貢献について

経営について

Vision

2021年の学園の将来像

0405 Ur y u y a m a A c adem ic Fou nd at ion Vision 2021

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将来ビジョンについて

芸術教育の社会実装による教育力強化

 通学課程はこれまで、「社会を変革する新しい価値を発信し続ける人材

の育成」を目指して教育改革に取り組んできました。2017年度にはそ

の指標の一つとして掲げた進路決定率90%を達成します。それを受け

2017年度から2021年度にかけて、芸術教育の社会実装による教

育力強化を図り、進路の質のさらなる向上および社会的評価の獲得を目指

します。

 芸術教育の社会実装とは、「(1)本質を見抜く観察力を持って社会の抱

える課題を把握する(2)人々の幸福な体験価値を提供するアイディアを

考案する(3)アイディアを早期に具現化する(4)社会に公開し評価を得

る(5)フィードバックをもとに改善を繰り返しアウトプットの質を高める」

教育プロセスを意味します。それを具体的に実現する施策として、既存の

学科専門科目と共通科目の抜本的な見直しを行い、検証改善サイクルを確

立して教育力強化を図ります。また、新たな価値を生み出す新コースの設

置とともに、芸術学部の収容定員増を行い、社会実装・社会連携を全学

的に推進しブランド力向上につながる成果を創出します。同時に、社会を

牽引するクリエイター・研究者を生み出すための大学院改革を行います。

 2017年度に通信教育部は開設20周年を迎え、通信教育課程(学部、

大学院)と藝術学舎の一体運営の基盤が整います。これまで緩やかに連携を

取りながら行われてきた両事業を統合することで、学習者の状況に応じた

さまざまな教育プログラムをきめ細かく提供できるようになります。それに

より既存の科目や講座、アトリエ、さらに新規に開発する遠隔教育科目を

柔軟に編成して、生涯にわたる芸術学習環境の整備を目指します。

 通信教育課程においては在籍者数の増加を目標として、w

eb

公開型の動

画教材の開発など、より学習しやすい環境整備に取り組みます。藝術学舎

においては、通信教育課程の入学前、在学中、卒業後に受講できる講座や

アトリエを遠隔教育講座を中心に増加させます。また、企業研修プログラ

ム開発や多言語化にも取り組みます。このことにより、学生が生涯に渡り

芸術に寄り添い学び続けることを支援する社会人教育部門に成長します。

社会連携型教育による社会人基礎力・デザイン基礎力を持った

人材の育成

 企業ニーズに応える人材の輩出をめざし、強固な産学連携ネットワーク

を軸とした出口の強化に取り組むことで就職率95%を達成しました。

2017年度からは、社会連携による実践的な学びによって、新たな価値

を社会に発信し続けることのできる自立した人間の育成をめざして、入学

から卒業までさまざまな場面で社会と連携した職業教育に取り組みます。

 具体的には(1)専門技術教育に社会人基礎教育を組み込んだカリキュ

ラムの構築(2)デザイン教育に必要な基礎力強化を目的とした全学共通

プログラムの開発(3)専門授業に就職指導を取り入れたキャリア教育手法

の導入(4)本校の強みである全学インターンシップ制度に加えて、産学連

携を学内授業や教育評価まで拡充、この4

点を重点に実施します。あわ

せて教育の質の保証を目的としたFD

研修の充実を図ります。

京都造形芸術大学

通学課程

京都芸術デザイン専門学校

京都文化日本語学校

日本文化理解を軸とした新しい日本語学校教育の確立

 これまで京都というフィールドを活かして、地域社会との連携により日本

文化理解に主眼をおいた教育に取り組んできました。2017年度からは、

単なる異文化理解と人的交流に留まらず、日本文化と自国文化を比較し、

その違いを話し合う中で外国人留学生と日本人がともに新しい視点と考え

方を持つ取り組みに発展させていきます。これらの実現に向けてカリキュラ

ムの再構築と教材開発を行います。

 教育力のさらなる向上をめざして本校教員に求められる能力を明確化し、

それに沿った研修制度と教員評価制度を構築します。あわせてインターン

シップ制度を導入することで日本語教員を目指す人への支援を行います。

法人部門

 2012年度から着手した中期キャンパス整備計画に基づき、主要校舎

の耐震改修工事は完了しました。2017年度には、1974年に竣工

した本学園のシンボルでもある望天館の建替え工事に着手します。また、

校地拡張によるキャンパスの再配置計画の立案と、その実現に向けた取り

組みを行います。学生の学習環境の向上を目指し、青窓館、悠悠館、希

望館の全面改修、施設設備の更新事業に取り組みます。成長し続ける学

園として教職員が働く意義を見出し、教職員の成長が学生へ還元される組

織へ変革します。そのため、人事制度(育成・評価・処遇)を整備し、

職員については2017年度導入、教員については2019年度に導入し

ます。同時に、学園のブランド価値向上を目指した組織体制に変革します。

財政面では、現状の収支差額の水準を維持しつつ、ストックを強化するこ

とで財政基盤の強化を目指します。

03

京都造形芸術大学

通信教育課程(社会人教育部門)

学士課程の立体的展開と生涯芸術学習の普及

環境整備と働く意義を見出す組織と財務強化

0607 Ur y u y a m a A c adem ic Fou nd at ion Vision 2021

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 本学園を取り巻く環境は、日本経済の不透明感が継続する中、

少子・高齢化や補助金の抑制など、今後もこの傾向がより一層

厳しくなることが予測されます。特に18

歳人口は、2031

年には100万人を下回ることが確実であり、年平均1万人

を超えるペースで減少が進行します。また、社会人教育を取り

巻く状況に目を向けると、大学通信教育における在籍者数(正

科生)は2005年をピークに大幅に減少しています。このよ

うな外部環境の急激な変化により、学校種を越えた競争は厳

しさを増し、収入の多くを学費に依存している教育機関は、本

格的に淘汰されていく時代へと突入します。また近年、急速に

進むグローバル化や高度情報化、人工知能やロボティクスをはじ

めとするイノベーションの進展により、今後、産業構造が大き

く変容すると言われています。

 このような予見困難な時代だからこそ、本学園は芸術によっ

て培われる力が、社会の課題解決に不可欠な基礎力であること

に着目し、芸術を手段とする特色ある教育プログラムの拡充を

行い、高い教育力を誇る学園を目指します。次代を担う若い世

代はもちろん、社会人を含め、新たな価値を社会に発信し続け

ることのできる自立した人間を育成し、抜本的な教育力強化を

進めていきます。

外部環境の変化と学園中期計画の展開

04学園中期計画の推進方針

社会情勢の変化への対応

 本学園の中期計画の推進方針は、5カ年の「中期計画」

を単年度の「事業計画(アクションプラン)」に落とし込み、

予算編成およびその執行とリンクさせることで諸施策の実効

性を高めていきます。「事業計画(アクションプラン)」は部

門毎に、所属する教職員の個人目標に落とし込み、個人の

成長が学園の成長へとつながる仕組みを構築します。また、

法人部門を中心に学園中期計画の達成目標及び進捗状況を

客観的に点検し、自己点検評価・認証評価といった外部評

価も積極的に活用することにより、PD

CA

サイクルの実質化・

高度化を図っていきます。

事業計画(アクションプラン)

教職員の個人目標

計画

改善 実行

点検・評価

Plan

Do

Check

Action

学園中期計画

Vision 2021

自己点検・認証評価

20172013 2021 2026 2031

学園中期計画

18歳人口 減少

次期 学園中期計画

評価

評価結果反映

評価結果反映

評価

2018年117万人

2031年99万人

2013年法人統合

0809 Ur y u y a m a A c adem ic Fou nd at ion Vision 2021

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Action

Plan

 本学通学課程は、2014年1月に「就業力

宣言」を行い、進路決定率90%の恒常的維持を目

標とする教育改革を実行し、併せて「出口が明快

な芸術大学」として募集力の強化に努めてきました。

本学が教育力の高い芸術大学としてさらなる評価

を獲得するためには、より一層進路の質を高める教

育改革を行うことが必要となります。その実現に

向け、3つのポリシーを起点とする検証改善サイ

クルを確立するとともに、組織的・体系的な教育

を展開する教学マネジメントを確立します。

 学科ごとの卒業後の進路目標と育成モデルの明

確化を行い、その進路目標を実現するために、学

科専門科目および共通科目の機能の統合と分化に

よる見直しを行います。教育改革の実効性を担保

するために、施設・設備・人員配置の最適化も実

施します。

0

学科別の卒業後の進路目標・育成モデルの明確化

0

学科別のカリキュラムポリシーの再検討

0

進路目標の実現に向けた学科専門科目、

共通科目の抜本的見直しと改善策の立案

0

施設、設備、教育組織の最適化に向けた課題抽出

05

 芸術教育の社会実装に向けて、全学的に産官学

連携を基にしたPBL

型学習を強化します。同時に

「課題の把握↓アイディアの考案↓アイディアの具

現化↓社会への公開と評価↓アウトプットの質の

向上」のサイクルを各課程で短期間に繰り返すこ

とを重視します。そのプロセスを広く公開するこ

とにより、学内のみならず企業や研究機関などか

ら様々なアイディアを誘発する「オープン・イノベー

ション」を実現する教育システムを構築します。本

学がそのプラットフォームとしての役割を担うこと

で集積される情報と人的ネットワークをさらなる

教育力強化に活用します。

 また、これらの施策の実現に向け施設・設備の

整備とともに教育カリキュラムの充実(教育プログ

ラムの充実と教育手法の見直し)を行います。工

房機能を活用したカリキュラムの構築に併せ、イン

ターンシップ、他大学との共同プロジェクトを充実

させ、企業や団体からの外部資金を受けるプロジェ

クトの獲得も目指します。

京都造形芸術大学

通学課程

0

新コースの開設

0

芸術学部収容定員増

0

新カリキュラムスタート

0

共通工房本格稼動

0

第一期施設、設備、教育組織の最適化プラン実施

0

「社会実装教育」の実行性チェックと修正

0

新カリキュラム前2ヵ年の検証と修正

0

第二期施設、設備、教育組織の最適化プラン実施

0

新コース完成年次

0

収容定員増完成年次

0

新カリキュラム完成年次

0

進路決定状況を基に成果検証と改善策の立案

0

プロジェクト手法を活用した学習の全体化

0

共通工房第一期整備

0

工房を活用したカリキュラムの構築と試験運用

0

共通工房第二期整備

0

工房活用型の科目の本格稼動

0

第一期教育組織体制の最適化

0

オープンイノベーションを実現する

「プラットフォーム化」の課題抽出と教育開発

0

「社会実装教育」を支援する能動的学習

スペースの構築

0

第一期プラットフォーム事業

(ネットワークの可視化)

0

アウトプットの成果検証と課題の抽出

0

工房の発展的運用に向けた外部資金獲得

プランの立案

0

第二期プラットフォーム事業

(ネットワークの拡大)

 進路決定率90%の恒常的維持および質の向上と

同時に、社会を牽引するクリエイター・研究者の

育成を図ります。その中心的な役割を担う大学院

改革に向け、まずは学部・院の接続性と役割分担

を明確にするカリキュラム編成を行います。同時に

大学院改革の柱となる国際的な舞台で発言、議論、

表現、プレゼンテーションのできる人材を育成する

「大学院グローバル・ゼミ」の構想を具現化し、全

体化させるために研究領域・教員組織の見直しを

行います。

 多様な価値観を共有し、21世紀のグローバルな

言語で対話を重ねるための拠点「ICA

Kyoto

」の発

足と併せて、京都と世界が直接つながる教育環境

の整備を行い、海外からの支持もより強固なもの

にします。優れた作家・クリエイターを輩出する施

策の一環として東京展を五ヵ年計画で実施し、対外

的発信力の強化も行います。

0

学部・院の接続性と役割分担を明確にする

カリキュラム設計

0

大学院グローバルゼミおよび

大学院改革の制度設計

0

第1回東京展

0

大学院グローバルゼミスタート

0 ICA K

yoto

設置準備

0

東京展の成果検証および修正

0

大学院グローバルゼミ一期生修了年次

(成果検証に基づく修正)

0 ICA K

yoto

設置

0

次期東京展のプランニング

0

大学院グローバルゼミの成果検証に基づく

改善策の立案

進路決定率90%を恒常的に維

持し、進路の質を高める教育

改革

芸術教育の社会実装を具現化

する教育力強化

社会を牽引するクリエイター・

研究者の育成に向けた大学院

改革

20172018201920202021

20172018201920202021

20172018201920202021

アクションプランテーマ

2017–

2021

11 Ur y u y a m a A c adem ic Fou nd at ion Vision 2021

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 通信教育課程の正科生在籍者数増加を、現状

の入学者数を維持しながら、在籍率を向上させる

ことによりその実現を目指します。その在籍率を

向上させるために、テキスト科目の履修と在籍率

の相関が高いことから、テキスト科目履修促進に

取り組みます。そのため、w

eb

公開型の動画教材

やシラバスの充実などを、2017–

2019年

度の3年間をかけて実施します。

 また、スクーリング科目においては、総合教育科

目と美術科の運営方法の変更を行い、学生にとっ

てより取り組みやすいものにします。芸術学科と

デザイン科においては非対面でのスクーリング授業

開発に着手しその導入を目指します。在学中の学

習の選択肢を増やすことを目指し、藝術学舎の講

座を在学生の魅力のあるものに編集し提供するこ

とで、修得単位数の向上を目指します。

 2017年度よりW

S

科目の科目等履修開始

により、遠隔教育講座の藝術学舎からの提供が可

能となります。この実績をベースとし、複数の遠

隔教育講座、さらに遠隔教育講座と対面講座と組

み合わせる「アトリエ」を開発して提供していきます。

 また、本学の特徴を活かしながら、学習者の求

める新たな遠隔教育講座も開発し藝術学舎の充実

を図ります。この「遠隔教育講座」「アトリエ」「新

規開発遠隔教育講座」は、一般の社会人に広く開

かれた藝術学舎講座となりますが、さらに通信教

育課程正科生の学習の選択肢の拡大や、卒業生が

学習を継続する場となることから、本取り組みに

より学習者が生涯に渡り芸術に寄り添い学び続け

る社会人教育部門の実現を目指します。

 社会人教育部門としてさらなる充実を目指し新

規事業の開発に取り組みます。本学がこれまで開

発してきた科目(講座)や、今後開発する科目(講

座)を、企業の社員研修に対応したものに組み合

わせ、導入を働きかけます。社会人として必要と

される芸術教養や、デザインなどのスキルに対応す

る講座がその中心になると考えています。

 芸術教養学科で開発したW

S

科目の芸術史に関

する科目群と、芸術教養に関する科目群は海外の

学習者にも魅力的なものとなっています。このこと

から、W

S

科目を英語で受講できるシステムの開発

に着手します。社会人教育部門の次の展開を目指

し、各地域の機関と連携してその地域の自立的な

学習を支援する仕組みについて、実現の可能性を

模索します。

0 web

公開型の動画教材製作2カ年目

0

総合教育・美術科スクーリング運営方法

変更準備

0

芸術学科・デザイン科

非対面スクーリング検討

0 web

公開型の動画教材製作最終年度

0

総合教育・美術スクーリング運営方法変更実施

0

芸術学科・デザイン科

非対面スクーリング

トライアル

0

芸術学科・デザイン科

非対面スクーリング導入

0

芸術学科・デザイン科

非対面スクーリング拡充

0

美術科

非対面スクーリング検討

0 WS

科目の科目等履修トライアルスタート

0 WS

科目の通学課程学生のトライアル履修開始

0

藝術学舎アトリエと通信教育課程の連携強化

0 WS

科目の科目等履修制度の本格実施

0 WS

科目の通学課程学生の履修本格実施

0

藝術学舎アトリエと通信教育課程の連携強化

によるプログラムの多様化

0

藝術学舎アトリエと通信教育課程の連携強化

によるプログラムの多様化充実

0

新規遠隔科目を活用したアトリエの開発

0

新規遠隔科目を活用したアトリエの開講

0

企業研修制度への導入準備

0

新規遠隔科目の開発方針策定

0

企業研修制度への導入

0

新規遠隔科目トライアル開発

0

英語対応の準備着手

0

新規遠隔科目開講・開発継続

0

英語対応のトライアル開始

0

英語対応の本格実施

0

各地域の機関と連携した自立学習システム

の検討

0

英語対応の拡充

0

各地域の機関と連携した自立学習システム

のトライアル

履修促進を目指した教育力

強化

藝術学舎の充実

新規学習機会の創出

京都造形芸術大学通信教育課程(社会人教育部門)

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Plan

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Plan

京都芸術デザイン専門学校

 従来の専門技術偏重型教育ではなく、専門技術

教育に社会人教育を組み込んだカリキュラムを構

築します。全ての専門科目に専門技術力と社会人

基礎力の二つの教育目標を設定します。また、記

憶術など従来教育になかった学び方の習得やデザ

インを学ぶ上で必要な知識・意識の獲得を目的と

した全学共通プログラムを開発して全ての新入生を

対象に集中授業として導入します。

 これにより学生は授業に必要な基礎力と積極的

な学びの姿勢を身につけます。学びの定着を高め

るために、授業計画書、学びの確認シート、アクティ

ブラーニング授業手法を順次導入し、2021年

度には全科目まで拡大します。

 本校の強みである全学インターンシップ制度に加

え、産学連携を学内授業や教育評価まで拡充しま

す。企業が設定した課題を企業担当者と一緒に取

り組むことで考える力やコミュニケーション力を高

め、企業目線でのポートフォリオ指導や実際の現

場を想定したプレゼンテーションを通して実社会で

通用する力を身に付けます。これらをスカウトシス

テムのブラッシュアップ、質の高いオーディションシ

ステムの構築にも活用します。

 進級制作展・卒業制作展を連携企業と学校評

価委員会をメンバーとした評価委員会で評価し、

結果を教育へフィードバックします。社会との連携

を強化することで、社会人としての自信と就労意

欲を高め、就職の早期化やミスマッチの防止につな

げます。

 教育の質の保証に向けてFD

研修の充実を図り

ます。専任教員から非常勤教員、事務職員まで本

校教育にかかわる全ての教職員を対象に取り組み

ます。アクティブラーニング授業手法の習得、カリ

キュラムの開発、授業運営の3つを研修の柱に据え

て定期的に研修会を開催します。外部専門講師を

活用しながらも、教職員自らが学び、考え、相互

に教え合う研修制度の運営を目指します。学生評

価や教育効果が高い授業や授業手法を共有し、全

学的に活用できる取り組みを行います。

 一方で社会の状況やニーズを探りながら、業界の

最先端技術・知識を提供できる教員の登用にも力

を注ぎます。

社会が求める能力を身につけ

るカリキュラムの開発

教育における社会実装の強化

教育の質を保証する組織の

強化

0

社会人基礎力を組み込んだカリキュラムの導入

0

全学共通プログラム1年生導入

0

アクティブラーニング授業手法1年生導入

0

カリキュラムの検証・改善

0

全学共通プログラム(1年生)の検証・改善

および2年生プログラムの開発

0

アクティブラーニング授業手法2年生導入

0

全学共通プログラム(2年生)の導入

0

アクティブラーニング授業手法の検証・改善

0

全学共通プログラム(2年生)の検証・改善

0

アクティブラーニング授業手法の全科目導入

0

企業連携授業の試験運用

0

進級制作展・卒業制作展評価制度の

連携企業選定および運用開始

0

企業連携授業の本格導入

0

評価制度の検証・改善

0

スカウトシステムの再構築

0

企業連携授業の拡大

0

オーディション制度の導入

0

企業連携授業の検証・改善

0

進級制作展・卒業制作展の再考

0

連携企業の拡大

0

非常勤教員、職員を対象とした授業計画書、

学びの確認シート、アクティブラーニング

研修実施

0

企業連携授業手法の開発

0

本校教育に沿ったアクティブラーニング

手法の開発

0

授業計画書、学びの確認シートの検証・改善

0

企業連携授業手法の開発と運用

0

アクティブラーニング手法のブラッシュアップ

――

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Plan

京都文化日本語学校

 これまで取り組んできた日本文化理解教育は、地

域社会の中で学生自らがテーマを設定し、調査した

内容を自国文化との比較という視点で分析し、まと

めて発表するという自己完結型教育にとどまっていま

した。2017年度からは、地域に開かれた教育を

目標に、授業および成果発表会の公開、地域との連

携授業に取り組みます。これらの交流を通して、互

いに文化や考え方の違いをリアルに学び取り、新しい

視点と考え方を持つことをめざします。

 日本語教育と日本文化理解教育を融合させるため

に、日本語の学習レベルに合わせた文化理解教材を開

発します。日本語学習経験のある新入生の増加に対

応して日本語能力と文化理解度の双方を基準に履修

できる科目に再編・拡充し、段階的に文化理解が深

まるカリキュラムを構築します。あわせて京都造形芸

術大学の授業科目の一部を単位認定することで日本文

化理解教育の充実を図ります。

 教学運営の効率化と課題達成に向けた対応力の強

化を目的に教員組織を再編します。教員育成は、授

業運営と学生指導の強化に重点を置いた経験別研修

と目的別研修を計画的に実施します。教員の役割を

教育力、運営力に基づいて整理した上で評価基準を

明確化し、教員評価制度の運用を開始します。あわ

せて大学で日本語教育を専攻する学生を対象に、実

践研修を基本としたインターンシップ制度を導入し、

日本語教員をめざす学生の支援をおこないます。

 自己点検・評価は、法務省策定による日本語教育

機関の告示基準及びその解釈指針で求められる評価

項目に、本校教育に沿った項目を追加して実施します。

本校独自の日本文化理解教育

の構築

教育力を高める組織体制の

整備

0

日本文化理解教育カリキュラムの検討

0

成績評価基準と運用方法の改善

0

教材開発体制の整備

0

学習到達度測定基準と実施方法の再検討

0

教科の再編と新科目設置

0

新基準による学習成績評価

0

教材開発(項目抽出と開発計画の策定)

0

発表会および授業の公開試行

0

新カリキュラム完成

0

初級用教材完成、中級用教材の検討

0

発表会および授業の公開実施

0

新カリキュラムの検証・改善

0

中級用教材の完成、教材のデジタル化検討

0

日本人学生との共同クラスの検討と試行

0

デジタル教材の導入

0

日本人学生との共同クラス実施

0

新組織体制の運営開始

0

教員評価項目の検討

0FD

研修の体系化

0

インターンシップ制度の試験運用

0

運営体制の評価・改善

0

評価項目に基づく教員の自己点検・評価の実施

0

専任教員の研修強化

0

インターンシップ制度の本格稼動

0

教員評価の実施および第三者評価受審

0

非常勤教員の育成強化

0

インターンシップ制度の検証・改善

0

組織体制の再評価と課題の明確化

0

新教員体制の確立

0

運営体制の再構築

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法人部門

環境整備

人事制度

0

望天館着工

0

至誠館工房整備工事

0

望天館建築工事

0

悠悠館・黒田村全面改修

0

キャンパス整備計画立案

0

望天館竣工

0

青窓館・希望館・久美浜全面改修

0

キャンパス整備着手

0

キャンパス整備工事

0

キャンパス整備事業完了

0

職員人事制度導入

0

教員人事制度基本設計

0

事務局組織一次改編

0

職員人事制度本配置実施

0

教員人事制度詳細設計、準備導入

0

事務局組織二次改編

0教員組織一次改編

0

教員人事制度導入

0

教員組織二次改編

0

職員人事制度検証

0

教員人事制度本配置実施

0

職員人事制度改編方針策定

Action

Plan

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キャンパス整備計画の取り組み

 機関別の将来ビジョンの提示で記載したように、この学園中期計画

では施設、設備の整備が行われます。そのなかから「望天館の建替え」

「至誠館における教育機能の強化」を紹介します。

06望天館の建替え

至誠館における教育機能の強化

 ものづくりを通して新たな価値を生み出す教

育の基盤として、至誠館における工房機能の充

実を図ります。これまでのアート&デザインの

領域に加えて、デジタルファブリケーションなど

の領域も内包した工房を整備し、今後社会から

求められるクリエイティビティに富んだ人材育成

の舞台として活用していきます。

 瓜生山学園の40年の歴史はこの望天館からそ

の第一歩を踏み出しました。この40年の歴史の記

憶を一部残しながら、新望天館は地上1階、地

下2階の3層構造で、学生たちが集い、憩える

1、000平米を越える屋上広場(接続する

人間館ギャルリ・オーブの屋上を含む)を設け

た施設として計画がされています。

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学校法人瓜生山学園 Vision 2021

発行日

編集

発行

印刷・製本

2017年 4月

学校法人瓜生山学園 法人事務総局 法人企画課

德山 豊学校法人瓜生山学園〒606-8271京都市左京区北白川瓜生山 2-116電話 075-791-9122(代)FAX  075-791-9127(代)

株式会社グラフィック

無断で本書の一部または全部を複写複製することは著作権法上の例外を除き禁じられています。Copyright © 2017 Uryuyama Academic FoundationPrinted in Japan

京都造形芸術大学http://www.kyoto-art.ac.jp/

京都芸術デザイン専門学校http://www.cdc.ac.jp/

京都文化日本語学校http://www.kicl.ac.jp/

学校法人瓜生山学園