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および Chattonella 属の LAMP 法による検出手法を検出キットとして提供するための検討を 進めた。また,キット化にあわせて LAMP 法分析マニュアルを作成した。 2) NASBA 法による簡易検出手法の開発 K. mikimotoi NASBA 法による生理状態判別法構築のためのプライマー設計 K. mikimotoi RNA 塩基配列データベースから,窒素制限関連遺伝子として硝酸輸送関連 遺伝子を,そしてリン制限関連遺伝子としてアルカリフォスファターゼ遺伝子を抽出し,両 者に対して増幅産物 200-300 bp 程度の領域でプライマーの設計を複数行った。プライマーの 性能を確認するため,K. mikimotoi 培養から RNA をキアゲン社 RNeasyPlus にて抽出し,さら に逆転写酵素により cDNA の作製を行った。それらの cDNA に対して上記で設計したプライ マーを用いた PCR を行い,その増幅性能を評価した。 ②栄養塩制限時における K. mikimotoi の遺伝子発現状況の確認 上記で設計したプライマーを用い,K. mikimotoi の遺伝子発現状況(生理状態)についてリ アルタイム PCR を用いて評価を試みた。試験区として対照区(完全 SWM-3 培地),窒素制限 区(SWM-3_N 1/100),リン制限区(SWM-3_P 1/65)を準備した。各試験区に完全培地で培養 中の K. mikimotoi の細胞が 500 cells/ml 程度になるように接種し, 20℃, 12:12 明暗周期で培養 を開始した。培養開始後,34711141825 日目に培養液 5 ml 中の細胞を 3 μm ヌク レポアフィルター上に捕集し,解析まで-80℃で保存した。培養液中の細胞数は Tali イメージ ベースサイトメーターで測定した。また,培養 18 日目には,培養細胞のアルカリフォスファ ターゼ活性を蛍光法で測定した。 ③カルセイン AM 染色法を用いた K. mikimotoi 生細胞の計数 生細胞の細胞膜を透過し,生細胞が持つ細胞内エステラーゼによって加水分解され,細胞 膜不透過性の緑色蛍光物質カルセインを生じさせることで生細胞を染色するカルセイン-AM を用い, K. mikimotoi の生細胞を染色する条件の検索を行った。具体的には, K. mikimotoi 培養 100 μl に対してカルセイン-AM 125 μl 添加し,090 分間静置した後,グルタルア ルデヒド最終添加濃度 0.01%にて細胞の遊泳運動を止め,それらの細胞を Tali イメージベー スサイトメーターで測定した。使用した細胞は対数増殖期の培養で,死細胞はほぼ存在しな いと思われるものを用いた。 D. cf. octonaria NASBA 法検出のためのプライマー設計 D. cf. octonaria ならびにその近縁種を含む株の rRNA ITS 領域ならびに rRNA LSU D1-D2 域の配列を比較し,本種に対して種特異的な NASBA 法用プライマーのデザインを行った。 本種の対数増殖培養期の細胞を集藻し,キアゲン社 RNeasyPlus にて RNA を抽出した。さら に逆転写酵素により cDNA の作製を行った。それらの cDNA に対して本種検出用に設計した プライマーを用いた PCR を行い,その増幅性能を評価した。また,抽出した RNA を対象と し,設計したプライマーを用いた NASBA 法による増幅の確認を行った。 3)結果及び考察 1LAMP 法による簡易検出手法の開発 Dictyocha 属藻類の形態と分子系統分類 139

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および Chattonella 属の LAMP 法による検出手法を検出キットとして提供するための検討を

進めた。また,キット化にあわせて LAMP 法分析マニュアルを作成した。 2) NASBA 法による簡易検出手法の開発 ①K. mikimotoi の NASBA 法による生理状態判別法構築のためのプライマー設計

K. mikimotoi の RNA 塩基配列データベースから,窒素制限関連遺伝子として硝酸輸送関連

遺伝子を,そしてリン制限関連遺伝子としてアルカリフォスファターゼ遺伝子を抽出し,両

者に対して増幅産物 200-300 bp 程度の領域でプライマーの設計を複数行った。プライマーの

性能を確認するため,K. mikimotoi 培養から RNA をキアゲン社 RNeasyPlus にて抽出し,さら

に逆転写酵素により cDNA の作製を行った。それらの cDNA に対して上記で設計したプライ

マーを用いた PCR を行い,その増幅性能を評価した。 ②栄養塩制限時における K. mikimotoi の遺伝子発現状況の確認

上記で設計したプライマーを用い,K. mikimotoi の遺伝子発現状況(生理状態)についてリ

アルタイム PCR を用いて評価を試みた。試験区として対照区(完全 SWM-3 培地),窒素制限

区(SWM-3_N 1/100),リン制限区(SWM-3_P 1/65)を準備した。各試験区に完全培地で培養

中の K. mikimotoi の細胞が 500 cells/ml 程度になるように接種し,20℃,12:12 明暗周期で培養

を開始した。培養開始後,3,4,7,11,14,18,25 日目に培養液 5 ml 中の細胞を 3 μm ヌク

レポアフィルター上に捕集し,解析まで-80℃で保存した。培養液中の細胞数は Tali イメージ

ベースサイトメーターで測定した。また,培養 18 日目には,培養細胞のアルカリフォスファ

ターゼ活性を蛍光法で測定した。 ③カルセイン AM 染色法を用いた K. mikimotoi 生細胞の計数 生細胞の細胞膜を透過し,生細胞が持つ細胞内エステラーゼによって加水分解され,細胞

膜不透過性の緑色蛍光物質カルセインを生じさせることで生細胞を染色するカルセイン-AMを用い,K. mikimotoi の生細胞を染色する条件の検索を行った。具体的には,K. mikimotoi 培養

液 100 μl に対してカルセイン-AM を 1,2,5 μl 添加し,0~90 分間静置した後,グルタルア

ルデヒド最終添加濃度 0.01%にて細胞の遊泳運動を止め,それらの細胞を Tali イメージベー

スサイトメーターで測定した。使用した細胞は対数増殖期の培養で,死細胞はほぼ存在しな

いと思われるものを用いた。 ④D. cf. octonaria の NASBA 法検出のためのプライマー設計

D. cf. octonaria ならびにその近縁種を含む株の rRNA ITS 領域ならびに rRNA LSU D1-D2 領

域の配列を比較し,本種に対して種特異的な NASBA 法用プライマーのデザインを行った。

本種の対数増殖培養期の細胞を集藻し,キアゲン社 RNeasyPlus にて RNA を抽出した。さら

に逆転写酵素により cDNA の作製を行った。それらの cDNA に対して本種検出用に設計した

プライマーを用いた PCR を行い,その増幅性能を評価した。また,抽出した RNA を対象と

し,設計したプライマーを用いた NASBA 法による増幅の確認を行った。

(3)結果及び考察 1)LAMP 法による簡易検出手法の開発 ① Dictyocha 属藻類の形態と分子系統分類

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今年度は D. speculum を中心に分離して解析する予定であったが,広島湾,福山湾および豊

後水道で採水した海水からは形態的に D. speculum に相当する細胞は観察されず,分離するこ

とは出来なかった。 鹿児島県より入手した D. octonaria と思われる培養株 3 株(DicKG1~3 株)の ITS1-5.8s-

ITS2 領域(ITS 領域)および LSU D1-D2 領域(LSU 領域)の分子系統解析の結果を,それぞ

れ図 1a および図 1b に示す。山川湾産 DicKG1 株は,D. octonaria として塩基配列情報が登録

されているニュージーランド産 NIWA1026 株や山川湾で分離された 15Ooc 株と同じクレード

となったことから D. octonaria であることがわかった。また,喜入産 DicKG2 株(骨格あり)

と DicKG3 株(骨格なし)は,甑島で分離された 14Ooc3mix 株と同じクレードとなったこと

から D. cf. octonaria であることがわかった。ITS 領域と LSU 領域の分子系統樹はほぼ同じ結

果を示したが,今年度得られた新たな配列を加えたことにより D. speculum として登録されて

いる配列は ITS 領域では D. octonaria に最も近縁となったのに対し,LSU 領域では D. cf. octonaria に最も近縁となった。遺伝子データベースに登録されている D. speculum のデータは

1 つのみであり,D. octonaria および D. cf. octonaria との分子系統的関係をについてはさらに

D. speculum のデータを増やして解析する必要がある。 図 2 に D. octonaria と D. cf. octonaria の骨格の写真を示す。骨格形態は基本的な形態は両者

で共通しており,明瞭な差は確認できていないが,D. octonaria は骨格が比較的太くわずかに

大きい。これらの点については,今後さらに両者の相違を確認する必要がある。 ②D. cf. octonaria および D. octonaria を対象とした LAMP 法による簡易検出系の検討

D. cf. octonaria を対象とした LAMP 法による検出の種特異性試験の結果を表 3 に示す。本検出

系ではDictyocha fibraや近縁のPseudochattonella verruculosaなどのディクティオカ藻は反応せず,

また,赤潮を形成するラフィド藻(4 種)および渦鞭毛藻(17 種)に対しても反応しなかったが,

D. octonaria は反応することが確認された。この結果は設計したプライマーでは D. octonaria と D.

cf. octonaria を区別して検出することは困難であると考えられた。

D. octonaria(DicKG1 株)の配列を基に LAMP 法プライマー(ループプライマーを含む)を rDNA

ITS 領域に設計した。これを用いて 60~65℃での検出時間を比較した結果を図 3 に示す。反応は

すべての温度で確認された。至適温度は 65℃であった。本プライマーが D. cf. octonaria に対して

反応するかどうか確認したところ,反応することが確認されたことから,新たに設計したプライ

マーでも両者を区別して検出することが出来ないことがわかった。D. octonaria と D. cf. octonaria

の rDNA ITS 領域及び LSU 領域には ITS に 6 塩基,LSU に 3 塩基の置換というわずかな違いしか

ないため,両者を区別して検出するためには別の遺伝子領域を用いて検討する必要があると考え

られた。

③LAMP 法による定量法の検討 K. mikimotoi の LAMP 法リアルタイム濁度検出による検量線を図 4 に示す。濁度計を用い

ることにより 2.0×101~2.0×107 copies/µl の濃度範囲で検量線は作成可能であった。検量線の

相関係数は R2=0.97 であり,これを用いておおよその細胞数を推定することは可能と考えら

れた。しかし,1) < 2.0×102 copies/µl では一部の試料で検出できないことがあり,低濃度での

検出感度がやや不安定である,2) この方法では大量に試薬が必要になり分析コストがかかる

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ため普及向けの方法ではない,などいくつか問題点がある。最近,Q-probe を用いた定量 LAMP法など新たな技術が導入され始めており,情報収集をするとともに普及可能な技術を検討し

ていく必要がある。 ④LAMP 法を用いた赤潮原因プランクトン検出手法のキット化と分析マニュアルの作成 先に確立した K. mikimotoi および Chattonella 属検出用 LAMP 法を元に,試薬の調合などを

調整し,LAMP 法によるこれら 2 種の蛍光目視検出キットを作成した。キットは(株)ニッ

ポンジーンより 2016 年 6 月に赤潮原因プランクトン検出キットとして発売を開始した。検出

キットにあわせて検出マニュアルを作成し,ニッポンジーンのホームページ上で公開した

(http://www.nippongene.com/kensa/products/lamp-kit/chattonella-spp/chattonella-spp.html)。これに

より,試験研究機関だけでなく養殖業者などでも LAMP 法による検出が可能となり,有害赤

潮の早期発見・早期対策に役立つことが期待される。今後は検出キットの活用方法を広める

とともに,技術普及を進める必要がある。 2)NASBA 法による簡易検出手法の開発 ①K. mikimotoi の NASBA 法による生理状態判別法構築のためのプライマー設計

K. mikimotoi のアルカリフォスファターゼ遺伝子(AP)ならびに硝酸輸送関連遺伝子(NRT)を検出するためのプライマーをそれぞれ,14 セットならびに 2 セット作製した。種々の予備

検討の結果,リボゾーマル RNA-28S 領域用(コントロール)1 種類,AP 遺伝子用 4 種類,

NRT 用 2 種類のプライマーを,PCR 増幅試験を通して遺伝子発現用のプライマーとして絞り

込んだ。さらに同プライマーをリアルタイム PCR に適用するため,それらのプライマーで増

幅される産物のメルトカーブを調べ,各遺伝子の発現解析に最適と判断された遺伝子毎に一つ

のプライマーセットを選定した。窒素制限区における硝酸輸送関連遺伝子の発現量は,培養

が定常期に入る前から高くなる傾向にあったが,リン制限区の発現量も同様に高くなる傾向

が見られた(図 5, 6)。一方,AP の相対発現量はリン制限区において窒素制限区よりも常に高

くなっていた(図 5, 6)。 ②栄養塩制限時における K. mikimotoi の遺伝子発現状況の確認 栄養制限培養を 25 日間実施した。培養開始後 10 日目以降,栄養制限培地では培養が定常

期に入り,コントロール区では微増した。その間,細胞当たりのクロロフィル a 自家蛍光強

度は減少傾向にあった。また,各実験区において培養中のアルカリフォスファターゼ活性を

測定したところ,リン酸制限区の活性が他区より 50~100 倍程度高かった(図 5)。また,

NRT/AP の比をとると,培養が定常期に入る直前からリン制限では<1 であり,窒素制限では

>1 となり,両者間に傾向の差が見られた(図 7)。このことから,本手法を基とした K. mikimotoi細胞の栄養制限状態を簡易的に判断可能になる可能性があるが,さらなる反復実験や株間の

比較等が欠かせないであろう。 ③カルセイン AM 染色法を用いた K. mikimotoi 生細胞の計数 カルセイン染色液を添加する前は,K. mikimotoi の緑色蛍光は均一に低く,概ね 1000 以下

であった。一方,カルセイン染色液を添加した直後から,細胞の緑色蛍光が増加することが

確認された。細胞内にエステラーゼ活性があると判定する基準を,緑色蛍光強度 1500 とした

場合,いずれのカルセイン染色濃度においても 30 分後にはほとんどの細胞がそのラインを上

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回った。その後,時間を追う毎に,細胞集団の緑色蛍光強度は増加していった。ただし,100 μl の培養に対して 5 μl のカルセイン染色液添加量では,バックグラウンドの増加が著しいと

思われ,細胞外にあるデブリスなどの集塊が蛍光を発している様子も観察された。クロロフ

ィル a 自家蛍光強度のみで測定した細胞数を基準とし,カルセインで染色された細胞の割合

を経時的に観察すると,カルセイン添加量 2 μl(培養液に対して 1/50 量)で 30~60 分程度の

染色が最も妥当な,生細胞の染色手法であると推察された(図 8~10)。 ④D. cf. octonaria の NASBA 法検出のためのプライマー設計 本種から抽出した RNA を逆転写酵素により cDNA 化した産物に対し,設計した 7 組のプ

ライマーセットを用いて PCR 反応を行った。その結果,いずれのプライマーセットにおいて

も目的とする産物を得ることに成功した(図 11)。さらに本種の RNA に対し,NASBA 法を

用いて同プライマーセットの反応を評価した。NASBA 法による増幅産物を変成ゲル電気泳動

法で確認したところ,いずれのプライマーセットにおいても目的とする産物のサイズにバン

ドが確認された。しかしながら,本種の ITS 領域に設定した 700 b 程度の産物の増幅はきわ

めて低かった。また,RNA を添加せず,プライマーセットのみで反応を行ったネガティブコ

ントロールにおいて,非特異的な増幅が最も抑制されていたのは,本種の D1-D2 領域に設計

した F41,R61 の組み合わせによるプライマーセットであった。今後,本プライマーセットを

用いた検出感度の確認,ならびに種特異性に関する試験が必要である。

表 1.分子系統解析に用いた Dictyocha 属藻類試料および配列情報.ラベル欄の太字は本

研究(昨年度実施分を含む)で分析した試料を示す.

種名 採集地 ラベル rDNA 領域 株名 骨格有無 Accession No.Dictyocha octonaria ニュージーランド HQ646564 ITS, LSU NIWA1026 ? HQ646564

鹿児島県山川湾 16OocKagoshima Cult1 (Dic1) ITS, LSU DicKG1 + -鹿児島県鹿児島湾喜入 16OocKagoshima Cult2 (Dic2) ITS, LSU DicKG2 + -鹿児島県鹿児島湾喜入 16OocKagoshima Cult3 (Dic3) ITS, LSU DicKG3 - -鹿児島県甑島 14OoC1KSK ITS, LSU 14OoC1KSK - -鹿児島県甑島 14Ooc3mixKSK ITS, LSU 14Ooc3mixKSK - -鹿児島県甑島 14Ooc4KSK ITS, LSU 14Ooc4KSK - -鹿児島県甑島 8Oct_KSK ITS, LSU - + -鹿児島県甑島 Cglob-type_Oct_KSK ITS, LSU - - -愛媛県八幡浜 8Oct_Ehime01 LSU - + -鹿児島県山川湾 15Ooc_Kagoshima_Yamakawa LSU 15Ooc + -熊本県楠浦湾 7-9Oct_KMY_Kusuura01 ITS, LSU - + -

fibula 広島県広島湾 4Fib_Suiken01 LSU - + -広島県広島湾 4Fib_Suiken02 ITS, LSU - + -広島県広島湾 4Fib_Suiken03 LSU - + -愛媛県八幡浜 4Fib_Ehime01 LSU - + -愛媛県八幡浜 Cglob_Ehime01 ITS, LSU - - -愛媛県御荘湾 C.glob_MISO ITS, LSU - - -鹿児島県八代海 12Cglobosa_KGY ITS, LSU 12CglobosaKGY - -熊本県楠浦湾 4Fib_KMY_Kusuura01 ITS, LSU - + -

glovosa ニュージーランド HQ646560 ITS NIWA1008 - HQ646560HQ646559 LSU NIWA1008 HQ646559

speculum ベルギー AF289046 ITS-28S - ? AF289046Vicicitus globosus ニュージーランド HQ646560 ITS NIWA1008 - HQ646560

HQ646559 LSU NIWA1008 HQ646559

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Primer Sequence (5’→3’) Length

Doc1LAMP-F3 CTCATCCCTCCCTGTG 16

Doc1LAMP-B3 CAATGCCGAGCATAGC 16

Doc1LAMP-FIP GGGACGCTCCGTTGTTACGTTTTGCATGGAGAGGC 35

Doc1LAMP-BIP GTATCCGCTGACGGTGTGGCGTCCCAACTAATGGTG 36

Doc1LAMP-LF TGCGACACCCAGAGT 15

Doc1LAMP-LB GGCATTCTAAACACTTGCT 19

Doc2LAMP-F3 GCGAATTGCAGAATCCAGTGAA 22

Doc2LAMP-B3 GGCTTCGATTGAGTATCCCG 20

Doc2LAMP-FIP CAGGGGGGGGTGAGGGTTGCATCTTGCGCTTCCGG 35

Doc2LAMP-BIP CGTGGAGAGGCGGCGGCAATGGGGTCTGCTTTTCGG 36

Doc2LAMP-LF CAGACACTCCACTGAGCATG 20

Doc2LAMP-LB GCACCGTGTAACAACGGAG 19

表 3.Dictyocha cf. octonaria 検出 LAMP 法の種特異性。+:検出,-:非検出。

表 2.Dictyocha cf. octonaria および Dictyocha octonaria 検出 LAMP 法プライマー配列。

Doc1LAMP: D. cf. octonaria の塩基配列を基に設計, Doc2LAMP: D. octonaria を基に設計。

Species LAMP反応 Species LAMP反応ディクティオカ藻 渦鞭⽑藻 - Dictyocha cf. octonaria  (Ooc3mix) +  Karenia papilionacea - Dictyocha cf. octonaria (DicKG3) +  Karenia mikimotoi - Dictyocha cf. octonaria (DicKG2) +  Karenia umbella - Dictyocha octonaria (DicKG1) +  Heterocapsa circularisquama - Vicicitus globosus  (2株) -  Heterocapsa rotundata - Pseudochattonella verruculosa -  Heterocapsa triquetra -ラフィド藻  Heterocapsa pygmaea - Chattonella subsalsa -  Lepidodinium chlorophorum - Chattonella ovata -  Karlodinium veneficum - Heterosigma akashiwo -  Prorocentrum dentatum - Fibrocapsa japonica -  Cochlodinium polykrikoides -渦鞭⽑藻  Cochlodinium sp.Type-Kasasa - Gymnodinium catenatum -  Pyrodinium bahamense var. compressum - Gymnodinium impudicum -  Alexandrium tamiyavanichii -

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図 1. rDNA 配列に基づく Dictyocha 属藻分子系統樹(近隣接合法)。 (a)ITS1-5.8s-ITS2 領域,(b)LSU D1-D2 領域。各枝の分岐の数値は近隣接合法でのブー

トストラップ値(n = 1000,>50%)を示す。試料ラベルは表1を参照。

(a)

(b)

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図 3. Dictyocha octonaria検出LAMP法

による反応温度と検出時間。

0

5

10

15

20

25

30

60 61 62 63 64 65

Detection tim

e (m

in)

Reaction tmperture (oC)

図 2. Dictyocha octonaria および Dictyocha cf. octonarima の骨格の比較。 a, b:D. octonaria 山川湾産(DicKG1 株),c: D. cf. octonaria 喜入産(DicKG2 株),

d, e:D. cf. octonaria 甑島産(天然)

図 4. Karenia mikimotoi の定量 LAMP 法の検討. 2.0×101 copies/µl は 3 本中 2 本,2.0×102 copies/µl は 3 本中 1 本のみ検出。

y = 2E+14e-0.662xR² = 0.97

1.0E+01

1.0E+02

1.0E+03

1.0E+04

1.0E+05

1.0E+06

1.0E+07

1.0E+08

20 25 30 35 40 45

Conc

entra

tion

(cop

ies/

μl)

Detection time (min)

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図 5.Karenia mikimotoi の栄養制限培養実験。左上)細胞数,左下)細胞の自家蛍光強度,

右)培養 18 日目における各試験区のアルカリフォスファターゼ活性。C:対照区,N:窒素

制限区,P:リン制限区。

3 4 7 11 14 18 25

0.1

0.2

0.3

0.4

0.50.60.70.80.91

2

3

4

5

NRT/A

P

Days

図 6.Karenia mikimotoi の各試験区における NRT と AP の相対発現量。 C:対照区,N:窒素制限区,P:リン制限区。

図 7.図 2 における NRTと AP の相対発現量の比。

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図 8.Karenia mikimotoi 対数増殖期細胞をカルセイン AM 溶液で染色した場合の緑色蛍光

強度分布の経時変化。

図 9.カルセイン AM 溶液で染色した Karenia mikimotoi 細胞の蛍光顕微鏡観察。

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図 11.Dictyocha cf. octonaria 細胞から抽出した RNA を対象とした,7 組の異なるプライ

マーセットを用いた NASBA 法による増幅産物の変成ゲル電気泳動像。RNA ラダーのサ

イズは kb。上段)鋳型に用いた RNA 量=120 ng,中段)同 12 ng。ネガティブコントロー

ルには RNA 添加無し。

図 10.各濃度のカルセイン AM 溶液で染色した Karenia mikimotoi 細胞の染色時間毎の

Tali イメージベースサイトメーターによる計数値の経時変化。

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